JP2011187743A - 太陽電池制御装置、太陽電池管理装置、電力システム、太陽電池制御装置の制御方法および太陽電池管理方法 - Google Patents

太陽電池制御装置、太陽電池管理装置、電力システム、太陽電池制御装置の制御方法および太陽電池管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池が適切に接続されていることを示す。
【解決手段】監視制御装置40が、PVモジュールM1の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を受信する指示受信部61と、上記指示に応じて、インピーダンスを変更させることで上記PVモジュールM1の電圧値を変更するDCDC変換部43と、上記変更後の電流値および電圧値と、自装置を識別するための識別子とを含む通知を、上記指示の送信元に返信する応答部64と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池制御装置、太陽電池管理装置、電力システム、太陽電池制御装置の制御方法および太陽電池管理方法に関する。
昨今、系統から電力を買電するだけでなく、各住宅に備えられた太陽光発電パネルによって発電された電力を売電することができる電力売買システムが開発されつつある。
例えば、スマートグリッドと呼ばれる技術などが知られている。また、太陽光発電の普及を目的として、太陽光発電による電力をそれ以外の電力に比べて高値で買い取る制度の導入も各国で検討されている。このような電力売買システムでは、太陽エネルギーによって正当に発電された電力が供給されることが大前提である。しかしながら、蓄電池等によって太陽電池モジュールの発電特性を模した電力供給を行うことも考えられるため、このような不正な電力供給に対する対策を講じることが望まれている。
このため、例えば、太陽電池モジュールに識別子を付与するなどして個々の太陽電池モジュールを管理することも一案である。太陽光発電モジュールに識別子を付与するという技術的思想は、例えば特許文献1、2において開示されている。
特開2004−221479号公報(2004年8月5日公開) 特開2004−260015号公報(2004年9月16日公開)
しかしながら、特許文献1、2では、太陽電池モジュールごとに識別子を付して、故障した太陽光電池モジュールを当該識別子によって個別に検知する技術が開示するにとどまる。上述の従来技術は、飽くまで故障した箇所を検知するために太陽電池モジュールに識別子を付与する技術であり、その正当性を示したり検証したりするものではない。本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、電力売買システムに参加するクライアント側で太陽電池が適切に接続されていることを示すことができる太陽電池制御装置、太陽電池管理装置、電力システム、太陽電池制御装置の制御方法および太陽電池管理方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る太陽電池制御装置は、対象機器の電流値および電圧値の少なくとも一方を制御する制御装置に対して、電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を送信する指示送信手段と、上記制御装置から該制御装置の識別子、電流値および電圧値を受信する受信手段と、受信した電流値および電圧値が受信した識別子より識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かに応じて、上記対象機器が太陽電池であるか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る太陽電池制御装置の制御方法は、太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を受信する指示受信ステップと、上記指示に応じて上記太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する変更ステップと、上記変更後の電流値および電圧値と自装置を識別するための識別子とを含む通知を、上記指示の送信元に返信する通知返信ステップとを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、通信ネットワークからの指示に応じて太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更し、変更した後の電流値および電圧値と指示の送信元に太陽電池制御装置を識別するための識別子とを返信することができる。
太陽電池の電流値または電圧値の一方を変動させると、太陽電池のI−V特性に従って他方の値も変動する。このような特性は、太陽電池に特徴的なものであり太陽電池以外の電力源によって模倣するのは相当の困難性をともなう。
よって、上記のように、変更した後の電流値および電圧値を含む通知を送信することで、その通知の受信者に対して太陽電池制御装置を特定するための情報および太陽電池制御装置に接続されているものがまぎれもなく太陽電池そのものであることを示すことができるという効果を奏する。
本発明に係る太陽電池制御装置では、太陽電池の両極間の電圧を計測する電圧計測部と、太陽電池の両極間に接続された抵抗部とを備え、上記抵抗部には太陽電池の両極間との接続をオン・オフするためのスイッチが設けられており、スイッチがオンの状態で太陽電池の両極間において接続され、上記変更手段は上記指示の受信に応じて上記スイッチをオン状態にすることが好ましい。
上記構成によれば、通信ネットワークからの指示に応じて変更手段が抵抗部のスイッチをオンの状態にして太陽電池の両極と接続させる。これにより当該太陽電池の電流値を、抵抗値と電圧計測部が計測する電圧値との関係から算出することができる。また、指示の受信に応じてスイッチをオン状態にするので、指示がない場合において抵抗により電流が流入することを防ぐことができる。この結果、発電効率の低下を防ぎつつ、太陽電池制御装置に接続されているものがまぎれもなく太陽電池そのものであるか否かを判定することができるという効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る太陽電池管理装置は、本発明に係る太陽電池制御装置は、対象機器の電流値および電圧値の少なくとも一方を制御する制御装置に対して電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を送信する指示送信手段と、上記制御装置から該制御装置の識別子、電流値および電圧値を受信する受信手段と、受信した電流値および電圧値が受信した識別子より識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かに応じて、上記対象機器が太陽電池であるか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る太陽電池管理方法は、対象機器の電流値および電圧値の少なくとも一方を制御する制御装置に対して、電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を送信する指示送信ステップと、上記制御装置から該制御装置の識別子、電流値および電圧値を受信する受信ステップと、受信した電流値および電圧値が受信した識別子より識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かに応じて、上記対象機器が太陽電池であるか否かを判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、太陽電池管理装置が制御装置に対して電流値および電圧値のすくなくとも一方を変更し電流値および電圧値の少なくとも一方を変更させるよう指示し、この指示の応答として、該制御装置の識別子と電流値および電圧値とを受信する。この太陽電池管理装置の適用例としては、電力会社が保有するサーバ装置、電信柱の柱上変圧器、スマートメーターをはじめとする電力計測器およびパワーコンディショナ等が挙げられる。そして、受信した電流値および電圧値が識別子により識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かを判定する。
接続されているべき太陽電池の電気的特性は、例えば、制御装置の識別子と当該制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性とを対応付けてデータベースに保存しておき、受信した制御装置の識別子を用いてこのデータベースから読み出す構成としてもよい。また、合致するか否かは受信した電流値および電圧値が所定の範囲内か否かによって判断してもよい。この判定の結果、合致していない場合には対象機器が太陽電池でないと判断することができる。従って、識別子によって特定した制御装置に接続されているものがまぎれもなく太陽電池そのものか否かを判定することができるという効果を奏する。
本発明に係る太陽電池管理装置では、上記指示送信手段は上記指示を不定期に送信することが好ましい。
