JP2011184498A - 塗料組成物、及びそれを用いた反射防止部材の製造方法 - Google Patents

塗料組成物、及びそれを用いた反射防止部材の製造方法 Download PDF

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康之 石田
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悠 阿部
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Abstract

【課題】低い反射率と耐擦傷性及び耐磨耗性を両立する反射防止部材を、より簡易な方法で製造可能な塗料組成物、および反射防止部材の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも2種類以上の粒子を含む塗料組成物であって、該2種類以上の粒子のうち少なくとも1種類の粒子が、表面にフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基とを含む粒子であることを特徴とする塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止部材に好適な塗料組成物、及び当該塗料組成物を用いて製造した反射防止部材に関する。
反射防止部材は一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するようにディスプレイの最表面に配置される。このような反射防止部材として、より広い波長領域の反射率を低減するために、屈折率の高い物質からなる高屈折率層と屈折率の低い物質からなる低屈折率層との多層の被膜をフィルムなどの支持基材の表面に作製する、いわゆるマルチコーティングが知られている(特許文献1)。また、反射防止部材はディスプレイの最表面に配置されることから、表面の耐擦傷性及び耐磨耗性が良好であることが求められており、特許文献2、3及び4に低い視感反射率を維持しながら、耐擦傷性及び耐磨耗性が良好である反射防止フィルム及びそれを用いた電子画像表示装置が提案されている。
特許文献2には透明基材フィルム上に、接着層を介してハードコート層及び低屈折率層をこの順で積層して構成され、視感度反射率が0.5%以下である反射防止性フィルムが記載されている。特許文献3にはパーフロロポリオキシアルキルジイソシアネートを含有する反射防止膜用塗料が記載されている。特許文献4には反応性有機官能基を有するポリシロキサン化合物とパーフルオロオレフィン共重合体とを有する組成物を硬化させることによって形成された低屈折率層を有する反射防止膜が記載されている。一方、より簡単な方法で上記の構造を有する反射防止部材を形成する方法として、特許文献5には支持基材の少なくとも片面に、屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2では、低屈折率層成分として変性中空シリカを使用しており、その耐磨耗性は摩擦回数が100回程度で、要求される品質に対して十分とは言えない。特許文献3では、その反射防止性能は、最も低いものでも最低反射率が1.0%程度であり、現在使用者から求められる最低反射率が0.5%以下の反射防止性能に比べて著しく劣っている。さらに、耐摩耗性については200回程度であり、その耐摩耗性は十分ではない。特許文献4では、本発明者らが確認したところ、鉛筆硬度、耐擦傷性については良好であったが、耐摩耗性については不十分である。特許文献5では、塗工工程の煩雑さに対して、少なくとも一種類の無機粒子が、フッ素化合物により表面処理された無機粒子を用いることにより、1回の塗工で2つの層を形成することを可能にし、さらに金属キレートを用いることにより耐擦傷性の向上をはかっているが、本発明者らが確認したところ爪などでの引っ掻きを想定した耐擦傷性や耐摩耗性については不十分であり、さらに本発明の手法については着想に至っていない。また、特許文献1、2、3、4は、反射防止性と耐磨耗性、耐擦傷性を両立させる場合、支持基材上に最低3回以上の塗工が必要としており製造工程が煩雑である。
特開平7−5452号公報 特開2009−3354号公報 特開平11−80312号公報 特開2003−329804号公報 特開2009−58954号公報
従って本発明が解決しようとする課題は、低い反射率と耐擦傷性及び耐磨耗性を両立する反射防止部材を、簡易な方法で製造可能な塗料組成物、および反射防止部材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
1)2種類以上の粒子を含む塗料組成物であって、該2種類以上の粒子のうち少なくとも1種類の粒子が、フルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基とを含む粒子(以降、粒子Aと呼ぶ)であることを特徴とする塗料組成物。
2)前記粒子Aが、原料となる粒子に対して、フルオロアルキル基を含む化合物とポリオルガノシロキサン基を有する化合物で表面処理をして得られる粒子である2)の塗料組成物。
3)前記粒子Aが、原料となる粒子に対して下記の化合物A、化合物Bと化合物C1および/または化合物C2により表面処理(以降、表面処理Aと呼ぶ)をして得られる粒子である1)または2)の塗料組成物。
化合物A R−R−SiR (OR3−n
化合物B R−R−R
化合物C1
−R−(Si(CHO)−Si(CH3−k−(R10−R
化合物C2
Figure 2011184498
(ここで、Rはフルオロアルキル基、R、R、R、Rは反応性部位を、R、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R、R、R、R10は炭素数1から3のアルキレン基またはそれらから導出されるエステル構造を示し、nは0から2のいずれかの整数を、mは20から200の範囲の整数を、kは0または1を示し、yは1から200の整数を、zは1から20の整数を示す。それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
4)前記表面処理Aが前記化合物A、化合物B、化合物C1を用い、化合物A、化合物B、化合物C1の順に処理する3)の塗料組成物。
5)前記2種類以上の粒子のうち、粒子A以外の粒子で少なくとも1種類の粒子が、反応性二重結合を有する置換基とシラノール基とを含む粒子(以降、粒子Bと呼ぶ)である1)〜4)のいずれかの塗料組成物。
6)支持基材の少なくとも片面に1)〜5)のいずれかの塗料組成物を、支持基材の少なくとも片面上に1回塗工することにより、1層の液膜を形成して、屈折率の異なる2層以上からなる反射防止層を形成する工程を含むことを特徴とする、反射防止部材の製造方法。
本発明によれば、低い反射率と耐擦傷性及び耐磨耗性を両立する反射防止部材をより簡易な工程で製造可能な塗料組成物を提供可能である。また、本発明の製造方法を用いることにより、良好な反射防止性能、優れた耐擦傷性、耐磨耗性を維持しながら製造工程が簡略化可能となるため、生産性を向上することができる。
更には、本発明のより好ましい態様によれば、反射防止層を構成する屈折率の異なる2層として、高屈折率ハードコート層と低屈折率層を形成することが可能であり、良好な反射防止性、優れた耐擦傷性を示す、良好な反射防止部材を簡易な工程で製造可能な塗料組成物を得ることができる。つまり、ハードコート層を有さないフィルム等を支持基材として用いた場合にも、本発明の塗料組成物を1回塗工することにより、反射防止性と耐擦傷性、耐摩耗性を同時に付与した反射防止部材得ることができ、生産性に優れる。
本発明の対象物である反射防止部材の例である。 本発明の対象物である反射防止部材のより好ましい例である。 塗料組成物中から、粒子B、粒子Aを分離する手順である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。 粒子Aを得るための反応過程の例である。
第一に、本発明では塗料組成物が少なくとも2種類以上の粒子を含み、そのうち少なくとも1種類の粒子にフルオロアルキル基を含む粒子を含有することによって、それ以外の粒子との表面エネルギー差が生じ、塗膜の乾燥過程においてフルオロアルキル基を含む粒子のみが選択的に液膜表面に移動し、乾燥過程で配列することにより、自発的に明確な2つ以上の層構造を形成することを可能になった。
第二に、前記粒子が、フルオロアルキル基に加えてポリオルガノシロキサン基を含むことにより、前記のメカニズムにより選択的に表面に移動する粒子がポリオルガノシロキサン基を含むため、反射防止部材の最表面にポリオルガノシロキサン基を少なくとも部分的に露出させることができる。
本発明では、この前記粒子Aを得るに当たり、フルオロアルキル基を含む化合物とポリオルガノシロキサン基を含む化合物、より好ましくは表面処理Aにおいて使用する化合物A、化合物B、化合物C1およびC2の構造、および表面処理Aにおける化合物A、化合物B、化合物C1の反応順序を特定することにより、その特性をより高めることができる。
さらに、前記2種類以上の粒子のうち粒子A以外の少なくとも1種類の粒子(粒子B)が、表面に反応性二重結合を有する置換基とシラノール基の2種類の置換基とを含む粒子にすることにより、乾燥、硬化工程にて反射防止層内の粒子−粒子間、および粒子−バインダー成分間を三次元的に架橋させることができ、架橋密度を向上させることによって、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに向上させることができる。
以下に本発明の各要件について説明する。
[塗料組成物]
本発明の塗料組成物は、1つの液体である塗料組成物が少なくとも2種類以上の粒子を含んだ粒子分散物であり、そのうち少なくとも1種類の粒子はフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を含んでいることが必要である。これにより本発明の塗料組成物を支持基材に1回のみ塗工することによって、高屈折率層、低屈折率層等の支持基材上に屈折率の異なる2層からなる反射防止層を有する反射防止部材を得ることができる。前記「2種類以上の粒子」は異なる「種類」の粒子であることが好ましく、本明細書中の「粒子の種類」については、[粒子]の項にて後述する。
前記粒子Aが含んでいる「フルオロアルキル基」とは、アルキル基が持つ水素の一部、あるいはすべてがフッ素に置き換わった置換基で、主にフッ素原子と炭素原子から構成される置換基であり、水素原子がすべてフッ素に置換したパーフルオロアルキル基、一部水素が残っているハイドロフルオロアルキル基、フッ素と塩素を含むクロロフルオロアルキル基などが含まれ特に限定しないが、パーフルオロアルキル基が、表面エネルギーの観点からもっとも好ましい。また、フルオロアルキル基の鎖長は、表面エネルギーと、溶解性の観点から直鎖部分の炭素数が1〜16、好ましくは2〜12、より好ましくは4から10であり、これらが分岐、あるいは酸素原子をはさんで連結したフルオロアルキルエーテル構造を有してもよい。
さらにこれらのフルオロアルキル基は置換基を介して複数重合し、オリゴマー、ポリマーを形成していてもよく、さらに他の種類の置換基と共重合体を形成していてもよい。前記粒子Aが表面に含んでいる「ポリオルガノシロキサン基」とは、連続したシロキサン結合(−Si−O−)を骨格とした有機中〜高分子(オリゴマー、ポリマー)であり、構造的にはポリケトン(ケトンポリマー)の主鎖の炭素がケイ素に置き換わった置換基であり、より具体的には、(−(Si(CHO)−Si(CH)−)の構造を指し、略称としてシリコーンとも呼ばれる材料である。
前記フルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を「含む」状態とは、塗料組成物中で粒子が溶媒(分散媒とも記述される)中に分散した状態にて、前記置換基を持つ化合物が粒子に対して、化学結合(共有結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、疎水結合等を含む)や吸着(物理吸着、化学吸着を含む)を介して、強固に結合した状態を指し、好ましくは粒子表面に存在する官能基と、前記置換基の間に共有結合、または水素結合、より好ましくは共有結合を介して結合している状態を指す。
また、本発明の塗料組成物では、前記2種類以上の粒子のうち粒子A以外の少なくとも1種類の粒子が、反応性二重結合を有する置換基とシラノール基とを含む粒子(以降、粒子Bと呼ぶ)を含むことが好ましい。前記「反応性二重結合を有する置換基」とは、光または熱などのエネルギーをうけて発生したラジカルなどにより化学反応する官能基であり、具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
前記「シラノール基」とは、Si−OHであらわされる置換基で、2つのシラノール基から1分子の水が抜ける脱水縮合をすることによって、Si−O−Siからなるシロキサン結合を形成することができる置換基である。前記粒子A、粒子Bが、各種官能基を「粒子表面に含む」状態は、本発明の塗料組成物を図3に示すフローにて粒子A,粒子Bを分離し、NMRにより確認可能である。具体的には次の要領で行う。
