JP2011177467A - 足置きローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】着座姿勢において、歩行運動と同様の運動を創り出し、足の血行を良好にして、身体の硬直化を防止し、腰痛等を防止することができる。
【解決手段】足置きローラ11は、両端部に断面円形の大径部13,13が形成され中間部に大径部13,13より細い足乗せ部12が形成された軸状のローラであって、足乗せ部12は外周に足裏をマッサージする円弧部22を複数有し、転がり部13によって床Gを転動可能になっている。また、足置きローラ11は、全体が転がりやすい不安定な状態を創り出すので、足を乗せただけで、歩行の要素を取り入れた足の運動を創り出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、着座姿勢で足の裏を乗せるだけで足元の運動を創り出すことができる足置きローラに関する。
従来、身体の疲労回復、健康維持に使用される健康器具としての足裏マッサージローラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この足裏マッサージローラは、略円柱状に形成されていて、外周には多数の突起が設けられている。ユーザは、足裏マッサージローラを床面に置いて足の裏を乗せた状態で、足を前後方向に移動させて足裏マッサージローラを回転させる。これにより、突起が足裏に刺激を与えて、足裏をマッサージするようになっている。
ところで、椅子に座って長時間のデスクワークを行うと、足元の血流が停滞気味となり、身体が硬直化して、腰痛や肩こりの原因となる。腰痛に対しては、運動のなかでも歩行運動が特に効果的であることが、大学機関などでの研究により実証されている。歩行運動は、部分的,局部的な運動ではなく、全身運動であり、また、身体全体の調和、骨格や筋肉のバランスを整える運動である。もちろん、歩行運動は、立って行う運動であり、デスクワーク等の着座姿勢では行うことができない。
本出願人は、デスクワーク等の着座姿勢の中に、なんとか歩行運動の要素を取り入れられないかと考え続け、足元を不安定にさせるという画期的な発想に至った。
足元を不安定にさせて、足元が運動しやすいような環境を創り出し、血流の活性化を促進する。これにより、着座姿勢における全身の硬直を防ぎ、さらに、良い姿勢(楽な姿勢でもある)を採るための一助にもなる。
このような足元の運動を創り出すために、上述の特許文献1に開示されている足裏マッサージローラを使用することが可能である。着座姿勢を採った後、足の裏を足裏マッサージローラの上に乗せる。これにより、無意識のうちに自然と足裏マッサージローラを転がすことになる。これにより、足元に運動が発生する。
特開2001−353202号公報
しかしながら、上述の特許文献1のものは、足裏のマッサージを主眼に構成されているため、ローラ表面に多数の突起があって、これがローラの回転を阻害する。さらに、全体の形状が略円柱状に形成されているために、足裏を乗せての使用中に、無意識に足がローラから外れてしまうおそれがある。これにより、足元の運動が十分に行えない。
そこで、本発明は、着座姿勢における足元の運動を円滑に行うことができるとともに、足の脱落を防止するようにして、足元の十分な運動を可能にした足置きローラを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、足の裏を乗せて転がして使用する足置きローラにおいて、中心軸を基準とした回転体形状に形成されて、足の裏が乗せられる足乗せ部と、前記中心軸に沿っての、前記足乗せ部の一方の端部と他方の端部とにそれぞれ設けられて足の脱落を防止する大径部と、を備える、ことを特徴とする。
上記構成によれば、大径部によって足の脱落を防止しつつ、円滑な回転を実現することができるので、足元の十分な運動が可能となる。
上記構成において、前記足乗せ部は、足裏のアーチに倣って前記中心軸から離れる方向に凸状となるように緩やかに湾曲する曲面で構成された膨出部を有するようにしてもよい。この構成によれば、膨出部に自然な形で、足の裏を乗せることができる。
