JP2011175452A - タッチセンサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示装置などからのノイズの影響を受けやすい静電容量型タッチパネルのタッチ又は非タッチの検出においてノイズの影響を軽減するタッチセンサ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】タッチパネルの容量電極に対するタッチ又は非タッチに応ずる充電電荷を蓄積して電圧に変換する一対の検出回路(85,87)を設け、一対の検出回路による異なる容量電極に対する検出電圧の差分を差動増幅する(89)場合、一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に基づいて、前記容量電極に対するタッチまたは非タッチを判別する。一対の検出回路による異なる容量電極は例えば隣接する電極とされる。また、前記タッチ又非タッチを判別する場合に、例えば、一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に対して平均を求めて利用する。
【選択図】図4

Description

本発明は、静電容量型タッチパネルのタッチ、非タッチ(接触、非接触)を判別するタッチセンサ装置に関し、例えば液晶ディスプレイ(LCD)に重ねて配置された静電容量型タッチパネルを備えたタッチセンサ装置に適用して有効な技術に関する。
透明導電膜(ITO)で形成される電極容量の、指等のタッチによる変動を検出する、静電容量型タッチパネルにおいて、容量の変動を検出する方式として、外部電源から電極容量へのチャージ手段、電極容量から外部容量への電荷移動を利用する方式が一般的である。
この電荷移動を利用した方法として、外部電源を電圧源とし,外部容量への電荷移動量を電圧として計測することにより電極容量の変動を検出する方式が特許文献1に、外部電源を電流源とし、外部容量への電荷移動の時間を計測することにより電極容量の変動を検出する方式が特許文献2に開示されている。
米国特許第7312616号明細書 米国特許第5730165号明細書
しかしながら、上記特許文献の技術は、ノイズによる影響について考慮されておらず、特にタッチパネルがLCD等の表示装置に貼り付けられることを考慮すると、表示によるノイズは無視できない。また、電極容量の絶対値を検出するための方式のため、電極容量に対する指タッチでの容量変動分が非常に微小であることから、さらにノイズの影響を受けやすくなる。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、表示装置などからのノイズの影響を受けやすい静電容量型タッチパネルのタッチ又は非タッチの検出においてノイズの影響を軽減するタッチセンサ装置を提供することを目的とする。
また、容量変動分が非常に微小であることから、後のディジタル信号処理のために必須となるアナログディジタル変換の精度あるいは回路規模が問題となる。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、微小なアナログ電圧を小さい回路規模で精度よくディジタル変換するアナログディジタル変換手段を備えた静電容量型タッチパネル装置を提供することを目的とする。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、タッチパネルの容量電極に対するタッチ又は非タッチに応ずる充電電荷を蓄積して電圧に変換する一対の検出回路を設け、一対の検出回路による異なる容量電極に対する検出電圧の差分を差動増幅する場合、一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に基づいて、前記容量電極に対するタッチまたは非タッチを判別する。
一対の検出回路による異なる容量電極は例えば隣接する電極とされる。また、前記タッチ又非タッチを判別する場合に、例えば、一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に対して平均を求めて利用する。また、検出回路がタッチ又は非タッチに応ずる充電電荷を検出容量素子に蓄積して電圧に変換する場合に、一対の検出回路の検出容量素子の容量値は同一ではなく例えばタッチと非タッチによる容量値の差以上でアンバランスにする。
また、タッチパネルの容量電極に対するタッチ又は非タッチに応ずる充電電荷を蓄積して電圧に変換する検出回路によって検出されるアナログ電圧値を、電圧−周波数変換回路と周波数−カウント値変換回路で構成されるアナログディジタル変換手段によりディジタル変換する。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、差分を増幅することにより、タッチと非タッチによる微小な容量変化を容易に拡大でき、更にLCD等の表示装置からのノイズのような同相ノイズの除去にも資することができる。同相ノイズの除去という点では隣接する電極容量の差分を増幅することが優位である。
検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に対して平均を採ることにより、検出容量素子の容量値のばらつきによる検出電圧の誤差の解消に役立つ。そして、双方の検出容量素子の容量値に所定の差を持たせることにより、差動増幅入力の大小関係を、タッチと非タッチによる容量変動や配線容量による容量差にかかわらず常に一定とすることができ、タッチセンサ装置の回路規模の縮小と動作の安定に寄与する。
また、アナログディジタル変換手段として電圧−周波数変換回路と周波数−カウント値変換回路を設けることにより、構成部品が一般的にコンパレータ等のアナログ回路を必要とするアナログディジタル変換回路に比べて、インバータやカウンタといったディジタル回路で構成でき、規模を小さくすることができる。また、周波数−カウント値変換回路において周波数をカウントする期間を長くすることにより精度を上げることが可能であり、回路規模の増加を伴わない。
図1は本発明の一実施の形態に係るタッチセンサ装置を適用したLCD表示装置を例示するブロック図である。 図2は図1に示される静電容量型タッチパネルの内部構成を例示する平面図である。 図3は図1に示されるタッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニットの内部構成を例示するブロック図である。 図4は図3に示される容量差分検出部の内部構成を例示するブロック図である。 図5は図2の示される静電容量タッチパネルの各々の菱形電極が持つ容量に対して、指で触ったとき(タッチ)の容量変化を等価的に示した説明図である。 図6は図4に示される第1X電極線第1選択スイッチ51〜第10Y電極線第1選択スイッチ54、第1X電極線第2選択スイッチ60〜第10Y電極線第2選択スイッチ63、及び第1電極線非選択スイッチ69〜第10Y電極線非選択スイッチ72の動作を例示するタイミングチャートである。 図7は図4に示される第1X電極線非選択スイッチ69〜第10Y電極線非選択スイッチ72の動作の詳細を示すタイミングチャートである。 図8は図4に示される第1電圧変換回路85の内部構成を例示する回路図である。 図9は図8に示される第1電圧変換回路85内のチャージスイッチ137、シェアスイッチ139、及びリセットスイッチ141の検出動作の第1ステップにおける状態と、電極合成容量142及び検出容量140間の電荷移動の状態とを例示する動作説明図である。 図10は図8に示される第1電圧変換回路85内のチャージスイッチ137、シェアスイッチ139、及びリセットスイッチ141の検出動作の第2ステップにおける状態と、電極合成容量142及び検出容量140間の電荷移動の状態とを例示する動作説明図である。 図11は図8に示される第1電圧変換回路85内のチャージスイッチ137、シェアスイッチ139、及びリセットスイッチ141の検出動作の第3ステップにおける状態と、電極合成容量142及び検出容量140間の電荷移動の状態とを例示する動作説明図である。 図12は図9から図11に示される第1乃至第3ステップの動作を用いた検出動作による電圧波形を示すタイミングチャートである。 図13は図4に示される差動増幅部89の内部構成を例示する回路図である。 図14は図13の差動増幅部89の動作を例示するタイミングチャートである。 図15は図4に示されるA/D変換部91の内部構成を例示するブロック図である。 図16は図15に示される電圧−周波数変換回路171及びカウンタ173の動作を例示するタイミングチャートである。 図17は図8に示される検出容量140が第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87で等しい容量値の場合における図14の第1電極線電圧86と第2電極線電圧88の差分が示す値とタッチによる変動分との関係を示す説明図である。 図18は図8に示される検出容量140が第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87で容量値がばらつく場合において、図14の第1電極線電圧86と第2電極線電圧88の差分が示す値とタッチによる変動分と検出容量のばらつきとの関係を示す説明図である。 図19は本発明の一実施の形態に係るアナログディジタル変換手段を適用した容量検出部の内部構成を例示するブロック図である。 図20は図19に示される容量検出部180の内部構成の例を示す図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るタッチセンサ装置は、各々が電極容量を持ち複数の容量電極(18,19)によって構成された静電容量型タッチパネル(15)と、接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を第1の検出電圧(86)として検出する第1の電極容量検出回路(85)と、第1の電極容量検出回路とは別に接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を第2の検出電圧(88)として検出する第2の電極容量検出回路(87)と、前記第1の電極容量検出回路及び前記第2の電極容量検出回路の夫々に接続する容量電極を選択するスイッチ回路(51〜54、60〜63、69〜72)と、前記スイッチ回路による選択状態を順次切り換える制御を行う制御部(45)と、前記第1の検出電圧と前記第2の検出電圧との差分を増幅して出力する差動増幅部(89)と、前記差動増幅部の出力をディジタル変換するアナログディジタル変換部(91)と、前記アナログディジタル変換部の出力と前記制御部による選択状態の切換えタイミングとに基づいてタッチされた容量電極の座標情報を取得する座標変換部(50)と、を備える。前記制御部は、一対の容量電極に対して、一方を前記第1の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に接続して前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力された後に、一方を前記第2の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に繋ぎ代えて前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力されるように、前記スイッチ回路を制御する。
