JP2011184189A - 媒体搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧胴を用いた搬送における圧胴の周面に支持された媒体と圧胴に当接させる部材との接触による衝撃を緩和し、好ましい媒体搬送が実現される媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】圧胴12の周面14は磁界発生部24,26が設けられている。また、用紙押さえローラ16は永久磁石36,38が内蔵されている。用紙押さえローラ16はグリッパー18との衝突を回避するためにカム部20,22に乗り上げ、カム部の頂点が用紙押さえローラの位置に到達すると圧胴との間に反発力が作用し、用紙押さえローラがカム部を下降して周面に着地する際の衝撃が緩和される。磁界発生部24,26は圧胴12の軸方向における両端に設けられ、少なくともカム部20,22の頂点を含み、用紙押さえローラ16の着地位置が含まれる範囲に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は媒体搬送装置に係り、特に圧胴の周面に搬送対象の媒体が支持され、該媒体の先端部が固定される搬送形態における媒体搬送部材の構造及び搬送制御技術に関する。
印刷機の分野において、枚葉紙の搬送方式として圧胴を用いた搬送方式が知られている。該圧胴搬送方式は、圧胴の周面に設けられたグリッパーを用いて枚葉紙の先端部を固定し、周面により枚葉紙の裏側を支持し、圧胴を回転させると圧胴に支持された枚葉紙が回転搬送されるように構成されている。
特許文献1には、胴版の外周面に用紙を押し当てるプレス胴に、用紙の先端をくわえるためのくわえ爪が設けられた孔版印刷機が開示されている。特許文献1に開示された孔版印刷機は、プレス胴が押圧位置と非押圧位置との間を移動できるように構成されている。
特許第2999048号公報
圧胴搬送方式では、圧胴の周面に枚葉紙を密着させるための用紙押さえローラが具備されている。この用紙押さえローラは周面に対向する位置に設けられ、圧胴の周面に給紙された枚葉紙を圧胴の周面へ押さえつけるように配置される。一方、枚葉紙の先端を固定するグリッパーは圧胴の周面から突出しているので、グリッパーが用紙押さえローラの真下を通過する際に用紙押さえローラをグリッパーと衝突しない位置へ一旦退避させ、グリッパーが用紙押さえローラの真下を通過した後に用紙押さえローラを元の位置へ戻すように、用紙押さえローラを移動させる必要がある。
しかしながら、一般に用紙押さえローラは圧胴の方へ付勢されているので、用紙押さえローラが圧胴の周面へ着地する際に衝撃が発生し、この衝撃によって枚葉紙の位置ずれや、衝撃による周辺の部品の破損などの問題を引き起こすことが懸念される。特に、圧胴を高速で回転させている場合には、用紙押さえローラの着地による衝撃を無視することができない。特許文献1に開示された孔版印刷機は、プレス胴を移動させる構成であり、プレス胴を移動させるための構成が必要となる。かかる構成は装置全体として大型化してしまうことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、圧胴を用いた搬送における圧胴の周面に支持された媒体と圧胴に当接させる部材との接触による衝撃を緩和し、好ましい媒体搬送が実現される媒体搬送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る媒体搬送装置は、円筒形状を有し、中心軸について回転して周面に支持された媒体を回転搬送し、周面に支持された媒体の搬送方向と略直交する方向の全幅に対応する長さにわたって、当該媒体の前記搬送方向における端部を固定する固定部材が設けられるとともに、前記固定部材の前記搬送方向と略直交する方向における両端の外側のそれぞれに、前記固定部材の高さを超える高さを有して周面に対して突出した構造を有するカム部が設けられる圧胴と、前記搬送方向と略直交する方向について、一方のカム部と他方のカム部との間隔を超える長さを有し、前記圧胴の周面に支持される媒体に当接するように付勢される一方、前記固定部材と接触しないように前記カム部に乗り上げる構造を有する当接部材と、を備え、前記圧胴は、少なくとも前記カム部に乗り上げた前記当接部材が着地する周面上の位置に所定の磁界を発生させる第1の磁界発生部を具備し、前記当接部材は、前記第1の磁界発生部により発生した磁界に対して反発力を生じる磁界を発生させる第2の磁界発生部を具備することを特徴とする。
本発明によれば、圧胴に設けられた固定部材と、圧胴に当接させる当接部材との接触を回避するためにカム部に乗り上げた当接部材が圧胴の周面に着地する位置に設けられた第1の磁界発生部による磁界と、当接部材に設けられた第2の磁界発生部による磁界によって圧胴と当接部材との間に反発力が作用するので、当接部材が圧胴の周面に着地する際の衝撃が緩和される。また、圧胴を移動させるための機構などを備える必要がなく、装置の大型化を回避することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る媒体搬送装置に適用される圧胴及び用紙押さえローラの全体構成を示す斜視図 図1に示す圧胴の一部を拡大した拡大平面図 図1示す用紙押さえローラの全体構成を示す斜視図 図3のA‐A線に沿う断面図 図1の側面図 用紙押さえローラがカム部に乗り上げた状態を示す斜視図 図6の一部拡大図 用紙押さえローラが圧胴の周面に着地した状態を示す斜視図 図8の一部拡大図 図9の側面図 本発明の第2実施形態に係る媒体搬送装置に適用される用紙押さえローラの一部拡大図 図11に示す用紙押さえローラの立体構造を示す断面図 本発明の第2実施形態に係る媒体搬送装置に適用される圧胴の全体構成図 本発明の第2実施形態に係る媒体搬送装置の制御系の構成を示すブロック図 本発明の第2実施形態に係る媒体搬送装置の制御の流れを示すフローチャート 本発明に係る媒体搬送装置が適用されるインクジェット記録装置の全体構成図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る媒体搬送装置の概略構成図である。同図に示す媒体搬送装置10は、主として圧胴12と、圧胴の周面14に対向する位置に配置される用紙押さえローラ16から構成されている。圧胴12は、周面14の凹部17に軸方向に沿って並べられた複数のグリッパー18と、該凹部の圧胴12の軸方向における両側端部に周面14よりも突出したカム部20,22と、を備えている。カム部20,22は、圧胴12の側面から見た形状は略半円形状となっている。図1に示す圧胴12は、周方向に180°ずらした2ヶ所の位置(圧胴12の回転軸をはさんで対称となる位置)のそれぞれに、凹部17及びカム部20,22が設けられるとともに、圧胴12の軸方向の両側端部に周方向に沿って磁界発生部24,26が設けられている。磁界発生部24,26には、圧胴12の径方向に励磁させた永久磁石が適用される。