粒子Bは本発明の塗料組成物を、日立卓上超遠心機(日立工機株式会社製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数10000〜20000rpm、分離時間15分から30分程度)、沈降した沈殿物に溶媒を添加(イソプロピルアルコール、およびメタノール)して洗浄後、再遠心分離して得られた沈殿物が粒子Bを含む。このサンプルを蒸発乾固させたものについて蛍光X線分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 SEA1200VX)を行うことにより、粒子を構成する元素について確認することができ、これにより粒子種類を特定できる。さらに、前記サンプルに重水素化メタノールを添加した試料について、29SiNMR測定(Chemagnetics社製CMX−300)にて、測定することによって、この結果からシラノール基に起因する構造の有無を確認することが可能であり、13CNMRから、反応性二重結合に起因する官能基由来の構造の有無を判断することが可能になる。
次に、粒子Aは前記粒子Bの分離時の上澄み液の混合物に対してさらに遠心分離を行い(回転数30000rpm、分離時間30から60分程度)、沈降した沈殿物に溶媒を添加(イソプロピルアルコール、およびメタノール)して洗浄後、再遠心分離して得られた沈殿物が、粒子Aを含む。このサンプルについても同様に蒸発乾固させたものについて蛍光X線分析を行うことにより、粒子を構成する元素について確認することができ、これにより粒子種類を特定できる。さらに、前記サンプルに重水素化メタノールを添加した試料について、29Si、19FNMR測定、(Chemagnetics社製CMX−300)にて測定することによってフルオロアルキル基に起因する構造と、ポリオルガノシロキサンに起因する構造の有無を確認することができる。本発明の塗料組成物はこの他に、溶媒、バインダー原料、さらにその他の成分として硬化剤、界面活性剤、分散剤、反応性部位を有するフッ素化合物などを含んでもよい。
[粒子]
本発明の塗料組成物において、塗料組成物は少なくとも2種類以上の粒子を含むことが好ましい。この粒子とは有機粒子、無機粒子のいずれでもよい。ここで、有機粒子とは有機化合物、すなわち高分子化合物により形成された粒子を指し、無機粒子とは無機化合物により形成された粒子を指す。この粒子は、粒子の表面から中心までが同一の元素組成であってもよく、複数の元素組成のものが中心から層状になって形成された粒子でもよい。
粒子の種類数としては2種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは2種類以上10種類以下、さらに好ましくは2種類以上3種類以下であり、最も好ましくは2種類である。ここで、粒子の種類とは、粒子を構成する元素の種類によって決まり、何らかの表面処理を行う場合には、表面処理される前の粒子を構成する元素の種類によって決まる。例えば、酸化チタン(TiO)と酸化チタンの酸素の一部をアニオンである窒素で置換した窒素ドープ酸化チタン(TiO2−x)とでは、粒子を構成する元素が異なるために、異なる種類の粒子である。また、同一の元素、例えばZn、Oのみからなる粒子(ZnO)であれば、その粒径が異なる粒子が複数存在しても、またZnとOとの組成比が異なっていても、これらは同一種類の粒子である。また酸化数の異なるZn粒子が複数存在しても、粒子を構成する元素が同一である限りは(この例ではZn以外の元素が全て同一である限りは)、これらは同一種類の粒子である。
[粒子A]
塗料組成物中の粒子Aに関して説明する。粒子Aとして好適な粒子としては、Si,Na,K,Ca,およびMgから選択される元素を含む無機粒子が好ましく挙げられ、さらに好ましくはシリカ粒子(SiO)、アルカリ金属フッ化物(NaF,KFなど)、およびアルカリ土類金属フッ化物(CaF、MgFなど)から選ばれる化合物を含む無機粒子であり、耐久性、屈折率、コストなどの点からシリカ粒子が特に好ましい。このシリカ粒子とは、ケイ素化合物又は有機珪素化合物の重合(縮合)体のいずれかからなる組成物を含み成る粒子を指し、一般例として、SiOなどのケイ素化合物から導出される粒子の総称である。
粒子Aに好適な粒子の形状は特に限定されないが、本発明の塗料組成物により形成される反射防止層の屈折率や光学異方性の観点から、球状が好ましい。より好ましくは、粒子Aがシリカ粒子を含有し、該シリカ粒子の一部または全てが、中空及び/又は多孔質の形状であることが好ましい。ここで中空シリカ粒子とは、粒子の内部に空洞を有するシリカ粒子であり、多孔質シリカ粒子とは、粒子の表面及び内部に細孔を有するシリカ粒子である。中空及び/又は多孔質を有する粒子を用いることにより、得られる反射防止層の密度が下がるため、その結果屈折率を下げる効果が得られる。なお、中空及び/又は多孔質を有する粒子のことを、以下中空粒子と記載する。
使用する粒子の数平均粒子径(表面処理を施した粒子の場合には、表面処理前の数平均粒子径)は1nm以上200nmが好ましい。200nmよりも大きくなると、光散乱により良好な透明性が得られなくなり好ましくない。また、粒子径が小さい分には特に影響はないが、現実的に安定して得られる粒子の数平均粒子径は1〜5nm程度が下限である。粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により求めた粒子径をいう。分散物を蒸発、乾固した状態のサンプルについて透過型電子顕微鏡で観察を行い、その際の測定倍率は50万倍とし、その画面に存在する100個の粒子の外径を測定しその平均値とした。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
次に粒子Aの表面処理(表面処理Aと呼ぶ)について説明する。前述の粒子、特にシリカなどの粒子に対する表面処理Aは、シリカ粒子表面をフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を有する化合物、具体的には分子内にフルオルアルキル基を有する化合物と、分子中にポリオルガノシロキサン基を有する化合物を用いて、粒子にフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を含ませる工程を指す。この表面処理Aは一段階で行われても多段階で行われても良いが、多段階で行った方がより好ましい。この表面処理Aを一段階で行う場合(以降1段型表面処理Aと呼ぶ)には、分子内にフルオルアルキル基と反応性部位を有する化合物Bと、分子中にポリオルガノシロキサン基と反応性部位を有する化合物C1を用いて粒子をフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を粒子に含ませるものである。
ここで反応性部位とは、熱または光などの外部エネルギーにより他の成分と反応する部位をさし、反応性部位として反応性の観点からアルコキシシリル基及びアルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。より具体的には、シリカ粒子(特に中空シリカ粒子)、およびその粒子分散物を下記一般式(I)で示される化合物Bと、下記一般式(II)で示される化合物C1で処理するものである。
−R−R 一般式(I)
−R−(Si(CHO)−Si(CH3−k−(R10−R 一般式(II)
一般式(I)、(II)中で、Rはフルオロアルキル基、R、R、Rは反応性部位、R、R、R10は炭素数1から3のアルキレン基またはそれらから導出されるエステル構造を示し、mは20から200の範囲の整数を、kは0または1を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。
ここで粒子分散物とは、前記粒子が溶媒中に分散された液体状態のものを指し、ゾル、サスペンジョン、スラリー、コロイド溶液ともよばれることもあり、この粒子分散物は粒子、溶媒(分散媒)のほかに、分散剤、界面活性剤、表面処理剤等、安定化剤等を含むこともある。このため、微細な粒子の粒子表面に均一に表面処理を行うには、粒子を微細に分散した状態で扱う必要があるため、分散物の状態で表面処理を行うことがある。
この1段型表面処理Aでは、上記一般式中のR、R、Rの反応性部位がシリルエーテル基(シリルエーテル基が加水分解されたシラノール基を含む)、アミノ基、メルカプト基 であると粒子と直接反応可能であることから好ましく、より好ましくはシリルエーテル基である。さらに1段型表面処理Aの一般式(I)の具体例は、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリイソシアネートシラン、2−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン、2−パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、2−パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、2−パーフルオロオクチルエチルトリクロロシラン、2−パーフルオロオクチルイソシアネートシラン等が挙げられる。また、この場合の一般式(II)の具体例は、シラノール変性シリコーンオイルが挙げられる。
次に、表面処理Aを多段階で行う方法のひとつは(以降2段型表面処理Aαと呼ぶ)、前記化合物B、化合物C1と化合物Aを用いて粒子とフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を粒子表面に含ませるものである。ここで、化合物Aは、分子内にフルオルアルキル基、ポリオルガノシロキサン基を有さないが、化合物Bと化合物C1と反応可能な反応性部位と、中空シリカ粒子などの無機粒子と反応可能な部位を少なくとも一カ所ずつ持っている化合物を示す。すなわち、粒子表面と直接フルオルアルキル基、ポリオルガノシロキサン基を有する化合物を反応させるのではなく、より反応性の高い化合物を介在させて粒子表面と反応を行うものである。
この2段型表面処理Aαは、より具体的には、シリカ粒子(特に中空シリカ粒子)、または粒子分散物を前記一般式(I)、(II)で示される化合物B、化合物C1と下記一般式(III)で示される化合物Aとで処理するものである。
−R−SiR (OR3−n 一般式(III)
一般式(III)中でRは反応性部位を、R、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、Rは炭素数1から3のアルキレン基またはそれらから導出されるエステル構造を示し、nは0から2のいずれかの整数を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。この2段型表面処理Aαでは、上記一般式(I)、(II)、(III)中の前記R、R、R、Rの反応性部位が反応性二重結合基であることが好ましい。この反応性二重結合基とは、光または熱などのエネルギーをうけて発生したラジカルなどにより化学反応する官能基であり、具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
この2段型表面処理Aαでは、化合物A,B、C1の反応順序は特に限定されないが、A,B、C1の順で反応させることにより、易滑性をより向上させることが可能になる。この2段型表面処理Aαの場合の一般式(III)の具体例としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
この2段型表面処理Aαの場合の一般式(I)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
この2段型表面処理Aαの場合の一般式(II)としては、市販品では、例えばKF−100T,X−22−169AS,KF−102,X−22−3701IE,X−22−164B,X−22−164C,X−22−5002,X−22−173B,X−22− 174D,X−22−167B,X−22−161AS(以上商品名、信越化学工業株式会社製)、AK−5,AK−30,AK−32(以上商品名、東亞合成株式会社製)、サイラプレーンFM0275,サイラプレーンFM0721(以上チッソ株式会社製)等)が挙げられる。
次に、表面処理Aを多段階で行う方法のもう一つの方法(以降2段型表面処理Aβと呼ぶ)は、前記化合物C1に代えて、または化合物C1に加えて化合物C2を用いて粒子にフルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を粒子表面に含ませるものである。ここで、化合物C2は、分子内にポリオルガノシロキサン基とアゾ基を含有する化合物で、いわゆるアゾ系重合開始剤の1種である。
また、この2段型表面処理Aβは、シリカ粒子(特に中空シリカ粒子)、または粒子分散物を前記一般式(I)、(II)で示される化合物B、化合物C1と下記一般式(IV)で示される化合物C2とで処理してもよい。
Figure 2011184498