一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に基づいてタッチ又は非タッチを判別するから、タッチと非タッチによる微小な容量変化を容易に拡大でき、LCD等の表示装置からのノイズのような同相ノイズの除去にも資することができる。
〔2〕項1のタッチセンサ装置において、前記静電容量型タッチパネルは、例えば直交する複数のX電極線(20〜25)とY電極線(26〜35)を備え、夫々の電極線に複数の容量電極が設けられた構造を有する。
〔3〕項1のタッチセンサ装置において、前記制御部は例えば前記一対の容量電極として隣接する容量電極を前記スイッチ回路に選択させる。同相ノイズの除去という点で好適である。
〔4〕項1のタッチセンサ装置において、前記アナログディジタル変換回路は、例えば前記差動増幅部の出力電圧に応ずる周波数信号を出力する電圧−周波数変換回路(171)と、電圧−周波数変換回路から出力される周波数信号のサイクル数を計数する周波数−カウント値変換回路(173)とを備える。
〔5〕項1のタッチセンサ装置において、前記座標変換部は、一対の容量電極の一方が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧の作動増幅出力に応ずる値と、当該一対の容量電極の一方が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値との平均を求めることによって、当該一対の容量電極の何れか一方へのタッチ又非タッチを判別する。
電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅回路による差動増幅出力に対してその出力の極性を考慮して平均を採ることにより、電極容量のばらつき等に起因する検出回路による検出電圧の誤差を容易に解消するのに役立つ。即ち、容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲であれば、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転するから前後2回の差動出力の絶対値の和の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えると、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転しないから前後2回の差動出力の絶対値の差分の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。
〔6〕本発明の代表的な別の実施の形態に係るタッチセンサ装置は、各々が電極容量を持ち複数の容量電極によって構成された静電容量型タッチパネルと、接続された前記容量電極に対する充電動作による電荷を第1の検出容量素子(140)に受けて得られる電圧を第1の検出電圧(86)として検出する第1の電極容量検出回路(85)と、第1の電極容量検出回路とは別に接続された容量電極に対する充電動作による電荷を第2の検出容量(140)に受けて得られる電圧を第2の検出電圧(88)として検出する第2の電極容量検出回路(87)と、前記第1の電極容量検出回路及び前記第2の電極容量検出回路の夫々に接続する容量電極を選択するスイッチ回路と、前記スイッチ回路による選択状態を順次切り換える制御を行う制御部と、前記第1の検出電圧と前記第2の検出電圧との差分を増幅して出力する差動増幅部と、前記差動増幅部の出力をディジタル変換するアナログディジタル変換部と、前記アナログディジタル変換部の出力と前記制御部による選択状態の切換えタイミングとに基づいてタッチされた容量電極の座標情報を取得する座標変換部と、を備える。前記制御部は、一対の容量電極に対して、一方を前記第1の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に接続して前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力された後に、一方を前記第2の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に繋ぎ代えて前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力されるように、前記スイッチ回路を制御する。前記第1の検出容量素子は前記第2の検出容量素子とは異なる容量値を有する。
一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に基づいてタッチ又は非タッチを判別するから、タッチと非タッチによる微小な容量変化を容易に拡大でき、LCD等の表示装置からのノイズのような同相ノイズの除去にも資することができる。
〔7〕項6のタッチセンサ装置において、前記第1の検出容量素子と前記第2の検出容量素子との間の容量値の差は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとの差による容量値の差よりも大きくされている。
これによれば、前記第1の検出容量素子と前記第2の検出容量素子との間の容量値の差がタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えると、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転しないから、差動増幅入力の大小関係を、タッチと非タッチによる容量変動や配線容量による容量差にかかわらず常に一定とすることができ、タッチセンサ装置の回路規模の縮小と動作の安定に寄与する。
〔8〕項6のタッチセンサ装置において、前記第1の検出容量素子及び前記第2の検出容量素子の容量値は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとに拘らず前記第1検出電圧を必ず前記第2検出電圧よりも大きくする値である。この観点によっても項7と同様の作用効果を奏する。
〔9〕項6のタッチセンサ装置において、前記静電容量型タッチパネルは、例えば直交する複数のX電極線とY電極線を備え、夫々の電極線に複数の容量電極が設けられている。
〔10〕項6のタッチセンサ装置において、前記制御部は前記一対の容量電極として例えば隣接する容量電極を前記スイッチ回路に選択させる。同相ノイズの除去という点で好適である。
〔11〕項6のタッチセンサ装置において、前記アナログディジタル変換回路は、例えば前記差動増幅部の出力電圧に応ずる周波数信号を出力する電圧−周波数変換回路と、電圧−周波数変換回路から出力される周波数信号のサイクル数を計数する周波数−カウント値変換回路とを備える。
〔12〕項6のタッチセンサ装置において、前記座標変換部は、例えば一対の容量電極の一方が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値と、当該一対の容量電極の一方が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値との平均を求めることによって、当該一対の容量電極の何れか一方へのタッチ又非タッチを判別する。
電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅回路による差動増幅出力に対してその出力の極性を考慮して平均を採ることにより、電極容量等の容量値のばらつき等に起因する検出回路による検出電圧の誤差を容易に解消するのに役立つ。前述の如く、容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲であれば、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転するから前後2回の差動出力の絶対値の和の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えると、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転しないから前後2回の差動出力の絶対値の差分の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。
〔13〕本発明の代表的な更に別の実施の形態に係るタッチセンサ装置は、各々が電極容量を持ち複数の容量電極(18,19)によって構成された静電容量型タッチパネル(15)と、個別に接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を検出電圧(86,88)として検出する一対の電極容量検出回路(85,87)と、前記一対の電極容量検出回路による異なる容量電極に対する検出電圧の差分を増幅する差動増幅回路(89)と、前記一対の電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の前記差動増幅回路による差分出力に基づいて前記容量電極に対するタッチまたは非タッチを判別する判別部(50)と、を備える。
一対の検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅による差分出力に基づいてタッチ又は非タッチを判別するから、タッチと非タッチによる微小な容量変化を容易に拡大でき、LCD等の表示装置からのノイズのような同相ノイズの除去にも資することができる。
〔14〕項13のタッチセンサ装置において、前記判別部は、前記一対の電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の前記差動増幅回路による差分出力に応ずる値との平均を求めることによって前記タッチ又非タッチを判別する。