上記構成によれば、制御装置に対する指示をいわば抜き打ちで行うことができる。制御装置に対する指示を定期的に行うこととすると、制御装置に不正な電力源を接続している者が、太陽電池管理装置から指示が送信される時期を予測してなりすまし判定に対する対応策を立ててしまうおそれがある。上記構成のように、抜き打ちで制御装置に対する指示を行えばこのような対策を立てにくくすることができる。また、このように不定期で行えば、なりすまし判定のために指示を送信するため、太陽電池管理装置と制御装置との間における通信資源を無闇に消費することがなくネットワークの輻輳を防ぐこともできる。
本発明に係る太陽電池管理装置では、上記判定手段は上記太陽電池の発電履歴に基づいて電流値および電圧値を推定し、推定した電流値および電圧値と上記受信した電流値および電圧値とを比較することにより、上記電気的特性が合致するか否かの判断を行うことが好ましい。
上記構成によれば、太陽電池の発電履歴に基づいて電流値および電圧値を推定するので、太陽電池の実績に応じて電気的特性の判断を行うことができる。これにより電気的特性が合致しているか否かの判定の精度を向上させることができる。
本発明に係る太陽電池管理装置では、上記制御装置の識別子と該制御装置に接続されているべき太陽電池の開放電圧の値とを対応付けて記憶する開放電圧記憶部を備え、上記指示送信手段は、上記制御装置に対し、電圧値を上記開放電圧記憶部に記憶されている該制御装置の識別子に対応する上記制御装置に接続されているべき太陽電池の開放電圧の値に変化させた後の電圧値および電流値を送信する指示を送信するものであることが好ましい。
上記構成によれば、電圧値を開放電圧の値に変化させた後の電流値および電圧値が識別子により識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かを判定することができる。開放電圧における電流値は太陽電池に特徴的な電気的特性に従うものであるから、上記構成によれば上記対象機器が太陽電池であるか否かを精度良く判定することができるという効果を奏する。
本発明に係る太陽電池管理装置では、上記指示送信手段は日射量が十分である場合、および日射量が低下している場合の両方において、上記指示を送信し上記判定を行うことが好ましい。
太陽電池は、日射量が低下すると電流の変動に対して電圧が大きく変動するようになる特性がある。上記構成によれば、日射量が十分である場合、例えば晴れの時間帯に受信した電圧値および電流値について判定を行い、さらに日射量が低下している場合、例えば曇りの時間帯に受信した電圧値および電流値について判定を行うことができる。よって、異なる日射量の条件下で太陽電池の電気的特性を検証することができる。この結果、上記対象機器が太陽電池であるか否かを精度良く判定することができる。
上記太陽電池制御装置と上記太陽電池管理装置とを備える電力システムも本発明の範疇であり、上記構成により前述のものと同じ作用効果を得ることができる。
本発明に係る太陽電池制御装置および太陽電池制御装置の制御方法によれば、太陽電池制御装置を特定するための情報および太陽電池制御装置に接続されているものがまぎれもなく太陽電池そのものであることを示すことができるという効果を奏する。本発明に係る太陽電池管理装置および太陽電池管理方法によれば、識別子によって特定した制御装置に接続されているものがまぎれもなく太陽電池そのものか否かを判定することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る監視制御装置の構成例について示す機能ブロック図である。 本発明に係る電力売買システムの概略的構成について示す機能ブロック図である。 電力配信網から太陽電池までの接続形態について示す模式図である。 上記監視制御装置の概略的構成について示す機能ブロック図である。 本発明に係る電力管理サーバの概略的構成について示す機能ブロック図である。 本発明に係る問合せ・応答の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明に係る問合せ・応答の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。 本発明に係る問合せ・応答の処理の流れのさらに他の例を示すフローチャートである。 PVモジュールの位置情報について示した模式図である。 電力属性を管理するための構成について例示したブロック図である。 本発明の他の実施形態に係る監視制御装置の構成例について示す機能ブロック図である。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図10に基づいて説明すると以下のとおりである。
(電力売買システムの構成について)
まず、図2を用いて電力売買システム(電力システム)1の概略的構成について説明する。図2に示すように、電力売買システム1は、電力会社Pが管理する電力管理サーバ(太陽電池管理装置)100と太陽電池アレイ(以下、単に太陽電池と称する)30を設置している住宅C1〜Cnとが、商用電力系統である電力配信網(系統)5を介して相互に接続された構成である。電力売買システム1は、電力配信網(通信ネットワーク)5を介して電力会社Pから一方的に各住宅に電力供給を行うだけでなく、各住宅からの電力供給が可能であり、いわゆる双方向の電力供給を実現している。すなわち、住宅C1〜Cnでは、太陽電池30で発電した電力を自宅で消費することができ、また消費しきれなかった電力、すなわち余剰電力については電力会社Pに買い取らせることもできる。この際、住宅C1〜Cnはこの余剰電力を電力配信網5に逆流させる。また、住宅C1〜Cnは、太陽電池30で発電した電力が自宅で必要な電力に満たないときは足りない分の電力を電力会社Pから購入して電力配信網5から電力供給を受ける。
ところで、太陽光発電システムを普及させるため太陽電池30によって発電した電力を優先的な価格で買い取る制度も世界各地で導入されつつある。しかしながら、太陽電池30を設置している住宅CXが、さらに太陽電池30以外の発電源Xを設置しており、これにより太陽電池30よりも安価に発電できるようになっている場合も考えられる。このような場合、住宅CXにおいて発電源Xによって太陽電池30よりも安価に発電された電力が不当な価格で電力会社Pに売電される可能性がある。例えば、住宅CXにおいて発電源Xとしてエンジン発電機が備えられている場合、当該エンジン発電機で安価に発電した電力が電力会社Pに不当な価格で売電されるというケースが考えられる。
従って、当該システムにおいて、上記のような優先的な買い取り制度を導入する場合、発電源Xによって発電した電力、言い換えれば太陽電池30によって発電していない電力を太陽電池30によって発電した電力と偽って高い買い取り価格で電力会社Pに買い取らせるという不正を防ぐ対策を打つことが望まれる。
(電力配信網から太陽電池に至るまでの通信経路)
次に、図3を用いて電力配信網5から太陽電池30に至るまでの通信経路の具体例について説明する。図3は住宅C1における各機器の接続構成について例示したものである。
図3に示すように、電力配信網5と太陽電池30との間は、例示的に、電力配信網5側から順に、変圧器11、電力計測器12、パワーコンディショナ20、そして太陽電池30という接続構成としている。
変圧器11は、電力配信網5から供給される電力を家庭用の電源として利用できるよう変圧するものである。変圧器11は住宅C1付近に設置される電柱上に設けられる。電力計測器12は、電力会社Pから購入する電力の電力量を計測する買電メータおよび電力会社Pに販売する電力の電力量を計測する売電メータを備えるものであり、例えばスマートメーターなどにより実現可能である。パワーコンディショナ20は、主として、太陽電池30から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ機能と、電力配信網5へ流す電力と負荷13へ流す電力を分電する分電機能とを備えるものである。また、パワーコンディショナ20は、例示的に太陽電池30をMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御する機能や、太陽電池30から出力される電力量、その電流値、電圧値を計測する機能も備える構成である。負荷13は、住宅C1内で用いられる電力を消費する機器であり、例えば照明、テレビジョン受像機、クーラー、冷蔵庫、給湯器などが挙げられる。
各構成間の通信接続形態は、例示的に次のものを採用している。まず、電力配信網5と変圧器11との間は、電力会社Pの系統保守用の通信ネットワークにより接続される。なお、以下では説明の便宜のため、電力配信網5の用語は系統保守用の通信ネットワークを含むものとする。また、変圧器11−電力計測器12−パワーコンディショナ20の間は、AC(交流)ライン上のパワーラインコントローラ(以下、PLCと称する)によるLonWorks(登録商標)通信を行う接続形態である。そして、パワーコンディショナ20と太陽電池30および負荷13との間はDC(直流)ライン上のPLCによるLonWorks通信を行う接続形態である。しかしながら、上記に限られず、各構成間の通信接続形態は有線および無線を問わず様々な構成を採用することができ、例えば、Zigbee(登録商標)等の構成を採用することができる。