一般式(IV)
一般式(IV)で、yは1から200の整数を、zは1から20の整数を示す。この2段型表面処理Aβでは上記一般式中の前記R、Rの反応性部位が前記同様に反応性二重結合基であることが好ましく、具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
2段型表面処理Aβで、化合物A、B、C2を用いる場合には、化合物A、B、C2の反応順序は特に限定されないが、最初にA,次いでBとC2を同時に反応させることが、より好ましい。
また、化合物A、B、C1に加えてC2を用いる場合には、その反応順序は特に限定されないが、最初にA、次いでBとC2を同時に、最後にC1と反応させることがより好ましい。この方法の一般式(III)、(I)の具体例は2段型表面処理Aαと同一である。
一般式(IV)の具体例としては、和光純薬工業株式会社、高分子アゾ開始剤VPS−0501、VPS−1001などが挙げられる。これらの化合物により表面処理することによって、フルオルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基を粒子表面と選択的に結合させることができ、低反射率、耐擦傷性、耐摩耗性を向上させることができる。
一般式(II)で表される化合物C1、および一般式(IV)で表される化合物C2に含まれるポリオルガノシロキサン基(−(Si(CHO)m−Si(CH)−)の数平均分子量には好ましい範囲があり、1500以上10000以下、より好ましくは2000以上8000以下である。この範囲よりも小さいと耐擦傷性(コインスクラッチ性)が低下し、この範囲よりも大きいと透明性が悪化し、耐磨耗性が低下する。
このポリオルガノシロキサン基部分の数平均分子量の測定は、次のように行う。化合物C1に関しては、ポリスチレンを標準物質にしてGPC(ゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー法)により数平均分子量を求め、次いで化合物の構造式から、ポリオルガノシロキサン基以外の部分の分子量を計算から求めて減ずることにより求めることができる。
化合物C2については、複数のポリオルガノシロキサン基がアゾ基により連結されているためこれをいったん切り離す必要がある。そのため、化合物C2を70℃のベンゼン中に少量ずつ添加して約10時間反応させることにより分解させてアゾ基を切り離し、この分解物の分子量について前期C1と同様の測定、計算を行うことによりポリオルガノシロキサン部分の分子量を求めることができる。
フルオロアルキル基と、ポリオルガノシロキサン基の比率は、化合物Bと化合物C1およびまたは化合物C2の比率により制御することが可能である。この比率は(化合物C1+化合物C2)/(化合物B+化合物C1+化合物C2)で表され、0.01以上0.5以下が好ましく、0.02以上0.4以下がより好ましい。この範囲よりも小さいと易滑性による耐擦傷性の効果が得られず、この範囲よりも大きいと膜面硬度の低下により耐擦傷性が低下する。
[粒子A以外の粒子]
塗料組成物中の粒子A以外の粒子に関して説明する。粒子A以外の粒子に好適な粒子としては、粒子Aの原料に好適に使用される粒子とは異なる種類の粒子が好ましく用いられる。この粒子は特に限定されないが、無機化合物、とくに金属、半金属酸化物、窒化物、ホウ素化物であることが好ましく、Zr,Ti,Al,In,Zn,Sb,Sn,およびCeよりなる群から選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物粒子であることがさらに好ましい。
粒子A以外の粒子として好適に用いられる粒子としては、粒子Aの原料に好適に使用される粒子よりも屈折率が高い粒子が好ましく、具体的には酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ(SnO)、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、酸化アンチモン(Sb)、リン含有酸化スズ(PTO)、およびインジウムスズ酸化物(In)から選ばれる少なくとも一つの無機化合物、あるいはこれらの無機化合物間の固溶体、および一部元素を置換、または一部元素が格子間に侵入、または一部元素の格子点が欠損した固溶体であり、特に好ましくはアンチモン含有酸化スズ(ATO)や酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、リン含有酸化スズ(PTO)である。
粒子A以外の粒子に使用する粒子の数平均粒子径(表面処理を施した粒子の場合には、表面処理前の数平均粒子径)数平均粒子径は、好ましくは150nm以下、より好ましく50nm以下である。粒子の数平均粒子径が小さい分には問題がないが、現実的に製造可能な粒子径は、粒子形成時の最小核のサイズにより決まるため特に下限はないが、現状の技術では1nm程度が下限である。
なお、ここでいう数平均粒子径も透過型電子顕微鏡により求めた粒子径を指し、該粒子を含む分散物を蒸発、乾固した状態のサンプルについて透過型電子顕微鏡で観察を行い、その際の測定倍率は50万倍とし、その画面に存在する100個の粒子の外径を測定しその平均値とした。なお外径とは、前述の通り粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表す。
また、本発明の塗料組成物を使用した反射防止部材の好ましい製造方法として、支持基材の少なくとも片面に、塗料組成物を1回塗工することにより、1層の液膜を形成する工程を含む製造方法を用いる場合には、自発的な層構造の形成が容易になるため、他の粒子である粒子の数平均粒子径が30nmよりも小さいことが好ましい。
粒子A以外の粒子として好適な粒子の屈折率は、好ましくは1.55〜2.80、より好ましくは1.58〜2.50である。粒子の屈折率が1.55よりも小さくなると、塗料組成物を透明基材上に塗工して得られる反射防止部材に形成された高屈折率層の屈折率が低下して、粒子Aを含む低屈折率層と粒子A以外の粒子を含む高屈折率層との屈折率差が小さくなって、良好な反射防止性能が得られなくなり、粒子の屈折率が2.80よりも大きくなると、低屈折率層と高屈折率層との屈折率差、及び高屈折率層と支持基材との屈折率差が上昇し、良好な反射防止性能が得られなくなり、またわずかな膜厚の変化が干渉色の変化を引き起こし、これに起因する干渉縞が検知されて発生し外観が悪化することがある。
さらに本発明の塗料組成物において、粒子Aの原料となる粒子がシリカ粒子の場合は、粒子A以外の粒子が該シリカ粒子よりも屈折率が高い粒子であることが特に好ましく、このような該シリカ粒子よりも屈折率が高い粒子としては、数平均粒子径が20nm以下で、かつ屈折率が1.60から2.80の無機化合物が好ましく用いられる。そのような無機化合物の具体例としては、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン酸含有酸化スズ(PTO)、インジウム含有酸化スズ(ITO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び/または酸化チタン(TiO)が挙げられ、特に反射防止性の点から屈折率が高い酸化チタン、酸化ジルコニウム、リン酸含有酸化スズがより好ましい。
また、粒子A以外の粒子として、粒子に反応性二重結合を有する置換基とシラノール基を含んだ粒子(以降粒子Bと呼ぶ)を含んでもよく、これにより耐擦傷性、耐摩耗性が向上する。
さらにより好ましい形態は粒子A以外の粒子として、粒子Bと、粒子に反応性二重結合を有する置換基とシラノール基の両方を含まない粒子の両方が塗料組成物中に存在することである。これにより塗料組成物の経時安定性や、透明基材上に塗工した際に得られる反射防止部材の透明性が向上する。
粒子Bを得るためには、以下の化合物D,Eを用いて一段階または、多段階の反応を伴う表面処理(表面処理B)を行う。化合物Dは粒子表面に化学結合や吸着可能な部位を少なくとも一カ所以上持っている化合物を指し、化合物Eは粒子表面に化学結合や吸着可能な部位と、前述の反応性部位を少なくとも一カ所以上持っている化合物を指す。
粒子表面に化学結合や吸着可能な部位しては、アルコキシシリル基及びアルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基が挙げられるが、反応性の観点からシリルエーテル及びシリルエーテルの加水分解物であることが好ましい。これら化合物は一般的にシランカップリング剤と呼ばれ、例としては、グリシドキシアルコキシシラン類、アミノアルコキシシラン類、アクリロイルシラン類、メタクリロイルシラン類、ビニルシラン類、メルカプトシラン類、などを用いることができる。
表面処理の一つの方法には上記化合物D、化合物Eと粒子、もしくは粒子分散物と触媒、水、溶媒等とを共に撹拌、加熱、脱アルコール等し、粒子表面のシラノール基と縮合させることによりなされる方法があるが、詳細は粒子A,Bの製造方法の項で述べる。
より具体的にはこの化合物D、および化合物Eは、次の一般式(VII)、(V)で表される化合物である。
SiR12 n1(OR134−n1 一般式(VII)
11−R16−SiR14 n2(OR153−n2 一般式(V)
ここで、R11は反応性二重結合を有する置換基、R12、R13、R14、R15は炭素数1〜4のアルキル基、R16は炭素数1から3のアルキレン基又はそれらから導出されるエステル構造を示す。また、n1、n2は0から2のいずれかの整数を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。
一般式(VII)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。これらは単独でも、混合して使用してもよく、あらかじめ部分的に加水分解を施しておいたものを使用してもかまわない。
一般式(V)の具体例としては、ビニルトリメトキシシン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
[溶媒]
本発明の塗料組成物には、前述の粒子成分に加えて、さらに溶媒を含むことが好ましい。ここでいう溶媒とは、塗工後の乾燥工程にてほぼ大部分を蒸発させることが可能な液体を指す。塗料組成物に溶媒を含むことにより、液膜の展延が容易になるため膜厚制御精度が向上し、また、粒子Aの空気側(反射防止層側の最表面層)への移動が容易になるため、反射防止性能が向上する。
溶媒は、特に限定されるものではないが、通常、常圧での沸点が200℃以下の溶媒が好ましい。具体的には、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類、アミド類、フッ素類等が用いられる。これらは、1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、特に粒子の分散安定性の点からイソプロピルアルコール、プロピレングリコールなどが特に好ましい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニチルアルコール、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。エーテル類としては、例えば、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等を挙げることができる。芳香族類としては、例えば、トルエン、キシレン等を挙げることができる。アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
[バインダー原料]
本発明の塗料組成物中には、バインダー原料を含む必要がある。塗料組成物中のバインダー原料としては特に限定するものではないが、製造性の観点より、熱及び/または活性エネルギー線などにより、硬化可能なバインダー原料であることが好ましく、バインダー原料は一種類であっても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。ここでバインダー原料とは、塗料組成物中に含まれる化合物であり、反射防止層のバインダー成分の原料である。つまり、本発明の塗料組成物中に含まれるバインダー原料が、熱、電離放射線などにより硬化したものをバインダー成分という。なお、一部のバインダー原料については、反射防止層中でも塗料組成物中と同様の状態で存在する場合もあり(未反応のまま、反射防止層中に存在する場合もあり)、その場合でも反射防止層中のものはバインダー成分という。
また、本発明において各種粒子を膜中に保持する観点より、分子中にアルコキシ基、シラノール基、反応性二重結合、および開環反応可能な官能基を有しているモノマー、オリゴマーがバインダー原料であることが好ましい。さらにUV線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、嫌気性雰囲気下で硬化する方がより好ましい。酸素濃度を下げることにより最表面の硬化状態が向上し、耐薬品耐性が良化する場合がある。