電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の差動増幅回路による差動増幅出力に対してその出力の極性を考慮して平均を採ることにより、電極容量等の容量値のばらつき等に起因する検出回路による検出電圧の誤差を容易に解消するのに役立つ。前述の如く、容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲であれば、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転するから前後2回の差動出力の絶対値の和の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えると、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転しないから前後2回の差動出力の絶対値の差分の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。
〔15〕項13のタッチセンサ装置において、前記夫々の電極容量検出回路は、接続された前記容量電極に対する充電動作による電荷を受けて電圧に変換する検出容量素子を有し、夫々の電極容量検出回路が備える検出容量素子の容量値の差は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとの差による容量値の差よりも大きくされている。
これによれば、夫々の電極容量検出回路が備える検出容量素子の間の容量値の差がタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えると、電極容量検出回路に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力の大小関係が逆転しないから、差動増幅入力の大小関係を、タッチと非タッチによる容量変動や配線容量による容量差にかかわらず常に一定とすることができ、タッチセンサ装置の回路規模の縮小と動作の安定に寄与する。
〔16〕項13のタッチセンサ装置において、前記夫々の電極容量検出回路は、接続された前記容量電極に対する充電動作による電荷を受けて電圧に変換する検出容量素子(140)を有し、夫々の電極容量検出回路が備える検出容量素子の容量値は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとに拘らず一方の前記電極容量検出回路による検出電圧を必ず他方の前記電極容量検出回路による検出電圧よりも大きくする値である。この観点によっても項15と同様の作用効果を奏する。
〔17〕本発明の代表的な実施の形態に係るタッチセンサ装置は、各々が電極容量を持ち複数の容量電極(18,19)によって構成された静電容量型タッチパネル(15)と、接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を検出電圧(86)として検出する電極容量検出回路(85)と、前記電極容量検出回路に接続する容量電極を選択するスイッチ回路(51〜54)と、前記スイッチ回路による選択状態を順次切り換える制御を行う制御部(45)と、前記電極容量検出回路の出力を、電圧値に応じた周波数のクロックを生成する電圧−周波数変換回路(171)と、電圧−周波数変換回路から出力されるクロックを一定期間カウントすることにより周波数に応じたディジタル値に変換する周波数−カウント値変換回路(173)と、前記周波数−カウント値変換回路の出力と前記制御部による選択状態の切換えタイミングとに基づいてタッチされた容量電極の座標情報を取得する座標変換部(50)と、を備える。
電極容量検出回路からのタッチと非タッチによる微小な容量変化アナログ出力を、電圧−周波数変換回路と周波数−カウント値変換回路によりディジタル値に変換することにより、タッチと非タッチによる微小な容量変化を小さい回路規模で制度よく容易に拡大でき、LCD等の表示装置からのノイズのような同相ノイズの除去にも資することができる。
〔18〕項17のタッチセンサ装置において、前記静電容量型タッチパネルは、例えば直交する複数のX電極線(20〜25)とY電極線(26〜35)を備え、夫々の電極線に複数の容量電極が設けられた構造を有する。
2.実施の形態の詳細
[第一の実施形態]
実施の形態について更に詳述する。
図1は本発明の一実施の形態に係るタッチセンサ装置を適用したLCD表示装置の例である。図1において、1は水平同期信号、2は垂直同期信号、3はデータイネーブル、4は表示データ、5は同期クロックである。垂直同期信号1は表示一画面周期(1フレーム周期)の信号、水平同期信号2は一水平周期の信号、データイネーブル信号3は表示データ4が有効である期間(表示有効期間)を示す信号で、全ての信号が同期クロック5に同期して入力される。本実施形態では、これら表示データが、一画面分が左上端の画素から順次ラスタスキャン形式で転送され、1画素分の情報は6ビットのディジタルデータからなるものとして以下説明する。6は表示制御ユニット、7はデータ線およびタッチパネル制御信号、8は走査線制御信号であり、表示制御ユニット6は、垂直同期信号1、水平同期信号2、データイネーブル信号3、表示データ4、同期クロック5から、表示制御とタッチパネル制御のためのデータ線およびタッチパネル制御信号7と、表示の走査制御のための走査線制御信号8を生成する。9はLCDパネル、10はタッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット、11はデータ線駆動信号、12は走査線駆動ユニット、13は走査線選択信号、14は表示画素アレイであり、LCDパネル9は、1枚のガラス基板上にタッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10、走査線駆動ユニット12、表示画素アレイ14を設けたものである。本実施形態では、タッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10はLSIで、走査線駆動ユニット12と表示画素アレイ14はガラス基板上に低温ポリシリコン(LTPS)で構成されるものとして以下説明する。タッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10は、従来と同様にデータ線およびタッチパネル制御信号7のうちの表示制御に関する信号から、表示画素アレイ14に書き込む信号電圧を生成するとともに、タッチパネル制御に関する信号からタッチパネルの座標を示す信号(後述)を生成する。走査線駆動ユニット12は、従来と同様、データ線駆動信号11として出力される書込み信号電圧を書き込む走査線を選択するための走査線選択信号13を出力する。表示画素アレイ14は、従来と同様、走査線選択信号13によって選択したライン上の画素にデータ線駆動信号11として出力される書込み信号電圧を書込み、書込み電圧に応じた階調制御を行う。15は静電容量型タッチパネル、16は検出電極線、17は座標信号であり、静電容量型タッチパネル15は、直交する複数の透明導電膜(ITO)による電極線を備える基板である。各々の電極線は検出電極線16としてタッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10に入力され、座標信号17に変換される。
図2は図1記載の静電容量型タッチパネル15の内部構成の一実施形態である。18はX1−1電極、19はY1−2電極であり、各々水平方向に配置されるX電極線と垂直方向に配置されるY電極線の交点以外の領域に設ける。本実施形態は、交点以外の領域を同じ形、面積の菱形で埋める構成として以下説明する。20は第1X電極線、21は第2X電極線、22は第3X電極線、23は第4X電極線、24は第5X電極線、25は第6X電極線、26は第1Y電極線、27は第2Y電極線、28は第3Y電極線、29は第4Y電極線、30は第5Y電極線、31は第6Y電極線、32は第7Y電極線、33は第8Y電極線、34は第9Y電極線、35は第10Y電極線であり、XとYが直交する形で配置され、すべての電極線が検出電極線16として出力される。本実施形態では、X電極線が6本、Y電極線が10本で構成されるものとして、以下説明する。したがって、X1−1電極18、Y1−2電極19と同一の電極が、X電極線上に10個、Y電極線上に6個、設けられることとなる。
図3は図1記載のタッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10の内部構成の一実施形態である。36はデータシフト部、37はデータ開始信号、38はデータシフトクロック、39はシリアル表示データ、40はパラレル表示データであり、データシフト部36は、従来と同様に、データ開始信号37を基準に、データシフトクロック38に従ってシリアル表示データ39を取り込み、パラレル表示データ40として順次出力する。41は1ラインラッチ部、42は水平ラッチクロック、43は1ラインデータであり、1ラインラッチ部41は、従来と同様に、順次出力されるパラレル表示データ40を、1ライン分の出力が終了するタイミングを示す水平ラッチクロック42に従って、1ラインデータ43として出力する。44はD/A変換部であり、従来と同様に、ディジタル値である1ラインデータ43をアナログ値に変換し、画素への書込み信号となるデータ線駆動信号11として出力する。45は検出制御部、46は検出スイッチ駆動信号、47は座標変換タイミング信号、48は容量差分検出部、49は容量差分値、50は座標変換部であり、検出制御部45は、容量差分検出部48における検出動作を制御するための検出スイッチ駆動信号46と、座標変換部50における動作を制御するための座標変換タイミング信号47を生成する。本実施形態では、検出動作、座標変換動作が水平ラッチクロック42に同期して一水平期間を基準として行うものとして、以下説明する。容量差分検出部48は、検出電極線16のなかの2本ずつの容量差分を、容量差分値49として出力する。座標変換部50は、容量差分値49から各々の電極線の容量を計算し、その容量の分布状態から座標を算出、座標信号17として出力する。
図4は図3記載の容量差分検出部48の内部構成の一実施形態である。51は第1X電極線第1選択スイッチ、52は第2X電極線第1選択スイッチ、53は第3X電極線第1選択スイッチ、54は第10Y電極線第1選択スイッチであり、すべては図示していないが、X電極6本、Y電極10本、各々に、差分検出のための第1の対象となる電極を選択する選択スイッチ(計16個)が接続される。55は第1選択スイッチ信号、56は第1X電極線第1選択信号、57は第2X電極線第1選択信号、58は第3X電極線第1選択信号、59は第10Y電極線第1選択信号であり、すべては図示していないが、差分検出のための第1の対象となる電極を選択する信号(計16本)が入力される。前記第1選択スイッチ信号55は前記選択スイッチ信号56乃至59を総称する。