(太陽電池の概略的構成について)
次に、図4を用いて太陽電池30の概略的構成について説明する。図4に示すように、太陽電池30は、PVモジュール(太陽電池)M1とそれに対応する監視制御装置(太陽電池制御装置、制御装置)40とからなるセットを複数備える構成である。なお、この太陽電池30の構成は例示的なものであり構成はこれに限られない。例えば、太陽電池30はPVモジュールM1が複数直列に接続されたストリングが並列に接続された構成であってもよい。太陽電池30は、複数のPVモジュールM1が、監視制御装置40を介して直列に接続された構成である。PVモジュールM1は太陽光発電素子であるセルを複数直列に接続した構成を有する発電装置である。監視制御装置40はPVモジュールM1を監視するためのものである。
なお、同図において点線は通信・制御の流れを示している。また、監視制御装置40はパワーコンディショナ20と通信ネットワークを介して接続されている。監視制御装置40は、DCDC(直流―直流)変換部43、主制御部60、および記憶部80を備える構成である。DCDC変換部43は、PVモジュールM1の出力をDCDC変換するものであり、例示的にはDCDCコンバータにより実現される。また、DCDC変換部43は、さらにPVモジュールM1の電圧値および電流値を計測する機能、およびインピーダンスを変化させる機能を有している。
主制御部60は監視制御装置40内における各種構成の動作を統括的に制御するものであり、記憶部80は各種情報を記憶するものである。
(主制御部および記憶部について)
次に、図1を用いて、主制御部60および記憶部80の詳細について説明する。図1は図4に示す太陽電池30に含まれる、一組のPVモジュールおよび監視制御装置40のセットに注目しその詳細構成について示したものである。
まず、記憶部80の構成について説明する。図1に示すように、記憶部80は識別子記憶部81および発電実績記憶部82を備える構成である。識別子記憶部81は、電力管理サーバ100側で監視制御装置40を個体識別するための識別子を記憶しているものである。この識別子は監視制御装置40ごとに固有であり、電力配信網5上で個体を一意に特定できるように割り振られる。この識別子は、監視制御装置40の製造時に識別子記憶部81に記憶されてもよいし太陽電池30が設置された後に割り振られてもよい。発電実績記憶部82は、PVモジュールM1による電力発電量を時系列データとして記憶しているものである。
続いて、主制御部60の構成について説明する。図1に示すように、主制御部60は、指示受信部(指示受信手段、変更手段)61、計測値取得部63、および応答部(通知返信手段)64を備える構成である。
指示受信部61は、電力管理サーバ100から各種問合せメッセージを受信して、受信したメッセージに基づきDCDC変換部43に指令を送信したり、計測値取得部63に計測値を取得するよう指令を送信したりするものである。電力管理サーバ100から受信する各種問合せメッセージとは、監視制御装置40に接続されているPVモジュールM1の正当性を検証するのに必要な情報を応答するよう電力管理サーバ100から送信されるメッセージのことであって、例えば次のようなものがある。
(1)インピーダンス値を変化させたときの電圧値・電流値を計測して応答するよう指示するメッセージ;
(2)電圧値および電流値を計測して応答するよう依頼するメッセージ;
(3)インピーダンスを徐々に変化させながら電圧値および電流値を計測して応答するよう指示するメッセージ;および
(4)1日の電力発電量の実績を応答するよう依頼するメッセージ;
また、指示受信部61は、上記のメッセージに基づいて、DCDC変換部43に指令を送信する。例えば、上記(1)のメッセージを受信した場合、指示受信部61はインピーダンスを変化させる旨の指令をDCDC変換部43に送信する。指示受信部61は、受信したメッセージに応じて適切な情報が得られるように各部材に通知を行う。計測値取得部63は、DCDC変換部43において計測された、PVモジュールM1の電圧値および電流値を取得するものである。また、計測値取得部63は、指示受信部61が受信したメッセージの内容に応じて取得した電圧値および電流値を応答部64に送信する。応答部64は、指示受信部61が電力管理サーバ100から受信したメッセージに応じた応答メッセージを作成し、作成した応答メッセージを電力管理サーバ100に送信するものである。
より具体的には、まず応答部64は電力管理サーバ100から受信したメッセージに応じた計測値を計測値取得部63または発電実績記憶部82から取得する。そして、応答部64は識別子記憶部81から識別子を読み出して、読み出した識別子と上記計測値または上記計測値から導出できる値とを含む応答メッセージを作成する。応答メッセージに含める計測値は、電力管理サーバ100から受信したメッセージに応じて異なるのでその詳細については後述する。
(電力管理サーバの概略的構成について)
次に、図5を用いて電力管理サーバ100の概略的構成について説明する。図5に示すように、電力管理サーバ100は、通信部110、制御部130、および記憶部150を備える構成である。通信部110は電力配信網5と接続するための通信インターフェースを提供するものである。制御部130は電力管理サーバ100内における各種構成の動作を統括的に制御するものであり、記憶部150は各種情報を記憶するものである。
制御部130および記憶部150についてより詳しく説明すると次のとおりである。
(制御部および記憶部の詳細について)
記憶部150は、PVモジュール特性値データベース151、経路情報データベース152、発電履歴データベース153、設置位置情報データベース154、乖離度データベース155、および天気情報データベース156を備える構成である。
PVモジュール特性値データベース151は、各監視制御装置40の識別子と当該監視制御装置40に接続されているべきPVモジュールの各種特性値とを対応付けて格納しているものである。各種特性値としては、様々な日射量・温度の条件下におけるPVモジュールのI−V特性を示す値や、開放電圧値、発電特性を示す値などが挙げられる。この対応づけは、太陽電池設置時などのタイミングで予め行っておく。経路情報データベース152は、各監視制御装置40の識別子と、電力管理サーバ100から当該監視制御装置40に至るまでの経路情報とを対応付けて格納しているものである。経路情報としては、変圧器のネットワーク上の識別情報、電力計測器の識別情報、パワーコンディショナの識別情報、および監視制御装置40の識別子などが挙げられる。設置位置情報データベース154は、各住宅において各モジュールがどのような位置に設置されているかを管理するためのものである。設置位置情報データベース154には、監視制御装置40の識別子と、監視制御装置40に接続されているPVモジュールM1の位置情報とが対応付けられて格納される。発電履歴データベース153は、各モジュールの1日の発電量が履歴として記録される。発電履歴データベース153には、モジュールの識別子と計測日と計測した発電量が対応付けられて格納される。乖離度データベース155は、モジュールの1日の発電量の推測値と発電量の実測値との差である乖離度が履歴として記録される。乖離度データベース155には、監視制御装置40の識別子と算出日と乖離度が対応付けられて格納される。天気情報データベース156は、PVモジュールM1の発電に影響を与えうる天気情報が格納される。天気情報は、より具体的には、温度、日射量、気象衛星の画像や、雨量、積雲のかかり具合等の時系列データである。なお、電力管理サーバ100では、任意のタイミングで民間気象予報会社が提供している上述のような天気情報を天気情報データベース156に更新できるようになっているものとする。
続いて、制御部130の詳細について説明する。制御部130は、問合せ作成部(指示送信手段、受信手段)140、および、なりすまし判定部(判定手段)131、経路判定部132、発電履歴作成部133、発電量推定部134、および乖離度比較部135を備える構成である。
問合せ作成部140は、太陽電池30のPVモジュールM1に接続されている監視制御装置40に対して、電圧値、電流値、電力値等の計測値を応答するよう要請する各種メッセージを作成するものである。問合せ作成部140は、通信部110を介して監視制御装置40にメッセージを送信するとともに、監視制御装置40からの応答メッセージを受信する。問合せ作成部140は、受信した応答メッセージをなりすまし判定部131に転送する。また、問合せ作成部140が問合せの対象とする監視制御装置40は任意に選択することができる。例えば、PVモジュール特性値データベース151に識別子が登録されている監視制御装置40について、登録の順に選択してもよいしランダムに選択してもよい。