用紙押さえローラ16は、軸方向について使用される媒体の最大幅以上の長さを有する中空のゴムローラ(本体部)28を備え、本体部28の中空部に芯金30が挿入された構造を有している。また、本体部28の軸方向の両側は、芯金30を回転軸として回転可能に支持されるベアリング32,34が設けられるとともに、芯金30の軸方向の両端部(芯金30の両端から本体部28の両端までの間の領域)のそれぞれに、略鉛直方向に着磁された永久磁石36,38が内蔵(固定)されている。
図2は、圧胴12の周面14における軸方向の一方の端部を拡大して図示した平面図である。同図に示すように、磁界発生部26(24)は、カム部22(20)の頂点22A及び、該頂点22Aから媒体13の搬送方向の上流側の半分(図2における下側半分)の下り斜面を含み、カム部22の圧胴12の周方向における媒体搬送方向上流側の端部(カム部22と周面14との境界部)22Bから、少なくとも圧胴12の周方向へ用紙押さえローラ16の本体部28の直径以上の長さS(≧D)の範囲に設けられており、用紙押さえローラ16が圧胴12の周面14に着地してから、用紙押さえローラ16一回転する間、磁界発生部26による磁界を用紙押さえローラ16に作用させることができるよう、S>(D×π)とする態様がより好ましい。
図3は、用紙押さえローラ16の全体構成を示す斜視図であり、図4は、図3中A-A線に沿う断面図である。図3に示すように、用紙押さえローラ16は、芯金30がフレーム40に固定される構造を有している。すなわち、芯金30及び永久磁石36,38(図3中不図示、図1参照)はフレーム40に固定され、本体部28及びベアリング32,34は、フレーム40に対して芯金30を回転軸として回転可能に支持されている。かかる構造を有する用紙押さえローラ16は、フレームに支持された状態で圧胴12の周面14へ所定の付勢力で付勢される。
図4に示すように、永久磁石36,38は圧胴12の磁界発生部24,26に対応して、芯金30のベアリング32,34を支持する位置の内部に固定されている。なお、永久磁石36,38の固定位置は、芯金30の長手方向の端部から本体部28の軸方向の両端までの間でよい。図4に示すように、永久磁石36,38は圧胴12がN極、圧胴12と反対側がS極となっている。
(圧胴と用紙押さえローラとの当接及び離間の説明)
次に、圧胴12から用紙押さえローラ16を離間させる構成、及び圧胴12へ用紙押さえローラ16を当接させる構成について説明する。図5は、圧胴12及び用紙押さえローラ16を圧胴12の側面から見た図であり、圧胴12の周面14に当接している用紙押さえローラ16が圧胴12の周面14から離間する直前の状態が図示されている。かかる状態は、用紙押さえローラ16の本体部28が圧胴12の周面14に接触しながら、同図における時計回り方向へ従動回転している。本例に示す圧胴12の磁界発生部24,26は、圧胴12の径方向に励磁された永久磁石が適用される。図5に示すように、永久磁石は圧胴12の外側がN極、内側がS極となっている。
図6は、用紙押さえローラ16の本体部28が圧胴12の周面14から離間した状態が図示されている。また、図7は図6の拡大図である。用紙押さえローラ16のベアリング32,34の軸方向の位置は、カム部20,22の軸方向の位置に対応するように、圧胴12と用紙押さえローラ16は位置決めされているので、圧胴12のカム部20,22が用紙押さえローラ16の位置に到達すると、用紙押さえローラ16のベアリング32,34がカム部20,22に乗り上げることで、圧胴12の周面14から用紙押さえローラ16の本体部28が離間する。
カム部20,22の高さは、用紙押さえローラ16が乗り上げたときに用紙押さえローラ16の本体部28がグリッパー18に接触しないように決められている。図7に示すように、用紙押さえローラ16がカム部22(20)の頂点に達すると、用紙押さえローラ16に内蔵された永久磁石38(36)のN極と、カム部22に設けられた永久磁石のN極が近接し、これらの間に反発力が作用する。この反発力が作用した状態で用紙押さえローラ16はカム部22の下り斜面を下降する。
図8は、カム部22の下り斜面を下降した用紙押さえローラ16が圧胴12の周面14に着地した状態が図示されている。また、図9は図8の一部拡大図であり、図10は図9に示す圧胴12及び用紙押さえローラ16を側面から見た図である。用紙押さえローラ16の本体部28が圧胴12の周面14に着地する際にも、圧胴12の磁界発生部26(24)と用紙押さえローラ16に内蔵された永久磁石38(36)との間の反発力が作用する。そうすると、この反発力は用紙押さえローラ16の付勢力を妨げる方向に作用するので、用紙押さえローラ16が圧胴12の周面14に着地する際の衝撃が緩和される。
さらに圧胴12が回転して磁界発生部26の配置領域を抜けると、当該反発力の作用がなくなり、用紙押さえローラ16には付勢力のみが作用する。衝撃緩和に必要な反発力は、5Nから10N程度であり、かかる反発力を発生させるための磁界発生部24,26及び永久磁石36,38は、0.5〜1.0Tの磁束密度に対応するようにサイズが設計される。なお、圧胴12の回転速度は2700rpmであり、用紙押さえローラの質量は10kgである。
