JP2011175083A - 超高速光パルスの波形歪み除去装置及び方法 - Google Patents

超高速光パルスの波形歪み除去装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超高速光パルスの波形歪みを除去する装置を提供すること。
【解決手段】光位相変調器2を折り返しの構成で使用することにより、超短光パルスに対してもそのスペクトル幅と同程度の強い周波数チャープを印加する。このチャープした光パルスに2次分散媒質8により群速度分散を与えることにより光フーリエ変換を実現し、それによりスペクトルの形状を時間軸上のパルス波形に変換する。光ファイバ伝送後の光信号のスペクトルは無歪みであることから、この方法により無歪みなパルス波形を再現でき、その結果超短パルスの波形歪みを除去することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波形歪み除去装置及び方法に係り、特に、超高速光通信において伝送性能の劣化要因となる信号パルスの波形歪みを除去又は補正するための超高速光パルスの波形歪み除去装置及び方法に関するものである。
基幹光伝送網の大容量化に向けた取り組みとして、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)における波長数の拡大と並行して、ネットワークを構成した場合の光ノードにおける波長制御の容易さや低消費電力化という点からは、1波長あたりの高速化が大変重要である。特に、超短光パルスを光領域で時間多重する光時分割多重(OTDM:Optical Time Division Multiplexing)伝送方式は、電子回路の処理限界を超える高速伝送を実現できることから、次世代超高速光通信システムの基盤技術として精力的に研究されている。
しかし、160Gbit/s以上の伝送速度においては、用いる信号のパルス幅が数ピコ秒以下と大変狭くなる。そのため、従来の高速伝送において問題となっていた光ファイバ伝送路の分散および偏波モード分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)によるパルス広がり、リプルの発生、ジッタなどの波形歪みに加え、これまでは無視できていた高次分散や高次PMD、さらにはそれらの時間変動が伝送品質に大きな影響を及ぼす。
これらの多様な線形波形歪みを一つの装置で一括して完全に除去する技術として、時間領域光フーリエ変換法と呼ばれる方式が提案されている(特許文献1〜6)。この方式は、パルスの時間波形よりむしろそのスペクトルの包絡線形状に着目して波形無歪み伝送を実現する方式である。すなわち、光ファイバ伝送後の光信号のスペクトルが無歪みであることに着目し、そのスペクトルを光フーリエ変換によって時間軸上のパルス波形に変換することにより、あらゆる線形歪みに対して入力信号パルスの時間波形を出力側で完全に再現することができる。
光スペクトルを時間軸上のパルス波形に変換するための光フーリエ変換は、光位相変調器と2次の分散媒質を組み合わせることによって実現することが出来る(非特許文献1等参照)。具体的には、歪みを受けたパルスに対し、光位相変調器によって
Figure 2011175083
で表されるパラボラの位相変調(瞬時周波数δω=−d(δφ)/dt=−Kt、すなわちチャープ率Kの線形周波数チャープ)を印加し、さらに分散量D=βL(β:波長分散、L:長さ)の大きさが1/Kに等しい分散媒質を通過させる。このとき、分散媒質の出力では、時間波形が変換前のスペクトル形状に等しい光パルスが得られる。このとき周波数ωは時間tにt=ω/Kの尺度で変換される。光フーリエ変換による波形歪み除去効果を得るには、光パルスのスペクトル幅と同程度の周波数チャープを印加することが必要である(特許文献1、非特許文献1参照)。
光位相変調器には、例えば、LiNbO(LN)の電気光学効果を利用した位相変調器が一般的に用いられる。LN位相変調器は、電圧V(t)を印加することによって
Figure 2011175083
の位相変調を光信号に印加することが出来る。ここでVpは半波長電圧と呼ばれ、光信号にpの位相変化を与えるのに必要な電圧の大きさである。LN位相変調器を正弦波信号V(t)=Vcos(ωt)で駆動すると、光パルスには
Figure 2011175083
の位相変調が印加される。従って、式(3)の第2項を式(1)と比較すると、LN位相変調器によって
Figure 2011175083
のチャープ率が得られる。
例としてVp=3VのLN位相変調器をV=6Vの電圧で駆動する場合を考える。このとき、繰り返し周波数40GHzの光パルスに対して、式(4)より|K|=0.4ps−2のチャープ率を得ることが出来る。
特開2004−266339号公報 特開2004−317684号公報 特開2005−020319号公報 特開2005−148512号公報 特開2005−195751号公報 特開2005−223369号公報