60は第1X電極線第2選択スイッチ、61は第2X電極線第2選択スイッチ、62は第3X電極線第2選択スイッチ、63は第10Y電極線第2選択スイッチであり、すべては図示していないが、X電極6本、Y電極10本、各々に、差分検出のための第2の対象となる電極を選択する選択スイッチ(計16個)が接続される。64は第2選択スイッチ信号、65は第1X電極線第2選択信号、66は第2X電極線第2選択信号、67は第3X電極線第2選択信号、68は第10Y電極線第2選択信号であり、すべては図示していないが、差分検出のための第2の対象となる電極を選択する信号(計16本)が入力される。前記第2選択スイッチ信号64は前記選択スイッチ信号65乃至68を総称する。
69は第1X電極線非選択スイッチ、70は第2X電極線非選択スイッチ、71は第3X電極線非選択スイッチ、72は第10Y電極線非選択スイッチであり、すべては図示していないが、X電極6本、Y電極10本、各々に、差分検出のための第1の対象、第2の対象、どちらにも選択されない電極を選択してGNDに接続するスイッチ(計16個)が接続される。73は非選択スイッチ信号、74は第1X電極線非選択信号、75は第2X電極線非選択信号、76は第3X電極線非選択信号、77は第10Y電極線非選択信号であり、すべては図示していないが、差分検出のための第1の対象、第2の対象、どちらにも選択されない電極を選択する信号(計16本)が入力される。前記非選択スイッチ信号73は前記非選択信号74乃至77を総称する。
78は第1X電極容量、79は第2X電極容量、80は第3X電極容量、81は第10Y電極容量であり、すべては図示していないが、各々の電極(計16本)が容量を持つことを等価的に表すものである。82は第1選択電極線、83は第2選択電極線であり、第1選択電極線82は、第1X電極線第1選択スイッチ51〜第10Y電極線第1選択スイッチ54のなかから1つ選択された電極線が、差分検出の第1の対象として接続される。第2選択電極線83は、第1X電極線第2選択スイッチ60〜第10Y電極線第2選択スイッチ63のなかから1つ選択された電極線が、差分検出の第2の対象として接続される。84は電極線検出タイミング信号、85は第1電圧変換回路、86は第1電極線電圧、87は第2電圧変換回路、88は第2電極線電圧であり、第1電圧変換回路85は第1選択電極線82の容量を電圧に変換し、第1電極線電圧86として出力する。第2電圧変換回路87は第2選択電極線83の容量を電圧に変換し、第2電極線電圧88として出力する。89は差動増幅部,90は容量差分電圧であり、差動増幅部89は、第1電極線電圧86と第2電極線電圧88を差動入力とする差動増幅部であり、増幅後の電圧を容量差分電圧90として出力する。91はA/D変換部であり、アナログ値である容量差分電圧90をディジタル値に変換し、容量差分値49として出力する。
図5は図2記載の静電容量タッチパネル15の各々の菱形電極が持つ容量に対して、指で触ったとき(タッチ)の容量変化を等価的に示した図である。92は検出電源、93はX電極容量、94はY電極容量、95は指、96はX−指容量、97はY−指容量、98は接地容量であり、検出電源92から見た容量は、指95がない場合にはX電極容量93のみであるのに対し、指が接触することにより、X−指容量96を介したY−指容量97、Y電極容量94が合成された容量となる。この容量変化を検出することにより、静電容量タッチパネルの座標検出が行われる。
図6は図4記載の第1X電極線第1選択スイッチ51〜第10Y電極線第1選択スイッチ54、および第1X電極線第2選択スイッチ60〜第10Y電極線第2選択スイッチ63、第1電極線非選択スイッチ69〜第10Y電極線非選択スイッチ72の動作の詳細の一実施形態である。99は第1X電極線第1選択信号波形、100は第2X電極線第1選択信号波形、101は第5X電極線第1選択信号波形、102は第6X電極線第1選択信号波形、103は第1Y電極線第1選択信号波形、104は第2Y電極線第1選択信号波形、105は第3Y電極線第1選択信号波形、106は第9Y電極線第1選択信号波形、107は第10Y電極線第1選択信号波形、108は第1X電極線第2選択信号波形、109は第2X電極線第2選択信号波形、110は第5X電極線第2選択信号波形、111は第6X電極線第2選択信号波形、112は第1Y電極線第2選択信号波形、113は第2Y電極線第2選択信号波形、114は第3Y電極線第2選択信号波形、115は第9Y電極線第2選択信号波形、116は第10Y電極線第2選択信号波形、117は第1選択電極線状態、118は第2選択電極線状態であり、ある期間で選択された電極線は次の期間では第1選択と第2選択を入れ替えて選択される。例えば、第1選択電極線状態117がX1電極、第2選択電極線状態118がX2電極である次の期間では、第1選択電極線状態117がX2電極、第2選択電極線状態118がX1電極となるよう、各選択信号は動作する。本実施形態では、第1選択電極線82、第2選択電極線83は隣接する電極線が選択され、X1とX2、X2とX1(先の入替え)、X2とX3、X3とX2(先の入替え)、・・・、X5とX6、X6とX5(先の入替え)が選択された後、Y1とY2、Y2とY1(先の入替え)、Y2とY3、Y3とY2(先の入替え)、・・・、Y9とY10、Y10とY9(先の入替え)と選択されるものとして、以下説明する。
図7は図4記載の第1X電極線非選択スイッチ69〜第10Y電極線非選択スイッチ72の動作の詳細の一実施形態である。119は第1X電極線非選択信号波形、120は第2X電極線非選択信号波形、121は第5X電極線非選択信号波形、122は第6X電極線非選択信号波形、123は第1Y電極線非選択信号波形、124は第2Y電極線非選択信号波形、125は第3Y電極線非選択信号波形、126は第9Y電極線非選択信号波形、127は第10Y電極線非選択信号波形であり、図6記載の第1選択スイッチ信号55、第2選択スイッチ信号64のいずれの信号も選択していない電極線を非選択とするような波形とする。本実施形態では、非選択スイッチにより、検出に関係のない電極線はGNDに接続するものとして、以下説明する。128はX1電極接続状態、129はX2電極接続状態、130はX6電極接続状態、131はY1電極接続状態、132はY2電極接続状態、133はY10電極接続状態であり、検1、検2とは、各々第1選択電極線82、第2選択電極線83に接続されている状態を示す。X、Y各々の端となるX1電極線接続状態128、X6電極線接続状態130、Y1電極線接続状態131、Y10電極線接続状態133は、差分検出のため第1選択、第2選択が1回ずつでその他の期間はGND接続となり、それ以外のX2電極線接続状態129(X3からX5も同様)、Y2電極線接続状態132(Y3からY9も同様)は第1選択、第2選択が2回ずつでその他の期間はGND接続となる。
図8は図4記載の第1電圧変換回路85の内部構成の一実施形態である。第2電圧変換回路87も同様の構成である。134はチャージ信号、135はシェア信号、136はリセット信号、137はチャージスイッチ、138はチャージ電源、139はシェアスイッチ、140は検出容量、141はリセットスイッチ、142は電極合成容量であり、チャージスイッチ137は、チャージ信号134に従って、図4記載の電極容量78から81に対し図5記載の等価回路による容量変動分を合成した(タッチなしの場合は合成なし)電極合成容量142とチャージ電源138を接続する。シェアスイッチ139は、シェア信号135に従って、検出容量140と電極合成容量142を接続する。リセットスイッチ141は、リセット信号136に従って、検出容量140とGNDを接続する。特に制限されないが、タッチパネル駆動ユニット内蔵データ先駆動ユニット10が半導体チップに半導体集積回路として構成される場合、前記検出容量140は当該半導体修正回路の外に接続される所謂外付け容量素子によって構成される。
図9は図8記載の第1電圧変換回路85内のチャージスイッチ137、シェアスイッチ139、リセットスイッチ141の、検出動作の第1ステップにおける状態と、電極合成容量142、検出容量140間の電荷移動の状態の一実施形態である。143はチャージ電荷移動、144はディスチャージ電荷移動であり、チャージスイッチ137とリセットスイッチ141を“ON”、シェアスイッチ139を“OFF”状態とすることにより、電極合成容量142にチャージ電源138からのチャージ電荷移動143が発生するとともに、検出容量140からGNDへディスチャージ電荷移動144が発生する。このとき、チャージ電荷移動143は、電極合成容量142が大きいほど大きくなるため、指タッチがある場合大きくなることとなる。
図10は図8記載の第1電圧変換回路85内のチャージスイッチ137、シェアスイッチ139、リセットスイッチ141の、検出動作の第2ステップにおける状態と、電極合成容量142、検出容量140間の電荷移動の状態の一実施形態である。145はシェア電荷移動であり、シェアスイッチ139を“ON”、チャージスイッチ138、リセットスイッチ141を“OFF”状態とすることにより、第1ステップでチャージされた電極合成容量142から、検出容量140へのシェア電荷移動145が発生する。このとき、シェア電荷移動145は、電極合成容量142にチャージされている電荷量に依存するため、指タッチがある場合はチャージ量が大きいことから、シェア量も大きくなる。したがって、第1電極線電圧86は、指タッチがある場合のほうが大きい電圧となる。
図11は図8記載の第1電圧変換回路85内のチャージスイッチ137、シェアスイッチ139、リセットスイッチ141の、検出動作の第3ステップにおける状態と、電極合成容量142、検出容量140間の電荷移動の状態の一実施形態である。チャージスイッチ137を“ON”、シェアスイッチ139とリセットスイッチ141を“OFF”状態とすることにより、今度は電極合成容量142にチャージ電源138からのチャージ電荷移動143のみ発生する。このとき、検出容量140に蓄積した電荷は保持したまま、電極合成容量142に電荷を再チャージする。以降、第2ステップと第3ステップを繰り返すことにより、検出容量140に蓄積した電荷に、シェア電荷移動145を積み重ねることとする。