また、本例に示す圧胴12は、直径が450mm、カム部20,22の圧胴12の周面14からの高さは2mm、用紙押さえローラ16の本体部28の直径は80mm、芯金30の直径は70mm、ベアリング32,34の直径は79.7mmである。
上記の如く構成された媒体搬送装置10によれば、用紙押さえローラ16がカム部20,22の下り斜面を下降する際、及び用紙押さえローラ16が圧胴12の周面14へ着地する際に、圧胴12の周面14に設けられた磁界発生部24,26と用紙押さえローラ16に内蔵された永久磁石36,38との間に反発力を作用させるので、用紙押さえローラ16が圧胴12の周面14に着地する際の衝撃が緩和される。
本例では、圧胴12に設けられる磁界発生部24,26の構成として、圧胴12の軸方向の両端部に円弧状の永久磁石を備える態様を例示したが、永久磁石に代わり、圧胴12の周面14における所定領域を磁化する態様も可能である。なお、用紙押さえローラ16に内蔵される永久磁石36,38を固定する芯金30は非磁性体を用いてもよい。
本例では、用紙押さえローラ16とグリッパー18との接触を回避する構成について説明したが、本発明の適用範囲は用紙押さえローラ16に限定されない。例えば、ローラ塗布方式により媒体へ液体を塗布する塗布ローラや、媒体を加圧する加圧ローラなど、圧胴搬送方式において圧胴に支持される媒体に当接(接触)させる当接部材を備えた構成に対して、広く適用することが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る媒体搬送装置について説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る媒体搬送装置に適用される用紙押さえローラの一方の端部を拡大して図示した一部拡大図である。なお、以下の説明において、先に説明した第1実施形態と同一又は共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
同図に示す用紙押さえローラ116は、芯金30の内部に電磁石136が固定される構造を有しており、外部から励磁電流が供給されると磁石として機能する。また、励磁電流の向きの切り換えにより、発生させる磁界の方向の切り換えが可能に構成されている。なお、図11に図示しない用紙押さえローラ116(芯金30)の他方の端部にも電磁石が内蔵されている。
図12は、図11の断面図である。同図に示すように、電磁石136の巻線の両端はそれぞれコネクタ(レセプタクル)142の接続ピン(不図示)に接合される。コネクタ142は芯金30の端部に固定される。このコネクタ142には不図示のハーネスが接続され、該ハーネスは用紙押さえローラ116の外部に設けられる励磁電流供給部(図13に符号158を付して図示)に接続される。すなわち、該励磁電流供給部から供給される励磁電流は、ハーネス、コネクタを介して電磁石136に供給される。
また、図13に示すように、第2実施形態に係る媒体搬送装置100に適用される圧胴112は、カム部20,22の頂点20A,22Aから媒体搬送方向の上流側と、圧胴112の周方向におけるカム部20,22とカム部20,22との間の全域にわたって磁界発生部124,126が設けられている。磁界発生部124,126には、径方向に励磁させた永久磁石が適用され、圧胴112の外側がN極、内側がS極となっている。
図14は、第2実施形態に係る制御系の概略構成を示すブロック図である。同図に示すメイン制御部150は、当該媒体搬送装置を統括制御するブロックであり、不図示のメモリのメモリコントローラとして機能する。メイン制御部150は、圧胴制御部152に対して圧胴12の回転及び停止の指令信号を送出するとともに、圧胴12の回転速度を制御する指令信号を送出する。すなわち、メイン制御部150は圧胴制御部152を介して、圧胴12を回転動作させる圧胴駆動部154の動作制御を行う。圧胴駆動部154の構成例として、圧胴12の回転軸に連結されるギアと、該ギアを回転させるモータと、を含む態様が挙げられる。かかる圧胴12の搬送制御ブロックは、先に説明した第1実施形態にも適用される。
また、メイン制御部150は、励磁制御部156を介して電磁石136,138に供給される励磁電流の電流値及び向きを制御する。例えば、センサ160のより用紙押さえローラ116に対する圧胴112の位置を検出し、カム部の頂点が用紙押さえローラ116の位置に到達すると、励磁制御部156は電磁石136,138に対して所定の励磁電流を供給し、センサ160により用紙押さえローラ116が圧胴12の周面14に着地したことを検出すると、励磁制御部156は電磁石136,138に対する励磁電流の供給を停止させる。
センサ160は、圧胴112に設けられた位置センサでもよいし、圧胴112の回転数に対応する周波数を有し、圧胴112の回転量に対応するパルス数を有するパルス信号を発生させるエンコーダでもよい。
さらに、図15に示すように、カム部20,22の頂点が用紙押さえローラ116の位置に到達すると(ステップS10)、用紙押さえローラ116に内蔵される電磁石136,138は圧胴112側がN極(圧胴12の外側の磁界と同極性)になるように励磁電流が供給される(ステップS12)。そうすると、カム部20,22と用紙押さえローラ116との間に生じる磁界により反発力が作用する。
この反発力は、用紙押さえローラ116が圧胴112の周面14に着地するまで維持される。用紙押さえローラ116が圧胴112の周面14に着地すると(ステップS14)、電磁石136,138に供給される励磁電流の向きを反転させ(ステップS16)、圧胴112側がS極(圧胴12の外側の磁界と逆極性)となる。励磁電流の向きの切換制御は、図14に図示した励磁制御部156により行われる。
かかる構成によって、用紙押さえローラ116がカム部20,22を下降する際、及び圧胴112の周面14に着地する際には、圧胴12と用紙押さえローラ116との間に反発力を作用させることで、用紙押さえローラ116が圧胴112の周面14に着地する際の衝撃が緩和される。一方、用紙押さえローラ116を圧胴112の周面14に当接させている間は、圧胴112と用紙押さえローラ116との間に吸引力を作用させ、用紙押さえローラ116を圧胴112の周面14に当接させる際の付勢力が強化される。
