JP5455053B2 - 超高速光パルスの波形歪み除去装置及び方法 - Google Patents
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Description
ここで、「最適なタイミング」とは、例えば、最も大きな又は(予め定められた値より)十分に大きなチャープを印加できるようなタイミングである。具体的には、パルスの中心位置と正弦波電圧信号のピークを一致させることにより、最も大きな又は(予め定められた値より)十分に大きなチャープを印加できる。また、「位相変調の同期をとる」とは、例えば、往路でも復路でもタイミングを最適にしておく必要があるという意味である。この例では、パルスの中心位置と正弦波電圧信号のピークを一致させておくことで同期をとることができる。
駆動用の2つのポートを有する光位相変調器と、
群速度分散を有する2次分散媒質と
を備えた波形歪み除去装置であって、
前記光位相変調器の電気駆動信号を該2つのポートからそれぞれ入射し、互いに逆方向を伝搬させ、それぞれ反対側のポートから出力し、
光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させ、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気駆動信号によって位相変調を印加することにより光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置が提供される。
光パルスが入射される光サーキュレータと、
前記光サーキュレータを介して光パルスが入射され、位相変調を印加するために駆動用の2つのポートを有する光位相変調器と、
前記光位相変調器を、入力された光パルスの繰り返しと同じ周波数の電気信号で駆動する駆動部と、
前記光位相変調器から出射された光パルスを反射して再度前記光位相変調器へ入射する反射部と、
群速度分散を与える2次分散媒質と、
を備え、
光パルスを前記光位相変調器に入射し、
前記光位相変調器の電気駆動信号を該2つのポートからそれぞれ入射し、互いに逆方向を伝搬させ、それぞれ反対側のポートから出力し、
前記駆動部が、光パルスの進行方向に対して順方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの位相変調を印加し、
前記光位相変調器から出射された光パルスを、前記反射部により出射側で折り返して該出射側から再度前記光位相変調器に入射し、
前記駆動部が、順方向の駆動信号とは逆方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの同相の位相変調を再度印加し、
前記光位相変調器から出射されたチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すことで、D=1/2Kの群速度分散を与え、前記2次分散媒質から光パルスを出力する
ことにより波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置が提供される。
N(Nは2以上の整数)台の前記光位相変調器と、
前記2次分散媒質と
を備え、
N台の前記光位相変調器を使用して、光パルスに往復N回の位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’’=2NKの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
を特徴とする波形歪み除去装置を提供することができる。
駆動用の2つのポートを有する光位相変調器と、群速度分散を有する2次分散媒質とを備えた波形歪み除去装置を用いた波形歪み除去方法であって、
前記光位相変調器の電気駆動信号を該2つのポートからそれぞれ入射し、互いに逆方向を伝搬させ、それぞれ反対側のポートから出力し、
光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させ、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気駆動信号によって位相変調を印加することにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去方法が提供される。
図1に波形歪み除去装置の実施の形態を示す。
この波形歪み除去装置は、光サーキュレータ1、光位相変調器2、光遅延回路6、反射部(反射ミラー)7、2次分散媒質8、駆動部10−1を備える。駆動部10−1は、位相シフタ3、電気増幅器4、アイソレータ5を有する。