上記構成において、前記膨出部は、前記中心軸に沿っての略中央部に最大直径部を有し、前記最大直径部の直径が前記大径部の直径よりも大きく設定するようにしてもよい。この構成によれば、足元の不安定な状態をさらに助長することができる。すなわち、足置きローラは、前後方向に回転するのに加えて、左右方向に傾斜することも可能となり、いわゆる3次元的な運動が可能になる。
上記構成において、載置面に載置した際に、前記膨出部の一部と前記大径部の一部とが接触することで、前記中心軸の傾斜角度が決定されるようにしてもよい。この構成によれば、大径部の一部が載置面に接触するまで、足置きローラ(の中心軸)は傾斜することができ、そして、接触することで傾斜が停止される。つまり、大径部は傾斜角度を規制するストッパとして作用する。
上記構成において、前記足乗せ部の前記一方の端部の大径部と前記他方の端部の大径部とで直径が異なるようにしてもよい。この構成によれば、中心軸の最大傾斜角度が、一方の端部側と他方の端部側とで異なる。
上記構成において、前記最大直径部から、前記足乗せ部の前記一方の端部の大径部までの距離と前記他方の端部の大径部までの距離とが異なるようにしてもよい。この構成によれば、中心軸の最大傾斜角度が、一方の端部側と他方の端部側とで異なる。
上記構成において、前記大径部の外周に、載置面との摩擦を増大させる高摩擦部材が取り付けられているようにしてもよい。この構成によれば、不要な滑りが発生しにくく、安定して回転する。
本発明によれば、大径部によって足の脱落を防止しつつ、円滑な回転を実現することができるので、足元の十分な運動が可能となる。すなわち、着座姿勢において、足乗せ部に足の裏を乗せるだけで、足元の運動が自然に円滑に行うことができるようになり、さらに、大径部により、足が脱落しないようにすることができる。これにより、着座姿勢において、歩行運動と同様の運動を創り出し、足の血行を良好にして、身体の硬直化を防止し、腰痛等を防止することができる。
実施形態1における足置きローラ11の外形図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。 図1(B)中のX−X線矢視断面図である。 図1(A)中のY−Y線矢視断面図である。 足置きローラ11の使用動作を説明する図であり、(A)はユーザMが足置きローラ11を使用しているときの正面図、(B)は左側面図、(C)は平面図である。 実施形態2の足置きローラ31を説明する図であって、(A)は左半部が正面図、右半部が点P及び中心軸Cを含む平面で切った断面図を示しており、(B)は右側面図を示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
以下、図1〜図4を参照して、本発明を適用した実施形態1の足置きローラ11について説明する。
図1〜図4のうち、図1は、足置きローラ11の外形を説明する図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。また、図2は、図1(B)中のX−X線矢視断面図である。また、図3は、図1(A)中のY−Y線矢視断面図である。また、図4は、ユーザMが椅子CHに座って足置きローラ11を使用している状態を説明する図であり、(A)は正面図、(B)はユーザMの左側の側面図、(C)は平面図である。
図1に示すように、足置きローラ11は、中心軸Cを基準とした回転体形状に形成されている。足置きローラ11は、略円筒状に形成されていて、中心軸Cに直交する平面で切った断面は、中心軸Cに沿ったいずれの位置においても円形となる。
図4に示すように、足置きローラ11は、床面(載置面)Gに置かれて、ユーザMが足乗せ部12に足Fを置いて前後動させると、大径部13,13で床面FLを往復転動して、足元の運動を行うとともに、足乗せ部12で足Fの裏(足裏)に刺激を与えて、足裏をマッサージするようになっている。足置きローラ11は、外観上、あるいは使い易い重さからして、木製であることが好ましいが、プラスチック製であってもよい。