光位相変調器で光パルスに印加できるチャープの大きさは、通常のLN位相変調器の場合、現状では|K|=0.4ps−2程度が上限といわれている。160Gbit/sの伝送に用いられる2ps程度のパルス幅に対しては、この程度の大きさのチャープで、光フーリエ変換による歪み除去効果を得ることが出来る。例えばパルス幅2.5psのガウス型のフーリエ限界パルスは0.176THzのスペクトル幅を有している。光フーリエ変換はt=ω/K=2πf/Kの変換尺度で周波数を時間に変換するため、|K|=0.4ps−2のとき、0.176THzのスペクトル幅は2.7psの時間幅に変換され、もとの2.5psにほぼ等しいパルスを得ることが出来る。
しかし、さらに高速の伝送に用いられるサブピコ秒の超短光パルスに対しては、|K|=0.4ps−2程度ではパルス幅が狭いが故に十分な周波数チャープを与えることが出来ない。例えば、パルス幅0.8psのガウス型パルスは0.55THzのスペクトル幅を有しているが、|K|=0.4ps−2のチャープでは光フーリエ変換後のパルス幅は8.6psに広がってしまう。その結果、光フーリエ変換によって無歪みなパルス波形を完全に再現することが出来ず、波形歪み除去効果が得られない場合がある
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、サブピコ秒のような超短パルスに対しても理想的な光フーリエ変換が実行でき、その結果超高速伝送に対しても適用可能な波形歪み除去装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、特に、1台以上の光位相変調器を折り返し利用することにより、変調度の向上を図るものである。すなわち、光パルスを光位相変調器に入射し正弦波電圧信号で駆動させ光パルスにチャープ率Kの周波数チャープを印加した後、出力された光パルスを折り返して今度は逆に出射側から前記光位相変調器に入射し再び位相変調を印加する。両方向に伝搬する光パルスに対して同期して位相変調を行なうことにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与えることが出来る。
このようにして得られたチャープ率K’の光パルスを、分散量の大きさがD=1/K’の分散媒質に通すことにより、超高速光パルスに対する光フーリエ変換を実現し波形歪みを除去することが出来る。
ここで、1台の光位相変調器で順方向と逆方向の光パルスに位相変調を印加するためには、同一周波数の2つの電圧信号によって光位相変調器を駆動させる。また、光位相変調器において順方向に位相変調を与えられた光パルスを逆方向から再び同じ光位相変調器に入射するためには、例えば光パルスの進行方向を反転させるためのミラーもしくは3端子光サーキュレータ等の反射部を用いることが出来る。さらに、順方向と逆方向の光パルスにいずれも最適なタイミングで同方向の位相変調を印加するためには、光位相変調器の出射側に光遅延回路を挿入して、位相変調の同期をとることが重要である。
ここで、「最適なタイミング」とは、例えば、最も大きな又は(予め定められた値より)十分に大きなチャープを印加できるようなタイミングである。具体的には、パルスの中心位置と正弦波電圧信号のピークを一致させることにより、最も大きな又は(予め定められた値より)十分に大きなチャープを印加できる。また、「位相変調の同期をとる」とは、例えば、往路でも復路でもタイミングを最適にしておく必要があるという意味である。この例では、パルスの中心位置と正弦波電圧信号のピークを一致させておくことで同期をとることができる。
さらに、この往復型光位相変調器を2台以上用いれば、さらに大きな変調度を実現することができる。すなわち、N台の往復型光位相変調器により、K’=2NKのチャープ率を得ることが出来る。このようにして得られる大きなチャープ率により、サブピコ秒パルスにも理想的なフーリエ変換を行なうことが出来る。
本発明の第1の解決手段によると、
光位相変調器と、
群速度分散を有する2次分散媒質と
を備えた波形歪み除去装置であって、
光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
光パルスが入射される光サーキュレータと、
前記光サーキュレータを介して光パルスが入射され、位相変調を印加する前記光位相変調器と、
前記光位相変調器を、入力された光パルスの繰り返しと同じ周波数の電気信号で駆動する駆動部と、
前記光位相変調器から出射された光パルスを反射して再度前記光位相変調器へ入射する反射部と、
群速度分散を与える2次分散媒質と、
を備え、
光パルスを前記光位相変調器に入射し、
前記駆動部が、光パルスの進行方向に対して順方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの位相変調を印加し、
前記光位相変調器から出射された光パルスを、前記反射部により出射側で折り返して該出射側から再度前記光位相変調器に入射し、
前記駆動部が、順方向の駆動信号とは逆方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの同相の位相変調を再度印加し、
