JP2011183593A - レンズ成型用金型及びレンズ成型方法、並びにレンズ及びピックアップ装置 - Google Patents

レンズ成型用金型及びレンズ成型方法、並びにレンズ及びピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成型後のバリ除去加工を行うことなくレンズホルダに取り付け可能なレンズを成型するためのレンズ成型用金型及びレンズ成型方法、並びにレンズ及びピックアップ装置を提供する。
【解決手段】レンズ成型用金型が、レンズの第1レンズ面を成型するための第1金型部と、レンズの第2レンズ面を成型するための第2金型部とを有し、第1金型部及び第2金型部の少なくとも一方の、他方の金型部と当接する当接面には、エアベント溝が形成されており、エアベント溝が形成された金型部の、レンズの筒状面を形成する外周形成面の少なくとも該エアベント溝周辺には、該エアベント溝によるバリを収容する凹部を形成するための凸面が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レンズ成型用金型及びレンズ成型方法、並びにレンズ及びピックアップ装置に関する。
CD、DVD等の光ディスクから情報を読み取る光ディスクドライブは、ピックアップ装置を有している。ピックアップ装置は、少なくとも一基のレーザ光源と、レーザ光源から出射するレーザ光を光ディスク上で集光させるレンズを有する。
レンズは、一般的に射出成型によって成型される樹脂成型品である。レンズを成型するための金型の一例を特許文献1に示す。
特開2008−126611号公報
特許文献1に示されるように、レンズを射出成型によって成型する場合、金型の中の空気を金型外部に押し出すためのエアベント溝を、金型に形成する必要がある。そして、レンズの成型時に、金型に注入される樹脂が、エアベント溝に達することによって、レンズにバリが形成される。
このようなレンズのバリは、ピックアップ装置のレンズホルダと干渉する可能性があり、レンズを位置決めする際の障害となり得る。そのため、従来は、レンズ成型後にバリを除去する切削加工を行っていた。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、成型後のバリ除去加工を行うことなくレンズホルダに取り付け可能なレンズを成型するためのレンズ成型用金型及びレンズ成型方法、並びにレンズ及びピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のレンズ成型用金型は、レンズの第1レンズ面を成型するための第1金型部と、レンズの第2レンズ面を成型するための第2金型部とを有し、第1金型部及び第2金型部の少なくとも一方の、他方の金型部と当接する当接面には、エアベント溝が形成されており、エアベント溝が形成された金型部の、レンズの筒状面を形成する外周形成面の少なくとも該エアベント溝周辺には、該エアベント溝によるバリを収容する凹部を形成するための凸面が形成されている。
このような構成とすると、レンズの筒状面の凹部からバリが伸びるため、バリの先端が外側に大きく突出することはなく、バリを除去しない状態であっても、バリがピックアップ装置のレンズホルダに干渉することはない。従って、本発明の金型によって形成されたレンズは、バリ除去を行うことなくレンズホルダに取り付け可能である。
好ましくは凸面が、前記レンズの筒状面に沿った形状となっている。
また、レンズの筒状面が、円筒面である構成とすることが好ましい。
また、外周形成面の凸面の高さが、前記エアベント溝の厚さの1.5倍以上である構成とすることが好ましい。
また、エアベント溝が、第1金型部と第2金型部の両方に形成されている構成としてもよい。
また、上記の目的を達成するため、本発明のレンズ成型方法は、上記いずれかに記載のレンズ成型用金型に、溶融した樹脂材料を注入してレンズを成型することを特徴とする。
また、本発明のピックアップ装置は、上記いずれかに記載のレンズと、このレンズを保持するホルダとを備えたものとなっている。
以上のように、本発明によれば、成型後のバリ除去加工を行うことなくレンズホルダに取り付け可能なレンズを成型するためのレンズ成型用金型及びレンズ成型方法、並びにレンズ及びピックアップ装置が実現される。
図1は、本発明の実施の形態のレンズ及びレンズを成型するための金型の断面図である。 図2は、本発明の実施の形態の、成型が終わった後の上金型部及び上金型部の凹部に収容されるレンズを示したものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態においては、レンズ1はプラスチック製であり、金型200に溶融した樹脂を注入する射出成型を行うことによって製造される。レンズ1及び、レンズ1を成型するための金型の断面図を図1に示す。