なお、圧胴112の周面14に支持される媒体が用紙押さえローラ116による押圧位置を通過した後は、用紙押さえローラ116に内蔵された電磁石136,138の励磁電流をオフするように構成してもよい。また、磁界発生部124,126の圧胴112の周方向(媒体搬送方向)における長さは、最大サイズの媒体の同方向における最大長さ以上であればよい。
〔他の装置への応用例〕
次に、上述した媒体搬送装置の他の装置への応用例として、圧胴搬送方式が適用されるインクジェット記録装置を例に挙げて説明する。本発明に係る媒体搬送装置は、以下に説明するインクジェット記録装置200において、ローラ塗布方式により記録媒体へ処理液を塗布する処理液塗布部230と、加熱加圧定着方式により描画後の記録媒体に定着処理を施す定着処理部260に適用される。
図16に示すインクジェット記録装置200は、主として、給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、及び排出部270を備えて構成される。処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260の前段に搬送される記録媒体214の受け渡しを行う手段として渡し胴232,242,252,262が設けられるとともに、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260のそれぞれに記録媒体214を保持しながら搬送する手段として、ドラム形状を有する圧胴234,244,254,264が設けられている。
渡し胴232〜262及び圧胴234〜264は、外周面の所定位置に記録媒体214の先端部を挟んで保持するグリッパー280A,280Bが設けられている。グリッパー280Aとグリッパー280Bにおける記録媒体214の先端部を挟んで保持する構造、及び他の圧胴又は渡し胴に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う構造を同一であり、かつ、グリッパー280Aとグリッパー280Bは、圧胴234の外周面の圧胴234の回転方向について180°移動させた対称位置に配置されている。
グリッパー280A,280Bにより記録媒体214の先端部を狭持した状態で渡し胴232〜262及び圧胴234〜264を所定の方向に回転させると、渡し胴232〜262及び圧胴234〜264の外周面に沿って記録媒体214が回転搬送される。
なお、図16中、圧胴234に備えられるグリッパー280A,280Bのみ符号を付し、他の圧胴及び渡し胴のグリッパーの符号は省略する。
給紙部220に収容されている記録媒体(枚葉紙)214が処理液塗布部230に給紙されると、圧胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体214の記録面」とは、圧胴234〜264の保持された状態における外側面であり、圧胴234〜264に保持される面と反対面である。
その後、凝集処理液が付与された記録媒体214は描画部240に送出され、描画部240において記録面の凝集処理液が付与された領域に色インクが付与され、所望の画像が形成される。
さらに、該色インクによる画像が形成された記録媒体214は乾燥処理部250に送られ、乾燥処理部250において乾燥処理が施されるとともに、乾燥処理後に定着処理部260に送られ、定着処理が施される。乾燥処理及び定着処理が施されることで、記録媒体214上に形成された画像が堅牢化される。このようにして、記録媒体214の記録面に所望の画像が形成され、該画像が記録媒体214の記録面に定着した後に、排出部270から装置外部に搬送される。
以下、インクジェット記録装置200の各部(給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、排出部270)について詳細に説明する。
(給紙部)
給紙部220は、給紙トレイ222と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体214は給紙トレイ222から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ222から送り出された記録媒体214は、渡し胴(給紙胴)232のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。
(処理液塗布部)
処理液塗布部230は、給紙胴32から受け渡された記録媒体214を外周面に保持して記録媒体214を所定の搬送方向へ搬送する圧胴(処理液ドラム)234と、処理液ドラム234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に処理液を付与する処理液塗布部230と、含んで構成されている。処理液ドラム234を図16における反時計回りに回転させると、記録媒体214は処理液ドラム234の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
図16に示す処理液塗布部230は、処理液ドラム234の外周面(記録媒体保持面)と対向する位置に設けられている。処理液塗布部230の構成例として、処理液が貯留される処理液容器と、処理液容器の処理液に一部が浸漬され、処理液容器内の処理液を汲み上げる汲み上げローラと、汲み上げローラにより汲み上げられた処理液を記録媒体214上に移動させる塗布ローラ(ゴムローラ)と、を含んで構成される態様が挙げられる。
なお、処理液ドラム234に設けられるグリッパーは周面よりも突出した構造を有しているので、塗布ローラとグリッパーとの衝突を回避可能に構成するために、本発明に係る媒体搬送装置が適用される。
処理液塗布部230により記録媒体214に付与される処理液は、描画部240で付与されるインク中の色材(顔料)を凝集させる色材凝集剤を含有し、記録媒体214上で処理液とインクとが接触すると、インク中の色材と溶媒との分離が促進される。