図1、図2に示すように、足置きローラ11は、中心軸Cに沿っての両端部分に断面円形の大径部13,13が形成され、これら大径部13,13の間(中間部分)に大径部13,13よりも小径の足乗せ部12が形成された円柱状のローラである。足乗せ部12は、外周に、軸方向に沿ってくびれ部21と隆起部としての円弧部22とを交互に複数有している。円弧部22は、中心軸Cを含む断面で切ったときの断面形状が円弧状に形成されて足裏をマッサージする部分である。
本実施形態の足置きローラ11は、図4に示すように、足乗せ部12にユーザMの片足が置けるようになっているが、足乗せ部12を長くして両足を置けるようにしてもよい。このため、本実施形態では、くびれ部21が4つ、円弧部22が3つ形成されているが、足乗せ部12の長さや足乗せ部12の径に応じて数は、変更してもよく限定されるものではない。なお、くびれ部21の数は偶数、円弧部22の数は奇数であった方が、足乗せ部12の両端に円弧部22を形成することができて、足乗せ部12の長さを有効に使用することができる。
なお、隆起部の形状は、円弧状に限定されるものではない。中心軸Cを含む平面で切った断面形状が、楕円形、台形、三角形等の形状であってもよい。さらには、隆起部は、多数の突起であってもよい。しかし、いずれの形状であっても、隆起部の先端が床面FLに接触しないようになっている必要があり、足乗せ部12は大径部13,13より細く形成されていればよい。
大径部13は、外周に高摩擦部材としての断面円形のゴムリング(Oリング)23を有している。ゴムリング23は、大径部13,13の外周に形成された断面半円状の溝24に、交換できるように着脱自在に装着さている。なお、断面円形のゴムリング23の代わりに帯状のゴムリングが装着されていてもよい。また、高摩擦部材は、ゴムリングに限定されるものではなく、ゴムのように摩擦係数の高い樹脂リングであってもよい。
なお、ゴムリング23は、必ずしも必要としない。また、足置きローラ11全体、あるいは、大径部13,13の部分だけを、ゴム製あるいはゴムと同等の摩擦係数を備えた樹脂製である場合にも、ゴムリング23を必要としない。
以上のように、本実施形態の足置きローラ11は、両端部分に大径部13,13が形成され、中間部分に大径部13,13より細い足乗せ部12が形成された軸状のローラであり、大径部13,13と足乗せ部12とが別々に形成されているので、大径部13,13で床面FLを円滑に転動することができて、足乗せ部12の隆起部で足裏に刺激を与えて、確実にマッサージすることができるとともに、足の円滑な運動を行うことができる。この場合、図4に示すように、足置きローラ11は、大径部13,13によって床面FLを転動できるため、真っ直ぐに矢印E方向に往復転動することができて、ユーザMの使い勝手を向上させることができる。さらに、床面FLが平坦でなくでこぼこであっても、転動することができる。
なお、足置きローラ11は、図4では、ユーザMが椅子CHに座って使用しているが、立って、片足を足置きローラ11に乗せて、片足立ちの状態で使用することも可能である。
また、足置きローラ11は、大径部13,13にゴムリング23が装着されているので、ゴムリング23の摩擦によって、床面FLの上を滑ることなく確実に転動することができて、足裏のマッサージ、運動を確実に行うことができる。
さらに、ユーザMが、足を、多少、左右方向にずれながら足を前後動させることがあっても、足置きローラ11は、ゴムリング23の摩擦によって、横滑り止めされて、直線的に往復転動することができる。このため、ユーザMは、足置きローラ11を使用しやすく、足裏マッサージを容易に行うことができる。
しかも、足置きローラ11は、ゴムリング23によって、床面FLの上を、転がり音を発生することなく転動することができて、室内の雰囲気を阻害するようなことがない。
また、足置きローラ11は、ゴムリング23によって床面FLの上を転がるため、床面FLに傷を付けることなく転動することができる。
なお、足置きローラ11が、足置きローラ11全体、あるいは、大径部13,13の部分だけをゴム製あるいはゴムと同等の摩擦係数を備えた樹脂製である場合、ゴムリング23を必要としないが、上記と同じような効果を奏する。