レンズ1は、一方の面(図中下側)に第1レンズ面R1が、他方の面(図中上側)に第2レンズ面R2が夫々設けられたレンズである。第1レンズ面R1及び第2レンズ面R2はいずれも凸面であり、レンズ1は、凸レンズとして機能する。
レンズ1は光ディスクから情報を読み取る、或いは光ディスクに情報を記録するためのピックアップ装置に使用されるレンズである。ピックアップ装置は、レーザ光源からのレーザ光をレンズ1に入射させ、レンズ1によって集光されるレーザ光を光ディスクに照射する。光ディスクに記録されたデータを読み出す際は、レーザ光は光ディスク上で反射した後、レンズ1を介してピックアップ装置のフォトディテクタに入射する。すなわち、光ディスク上で反射したレーザ光は最終的にフォトディテクタで読み取られるようになっている。なお、ピックアップ装置のレーザ光源及びフォトディテクタは第1レンズ面R1側に設けられており、一方、光ディスクは第2レンズ面R2側に位置するようになっている。
次に、レンズ1の成型方法について説明する。図1に示されるように、レンズ1を成型するための金型200は、下金型部210と、上金型部220とを有する。下金型部210は、外金型(下)211と、内金型(下)212とを有する。外金型(下)211には、穴211aが設けられており、内金型(下)212は、外金型(下)211の穴211aに収容されるようになっている。また、上金型部220は、外金型(上)221と、内金型(上)222とを有する。外金型(上)221には、穴221aが設けられており、内金型(上)222は、外金型(上)221の穴221aに収容されるようになっている。外金型(下)211の上面211bと、外金型(上)221の下面221bは、共にレンズ1の光軸AXに垂直な平面であり、外金型(下)211の上面211bと、外金型(上)221の下面221bとが互いに当接することによって、外金型(上)221は外金型(下)211上で保持される。
内金型(下)212には、レンズ1の第1レンズ面R1を成型する為の凹部212aが形成されている。また、内金型(上)222には、レンズ1の第2レンズ面R2を成型する為の凹部222aが形成されている。
本実施形態においては、内金型(下)212は、外金型(下)211に対して、レンズ1の光軸AXに沿った方向に移動可能となっている。同様に、内金型(上)222は、外金型(上)221に対して、レンズ1の光軸AXに沿った方向に移動可能となっている。内金型(下)212及び内金型(上)222を光軸AXに沿って移動させることにより、様々な厚さのレンズ1を成型することができる。
なお、外金型(上)221の穴221aの内周面と、外金型(下)211の穴211aの内周面は、共に光軸AXを中心とする同一円筒面上に位置している。このような構成とすると、外金型(上)221を外金型(下)211に重ね合わせ、これらをドリルで穿孔することによって、一度に穴211aと221aの双方を形成することが可能となる。そして、外金型(上)221を外金型(下)211に重ね合わせたまま穴211a及び221aをラップ加工することによって、穴211aと221aの内周面は、極めて高い精度にて同心となる円筒面となる。このように、穴211aと221aが高い精度にて同心に形成されているため、穴221aに内金型(上)222を取り付け、且つ、穴211aに内金型(下)212を取り付けた状態では、穴211a及び221aによって内金型(上)222及び内金型(下)212が高精度に位置決めされた状態となり、内金型(上)222の凹部222aと、内金型(下)212の凹部212aとが、偏心無く外金型(上)221及び外金型(下)211に組付けられる。この結果、成型されるレンズ1は、第1レンズ面R1の光軸と第2レンズ面R2の光軸とが極めて高い精度にて一致したレンズとなる。
本実施形態のレンズ1は、上記のように射出成型によって成型されるものである。そのため、成型時に金型200の内部の空気を外に放出できるように、外金型(上)221の下面には金型200の内部と外部とを連通するエアベント溝223が形成されている。射出成型時に溶融した樹脂が金型200の内部に注入されると、注入される樹脂によって金型200の内部の空気がエアベント溝223を介して金型外部に押し出される。なお、エアベント溝223の厚さ(図1中上下方向寸法)Tは、約0.01〜0.02mmである。
レンズ1に形成されるバリについて、以下に説明する。図2は、本実施形態において、成型が終わった後の上金型部220及び、上金型部220の凹部222a(図1)に収容されるレンズ1を示したものである。上記のように、金型200には、エアベント溝223が形成されているため、成型時に樹脂がエアベント溝223に達した状態で固化し、レンズ1にバリBが形成される。