光ファイバ伝送路を伝送中に歪みを受けた光パルスは、伝送後、受信側に設置された本装置に入力される。光パルスは、まず光サーキュレータ1を介して光位相変調器2に入射される。光位相変調器2は、駆動部10−1により、入力光パルスの繰り返しと同じ周波数の正弦波電気信号等の駆動信号で駆動される。駆動部10−1では、光パルスに対して最も大きなチャープを印加できるよう位相シフタ3により光パルスと電気信号のタイミングを最適化している。その後電気信号を2分岐し、電気増幅器4でそれぞれ必要な電圧まで増幅した後、アイソレータ5を介して光位相変調器2の2つのポートに入射し変調器を駆動している。ここで2つのポートから入射した電気信号は、同図の破線で示すように互いに逆方向に伝搬し、それぞれ反対側のポートから出力されるため、各電気増幅器4に信号が逆流するのを防ぐために、アイソレータ5が各増幅器の出力に挿入されている。光位相変調器2を通過する光パルスは、光と同一方向に伝搬する電気信号により位相変調を印加される。
まず、Kは、光フーリエ変換に用いる位相変調器のチャープ率、
u(t)は、光位相変調器2へ入力される(すなわち光ファイバ伝送路を伝送した後の)光パルス、
u1(t)は、光位相変調器2の反射ミラー7側から出力され、再び入力される光パルス、
とすると、
光位相変調器2から出力され、2次分散媒質8へ入力される光パルスu2(t)は、次式のように表わされる。
図2に、本発明の実施の形態2による波形歪み除去装置の構成図を示す。
この波形歪み除去装置は、光サーキュレータ1、光位相変調器2、光遅延回路6、光遅延回路6’、反射部(反射ミラー)7、2次分散媒質8、駆動部10−2を備える。駆動部10−2は、電気増幅器4、アイソレータ5を有する。
このように、順方向における光パルスと電気信号のタイミングを調整するために、位相シフタ3の代わりに光遅延回路6’を光サーキュレータ1の手前に挿入することも可能である。
本実施の形態の波形歪み除去についてのその他の動作は、実施の形態1と同様である。
図3に、本発明の実施の形態3による波形歪み除去装置の構成図を示す。
この波形歪み除去装置は、光サーキュレータ1、光位相変調器2、光遅延回路6、2次分散媒質8、光増幅器9、駆動部10−1、光サーキュレータ11を備える。駆動部10−1は、位相シフタ3、電気増幅器4、アイソレータ5を有する。
このように、光パルスの伝搬方向を折り返すためには、反射ミラー7の代わりに光サーキュレータ11等の適宜の反射部を用いることも可能である。また、光位相変調器2の損失が大きく途中で光パワーを増幅するために光増幅器9を用いることもでき、その場合は、例えば図3に示す位置に挿入すればよい。ここで、光増幅器9にはアイソレータが含まれているため光増幅器9内を光は双方向に伝搬できないことから、光増幅器9を本装置の内部に挿入する場合は図3の構成が必要であることに注意する。但し光増幅器9を本装置の外部に挿入する場合はその限りではない。
本実施の形態における強チャープの効果を明らかにするために、まず光パルスの代わりにCW光をLN光位相変調器に入力し、そのスペクトルの広がりからチャープの大きさを評価した。その結果を図4に示す。図4(a)は、従来のような一方向の光位相変調器による出力波形、図4(b)は、本発明のような折り返し二方向の光位相変調器による出力波形をそれぞれ示す。この波形は、図1の「光入力」からCW光を入射し、光サーキュレータ1→光位相変調器2→光遅延回路6→反射ミラー7→光遅延回路6→光位相変調器2→光サーキュレータ1という経路で光位相変調器2を往復し、2次分散媒質8の手前で観測したスペクトルを示す。
ここで、光位相変調器は40GHzの正弦波信号により22Vpp(片側振幅V0=11V)の振幅で駆動させている。また用いたLN光位相変調器のVpは6.2Vである。このとき、従来のような一方向の位相変調で得られるチャープ率の大きさは式(3)より|K|=0.35ps−2、本実施の形態のような折り返し型の構成では|K’|=2|K|=0.7ps−2となる。図4(a),(b)の光スペクトルから見積もられるチャープ率はそれぞれ0.34ps−2,0.71ps−2であり、計算結果とよく一致している。0.71ps−2ものチャープは通常の光位相変調器では実現が困難な大きさであり、本発明及び本実施の形態の有効性を示すものである。
次に、図6に、2台の光位相変調器2を用いた場合の波形歪み除去装置の実施の形態を示す。この実施の形態は、図示のように、光サーキュレータ(光分岐結合部)1’には4端子のものを用い、実施の形態1で示したような、2次分散媒質8及び光サーキュレータ1以外の構成を複数台備えたものである。1台目の光位相変調器2(チャープ率K)を往復した光パルスが本光サーキュレータを介して2台目の光位相変調器2に入力されている。実施の形態2と同様、位相シフタ3を光遅延回路6’に置き換えたり、あるいは、実施の形態3と同様反射ミラー7を3端子光サーキュレータ11等に置き換えることも可能である。このとき、2次分散媒質8の群速度分散の大きさDは、1台の光位相変調器2を用いて一方向の位相変調で得られるチャープ率をKとすると、チャープ率が4Kとなるので、D = 1/4Kに設定する。
さらに、光位相変調器及び駆動部及び反射部等の台数をN台に拡張することにより、周波数チャープの大きさをN倍に拡大することが出来る。これによりさらに短いパルス幅に対しても光フーリエ変換を実行することが可能になる。その際には、光サーキュレータをN台に対する分岐結合が可能なデバイスを用いる。
図7に、本発明の実施の形態5による波形歪み除去装置の構成図を示す。