前記光位相変調器から出射されたチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すことで、D=1/2Kの群速度分散を与え、前記2次分散媒質から光パルスを出力する
ことにより波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置が提供される。
また、本発明によると、上述のような波形歪み除去装置において、
N(Nは2以上の整数)台の前記光位相変調器と、
前記2次分散媒質と
を備え、
N台の前記光位相変調器を使用して、光パルスに往復N回の位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’’=2NKの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
を特徴とする波形歪み除去装置を提供することができる。
本発明の第3の解決手段によると、
前記光位相変調器と、群速度分散を有する2次分散媒質とを備えた波形歪み除去装置を用いた波形歪み除去方法であって、
光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去方法が提供される。
本発明によると、折り返し型の構成で光位相変調器を使用することにより、超短光パルスに強い周波数チャープを印加することができる。その結果、本発明によると、超短光パルスに対して光フーリエ変換による波形歪みの除去効果を著しく向上させることが出来、超高速光伝送の高性能化を図ることが可能である。
本発明の実施の形態1による波形歪み除去装置の構成図。 本発明の実施の形態2による波形歪み除去装置の構成図。 本発明の実施の形態3による波形歪み除去装置の構成図。 CW光をLN光位相変調器に入力したときのスペクトル広がりの様子を示す説明図。 640 Gbit/s伝送用のサブピコ秒パルスを本装置に入力したときの出力パルス波形を示す説明図。 本発明の実施の形態4による波形歪み除去装置の構成図。 本発明の実施の形態5による波形歪み除去装置の構成図。
以下に示す実施の形態は、本発明の折り返し型光位相変調器を用いた光フーリエ変換法にもとづく超高速光パルスの波形歪み除去装置に関するものである。
1.実施の形態1
図1に波形歪み除去装置の実施の形態を示す。
この波形歪み除去装置は、光サーキュレータ1、光位相変調器2、光遅延回路6、反射部(反射ミラー)7、2次分散媒質8、駆動部10−1を備える。駆動部10−1は、位相シフタ3、電気増幅器4、アイソレータ5を有する。
光ファイバ伝送路を伝送中に歪みを受けた光パルスは、伝送後、受信側に設置された本装置に入力される。光パルスは、まず光サーキュレータ1を介して光位相変調器2に入射される。光位相変調器2は、駆動部10−1により、入力光パルスの繰り返しと同じ周波数の正弦波電気信号等の駆動信号で駆動される。駆動部10−1では、光パルスに対して最も大きなチャープを印加できるよう位相シフタ3により光パルスと電気信号のタイミングを最適化している。その後電気信号を2分岐し、電気増幅器4でそれぞれ必要な電圧まで増幅した後、アイソレータ5を介して光位相変調器2の2つのポートに入射し変調器を駆動している。ここで2つのポートから入射した電気信号は、同図の破線で示すように互いに逆方向に伝搬し、それぞれ反対側のポートから出力されるため、各電気増幅器4に信号が逆流するのを防ぐために、アイソレータ5が各増幅器の出力に挿入されている。光位相変調器2を通過する光パルスは、光と同一方向に伝搬する電気信号により位相変調を印加される。
光位相変調器2から出射された光パルスは、光遅延回路6を介して反射ミラー7によって折り返され、再び光遅延回路6を経て光位相変調器2に逆方向から入射される。このとき、前記電気信号とは逆方向に伝搬する電気信号によって光パルスに、順方向と逆方向で同相の位相変調が印加される。ここで、逆方向においても電気信号と光パルスのタイミングを最適化するために、光遅延回路6が挿入されている。光位相変調器2から出力された光パルスは光サーキュレータ1を介して2次分散媒質8を通過し群速度分散を与えられる。この場合の光フーリエ変換に用いる2次分散媒質8の群速度分散の大きさDは、一方向の位相変調で得られるチャープ率をKとすると、D=1/2Kに設定する。
以下に、本実施の形態による波形歪みの除去について説明する。
まず、Kは、光フーリエ変換に用いる位相変調器のチャープ率、
u(t)は、光位相変調器2へ入力される(すなわち光ファイバ伝送路を伝送した後の)光パルス、
(t)は、光位相変調器2の反射ミラー7側から出力され、再び入力される光パルス、
とすると、
光位相変調器2から出力され、2次分散媒質8へ入力される光パルスu(t)は、次式のように表わされる。
Figure 2011175083
つぎに、この光パルスu(t)が光位相変調器2の後に置かれた2次分散媒質8を通過した後のパルス波形v(t)はu(t)を用いて、
Figure 2011175083
と表される。式(5)より式(6)は入力パルス波形u(t)を用いて、
Figure 2011175083
と表される。ここで2次分散媒質8の分散量DをD=1/K’に選ぶと、式(7)は、