このような塗料組成物中のバインダー原料として、具体的には多官能アクリレートモノマー、オリゴマー、アルコキシシラン、アルコキシシラン加水分解物、アルコキシシランオリゴマー等を含むのが好ましく、以下詳細について述べる。
アルコキシシラン、アルコキシシラン加水分解物は、下記一般式(VI)、一般式(VI)の加水分解物、および加水分解物の縮合体(シラノール縮合体)を含む。下記一般式(VI)の加水分解物とは、一般式(VI)で表される化合物に所定量の水を加え酸触媒の存在下にて副生するアルコールを留去しながら反応させることにより得られる化合物を表す。
A−R17−SiR18 (OR193−n 一般式(VI)
(上記一般式中のAは反応性部位、炭素数1〜8のいずれかのアルキル基、または炭素数1〜8のいずれかのフルオロアルキル基を示す。上記一般式(VI)中のR17は、炭素数1から3のいずれかのアルキレン基、またはそれらから導出されるエステル構造を示す。上記一般式(VI)中のR18、R19は、水素、または炭素数が1から4のいずれかのアルキル基を示す。上記一般式(VI)中のnは、0から2の整数を示す。なお、A,R17,R18、R19は、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。但し、A、R17の判断は、R17として優先的にみなす。例えば、A−R17が、CH(CH−の場合、R17は(CH、AはCH(CHとなる。)
また、本発明における一般式(VI)の加水分解物、加水分解物の縮合体は、塗料組成物中においては無機粒子の表面とは反応していない未反応の化合物を表す。また塗料組成物中において、一般式(VI)の加水分解物、加水分解物の縮合体の有無は、次の分析方法により確認することが可能である。本発明の塗料組成物を、日立卓上超遠心機(日立工機株式会社製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数30000rpm、分離時間30分)、無機粒子及び無機粒子表面と反応した化合物を沈降させた後、得られた上澄み液を濃縮乾固し、溶媒としてDMSO−d6(太陽日酸株式会社製、ジメチルスルホキシド−d6)を用い再溶解した後、C13−NMR(日本電子社製/核磁気共鳴装置JNM−GX270)を用いて測定することで、無機粒子とは未反応の一般式(VI)の加水分解物の有無を確認することが可能である。ここで、本発明における反応性部位とは、ビニル基、アクリロイル(メタクリロイル)基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、などの光または熱などのエネルギーをうけて化学反応する官能基を表す。
また該一般式(VI)の加水分解物の数平均分子量が、ポリスチレン換算で100以上5000以下が好ましく、より好ましくは200以上4500以下、さらに好ましくは300以上4000以下である。加水分解物の数平均分子量を100以上5000以下とすることにより、一般式(VI)同士が架橋した構造をとることで塗膜表面の架橋密度が高くなるため、乾燥時の溶媒蒸発に伴うクラックが抑制され、その結果、耐薬品性、耐摩耗性、密着性が大きく向上するため好ましい。
多官能アクリレートモノマーの例としては、1分子中に、3(より好ましくは4または5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートおよびその変性ポリマー、具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている多官能アクリル系組成物としては三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村化学株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、DIC株式会社;(商品名“UNIDIC”など)、東亞合成化学工業株式会社;(“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
[その他の添加剤]
本発明の塗料組成物としては、更に開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましく、加えて開始剤、硬化剤及び触媒は、粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子同士、バインダー原料同士、粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子とバインダー原料間の反応を促進するために用いられ、塗料組成物中の反応性部位間をアニオン、カチオン、ラジカル反応等による重合および/またはシラノール縮合等の縮合および/または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
該開始剤、該硬化剤、及び触媒は塗膜の硬化反応機構にあわせて各種使用でき、複数の開始剤を同時に用いても良いし、単独で用いても良い。この具体的な例としては酸性触媒や、塩基性触媒、熱重合開始剤や光重合開始剤、金属キレート類を使用しても良い。
酸性触媒の例としては、塩酸水溶液、ギ酸、酢酸などが挙げられる。塩基性触媒の例としてはとしては弱酸のアルカリ塩が良く、酢酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウムなどが挙げられ、さらに共通の陰イオンを持ち、揮発性のある弱酸との混合物、いわゆる緩衝溶液の形で添加しても良い。熱重合開始剤の例としては、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例としては、アルキルフェノン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではないが、硬化性の点から、アルキルフェノン系化合物が好ましく、 具体例としては、2.2−ジメトキシ−1.2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、などが挙げられる。
金属キレートとは、多座配位子を分子中に有する化合物が金属イオンを挟むようにして錯体を形成している化合物の総称である。金属キレートとしては、金属イオン種は、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び金属元素などであれば特に限定されないが。例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネートなどのアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができ、好ましくはチタンまたはアルミニウムのキレート化合物、特に好ましくはチタンのキレート化合物を挙げることができる。これらの金属キレート化合物は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。これらキレート化合物において、塗料の安定性や膜硬化性寄与等の観点からアルミニウム化合物が特に好ましい
なお、前記開始剤、前記硬化剤、前記触媒の含有割合は、塗料組成物中のバインダー原料量100質量部に対して0.001質量部から30質量部が好ましく、より好ましくは0.05質量部から20質量部であり更に好ましくは0.1質量部から10質量部である。
その他として、本発明の塗料組成物には更に、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤、色素(色相調整剤)、レオロジーコントロール剤などの添加剤を必要に応じて適宜含有させても良い。
また、本発明の塗料組成物を用いたより好ましい製造方法として、支持基材上にハードコート層を設けずに透明基材上に高屈折率ハードコート層を直接形成する場合には、本願塗料組成物に上記添加物のほかに、フルオロアルキル基及び反応性部位を有するフッ素化合物(以降、フッ素化合物B1と呼ぶ)を含むことが好ましい。
フッ素化合物B1が有するフルオロアルキル基は、炭素数4〜10の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基Rf3であることが好ましい。フルオロアルキル基Rf3は、塗料組成物の乾燥時のフッ素処理粒子同士の粒子間相互作用の抑制の点から炭素数4以上7以下が好ましい。また分岐状に比べ直鎖状の方が立体障害が小さく、粒子Aに吸着し易い点から直鎖状が好ましい。フルオロアルキル基を、炭素数4〜7の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基Rf3とすることにより、粒子の分離性が良化し、屈折率の異なる2層の自発的な層形成が容易になり、反射防止性が良化するため好ましい。このフッ素化合物B1は前述の一般式(I)の化合物Bであってもよい。
[塗料組成物中の各成分の含有量]
本発明の塗料組成物は、少なくとも2種類の粒子を含み、本発明においてそれぞれの質量部の比が(粒子A)/(粒子A以外の粒子)=1/30〜1/1であることが好ましい。
(粒子A)/(粒子A以外の粒子)=1/30〜1/1とすることで、本塗料組成物を基材上に塗工して得られる反射防止部材の低屈折率層の厚みと高屈折率層の厚みの比を一定にすることができる。このため1回の塗工で、低屈折率層と高屈折率層の厚みを同時に、反射防止機能を有する厚みとすることが容易であるため好ましい。また高屈折率層の厚みを厚くし、ハードコート機能を付与しようとする場合にも、反射防止機能を損なうことなく、1回の塗工で必要な厚みとすることができるため、反射防止機能とハードコート機能の両立の点から(粒子A)/(粒子A以外の粒子)を上記範囲とすることが可能となるため好ましい。
(粒子A)/(粒子A以外の粒子)の含有比率(質量比率)として、より好ましくは(粒子A)/(粒子A以外の粒子)=1/29〜1/5、さらに好ましくは1/26〜1/10、特に好ましくは1/23〜1/15である。
また好ましくは、本発明の塗料組成物100質量%において、粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子を含む粒子成分の合計が0.2質量%以上40質量%以下、有機溶媒を40質量%以上98質量%以下、バインダー原料を1質量%以上30質量%以下、開始剤、硬化剤、触媒、およびフッ素化合物B1 などのその他の成分を0.1質量%以上20質量%以下を含む態様であり、より好ましくは粒子成分の合計が1質量%以上35質量%以下、有機溶媒を50質量%以上97質量%以下、フッ素化合物B1を2質量%以上25質量%以下、その他の成分を1質量%以上15質量%以下含む態様である。
さらに好ましい態様としては、粒子Aが中空シリカ粒子を原料粒子としており、と粒子A以外の粒子成分が粒子Bを含み、これらの合計が本発明の塗料組成物100質量%において2質量%以上30質量%以下、有機溶媒が60質量%以上95質量%以下、フッ素化合物B1を3質量%以上20質量%以下、その他の成分が2質量%以上10質量%以下の態様である。
[反射防止部材]
本発明の対象物である反射防止部材とは、各種支持基材の少なくとも片面に反射防止機能を有する層が形成された部材を指し、基材がプラスチックフィルムの場合には一般に反射防止フィルムと呼ばれる。その必要性や要求される性能などは特開昭59−50401号公報に記載されている様に、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上の屈折率差を有する2層以上の反射防止層を支持基材上に積層させることで構成された様態である。また支持基材上の層、つまり反射防止層内の各層の屈折率差は5.0以下であることが好ましい。この屈折率差とは隣接する層間の屈折率を相対的に比較した値であり、相対的に屈折率が低い層を低屈折率層と呼び、相対的に屈折率が高い層を高屈折率層と呼ぶ。
図1に本発明の反射防止部材の構造の1例を示す。反射防止部材1は支持基材2の片面上のハードコート層5の上に、屈折率の異なる2層からなる反射防止層が形成されている。反射防止層は最表面側に低屈折率層3、次いで高屈折率層4から構成される、支持基材上に3つの層が形成されている。この構成の場合には、支持基材上に通常は3回の塗工を必要とするが、本発明の塗料組成物を用いることにより、2回(ハードコート層と反射防止層)の塗工で形成することが可能になる。
図2により好ましい例として、ハードコート層の代わりに、高屈折率層に高屈折率の機能に加えて耐傷性を有する場合付与させ、高屈折率ハードコート層6を設けた例を示す。高屈折率ハードコート層は、支持基材2と低屈折率層3との接着を強化する機能も有する。この構成の場合には、支持基材上に通常は2回の塗工を必要とするが、高屈折率ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。本発明の塗料組成物を用いることにより、1回の塗工で形成することが可能である。
なお、このような本発明の反射防止部材中の反射防止層には、屈折率の異なる2層以上の層である高屈折率層と低屈折率層との間には粒子の配列による明確な界面があることが好ましい。