問合せ作成部140は、より詳細には、インピーダンス変化指示部(指示送信手段)141、電圧値・電流値問合せ部142、起動時電圧値・電流値計測指示部144、発電量実績問合せ部145を有しており、各部において対応するメッセージを作成する。インピーダンス変化指示部141は、監視制御装置40に対して、『インピーダンスを変化させたときの電圧値・電流値を計測して応答するよう指示する』メッセージを作成するものである。インピーダンス変化指示部141は、上記インピーダンス値を明示的に指定してもよいし変化させることだけを指定してもよい。電圧値・電流値問合せ部142は監視制御装置40に対して、『電圧値および電流値を計測して応答するよう依頼する』メッセージを作成するものである。起動時電圧値・電流値計測指示部144は、パワーコンディショナ20が起動する際、監視制御装置40に対して、『インピーダンスを徐々に変化させながら電圧値および電流値を計測して応答するよう指示する』メッセージを作成するものである。発電量実績問合せ部145は、監視制御装置40に対して、『1日の電力発電量の実績を応答するよう依頼する』メッセージを作成するものである。
なりすまし判定部131は、問合せ部140が監視制御装置40から受信した応答に基づいて監視制御装置40が本当にPVモジュールに接続されているかどうかを判定する。経路判定部132は、経路情報データベース152を参照しながら、監視制御装置40までの経路が経路情報と一致するかどうかを判定するものである。発電履歴作成部133は、監視制御装置40から電力発電量の実績が応答されたときにその内容を履歴として発電履歴データベース153に格納するものである。発電量推定部134は、監視制御装置40に1日の電力発電量の実績を応答するよう問合せたときに、PVモジュールM1の発電特性、PVモジュールM1の過去の発電実績や、そのときの天気などに応じてその問い合わせ日におけるPVモジュールM1の発電量を推定するものである。
具体的には、発電量推定部134は、PVモジュール特性値データベース151、発電履歴データベース153および天気情報データベース156を参照して、その日の発電量を推定する。乖離度比較部135は、推定された発電量と実測された発電量との差分である乖離度を算出して、過去の乖離度と比較するものである。具体的には、乖離度比較部135は、発電量推定部134によって推定された発電量と問合せ作成部140が受信した応答メッセージに含まれる発電量との差分をとって乖離度を算出する。そして、乖離度比較部135は、上記応答メッセージに含まれる監視制御装置40の識別子を用いて乖離度データベース155を参照して過去の乖離度を取得する。それから、乖離度比較部135は、乖離度データベース155から取得した過去の乖離度と算出した乖離度とを比較して、算出した乖離度が過去の乖離度と比べて所定以上上昇していないかを判定する。乖離度比較部135は判定結果をなりすまし判定部131に送信する。
(なりすまし判別の手法について)
続いて、なりすまし判定部131のなりすまし判別手法について説明する。なりすまし判定部131は、次の[1]〜[4]の手法により、監視制御装置40に接続されているものが、PVモジュールであるのかそれ以外の不正な発電装置であるのかを判定する。
[1]インピーダンスを変化させたときの電圧値・電流値から判断する手法
天気が晴天である場合、すなわち、日射量が十分に足りている場合、PVモジュールM1において電流値を変動させると相応に電圧値も変動する。しかし、天気が曇りであるなどの理由により日射量が低い場合、PVモジュールM1において電流値を変動させると、天気が晴天であるときと比べて電圧値が急峻に変化する。この場合、電流値を上げると電圧値が大きく低下し、一方、電流値を下げると電圧値が大きく上昇する。監視制御装置40では、電力管理サーバ100からのメッセージに応じてDCDC変換部43においてインピーダンスを変化させて電流値を調整できる。例えば、監視制御装置40はインピーダンスを低下させて電流値を上昇させることができ、またインピーダンスを上昇させて電流値を低下させることができる。
このとき監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されているのであれば、次のような傾向がみられるはずである。すなわち、天気が曇りの場合において、PVモジュールM1の電流値を上昇させればこれに応じて電圧値は大きく降下するはずである。これに対して、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されている場合は、曇りの場合でも晴天の場合でも上記のような傾向はみられず、電圧値はそれほど変わらないと考えられる。よって、なりすまし判定部131は、監視制御装置40がインピーダンスを変化させたときの電圧値・電流値が上記のような傾向を示していれば、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する。これに対して、なりすまし判定部131は、曇りの場合および晴天の場合で、インピーダンスを変化させても電流値・電圧値の特性に特に変化が見られないような場合、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断する。なりすまし判定部131は、上記傾向があるか否かを判定するに際して、監視制御装置40がインピーダンスを変化させたときの電圧値・電流値と、PVモジュール特性値データベース151に登録されているPVモジュールM1の特性値とを対比し、所定以上の開きが無いかを判定してもよい。すなわち、なりすまし判定部131は、所定以上の開きがなければ、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断し、所定以上の開きがあれば、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断する。この判定は、上述のとおり曇りの場合、晴天の場合でそれぞれ行い、その結果を対比するとより効果的である。例えば、晴天時および曇り時の両方で判定し、いずれにおいても電流値の変動に対して所定以上の電圧値の変動がなければ、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断してもよい。また、晴天時には、電流値の変動に対して所定以上の電圧値の変動がないが、曇り時には電流値の変動に対して電圧値の変動が大きかった場合、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断してもよい。また、通常であれば晴れている時間帯において急に天気が崩れるのを見計らって問合せおよび判定を行ってもよい。この場合、例えば、天気情報を参照して寒気や湿気の高い空気が住宅C1の地区に入り込んだ状態となったのを見計らって判定を行う。
[2]電圧値および電流値の計測値から判断する手法
PVモジュールM1は夜間は発電しない。したがって、夜間に監視制御装置40に対して電圧値・電流値を問い合わせれば、その電圧値は0Vであり電流値は0Aであるはずである。なりすまし判定部131は、夜間であるにもかかわらず、監視制御装置40から送信される電圧値および電流値が0Vおよび0Aでない場合、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断する。なりすまし判定部は、監視制御装置40から送信される電圧値および電流値が0Vおよび0Aである場合、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する。
[3]パワーコンディショナ20が起動したときの電圧値および電流値の推移から判断する手法
この判断手法は、まず、パワーコンディショナ20起動時のPVモジュールM1の開放電圧を検証し、そして、その後の電圧値・電流値の推移を見て監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されているか否かを判断する手法である。
まず、通常、パワーコンディショナ20は日の出時に起動されることが想定される。また、パワーコンディショナ20の起動直後において、PVモジュールが適切に接続されている監視制御装置40のDCDC変換部43の入力電圧はPVモジュールM1の開放電圧になることが想定される。PVモジュールM1の開放電圧の値は、PVモジュールM1のI−V特性から求めることができる。このため、パワーコンディショナ20の起動時に計測した電圧値が妥当なものかどうかを検証することにより、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されているか否かを判断することができる。よって、例えば、あらかじめ計測対象のPVモジュールM1の開放電圧値をPVモジュール特性値データベース151において監視制御装置40の識別子とともに登録しておき、パワーコンディショナ20の起動直後に監視制御装置40から電圧値を取得して対比することにより、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されているか否かを判断することができる。なりすまし判定部131は、監視制御装置40から送信される電圧値とモジュールM1の開放電圧値との差が所定範囲内である場合、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する。一方、上記差が所定範囲外であった場合、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断する。そして、日の出の直後には太陽の日射によってPVモジュールM1において発電が開始されると、電流値が0Aから少しずつ上昇するとともに電圧値がPVモジュールM1のI−V特性に従って低下していくはずである。