処理液塗布部230は、記録媒体214に塗布される処理液量を計量しながら塗布することが好ましく、記録媒体214上の処理液の膜厚は、描画部240から打滴されるインク液滴の直径より十分に小さくすることが好ましい。
(描画部)
描画部240は、記録媒体214を保持して搬送する圧胴(描画胴)244と、記録媒体214を描画胴244に密着させるための用紙押さえローラ246と、記録媒体214にインクを付与するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yを備えている。
描画胴244の基本構造は先に説明した処理液ドラム234と共通しているが、記録媒体214の先端部を挟持するグリッパー280A,280Bが、周面(図2に符号104を付して図示する。)から突出しないように配置されている点で構造上相違している。描画胴244の詳細な説明は後述することとする。
用紙押さえローラ246は、描画胴244の外周面に記録媒体214を密着させるためのガイド部材であり、描画胴244の外周面に対向し、渡し胴42と描画胴244との記録媒体214の受渡位置よりも記録媒体214の搬送方向下流側であり、且つ、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yよりも記録媒体214の搬送方向上流側に配置される。
また、用紙押さえローラ246と記録媒体214の搬送方向における最上流側のインクジェットヘッド248Yとの間には、用紙浮き検出センサ(不図示)が配置されている。該用紙浮き検出センサは、記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下に進入する直前の浮き量を検出している。本例に示すインクジェット記録装置200は、用紙浮き検出センサにより検出された記録媒体214の浮き量が所定のしきい値を超える場合には、その旨を報知するとともに記録媒体214の搬送を中断させるように構成されている。
渡し胴42から描画胴244に受け渡された記録媒体214は、グリッパー(符号省略)によって先端が保持された状態で回転搬送される際に、用紙押さえローラ246によって押圧され、描画胴244の外周面に密着する。このようにして、記録媒体214を描画胴244の外周面に密着させた後に、描画胴244の外周面から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に送られる。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yはそれぞれ、マゼンダ(M)、黒(K)、シアン(C)、イエロー(Y)の4色のインクに対応しており、描画胴244の回転方向(図16における反時計回り方向)に上流側から順に配置されるとともに、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのインク吐出面(ノズル面)が描画胴244に保持された記録媒体214の記録面と対向するように配置される。なお、「インク吐出面(ノズル面)」とは、記録媒体214の記録面と対向するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの面であり、後述するインクが吐出されるノズル(不図示)が形成される面である。
また、図16に示すインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面とインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面が略平行となるように、水平面に対して傾けられて配置されている。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、記録媒体214における画像形成領域の最大幅(記録媒体214の搬送方向と直交する方向の長さ)に対応する長さを有するフルライン型のヘッドであり、記録媒体214の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面(液体吐出面)には、記録媒体214の画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルがマトリクス配置されて形成されている。
記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に搬送されると、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから記録媒体214の凝集処理液が付与された領域に画像データに基づいて各色のインクが吐出(打滴)される。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから、対応する色インクの液滴が、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面に向かって吐出されると、記録媒体214上で処理液とインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料系色材)又は不溶化する色材(染料系色材)の凝集反応が発現し、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体214上に形成された画像における色材の移動(ドットの位置ずれ、ドットの色ムラ)が防止される。
また、描画部240の描画胴244は、処理液塗布部230の処理液ドラム234に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yに処理液が付着することがなく、インクの吐出異常の要因を低減することができる。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
(乾燥処理部)