さらに、足置きローラ11は、足を置くことができる程度の大きさであるため、携帯に便利であり、長時間のデスクワークのとき足元に置いて使用できるだけでなく、飛行機、電車、自動車等による長時間の移動の際にも携帯して使用することもできて、何時でも何処でも使用することができる。
本実施形態に係る足置きローラ11にあっては、ユーザMは、例えば長時間のデスクワーク中には、椅子CHに着座して足Fを足乗せ部12に乗せるだけで、特に意識することなく足Fの運動を行うことができる。すなわち、足置きローラ11の足乗せ部12に足を乗せると、足置きローラ11は、前後方向(中心軸Cに直交する方向:図4(B)(C)中の矢印E方向)に回転しながら簡単に移動する。つまり、ユーザMの足Fにとっては、前後方向に円滑に移動する不安定な状態が創り出されるので、ユーザMの足Fは、デスクワーク中に特に意識することなく、前後方向に歩行運動の要素を取り入れた運度を行うことになる。また、この際、大径部13,13があるので、足Fが足置きローラ11から脱落することが有効に防止される。
<実施形態2>
図5を参照して、本発明を適用した実施形態2の足置きローラ31について説明する。
図5(A)は本実施形態の足置きローラ31を説明する図であり、左半分は正面図、右半分は中心軸Cを通って床面FLに垂直な断面図であり、(B)は右側面図である。
本実施形態の足置きローラ31は、実施形態1の足置きローラ11とは異なり、長手方向の両端の大径部33,34の間の足乗せ部32が、大径部33,34よりも太い膨出部35を有している。これにより、足置きローラ31は、足Fを乗せた際の不安定さが増長され、足Fの多彩で円滑な運動を創り出すことが可能となっている。
以下、本実施形態に係る足置きローラ31について詳述する。
図1に示すように、足置きローラ31全体は、中心軸Cを基準とした回転体形状であり、中心軸Cに沿って長く形成されている。足置きローラ31の重心をGとすると、足置きローラ31は、この重心Gを境として、一方の大径部33側と他方の大径部34側とが同形に形成されていて、重心Gから、一方の大径部33の端部までの距離L1と他方の大径部34の端部までの距離L2とが同じとなっている。また、一方の大径部33の直径d1と他方の大径部34の直径d2とが同じとなっている。
足置きローラ31は、一方の大径部33と他方の大径部34との間の中間部に足乗せ部32を有していて、この足乗せ部32の、長手方向の中央には、膨出部35が設けられている。膨出部35は、楕円を回転させて形成される回転体の一部によって構成されている。すなわち、二点鎖線で示す長径a,短径bの楕円を、その長径aを中心軸Cに一致させ、短径bが重心Gを通るようにした状態で、長径aを基準に回転させてできた立体の一部によって構成されている。膨出部35の最大直径Dmaxは、短径bの長さと一致していて、大径部33,34の直径d1,d2よりも大きく設定されている。この膨出部35は、足の裏のアーチ(凹部)に倣った(合った)形状となっていて、ユーザMが足の裏を乗せた際に、足の裏にフィットする。足乗せ部32は、膨出部35よりも大径部33及び大径部34側の部分は、これらの近づくほど直径が細くなり、大径部33,34の近傍で最も直径が細くなった後、徐々に太くなって大径部33,34に至っている。
足置きローラ31は、その中心軸Cが床面FLと平行になるようにして床面FLに置いた状態(以下、適宜「ホームポジション」という。)では、膨出部35の1つの点P1で床面FLに点接触する。この点P1は、膨出部35のうちの最大直径Dmaxを与える円周上に位置している。つまり、中心軸Cを床面FLと平行にした状態で、足置きローラ31を回転させると、点P1を含む円周上の点が次々と床面FLに点接触するようになる。