ここで、図1で示した監視制御装置40のDCDC変換部43において、インピーダンスを徐々に低下させるとともに、電圧値・電流値を計測させて計測した電圧値・電流値の時系列データを含む応答メッセージを監視制御装置40から送信させる。そして、なりすまし判定部131において、時系列データがPVモジュールM1のI−V特性に従うものか否かを判定することにより、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されているか否かを判断する。監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されている場合、DCDC変換部43においてインピーダンスを低下させても、監視制御装置40において取得される電圧値・電流値の推移はPVモジュールM1のI−V特性に従うものになるはずである。一方、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されている場合、インピーダンスを低下させると、PVモジュールが接続されている場合よりも大きな電流が流れることが想定され、電圧値・電流値の推移はI−V特性に従わない。そこで、電力管理サーバ100は、パワーコンディショナ20が起動した後、監視制御装置40のDCDC変換部43においてインピーダンスを徐々に変化させて計測した電圧値・電流値を取得する。
なりすまし判定部131は、インピーダンスを徐々に変化させたときの電圧値・電流値の推移がPVモジュールM1のI−V特性に従うものか否かを判定する。なりすまし判定部131は、パワーコンディショナ20が起動した後、電圧値および電流値の推移がPVモジュールM1のI−V特性に従う場合、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する。その一方で、なりすまし判定部131は、パワーコンディショナ20が起動した後、電圧値および電流値の推移がPVモジュールM1のI−V特性に従わない場合、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断する。この判断手法は、別の観点からいえば、電圧値を、開放電圧の値から所定の範囲で徐々に降下させたとき、電流値の値がI−V特性に従うかを判定する手法である。また、この判断手法は、パワーコンディショナ20起動時に行われるので、判断のためにDCDC変換部43の入力電圧値をわざわざ開放電圧値に設定しなくても済む。このため判断時の電力損失を低く抑えることができる。なお、上述のように、パワーコンディショナ20が起動したときに限られず、電力管理サーバ100がぬきうちで監視制御装置40にPVモジュールM1の動作点を開放電圧に設定するよう指示し、その時点の電圧値・電流値およびその後インピーダンスを徐々に変化させたときの電圧値・電流値の推移を応答するように構成することも当然に可能である。
[4]1日の電力発電量の実績を応答から判断する手法
PVモジュールM1の発電量は、その日の天気・天候により、とくに1日の日射量に基づいて、おおよそ推定することができる。また、推定した発電量とPVモジュールM1の発電量の実測値とが厳密に一致しなくても、その差分である乖離度は日々においてそれほど変動がなく所定範囲内に収まることが予測される。よって、なりすまし判定部131は、過去の乖離度と比較して所定以上乖離度が上昇していない場合、監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する。一方、過去の乖離度と比較して所定以上乖離度が上昇している場合、監視制御装置40にPVモジュール以外の不正な電力源が接続されていると判断する。
(問合せ・応答の処理の流れ1)
次に、図6を用いて、電力管理サーバ100と監視制御装置40との間の問合せ・応答処理の流れについて例示すると以下のとおりである。
まず、電力管理サーバ100において、インピーダンス変化指示部141が、『インピーダンスを変化させたときの電圧値・電流値を計測して応答するよう指示する』メッセージを作成して、作成したメッセージを電力配信網5を介して監視制御装置40に送信する(S101)。続いて、監視制御装置40では、指示受信部61が電力管理サーバ100から送信されたメッセージを受信する(S201)。これに応じて指示受信部61が、DCDC変換部43にインピーダンスを変化させるよう指示して、DCDC変換部43がインピーダンスを変化させると、計測値取得部63が電圧値および電流値を取得する(S202)。そして、応答部64は、識別子記憶部81から識別子を読み出して、読み出した識別子と電圧値および電流値とを含む応答メッセージを電力管理サーバ100に対して送信する(S203)。続いて、電力管理サーバ100では、問合せ作成部140が監視制御装置40からの応答メッセージを受信する(S102)。そして、なりすまし判定部131は、受信した応答メッセージに含まれる識別子を用いて、PVモジュール特性値データベース151を参照しその監視制御装置40に接続されているべきモジュールの特性値を読み出す。そして、成りすまし判定部131は、受信した応答メッセージに含まれる電圧値および電流値が、モジュールのI−V特性を示す値と比べて両者が乖離していないかを判定する(S103)。受信した応答メッセージに含まれる電圧値および電流値が、モジュールのI−V特性を示す値から乖離している場合(S103においてNO)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源が接続されていると判断する(S105)。一方、受信した応答メッセージに含まれる電圧値および電流値がモジュールのI−V特性を示す値と比べて乖離していない場合(S103においてYES)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する(S104)。
(問合せ・応答の処理の流れ2)
次に、図7を用いて、電力管理サーバ100と監視制御装置40との間における問合せ・応答処理の流れの別の例について示すと以下のとおりである。
まず、電力管理サーバ100において、電圧値・電流値問合せ部142が電圧値および電流値を計測して応答するよう依頼するメッセージを作成して、作成したメッセージを電力配信網5を介して監視制御装置40に送信する(S111)。なお、このメッセージ送信は、通常であれば太陽が照っていない時間帯、すなわち太陽電池による発電がない時間帯において行われる。続いて、監視制御装置40では、指示受信部61が電力管理サーバ100から送信されたメッセージを受信する(S211)。これに応じて、計測値取得部63が電圧計41および電流計45から電圧値および電流値を取得する。そして、応答部64は、識別子記憶部81から識別子を読み出して、読み出した識別子と電圧値および電流値とを含む応答メッセージを電力管理サーバ100に対して送信する(S211)。
続いて、電力管理サーバ100では問合せ作成部140が監視制御装置40からの応答メッセージを受信する(S112)。そして、なりすまし判定部131は受信した応答メッセージに含まれる電圧値が0V、電流値が0Aであるかどうかを判定する(S113)。電圧値が0V、電流値が0Aでない場合(S113においてNO)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源が接続されていると判断し(S119)、その後処理は終了する。一方、電圧値が0V、電流値が0Aである場合(S113においてYES)、電力管理サーバ100は、パワーコンディショナ20が起動する時間の直前、すなわち日の出の時間の直前まで待機する。そして、起動時電圧値・電流値計測指示部144は日の出の時間の直前になると、『インピーダンスを徐々に変化させながら電圧値および電流値を計測して応答するよう指示する』メッセージを作成して、作成したメッセージを送信する(S114)。続いて、監視制御装置40では、指示受信部61が上記指示を受信すると、まず、計測値取得部63がパワーコンディショナ20起動時における電圧値および電流値を取得した後、DCDC変換部43においてインピーダンスを徐々に変化させながら、さらに計測値取得部63が継続的に電圧値および電流値を取得する(S212)。次に、応答部64は、パワーコンディショナ20起動時における電圧値および電流値と、継続的に取得した電圧値および電流値とから時系列データを生成し、識別子記憶部81から識別子を読み出して、読み出した識別子と電圧値および電流値の時系列データとを含む応答メッセージを電力管理サーバ100に対して送信する(S213)。続いて、電力管理サーバ100では、問合せ作成部140が監視制御装置40からの応答メッセージを受信する(S115)。そして、なりすまし判定部131は、応答メッセージに含まれる時系列データに基づいて、パワーコンディショナ20起動時における電圧値が、PVモジュールM1の開放電圧値から所定範囲の値であり、かつ電流値がほぼ0Aであるかどうかを判定する(S116)。このとき、電圧値がPVモジュールM1の開放電圧値から所定範囲の値でなかったり、電流値がほぼ0Aでなかったりする場合(S116においてNO)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源が接続されていると判断し(S119)、その後処理は終了する。一方、PVモジュールM1の開放電圧値から所定範囲の値でありかつ電流値がほぼ0Aである場合(S116においてYES)、なりすまし判定部131は、応答メッセージに含まれる電圧値および電流値の時系列データを確認し、電圧値および電流値の推移がPVモジュールM1のI−V特性を示しているかを判定する。すなわち、なりすまし判定部131は、電流値が0Aから上昇していくとともに電圧値が低下しているかを判定する(S117)。このとき、電流値および電圧値の推移がPVモジュールM1のI−V特性を示していない場合(S119においてNO)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源が接続されていると判断し(S119)、その後処理は終了する。一方、電流値および電圧値の推移がPVモジュールM1のI−V特性を示している場合(S117においてYES)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する(S118)。
