JP2011184485A - 調質圧延液及びそれを用いた調質圧延方法 - Google Patents

調質圧延液及びそれを用いた調質圧延方法 Download PDF

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Abstract

【課題】調質圧延液としての基本性能を維持しつつも、調質圧延により鋼帯の表面に傷がつくことを有効に抑制し、ミルの清掃を容易とする調質圧延液、及び、かかる調質圧延液を用いて調質圧延された鋼帯を提供する。
【解決手段】調質圧延に用いる水溶性の調質圧延液であって、かかる調質圧延液は、2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱した際に残存する残渣の、20℃における粘度が7000mPa・s以下である。また、金属帯を調質圧延するに際し、かかる調質圧延液を用いて調質圧延する方法である。
【選択図】図1

Description

この発明は、金属帯を調質圧延する際に用いる水溶性の調質圧延液、及びかかる調質圧延液を用いた調質圧延方法に関する。ここで、金属帯とは、鋼帯を典型例とし、その他アルミニウム合金や銅合金などの非鉄合金帯をも意味し、以下、典型例である鋼帯を対象として説明するが、鋼帯に限られないことは勿論のことである。
鋼帯は、スラグなどの鋼素材に熱間圧延そして冷間圧延を施すことにより得られる。かかる冷間圧延は、特許文献1〜2に示すように、ワークロールを用いて鋼帯を大きく圧下して圧延する工程である。冷間圧延後には、必要に応じて鋼板に調質圧延を施す。かかる調質圧延は、鋼帯を軽微に圧下し、該鋼帯の表面性状及び/又は形状を微調整するものである。
この調質圧延には、鋼帯を乾燥状態にて圧延するドライ条件下での調質圧延と、鋼帯を潤滑状態にて圧延するウェット条件下での調質圧延とがある。ドライ条件下での調質圧延は、鋼帯がワークロールに直接接触することから、ワークロールの表面性状の転写効率が向上し、鋼帯表面の光沢度が増す。この際、鋼帯とワークロールとの摩擦及びワークロールとバックアップロールとの摩擦により発生する摩耗粉(金属粉)や埃等がワークロールと鋼帯との間に噛み込まれ、鋼帯の表面に傷が残ってしまう場合がある。この傷は、特許文献3に記載されているような極薄の鋼帯において大きな影響を与えることから、特に薄い鋼帯を調質圧延する場合に問題となる。その対策として、調質圧延液を鋼板に塗布して、ウェット条件下にて調質圧延すると、摩耗粉や埃等が調質圧延液に吸着され、摩耗粉や埃等による傷の発生が抑制される。
なお、調質圧延液としては、牛脂の如き動植物性油脂若しくは脂肪酸エステルをベースとしたエマルション型が良く知られているが、かかる調質圧延液は脱脂性が悪く、ミルについた汚れが取れ難いため、ミルの清掃間隔が短くなり、鋼帯の生産性が低下する。そこで、特許文献1及び2に記載されている水溶性の調質圧延液を使用することによって、ミルの洗浄を容易とし、鋼帯の生産性の低下を抑制することが可能となる。
特開平07−188690号公報 特開平06−234002号公報 特開2004−243349号公報
しかし、水溶性の調質圧延液を用いて調質圧延したとしても、依然として鋼帯が傷付いてしまう場合があることから、鋼帯が傷付くことの更なる抑制が希求されている。また、鋼帯の生産性向上の観点から、ミルの清掃を更に容易とすることも希求されている。
そこで、この発明の目的は、調質圧延液を改質することにより、調質圧延液としての基本性能を維持しつつも、鋼帯が傷付くことを有効に抑制し、しかも、ミルの清掃を容易とすることにある。また、この発明の更なる目的は、この発明の調質圧延液を用いた調質圧延方法を提供することにある。
発明者は、水溶性の調質圧延液を用いたとしても、鋼帯が傷付いてしまうことの原因は、以下の事柄に起因することを見出した。すなわち、水溶性の調質圧延液を長期に亘り使用していると、特にバックアップロールに付着した調質圧延液の水分が蒸発し、その結果、調質圧延液に吸着された摩耗粉や埃等がバックアップロールに堆積することとなる。かかるバックアップロールに堆積した摩耗粉や埃等がワークロールに付着して、ワークロールの回転時に鋼帯表面を傷付けてしまうのである。上記事項を考慮した上で、様々な条件での検討を加えたところ、バックアップロール環境での調質圧延液の粘度を小さくすることが、バックアップロールへの摩耗粉等の汚れの堆積を抑制して、調質圧延における鋼帯の傷付きを防止するのに有効であることを見出し、以下に説明するこの発明の調質圧延液及び調質圧延方法を導くに至った。
