JP2011187340A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒中の生成水を除去し、燃料電池の発電を安定させるとともに、燃料電池の小型化が可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】アノード流路11及びカソード流路12を有する燃料電池スタック10と、カソード流路12を経由するように冷媒を循環させるポンプ31と、循環する冷媒に酸素(空気)を含有させる空気含有装置42と、空気含有装置42に酸素を含む空気を供給するコンプレッサ41と、ポンプ31及びコンプレッサ41を制御するECU70と、を備え、ポンプ31は、酸素を含有する冷媒を、カソード流路12に供給し、ECU70は、システムの運転状態に基づいてコンプレッサ41が供給すべき空気の目標流量を算出し、目標流量に基づいてコンプレッサ41を制御し、空気含有装置42は、循環する冷媒から、燃料電池スタック10で生成した生成水を除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池車(移動体)等の電力源として期待される燃料電池スタックは、その内部に、水素(燃料ガス)が通流するアノード流路(燃料ガス流路)と、酸素(酸化剤ガス)を含有する空気(酸化剤含有ガス)が通流するカソード流路(酸化剤ガス流路)と、を備えている。また、燃料電池スタックは発電に伴って自己発熱し昇温するので、その内部に冷媒が通流する冷媒流路を備えている。
すなわち、燃料電池スタックは、その内部に、アノード流路、カソード流路及び冷媒流路の3系統の流路を備えている。このような流路は、燃料電池スタックを構成する板状を呈するセパレータに渦巻状、櫛状等で独立して形成された溝によって構成される。つまり、セパレータには、アノード流路、カソード流路及び冷媒流路毎、独立した溝を形成する必要があるので、セパレータが厚くなってしまい、その結果、燃料電池スタックが単セルの積層方向において、大型化していた。
そこで、燃料電池スタックにおいて独立した冷媒流路を省略することでセパレータを薄く、そして、燃料電池スタックを小型化すると共に、カソード流路に酸素を含有する冷媒を通流(循環)させる燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
この燃料電池システムでは、多孔質板によって酸素(空気)を冷媒中でバブリングすることで冷媒に酸素を混入させている。
特開2006−331968号公報
しかしながら、特許文献1の燃料電池システムでは、発電に伴ってカソードで生成し、循環する冷媒に含有する生成水(水蒸気)が、冷媒から除去されず、冷媒に蓄積されてしまう。このように冷媒に生成水が蓄積され、冷媒における生成水の含有量が増加すると、冷媒における酸素の輸送能力が低下して、燃料電池スタックの出力が低下すると共に、冷媒の凝固点が上昇して冷媒が凍結しやすくなる。
そこで、本発明は、冷媒中の生成水を除去し、燃料電池の発電を安定させるとともに、燃料電池の小型化が可能な燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、前記酸化剤ガス流路を経由するように冷媒を循環させる冷媒循環手段と、循環する冷媒に酸化剤ガスを含有させる酸化剤ガス含有手段と、前記酸化剤ガス含有手段に酸化剤ガスを含む酸化剤含有ガスを供給する酸化剤含有ガス供給手段と、前記冷媒循環手段及び前記酸化剤含有ガス供給手段を制御する制御手段と、を備え、前記冷媒循環手段は、酸化剤ガスを含有する冷媒を、前記酸化剤ガス流路に供給し、前記制御手段は、システムの運転状態に基づいて前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき酸化剤含有ガスの目標流量を算出し、目標流量に基づいて前記酸化剤含有ガス供給手段を制御し、前記酸化剤ガス含有手段は、循環する冷媒から、前記燃料電池で生成した生成水を除去することを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、酸化剤ガス流路を、酸化剤ガスを含有する冷媒が通流することになるので、燃料電池は冷媒専用の冷媒流路を備える必要がない。すなわち、燃料電池を構成するセパレータ(流路構成部品)に冷媒流路用の溝を形成する必要がないので、セパレータを薄くでき、燃料電池は厚さ方向において小型化される。
また、酸化剤ガス含有手段が、循環する冷媒から、燃料電池で生成した生成水を除去するので、冷媒における生成水の含有量が増加することはない。これにより、冷媒における酸化剤ガス(酸素)の輸送能力は低下せず、また、冷媒の凝固点は上昇しない。よって、低温環境下においても、冷媒が良好に循環し、酸素がカソード流路に供給されるので、燃料電池の発電が安定する。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記酸化剤ガス含有手段は、酸化剤含有ガス中の酸化剤ガスを冷媒に向けて透過させると共に、冷媒中の生成水を透過させることで生成水を除去する透過膜を備えることを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、透過膜は、酸化剤含有ガス中の酸化剤ガスを冷媒に向けて透過させると共に、冷媒中の生成水を透過させるので、冷媒の濃度を一定に維持することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記冷媒は、フッ素系不活性溶液を主成分とすることを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、フッ素系不活性溶液は、一般に電気絶縁性が高いので、燃料電池が液絡しにくくなる。また、フッ素系不活性溶液は熱的安定性が高いので、仮に燃料電池が過昇温したとしても、フッ素系不活性溶液が分解することはない。
さらに、フッ素系不活性溶液は化学的安定性が高いので、Oリング等のゴム製部品を侵食することはない。さらにまた、酸素(酸化剤ガス)含有率の高いパーフルオロカーボンを主成分とすれば、冷媒中の酸素含有量が多くなるので、冷媒の流量や、空気(酸化剤含有ガス)の流量及び圧力を下げることができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記燃料電池に要求される発電要求量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき酸化剤含有ガスの第1目標流量を算出し、前記燃料電池から排出された冷媒に含まれ、前記酸化剤ガス含有手段で除去すべき生成水量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき酸化剤含有ガスの第2目標流量を算出し、前記第1目標流量と前記第2目標流量とのうち多い方を、前記目標流量とすることを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、発電要求量に基づいて算出された第1目標流量と、除去すべき生成水量に基づいて算出された第2目標流量とのうち、多い方を目標流量とするので、燃料電池に酸化剤ガス不足とならず、また、生成水を好適に除去できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記燃料電池に要求される目標電流値に基づいて、前記燃料電池に供給すべき目標酸化剤ガス流量を算出し、前記目標酸化剤ガス流量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき前記第1目標流量を算出することを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、制御手段は、目標電流値に基づいて算出された目標酸化剤ガス流量から第1目標流量を算出するので、最低限必要な酸化剤ガスを供給することができる。