(問合せ・応答の処理の流れ3)
次に、図8を用いて、電力管理サーバ100と監視制御装置40との間における問合せ・応答処理の流れのさらに別の例について説明すると以下のとおりである。
まず、電力管理サーバ100において、発電量実績問合せ部145が、『1日の電力発電量の実績を応答するよう依頼する』メッセージを作成して、作成したメッセージを電力配信網5を介して監視制御装置40に送信する(S131)。続いて、監視制御装置40では、指示受信部61が電力管理サーバ100から送信されたメッセージを受信する(S231)。これに応じて応答部64が発電実績記憶部82を参照して1日分の電力発電量を計上して、計上した1日分の電力発電量と識別子とを含む応答メッセージを作成し、電力管理サーバ100に対して応答する。続いて、電力管理サーバ100では、問合せ作成部140が監視制御装置40からの応答メッセージを受信する(S132)。そして、発電量推定部134は、応答メッセージに含まれる識別子を用いて、PVモジュール特性値データベース151を参照しその監視制御装置40に接続されているPVモジュールの特性値を読み出すとともに、発電履歴データベース153を参照して過去の発電実績値を取得する。さらに、発電量推定部134は、天気情報データベース156からその日の天気情報を取得する。そして、発電量推定部134は、天気情報に含まれる日射量と当該PVモジュールの特性値および過去の発電実績値とに基づいて、当該PVモジュールの発電量を推定する(S133)。乖離度比較部135は、推定された発電量と応答メッセージに含まれる1日分の電力発電量とを比較して、これらの差分値である乖離度を算出する(S134)。さらに、乖離度比較部135は、発電履歴データベース153を参照して、過去の実績値の乖離度と算出した乖離度とを比較しその差が所定以上開いていないかを判定する(S135)。ここで、これらの差が所定以上開いている場合(S135においてNO)、なりすまし判定部131は、監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源が接続されていると判断する(S137)。一方、これらの差が所定以上開いていない場合(S135においてYES)、なりすまし判定部131は監視制御装置40にPVモジュールM1が適切に接続されていると判断する(S136)。
問合せ作成部140の問合せタイミングは、いわゆる抜き打ちで任意に行うことができる。というのも定期的に行うこととすると、監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源を接続している者が、このような問合せによる、なりすまし判定の対応策を立ててしまうことが考えられるからである。また、このように不定期で行えば、なりすまし判定のために電力配信網5の通信資源を無闇に消費することなくネットワークの輻輳を防ぐこともできる。
また、監視制御装置40は電力管理サーバ100の問合せ作成部140からの問合せに対して時間差を設けて応答してもよい。例えば、監視制御装置40は、問合せ作成部140から『インピーダンスを変化させたときの電圧値・電流値を計測して応答するよう指示する』メッセージを受信すると、所定時間経ってからインピーダンスを変化させて、インピーダンス変化後の電圧値および電流値を含む応答メッセージを電力管理サーバ100に送信してもよい。また、監視制御装置40は、電力管理サーバ100の問合せ作成部140から問合せを受けなくても自発的にインピーダンスを変化させて、応答メッセージをインピーダンス変化後の電圧値および電流値を含む応答メッセージを電力管理サーバ100に送信してもよい。
なりすまし判定部131が、監視制御装置40にPVモジュールM1以外の不正な電力源が接続されていると判断した場合、例えば、次のような対応をとることができる。
まず、電力管理サーバ100において表示部(不図示)を設けて、管理者に対してアラートを上げてもよい。また、不正な電力源が接続されている監視制御装置40が存在する住宅からの売電を停止する措置を講じてもよい。また、公共団体、政府その他の機関がこのような不正を集計するサーバ装置等を保有している場合、これらのサーバ装置等に通知を行ってもよい。
以上のように、本発明に係る監視制御装置40は、PVモジュールM1の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を受信する指示受信部61と、上記指示に応じて、インピーダンスを変更させることで上記PVモジュールM1の電圧値を変更するDCDC変換部43と、上記変更後の電流値および電圧値と、自装置を識別するための識別子とを含む通知を、上記指示の送信元に返信する応答部64と、を備える構成である。これにより、監視制御装置40を特定するための情報および監視制御装置40に接続されているものがまぎれもなくPVモジュールM1そのものであることを示すことができるという効果を奏する。また、以上のように、本発明に係る電力管理サーバ100は、対象機器の電流値および電圧値の少なくとも一方を制御する監視制御装置40に対して、電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を送信するインピーダンス変化指示部141と、上記監視制御装置40から該監視制御装置40の識別子と、電流値および電圧値とを受信する問合せ作成部140と、受信した電流値および電圧値が識別子により識別した監視制御装置40に接続されているべきPVモジュールM1の電気的特性と合致するか否かに応じて、対象機器がPVモジュールM1であるか否かを判定するなりすまし判定部131と、を備える構成である。従って、識別子によって特定した監視制御装置40に接続されているものがまぎれもなくPVモジュールM1そのものか否かを判定することができるという効果を奏する。
以下において、本発明の好ましい変形例について説明する。
(経路を用いた判断)
図3を用いて説明したとおり、電力配信網5と太陽電池30との間は、電力配信網5側から順に、変圧器11、電力計測器12、パワーコンディショナ20、そして太陽電池30(監視制御装置40)という接続形態である。そして、それぞれの識別情報を経路情報として経路情報データベース152に格納している。経路判定部132は、任意のタイミングで各監視制御装置40の生存確認の問い合わせを行い、監視制御装置40から生存確認に対する応答を受信する。この生存確認に対する応答は、例えば応答部64が監視制御装置40の識別子を含む応答メッセージを電力管理サーバ100に送信することにより行われる。経路判定部132は、監視制御装置40から送信される生存確認に対する応答を受信し、当該応答の経路が経路情報データベース152に登録されている経路情報と一致しているか否か判定する。
経路判定部132は、具体的には、例えば次のようにして監視制御装置40までの経路が経路情報と一致するかどうかを判定する。いま、説明を簡単にするため、住宅C1に設置されているパワーコンディショナ20から電力配信網5までの経路を経路Aとし、住宅C2に設置されているパワーコンディショナ20から電力配信網5までの経路を経路Bとする。経路Aを示す経路情報Aおよび経路Bを示す経路情報Bは、それぞれの経路上にある変圧器11、電力計測器12、パワーコンディショナ20の識別情報を含む。そして、住宅C1の太陽電池30に含まれる監視制御装置40の識別子を“device1@C1”とすると、経路情報データベース152には識別子“device1@C1”と経路情報Aとが対応づけられて格納される。すなわち、これは識別子“device1@C1”の監視制御装置40から送信される応答メッセージは経路Aを経由してこなければならないことを示している。ここで例えば、識別子“device1@C1”の監視制御装置40が何らかの理由により住宅C1から住宅C2へ移設されたとする。つまり、識別子“device1@C1”の監視制御装置40が住宅C2のパワーコンディショナ20に接続されたとする。この場合、まず電力管理サーバ100から経路Aを経由した識別子“device1@C1”の監視制御装置40に対する生存確認の問い合わせができなくなる。また逆に、住宅C2に存在する識別子“device1@C1”の監視制御装置40から、生存確認の応答等何らかのメッセージが送信されたとしても、そのメッセージの送信経路は経路Bであるので経路情報データベース152に登録されている経路Aとは異なる。よってこの場合、経路判定部132は監視制御装置40までの経路が経路情報と一致していないと判定する。経路判定部132が監視制御装置40までの経路が経路情報と一致していないと判定した場合、電力会社Pではその送信元からの売電の申し出を却下するようにしてもよい。