乾燥処理部250は、画像形成後の記録媒体214を保持して搬送する圧胴(乾燥ドラム)254と、該記録媒体214上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す乾燥処理部250を備えている。なお、乾燥ドラム254の基本構造は、先に説明した処理液ドラム234及び描画胴244と共通しているので、ここでの説明は省略する。
乾燥処理部250は、乾燥ドラム254の外周面に対向する位置に配置され、記録媒体214に存在する水分を蒸発させる処理部である。描画部240により記録媒体214にインクが付与されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分(溶媒成分)及び処理液の液体成分(溶媒成分)が記録媒体214上に残留してしまうので、かかる液体成分を除去する必要がある。
乾燥処理部250は、ヒータによる加熱、ファンによる送風、又はこれらを併用して記録媒体214上に存在する液体成分を蒸発させる乾燥処理を施し、記録媒体214上の液体成分を除去するための処理部である。記録媒体214に付与される加熱量及び送風量は、記録媒体214上に残留する水分量、記録媒体214の種類、及び記録媒体214の搬送速度(干渉処理時間)等のパラメータに応じて適宜設定される。
乾燥処理部250による乾燥処理が行われる際に、乾燥処理部250の乾燥ドラム254は、描画部240の描画胴244に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yにおいて、熱又は送風によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの吐出異常の要因を低減することができる。
記録媒体214のコックリングの矯正効果を発揮させるために、乾燥ドラム254の曲率を0.002(1/mm)以上とするとよい。また、乾燥処理後の記録媒体の湾曲(カール)を防止するために、乾燥ドラム254の曲率を0.0033(1/mm)以下とするとよい。
また、乾燥ドラム254の表面温度を調整する手段(例えば、内蔵ヒータ)を備え、該表面温度を50℃以上に調整するとよい。記録媒体214の裏面から加熱処理を施すことによって乾燥が促進され、次段の定着処理時における画像破壊が防止される。かかる態様において、乾燥ドラム254の外周面に記録媒体214を密着させる手段を具備するとさらに効果的である。記録媒体214を密着させる手段の一例として、真空吸着、静電吸着などが挙げられる。
なお、乾燥ドラム254の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム254の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
このように構成された乾燥ドラム254の外周面に、記録媒体214の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体214の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥処理を施すことで、記録媒体214のシワや浮きに起因する乾燥ムラが確実に防止される。
(定着処理部)
定着処理部260は、記録媒体214を保持して搬送する圧胴(定着ドラム)264と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体214に加熱処理を施すヒータ266と、該記録媒体214を記録面側から押圧する定着ローラ268と、を備えて構成される。なお、定着ドラム264基本構造は処理液ドラム234、描画胴244、及び乾燥ドラム254と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ266及び定着ローラ268は、定着ドラム264の外周面に対向する位置に配置され、定着ドラム264の回転方向(図16において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部260では、記録媒体214の記録面に対してヒータ266による予備加熱処理が施されるとともに、定着ローラ268による定着処理が施される。ヒータ266の加熱温度は記録媒体の種類、インクの種類(インクに含有するポリマー微粒子の種類)などに応じて適宜設定される。例えば、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度や最低造膜温度とする態様が考えられる。
定着ローラ268は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体214を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ268は、定着ドラム264に対して圧接するように配置されており、定着ドラム264との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体214は、定着ローラ268と定着ドラム264との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
定着ローラ268の構成例として、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成する態様が挙げられる。かかる加熱ローラで記録媒体214を加熱することによって、インクに含まれるポリマー微粒子のガラス転移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
この状態で記録媒体214の記録面に加圧を施すと、記録媒体214の凹凸に溶融したポリマー微粒子が押し込み定着されるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、好ましい光沢性を得ることができる。なお、画像層の厚みやポリマー微粒子のガラス転移点温度特性に応じて、定着ローラ268を複数段設けた構成も好ましい。
また、定着ローラ268の表面硬度は71°以下であることが好ましい。定着ローラ268の表面をより軟質化することで、コックリングにより生じた記録媒体214の凹凸に対して追随効果を期待でき、記録媒体214の凹凸に起因する定着ムラがより効果的に防止される。