前記燃料電池システムにおいて、前記冷媒循環手段は、冷媒を循環させるポンプと、前記燃料電池から排出され再び前記燃料電池に向かう冷媒中の酸化剤ガスの濃度を検出する酸化剤ガス濃度センサと、を備え、前記制御手段は、前記ポンプの回転速度と、前記酸化剤ガス濃度センサの検出する酸化剤ガスの濃度と、に基づいて、前記燃料電池に再び向かう酸化剤ガスの流量を算出し、前記目標電流値に基づいて算出された目標酸化剤ガス流量と、前記燃料電池に再び向かう酸化剤ガスの流量と、に基づいて、前記酸化剤ガス含有手段で冷媒に新たに含有させるべき酸化剤ガスの流量を算出し、前記新たに含有させるべき酸化剤ガスの流量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段から前記酸化剤ガス含有装置に向かうべき酸化剤含有ガスの流量を補正することを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、目標電流値に基づいて算出された目標酸化剤ガス流量と、燃料電池に再び向かう酸化剤ガスの流量と、に基づいて、酸化剤ガス含有手段で冷媒に新たに含有させるべき酸化剤ガスの流量を算出し、これに基づいて、酸化剤含有ガス供給手段から酸化剤ガス含有装置に向かうべき酸化剤含有ガスの流量を補正することにより、循環する冷媒中の酸化剤ガスの濃度を適性値に維持できる。
前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記目標電流値に基づいて、前記燃料電池で生成し前記酸化剤ガス含有手段で除去すべき生成水量を算出し、前記除去すべき生成水量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段で生成水を除去するために必要とされる必要酸化剤含有ガス流量を算出し、前記必要酸化剤含有ガス流量を前記第2目標流量とすることを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、制御手段は、目標電流値から除去すべき生成水量を算出し、算出した生成水を除去するために必要とされる必要酸化剤含有ガス流量を算出するので、循環する冷媒の濃度を適正値に維持できる。
前記燃料電池システムにおいて、前記酸化剤ガス含有装置で除去された生成水の量を検出する除去生成水量検出手段を備え、前記制御手段は、前記目標電流値に基づいて算出された除去すべき生成水量と、前記除去生成水量検出手段の検出した実際に除去された生成水の量と、に基づいて、生成水の除去不足量を算出し、前記生成水の除去不足量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段から前記酸化剤ガス含有装置に向かうべき酸化剤含有ガスの流量を補正することを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、制御手段は、目標電流値に基づいて算出された除去すべき生成水量と、実際に除去された生成水の量と、に基づいて、生成水の除去不足量を算出し、これに基づいて、酸化剤含有ガス供給手段から酸化剤ガス含有装置に向かうべき酸化剤含有ガスの流量を補正するので、酸化剤ガス含有装置で生成水を良好に除去でき、冷媒の濃度を良好に維持できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の発電を制御する発電制御手段を備え、システム停止時において、前記酸化剤含有ガス供給手段が前記酸化剤ガス含有手段への酸化剤含有ガスの供給を停止した後も、前記発電制御手段は前記燃料電池を継続して発電させ、冷媒中の酸化剤ガスの濃度が第1所定濃度以下になった場合、前記発電制御手段は前記燃料電池の発電を停止させることを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、システム停止時において、酸化剤含有ガス供給手段が酸化剤ガス含有手段への酸化剤含有ガスの供給を停止した後も、発電制御手段が燃料電池を継続して発電させるので、発電に伴って、冷媒中の酸化剤ガスが消費され、酸化剤ガスの濃度が徐々に下がる。
なお、このように冷媒中の酸化剤ガスを消費する場合、冷媒循環手段が冷媒を循環させ、冷媒全体中の酸化剤ガスを消費しやすくすることが好ましい。
そして、酸化剤ガスの濃度が第1所定濃度(後記する実施形態では第1所定酸素濃度)以下になった場合、発電制御手段が燃料電池の発電を停止させるので、システム停止中における冷媒中の酸化剤ガスの濃度を、第1所定濃度以下にできる。
このようにして、酸化剤ガスの濃度が第1所定濃度以下になるので、システム停止中において、酸化剤ガスが燃料ガス流路側に拡散することは抑制され、燃料電池が劣化しにくくなる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの圧力を制御する圧力制御手段を備え、システム停止時に、冷媒中の酸化剤ガスの濃度を前記第1所定濃度以下にした場合、次回のシステム起動時において、システムを通常に起動させる通常起動時に対して、冷媒中の酸化剤ガスの濃度が第2所定濃度以上になるまで、前記圧力制御手段は、前記酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの圧力を高め、前記酸化剤含有ガス供給手段は、前記酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの流量を増加し、前記冷媒循環手段は、循環する冷媒の流量を増加することを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、システム停止時に冷媒中の酸化剤ガスの濃度を第1所定濃度以下にした場合、次回のシステム起動時において、通常起動時に対して、冷媒中の酸化剤ガスの濃度が第2所定濃度以上になるまで、圧力制御手段が酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの圧力を高め、酸化剤含有ガス供給手段が酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの流量を増加し、冷媒循環手段が循環する冷媒の流量を増加させる。
これにより、酸化剤ガス含有手段において、酸化剤含有ガスから冷媒に向かう酸化剤ガスの量が多くなり、循環する冷媒に含まれる酸化剤ガスの濃度を、速やかに第2所定濃度以上に高めることができる。したがって、燃料電池は発電可能な状態に速やかに近づくことができ、その結果として、燃料電池は早期に発電開始できる。
本発明によれば、冷媒中の生成水を除去し、燃料電池の発電を安定させるとともに、燃料電池の小型化が可能な燃料電池システムを提供することができる。