図12は図9から図11記載の第1から第3ステップ動作を用いた検出動作による電圧波形を示す図である。146はリセット信号波形、147はチャージ信号波形、148はシェア信号波形であり、本実施形態では、左から、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップと繰り返す、つまり、チャージとシェアの動作を6回行うものとして、以下説明する。149は1回目第1電極線電圧波形、150は2回目第1電極線電圧波形、151はX1X2差分検出期間、152は1回目検出期間、153は2回目検出期間、154はタッチ容量差分電圧であり、本実施形態では、X2電極に指を接触していることとして、以下説明する。1回目第1電極線電圧波形149は、X1X2差分検出期間151のなかの、1回目検出期間152にあたり、非タッチのX1電極線の容量を検出する期間の電圧波形となり、2回目第1電極線電圧波形150は、X1X2差分検出期間151のなかの、2回目検出期間153にあたり、タッチのX2電極線の容量を検出する期間の電圧波形となる。したがって、1回目第1電極線電圧波形149の到達レベルと2回目第1電極線電圧波形150の到達レベルの差が、タッチ容量差分電圧154となる。155は1回目第2電極線電圧波形、156は2回目第2電極線電圧波形であり、1回目第2電極線電圧波形155は、X1X2差分検出期間151のなかの、1回目検出期間152にあたり、第1電極線電圧波形とは反対に、タッチのX2電極線の容量を検出する期間の電圧波形となり、2回目第2電極線電圧波形156は、X1X2差分検出期間151のなかの、2回目検出期間153にあたり、非タッチのX1電極線の容量を検出する期間の電圧波形となる。したがって、ここでも1回目第2電極線電圧波形155の到達レベルと2回目第2電極線電圧波形156の到達レベルの差が、タッチ容量差分電圧154となる。X1X2差分検出期間151以降も、同様に隣接する電極を換えながら(X2X3、X3X4、・・・X5X6、Y1Y2、Y2Y3、・・・Y9Y10)差分を出力する。
図13は図4記載の差動増幅部89の内部構成の一実施形態である。157は容量差比較回路、158は容量差比較結果であり、容量差比較回路157は第1電極線電圧86と第2電極線電圧88を比較し、第1電極線電圧86の方が大きいとき“1”を、容量差比較結果158として出力する。159は容量差比較結果反転回路、160は容量差比較結果反転出力、161は第1差動入力第1電極線選択スイッチ、162は第2差動入力第2電極線選択スイッチ、163は第1差動入力第2電極線選択スイッチ、164は第2差動入力第2電極線選択スイッチ、165は第1差動入力、166は第2差動入力であり、第1差動入力第1電極線選択スイッチ161と第2差動入力第2電極線選択スイッチ162は、容量差比較結果158が“1”のときに、第1電極線電圧86を差動入力のプラス側となる第1差動入力165へ、第2電極線電圧88を差動入力のマイナス側となる第2差動入力166へ、各々選択出力する。第1差動入力第2電極線選択スイッチ163と第2差動入力第1電極線選択スイッチ164は、容量差比較結果反転出力160が“1”のときに、第2電極線電圧88を差動入力のプラス側となる第1差動入力へ、第1電極線電圧86を差動入力のマイナス側となる第2差動入力へ、各々選択出力する。つまり、差動入力が常にプラス側となる第1差動入力165が大きくなるよう制御する。167は差動増幅回路、168は容量差分電圧絶対値であり、差動増幅回路167は、任意の増幅率に応じた電圧を、容量差分電圧絶対値168として出力する。ここで、差動増幅回路167は図に示すとおり一般的な増幅回路とし、任意の抵抗値により増幅率を設定する。また容量差分絶対値168は容量差比較結果158をプラスマイナスの符号とする容量差分電圧90として出力される。
図14は図13記載の差動増幅部89の動作の詳細の一実施形態である。169は容量差分増幅電圧、170は容量差比較結果波形であり、第1差動入力165と第2差動入力166の波形を重ね合わせたときの到達レベルの差分を任意の倍率で増幅し、容量差分増幅電圧169を得る。また、1回目検出期間152では1回目第1電極線電圧波形149の方が小さいため、容量差比較結果出力波形170は“0”となり、符合としてはマイナスを示す。逆に、2回目検出期間153では2回目第1電極線電圧は敬意150の方が大きいいため、容量差比較結果出力波形170は“1”となり、符合としてはプラスを示す。
図15は図4記載のA/D変換部91の内部構成の一実施形態である。本実施形態では、一般的なA/D変換部ではなく、電圧―周波数変換手段、いわゆるVCO(Voltage Controlled Oscillator)を用いるものとして、以下説明する。171は電圧−周波数変換回路、172は電圧−周波数変換クロックであり、電圧−周波数変換回路171は、容量差分絶対値168の大きさに応じた周波数で発振するクロックである電圧―周波数変換クロック172を出力する。173はカウンタ、174は容量差分ディジタル絶対値であり、リセット信号136が入力されてからシェア信号135が6回入力された直後のタイミングを基準として、電圧―周波数変換クロック172をカウントすることにより、容量差分絶対値168をディジタル変換した容量差分ディジタル絶対値174を出力する。
図16は図15記載の電圧−周波数変換回路171およびカウンタ173の動作の詳細の一実施形態である。175は電圧―周波数変換クロック波形、176は1回目カウント期間、177は2回目カウント期間であり、電圧―周波数変換クロック波形175は、リセット信号136が入力されてからシェア信号135が6回入力された直後のタイミングを基準として、そのときの差分電圧の増幅結果に応じた周波数となり、次のリセット信号136が入力されてからシェア信号135が6回入力された直後のタイミングまでを1回目カウント期間176として、この間電圧―周波数変換クロック数をカウントし、2回目カウント期間177が後に続く。178は容量差分ディジタル絶対値出力、179は1回目差分ディジタル出力期間であり、容量差分ディジタル絶対値出力178は、1回目カウント期間176に続く1時回目差分ディジタル出力期間179において、1回目検出結果が出力される。
図17は図8記載の検出容量140が第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87で等しい容量値の場合の、図14記載の第1電極線電圧86と第2電極線電圧88の差分が示す値とタッチによる変動分との関係を示す図である。1回目の検出では、第2電極線電圧波形155がタッチの電圧差分だけ高くなり、2回目の検出では第1電極線電圧波形150がタッチの電圧差分だけ高くなる。検出容量の容量値に差がないため、非タッチの基準は同一レベルとなる。したがって、タッチの電圧差分は2回の平均をとることにより求められる。尚、検出容量の容量値に差がないことが保証される場合には、2回の平均をとる必要もないことになる。
図18は図8記載の検出容量140が第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87で容量値がばらつく場合の、図14記載の第1電極線電圧86と第2電極線電圧88の差分が示す値とタッチによる変動分と検出容量のばらつきの関係と、2回の平均をとる必要性を示す図である。1回目の検出では、第2電極線電圧波形155がタッチの電圧差分だけ高くなるが、非タッチの第1電圧線電圧波形149が検出容量のばらつきの分変動する。2回目の検出では第1電極線電圧波形150がタッチの電圧差分だけ高くなるが、この基準が検出容量のばらつき分変動しているため、そこを基準としてタッチの電圧差分だけ高くなる。したがって、1回目の差分と2回目の差分の関係は、差分の差がタッチ分×2となっていることがわかり、(1回目の差分―2回目の差分)÷2で求めることができ、検出容量のばらつき分をキャンセルできる。
上記図17で説明した平均と図18で説明した「(1回目の差分―2回目の差分)÷2」にについて更に説明を加える。容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲であれば(例えば図17)、第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動増幅部89の差動入力86,88の大小関係が逆転するから前後2回の差動出力168,158の絶対値の和の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。容量値のばらつきがタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えると(例えば図18)、第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動入力86,88の大小関係が逆転しないから前後2回の差動出力168,158の絶対値の差分の半分がタッチによる電圧の変動分に相当する。158は上記大小関係の逆転又は非逆転を表す符号信号とされ、座標変換部50は符号信号158を参照してA/D変換部91からの変換データ49に対して上記平均を行って、タッチ又は非タッチを判別する。
以下、図1〜18を用いて、本実施形態における静電容量型タッチパネルの指等のタッチによる容量変動の検出について説明する。
まず、図1を用いて、表示データの流れを説明する。図1で、表示制御ユニット6は、水平同期信号1、垂直同期信号2、データイネーブル3、表示データ4、同期クロック5から、LCDパネル9の表示タイミングに合わせて、データ線駆およびタッチパネル制御信号7、走査線制御信号8を生成する。タッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10は、データ線駆動およびタッチパネル制御信号7に含まれるディジタルの階調表示データから、LCDパネル9のガラス基板上に形成される表示画素アレイ14を表示するためのアナログ信号電圧に変換するとともに、静電容量型タッチパネル15を構成する電極線からの検出電極線16の容量変動を検出し、座標信号17として出力する。詳細は後で説明する。走査線駆動ユニット12は、表示画素アレイ14の走査線を順次選択するよう、走査線駆動信号13を出力する。表示画素アレイ14は、走査線駆動信号13によって選択されたライン上の画素に、アナログ信号電圧であるデータ線駆動信号11を書き込み、この電圧に応じた階調表示を行う。以上、LCDパネル9の表示動作に関しては従来と同様である。