本発明にかかる媒体搬送装置は、定着処理部260に適用可能である。すなわち、定着ローラ268とグリッパーとの衝突を回避する構成において、定着ローラ268に着地による衝撃を緩和することが可能となる。
図16に示すインクジェット記録装置200は、定着処理部260の処理領域の後段(記録媒体搬送方向の下流側)には、インラインセンサ282が設けられている。インラインセンサ282は、記録媒体214に形成された画像(又は記録媒体214の余白領域に形成されたチェックパターン)を読み取るためのセンサであり、CCDラインセンサが好適に用いられる。
本例に示すインクジェット記録装置200は、インラインセンサ282の読取結果に基づいてインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの吐出異常の有無が判断される。また、インラインセンサ282は、水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段を含む態様も可能である。かかる態様において、水分量、表面温度、光沢度の読取結果に基づいて、乾燥処理部250の処理温度や定着処理部260の加熱温度及び加圧圧力などのパラメータを適宜調整し、装置内部の温度変化や各部の温度変化に対応して、上記制御パラメータが適宜調整される。
(排出部)
図16に示すように、定着処理部260に続いて排出部270が設けられている。排出部270は、張架ローラ272A,272Bに巻きかけられた無端状の搬送チェーン274と、画像形成後の記録媒体214が収容される排出トレイ276と、を備えて構成されている。
定着処理部260から送り出された定着処理後の記録媒体214は、搬送チェーン274によって搬送され、排出トレイ276に排出される。
また、インクジェット記録装置など写真プリントやポスター印刷などのいわゆるグラフィック印刷の用途に限定されず、レジスト印刷装置、電子回路基板の配線描画装置、微細構造物形成装置など、画像として把握できるパターンを形成し得る工業用途の装置も包含する。
<付記>
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):円筒形状を有し、中心軸について回転して周面に支持された媒体を回転搬送し、周面に支持された媒体の搬送方向と略直交する方向の全幅に対応する長さにわたって、当該媒体の前記搬送方向における端部を固定する固定部材が設けられるとともに、前記固定部材の前記搬送方向と略直交する方向における両端の外側のそれぞれに、前記固定部材の高さを超える高さを有して周面に対して突出した構造を有するカム部が設けられる圧胴と、前記搬送方向と略直交する方向について、一方のカム部と他方のカム部との間隔を超える長さを有し、前記圧胴の周面に支持される媒体に当接するように付勢される一方、前記固定部材と接触しないように前記カム部に乗り上げる構造を有する当接部材と、を備え、前記圧胴は、少なくとも前記カム部に乗り上げた前記当接部材が着地する周面上の位置に所定の磁界を発生させる第1の磁界発生部を具備し、前記当接部材は、前記第1の磁界発生部により発生した磁界に対して反発力を生じる磁界を発生させる第2の磁界発生部を具備することを特徴とする媒体搬送装置。
本発明によれば、圧胴に設けられた固定部材と、圧胴に当接させる当接部材との接触を回避するためにカム部に乗り上げた当接部材が圧胴の周面に着地する位置に設けられた第1の磁界発生部による磁界と、当接部材に設けられた第2の磁界発生部による磁界によって圧胴と当接部材との間に反発力が作用するので、当接部材が圧胴の周面に着地する際の衝撃が緩和される。また、圧胴を移動させるための機構などを備える必要がなく、装置の大型化を回避することが可能である。
当接部材の具体例として、圧胴の周面に支持された媒体を押圧する押圧部材や、圧胴の周面に支持された媒体に液体を塗布する塗布部材などが挙げられる。
(発明2):発明1に記載の媒体搬送装置において、前記第1の磁界発生部は、少なくとも前記カム部の頂点から前記当接部材が着地する周面上の位置までの間に磁界を発生させることを特徴とする。
かかる態様によれば、カム部の頂点から当接部材が下降する際、及び圧胴の周面に当接部材が着地する際に、圧胴と当接部材との間に反発力を作用させることができ、当接部材による圧胴への衝撃を緩和することができる。
(発明3):発明1又は2に記載の媒体搬送装置において、前記第1の磁界発生部は、前記圧胴の径方向に着磁された第1の永久磁石を含むことを特徴とする。
かかる態様によれば、簡単な構造を用いて反発力を生じさせる磁界を発生させることができる。
(発明4):発明3に記載の媒体搬送装置において、前記第2の磁界発生部は、前記第1の永久磁石の着磁方向と略同一方向に着磁された第2の永久磁石を含み、前記第2の永久磁石は、前記当接部材が前記圧胴の周面に近接した状態で前記第1の永久磁石と同じ極が対向するように配置されることを特徴とする。
かかる態様によれば、簡単な構造で圧胴と当接部材との間に磁界によって生じた反発力を作用させることができる。
かかる態様において、当接部材に第2の永久磁石を内蔵する態様が好ましい。
(発明5):発明4に記載の媒体搬送装置において、前記第2の永久磁石は、前記当接部材が前記圧胴に当接する位置における前記周面の法線方向に着磁されることを特徴とする。
かかる態様によれば、圧胴と当接部材との間により強力な反発力を作用させることができる。
(発明6):発明1乃至5のいずれかに記載の媒体搬送装置において、前記第2の永久磁石は、前記当接部材の前記カム部と接触する部分の内部に設けられることを特徴とする。
かかる態様によれば、第1の磁界発生部と第2の磁界発生部とをより近接させることができ、当接部材との間により強力な反発力を作用させることができる。
かかる態様において、前記当接部材の前記カム部と接触する部分は非磁性体でもよい。