前記目的を達成するための、第一発明は、調質圧延に用いる水溶性の調質圧延液であって、かかる調質圧延液を、2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱した際に残存する残渣の、20℃における粘度が7000mPa・s以下であることを特徴する調質圧延液である。なお、「2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱」する条件は、調質圧延後のコイル状況、温度、時間及び実際のコイルに依存している調質圧延濃縮液の測定粘度に基づき設定されたものである。
また、第一発明において、残渣の20℃における粘度が2000〜7000mPa・sであることが好ましい。
第二発明は、金属帯に調質圧延を施すに際し、上述した第一発明の調質圧延液を用いることを特徴とする調質圧延方法である。
また、第二発明において、金属帯は、厚さ0.06〜1.70mmの鋼帯であることが好ましい。
この発明によれば、調質圧延液の所定条件下での粘度を調整することにより、調質圧延液としての基本性能を維持しつつも、鋼帯の表面が傷付くことを有効に抑制し、ミルの清掃を容易とすることが可能となる。
この発明に従う調質圧延液を用いた鋼帯の調質圧延工程を示した図である。 調質圧延液の粘度とバックアップロールへの汚れの堆積量との相関関係を示した図である。
次に、図面を参照しつつ、この発明の実施形態を説明する。図1は、この発明に従う調質圧延液を用いた鋼帯の製造工程を示した図である。図2は、調質圧延液の乾燥後の粘度とバックアップロールへの汚れの堆積量との相関関係を示した図である。
以下、かかる調質圧延液を用いて調質圧延する工程を、図1を参照しつつ説明する(なお、焼鈍や酸洗等に関する説明は、本願発明の要点を理解し易くするために省略する)。
まず、リール2から2つのスタンド4、4からなるミル5に鋼帯1を巻き出す。かかるスタンド4は、鋼帯1と直接接触する一対のワークロール7、7と、それらワークロール7、7の湾曲や破損を防止するためにワークロール7、7を支える一対のバックアップロール8、8により構成されている。次いで、リール2から巻き出した鋼帯1に、矢印Aの地点にてこの発明に従う調質圧延液を塗布する。そして、調質圧延液が塗布された鋼帯1を、ワークロール7、7間を所定の圧力で圧下しつつ通すことにより、例えば、鋼帯表面を調質圧延して、リール3に巻き取る。この際に用いる、この発明に従う調質圧延液は、水溶性であり、2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱した際に残存する残渣の、20℃における粘度が7000mPa・s以下であることが肝要である。
発明者は、上述したように、従来の水溶性の調質圧延液を用いて上記調質圧延を長期に亘り実施すると、調質圧延液に取り込まれた摩耗粉や埃等がワークロール7に付着して、ワークロール7の回転時に鋼帯1の表面を傷付けてしまうことを見出した。ここで、ワークロール7には調質圧延液が順次更新供給されるが、バックアップロール8は、ワークロール7よりも鋼帯1に対し離間した位置にあり、調質圧延液の更新供給も無いことから、バックアップロール8上に一旦付着した調質圧延液がワークロール7上にそのまま残存する傾向にあり、その後、水分が蒸発することも相俟って、調質圧延液の残渣が付着したままになる。その結果、調質圧延液に取り込まれた摩耗粉や埃等がバックアップロール8上に堆積することとなり、それが落下等によりワークロール7に付着することから、ワークロール7の回転時に鋼帯1の表面を傷付けてしまう。また、調質圧延液が乾燥することにより、調質圧延液が取り除き難くなり、ミル5の清掃に時間を要することから、鋼帯1の生産性が低下する。それらの問題は、湿度が低く、乾燥し易い冬場において特に顕著である。