第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 (a)は空気含有装置の要部を示す図であり、(b)は拡大図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの起動時における動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの定常運転時における動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る第1目標流量算出処理を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る第2目標流量算出処理を示すフローチャートである。 目標流量とコンプレッサの回転速度との関係を示すマップである。 目標空気圧力と背圧弁の開度との関係を示すマップである。 目標流量とポンプの回転速度との関係を示すマップである。 アクセル開度と発電要求量との関係を示すマップである。 発電要求量と目標電流値との関係を示すマップである。 目標酸化剤ガス流量と第1目標流量との関係を示すマップである。 目標酸化剤ガス流量と目標空気圧力との関係を示すマップである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの停止時の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムの定常運転時における動作を示すフローチャートである。 空気含有装置において新たに含有すべき酸素流量(目標酸化剤ガス流量−排出冷媒中の酸素流量)と、目標流量の補正値との関係を示すマップである。 生成水の除去不足量(予測生成水量−生成水除去量)と、目標流量の補正値との関係を示すマップである。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す第1実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10(燃料電池)と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素(酸化剤ガス)を含む冷媒を給排するカソード系と、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続され、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、これらを電子制御する制御手段であるECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層して構成されたスタックであり、複数の単セルは直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソード(電極)とを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体と、これに担持され、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)と、を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路11(燃料ガス流路)、カソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。
そして、アノード流路11を介して各アノードに水素が供給されると、式(1)の電極反応が起こり、カソード流路12を介して各カソードに空気が供給されると、式(2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、燃料電池スタック10と後記するモータ51等の外部負荷とが電気的に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。よって、燃料電池スタック10が発電すると、水(水蒸気、生成水)がカソードで生成する。
2H→4H+4e …(1)
+4H+4e→2HO …(2)
なお、カソード流路12には、後記するように、酸素(空気)を含有する冷媒が通流する。すなわち、燃料電池スタック10は、一般の燃料電池スタックが備える独立した3系統の流路(燃料ガス用の流路、酸化剤ガス用の流路、冷媒用の流路)のうち、冷媒用の流路を備えず、カソード流路12を酸化剤ガス用の流路及び冷媒用の流路として兼用している。これにより、各流路となる溝が形成されるセパレータを薄くでき、その結果、単セルの積層方向において燃料電池スタック10がコンパクトになる。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21(燃料ガス供給手段)と、常閉型の遮断弁22と、レギュレータ23(減圧弁)と、を備えている。
水素タンク21は、配管21a、遮断弁22、配管22a、レギュレータ23、配管23aを介して、アノード流路11の入口に接続されている。そして、ECU70の指令に従って、遮断弁22が開かれると、水素タンク21の水素が、配管21a等を通って、アノード流路11に供給されるようになっている。
レギュレータ23は、例えば本願出願人による特開2005−183357号公報に記載されるように、上流端が配管41aに接続された細い配管23bを通って入力される空気の圧力を、パイロット圧(信号圧)として開/閉を繰り返し、その二次側圧力(アノード流路11の圧力)と、カソード流路12の圧力とをバランスさせ、燃料電池スタック10を構成する各MEA(電解質膜)の破れ等を防止するものである。
アノード流路11の出口は、配管23cを介して、後記する希釈器44に接続されている。そして、アノードにおける電極反応で消費されなかった水素を含むアノードオフガスは、配管23cを通って、希釈器44に排出されるようになっている。
<カソード系−冷媒循環関係>
カソード系は、ポンプ31と、ラジエータ32(放熱器)と、酸素濃度センサ33(酸化剤ガス濃度センサ)と、を備えており、カソード流路12を経由するように冷媒を循環させる機能を備えている。
循環する冷媒は、後記する空気含有装置42で混入・含有される酸素を輸送(運搬)する特性を有しており、例えばフッ素系不活性溶液、具体的にはパーフルオロカーボンを主成分とする溶液である。
酸素含有率の高いパーフルオロカーボンを主成分とすることで、冷媒の流量や、空気の流量及び圧力を下げることができるので、ポンプ31、コンプレッサ41、背圧弁43の作動頻度を少なくでき、ポンプ31等を長寿命化できる。
ポンプ31の吐出口は、配管31aを介して、カソード流路12の入口に接続されている。カソード流路12の出口は、配管31b、後記する空気含有装置42、配管32a、ラジエータ32、配管32bを介して、ポンプ31の吸入口に接続されている。なお、ポンプ31等内、配管31a等内は、冷媒で満たされている。
そして、ECU70の指令に従ってポンプ31が作動すると、冷媒が、カソード流路12、空気含有装置42、ラジエータ32を経由するように循環し、燃料電池スタック10が適宜に冷却され、過昇温しないようになっている。
また、後記するように空気含有装置42から冷媒に混入・含有された酸素(空気)は、循環する冷媒によって輸送され、空気含有装置42から配管32a等を通って、カソード流路12に向かうようになっている。
さらに、燃料電池スタック10の発電に伴ってカソードで生成した生成水(水蒸気等)は、循環する冷媒によって輸送され、カソード流路12から配管31bを通って空気含有装置42に向かい、後記するように空気含有装置42によって、冷媒から除去されるようになっている。
酸素濃度センサ33は、酸素の濃度を検出するセンサであり、配管31bに取り付けられている。そして、酸素濃度センサ33は、循環する冷媒中の酸素濃度、詳細にはカソード流路12から排出され、発電で消費されず、再びカソード流路12に向かう酸素の濃度を検出し、ECU70に出力するようになっている。
