JP2011187183A5 - - Google Patents
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前記目的を果たすため、本発明の色素増感太陽電池の一態様は、第1の電極と、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記第1の電極上に配された電子捕集−色素層と、前記電子捕集−色素層と前記第2の電極との間に配された電子供給剤と、を備え、前記電子捕集−色素層は、電子捕集剤と色素とを含んで一つの層をなし、前記電子捕集剤は、第1の粒径範囲内の粒径を有する第1の電子捕集粒子と第2の粒径範囲内の粒径を有する第2の電子捕集粒子とが混合されて形成され、前記第2の粒径範囲の最小値は前記第1の粒径範囲の最大値よりも大きい、ことを特徴とする。
[実施形態]
まず、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る色素増感太陽電池は、その構成の概要を図1に示す通り、例えばガラスやフィルム等から成る第1の基板としての透明基板10上に、酸化インジウム錫(ITO)やフッ素ドープ酸化スズ(FTO)等から成る第1の電極としての透明導電膜20が形成されている。透明導電膜20はパターニングされていても良く、また、透明導電膜20の上層または下層に銀等の集電パターンを設けても良い。透明導電膜20上には、電子捕集−色素層30が形成されている。電子捕集−色素層30については後に詳述する。
まず、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る色素増感太陽電池は、その構成の概要を図1に示す通り、例えばガラスやフィルム等から成る第1の基板としての透明基板10上に、酸化インジウム錫(ITO)やフッ素ドープ酸化スズ(FTO)等から成る第1の電極としての透明導電膜20が形成されている。透明導電膜20はパターニングされていても良く、また、透明導電膜20の上層または下層に銀等の集電パターンを設けても良い。透明導電膜20上には、電子捕集−色素層30が形成されている。電子捕集−色素層30については後に詳述する。
一方、透明基板10と対向する例えばガラスやフィルム等から成る第2の基板としての対向基板40上には、第2の電極としての導電膜50が形成されている。更に、導電膜50の上には、白金やカーボン等から成る触媒層60が形成されている。
透明基板10と対向基板40とは、透明基板10の電子捕集−色素層30が形成されている面と、対向基板40の触媒層60が形成されている面と、がそれぞれ対向し、対向する面の間に例えば10〜50μm程度の間隙を有する様に、対向する面の周縁部でシール材70によって貼り合わされている。前記間隙には、電解質である電子供給剤80が封入されている。
ここで、電子捕集−色素層30について詳述する。電子捕集−色素層30は、図2に示す様に、例えばアナターゼ型の酸化チタン等より成る、大きな粒径を有する電子伝達用電子捕集粒子(第2の電子捕集粒子)34及び小さな粒径を有する色素吸着用電子捕集粒子(第1の電子捕集粒子)36と、ルテニウム色素(N719色素等)等より成る、色素38と、から成る。ここで、電子伝達用電子捕集粒子34及び色素吸着用電子捕集粒子36をあわせて電子捕集剤32と呼ぶ事にする。
ここで、色素吸着用電子捕集粒子36の直径は、例えば5nm以上25nm以下であり、電子伝達用電子捕集粒子34の直径は、例えば100nm以上400nm以下である。色素吸着用電子捕集粒子36と電子伝達用電子捕集粒子34との割合は、重量割合で色素吸着用電子捕集粒子36が例えば20〜25%等であり、電子伝達用電子捕集粒子34が例えば75〜80%等である。電子伝達用電子捕集粒子34、色素吸着用電子捕集粒子36及び色素38から成る電子捕集−色素層30の厚さは、例えばおよそ10μm等である。
次に、本実施形態に係る色素増感太陽電池の発電原理を図3を参照して説明する。まず、本色素増感太陽電池に光が入射すると、その光は色素38に吸収される。色素38に吸収された光は、色素38を励起する(図3中の破線矢印)。ここで励起された色素38の電子は、例えばワイドギャップ半導体である酸化チタン等で構成される電子捕集剤32に受け渡される。即ち、色素38は酸化する。電子捕集剤32が受け取った電子は、透明導電膜20に移動する。一方、電子を失った色素38は、触媒層60を有する導電膜50と接している電子供給剤80の例えばI−から、電子を供給される。即ち、色素38は電子供給剤80により還元される。3I−は電子を色素38に供給するとI3 −となる。従って、電子供給剤80の例えばI3 −は、導電膜50から電子を受け取ろうとする。このとき、透明導電膜20と導電膜50との間には、電位差が発生する。透明導電膜20と導電膜50との間に外部回路が接続されていれば、透明導電膜20に移動した電子は、外部回路を介して導電膜50に移動する。そして、この電子は電子供給剤80の例えばI3 −に移動し、I3 −は3I−となる。電子を失った色素38は、電子供給剤80の例えばI−から電子を供給される。この様に、透明導電膜20と導電膜50との間に、外部回路を接続することによって、外部回路は光を吸収した本実施形態に係る色素増感太陽電池から、電流を取り出すことができる。即ち、本色素増感太陽電池は電池として機能する。
[実施例]
次に前記実施形態に係る色素増感太陽電池の実施例について説明する。ここでは、電子伝達用電子捕集粒子34及び色素吸着用電子捕集粒子36として、直径が異なる2種類の電子捕集剤32としての酸化チタンを用いた本実施例の色素増感太陽電池と、直径が1種類の電子捕集剤32としての酸化チタンを用いた従来例の色素増感太陽電池と、の性能を比較した。比較したのは、見かけの最大電力に対する実際の電力の比であるフィルファクター(FF)の値である。
次に前記実施形態に係る色素増感太陽電池の実施例について説明する。ここでは、電子伝達用電子捕集粒子34及び色素吸着用電子捕集粒子36として、直径が異なる2種類の電子捕集剤32としての酸化チタンを用いた本実施例の色素増感太陽電池と、直径が1種類の電子捕集剤32としての酸化チタンを用いた従来例の色素増感太陽電池と、の性能を比較した。比較したのは、見かけの最大電力に対する実際の電力の比であるフィルファクター(FF)の値である。