そこで、発明者は、実機と実操業の環境と類似した環境、すなわち、2.66kPa(20Torr)の減圧下にて、60℃で1時間加熱した環境下に曝した後の残存する残渣が、種々の粘度となる調質圧延液を複数種準備し、それら調質圧延液を用いて鋼板1を調質圧延した場合に、ワークロール7に摩耗粉や埃等が付着して、鋼板が傷付くか否かを調査した。
その結果の一例を図2に示す。なお、図2中の記号(S、A20)は、表1に示す調質圧延液の種類を表す。上記した調質圧延液の乾燥後の粘度(残渣の粘度)が小さくなることにより、バックアップロールの手入れをするまでの鋼板1の処理量、すなわち、バックアップロールの摩耗粉や埃等による汚れに起因した傷付きを発生させずに圧延できる鋼板1の処理量が多くなり、鋼板の傷付きが抑制されていることがわかった。特に、該調質圧延液の残渣の粘度を6200mPa・s以下とすることにより、鋼板1の傷付きが顕著に抑制されることがわかった。このような結果に基づき、更に検討を重ねた結果、2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱した環境下に曝した後の残渣の粘度が、7000mPa・s以下となる調質圧延液を使用することで、摩耗粉や埃等のワークロール7への付着が防止できること、また、実機と実操業の環境を考慮すると、冬場を想定した20℃における粘度が、上記を満足することが重要であることがわかった。このことから、2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱した環境下に曝した後の残渣の、20℃における粘度が、7000mPa・s以下となる調質圧延液を使用することが適当であることを見出した。また、かかる調質圧延液を使用すれば、水分が蒸発してしまっても粘度が大きくなり過ぎず、調質圧延液を取り除くことが容易となることから、ワークロール7及びバックアップロール8を清掃する間隔が長くなり、鋼帯1の生産性を向上させることが可能となる。
このとき、調質圧延液の防錆性、脱脂性などの基本性能を確保する観点から、水分が蒸発した後の残渣の20℃における粘度は、2000〜7000mPa・sの範囲であることが好ましい。
なお、同様の理由から、上記したバックアップロール環境下に曝された場合程に蒸発していない、使用前の調質圧延液は、40℃における粘度が1.5mm/s以下であることが好ましい。
ここで、調質圧延液の粘度調整は、炭素数4〜8の脂肪族二塩基酸と炭素数9〜12の脂肪族二塩基酸の組み合わせを5:1〜30:1の割合で調整することにより行うことが好ましい。
また、上記した調質圧延液を用いた調質圧延が対象とする鋼帯1は、概ね厚さ0.06〜1.70mmである。なお、鋼帯1が薄ければ薄いほど、表面が傷付くことによる影響が大きく、例えば、厚さ0.06〜0.08mmの極薄の鋼帯1(スチールフォイルとも呼ばれる)では、この影響が顕著であり、このような極薄の鋼板1を調質圧延する場合に特に有効である。なお、極薄の鋼帯1は、産業上、ニッケル・カドミウム電池等の二次電池の電極材、極薄容器用素材、磁気シールド材、制震材、建材等の材料として広く使用されるものである。
ここで、調質圧延液の組成は特に限定されないが、例えば、以下に示す組成が推奨される。推奨される水溶性の調質圧延液の原液は、アルカノールアミン、非イオン界面活性剤、脂肪族二塩基酸、キレート剤、有機防錆添加剤等を原料とし、それをイオン交換水等の溶媒に溶解したものである。調質圧延液は、上記調質圧延液の原液を所定の使用濃度となるよう水で希釈したものである。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリンエステル型、ソルビタンエステル型、ショ糖脂肪酸エステル型等の多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤、脂肪酸エステル型、エーテル型等のPOE型非イオン界面活性剤、ジエタノールアミン、アミンオキシド型非イオン界面活性剤等が挙げられる。