なお、冷媒循環手段は、ポンプ31と、ラジエータ32(放熱器)と、酸素濃度センサ33(酸化剤ガス濃度センサ)と、配管31a、31b、32a、32bとから構成される。
<カソード系−空気給排関係>
また、カソード系は、コンプレッサ41(酸化剤含有ガス供給手段、過給器)と、空気含有装置42(酸化剤ガス含有手段)と、背圧弁43(圧力制御手段)と、希釈器44と、流量センサ45と、湿度センサ46と、温度センサ47と、圧力センサ48とを備えている。
コンプレッサ41は、配管41aを介して、空気含有装置42の空気入口に接続されている。そして、コンプレッサ41は、ECU70の指令に従って作動すると、車外から酸素(酸化剤ガス)を含む空気(酸化剤含有ガス)を吸気し、空気含有装置42に供給するようになっている。
<カソード系−空気含有装置>
空気含有装置42は、酸素を含む空気の一部を循環する冷媒に混入・含有させると共に、冷媒に含まれる生成水(水蒸気等)を除去する装置である。
具体的には、空気含有装置42は、複数本(例えば10〜10000本)の中空糸膜42a(透過膜)が束ねられてなる中空糸膜束を備えており、第1実施形態では、図2(a)に示すように、酸素を含む空気が中空糸膜42a内を通流し、生成水を含む冷媒が中空糸膜42a外を通流するように構成されている。ここで、空気の通流向きと、冷媒の通流向きとは、対向するように構成されている。
中空糸膜42aは、例えば、ポリイミド等から形成された中空状を呈しており、図2(b)に示すように、その周壁部には、中空糸膜42aの内外を連通させる無数の連続孔42bが形成されている。
そして、酸素を含む空気の一部は、中空糸膜42a内から連続孔42bを通って中空糸膜42a外に透過することにより、酸素を含む空気が冷媒に混入し、含有するようになっている。一方、発電に伴って生成し冷媒に含まれる生成水は、中空糸膜42a外から連続孔42bを通って中空糸膜42a内に透過することにより、生成水が冷媒から除去(除湿)されるようになっている。
なお、連続孔42bの大きさ・数や、中空糸膜42aの材質は、選択的に透過させる酸素分子、生成水(水分子)の大きさ等に基づいて設計される。
また、このような透過膜の形状は、中空糸型に限定されず、その他に例えば、スパイラル型、平型でもよい。
ここで、中空糸膜42aを透過する酸素、生成水の透過速度は、中空糸膜42aの内外における酸素濃度勾配、生成水濃度勾配に依存することになる。よって、例えば、燃料電池スタック10を高出力で発電させるべく、酸素を多量に供給する必要がある場合、中空糸膜42a内を通流する酸素(空気)の流量、圧力を高めればよい。また、冷媒中の生成水を速やかに除去する場合、中空糸膜42a内の水蒸気濃度(水蒸気分圧)を下げるため、空気の流量を増加すればよい。
空気含有装置42の空気出口は、配管43a、背圧弁43、配管43bを介して、希釈器44に接続されている。そして、前記生成水を含む空気(これを空気オフガスと称する)は、配管43a等を通って、希釈器44に排出されるようになっている。
このように中空糸膜42aを備える空気含有装置42は、冷媒に酸素(空気)を含有させる機能と、冷媒から生成水を除去する機能との2つの機能を備えている。したがって、機能毎に機器を備える場合と比較して、燃料電池システム1の部品点数は少なくなり、安価で構成され、そして、軽量かつ小型化される。
背圧弁43は、例えばバタフライ弁から構成され、その開度がECU70によって制御されることで、空気含有装置42を通流する空気の圧力を制御するものである。
希釈器44は、配管23cからのアノードオフガスと、配管43bからの空気オフガス(希釈用ガス)とを混合し、アノードオフガス中の水素を、空気オフガスで希釈する容器であり、その内部に希釈空間を備えている。そして、希釈後のガスは、配管44aを通って車外に排出されるようになっている。
流量センサ45は、コンプレッサ41の吸気側に取り付けられている。そして、流量センサ45は、コンプレッサ41に吸気される空気の質量流量(g/sec)を検出し、ECU70に出力するようになっている。
湿度センサ46は、配管43aに取り付けられている。そして、湿度センサ46は、配管43aを通流する空気オフガスの相対湿度を検出し、ECU70に出力するようになっている。
温度センサ47は、配管43aに取り付けられている。そして、温度センサ47は、配管43aを通流する空気オフガスの温度を検出し、ECU70に出力するようになっている。
圧力センサ48は、配管43aに取り付けられている。そして、圧力センサ48は、配管43aを通流する空気オフガスの圧力を検出し、ECU70に出力するようになっている。
<電力消費系>
電力消費系は、燃料電池車を走行させるモータ51(負荷)と、電力制御器52と、出力検出器53とを備えている。そして、モータ51は、電力制御器52(発電制御手段)、出力検出器53を順に介して、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に電気的に接続されている。
モータ51は、燃料電池車を走行させるためのモータである。
電力制御器52は、ECU70の指令に従って、燃料電池スタック10の出力(電流値、電圧値)を、0を含めて制御するものであり、DC−DCチョッパ回路等の電子回路を備えている。
なお、モータ51と電力制御器52との間には、ECU70の指令に従って、電力制御器52からの直流電力を、三相交流電力に変換し、モータ51に出力する図示しないPDU(Power Drive Unit)が設けられている。
出力検出器53は、燃料電池スタック10の現在の電流値及び電圧値を検出する機器であり、電流センサ及び電圧センサを備えている。そして、出力検出器53は、現在の電流値及び電圧値をECU70に出力するようになっている。
<その他機器>
図1中の符号61は、アクセルである。このアクセル61は、運転者が燃料電池車を走行させるために踏み込むペダルであり、運転席の足元に配置されている。そして、アクセル61は、アクセル開度をECU70に出力するようになっている。
図1中の符号62は、IGである。このIG62は、燃料電池システム1(燃料電池車)の起動スイッチであり、運転席周りに配置されている。そして、IG62は、そのON/OFF信号をECU70に出力するようになっている。
<ECU>
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮し、各種機器を制御するようになっている。
なお、ECU70による具体的な制御処理は燃料電池システム1の動作と共に説明する。
≪燃料電池システムの動作・効果≫
次に、燃料電池システム1(燃料電池車)の動作・効果について説明する。
<起動時>
まず、燃料電池システム1(燃料電池車)の起動時について、図3を参照して説明する。
なお、IG62がONされると、図3の処理がスタートする。また、システム停止時において、後記するように、冷媒中の酸素を消費し、酸素を除去しているので、冷媒中の酸素濃度は下がっている。
ステップS101において、ECU70は、ポンプ31及びコンプレッサ41を起動させる。
ステップS102において、ECU70は、後記する通常モード時(S105、通常起動時)の空気含有装置42を通流する空気の流量、圧力に対して、空気の流量、圧力が増加(増量、増圧)するように、コンプレッサ41の回転速度を若干高くし、背圧弁43の開度を若干小さくする(増量・増圧モード)。