図2、3、5を用いて、図1記載の静電容量型タッチパネル15上の指等のタッチを、タッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10において検出する詳細動作について説明する。図2で、静電容量型タッチパネル15上には、X1−1電極18、Y1−2電極19と同形の菱形電極が、電極線20〜35の交点以外の領域に、導電透明膜によって形成され、電極線20〜35は全線、検出電極線16として、図1に示すとおり、タッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10へ接続されている。図5で、菱形電極であるX1−1電極18、Y1−2電極19に指95が接触すると、電極との間にX−指容量96と、Y−指容量97が発生し、結果として、指がない場合にX電極容量93だけであった容量がX−指容量96、Y−指容量97、Y電極容量94の合成容量となり、図1の検出電極線16各々の容量はタッチと非タッチで差を持つこととなる。図3で、データシフト部36、1ラインラッチ部41、D/A変換部44は従来と同様の動作である。検出制御部45は容量差分検出部48において、2本の電極線を選択し差分を検出するための制御信号となる検出スイッチ制御信号46を生成し、容量差分検出部48は、この検出スイッチ制御信号46に従って、検出電極線16のうちの2本を選択して容量の差を検出し、容量差分値49として出力する。詳細は跡で説明する。座標変換部50は、容量差分値49から、検出電極線16の各々の容量値の分布を導出し、指のタッチがある位置の座標を計算、座標信号17として出力する。
図4、6、7を用いて、図3記載の容量差分検出部48の、2本の検出電極線の容量差分を検出する詳細動作について説明する。図4で、第1X電極線第1選択スイッチ51から第10Y電極線第1選択スイッチ54は、第1X電極線第1選択信号56から第10Y電極線第1選択信号59に従って、検出電極線16のうちの1本を、差分をとる第1の対象として選択し、第1選択電極線82として出力する。第1X電極線第2選択スイッチ60から第10Y電極線第2選択スイッチ68は、第1X電極線第2選択信号65から第10Y電極線第2選択信号68に従って、検出電極線16のうちの1本を、差分をとる第2の対象として選択し、第2選択電極線83としてする。図6で、第1選択電極線82、および第2選択電極線83には、各々1本の電極線が出力され、各々の選択された組合せは、次の期間で必ず第1選択と第2選択を入替えた組合せを選択することとする。例えば、X1とX2が選択された次の期間では、X2とX1を選択する。また、本実施形態では、隣接する電極(X1とX2、Y1とY2、・・・)を選択しているが、本発明はこれに限定するものではない。また、第1選択電極線82と第2選択電極線83に接続する電極線を選択すると同時に、図4で、第1X電極非選択スイッチ69から第10Y電極非選択スイッチ72は、第1X電極線非選択信号74から第10Y電極非選択信号77に従って、第1選択電極線82、第2選択電極線83、いずれにも選択されない電極線を選択しGNDと接続する。図7で、X1電極線接続からY10電極線接続は、検1と示す第1選択電極線82として選択されるか、検2と示す第2選択電極線83として選択されるか、それ以外の期間はGNDに接続されることを示している。図4で、第1選択電極線82、第2選択電極線83は、容量の大きさを電圧に変換し、第1電極線電圧86、第2電極線電圧88として出力する。詳細は後で説明する。差動増幅部89は、隣接する2本の容量の大きさを示す第1電極線電圧86、第2電極線電圧88の差分、つまり容量差を増幅し、容量差分電圧90として出力する。詳細は後で説明する。最後に、A/D変換部91が、アナログ値である容量差分電圧90をディジタル値に変換し、容量差分値49として出力する。
図8〜12を用いて、図4記載の第1電圧変換回路85の、電極容量の値を電圧値に変換する動作の詳細を説明する。図8で、電極合成容量142は、指によるタッチがない場合は電極容量、タッチがある場合は指による容量変動を合成した容量となる。まず第1ステップとして、図9で、チャージスイッチ137と、リセットスイッチ141を“ON”状態とすることにより、電極合成容量142にチャージ電源138からのチャージ電荷移動143が発生するとともに、検出容量140からGNDへディスチャージ電荷移動144が発生する。このとき、チャージ電荷移動143は、電極合成容量142が大きいほど大きくなるため、指タッチがある場合大きくなることとなる。ここまでがリセット動作である。次に第2ステップとして、図10で、シェアスイッチ139を“ON”、チャージスイッチ138、リセットスイッチ141を“OFF”状態とすることにより、第1ステップでチャージされた電極合成容量142から、検出容量140へのシェア電荷移動145が発生する。このとき、シェア電荷移動145は、電極合成容量142にチャージされている電荷量に依存するため、指タッチがある場合はチャージ量が大きいことから、シェア量も大きくなる。したがって、第1電極線電圧86は、指タッチがある場合のほうが大きい電圧となる。この動作がシェア動作である。次に第3ステップとして、図11で、チャージスイッチ137を“ON”、シェアスイッチ139とリセットスイッチ141を“OFF”状態とすることにより、今度は電極合成容量142にチャージ電源138からのチャージ電荷移動143のみ発生する。このとき、検出容量140に蓄積した電荷は保持したまま、電極合成容量142に電荷を再チャージする。この動作がチャージ動作である。以降、第2ステップのシェア動作と第3ステップのチャージ動作を繰り返すことにより、検出容量140に蓄積した電荷に、シェア電荷移動145を積み重ねる。以上の動作を、図12で、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップ、第3ステップ、第2ステップの順で繰り返す、つまり、チャージとシェアの動作を6回行うと、先に説明したとおり、X2電極に指が接触している場合、1回目第1電極線電圧波形149の到達レベルと2回目第1電極線電圧波形150の到達レベルの差が、タッチ容量差分電圧154となる。また、1回目第2電極線電圧波形155の到達レベルと2回目第2電極線電圧波形156の到達レベルの差が、タッチ容量差分電圧154となる。X1X2差分検出期間151以降も、同様に隣接する電極を換えながら(X2X3、X3X4、・・・X5X6、Y1Y2、Y2Y3、・・・Y9Y10)差分を出力することにより、全電極間の容量差を電圧に変換して出力する。
図13、14を用いて、図4記載の差動増幅部89の、第1電極線電圧86と第2電極線電圧88の差分を増幅する動作の詳細を説明する。図13で、第1電極線電圧86と第2電極線電圧88は容量差比較回路157によって大小が比較され、その結果となる容量差比較結果158と容量差比較結果反転出力159と、電極線選択スイッチ161から164によって、差動増幅器167の入力のプラス側となる第1差動入力165には、第1電極線電圧86、第2電極線電圧88の大きい方の電圧が、差動増幅器167の入力のマイナス側となる第2差動入力166には、第1電極線電圧86、第2電極線電圧88の小さい電圧が、必ず入力されることとなる。図14で、第1差動入力165と第2差動入力166の波形を重ね合わせたときの到達レベルの差分を任意の倍率で増幅し、容量差分増幅電圧169を得る。このとき、得られる容量差分電圧は1回目と2回目で同じであるが、1回目検出期間152では1回目第1電極線電圧波形149の方が小さいため、容量差比較結果出力波形170は“0”となり、符合としてはマイナスを示す。逆に、2回目検出期間153では2回目第1電極線電圧は敬意150の方が大きいいため、容量差比較結果出力波形170は“1”となり、符合としてはプラスを示す。
図15、16を用いて、図4記載のA/D変換部91の、容量差分電圧90をディジタル値である容量差分値49に変換する動作の詳細を説明する。図15で、電圧−周波数変換回路171は、容量差分絶対値168の大きさに応じた周波数で発振するクロックである電圧―周波数変換クロック172を出力し、カウンタ173は、リセット信号136が入力されてからシェア信号135が6回入力された直後のタイミングを基準として、電圧―周波数変換クロック172をカウントすることにより、容量差分絶対値168をディジタル変換した容量差分ディジタル絶対値174を出力する。図16で、電圧―周波数変換クロック波形175は、リセット信号136が入力されてからシェア信号135が6回入力された直後のタイミングを基準として、そのときの差分電圧の増幅結果に応じた周波数となり、次のリセット信号136が入力されてからシェア信号135が6回入力された直後のタイミングまでを1回目カウント期間176として、この間電圧―周波数変換クロック数をカウントし、2回目カウント期間177が後に続く。178は容量差分ディジタル絶対値出力、179は1回目差分ディジタル出力期間であり、容量差分ディジタル絶対値出力178は、1回目カウント期間176に続く1時回目差分ディジタル出力期間179において、1回目検出結果が出力される。
最後に、図17、図18を用いて、2回の検出により2つの検出容量のばらつきが解消される動作の詳細を説明する。容量のばらつきがない場合の図17では、1回目の検出では、第2電極線電圧波形155がタッチの電圧差分だけ高くなり、2回目の検出では第1電極線電圧波形150がタッチの電圧差分だけ高くなる。検出容量の容量値に差がないため、非タッチの基準は同一レベルとなる。したがって、タッチの電圧差分は2回の平均、即ち、前述のように、前後2回の差動出力168,158の絶対値の和の半分によってタッチによる電圧の変動分が求められる。容量のばらつきがある場合の図18では、1回目の検出で、第2電極線電圧波形155がタッチの電圧差分だけ高くなるが、非タッチの第1電圧線電圧波形149が検出容量のばらつきの分変動する。2回目の検出では第1電極線電圧波形150がタッチの電圧差分だけ高くなるが、この基準が検出容量のばらつき分変動しているため、そこを基準としてタッチの電圧差分だけ高くなる。したがって、1回目の差分と2回目の差分の関係は、差分の差がタッチ分×2となっていることがわかり、(1回目の差分―2回目の差分)÷2により、即ち、前述のように前後2回の差動出力168,158の絶対値の差分の半分によってタッチによる電圧の変動分を求めることができ、検出容量140のばらつき分をキャンセルすることができる。
検出容量140のばらつきという点に関しては、図17及び図18の説明から、第1電圧変換回路85と第2電圧変換回路87に接続する検出容量140に所定の差を持たせることにより、検出する電圧の値を任意に制御できることがわかる。例えば、常に第1電極線電圧86の方が大きくなるように検出容量140に差を持たせることにより、図13の容量差比較回路157は不要になる。要するに、符号信号158が不要になる。即ち、第1電圧変換回路85に接続する検出容量140と第2電圧変換回路87に接続する検出容量140との間の容量値の差を、前記容量電極に対するタッチと非タッチとの差による容量値の差よりも大きくする。換言すれば、第1電圧変換回路85に接続する検出容量140と第2電圧変換回路87に接続する検出容量140の容量値は、前記容量電極18,19に対するタッチと非タッチとに拘らず一方の検出電圧(例えば86)を他方の検出電圧(例えば88)よりも大きくする値である。