脂肪族二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)等が挙げられる。防錆添加剤としては、含窒素系防錆添加剤、例えば、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、インダゾール、ベンズインダゾール、インドール等が挙げられる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図示例では、2つのスタンド4を使用して鋼帯1を調質圧延しているが、この発明に従う調質圧延液を使用する限りはその他の構成とすることもでき、図示は省略するが、例えば、1つのスタンド4を具えるミル5や3つのスタンド4を具えるミル5により調質圧延することも可能である。
次に、表1に示す種々の粘度を有する調質圧延液を用いて、調質圧延液における汚れの堆積状況をシミュレイトし、ミルに付着する汚れの低減効果を評価した。また、別途、防錆性についても評価した。以下、汚れの堆積状況のシミュレイトについて、詳細に説明する。
Figure 2011184485
用いた圧延機のワークロールは、上方のワークロール(上ワークロール):SUJ−2製、下方のワークロール(下ワークロール):SS−41製であり、ロール径80mm、ロール軸長:50mm、ロール研磨:#80研磨、ロール温度:室温とした。また、下ワークロール側に硬質ウレタンをライイングしたサポートロール(ロール径:80mm、ロール軸長:50mm)を設けた。
上記した圧延機を用いて、まず、調質圧延前の圧延油と金属粉が付着したロール状況を再現するため、下ワークロールに圧延油を500mg/m塗油し、上ワークロールと下ワークロールを、ロール速度:300rpm、荷重2kNで5秒間、上ロールと下ロールの回転比を1:1.27で回転させた。次いで、スプレー圧:0.05MPa、スプレー時間:5分で調質圧延液をロールバイトにスプレーしながら、上下ワークロールをロール速度:300rpm、荷重5kN、上ロールと下ロールの回転比を1:1.27で回転させた。この時、サポートロールを下ワークロールに圧着させ、下ワークロールを駆動させることにより、回転させた。その後、サポートロールを下ワークロールに圧着したまま、上下ワークロールのロールギャップを開放させ、1200mpmで1分間ワークロールを回転してロールを乾燥させ、サポートロールに堆積(ビルドアップ)した汚れを採取した。ここで、汚れの採取は、サポートロールに3M社製のスコッチテープ(登録商標)を貼り付けて、剥がすことにより行なった。また、ミルに付着する汚れの低減効果を評価は、かかるスコッチテープに堆積した汚れを目視にて観察することにより行なった。
防錆性は、比較例及び発明例1〜3を塗布したテストピースのSPCC材を、温度:70℃、湿度:90%に維持された恒温恒湿槽内に静置して、1日経過後、8日経過後、14日経過後、21日経過後、及び、28日経過後における、錆の発生度をJIS K2246に基づき計測することで評価した。錆が全く発生していない場合を「A」、錆が0〜10%発生している場合を「B」、錆が11〜25%発生している場合を「C」、錆が26〜50%発生している場合を「D」、錆が51〜100%発生している場合を「E」とし、その評価結果は表2に示す。
Figure 2011184485
その結果、ミルに付着する汚れの低減効果は、比較例に比べ発明例1〜3を使用することで向上していた。また、表2の結果から明らかなように、発明例1〜3を使用しても、比較例と同等の防錆性を確保されていた。
次に、表1に示す比較例及び発明例2の調質圧延液を使用し、板厚0.06mm、板幅:850mmの低炭素鋼スチールフォイルの鋼帯を2つのスタンドを有するミルにより調質圧延した。比較例の調質圧延液を使用して処理量:44tonを、そして、発明例2の調質圧延液を使用して処理量:47tonを圧延した後、バックアップロールの表面に汚れが付着しているか否かを目視にて確認することでバックアップロールへの汚れの低減効果を評価した。その結果、比較例の調質圧延液を使用した場合よりも、発明例2の調質圧延液を使用し調質圧延した場合において、バックアップロールに付着する汚れの量が少なくなっており、バックアップロールへの汚れの低減効果に優れていた。