Figure 2011175083
と書くことができる。ただしU(z,ω)[ω=t/D]は、u(t)のフーリエ変換

Figure 2011175083
である。
分散 β(ω)の線形伝送では、光ファイバ伝送路(長さz)を伝送前の光スペクトルU(0,ω)と、伝送後の光スペクトルU(z,ω)は、
Figure 2011175083
で関係付けられ、その包絡線形状|U(z,ω)|は伝送後も不変である。このスペクトル形状を時間領域における光のフーリエ変換
Figure 2011175083
によって時間軸上のパルス波形v(t)に変換することにより、伝送路で生じた波形歪みを除去することができる。
特に、伝送パルスとして、ガウス型やSech型のように、時間波形とスペクトル形状が同じ関数であるパルスを用い、適当なDを選ぶことにより、伝送前の波形を出力端で歪み無く再生することができる。
2.実施の形態2
図2に、本発明の実施の形態2による波形歪み除去装置の構成図を示す。
この波形歪み除去装置は、光サーキュレータ1、光位相変調器2、光遅延回路6、光遅延回路6’、反射部(反射ミラー)7、2次分散媒質8、駆動部10−2を備える。駆動部10−2は、電気増幅器4、アイソレータ5を有する。
このように、順方向における光パルスと電気信号のタイミングを調整するために、位相シフタ3の代わりに光遅延回路6’を光サーキュレータ1の手前に挿入することも可能である。
本実施の形態の波形歪み除去についてのその他の動作は、実施の形態1と同様である。
3.実施の形態3
図3に、本発明の実施の形態3による波形歪み除去装置の構成図を示す。
この波形歪み除去装置は、光サーキュレータ1、光位相変調器2、光遅延回路6、2次分散媒質8、光増幅器9、駆動部10−1、光サーキュレータ11を備える。駆動部10−1は、位相シフタ3、電気増幅器4、アイソレータ5を有する。
このように、光パルスの伝搬方向を折り返すためには、反射ミラー7の代わりに光サーキュレータ11等の適宜の反射部を用いることも可能である。また、光位相変調器2の損失が大きく途中で光パワーを増幅するために光増幅器9を用いることもでき、その場合は、例えば図3に示す位置に挿入すればよい。ここで、光増幅器9にはアイソレータが含まれているため光増幅器9内を光は双方向に伝搬できないことから、光増幅器9を本装置の内部に挿入する場合は図3の構成が必要であることに注意する。但し光増幅器9を本装置の外部に挿入する場合はその限りではない。
4.評価
本実施の形態における強チャープの効果を明らかにするために、まず光パルスの代わりにCW光をLN光位相変調器に入力し、そのスペクトルの広がりからチャープの大きさを評価した。その結果を図4に示す。図4(a)は、従来のような一方向の光位相変調器による出力波形、図4(b)は、本発明のような折り返し二方向の光位相変調器による出力波形をそれぞれ示す。この波形は、図1の「光入力」からCW光を入射し、光サーキュレータ1→光位相変調器2→光遅延回路6→反射ミラー7→光遅延回路6→光位相変調器2→光サーキュレータ1という経路で光位相変調器2を往復し、2次分散媒質8の手前で観測したスペクトルを示す。
ここで、光位相変調器は40GHzの正弦波信号により22Vpp(片側振幅V=11V)の振幅で駆動させている。また用いたLN光位相変調器のVpは6.2Vである。このとき、従来のような一方向の位相変調で得られるチャープ率の大きさは式(3)より|K|=0.35ps−2、本実施の形態のような折り返し型の構成では|K’|=2|K|=0.7ps−2となる。図4(a),(b)の光スペクトルから見積もられるチャープ率はそれぞれ0.34ps−2,0.71ps−2であり、計算結果とよく一致している。0.71ps−2ものチャープは通常の光位相変調器では実現が困難な大きさであり、本発明及び本実施の形態の有効性を示すものである。
次に、本実施の形態における波形歪み除去の効果を明らかにするために、640Gbit/s伝送用のサブピコ秒パルスを入力し、光フーリエ変換後のパルス波形を光サンプリングオシロスコープで観測した。その結果を図5に示す。図5(a)は、640Gbit/sのDPSK(Differential Phase Shift Keying)信号を525km伝送させた後、40Gbit/sに多重分離し、さらにDPSKをOOK(On−Off Keying)に復調したパルスのアイパターンを示している。パルスの立ち上がりにジッタが見られ、パルスの裾野に歪みが見られる。一方、図5(b)は図5(a)のパルスを図1の装置に入力しその出力波形を観測したものである。図5(a)の波形に見られていた歪みが除去され、アイ開口(パルスのピークとゼロレベルの間の開き)が改善されていることがわかる。符号誤り率を測定した結果、この波形歪み除去により1〜2桁改善されている。
5.実施の形態4