これにより、空気含有装置42において、中空糸膜42aを透過して空気から冷媒に向かう酸素(空気)の量が増加し、カソード流路12に向かう酸素の量も増加する。その結果、後記するステップS106における水素供給開始までの時間が短くなる。
なお、コンプレッサ41の回転速度を高める程度や、背圧弁43の開度を小さくする程度は、例えば、事前試験等によって求められ、ECU70に設定される。
ステップS103において、ECU70は、後記する通常モード時(S105、通常起動時)のカソード流路12及び空気含有装置42を循環する冷媒の流量に対して、循環する冷媒の流量が増加(増量)するように、ポンプ31の回転速度を若干高くする(増量モード)。
これにより、酸素濃度の低い冷媒が、次々に空気含有装置42に供給されることになり、空気含有装置42において、酸素(空気)が冷媒に含有されやすくなると共に、冷媒に含有されカソード流路12に向かう酸素(空気)の流量が増加し、その結果、後記するステップS106における水素供給開始までの時間が短くなる。
ステップS104において、ECU70は、酸素濃度センサ33を介して検出される冷媒中の現在の酸素濃度が、第2所定酸素濃度以上であるか否か判定する。第2所定酸素濃度は、事前試験等により求められ、循環する冷媒中の酸素濃度が好適に上昇し、この後、燃料電池スタック10への水素供給を開始可能な濃度に設定される。
現在の酸素濃度は第2所定酸素濃度以上であると判定した場合(S104・Yes)、ECU70の処理は、ステップS105に進む。一方、現在の酸素濃度は第2所定酸素濃度以上でないと判定した場合(S104・No)、ECU70は、ステップS104の判定を繰り返す。
ステップS105において、ECU70は、ポンプ31、コンプレッサ41及び背圧弁43を通常に制御し、空気及び冷媒を通常に供給、循環させる(通常モード)。
ステップS106において、ECU70は、遮断弁22を開き、アノード流路11への水素供給を開始する。ここで、レギュレータ23は、配管23bを通って入力されるパイロット圧に従って、その二次側圧力(アノード流路11の圧力)を制御する。
そして、このように水素が供給されると、燃料電池スタック10のOCVが上昇し始める。
ステップS107において、ECU70は、出力検出器53を介して検出される現在のOCVが、所定OCV以上であるか否か判定する。所定OCVは、事前試験等により求められ、燃料電池スタック10を発電開始可能な電圧に設定される。
ステップS108において、ECU70は、電力制御器52を制御して、燃料電池スタック10の発電を開始させる。
その後、ECU70の処理は、図4の定常運転時の制御フローに移行する。
<定常運転時−動作>
次に、燃料電池システム1(燃料電池車)の定常運転時の動作について、図4〜図13を参照して説明する。
ステップS300において、ECU70は、アクセル61から入力されるアクセル開度に基づいて、第1目標流量を算出する。具体的内容は、後で説明する。
ステップS400において、ECU70は、空気含有装置42において冷媒から除去すべき生成水量に基づいて、第2目標流量を算出する。具体的内容は、後で説明する。
ステップS201において、ECU70は、第2目標流量が第1目標流量以上であるか否か判定する。
第2目標流量は第1目標流量以上であると判定した場合(S201・Yes)、ECU70の処理は、ステップS202に進む。一方、第2目標流量は第1目標流量以上でないと判定した場合(S201・No)、ECU70の処理はステップS203に進む。
ステップS202において、ECU70は、コンプレッサ41から空気含有装置42に供給する空気の目標流量を、第2目標流量に設定する。
ステップS203において、ECU70は、コンプレッサ41から空気含有装置42に供給する空気の目標流量を、第1目標流量に設定する。
ステップS204において、ECU70は、目標流量(第1目標流量又は第2目標流量)と、図7のマップとに基づいて、コンプレッサ41の回転速度を算出する。
なお、図7のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図7に示すように、目標流量が増加すると、コンプレッサ41の回転速度が高くなる関係となっている。
ステップS205において、ECU70は、空気含有装置42を通流する空気の目標空気圧力と、図8のマップとに基づいて、背圧弁43の開度を算出する。ここで、目標空気圧力は、後記する図5のステップS304で算出されている。
なお、図8のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図8に示すように、目標空気圧力が高くなると、背圧弁43の開度が小さくなる関係となっている。
ステップS206において、ECU70は、目標流量(第1目標流量又は第2目標流量)と、図9のマップとに基づいて、ポンプ31の回転速度を算出する。
なお、図9のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図9に示すように、目標流量が増加すると、ポンプ31の回転速度が高くなる関係となっている。
ステップS207において、ECU70は、ステップS204で算出した回転速度、ステップS205で算出した開度、ステップS206で算出した回転速度に従って、コンプレッサ41、背圧弁43、ポンプ31を制御する。
その後、ECU70の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
<第1目標流量算出処理、S300>
次に、第1目標流量算出処理の内容について、図5を参照して説明する。
ステップS301において、ECU70は、電力制御器52に出力する燃料電池スタック10の目標電流値を算出する。
具体的には、ECU70は、アクセル61から入力されるアクセル開度と、図10のマップとに基づいて、モータ51(負荷)が燃料電池スタック10に要求する発電要求量(負荷要求量)を算出する。
なお、図10のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図10に示すように、アクセル開度が大きくなると、発電要求量が大きくなる関係となっている。
そして、ECU70は、算出された発電要求量と、図11のマップとに基づいて、目標電流値を算出する。
なお、図11のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図11に示すように、発電要求量が大きくなると、目標電流値が大きくなる関係となっている。
ステップS302において、ECU70は、算出された目標電流値と、式(3)とに基づいて、燃料電池スタック10で酸素不足とならないように、カソード流路12に供給すべき目標酸化剤ガス流量(目標酸素流量)を算出する。
なお、式(3)において、0.0035はファラデーの法則によって導かれたものであって、電流量1A当たりの単位酸素量である。セル数は、燃料電池スタック10を構成する単セルの数である。
Figure 2011187340
ステップS303において、ECU70は、ステップS302で算出された目標酸化剤ガス流量(目標酸素流量)と、図12のマップとに基づいて、燃料電池スタック10で酸素不足とならないようにコンプレッサ41から空気含有装置42に供給する空気の第1目標流量を算出する。
なお、図12のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図12に示すように、目標酸化剤ガス流量(目標酸素流量)が増加すると、第1目標流量が増加する関係となっている。