図1及び図2に示されるように、本実施形態のレンズ1は、第1及び第2レンズ面R1及びR2の半径方向外側に、略円環状のフランジ部11が形成された形状となっている。レンズ1は、このフランジ部11にてピックアップ装置に設けられたレンズホルダに保持されるようになっている。レンズホルダは、レンズ1のフランジ部11の外周面12と略同径の円筒面を有しており、レンズホルダの円筒面とフランジ部11の外周面12とが当接することによって、レンズ1の半径方向の位置決めが行われるようになっている。
本実施形態においては、図2に示されるように、外金型(上)221においてレンズ1の外周面12を形成するための外周形成面221cの、エアベント溝223周囲の部分に、レンズ1の半径方向内側に向かって突出する凸面221dが形成されている。すなわち、レンズ1の外周面12において、バリBに近接する部分12aは、外周面12の主部12bと比べて小径の凹部となっている。従って、バリBは、外周面12の主部12bよりも半径方向内側の凹部12aからエアベント溝223に沿って伸びることになる。この結果、レンズ1の光軸AXからバリBの先端部までの長さL1は、光軸AXから外周面12の主部12bまでの長さL2よりも小さくなる(すなわち、外周面12の主部12bを延長した仮想円筒面S(図中破線部)に、バリBが交差することはない)、レンズ1をピックアップ装置のレンズホルダに取り付けたとしても、レンズホルダの円筒面にバリBが干渉することはなく、レンズ1をレンズホルダに正確に位置決めすることができる。
なお、金型200の凸面221dの大きさは極力小さいことが好ましい。そのため、凸面221dは、エアベント溝223近傍のみに形成され、且つ、円筒面である外周形成面221cに沿った円弧状の形状となっている。
また、本実施形態においては、凸面221dの高さDをエアベント溝223の厚さT(図1)の1.5倍以上としている(例えばD=0.03mm)。このような構成とすると、レンズ1の凹部の深さ、すなわち仮想円筒面Sと凹部12aとの間隔(レンズ1の外周面の主部12bにおける半径L2と、レンズ1の凹部12aにおける半径L3との差)は凸面の高さDと略等しい十分な深さとなり、仮想円筒面S(図中破線部)に、バリBが確実に交差されないようになっている。
なお、本実施形態においては、エアベント溝が外金型(上)221のみに形成されているが、外金型(下)211のみにエアベント溝が形成される、或いはエアベント溝が外金型(上)221と外金型(下)211の双方に形成される構成としてもよい。
1 レンズ
11 フランジ部
12 外周面
12a 凹部
12b 主部
200 レンズ成型用金型
210 下金型部
211 外金型(下)
220 上金型部
221 外金型(下)
223 エアベント溝
B バリ

Claims (8)

  1. レンズの第1レンズ面を成型するための第1金型部と、
    前記レンズの第2レンズ面を成型するための第2金型部と、
    を有し、
    前記第1金型部及び前記第2金型部の少なくとも一方の、他方の金型部と当接する当接面には、エアベント溝が形成されており、
    前記エアベント溝が形成された金型部の、レンズの筒状面を形成する外周形成面の少なくとも該エアベント溝周辺には、該エアベント溝によるバリを収容する凹部を形成するための凸面が形成されている
    ことを特徴とするレンズ成型用金型。
  2. 前記凸面が、前記レンズの筒状面に沿った形状となっていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ成型用金型。
  3. 前記レンズの筒状面が、円筒面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズ成型用金型。
  4. 前記外周形成面の凸面の高さが、前記エアベント溝の厚さの1.5倍以上であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ成型用金型。
  5. 前記エアベント溝は、前記第1金型部と前記第2金型部の両方に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレンズ成型用金型。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレンズ成型用金型に、溶融した樹脂材料を注入してレンズを成型することを特徴とするレンズ成型方法。
  7. 請求項6に記載のレンズ成型方法によって製造されたレンズ。
  8. 請求項7に記載のレンズと、前記レンズを保持するホルダとを備えた光ディスク用のピックアップ装置。
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