本発明における明確な界面とは、1つの層と他の層とが区別可能な状態をいう。区別可能な界面とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより判断することができる界面を表し、以下の方法に従い判断することができる。
TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、ソフトウェア(EeasyAccsess)にて、ホワイトバランスを最明部と最暗部が8bitのトーンカーブに収まるように調整した。さらに2種類の粒子が明確に見分けられるようにコントラストを調節した。
このとき1つの層と他の層との界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなした。
反射防止部材として良好な性能を示すには、分光測定に置いて最低反射率が好ましくは0%以上1.0%以下、より好ましくは0%以上0.8%以下、さらに好ましくは0%以上0.6%以下であり、特に好ましくは0%以上0.5%以下であることが望ましい。
また、反射防止部材として良好な性質を示すには更に、透明性が高いことが望ましい。透明性が低いと画像表示装置として用いた場合、画像彩度の低下などによる画質低下が生じるために好ましくない。本発明の製造方法により得られる反射防止部材の透明性の評価にはヘイズ値を用いることができる。ヘイズはJIS K 7136(2000)に規定された透明性材料の濁りの指標である。ヘイズは小さいほど透明性が高いことを示す。反射防止部材のヘイズ値としては好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは2.0%未満、更に好ましくは1.6%未満であり、値が小さいほど透明性の点で良好であるものの、0%とすることは困難であり、現実的な下限値は0.01%程度と思われる。ヘイズ値が3.0%以上であると、画像劣化が生じる可能性が高くなるため好ましくない。
反射防止部材として良好な性質を示すには、高屈折率層、低屈折率の厚みが特定の厚みであることが望ましく、低屈折率層の厚みが好ましくは50nm以上200nm以下、さらに好ましくは70nm以上150nm以下であり、特に好ましくは90nm以上130nm以下であることが望ましい。低屈折率層の厚みが50nm未満であると光の干渉効果が得られず反射防止効果が得られず画像の映り込みが大きくなるために好ましくない。また200nmを超える場合も光の干渉効果が得られなくなるため画像の映り込みが大きくなるために好ましくない。
高屈折率層の厚みについては好ましくは50nm以上200nm以下、さらに好ましくは70nm以上150nm以下であり、特に好ましくは90nm以上130nm以下であることが望ましい。
また、支持基材上にハードコート層を設けずに高屈折率層を形成する場合は、好ましくは500nm以上2000nm以下、さらに好ましくは600nm以上2000nm以下、特に好ましくは600nm以上1500nm以下であることが望ましい。反射防止層側の最表層から2層目の層の厚みを500nm以上2000nm以下とすることで、耐擦傷性、耐摩耗性と、反射防止部材のカールや反射率、透過率の改善、塗膜表面のクラック発生を抑制することができるために望ましい。
本発明の反射防止部材には、さらに、易接着層、防湿層、帯電防止層、シールド層、下塗り層や保護層などを設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
[支持基材]
反射防止部材をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止部材は支持基材を有することが重要である。支持基材に特に限定はないが、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンなどが含まれるが、これらの中でも得にトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。
本発明の塗料組成物を基材上に塗工して得られた反射防止部材、および本発明の反射防止部材の製造方法により得られた反射防止部材の好ましい態様では、上述のような耐擦傷性が十分でないプラスチックを支持基材に使用しても、高屈折率層の厚みを制御することで反射防止性に加えて耐擦傷性も付与できるため、公知技術のように、支持基材上にハードコート層を設ける必要は必ずしもない。また上述のように、支持基材は接着層、シールド層、滑り層などの各種機能層を有するフィルムとすることもできる。
支持基材の光透過率は、80%以上100%以下であることが好ましく、86%以上100%以下であることがさらに好ましい。ここで光透過率とは、光を照射した際に試料を透過する光の割合のことであり、JIS K 7361−1(1997)に従い測定することができる透明材料の透明性の指標である。反射防止部材の光透過率としては値が大きいほど良好であり、値が小さいとヘイズ値が上昇、画像劣化が生じる可能性が高くなるため好ましくない。ヘイズはJIS K 7136(2000)に規定された透明材料の濁りの指標である。ヘイズは小さいほど透明性が高いことを示す。
支持基材のヘイズは、0.01%以上2.0%以下であることが好ましく、0.05%以上1.0%以下であることがさらに好ましい。
支持基材の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。なお、ここでいう屈折率とは、光が空気中からある物質中に進む時、その界面で進行方向の角度を変える割合のことであり、JIS K 7142(1996)に規定されている方法により測定することができる。
支持基材には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、支持基材の全成分100質量%において0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を支持基材に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO、TiO、BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンが含まれる。更に、支持基材に、表面処理を実施してもよい。
支持基材の表面には、各種の表面処理を施すことも可能である。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。これらの中でもグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
[粒子A、粒子Bの製造方法]
粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子の製造方法は、各種顔料、無機化合物取り扱いメーカー等から粉体状態、または溶媒(分散媒とも呼ばれる)に分散された粒子分散物(サスペンジョン、スラリー、コロイド溶液、またはゾルとも呼ばれる)の形で入手したいずれの粒子に対しても表面処理を行って得ることができるが、粒子分散物の形で入手した粒子に対して表面処理を行う方が、粗大粒子の除去や塗料組成物の分散安定性の面で好ましい。
粉体状態で入手された粒子を用いる場合には、表面処理を行う前の段階で分散媒、分散剤、表面処理剤等と共にメディアミル等で分散処理を行い、一旦、粒子分散物を調製してから表面処理を行うことが好ましい。
粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子は、前記粒子または前記粒子分散物に対して各種部位(フルオロアルキル基、ポリオルガノシロキサン基など)を有する化合物、溶媒、反応触媒、重合開始剤、反応停止剤、重合禁止剤、凝集防止剤等を添加し、混合、攪拌しながら、加熱または冷却状態で反応させることにより得られ、加えて減圧や逆浸透膜による脱溶媒処理、モレキュレーシーブによる脱水処理、イオン交換樹脂によるイオン交換処理などをおこなってもよい。粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子は粒子分散物に対して前期材料を添加し、粒子が分散した状態で粒子表面にある反応活性のある置換基、官能基と反応させて表面処理を行うことが、粒子の凝集、塗料組成物の安定性の面で好ましい。
表面処理反応時の固形分濃度は可能な範囲で低い濃度であることが好ましく、1%以上60%以下、より好ましくは5%以上50%以下であり、これよりも固形分濃度が低すぎると反応を十分に進めることができず、これよりも高すぎると、粒子の凝集による異物の発生、さらにはゲル化を起こす場合がある。また、反応終了後は、安定性を付与するため溶媒による希釈や、反応停止剤、重合禁止剤、凝集防止剤を添加してもよい。
表面処理反応時の温度は用いる表面処理に用いる反応系より異なるが、粒子間の架橋を起こす副反応の抑制や、粒子表面の分散剤等の脱離を抑制するため反応可能な範囲で低いことが好ましい。たとえばシラノール縮合を伴う表面処理では用いるシランカップリング剤の種類により異なるが、室温から90℃の間が好ましく、30℃から70℃の間がより好ましい。ラジカル重合を伴う表面処理では用いる重合開始剤の種類により反応温度は全く異なるが、例えばアゾイゾブチロニトリルを用いる場合には、60℃から100℃の間が好ましく、70℃から90℃がより好ましい。
表面処理反応時の攪拌条件、攪拌装置は特に限定されないが、液全体が十分混合するのに必要な装置、および回転数であればよく、反応液中での局所的なせん断速度が10−1よりも小さく、かつ反応槽内レイノルズ数が1000以上である範囲であることが、粒子分散物のせん断破壊による凝集と局所的な滞留による凝集を防ぐために好ましい。
表面処理反応は複数の反応系を組み合わせて表面処理を行ってもよく、例えば、シラノール縮合による表面処理とラジカル重合による表面処理を組み合わせてもよい。この際には、同時、逐次いずれの方法でもよいが、逐次的に行う方がより好ましい。
表面処理反応の終了後、副反応生成物やゲル化物を除去するため、適当なろ過処理を行ってもよい。この適当なろ過とは、溶媒、粒子の表面の極性状態に合わせたフィルター材料、フィルター目開きを選択し、粒子分散物の分散状態を破壊しないせん断速度、フィルター構造に合わせた圧力条件にてろ過することを示唆する。
表面処理反応の終了後、粒子分散物の形で得られた粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子は、スプレードライ法などにより一旦粉体にして取りだしてもよいし、そのままの粒子分散物の形で取り扱ってもよいが、後工程(塗料組成物の製造工程)での取り扱いの容易さや凝集物の抑制から粒子分散物の形で取り扱う方が好ましい。
[粒子A、粒子B以外の粒子の入手方法]
粒子A、粒子B以外の粒子は、各種顔料、無機化合物取り扱いメーカーから粉体状態、または溶媒(分散媒とも呼ばれる)に分散された粒子分散物(サスペンジョン、スラリー、コロイド溶液、またはゾルとも呼ばれる)の形で、入手可能である。粒子分散物の形で入手した方が、粗大粒子の除去や塗料組成物の分散安定性の面で好ましい。粉体状態で入手された粒子を用いる場合には、分散媒、分散剤、表面処理剤等と共にメディアミル等で分散処理を行い、一旦、粒子分散物を調製してから塗料組成物の製造にもといる方が好ましい。
[塗料組成物の製造方法]
塗料組成物は、粒子Aとそれ以外の粒子(粒子Bも含む)、加えてバインダー原料、溶媒、他添加物(開始剤、硬化剤、触媒等)を混合して得られる。その製造方法は、前記成分の処方量を重量、または容積で計量し、攪拌により混合することにより得られ、加えて減圧や逆浸透膜による脱溶媒処理、モレキュレーシーブによる脱水処理、イオン交換樹脂によるイオン交換処理などをおこなってもよい。
粒子成分(粒子Aまたは粒子Bにかかる粒子を含む)は粒子分散物(サスペンジョン、スラリー、コロイド溶液、またはゾルとも呼ばれる)、粉体いずれの形で添加してもよいが、粒子分散物の形で取り扱うことが凝集、異物発生を防止する面で好ましい。粉体を原料としてとり扱う場合には、あらかじめメディアミルなどの各種分散機により溶媒(分散媒)に分散する工程を経て、粒子分散物を形成した方が好ましい。粒子分散物として添加する場合の処方量は、粒子分散物の固形分濃度と粒子分散物の重量の積から求めた粒子の重量を用いることできる。この固形分濃度の測定は、粒子分散物を、アルミ皿(この質量をW1とする)に約2gを秤量後(この質量をW2とする)、120℃の熱風オーブン内で1時間乾燥、デシケーター中で室温まで冷却後、秤量(この質量をW3とする)し、下記の式に従って固形分濃度を求めることができる。
固形分濃度 =(W3−W1)/(W2−W1)×100
塗料組成物調合時の攪拌条件、攪拌装置は特に限定されないが、液全体が十分混合するのに必要な装置、および回転数であればよく、液中での局所的なせん断速度が104S−1よりも小さく、かつレイノルズ数が1000以上である範囲であることが、粒子分散物のせん断破壊による凝集と局所的な滞留による凝集や、混合不良を防ぐために好ましい。