これにより、第1電圧変換回路85に接続する検出容量140と第2電圧変換回路87に接続する検出容量140との間の容量値の差がタッチと非タッチによる容量差の範囲を超えるから、電圧変換回路85,87に接続するタッチと非タッチの容量電極を相互に入れ換える前と後では差動増幅部89の差動入力86,88の大小関係が逆転しないから、差動増幅入力の大小関係を、タッチと非タッチによる容量変動や配線容量による容量差にかかわらず常に一定とすることができる。したがって、容量差比較回路157が不要になり、タッチセンサ装置の回路規模の縮小と動作の安定に寄与する。
以上説明した実施の形態によれば以下の作用効果を得る。静電容量型タッチパネルの指タッチによる微小な容量変動の検出において、隣接する2つの電極線容量を電圧に変換した結果を差動増幅回路に入力することにより、同相ノイズを除去するとともに微小な差分を増幅できる。また、2つの電極線容量に接続する検出手段85,87の接続を切り替えて2回検出することにより、検出容量をはじめとする電圧変換手段のばらつきを解消することができる。検出手段85,87の検出容量に対して、その他の検出経路でのばらつきを考慮して所定の容量差を持たせることにより、タッチセンサ装置の回路規模を縮小することができると共に差動増幅部89を安定して動作させることができる。
[第二の実施形態]
実施の形態について更に詳述する。本実施形態のタッチセンサ装置を適用したLCD表示装置の例は図1と同様である。本実施形態の静電容量型タッチパネル15の内部構成の一実施形態は図2と同様である。
図19は図1記載のタッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット10の内部構成の一実施形態である。図3と同じ番号を付した部分は、第一の実施形態と同様である。180は容量検出部、181は容量値であり、検出電極線16のなかの1本の容量を、容量値181として出力する部分のみ、第一の実施形態と異なる。
図20は図19記載の容量検出部180の内部構成の一実施形態である。図4と同じ番号を付した部分は、第一の実施形態と同様である。182は電極線選択スイッチ信号、183は第1X電極線選択信号、184は第2X電極線選択信号、185は第3X電極線選択信号、186は第10Y電極線選択信号であり、すべては図示していないが、検出の対象となる電極を選択する信号(計16本)が入力される。前記電極線選択スイッチ信号182は前記選択スイッチ信号183乃至186を総称する。
187は非選択スイッチ信号、188は第1X電極線非選択信号、189は第2X電極線非選択信号、190は第3X電極線非選択信号、191は第10Y電極線非選択信号であり、すべては図示していないが、差分検出のための対象として選択されない電極を選択する信号(計16本)が入力される。前記非選択スイッチ信号187は前記非選択信号188乃至191を総称する。
192は選択電極線であり、第1X電極線第1選択スイッチ51〜第10Y電極線第1選択スイッチ54のなかから1つ選択された電極線が、検出の対象として接続される。第1電圧変換回路85は選択電極線192の容量を電圧に変換し、第1電極線電圧86として出力する。A/D変換部91は、アナログ値である第1電極線電圧86をディジタル値に変換し、容量値181として出力する。
第2選択スイッチ、第2電圧変換回路、及び差動増幅回路は存在しない。
本実施形態の静電容量タッチパネル15の各々の菱形電極が持つ容量に対して、指で触ったとき(タッチ)の容量変化を等価的に示した図は図5と同様である。
以降、容量変化の検出動作は、第一の実施形態に示す隣接電極間の差分検出動作と異なり、外部電源を電圧源とし、外部容量への電荷移動量を電圧として計測することにより電極容量の変動を検出する従来の方式と同様である。
A/D変換部91の内部構成の一実施形態は図15と同様である。
以上説明した実施の形態によれば以下の作用効果を得る。アナログディジタル変換手段として電圧−周波数変換回路と周波数−カウント値変換回路を設けることにより、構成部品が一般的にコンパレータ等のアナログ回路を必要とするアナログディジタル変換回路に比べて、インバータやカウンタといったディジタル回路で構成でき、規模を小さくすることができる。また、周波数−カウント値変換回路において周波数をカウントする期間を長くすることにより精度を上げることが可能であり、回路規模の増加を伴わない。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、タッチパネルの容量電極の形状は図2に示される菱形に限定されず適宜変更可能である。本発明は、タッチパネルがLCDディスプレイに重ねられた構成に限定されず、プラズマディスプレイ等のその他のディスプレイに重ねられる場合、更にはノイズ源となるその他の回路と一緒に用いられる場合などにも広く適用することができる。本発明のタッチセンサ装置は、携帯電話やDSC(digital still camera)、PDA(Personal Digital Assistant)といった情報処理端末の表示装置の駆動ドライバICに、表示装置表面に貼り付ける静電容量型タッチパネルの制御手段を内蔵する技術として広くて起用可能である。
1…水平同期信号
2…垂直同期信号
3…データイネーブル
4…表示データ
5…同期クロック
6…表示制御ユニット
7…データ線およびタッチパネル制御信号
8…走査線制御信号
9…LCDパネル
10…タッチパネル駆動ユニット内蔵データ線駆動ユニット
11…データ線駆動信号
12…走査線駆動ユニット
13…走査線選択信号
14…表示画素アレイ
15…静電容量型タッチパネル
16…検出電極線
17…座標信号
18…X1−1電極
19…Y1−2電極
20…第1X電極線
21…第2X電極線
22…第3X電極線
23…第4X電極線
24…第5X電極線
25…第6X電極線
26…第1Y電極線
27…第2Y電極線
28…第3Y電極線
29…第4Y電極線
30…第5Y電極線
31…第6Y電極線
32…第7Y電極線
33…第8Y電極線
34…第9Y電極線
35…第10Y電極線
36…データシフト部
37…データ開始信号
38…データシフトクロック
39…シリアル表示データ
40…パラレル表示データ
41…1ラインラッチ部
42…水平ラッチクロック
43…1ラインデータ
44…D/A変換部
45…検出制御部
46…検出スイッチ駆動信号
47…座標変換タイミング信号
48…容量差分検出部
49…容量差分値
50…座標変換部
51…第1X電極線第1選択スイッチ
52…第2X電極線第1選択スイッチ
53…第3X電極線第1選択スイッチ
54…第10Y電極線第1選択スイッチ
55…第1選択スイッチ信号
56…第1X電極線第1選択信号
57…第2X電極線第1選択信号
58…第3X電極線第1選択信号
59…第10Y電極線第1選択信号
60…第1X電極線第2選択スイッチ
61…第2X電極線第2選択スイッチ
62…第3X電極線第2選択スイッチ
63…第10Y電極線第2選択スイッチ
64…第2選択スイッチ信号
65…第1X電極線第2選択信号
66…第2X電極線第2選択信号
67…第3X電極線第2選択信号
68…第10Y電極線第2選択信号
69…第1X電極線非選択スイッチ
70…第2X電極線非選択スイッチ
71…第3X電極線非選択スイッチ
72…第10Y電極線非選択スイッチ
73…非選択スイッチ信号
74…第1X電極線非選択信号
75…第2X電極線非選択信号
76…第3X電極線非選択信号
77…第10Y電極線非選択信号
78…第1X電極容量
79…第2X電極容量
80…第3X電極容量
81…第10Y電極容量
82…第1選択電極線
83…第2選択電極線
84…電極線検出タイミング信号
85…第1電圧変換回路
86…第1電極線電圧
87…第2電圧変換回路
88…第2電極線電圧
89…差動増幅部
90…容量差分電圧
91…A/D変換部
92…検出電源
93…X電極容量
94…Y電極容量
95…指
96…X−指容量
97…Y−指容量
98…接地容量
99…第1X電極線第1選択信号波形
100…第2X電極線第1選択信号波形
101…第5X電極線第1選択信号波形
102…第6X電極線第1選択信号波形
103…第1Y電極線第1選択信号波形
104…第2Y電極線第1選択信号波形
105…第3Y電極線第1選択信号波形
106…第9Y電極線第1選択信号波形
107…第10Y電極線第1選択信号波形
108…第1X電極線第2選択信号波形
109…第2X電極線第2選択信号波形
110…第5X電極線第2選択信号波形
111…第6X電極線第2選択信号波形
112…第1Y電極線第2選択信号波形
113…第2Y電極線第2選択信号波形
114…第3Y電極線第2選択信号波形
115…第9Y電極線第2選択信号波形
116…第10Y電極線第2選択信号波形
117…第1選択電極線状態
118…第2選択電極線状態
119…第1X電極線非選択信号波形
120…第2X電極線非選択信号波形
121…第5X電極線非選択信号波形
122…第6X電極線非選択信号波形
123…第1Y電極線非選択信号波形
124…第2Y電極線非選択信号波形
125…第3Y電極線非選択信号波形
126…第9Y電極線非選択信号波形
127…第10Y電極線非選択信号波形
128…X1電極接続状態
129…X2電極接続状態
130…X6電極接続状態
131…Y1電極接続状態
132…Y2電極接続状態
133…Y10電極接続状態
134…チャージ信号
135…シェア信号
136…リセット信号
137…チャージスイッチ
138…チャージ電源
139…シェアスイッチ
140…検出容量
141…リセットスイッチ
142…電極合成容量
143…チャージ電荷移動
144…ディスチャージ電荷移動
145…シェア電荷移動
146…リセット信号波形
147…チャージ信号波形
148…シェア信号波形
149…1回目第1電極線電圧波形
150…2回目第1電極線電圧波形
151…X1X2差分検出期間
152…1回目検出期間
153…2回目検出期間
154…タッチ容量差分電圧
155…1回目第2電極線電圧波形
156…2回目第2電極線電圧波形
157…容量差比較回路
158…容量差比較結果
159…容量差比較結果反転回路
160…容量差比較結果反転出力
161…第1差動入力第1電極線選択スイッチ
162…第2差動入力第2電極線選択スイッチ
163…第1差動入力第2電極線選択スイッチ
164…第2差動入力第2電極線選択スイッチ
165…第1差動入力
166…第2差動入力