(発明7):発明1乃至6のいずれかに記載の媒体搬送装置において、前記第1の磁界発生部は、前記圧胴に支持される媒体の前記搬送方向における最大長さに対応して設けられるとともに、前記当接部材が前記圧胴に支持された媒体に当接する位置では、前記第1の磁界発生部により発生した磁界との間に吸引力を生じる磁界を発生させるように、前記第2の磁界発生部により発生させる磁界の向きを切り換える切換手段を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、当接部材が圧胴の周面に着地した後は、圧胴と当接部材との間に吸引力を発生させることで、当接部材の圧胴に対する押圧力が補強される。
(発明8):発明7に記載の媒体搬送装置において、前記第2の磁界発生部は、電磁石を含み、前記切換手段は、前記電磁石に供給される励磁電流の向きを切り換えて前記電磁石の磁界の向きを切り換えることを特徴とする。
かかる態様によれば、第2の磁界発生部の磁界の方向を簡単な方法による切り換えることができる。
(発明9):発明1乃至8のいずれかに記載の媒体搬送装置において、前記圧胴は、前記固定部材及び前記カム部が、周方向に180°ずらした位置のそれぞれに設けられる構造を有することを特徴とする。
かかる態様によれば、圧胴の稼働率を上げることができ、媒体を短時間に大量に搬送することが可能となる。
(発明10):発明1乃至9のいずれかに記載の媒体搬送装置において、前記当接部材は、前記圧胴の周面に媒体を密着させる媒体押さえ部材、前記圧胴の周面に支持された媒体へ液体を塗布する塗布部材、及び前記圧胴の周面に支持された媒体を加圧する加圧部材の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
かかる態様における媒体押さえ部材、塗布部材、加圧部材として、円筒液状を有するローラを有し、該ローラを媒体に接触させる態様が挙げられる。
10,100…媒体搬送装置、12,122…圧胴、14…周面、16,116…用紙押さえローラ、18…グリッパー、20,22…カム部、26,28,126,128…磁界発生部、36,38…永久磁石、136,138…電磁石

Claims (10)

  1. 円筒形状を有し、中心軸について回転して周面に支持された媒体を回転搬送し、周面に支持された媒体の搬送方向と略直交する方向の全幅に対応する長さにわたって、当該媒体の前記搬送方向における端部を固定する固定部材が設けられるとともに、前記固定部材の前記搬送方向と略直交する方向における両端の外側のそれぞれに、前記固定部材の高さを超える高さを有して周面に対して突出した構造を有するカム部が設けられる圧胴と、
    前記搬送方向と略直交する方向について、一方のカム部と他方のカム部との間隔を超える長さを有し、前記圧胴の周面に支持される媒体に当接するように付勢される一方、前記固定部材と接触しないように前記カム部に乗り上げる構造を有する当接部材と、
    を備え、
    前記圧胴は、少なくとも前記カム部に乗り上げた前記当接部材が着地する周面上の位置に所定の磁界を発生させる第1の磁界発生部を具備し、
    前記当接部材は、前記第1の磁界発生部により発生した磁界に対して反発力を生じる磁界を発生させる第2の磁界発生部を具備することを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 請求項1に記載の媒体搬送装置において、
    前記第1の磁界発生部は、少なくとも前記カム部の頂点から前記当接部材が着地する周面上の位置までの間に磁界を発生させることを特徴とする媒体搬送装置。
  3. 請求項1又は2に記載の媒体搬送装置において、
    前記第1の磁界発生部は、前記圧胴の径方向に着磁された第1の永久磁石を含むことを特徴とする媒体搬送装置。
  4. 請求項3に記載の媒体搬送装置において、
    前記第2の磁界発生部は、前記第1の永久磁石の着磁方向と略同一方向に着磁された第2の永久磁石を含み、
    前記第2の永久磁石は、前記当接部材が前記圧胴の周面に近接した状態で前記第1の永久磁石と同じ極が対向するように配置されることを特徴とする媒体搬送装置。
  5. 請求項4に記載の媒体搬送装置において、
    前記第2の永久磁石は、前記当接部材が前記圧胴に当接する位置における前記周面の法線方向に着磁されることを特徴とする媒体搬送装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
    前記第2の永久磁石は、前記当接部材の前記カム部と接触する部分の内部に設けられることを特徴とする媒体搬送装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
    前記第1の磁界発生部は、前記圧胴に支持される媒体の前記搬送方向における最大長さに対応して設けられるとともに、
    前記当接部材が前記圧胴に支持された媒体に当接する位置では、前記第1の磁界発生部により発生した磁界との間に吸引力を生じる磁界を発生させるように、前記第2の磁界発生部により発生させる磁界の向きを切り換える切換手段を備えたことを特徴とする媒体搬送装置。
  8. 請求項7に記載の媒体搬送装置において、
    前記第2の磁界発生部は、電磁石を含み、
    前記切換手段は、前記電磁石に供給される励磁電流の向きを切り換えて前記電磁石の磁界の向きを切り換えることを特徴とする媒体搬送装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
    前記圧胴は、前記固定部材及び前記カム部が、周方向に180°ずらした位置のそれぞれに設けられる構造を有することを特徴とする媒体搬送装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
    前記当接部材は、前記圧胴の周面に媒体を密着させる媒体押さえ部材、前記圧胴の周面に支持された媒体へ液体を塗布する塗布部材、及び前記圧胴の周面に支持された媒体を加圧する加圧部材の少なくともいずれかを含むことを特徴とする媒体搬送装置。
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