塗料組成物調合時の粒子Aやそれ以外の粒子(粒子Bを含む)、加えてバインダー原料、溶媒、他添加物(開始剤、硬化剤、触媒)の添加順、添加速度については特に限定されないが、好ましくは、粒子分散物状態にした粒子Aやそれ以外の粒子(粒子Bを含む)に対し、溶媒と混合して希釈したバインダー原料、および他添加物の混合溶液を攪拌しながら少量ずつ添加していくことが、バインダー成分の粒子表面への吸着による凝集、さらに異物発生を防ぐために好ましい。
得られた塗料組成物は、塗工する前に適当なろ過処理を行ってもよい。この適当なろ過処理とは、溶媒、粒子の表面の極性状態に合わせたフィルター材料、フィルター目開きを選択し、粒子分散物の分散状態を破壊しないせん断速度、フィルター構造に合わせた圧力条件にてろ過することがより好ましい。
[反射防止部材の製造方法]
反射防止部材の製造方法としては、1回の塗工時に1層の液膜を塗工、乾燥する工程を、種類の異なる粒子を含む塗料組成物で複数回行う方法である。より好ましい反射防止部材の製造方法としては、支持基材の少なくとも片面に、塗料組成物を1回塗工することにより、1層の液膜を形成して、前記2層以上からなる反射防止層を形成する工程を含む方法であることが望ましい。この製造方法により製造することで、自発的な層構造の形成により2つの層を形成することが可能になり、反射防止層を形成する高屈折率層と低屈折率層の間の界面粗さを制御することができ、さらに、該バインダー成分が該反射防止層内で均一なマトリクスを形成することも可能になる。この結果、前述のように耐擦傷性、耐摩耗性を向上させることができる。その上、1回の塗工工程で2つの層を形成できるため、経済性の面でも有利になる。
本発明の反射防止部材の製造方法は、1回の塗工時に1層の液膜を塗工、乾燥する工程を、種類の異なる粒子を含む塗料組成物で複数回行う方法と、支持基材の少なくとも片面に塗料組成物を1回塗工することにより、1層の液膜を形成する工程と乾燥する工程をこの順に行なうことにより、支持基材上に屈折率の異なる2層を同時に形成する方法のいずれでも製造することが可能だが、後者の方法が、反射防止層内で均一なマトリクスを形成することができて好ましい。
ここで、支持基材の少なくとも片面に塗料組成物を1回塗工することにより、1層の液膜を形成する工程とは、支持基材に対して1回の塗工工程にて1種類の塗料組成物からなる1層の液膜を形成することを指し、1回の塗工工程にて複数層からなる液膜を同時に1回塗工する多層同時塗工や、1回の塗工時に1層の液膜を複数回の塗工、乾燥工程を有する連続逐次塗工、1回の塗工時に1層の液膜を複数回の塗工し、次いで乾燥する、ウェットオンウェット塗工などを行わないことを指す。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗料組成物は前述の要領で調製され、この塗料組成物をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法(米国特許2681294号明細書参照)などにより支持基材上に塗工する。
これらの塗工方式のうち、グラビアコート法または、ダイコート法が塗工方法として好ましい。グラビアコート法は反射防止層のような塗工量の少ない塗料組成物を均一な膜厚で塗工することに優れており、グラビアコート法の中でもダイレクトグラビア法で、グラビアロール直径の小さい小径グラビアロールを用いることが、メニスカス部の安定性確保の面からより好ましい。このような塗工方法としては、マイクログラビア法が提案されている。
また、ダイコート法は、反射防止層のような塗工量の少ない場合には、ビード背圧の印加など工夫を要するが、前計量方式のためコーティングダイへの供給液量にて膜厚の制御が可能であり、また、原理的に塗料組成物の滞留部、蒸発部がないため、塗料組成物の安定性の面からも優れている。
次いで、支持基材上に塗工された液膜を乾燥する。得られる反射防止部材中から完全に溶媒を除去する事に加え、自発的に層構造を形成させるために液膜中での粒子の運動を促進するという観点からも、乾燥工程では液膜の加熱を伴うことが好ましい。
この乾燥工程は一般的に、(A)恒率乾燥期間、(B)減率乾燥期間に分けられ、前者は、液膜表面において溶媒分子の大気中への拡散が乾燥の律速になっているため、乾燥速度は、この区間において一定で、乾燥速度は大気中の被蒸発溶媒分圧、風速、温度により支配され、膜面温度は熱風温度と大気中の被蒸発溶媒分圧により決まる値で一定になる。後者は、液膜中での溶媒の拡散が律速となっているため、乾燥速度はこの区間において一定値を示さず低下し続け、液膜中の溶媒の拡散係数により支配され、膜面温度は上昇する。ここで乾燥速度とは、単位時間、単位面積当たりの溶媒蒸発量を表わしたもので、g・m−2・min−1の次元からなる。
本発明の製造方法では、自発的な層構造の形成は恒率乾燥期間において発生していると推定しており、この区間における乾燥速度には、好ましい範囲があり、1.4g/(m.s)以下であることが好ましく、0.9g・m−2・min−1以下であることがより好ましく、0.1g/(m.s)以上であることが好ましい。恒率乾燥区間における乾燥速度をこの範囲にすることにより、乾燥速度の不均一さに起因するムラを防ぎ、かつ自発的な層構造を起こすことに必要な時間を十分に確保することができる。
0.1g/(m.s)以上1.4g/(m.s)以下の範囲の乾燥速度が得られるならば、特に特定の風速、温度に限定されない。
本発明の製造方法では、減率乾燥期間では、残存溶媒の蒸発と共に、粒子の配列による層構造の緻密化が行われる。この過程においては粒子の配列のため、粒子の運動性と共に、配列のための時間を必要とするため、減率乾燥期間における膜面温度上昇速度には好ましい範囲が存在し、5℃/秒以下であることが好ましく、1℃/秒以下であることがより好ましい。
乾燥方法については、伝熱乾燥(高熱物体への密着)、対流伝熱(熱風)、輻射伝熱(赤外線)、その他(マイクロ波、誘導加熱)などが挙げられる。この中でも、本発明の製造方法では、精密に幅方向で乾燥速度を均一にする必要から、対流伝熱、または輻射伝熱を使用した方式が好ましく、さらに恒率乾燥期間においては、幅方向で均一な乾燥速度を達成するため、対流伝熱による乾燥の場合には、制御可能な風速を維持しつつ、乾燥時の総括物質移動係数を下げることが可能な方法として、支持基材に対して平行で、基材の搬送方向に対して平行、あるいは垂直な方向に熱風を送風する方式が望ましい。
さらに、乾燥工程後に形成された支持基材上の2層に対して、熱またはエネルギー線を照射する事によるさらなる硬化操作(硬化工程)を行ってもよい。硬化工程において、熱で硬化する場合には、室温から200℃であることが好ましく、硬化反応の活性化エネルギーの観点から、より好ましくは100℃以上200℃以下、さらに好ましくは130℃以上200℃以下である。
また、エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)及び/又は紫外線(UV線)であることが好ましい。また紫外線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性、耐アルカリ性が不十分となる場合がある。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3000mW/cm、好ましくは200〜2000mW/cm、さらに好ましくは300〜1500mW/cmとなる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が100〜3000mJ/cm、好ましく200〜2000mJ/cm、さらに好ましくは300〜1500mJ/cmとなる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。硬化を熱により行う場合、乾燥工程と硬化工程とを同時におこなってもよい。
また本発明の反射防止部材は、PDPなどの各種画像表示装置の視認側表面に設けることで、反射防止性に優れた画像表示装置を提供することができる。なおこの際は、反射防止部材における支持基材側を画像表示装置側として、反射防止部材などを設けることが重要である。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[粒子Aの調製]
[粒子A(a)分散物の調製]
中空シリカ粒子イソプロピルアルコール分散物(日揮触媒化成株式会社製 中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)20gに、化合物Bとして(CF(CF(CHCH)Si(OCH)1.50gと、化合物C1として(HO−Si(CHO(Si(CHO)Si(CH−OH ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量 約3000)0.33gを攪拌しながら滴下後、10質量%ギ酸水溶液0.34g、さらに水0.612gを攪拌しながら滴下し、60℃にて8時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(a)分散物とした。この反応パターンを図4に示す。
[粒子A(b)分散物の調製]
粒子A(a)に対して、化合物Bとして(CF(CF(CHCH)Si(OCH)3)を使用した以外は同様にして、粒子A(b)分散物を得た。
[粒子A(c)分散物の調製]
中空シリカ粒子イソプロピルアルコール分散物(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)20gに、化合物Aとして(CH=C(CH)COOCSi(OCH)2.75gを攪拌しながら滴下後、10質量%ギ酸水溶液0.34g、さらに水0.612gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後70℃にて1時間撹拌した。次いで、化合物Bとして(HC=CHCOOCH(CFF)2.76gを攪拌しながら滴下し、さらに2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを添加し、添加終了後90℃で40分間撹拌した。さらに、化合物C1として(HC=C(CH)COOC((Si(CHO)n(Si(CH)CCOOC(CH)=CH、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量約5000) 1.02gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後90℃30分間撹拌した。最後に、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(c)分散物とした。この反応パターンを図5に示す。
[粒子A(d)分散物から粒子A(l)分散物の調製]
粒子A(c)に対して、化合物A、化合物B、化合物C1として表1、表2に記載の材料に置き換えた以外は同様にして、粒子A(d)からA(l)分散物を得た。
[粒子A(m)分散物の調製]
粒子A(c)に対して、中空シリカ粒子イソプロピルアルコール分散物を、有機溶媒分散コロイダルシリカ(日産化学工業 IPA−ST−L 固形分濃度30質量%、数平均粒子径 40〜50nm)に置き換えた以外は同様にして、粒子A(m)分散物を得た。
[粒子A(n)分散物の調製]
中空シリカ粒子メチルイソブチルケトン分散物(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 60nm)16gに、化合物Aとして(CH=C(CH)COOCSi(OCH)2.2gを攪拌しながら滴下後、次いで10質量%ギ酸水溶液0.272g、さらに水0.489gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後、70℃にて1時間撹拌した。次いで、化合物Bとして(HC=CHCOOCH(CFF)2.21gを攪拌しながら滴下し、化合物C2として、
Figure 2011184498
の構造を有する高分子アゾ重合開始剤(和光純薬工業 VPS−1001、数平均分子量約70000、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量10000)1.80gと2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.124gを添加し、添加終了後90℃で1時間撹拌した。最後にメチルイソブチルケトンを加えて希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(n)分散物とした。この反応パターンを図6に示す。
[粒子A(o)分散物の調製]
粒子A(n)に対して、化合物C2として
Figure 2011184498
の構造を有する高分子アゾ重合開始剤(和光純薬工業 VPS−0501、数平均分子量約30000、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量5000)を使用した以外は同様にして、粒子A(o)分散物を得た。
[粒子A(p)分散物の調製]