167…差動増幅回路
168…容量差分電圧絶対値
169…容量差分増幅電圧
170…容量差比較結果波形
171…電圧−周波数変換回路
172…電圧−周波数変換クロック
173…カウンタ
174…容量差分ディジタル絶対値
175…電圧―周波数変換クロック波形
176…1回目カウント期間
177…2回目カウント期間
178…容量差分ディジタル絶対値出力
179…1回目差分ディジタル出力期間
180…容量検出部
181…容量値
182…電極線選択スイッチ信号
183…第1X電極線選択信号
184…第2X電極線選択信号
185…第3X電極線選択信号
186…第10Y電極線選択信号
187…非選択スイッチ信号
188…第1X電極線非選択信号
189…第2X電極線非選択信号
190…第3X電極線非選択信号
191…第10Y電極線非選択信号
192…選択電極線

Claims (18)

  1. 各々が電極容量を持ち複数の容量電極によって構成された静電容量型タッチパネルと、
    接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を第1の検出電圧として検出する第1の電極容量検出回路と、
    第1の電極容量検出回路とは別に接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を第2の検出電圧として検出する第2の電極容量検出回路と、
    前記第1の電極容量検出回路及び前記第2の電極容量検出回路の夫々に接続する容量電極を選択するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路による選択状態を順次切り換える制御を行う制御部と、
    前記第1の検出電圧と前記第2の検出電圧との差分を増幅して出力する差動増幅部と、
    前記差動増幅部の出力をディジタル変換するアナログディジタル変換部と、
    前記アナログディジタル変換部の出力と前記制御部による選択状態の切換えタイミングとに基づいてタッチされた容量電極の座標情報を取得する座標変換部と、を備え、
    前記制御部は、一対の容量電極に対して、一方を前記第1の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に接続して前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力された後に、一方を前記第2の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に繋ぎ代えて前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力されるように、前記スイッチ回路を制御する、タッチセンサ装置。
  2. 前記静電容量型タッチパネルは、直交する複数のX電極線とY電極線を備え、夫々の電極線に複数の容量電極が設けられた、請求項1記載のタッチセンサ装置。
  3. 前記制御部は前記一対の容量電極として隣接する容量電極を前記スイッチ回路に選択させる、請求項1記載のタッチセンサ装置。
  4. 前記アナログディジタル変換回路は、前記差動増幅部の出力電圧に応ずる周波数信号を出力する電圧−周波数変換回路と、電圧−周波数変換回路から出力される周波数信号のサイクル数を計数する周波数−カウント値変換回路とを備える、請求項1記載のタッチセンサ装置。
  5. 前記座標変換部は、一対の容量電極の一方が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値と、当該一対の容量電極の一方が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値との平均を求めることによって、当該一対の容量電極の何れか一方へのタッチ又非タッチを判別する、請求項1記載のタッチセンサ装置。
  6. 各々が電極容量を持ち複数の容量電極によって構成された静電容量型タッチパネルと、
    接続された前記容量電極に対する充電動作による電荷を第1の検出容量素子に受けて得られる電圧を第1の検出電圧として検出する第1の電極容量検出回路と、
    第1の電極容量検出回路とは別に接続された容量電極に対する充電動作による電荷を第2の検出容量に受けて得られる電圧を第2の検出電圧として検出する第2の電極容量検出回路と、
    前記第1の電極容量検出回路及び前記第2の電極容量検出回路の夫々に接続する容量電極を選択するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路による選択状態を順次切り換える制御を行う制御部と、
    前記第1の検出電圧と前記第2の検出電圧との差分を増幅して出力する差動増幅部と、
    前記差動増幅部の出力をディジタル変換するアナログディジタル変換部と、
    前記アナログディジタル変換部の出力と前記制御部による選択状態の切換えタイミングとに基づいてタッチされた容量電極の座標情報を取得する座標変換部と、を備え、
    前記制御部は、一対の容量電極に対して、一方を前記第1の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に接続して前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力された後に、一方を前記第2の電極容量検出回路に、他方を前記第2の電極容量検出回路に繋ぎ代えて前記差動増幅部による検出電圧の差分が出力されるように、前記スイッチ回路を制御し、
    前記第1の検出容量素子は前記第2の検出容量素子とは異なる容量値を有する、タッチセンサ装置。
  7. 前記第1の検出容量素子と前記第2の検出容量素子との間の容量値の差は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとの差による容量値の差よりも大きくされている、請求項6記載のタッチセンサ装置。
  8. 前記第1の検出容量素子及び前記第2の検出容量素子の容量値は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとに拘らず前記第1検出電圧を必ず前記第2検出電圧よりも大きくする値である、請求項6記載のタッチセンサ装置。
  9. 前記静電容量型タッチパネルは、直交する複数のX電極線とY電極線を備え、夫々の電極線に複数の容量電極が設けられた、請求項6記載のタッチセンサ装置。
  10. 前記制御部は前記一対の容量電極として隣接する容量電極を前記スイッチ回路に選択させる、請求項6記載のタッチセンサ装置。
  11. 前記アナログディジタル変換回路は、前記差動増幅部の出力電圧に応ずる周波数信号を出力する電圧−周波数変換回路と、電圧−周波数変換回路から出力される周波数信号のサイクル数を計数する周波数−カウント値変換回路とを備える、請求項6記載のタッチセンサ装置。
  12. 前記座標変換部は、一対の容量電極の一方が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値と、当該一対の容量電極の一方が接続する前記第2の電極容量検出回路の検出電圧に対する他方の容量電極が接続する前記第1の電極容量検出回路の検出電圧の差動増幅出力に応ずる値との平均を求めることによって、当該一対の容量電極の何れか一方へのタッチ又非タッチを判別する、請求項6記載のタッチセンサ装置。
  13. 各々が電極容量を持ち複数の容量電極によって構成された静電容量型タッチパネルと、
    個別に接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を検出電圧として検出する一対の電極容量検出回路と、
    前記一対の電極容量検出回路による異なる容量電極に対する検出電圧の差分を増幅する差動増幅回路と、
    前記一対の電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の前記差動増幅回路による差分出力に基づいて前記容量電極に対するタッチまたは非タッチを判別する判別部と、を備えたタッチセンサ装置。
  14. 前記判別部は、前記一対の電極容量検出回路に接続する容量電極を相互に入れ換える前と後の夫々の前記差動増幅回路による差分出力に応ずる値に対して平均を求めることによって前記タッチ又非タッチを判別する、請求項13記載のタッチセンサ装置。
  15. 前記夫々の電極容量検出回路は、接続された前記容量電極に対する充電動作による電荷を受けて電圧に変換する検出容量素子を有し、
    夫々の電極容量検出回路が備える検出容量素子の容量値の差は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとの差による容量値の差よりも大きくされている、請求項13記載のタッチセンサ装置。
  16. 前記夫々の電極容量検出回路は、接続された前記容量電極に対する充電動作による電荷を受けて電圧に変換する検出容量素子を有し、
    夫々の電極容量検出回路が備える検出容量素子の容量値は、前記容量電極に対するタッチと非タッチとに拘らず一方の前記電極容量検出回路による検出電圧を必ず他方の前記電極容量検出回路による検出電圧よりも大きくする値である、請求項13記載のタッチセンサ装置。
  17. 各々が電極容量を持ち複数の容量電極によって構成された静電容量型タッチパネルと、
    接続された前記容量電極に対する充電動作によって得られる電圧を検出電圧として出力する電極容量検出回路と、
    前記電極容量検出回路に接続する容量電極を選択するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路による選択状態を順次切り換える制御を行う制御部と、
    前記検出電圧をディジタル変換するアナログディジタル変換部と、
    前記アナログディジタル変換部の出力と前記制御部による選択状態の切換えタイミングとに基づいてタッチされた容量電極の座標情報を取得する座標変換部と、を備え、
    前記アナログディジタル変換部を、電圧値に応じた周波数のクロックを生成する電圧−周波数変換回路と、前記電圧−周波数変換回路から出力されるクロックを一定期間カウントすることにより周波数に応じたディジタル値に変換する周波数−カウント値変換回路で構成することを特徴とする、タッチセンサ装置。
  18. 前記静電容量型タッチパネルは、直交する複数のX電極線とY電極線を備え、夫々の電極線に複数の容量電極が設けられた、請求項17記載のタッチセンサ装置。
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