足置きローラ31は、重心G近傍を中心として上下方向に傾斜可能(揺動可能)である。足置きローラ31は、図1(A)の右半部に示すように、膨出部35の下端と大径部34の下端とを通る接線Sを引くと、この接線Sは、膨出部35における点P2で接触し、かつ大径部34の端部の下端の点P3を通り、中心軸Cと点P4で交差する。この接線Sと中心軸Cとがなす角度は、足置きローラ31の最大傾斜角度θとなる。つまり、足置きローラ31は、中心軸Cが床面FLと平行なホームポジションから、右側の大径部34側が徐々に下方に下がって大径部34の点P3が床面FLに接触するまで傾斜することが可能である。言い換えると、ホームポジションにあった足置きローラ31は、その傾斜角度が、ストッパとして作用する大径部34によって規制され、最大傾斜角度θmaxを超えないようになっている。これにより、不必要に(不自然に)傾斜角度が大きくなるのを防止して、足置きローラ31に乗せた足の足首が不要に曲がることを防止している。
足置きローラ31は、最大傾斜角度θmaxだけ傾斜して、図5(A)中の膨出部35の点P2と、大径部34の点P3を接触させた状態で回転させると、転動しながら(転がりながら)、床面FL上にドーナツ状の軌跡を描く。大径部34よりも外側の点P4を中心として床面FL上を回転しながら移動する。すなわち、点P2を含んで中心軸Cに直交する平面と膨出部35の外周面とが交差することで形成される大きな円周と、大径部34の端部に形成される直径d2の小さな円周とを、床面FLに接触させながら、点P4を中心として回転することになる。
また、足置きローラ31は、床面FLにおいた自然状態においては、その中心軸Cを床面FLに対して平行に維持したホームポジションで安定する。足置きローラ31を最大傾斜角度θmaxに至らない範囲で傾斜させると、膨出部35と床面FLとの接地点が、大径部34側に移動するが、このとき重心Gは、接地点に対して、大径部34とは反対側に位置する。このため、重心Gに作用するモーメントは、傾斜状態の足置きローラ31をホームポジションに戻す方向に作用する。
以上では、足置きローラ31について、図5(A)中の大径部34側(右側)について説明したが、同様なことは、左側の大径部33側についてもあてはまる。すなわち、例えば、大径部33側を下方に下げて傾斜させていくと、大径部33は、床面FLに当接する。このときの最大傾斜角度θmaxは、上述の大径部34側と同じとなる。
上述構成の足置きローラ31は、例えば、ユーザMがデスクワーク中にその足Fを足乗せ部32に乗せた際に、不安定な状態を創り出して、足Fの種々な運動を創り出す。この種々な運動は、意識的な場合も、無意識的な場合もあるが、いずれの場合も、直立歩行の要素を取り入れた運動となる。以下、ユーザMが着座姿勢で、足置きローラ31に右足Fを乗せた場合を例に、種々の運動について説明する。なお、以下の説明では、ユーザMが足置きローラ31に右足Fを乗せた状態を、上方から見た状態を基準に説明する。
まず、床面FLに足置きローラ31を置くと、足置きローラ31は、中心軸Cを床面FLに対して平行に配置するホームポジションをとる。膨出部35に右足Fを乗せると、膨出部35はなだらかな凸状に形成されているので、足裏の凹状のアーチによくフィットする。足置きローラ31は、この状態では、中心軸Cが左右方向を向く。また、膨出部35の点P1がこの1点だけで床面FLに点接触する。この状態は、極めて不安定な状他である。すなわち、
(1)足置きローラ31は、上から見た状態において、床面FLとの接点である点P1を基準として、360度、左回り又は右回りに回転することが可能である。
(2)また、前回転しながら前方に、あるいは後回転しながら後方に移動することが可能である。
(3)さらに、最大傾斜角度θmaxに至らない範囲において、大径部33が下方に、あるいは大径部34側が下方に傾斜可能であり、この場合も床面FLに対して膨出部35の1点で接触する点接触であるためて不安定である。
以上の足置きローラ31の動作(1)〜(3)を、ユーザMの右足Fを基準に説明すると次のようになる。
(1)に対応して、右足Fは、上から見た状態において、左回り又は右回りに足首を360度、捩じることが可能である。
(2)に対応して、右足Fを、足置きローラ31の前回転に伴って右足を前に移動させ、あるいは後回転に伴って後に移動させることができる。