ステップS304において、ECU70は、ステップS302で算出された目標酸化剤ガス流量(目標酸素流量)と、図13のマップとに基づいて、燃料電池スタック10で酸素不足とならないように空気含有装置42を通流する空気の目標空気圧力を算出する。
なお、図13のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。また、図13に示すように、目標酸素流量が増加すると、目標空気圧力が高くなる関係となっている。
その後、ECU70の処理は、エンドを通って、図4のステップS400に進む。
<第2目標流量算出処理、S400>
次に、第2目標流量算出処理の内容について、図6を参照して説明する。
ステップS401において、ECU70は、ステップS301で算出した目標電流値に基づいて燃料電池スタック10を発電させた場合において、燃料電池スタック10で生成すると予測される生成水量(予測生成水量、mol/m)を算出する。
具体的には、ECU70は、ステップS301で算出した目標電流値と、式(4)とに基づいて、予測生成水量を算出する。
なお、式(4)において、「3.12×10−4」は、予測生成水量の単位変換するための係数である。
Figure 2011187340
ステップS402において、ECU70は、ステップS301で算出した目標電流値に基づいて燃料電池スタック10を発電させた場合において、燃料電池スタック10で生成し、循環する冷媒に混入する生成水(水蒸気)を、空気含有装置42で冷媒から除去するために必要とされる空気の流量(必要除湿空気流量という)を算出する。
具体的には、ECU70は、ステップS401で算出した予測生成水量と、式(5)とに基づいて、必要除湿空気流量を算出する。
なお、式(5)における排出ガス全圧力(目標圧力値)は、図5のステップS304で算出されたものである。
Figure 2011187340
ここで、式(5)における水蒸気分圧Pwは、式(6)で算出される。
なお、式(6)は、「TeTensの式」から導かれる式であり、相対湿度RH(%)には、各種運転条件に基づく事前試験等より得られた値が入力され、空気含有装置42を通流する空気温度t(℃)には、各種運転条件に基づく事前試験等より得られた値が入力される。なお、これら事前試験等より得られた値は、予めECU70に記憶される。
Figure 2011187340
そして、第1実施形態では、ECU70は、このようにして算出された必要除湿空気流量を、コンプレッサ41から空気含有装置42に供給する空気の第2目標流量とする。
その後、ECU70の処理は、エンドを通って、図4のステップS201に進む。
<定常運転時−効果>
次に、このような定常運転時の制御処理による効果を説明する。
燃料電池スタック10で酸素不足とならないように第1目標流量を算出し(S300)、予測される生成水が良好に除去されるように第2目標流量を算出し(S400)、第1目標流量と第2目標流量とのうち、大きい方を採用して目標流量として(S201〜S203)、コンプレッサ41を制御するので、燃料電池スタック10で酸素不足とならず、また、発電に伴って生成する生成水を空気含有装置42で良好に除去できる。
すなわち、酸素不足とならないように空気を供給するので、アクセル開度に対応して燃料電池スタック10を発電させることができ、燃料電池車のドライブフィーリングが向上する。
また、発電に伴う生成水が良好に冷媒から除去されるように空気を供給するので、冷媒中の生成水の増加に伴う凝固点の上昇による冷媒の凍結を防止できる。その結果、低温環境下でも冷媒が循環可能となり、低温環境下でも燃料電池システム1(燃料電池車)は起動可能となる。
<停止時>
次に、燃料電池システム1(燃料電池車)の停止時について、図14を参照して説明する。
なお、IG62がOFFされると、図14の処理がスタートする。
ステップS501において、ECU70は、コンプレッサ41を停止させる。これにより、空気含有装置42への空気供給は停止され、空気含有装置42における冷媒への酸素(空気)の含有は停止される。
なお、ポンプ31は作動したままであり、冷媒は循環している。
ステップS502において、ECU70は、電力制御器52(発電制御手段)によって、燃料電池スタック10の発電を継続させ、循環する冷媒に残存する酸素を消費し、冷媒から酸素を除去する。
この場合において、燃料電池スタック10の電力は、ポンプ31で消費されたり、その他、高圧のバッテリ等の外部負荷に充電(給電)される。
ステップS503において、ECU70は、酸素濃度センサ33を介して検出される現在の酸素濃度が、第1所定酸素濃度以下であるか否か判定する。第1所定酸素濃度は、事前試験等により求められ、冷媒中の酸素濃度が好適に低下し、システム停止中、アノードへの酸素拡散が抑制され、燃料電池スタック10が劣化しないと判断される濃度に設定される。
現在の酸素濃度は第1所定酸素濃度以下であると判定した場合(S503・Yes)、ECU70の処理は、ステップS504に進む。一方、現在の酸素濃度は第1所定酸素濃度以下でないと判定した場合(S503・No)、ECU70は、ステップS503の判定を繰り返す。
ステップS504において、ECU70は、電力制御器52を制御し、燃料電池スタック10の発電を停止させる。これにより、燃料電池スタック10が無駄に発電することはない。
ステップS505において、ECU70は、ポンプ31を停止させる。これにより、ポンプ31によって無駄に電力消費されることはない。
ステップS506において、ECU70は、遮断弁22を閉じ、燃料電池スタック10への水素供給を停止させる。これにより、その後にレギュレータ23等の遮断弁22の下流のデバイスに高圧の水素が作用することはなく、前記デバイスが破損等にしにくくなる。
その後、ECU70の処理は、エンドに進み、燃料電池システム1(燃料電池車)は、停止状態となる。
この場合において、冷媒中の酸素濃度は良好に低下しており、また、水素供給も停止されているので、システム停止中において、燃料電池スタック10で高いOCVが発生することはない。
また、カソード流路12は、冷媒で満たされており、車外(外部)と連通していないので、車外の酸素はカソード流路12に流入(拡散)しにくい。すなわち、システム停止中において、車外の酸素は燃料電池スタック10に供給されにくく、新たな酸素の流入によって燃料電池スタック10が劣化することもない。つまり、システム停止中において、カソード流路12と車外(外部)とを遮断し、カソード流路12を封止する封止弁を備える必要がないので部品点数が少なくなり、燃料電池システム1を安価で構成できる。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、後記する実施形態と適宜組み合わせたり、次のように変更できる。
前記した第1実施形態では、複数の単セルが積層された燃料電池スタック10を例示したが、その他に例えば、複数の単セルが面方向に配列された燃料電池モジュールでもよいし、1つの単セルから構成される燃料電池でもよい。
前記した第1実施形態では、中空糸膜42aを備える空気含有装置42を例示したが、これに代えて、酸素(空気)を冷媒中でバブリングすることで冷媒に含有・混入させる装置と、生成水を透過させる透過膜を備え生成水を除去する除去装置とで、酸化剤ガス含有手段を構成してもよい。
前記した第1実施形態に係るコンプレッサ41に代えて、酸素が封入された酸素タンクと、酸素タンクからの酸素流量を制御する流量制御弁とを備え、これらを酸化剤含有ガス供給手段としてもよい。なお、この場合、酸素タンクから供給される酸素が酸化剤含有ガスとなる。