(PVモジュールの位置情報について)
次に、図9を用いて、パワーコンディショナ20においてPVモジュールの位置情報を管理する手法について説明する。図9は、住宅C1の屋根K1を正面からみた図を示している。同図に示すように、パワーコンディショナ20は、PVモジュールの位置情報を格納する設置位置情報データベース154を備えている。また、パワーコンディショナ20は、PVモジュールM11〜M15の一群、PVモジュールM21〜M25の一群、およびPVモジュールM31〜M35の一群と接続されている。PVモジュールM11〜M15はそれぞれ直列に接続されている。PVモジュールM21〜M25、およびPVモジュールM31〜M35についても同様である。同図において、紙面左上を基準に、左右方向の目盛りR1と、上下方向の目盛りR2とに基づいて各PVモジュールの位置情報を決定する。例えば、PVモジュールM35の位置情報は(R1,R2)=(2,5)である。なお、この位置情報はGPS(Global Positioning System)による測位値であってもよい。この位置情報は設置位置情報データベース154において監視制御装置40の識別子と関連付けられて格納される。また、位置情報に加えて、設置位置情報データベース154においてモジュールどうしの接続情報も記憶してもよい。例えば、PVモジュールM11〜M15が直列的に接続されていることを記憶してもよい。また、パワーコンディショナ20に対して、PVモジュールM11〜M15、PVモジュールM21〜M25、およびPVモジュールM31〜M35が並列に接続されていることを記憶してもよい。さらに、位置情報には、PVモジュールの設置角度、方角を含めてもよい。
上記構成によれば、屋根K1上のいずれの位置に、どのPVモジュールが設置されているかを管理することができる。このため、後日、故障診断等の保守を行うような場合、診断対象となるPVモジュールの設置場所を容易に把握することができる。とくに、直列で接続されたPVモジュール群において故障が発生した場合、識別子を指定された監視制御装置40が自装置に接続されているPVモジュールの電流値および電圧値を計測することで個別のPVモジュールの診断が可能である。そして、故障と思われるPVモジュールが接続されている監視制御装置40の識別子を用いて、設置位置情報データベース154を参照することでそのPVモジュールの位置情報を取り出すことができる。これにより故障しているPVモジュールの設置位置を特定することができる。
[PVモジュールの発電量の比較]
上記の位置情報を用いて、近隣にある住宅どうしでPVモジュールの発電量を比較し発電量が著しく低いPVモジュールがないか検知する手法について説明する。すなわち、位置情報に基づいて設置位置が近いPVモジュールを検出し、その発電量を比較することで発電量が著しく低いPVモジュールの有無を検知することができる。また、発電量が著しく低いPVモジュールが設置されている住宅にその旨を電子メール等により通知してもよい。この通知では、PVモジュールの発電量を向上させるための対応策を提示してもよく、例えばPVモジュール表面の掃除や、保守点検を提案してもよい。また、位置情報を用いて日陰になるPVモジュールの位置を把握することができるので、普段日陰になる位置にあるPVモジュールについては発電量が低くても故障でないと判断することもできる。
[他の発電系統との連動]
また、位置情報と天気情報とを用いて、電力量を推定して、電力会社Pの他の発電系統と連携する例について説明する。天気情報と位置情報とを用いればピンポイントの天気予報(日射量・温度等)に基づいてPVモジュールの電力量を推定することができるので、その推定精度が向上する。このように精度よく推定した電力量から、近々、系統全体で必要になる電力量を予測することができる。例えば、系統全体で電力量が不足することがわかれば、電力会社Pが保有する他の発電系統、例えば火力発電系統や、水力発電系統から供給すべき電力量を算出することができる。火力発電や水力発電は急な電力需要に対応しにくいという特性があるが、逆に事前に必要な電力がわかっていれば予め発電量を増加させて電力需要に対応することも可能となる。また、系統全体で電力量があまることが予測されるのであれば、不用意に系統に各住宅の太陽電池30から大量の電力が電力配信網5に流入しないように対策を講じることもできる。
(電力属性の管理)
図10を用いて、パワーコンディショナ20において蓄電履歴データベース200を用いて、電力属性を管理する変形例について説明する。パワーコンディショナ20と太陽電池30との間には蓄電池90が接続されている。蓄電池90は、太陽電池30で発電された電力または電力配信網5から供給された電力を蓄電することができる電池であり、例えばリチウムイオン電池により実現することができる。蓄電履歴データベース200には、「電力源」、「発電時間」、および「電力量」が対応付けられて蓄電履歴情報として格納される。パワーコンディショナ20は、蓄電池90への蓄電および蓄電池からの放電を管理する。具体的には、パワーコンディショナ20は、太陽電池30から出力される電力を蓄電池90に蓄電する一方で、電力会社Pから購入し電力配信網5から供給される電力を蓄電池90に蓄電する。また、パワーコンディショナ20は、蓄電池に蓄電された電力を取り出して、自宅で消費したり系統に売電したりすることができる。また、パワーコンディショナ20は蓄電池90に蓄電するのに際して、蓄電履歴データベース200にいずれの電力源から蓄電したかを記録する。パワーコンディショナ20が太陽電池30から出力される電力を蓄電池90に蓄電する場合、監視制御装置40は、自装置の識別子と自装置に接続されているPVモジュールM1が発電した時間と、そのPVモジュールM1が発電した発電量とを含む発電情報をパワーコンディショナ20に送信する。そして、この発電情報を受信したパワーコンディショナ20は発電情報を蓄電履歴データベース200に格納する。すなわち、この場合、「電力源」、「発電時間」、および「電力量」には、それぞれ、発電情報に含まれる監視制御装置40の識別子、監視制御装置40に接続されているPVモジュールM1が発電した時間、およびそのPVモジュールM1が発電した発電量が設定される。一方、パワーコンディショナ20が電力配信網5から供給される電力を蓄電池90に蓄電する場合、「電力源」、「発電時間」、および「電力量」には、それぞれ電力の供給元を示す情報(例えば、“電力会社P”)、電力を供給された時間、および、供給を受けた電力量が設定され、蓄電履歴データベース200に格納される。
上記構成によれば、蓄電池90に太陽電池30からの電力と系統からの電力との両方を蓄電した場合、その履歴を蓄電履歴情報として管理するので、いずれの電力源からどれだけ電力を蓄電したのかを把握することが容易となる。すなわち、系統に対する売電においては、太陽電池30からの電力を蓄電池90に一度蓄電し、その後蓄電池90に蓄電した電力を系統に戻すことが想定される。よって、蓄電池90に太陽電池30からの電力が蓄電された状態で、さらに電力配信網5から電力の供給を受けて蓄電池90に蓄電した場合、太陽電池および系統のいずれの電力がどれだけ蓄電池90に蓄電されているのかが不明となる。上記構成では、太陽電池30からの蓄電と系統からの蓄電とを蓄電履歴情報として管理するため、どの電力源によって発電された電力であるかを明確にすることができる。例えば、電力会社Pに蓄電池90に蓄電している電力を売電するとき、蓄電履歴情報を提示することで、売電する電力が太陽電池30にて発電した電力であることを示すことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、以上では、電力管理サーバ100の各種構成について説明したが、これらの構成をパワーコンディショナ20が備えていてもよい。また図3でいえば、変圧器11または電力計測器12が上記構成を備えていてもよい。また、以上では、太陽電池30が設置された後に監視制御装置40に識別子が割り振られてもよい旨を説明したが、この場合次のように構成してもよい。すなわち、太陽電池30が設置された後、電力管理サーバ100が電力売買システム1において一意となるような識別子を監視制御装置40に割り振ってもよい。また、以上では、監視制御装置40が発電実績記憶部82を備える構成であったが、電力管理サーバ100が発電実績記憶部82を備える構成であってもよい。この場合、電力管理サーバ100では、監視制御装置40から逐次、電力量を受信して、受信した電力量を発電実績記憶部82に記憶すればよい。
〔実施形態2〕