次に、図6に、2台の光位相変調器2を用いた場合の波形歪み除去装置の実施の形態を示す。この実施の形態は、図示のように、光サーキュレータ(光分岐結合部)1’には4端子のものを用い、実施の形態1で示したような、2次分散媒質8及び光サーキュレータ1以外の構成を複数台備えたものである。1台目の光位相変調器2(チャープ率K)を往復した光パルスが本光サーキュレータを介して2台目の光位相変調器2に入力されている。実施の形態2と同様、位相シフタ3を光遅延回路6’に置き換えたり、あるいは、実施の形態3と同様反射ミラー7を3端子光サーキュレータ11等に置き換えることも可能である。このとき、2次分散媒質8の群速度分散の大きさDは、1台の光位相変調器2を用いて一方向の位相変調で得られるチャープ率をKとすると、チャープ率が4Kとなるので、D = 1/4Kに設定する。
さらに、光位相変調器及び駆動部及び反射部等の台数をN台に拡張することにより、周波数チャープの大きさをN倍に拡大することが出来る。これによりさらに短いパルス幅に対しても光フーリエ変換を実行することが可能になる。その際には、光サーキュレータをN台に対する分岐結合が可能なデバイスを用いる。
6.実施の形態5
図7に、本発明の実施の形態5による波形歪み除去装置の構成図を示す。
これは、実施の形態4の光サーキュレータ(光分岐結合器)1’の代わりにバス接続型の光分岐結合器1’’を用いたものである。光分岐結合器1’’は、複数の3端子光サーキュレータを用いたものの他、ミラーを用いたもの等適宜のデバイスを用いることができる。
本実施の形態の波形歪み除去についてのその他の動作は、実施の形態4と同様である。
以上詳細に説明したように、光位相変調器を折り返しの構成で使用することにより、サブピコ秒の超短光パルスに対しても光フーリエ変換を実行可能な波形歪み除去装置を実現することが出来る。その結果、例えば640Gbit/sのような超高速光伝送において本発明の波形歪み除去装置を用いることにより、伝送性能の大幅な改善が可能となる。
本発明の波形歪み補正に用いている時間領域光フーリエ変換は、波形歪み除去以外にも、光パルス圧縮や波形整形に適用が可能である。本発明による変調度の向上により、光パルスの圧縮率や波形整形におけるダイナミックレンジを大幅に拡大することが出来る。
1 光サーキュレータ
2 光位相変調器
3 位相シフタ
4 電気増幅器
5 アイソレータ
6 光遅延回路
7 反射ミラー(反射部)
8 2次分散媒質
9 光増幅器
10 駆動部

Claims (16)

  1. 光位相変調器と、
    群速度分散を有する2次分散媒質と
    を備えた波形歪み除去装置であって、
    光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
    前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
    により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置。
  2. 請求項1に記載の波形歪み除去装置において、前記光位相変調器でパルスに印加するチャープの大きさK’と2次分散媒質の分散量DとがD=1/K’の関係を満たすことを特徴とする波形歪み除去装置。
  3. 請求項1に記載の波形歪み除去装置において、順方向と逆方向の光パルスにそれぞれ位相変調を印加するために、同一周波数の2つの駆動信号によって前記光位相変調器を駆動させる駆動部を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  4. 請求項1に記載の波形歪み除去装置において、前記光位相変調器において順方向に位相変調を与えられた光パルスを逆方向から再び同じ前記光位相変調器に入射するために、光パルスの進行方向を反転させるための反射部を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  5. 光パルスが入射される光サーキュレータと、
    前記光サーキュレータを介して光パルスが入射され、位相変調を印加する前記光位相変調器と、
    前記光位相変調器を、入力された光パルスの繰り返しと同じ周波数の電気信号で駆動する駆動部と、
    前記光位相変調器から出射された光パルスを反射して再度前記光位相変調器へ入射する反射部と、
    群速度分散を与える2次分散媒質と、
    を備え、
    光パルスを前記光位相変調器に入射し、
    前記駆動部が、光パルスの進行方向に対して順方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの位相変調を印加し、
    前記光位相変調器から出射された光パルスを、前記反射部により出射側で折り返して該出射側から再度前記光位相変調器に入射し、
    前記駆動部が、順方向の駆動信号とは逆方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの同相の位相変調を再度印加し、
    前記光位相変調器から出射されたチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すことで、D=1/2Kの群速度分散を与え、前記2次分散媒質から光パルスを出力する
    ことにより波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置。