前記した実施形態では、システム停止時に、毎回、燃料電池スタック10の発電を継続することで(図14、S502)、酸素濃度を第1所定酸素濃度以下に低下し(図14、S503)、次回のシステム起動時に、毎回、酸素濃度が第2所定酸素濃度以上になるまで(図3、S104)、空気の流量・圧力を増加させ(図3、S102)、冷媒の流量を増加させる構成を例示したが、その他に、システム停止時間が長くなる場合、例えば、IG62のOFF後、所定時間(例えば10〜30分)経過した場合、酸素濃度を第1所定酸素濃度以下に低下させる構成としてもよい。
このような構成すれば、人待ち等によって短時間(例えば5分)IG62をOFFした場合にまで、酸素濃度を低下させることはない。
そして、システム停止時に酸素濃度を第1所定酸素濃度以下に低下させた場合、これをフラグ等によって一時的に記憶しておき、次回のシステム起動時、前記フラグを参照して、前回システム停止時に酸素濃度を低下させたと判定した場合、図2のステップS101からの処理を順に実行する構成にすればよい。
逆に、前回システム停止時に酸素濃度を低下させていないと判定した場合、図2のステップS102〜S104の処理は実行せず、ステップS101の後、ステップS105の処理を実行し、システムを通常に起動する構成にすればよい。
前記した第1実施形態では、燃料電池システム1が四輪や二輪の燃料電池車に搭載された場合を例示したが、その他の移動体、例えば列車、船舶に搭載された燃料電池システムでもよい。また、定置型の燃料電池システムに本発明を適用してもよい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について、図15〜図17を参照して説明する。
なお、第2実施形態に係る燃料電池システム1では、ECU70に設定されたプログラムが一部異なり、定常運転時において、図4に示すステップS207後、図15に示すステップS601に進み、図15のステップS601〜S608の処理を、追加して実行する点が異なる。以下、異なる部分を説明する。
ステップS601において、ECU70は、カソード流路12から排出され、再びカソード流路12に向かう酸素の流量を算出する。
具体的には、ECU70は、ポンプ31の回転速度から冷媒の流量を算出し、算出した冷媒の流量と酸素濃度センサ33の検出結果とから冷媒中の酸素の流量、すなわち、再びカソード流路12に向かう酸素の流量を算出する。
ステップS602において、ECU70は、空気含有装置42において、循環する冷媒に新たに混入・含有させるべき酸素の流量を算出する。
具体的には、ECU70は、ステップS302で算出したカソード流路12に供給するべき酸素の目標酸素流量からステップS601で算出した再びカソードに向かう酸素の流量を減算して、新たに混入・含有させるべき酸素の流量を算出する。
なお、走行中の冷媒中の酸素濃度は、急加速等の急激な速度変化に対応するために、現状の走行状態で必要とされる酸素濃度より濃い状態に保つことが望ましいので、新たに混入・含有させるべき酸素の流量に若干のマージンを加算する。
ステップS603において、ECU70は、ステップS602で算出した新たに混入・含有させるべき酸素の流量と図16のマップとに基づいて、目標流量(空気含有装置42に供給すべき空気の流量)の補正値を算出する。
なお、図16のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
具体的には、図16に示すように、新たに含有すべき酸素流量が0以上の範囲では、酸素不足とならないように、酸素の流量が増加すると、目標流量の補正値が増加する関係となっている。一方、新たに含有すべき酸素の流量が0未満の範囲では、酸素が足りているので、目標流量の補正値(酸素の流量及び空気の流量の増加量)は共に0となる。
なお、冷媒中への酸素含有量はある濃度以上で飽和するので、飽和値近辺で濃度を維持するのはコンプレッサ41の効率面では非効率である。そこで、酸素濃度の上限は飽和濃度からある程度低い値で設定し、現在の酸素濃度(流量)が上限値以上の場合には空気流量を減少させる制御をすることが望ましい。
ステップS604において、ECU70は、ステップS603で算出した目標流量の補正値に従って、コンプレッサ41の回転速度を補正する。
すなわち、目標流量の補正値が0よりも大きい範囲では、目標流量の補正値が大きくなるほど、コンプレッサ41の回転速度の増加程度が大きくなる。一方、目標流量の補正値が0である場合、コンプレッサ41の回転速度は維持される。
このようにカソード流路12中の酸素の濃度を、目標電流値に基づいて必要とする濃度に維持する制御が行われるので、例えば、急加速によって燃料電池スタック10の発電量が短期間に増加した場合であっても、酸素欠乏を起こすことが無く、燃料電池スタック10の劣化を抑制できる。
ステップS605において、ECU70は、現在、空気含有装置41で冷媒から除去され、配管43aを通流している生成水の量(生成水除去量)を算出する。
具体的には、ECU70は、流量センサ45が検出する流量と、湿度センサ46が検出する湿度と、温度センサ47が検出する温度と、圧力センサ48が検出する圧力と、式((7)〜(8)とに基づいて、空気含有装置42で現在除去されている生成水の量(生成水除去量)を算出する。
なお、式(7)は、式(5)の「必要除湿空気流量」を「現在の排出ガス流量」に、「予測生成水量」を「生成水除去量」に、それぞれ便宜的に置き換え、「生成水除去量」について整理したものである。また、式(8)は前記した式(6)と同一である。
すなわち、第2実施形態において、空気含有装置41で除去された生成水の量を検出する除去生成水量検出手段は、流量センサ45と、湿度センサ46と、温度センサ47と、圧力センサ48と、これらの検出値に基づいて演算するECU70とを備えて構成されている。
Figure 2011187340
Figure 2011187340
ステップS606において、ECU70は、空気含有装置41による生成水の除去について、生成水の除去不足量を算出する。
具体的には、ECU70は、ステップS401で算出した目標電流値で発電させた場合における予測生成水量から、ステップS605で算出した生成水除去量を減算し、生成水の除去不足量を得る。
ステップS607において、ECU70は、ステップS606で算出した生成水の除去不足量と図17のマップとに基づいて、目標流量(空気含有装置42に供給すべき空気の流量)の補正値を算出する。
なお、図17のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
具体的には、図17に示すように、生成水の除去不足量(予測生成水量−現在の生成水除去量)が0以上の範囲では、生成水の除去に必要な空気が不足しているので、生成水の除去不足量が増加すると、目標流量の補正値が増加する関係となっている。一方、生成水の除去不足量が0未満の範囲では、生成水の除去に必要な空気が足りているので、目標流量の補正値は0となる。
なお、生成水の除去不足量が0未満の範囲では、目標流量の補正値を負に、つまり、空気の流量を減少させてもよい。この場合、コンプレッサ41の回転速度を低下させ、無駄な動作を抑制することになるので、コンプレッサ41による消費電力を抑えることができる。
ステップS608において、ECU70は、ステップS607で算出した目標流量の補正値に従って、コンプレッサ41の回転速度を補正する。