中空シリカ粒子メチルイソブチルケトン分散物(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 60nm)16gに、化合物Aとして(CH=C(CH)COOCSi(OCH)2.2gを攪拌しながら滴下後、10質量%ギ酸水溶液0.272g、さらに水0.489gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後70℃にて1時間撹拌した。次いで、化合物Bとして(HC=CHCOOCH(CFF)2.21gを攪拌しながら滴下し、化合物C2として、
Figure 2011184498
の構造を有する高分子アゾ重合開始剤(和光純薬工業 VPS−1001)1.80g、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.124gを添加し、添加終了後90℃で40分間撹拌した。さらに、化合物C1として(HC=C(CH)COOC((Si(CHO)n(Si(CH)CCOOC(CH)=CH、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量約5000) 1.02gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後90℃30分間撹拌した。最後にイソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(p)分散物とした。この反応パターンを図7に示す。
[粒子A(q)分散物の調製]
イソプロピルアルコール10gに、化合物Aとして(CH=C(CH)COOCSi(OCH)2.75g、化合物Bとして(HC=CHCOOCH(CFF)2.76g、化合物C1として(HC=C(CH)COOC((Si(CHO)n(Si(CH)CCOOC(CH)=CH、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量約5000) 1.02gを添加、攪拌、混合し、次いで、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを添加した後、90℃1時間撹拌した。次いで、上記反応生成物を中空シリカ粒子イソプロピルアルコール分散物(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)中に攪拌しながら滴下し、次いで10質量%ギ酸水溶液0.34g、さらに水0.612gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後70℃にて1時間撹拌した。最後に、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(q)分散物とした。この反応パターンを図8に示す。
[粒子A(r)分散物の調製]
中空シリカ粒子イソプロピルアルコール分散物(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)20gに、化合物Aとして(CH=C(CH)COOCSi(OCH)2.75gを攪拌しながら滴下後、10質量%ギ酸水溶液0.34g、さらに水0.612gを攪拌しながら滴下し、滴下終了後70℃にて1時間撹拌した。
次いで、化合物Bとして(HC=CHCOOCH(CFF)2.76g、と化合物C1として(HC=C(CH)COOC((Si(CHO)(Si(CH)CCOOC(CH)=CH、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量約5000) 1.02gを攪拌しながら滴下し、さらに2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを添加して、滴下終了後90℃1時間撹拌した。最後に、イソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(r)分散物とした。この反応パターンを図9に示す。
[粒子A(s)分散物の調製]
中空シリカ粒子イソプロピルアルコール分散物(日揮触媒化成株式会社製中空シリカ:固形分濃度20質量%、数平均粒子径 40nm)20gに、化合物Aとして(CH=C(CH)COOCSi(OCH)2.75g、化合物Bとして(HC=CHCOOCH(CFF)2.76g、と化合物C1として(HC=C(CH)COOC((Si(CHO)n(Si(CH)CCOOC(CH)=CH、ポリオルガノシロキサン基の数平均分子量約5000) 1.02gを攪拌しながら滴下した。次いで10質量%ギ酸水溶液0.34g、水0.612gを攪拌しながら滴下後、さらに2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを添加して、添加終了後90℃で1時間撹拌した。この反応パターンを図10に示す。最後にイソプロピルアルコールを加え希釈し、固形分3.5質量%の粒子A(r)分散物とした。
[粒子A(t)分散物の調製]
粒子A(c)に対して、化合物C1を添加しない以外は同様にして、粒子A(t)分散物を得た。
[粒子A(u)分散物の調製]
粒子A(c)に対して、化合物Bを添加しない以外は同様にして、粒子A(t)分散物を得た。
[粒子A(v)分散物の調製]
粒子A(a)に対して、化合物Bを添加しない以外は同様にして、粒子A(v)分散物を得た。
[粒子Bの調製]
[粒子B(a)分散物の調製]
二酸化チタンイソプロピルアルコール分散物(ELCOM 日揮触媒化成株式会社製: 固形分濃度30質量%)167gに、CHSi(OCH)325g、CH=CHCOOCSi(OCH25gを攪拌しながら滴下、均一に攪拌した。次いで、20%酢酸水溶液12.5g、水12.9gを滴下し、滴下終了後35℃で30分、60℃で3時間反応させた。最後に、イソプロピルアルコールを加えて希釈し、固形分濃度30.0質量%の粒子B(a)分散物を得た
[粒子B(b)分散物の調製]
粒子B(a)に対して、CH=CHCOOCSi(OCHを滴下しない以外は同様にして、粒子B(b)分散物を得た。
[粒子B(c)分散物の調製]
粒子B(a)に対して、CHSi(OCHを滴下しない以外は同様にして、粒子B(c)分散物を得た。
[表面A、粒子B以外の粒子]
[粒子(a)分散物]
粒子(a)分散物として、二酸化チタンイソプロピルアルコール分散物(ELCOM 日揮触媒化成株式会社製: 固形分濃度30質量%)を用いた。
[粒子(b)分散物]
粒子(b)分散物として、二酸化ジルコニウムメチルエチルケトン分散物(ナノユース OZ−30K 日産化学工業株式会社製 固形分濃度30質量%)を用いた。
[塗料組成物の調製]
〔塗料組成物1〜31の調整〕
以下の方法により塗料組成物1〜31を調整した。
[塗料組成物1] 下記材料を混合し、塗料組成物1を得た。
粒子A(a)分散物50質量部
粒子(a)分散物27質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)6.7質量部
2−プロパノール15.9質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.4質量部
R1820(ダイキン化成品株式会社製:固形分100質量%)10.0質量部。
[塗料組成物2から18]
塗料組成物1に対して、粒子Aとして表1に記載の材料に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物2から18を得た。
[塗料組成物19]
下記材料を混合し、塗料組成物19を得た。
粒子A(c)分散物50質量部
粒子(b)分散物27質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)6.7質量部
2−プロパノール15.9質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.4質量部
R1820(ダイキン化成品株式会社製:固形分100質量%)10.0質量部。
[塗料組成物20]
下記材料を混合し、塗料組成物20を得た。
粒子A(c)分散物50質量部
粒子B(a)分散物2.7質量部
粒子(a)分散物24.3質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)6.7質量部
2−プロパノール15.9質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.4質量部
R1820(ダイキン化成品株式会社製:固形分100質量%)10.0質量部。
[塗料組成物21、22]
塗料組成物20に対して、粒子Bとして表1に記載の材料に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物21、22を得た。
[塗料組成物23]
下記材料を混合し、塗料組成物23を得た。
粒子A(c)分散物50質量部
粒子B(a)分散物0.56質量部
粒子(a)分散物5.04質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)0.42質量部
2−プロパノール43.8質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.20質量部。
[塗料組成物24]
下記材料を混合し、塗料組成物24を得た。
粒子A(t)分散物50質量部
粒子(a)分散物5.6 質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)0.42質量部
2−プロパノール43.8質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.20質量部。
[塗料組成物25、26]
塗料組成物24に対して、粒子Aとして表1に記載の材料に置き換えた以外は同様にして、塗料組成物25、26を得た。
[塗料組成物27]
下記材料を混合し、塗料組成物27を得た。
粒子A(c)分散物50質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)0.21質量部
2−プロパノール49.6質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.20質量部。
[塗料組成物28]
下記材料を混合し、塗料組成物28を得た。
粒子B(a)分散物0.56質量部
粒子(a)分散物5.04質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)0.21質量部
2−プロパノール94.0質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.20質量部。
[塗料組成物29]
下記材料を混合し、塗料組成物29を得た。
粒子A(t)分散物50質量部
粒子B(a)分散物2.7質量部
粒子(a)分散物24.3質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)6.7質量部
2−プロパノール15.9質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.4質量部
R1820(ダイキン化成品株式会社製:固形分100質量%)10.0質量部。
[塗料組成物30]
下記材料を混合し、塗料組成物30を得た。
粒子A(t)分散物50質量部
粒子B(a)分散物2.7質量部
粒子(a)分散物24.3質量部
カヤラッドDPHA(日本化薬株式会社製:固形分100質量%)6.7質量部
2−プロパノール15.9質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.4質量部
R1820(ダイキン化成品株式会社製:固形分100質量%)10.0質量部
EBECRYL1360(ダイセルサイテック株式会社製:固形分100質量%)0.5 質量部。
[塗料組成物31]
下記材料を混合し、塗料組成物29(ハードコート塗料組成物)を得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)30.0質量部
イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)1.5質量部
メチルイソブチルケトン73.5質量部。
[反射防止部材の作製1]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に易接着性塗料が塗工されている“ルミラー”U46(東レ(株)製)をもちいた。この支持基材の易接着塗料が塗工されている面上に、前記塗料組成物31(ハードコート塗料組成物)をバーコーター(#16)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
第一段階
熱風温度70℃
熱風風速2m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間1.5分間
第二段階
熱風温度130℃