  6. 請求項4又は5に記載の波形歪み除去装置において、前記反射部は、ミラーもしくは3端子光サーキュレータであることを特徴とする波形歪み除去装置。
  7. 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、順方向と逆方向の光パルスにいずれも位相変調をタイミングを調整して印加するために、前記光位相変調器の出射側に光遅延回路を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  8. 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、順方向の光パルスに位相変調をタイミングを調整して印加するために、前記光位相変調器の入射側に光遅延回路を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  9. 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、光パルスを前記光位相変調器の一端に入射し、該一端から出射された光パルスを前記2次分散媒質に入射させるための光サーキュレータをさらに備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  10. 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、
    前記光位相変調器は駆動用の2つのポートを有し、
    該2つのポートからそれぞれ入射された電気駆動信号は、互いに逆方向に伝搬し、それぞれ反対側のポートから出力され、前記光位相変調器を通過する光パルスを、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気駆動信号により位相変調を印加することを特徴とする波形歪み除去装置。
  11. 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、
    前記駆動部は、光パルスと電気信号のタイミングを調整する位相シフタを備え、
    前記位相シフタから出力された電気信号を2分岐し、前記光位相変調器の駆動用の2つのポートに入射し、前記光位相変調器の2つのポートからそれぞれ入射された電気信号は、互いに逆方向に伝搬し、それぞれ反対側のポートから出力され、前記光位相変調器を通過する光パルスに対し、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気信号により位相変調を印加することを特徴とする波形歪み除去装置。
  12. 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、
    前記駆動部は、前記位相シフタから出力された電気信号を2分岐し、前記光位相変調器の駆動用の2つのポートに入射し、
    さらに、順方向の光パルスに位相変調をタイミングを調整して印加するために、前記光位相変調器の入射側に光遅延回路を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  13. 請求項11又は12に記載の波形歪み除去装置において、
    前記駆動部は、2分岐された各経路に、電気増幅器とアイソレータとを備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の波形歪み除去装置において、
    N(Nは2以上の整数)台の前記光位相変調器と、
    前記2次分散媒質と
    を備え、
    N台の前記光位相変調器を使用して、光パルスに往復N回の位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’’=2NKの周波数チャープを与え、
    前記光位相変調器によりチャープ率K’’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
    を特徴とする波形歪み除去装置。
  15. 請求項14に記載の波形歪み除去装置において、前記N台の前記光位相変調器を接続し、出力された光信号を前記2次分散媒質へ入射するための光分岐結合部をさらに備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
  16. 前記光位相変調器と、群速度分散を有する2次分散媒質とを備えた波形歪み除去装置を用いた波形歪み除去方法であって、
    光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
    前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
    により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去方法。
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