すなわち、目標流量の補正値が0よりも大きい範囲では、目標流量の補正値が大きくなるほど、コンプレッサ41の回転速度の増加程度が大きくなる。一方、目標流量の補正値が0である場合、コンプレッサ41の回転速度は維持される。
このように現在の生成水の除去量を考慮したうえで、生成水の除去不足量及び目標流量の補正値を算出し、目標流量を補正するので、空気含有装置41において冷媒から生成水が良好に除去され、循環する冷媒の濃度を適正値に維持できる。
その後、ECU70の処理は、リターンを通って、図4のスタートに戻る。
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック(燃料電池)
11 アノード流路(燃料ガス流路)
12 カソード流路(酸化剤ガス流路)
31 ポンプ(冷媒循環手段)
33 酸素濃度センサ(酸化剤ガス濃度センサ)
41 コンプレッサ(酸化剤含有ガス供給手段)
42 空気含有装置(空気含有手段)
42a 中空糸膜(透過膜)
44 背圧弁(圧力制御手段)
45 流量センサ
70 ECU(制御手段)

Claims (10)

  1. 燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    前記酸化剤ガス流路を経由するように冷媒を循環させる冷媒循環手段と、
    循環する冷媒に酸化剤ガスを含有させる酸化剤ガス含有手段と、
    前記酸化剤ガス含有手段に酸化剤ガスを含む酸化剤含有ガスを供給する酸化剤含有ガス供給手段と、
    前記冷媒循環手段及び前記酸化剤含有ガス供給手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記冷媒循環手段は、酸化剤ガスを含有する冷媒を、前記酸化剤ガス流路に供給し、
    前記制御手段は、システムの運転状態に基づいて前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき酸化剤含有ガスの目標流量を算出し、目標流量に基づいて前記酸化剤含有ガス供給手段を制御し、
    前記酸化剤ガス含有手段は、循環する冷媒から、前記燃料電池で生成した生成水を除去する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記酸化剤ガス含有手段は、酸化剤含有ガス中の酸化剤ガスを冷媒に向けて透過させると共に、冷媒中の生成水を透過させることで生成水を除去する透過膜を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記冷媒は、フッ素系不活性溶液を主成分とする
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、
    前記燃料電池に要求される発電要求量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき酸化剤含有ガスの第1目標流量を算出し、
    前記燃料電池から排出された冷媒に含まれ、前記酸化剤ガス含有手段で除去すべき生成水量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき酸化剤含有ガスの第2目標流量を算出し、
    前記第1目標流量と前記第2目標流量とのうち多い方を、前記目標流量とする
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、
    前記燃料電池に要求される目標電流値に基づいて、前記燃料電池に供給すべき目標酸化剤ガス流量を算出し、
    前記目標酸化剤ガス流量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段が供給すべき前記第1目標流量を算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記冷媒循環手段は、冷媒を循環させるポンプと、前記燃料電池から排出され再び前記燃料電池に向かう冷媒中の酸化剤ガスの濃度を検出する酸化剤ガス濃度センサと、を備え、
    前記制御手段は、
    前記ポンプの回転速度と、前記酸化剤ガス濃度センサの検出する酸化剤ガスの濃度と、に基づいて、前記燃料電池に再び向かう酸化剤ガスの流量を算出し、
    前記目標電流値に基づいて算出された目標酸化剤ガス流量と、前記燃料電池に再び向かう酸化剤ガスの流量と、に基づいて、前記酸化剤ガス含有手段で冷媒に新たに含有させるべき酸化剤ガスの流量を算出し、
    前記新たに含有させるべき酸化剤ガスの流量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段から前記酸化剤ガス含有装置に向かうべき酸化剤含有ガスの流量を補正する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、
    前記目標電流値に基づいて、前記燃料電池で生成し前記酸化剤ガス含有手段で除去すべき生成水量を算出し、
    前記除去すべき生成水量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段で生成水を除去するために必要とされる必要酸化剤含有ガス流量を算出し、前記必要酸化剤含有ガス流量を前記第2目標流量とする
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記酸化剤ガス含有装置で除去された生成水の量を検出する除去生成水量検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記目標電流値に基づいて算出された除去すべき生成水量と、前記除去生成水量検出手段の検出した実際に除去された生成水の量と、に基づいて、生成水の除去不足量を算出し、
    前記生成水の除去不足量に基づいて、前記酸化剤含有ガス供給手段から前記酸化剤ガス含有装置に向かうべき酸化剤含有ガスの流量を補正する
    ことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池の発電を制御する発電制御手段を備え、
    システム停止時において、
    前記酸化剤含有ガス供給手段が前記酸化剤ガス含有手段への酸化剤含有ガスの供給を停止した後も、前記発電制御手段は前記燃料電池を継続して発電させ、
    冷媒中の酸化剤ガスの濃度が第1所定濃度以下になった場合、前記発電制御手段は前記燃料電池の発電を停止させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの圧力を制御する圧力制御手段を備え、
    システム停止時に、冷媒中の酸化剤ガスの濃度を前記第1所定濃度以下にした場合、
    次回のシステム起動時において、システムを通常に起動させる通常起動時に対して、冷媒中の酸化剤ガスの濃度が第2所定濃度以上になるまで、
    前記圧力制御手段は、前記酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの圧力を高め、
    前記酸化剤含有ガス供給手段は、前記酸化剤ガス含有手段を通流する酸化剤含有ガスの流量を増加し、
    前記冷媒循環手段は、循環する冷媒の流量を増加する
    ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
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