(3)に対応して、足置きローラ31の左の大径部33側を下げる左下がりの傾斜に伴って、右足Fのうちの、左端部近傍を下方に下げ、あるいは逆に、足置きローラ31の右の大径部34側を下げる右下がりの傾斜に伴って、右足Fのうちの、右端部近傍を下方に下げることが可能になる。
さらに、(3)の傾斜をさらに進めて、左下がりに最大傾斜角度θmaxで傾斜させて左の大径部33を床面FLに当接させた場合には、この状態で、足置きローラ31を前回転させると、前回転しながら、床面FLに対しては左回りのドーナツ状の軌跡を描くことになり、右足Fが同様にドーナツ状に前進することになる。一方、同様な状態で後回転させると、後回転しながら床面FLに対しては右回りのドーナツ状の軌跡を描くことになり、右足Fが同様にドーナツ状に後退することになる。
これに対し、右下がりに最大傾斜角度θmaxで傾斜させて、右の大径部34を床面FLに当接させた場合には、この状態で、足置きローラ31を前回転させると、前回転しながら、床面FLに対しては右回りのドーナツ状の軌跡を描くことになり、右足Fが同様にドーナツ状に前進することになる。一方、同様な状態で後回転させると、後回転しながら床面FLに対しては左回りのドーナツ状の軌跡を描くことになり、右足Fが同様にドーナツ状に後退することになる。
以上のように、本実施形態に係る足置きローラ31は、着座姿勢で足Fを乗せるだけで、足Fの極めて不安定な状態を創り出して、種々の運動を可能にする。
しかも、足Fは、不安定な状態であるにもかかわらず、足置きローラ31の両端部に大径部33,34が形成されているので、足Fが足置きローラ31から脱落するおそれはほとんどない。
さらに、足置きローラ31は、不安定は状態を創り出すといっても、不必要な不安定な状態を創り出すものではない。ここで、最も不安定な状態を創り出すものの代表として、球体(不図示)を例に挙げて比較する。球体に右足を乗せた場合、球体は、前回転,後回転,左回転,右回転はもちろん、斜め方向にも回転するため、極めて不安定な状態となる。このため、前後方向に長い右足Fは、たとえ、前回転,後回転には対応できたとしても、左回転,右回転等に対しては十分に対応できず、球体から脱落してしまうおそれがある。
本実施形態に係る足置きローラ31はこの点を踏まえて、足置きローラ31の傾斜角度を大径部33,34で規制して、傾斜角度が不要に大きくならないようにしている。これにより、不安定でありながら、かつ、足Fの自然な運動以上のものが行われないようにしている。
本実施形態の変形例として、足置きローラ31の最大傾斜角度を、左側の大径部33側と右側の大径部34側とで変えるようにすることも可能である。例えば、足置きローラ31に右足Fを乗せた場合を考えると、右足Fの自然な動きとして、左側(大径部33側)よりも右側(大径部34側)が大きく傾斜することが可能である。これに合わせて、足置きローラ31の最大傾斜角度を左側よりも右側を大きくする。
例えば、図5(A)に示す例において、左側の大径部33の直径d1よりも右側の大径部の直径d2を小さくする。これにより、右側の最大傾斜角度を左側のそれよりも大きくして、右側により多く傾斜するようにすることができる。
他の構成としては、重心Gから、左の大径部33の端部までの距離L1よりも、右の大径部34の端部までの距離L2を短く設定することで、右側の最大傾斜角度を左側のそれよりも大きくして、右側により多く傾斜するようにすることもできる。
本実施形態においては、ホームポジションにある足置きローラ31は、床面FLに対して、点P1で点接触するように構成されているが、これに代えて、ある幅W(図5(A)の二点鎖線参照)を持って線接触するようにしてもよい。つまり、最大直径Dmaxに対応する円周に代えて、幅Wの平坦部36を全周にわたって設けるようにしてもよい。この構成によれば、ホームポジションにおける足置きローラ31の不安定感がわずかに減少して、安定感がわずかに増加する。さらに、膨出部35における平坦部36とこれ以外の部分との境界が、滑らかに連続しなくなるので、ユーザMは、足置きローラ31を傾斜させた際に、境界を超える感覚を足裏で感じ取ることができ、これを契機として、ホームポジションを知ることができる。