前記本実施例に係る色素増感太陽電池と、従来例に係る色素増感太陽電池とのFF値をJIS規格のJIS C 8914「結晶系太陽電池モジュール出力測定方法」に従って計測した。簡単に説明すると、計測では波長400〜1100nm、照度1000W/m2の光を照射し、電流I−電圧V曲線を取得した。そして、取得したI−V曲線から、最大出力を開放電圧と短絡電流との積で除した値であるFF値を求めた。この値は、大きいほど、当該太陽電池の内部損失が小さく、性能が高いことを示す。
本実施例と従来例とのそれぞれについて3回計測した結果、FF値は、本実施例に係る色素増感太陽電池では、44.4±1.3(平均±標準偏差)、従来例に係る色素増感太陽電池では、25.6±0.3(平均±標準偏差)となった。即ち本実施例のFF値は、従来例に比較して74%の上昇となった。
この様な違いが現れた理由として以下が考えられる。図4(a)に従来例の電子捕集−色素層30の模式図を示す通り、従来例では、図4(a)中白抜き矢尻Aで指し示す様に、色素38から放出された電子e−は、電子捕集剤32を構成する直径が小さい粒子を多く伝って、透明導電膜20に伝達される。従って電子e−は、電子捕集剤32内の粒子の接合部分を多く越える必要がある。このため、電子捕集剤32中に形成される電気接続路の抵抗が高くなって、電子が伝達されにくい。更に、図4(a)中白抜き矢尻Bで指し示す様に、色素38同士が会合し、それが電子捕集剤32を構成する粒子間に浸入し、電子捕集剤32を構成する粒子同士が接触しない部分ができることがある。そして、この様に電子捕集剤32を構成する粒子同士が接触しない部分では、電子e−が伝達されないことになる。
これに対して、図4(b)に本実施例の電子捕集−色素層30の模式図を示す通り、本実施例では、色素38から放出された電子e−は、少数の直径が大きな電子伝達用電子捕集粒子34を伝って、透明導電膜20に伝達される。従って、電子e−が越える必要のある電子伝達用電子捕集粒子34の接合部分は少ない。また、電子伝達用電子捕集粒子34の直径は大きく、1個あたりの表面積が大きいため、電子伝達用電子捕集粒子34間の接合は良好に成されている。このため、電子捕集剤32中に形成される電気接続路の抵抗が図4(b)の場合よりも低くなって、電子が伝達されやすい。また、色素吸着用電子捕集粒子36が多く存在するので、表面積は大きく、ラフネスファクター(RF=実際の表面積/投影面積)は、1000以上と、色素増感太陽電池において必要であるといわれている値以上と成っている。このため、十分な数の色素38が電子捕集剤32に吸着されている。
10…透明基板(第1の基板)、20…透明導電膜(第1の電極)、30…電子捕集−色素層、32…電子捕集剤、34…電子伝達用電子捕集粒子(第2の電子捕集粒子)、36…色素吸着用電子捕集粒子(第1の電子捕集粒子)、38…色素、40…対向基板(第2の基板)、50…導電膜(第2の電極)、60…触媒層、70…シール材、80…電子供給剤。
Claims (9)
- 第1の電極と、
前記第1の電極と対向する第2の電極と、
前記第1の電極上に配された電子捕集−色素層と、
前記電子捕集−色素層と前記第2の電極との間に配された電子供給剤と、
を備え、
前記電子捕集−色素層は、電子捕集剤と色素とを含んで一つの層をなし、
前記電子捕集剤は、第1の粒径範囲内の粒径を有する第1の電子捕集粒子と第2の粒径範囲内の粒径を有する第2の電子捕集粒子とが混合されて形成され、前記第2の粒径範囲の最小値は前記第1の粒径範囲の最大値よりも大きい、
ことを特徴とする色素増感型太陽電池。 - 前記第1の電子捕集粒子は、前記色素を吸着するように構成されており、
前記第2の電子捕集粒子は、前記色素から放出された電子を前記第1の電極に伝達するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池。 - 前記第2の電子捕集粒子の平均的な直径は、前記第1の電子捕集粒子の平均的な直径の10倍以上である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。 - 前記第1の粒径範囲は5nm以上25nm以下であり、
前記第2の粒径範囲は100nm以上400nm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。 - 前記電子捕集剤は、20−25重量%の前記第1の電子捕集粒子を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。 - 前記第1の電子捕集粒子と前記第2の電子捕集粒子とは、酸化チタンを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。 - 前記電子捕集剤は、
酸化チタンからなる前記第1の粒径範囲内の粒径を有する前記第1の電子捕集粒子と前記第2の粒径範囲内の粒径を有する前記第2の電子捕集粒子とを含むペーストが前記第1の電極上に塗布され、
前記塗布の後に前記ペーストが焼成されることにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。 - 前記色素は、
励起状態と基底状態とを有しており、
前記励起状態の前記色素は、前記電子捕集剤よりも高いエネルギー準位を有し、
前記基底状態の前記色素は、前記電子供給剤よりも低いエネルギー準位を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。 - 前記第2の電極上に設けられた触媒層を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
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Publications (2)
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