本発明の監視制御装置に関する他の実施形態について、図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図11に示す監視制御装置40Aは、図1に示した監視制御装置40の構成を、簡素化したものである。図11に示す監視制御装置40Aは、図1に示した監視制御装置40において、DCDC変換部43を取り除き、抵抗部42および駆動用電源部45を設けている。抵抗部42は、PVモジュールM1に対する抵抗を切り替えるためのものである。抵抗部42は、リレー(スイッチ)51と、抵抗52とを備え、リレー51のオン・オフに応じて抵抗52が回路に接続されたり回路から切断されたりする。抵抗部42では、スイッチをオンにして抵抗52を回路に接続することにより電流が抵抗52にバイパスされる。駆動用電源部45は、主制御部60Aが動作するための電源を供給するものである。
また、主制御部60Aは、図1に示した主制御部60において次のように構成変更している。まず、指示受信部61は、電力管理サーバ100からの指示に応じて抵抗部42におけるリレー51をオンに切り替えるよう変更している。また、計測値取得部63は、PVモジュールM1の両極間の電圧を計測するための電圧計測部41から電圧値を取得できるよう変更している。また、計測値取得部63は、次のようにしてPVモジュールM1の電流値を得る。まず、計測値取得部63は、電圧計測部41から取得した電圧値と抵抗部42の抵抗値とに基づいて抵抗部42における電流値を計算する。なお、上記電流値の計算はオームの法則に基づいて行えばよい。そして、計測値取得部63は、パワーコンディショナ20に内蔵されている電流計から電流値を取得する。さらに、計測値取得部63は、計算して求めた電流値とパワーコンディショナ20から取得した電流値との和を取ってPVモジュールM1の電流値を算出する。計測値取得部63は取得した電圧値および算出した電流値を応答部64に送信する。以上のように、監視制御装置40を、電力管理サーバ100からの指示に応じて、抵抗値を切り替えて電圧値および電流値を取得し、取得した電圧値および電流値に識別子を付して電力管理サーバ100に応答する構成とすることも可能である。
最後に、監視制御装置40および電力管理サーバ100の各ブロック、特に監視制御装置40が備える指示受信部61、計測値取得部63、ならびに応答部64、および、電力管理サーバ100が備える問合せ作成部140、なりすまし判定部131、経路判定部132、発電履歴作成部133、発電量推定部134、ならびに乖離度比較部135、および、監視制御装置40Aが備える主制御部60Aの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。すなわち、監視制御装置40、40Aおよび電力管理サーバ100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである監視制御装置40、40Aおよび電力管理サーバ100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記監視制御装置40、40Aおよび上記電力管理サーバ100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。また、監視制御装置40、40Aおよび電力管理サーバ100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は、太陽光発電の電力売買システムにおいて、広く好適に適用可能である。
1 電力売買システム(電力システム)
5 電力配信網(通信ネットワーク)
11 変圧器
12 電力計測器
20 パワーコンディショナ
30 太陽電池
40、40A 監視制御装置(太陽電池制御装置、制御装置)
41 電圧計測部
42 抵抗部
51 リレー(スイッチ)
52 抵抗
60 主制御部
61 指示受信部(指示受信手段、変更手段)
63 計測値取得部
64 応答部(通知返信手段)
80 記憶部
81 識別子記憶部
82 発電実績記憶部
100 電力管理サーバ(太陽電池管理装置)
110 通信部
130 制御部
131 なりすまし判定部(判定手段)
133 発電履歴作成部
140 問合せ作成部(指示送信手段、受信手段)
141 インピーダンス変化指示部(指示送信手段)
142 電圧値・電流値問合せ部
144 起動時電圧値・電流値計測指示部
145 発電量実績問合せ部
150 記憶部
151 PVモジュール特性値データベース
156 天気情報データベース
M1 PVモジュール(太陽電池)
P 電力会社

Claims (10)

  1. 太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を受信する指示受信手段と、
    上記指示に応じて、上記太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する変更手段と、
    上記変更後の電流値および電圧値と自装置を識別するための識別子とを含む通知を、上記指示の送信元に返信する通知返信手段と、を備えることを特徴とする太陽電池制御装置。
  2. 太陽電池の両極間の電圧を計測する電圧計測部と、
    太陽電池の両極間に接続された抵抗部とを備え、
    上記抵抗部には、太陽電池の両極間との接続をオン・オフするためのスイッチが設けられており、スイッチがオンの状態で太陽電池の両極間において接続され、
    上記変更手段は、上記指示の受信に応じて上記スイッチをオン状態にすることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池制御装置。
  3. 対象機器の電流値および電圧値の少なくとも一方を制御する制御装置に対して、電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を送信する指示送信手段と、
    上記制御装置から、該制御装置の識別子、電流値および電圧値を受信する受信手段と、
    受信した電流値および電圧値が、受信した識別子より識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かに応じて、上記対象機器が太陽電池であるか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする太陽電池管理装置。
  4. 上記指示送信手段は、上記指示を不定期に送信することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池管理装置。
  5. 上記判定手段は、上記太陽電池の発電履歴に基づいて電流値および電圧値を推定し、推定した電流値および電圧値と、上記受信した電流値および電圧値とを比較することにより、上記電気的特性が合致するか否かの判断を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池管理装置。
  6. 上記制御装置の識別子と、該制御装置に接続されているべき太陽電池の開放電圧の値とを対応付けて記憶する開放電圧記憶部を備え、
    上記指示送信手段は、上記制御装置に対し、電圧値を、上記開放電圧記憶部に記憶されている該制御装置の識別子に対応する上記制御装置に接続されているべき太陽電池の開放電圧の値に変化させた後の電圧値および電流値を送信する指示を送信するものであることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池管理装置。
  7. 上記指示送信手段は、日射量が十分である場合、および日射量が低下している場合の両方において、上記指示を送信し上記判定を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池管理装置。
  8. 請求項1または2に記載の太陽電池制御装置と、
    請求項3から7のいずれか1項に記載の太陽電池管理装置と、を備える電力システム。
  9. 太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を受信する指示受信ステップと、
    上記指示に応じて、上記太陽電池の電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する変更ステップと、
    上記変更後の電流値および電圧値と、自装置を識別するための識別子とを含む通知を、上記指示の送信元に返信する通知返信ステップと、を含むことを特徴とする太陽電池制御装置の制御方法。
  10. 対象機器の電流値および電圧値の少なくとも一方を制御する制御装置に対して、電流値および電圧値の少なくとも一方を変更する指示を送信する指示送信ステップと、
    上記制御装置から、該制御装置の識別子、電流値および電圧値を受信する受信ステップと、
    受信した電流値および電圧値が、受信した識別子より識別した制御装置に接続されているべき太陽電池の電気的特性と合致するか否かに応じて、上記対象機器が太陽電池であるか否かを判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする太陽電池管理方法。
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