以上では、右足Fを乗せる足置きローラ31について説明したが、左足Fを乗せる足置きローラについても同形に形成すればよい。
本実施形態においても、足置きローラ31は、中心軸Cに沿って長さを長く形成して、大径部33と大径部34との間の足乗せ部32の左右の足Fを乗せられるようにしてもよい。この場合、例えば、左足Fを膨出部35と左の大径部33との間に乗せ、右足Fを膨出部35と右の大径部34との間の乗せるようにする。
さらに、長さをもっと長くして、右足Fを膨出部35に乗せて、左足Fを膨出部35と左の大径部33との間に乗せ、あるいは左足Fを膨出部35に乗せて、右足Fを膨出部35と右の大径部34との間に乗せるようにしてもよい。
このように、1本の足置きローラ31に両足を乗せる場合には、例えば、一方の足Fによって動かされた足置きローラ31によって、他方の足Fが動かされる、といったように、左右の足Fの間に連動関係が発生するので、一方の足Fのみを乗せる場合とはさらに異なる運動を実現することができる。もちろん、両足用の足置きローラ31を片足ように使用することも可能である。
なお、本実施形態においても、大径部33,34に、実施形態1と同様の高摩擦部材を取り付けるようにしてもよい。取り付けた場合には同等の効果を奏することができる。
11 実施形態1の足置きローラ
12 足乗せ部
13 大径部
21 くびれ部
22 円弧部(隆起部)
23 ゴムリング(高摩擦部材)
24 溝
31 実施形態2の足置きローラ
32 足乗せ部
33 左の大径部
34 右の大径部
35 膨出部
36 平坦部
C 中心軸
CH 椅子
d1,d2 大径部の直径
Dmax 膨出部の最大直径
F 足
FL 床面(載置面)
G 重心
M ユーザ
P1,P2,P3,P4 点
θmax 最大傾斜角度

Claims (7)

  1. 足の裏を乗せて転がして使用する足置きローラにおいて、
    中心軸を基準とした回転体形状に形成されて、足の裏が乗せられる足乗せ部と、
    前記中心軸に沿っての、前記足乗せ部の一方の端部と他方の端部とにそれぞれ設けられて足の脱落を防止する大径部と、を備える、
    ことを特徴とする足置きローラ。
  2. 前記足乗せ部は、足裏のアーチに倣って前記中心軸から離れる方向に凸状となるように緩やかに湾曲する曲面で構成された膨出部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の足置きローラ。
  3. 前記膨出部は、前記中心軸に沿っての略中央部に最大直径部を有し、前記最大直径部の直径が前記大径部の直径よりも大きく設定されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の足置きローラ。
  4. 載置面に載置した際に、前記膨出部の一部と前記大径部の一部とが接触することで、前記中心軸の傾斜角度が決定される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の足置きローラ。
  5. 前記足乗せ部の前記一方の端部の大径部と前記他方の端部の大径部とで直径が異なる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の足置きローラ。
  6. 前記最大直径部から、前記足乗せ部の前記一方の端部の大径部までの距離と前記他方の端部の大径部までの距離とが異なる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の足置きローラ。
  7. 前記大径部の外周に、載置面との摩擦を増大させる高摩擦部材が取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の足置きローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020096744A (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 憲一 迫 足裏刺激具

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