熱風風速5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。次いで、このハードコート塗料組成物が塗工、乾燥、硬化されている面上に、塗料組成物23〜26をバーコーター(#10)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
第一段階
熱風温度25℃
熱風風速0.5m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間2分間
第二段階
熱風温度130℃
熱風風速5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させ、実施例23、比較例1〜3の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の作製2]
支持基材としてPET樹脂フィルム上に易接着性塗料が塗工されている“ルミラー”U46(東レ(株)製)を用いた。この支持基材の易接着塗料が塗工されている面上に、塗料組成物1〜22、29〜30をバーコーター(#10)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
第一段階
熱風温度25℃
熱風風速0.5m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間2分間
第二段階
熱風温度130℃
熱風風速5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間2分間
なお、熱風の風速は動静圧管による測定値を使用した。乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させ、実施例1〜22、比較例5〜6の反射防止部材を作成した。
[反射防止部材の作製3]
前記反射防止部材の作成1と同様にして塗料組成物31(ハードコート塗料組成物)を乾燥、硬化させ、 次いで、このハードコート塗料組成物が塗工、乾燥、硬化されている面上に、塗料組成物28をバーコーター(#6)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
第一段階
熱風温度25℃
熱風風速0.5m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間2分間
第二段階
熱風温度130℃
熱風風速5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させた。さらに、この塗料組成物28が塗工、乾燥、硬化されている面上に、塗料組成物27をバーコーター(#4)を用いて塗工後、下記に示す第一段階の乾燥を行い、次いで第二段階の乾燥を行った。
第一段階
熱風温度25℃
熱風風速0.5m/s
風向 塗工面に対して平行
乾燥時間2分間
第二段階
熱風温度130℃
熱風風速5m/s
風向 塗工面に対して垂直
乾燥時間2分間
乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm、積算光量800mJ/cmの紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射して硬化させ、比較例4の反射防止部材を作成した。
[塗料組成物の分析]
[ポリオルガノシロキサン基の分子量]
前記[塗料組成物の項]に記載の方法で、ポリオルガノシロキサン基の分子量を求めた。なお、その際に使用したGPCの測定条件は下記のとおりである。
溶媒: メチルエチルケトン
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)。
[粒子表面への官能基の結合状態]
前記[塗料組成物]の項で記載した方法により、塗料組成物の分析を行い、フルオロアルキル基、ポリオルガノシロキサン基、反応性二重結合を有する基、およびシラノール基の有無を確認した。
[反射防止部材の評価]
作製した反射防止部材について次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表に示す。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[第1層と第2層とで形成される界面]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、反射防止層中の第1層と第2層とで形成される界面の有無を判断した。界面の有無の判断は以下の方法に従い判断した。反射防止層の超薄切片に対し、TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、ソフトウェア(画像処理ソフトEasyAccess)にて、ホワイトバランスを最明部と最暗部が8bitのトーンカーブに収まるように調整した。さらに2種類の粒子が明確に見分けられるようにコントラストを調節した。このとき1つの層と他の層との間に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなした。
明確な境界を引くことができる場合 「○」
明確な境界を引くことができない場合 「×」。
[耐擦傷性(耐コインスクラッチ性)]
ガラス板上に貼り付けた反射防止部材に対して、90°の角度に10円硬貨を設置し、塗膜を1Kgの荷重をかけて、一定速度で反射防止層の表面をこすり、塗膜の傷つき度を肉眼で観察し、塗膜表面に明確な傷がつく回数を下記の評価基準で判定することによって、耐コインスクラッチ性の評価を行った。
5点:30回以上
4点:20回以上30回未満
3点:10回以上20回未満
2点:5回以上10回未満
1点:5回未満。
[耐擦傷性(耐スチールウール性)]
反射防止部材に250g/cm荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、1cmの長さを10往復した際に目視される傷の概算本数を記載し、下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
5点: 0本
4点: 1本以上 5本未満
3点: 5本以上 10本未満
2点: 10本以上 20本未満
1点: 20本以上。
[耐摩耗性]
本光製作所製消しゴム摩耗試験機の先端(先端部面積 1cm)に、白ネル〔興和(株)製〕を取り付け、500gの荷重をかけて反射防止部材上を5cm、5000回往復、及び1000g荷重をかけて反射防止部材上を5cm、200回往復摩擦し、下記のクラス分けを行い3点以上を合格とした。
5点: 傷なし
4点: 1〜10本の傷
3点: 11〜20本の傷
2点: 21本以上の傷
1点: 試験部分の反射防止層が全面剥離。
[透明性]
透明性はヘイズ値を測定することにより判定した。測定はJIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製 ヘイズメーターを用いて、反射防止部材サンプルの支持基材とは反対側(反射防止層側)から光を透過するように装置に置いて測定を行い、ヘイズ値が2.0%未満を合格とした。
[反射防止性能]
反射防止性能の評価は島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて400nmから800nmの波長範囲にて行い、最低反射率(ボトム反射率)を測定し、0.8%未満を合格とした。反射率は波長550nm付近で極小値(最低反射率)となったときの値を示した。
表1に塗料組成物の組成を、表2に各塗料組成物に使用したに粒子Aの処方と製造方法を、表3に各実施例、比較例の構成、製造方法と得られた反射防止部材の評価結果をまとめた。評価項目において1項目でも合格とならないものについて、課題未達成と判断した。表3に示すように本発明の実施例は、耐擦傷性(耐コインスクラッチ性、耐スチールウール性)、耐摩耗性と透明性、反射防止性能いずれにおいても合格しており、本発明が解決しようとする課題を達成している。表面処理Aに用いる化合物が本発明の好ましい様態とは異なっている、実施例1,2は耐擦傷性、耐摩耗性、透明性、反射防止性能がやや劣っていたが、許容できる範囲であった。表面処理Aに用いる化合物C1のポリオルガノシロキサン基の数平均分子量が、本発明の好ましい範囲より小さい実施例10では、耐擦傷性(コインスクラッチ)がやや劣っていたが、許容できる範囲であった。表面処理Aに用いる化合物C1のポリオルガノシロキサン基の数平均分子量が、本発明の好ましい範囲より大きい実施例11では、耐摩耗性と透明性がやや劣っていたが、許容できる範囲であった。表面処理Aの反応順序が本発明の好ましい様態とは異なっている、実施例16,17,18は耐擦傷性(コインスクラッチ)、耐摩耗性がやや劣っているが、やや劣っていたが、許容できる範囲であった。比較例2は、表面処理過程にて、フルオロアルキル基を含む化合物Aとオルガノシロキサン基を含む化合物Cを用いているが、化合物Bを使用していない。そのため、粒子表面がフルオロアルキル基とオルガノシロキサン基を含まず、十分な耐擦傷性(コインスクラッチ)、耐摩耗性が得られない。比較例4は、使用する塗料組成物のうち、塗料組成物27、28はいずれも1種類の粒子しか含まず、塗料組成物31は粒子を含まない。そのため自発的に2つの層構造を作ることができず、高屈折率層と低屈折率層の間の層間界面を強化することができない。比較例6は、1種類の粒子がフルオロアルキル基を含み、かつ塗料組成物中にポリオルガノシロキサン基を含む化合物(EBECRYL1360 ポリシロキサンヘキサアクリレート)を添加しているが、表面処理過程にて粒子表面にポリオルガノシロキサン基を含ませる操作をしてなく、このポリオルガノシロキサン基は粒子表面に含まれてはいない。その結果、十分な耐擦傷性(耐コインスクラッチ性)が得られていない。
Figure 2011184498
Figure 2011184498
Figure 2011184498
(*)
Figure 2011184498
Figure 2011184498
Figure 2011184498
Figure 2011184498
本発明の塗料組成物、それを用いた反射防止部材の製造方法、及び反射防止部材は、例えば、プラスチック光学部品、タッチパネル、フィルム型液晶素子、プラスチック容器、建築内装材としての床材、壁材、人工大理石等の傷付き(擦傷)防止や汚染防止のための保護コーティング材;フィルム型液晶素子、タッチパネル、プラスチック光学部品等の反射防止膜;各種基材の接着剤、シーリング材;印刷インクのバインダー材等として好適に用いることができる。
1 反射防止部材
2 支持基材
3 反射防止層
4 低屈折率層
5 高屈折率層
6 高屈折率ハードコート層

Claims (6)

  1. 2種類以上の粒子を含む塗料組成物であって、該2種類以上の粒子のうち少なくとも1種類の粒子が、フルオロアルキル基とポリオルガノシロキサン基とを含む粒子(以降、粒子Aと呼ぶ)であることを特徴とする塗料組成物。
  2. 前記粒子Aが、原料となる粒子に対して、フルオロアルキル基を含む化合物とポリオルガノシロキサン基を有する化合物で表面処理をして得られる粒子である請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記粒子Aが、原料となる粒子に対して下記の、化合物Aと化合物Bと化合物C1、または、化合物Aと化合物Bと化合物C2、または、化合物Aと化合物Bと化合物C1と化合物C2、により表面処理(以降、表面処理Aと呼ぶ)して得られる粒子である請求項1または2に記載の塗料組成物。
    化合物A R−R−SiR (OR3−n
    化合物B R−R−R
    化合物C1 R−R−(Si(CHO)−Si(CH3−k−(R10−R
    化合物C2
    Figure 2011184498
    ここで、Rはフルオロアルキル基、R、R、R、Rは反応性部位、R、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R、R、R、R10は炭素数1から3のアルキレン基またはそれらから導出されるエステル構造を示し、nは0から2のいずれかの整数、mは20から200の範囲の整数、kは0または1を示し、yは1から200の整数、zは1から20の整数を示す。それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。
  4. 前記表面処理Aが前記化合物A、化合物B、化合物C1を用い、化合物A、化合物B、化合物C1の順に処理する請求項3に記載の塗料組成物。
  5. 前記2種類以上の粒子のうち、粒子A以外の粒子でかつ少なくとも1種類の粒子が、反応性二重結合を有する置換基とシラノール基とを含む粒子(以降、粒子Bと呼ぶ)である請求項1〜4のいずれかに記載の塗料組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の塗料組成物を、支持基材の少なくとも片面上に1回塗工することにより、1層の液膜を形成して、屈折率の異なる2層以上からなる反射防止層を形成する工程を含むことを特徴とする、反射防止部材の製造方法。
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