また、以下に詳細に説明するように、調質圧延後の鋼帯について、付着する汚れの低減効果、防錆性、オイルステイン性及び脱脂性を評価した。
鋼帯に付着する汚れの低減効果は、調質圧延された鋼帯の表面に傷が発生したり、汚れが付着したりしているか否かを目視にて確認することで評価した。
鋼帯の防錆性は、比較例及び発明例2を使用して調質圧延された鋼帯を、温度:70℃、湿度:90%に維持された恒温恒湿槽内に静置して、1〜28日経過後における、錆の発生度をJIS K2246に準じて評価した。錆が全く発生していない場合を「A」、錆が0〜10%発生している場合を「B」、錆が11〜25%発生している場合を「C」、錆が26〜50%発生している場合を「D」、錆が51〜100%発生している場合を「E」とし、その評価結果は表3に示す。
Figure 2011184485
鋼帯のオイルステイン性は、比較例及び発明例2を用いて調質圧延された鋼帯を、温度:70℃、湿度:90%に維持された恒温恒湿槽内に静置して、28日経過した後に、鋼帯の表面にオイルステインが発生しているか否かを目視にて評価した。
鋼帯の脱脂性は、比較例及び発明例2を用いて調質圧延された鋼帯を、以下の条件にて電解脱脂し、その後、流水にて5秒間リンスし、粉末添着法により脱脂率を測定することにより評価した。電解脱脂の条件は、温度:70℃、洗浄剤:フォーミュラ618T、アルカリ濃度:2%、電流密度:5A/dm、電極間距離:45mm、電解時間:1、2及び3秒間である。粉末添着法は、リンス後に乾燥させた鋼帯の表面に、未脱脂部分に吸着されるメチルセルロース粉末をふりかけ、かかる粉末を拭き取った際に粉末が残っている表面積を測定し、鋼帯の全表面積に対するメチルセルロース粉末が残った部分の比率を算出することで評価する方法である。その評価結果を表4に示す。
Figure 2011184485
その結果、鋼帯に付着する汚れの低減効果は、比較例を用いて調質圧延された鋼帯に比べ発明例2を用いて調質圧延された鋼帯において向上していた。また、例えば、鋼帯に付着する汚れの低減効果を、鋼帯への鉄粉の付着量で評価すると、発明例2を用いて調質圧延された鋼帯では、比較例を用いて調質圧延された鋼帯に比べ、鉄粉の付着量が40%低減していた。更に、表3の結果から明らかなように、発明例2を用いて調質圧延された鋼帯の防錆性は、比較例を用いて調質圧延された鋼帯と同等以上であった。更にまた、発明例2を用いて調質圧延された鋼帯のオイルステイン性は、比較例を用いて調質圧延された鋼帯と同等であった。加えて、表4の結果から明らかなように、発明例2を用いて調質圧延された鋼帯の脱脂性は比較例を用いて調質圧延された鋼帯と同等であった。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、調質圧延液としての基本性能を維持しつつも、バックアップロールへの摩耗粉等の汚れの堆積を抑制して、調質圧延により鋼帯の表面が傷付くことを有効に抑制し、ミルの清掃を容易とする調質圧延液を提供することが可能となった。また、かかる調質圧延液を用いて調質圧延する調質圧延方法を提供することも可能となった。
1 鋼帯
2 (巻き出し)リール
3 (巻き取り)リール
4 スタンド
5 ミル
6 調質圧延設備
7 ワークロール
8 バックアップロール

Claims (4)

  1. 調質圧延に用いる水溶性の調質圧延液であって、
    2.66kPaの減圧下にて、60℃で1時間加熱した際に残存する残渣の、20℃における粘度が7000mPa・s以下であることを特徴する調質圧延液。
  2. 前記残渣の20℃における粘度が2000〜7000mPa・sである、請求項1に記載の調質圧延液。
  3. 金属帯に調質圧延を施すに際し、請求項1又は2に記載の調質圧延液を用いることを特徴とする調質圧延方法。
  4. 前記金属帯は、厚さ0.06〜1.70mmの鋼帯である、請求項3に記載の調質圧延方法。
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