これは、実施の形態4の光サーキュレータ(光分岐結合器)1’の代わりにバス接続型の光分岐結合器1’’を用いたものである。光分岐結合器1’’は、複数の3端子光サーキュレータを用いたものの他、ミラーを用いたもの等適宜のデバイスを用いることができる。
本実施の形態の波形歪み除去についてのその他の動作は、実施の形態4と同様である。
2 光位相変調器
3 位相シフタ
4 電気増幅器
5 アイソレータ
6 光遅延回路
7 反射ミラー(反射部)
8 2次分散媒質
9 光増幅器
10 駆動部
Claims (14)
- 駆動用の2つのポートを有する光位相変調器と、
群速度分散を有する2次分散媒質と
を備えた波形歪み除去装置であって、
前記光位相変調器の電気駆動信号を該2つのポートからそれぞれ入射し、互いに逆方向を伝搬させ、それぞれ反対側のポートから出力し、
光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させ、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気駆動信号によって位相変調を印加することにより光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1に記載の波形歪み除去装置において、前記光位相変調器でパルスに印加するチャープの大きさK’と2次分散媒質の分散量DとがD=1/K’の関係を満たすことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1に記載の波形歪み除去装置において、順方向と逆方向の光パルスにそれぞれ位相変調を印加するために、同一周波数の2つの駆動信号によって前記光位相変調器を駆動させる駆動部を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1に記載の波形歪み除去装置において、前記光位相変調器において順方向に位相変調を与えられた光パルスを逆方向から再び同じ前記光位相変調器に入射するために、光パルスの進行方向を反転させるための反射部を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 光パルスが入射される光サーキュレータと、
前記光サーキュレータを介して光パルスが入射され、位相変調を印加するために駆動用の2つのポートを有する光位相変調器と、
前記光位相変調器を、入力された光パルスの繰り返しと同じ周波数の電気信号で駆動する駆動部と、
前記光位相変調器から出射された光パルスを反射して再度前記光位相変調器へ入射する反射部と、
群速度分散を与える2次分散媒質と、
を備え、
光パルスを前記光位相変調器に入射し、
前記光位相変調器の電気駆動信号を該2つのポートからそれぞれ入射し、互いに逆方向を伝搬させ、それぞれ反対側のポートから出力し、
前記駆動部が、光パルスの進行方向に対して順方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの位相変調を印加し、
前記光位相変調器から出射された光パルスを、前記反射部により出射側で折り返して該出射側から再度前記光位相変調器に入射し、
前記駆動部が、順方向の駆動信号とは逆方向に伝搬する駆動信号を前記光位相変調器に与えることによって、光パルスにチャープ率Kの同相の位相変調を再度印加し、
前記光位相変調器から出射されたチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すことで、D=1/2Kの群速度分散を与え、前記2次分散媒質から光パルスを出力する
ことにより波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項4又は5に記載の波形歪み除去装置において、前記反射部は、ミラーもしくは3端子光サーキュレータであることを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、順方向と逆方向の光パルスにいずれも位相変調をタイミングを調整して印加するために、前記光位相変調器の出射側に光遅延回路を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、順方向の光パルスに位相変調をタイミングを調整して印加するために、前記光位相変調器の入射側に光遅延回路を備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1又は5に記載の波形歪み除去装置において、光パルスを前記光位相変調器の一端に入射し、該一端から出射された光パルスを前記2次分散媒質に入射させるための光サーキュレータをさらに備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項3又は5に記載の波形歪み除去装置において、
前記駆動部は、光パルスと電気信号のタイミングを調整する位相シフタを備え、
前記位相シフタから出力された電気信号を2分岐し、前記光位相変調器の駆動用の2つのポートに入射し、前記光位相変調器の2つのポートからそれぞれ入射された電気信号は、互いに逆方向に伝搬し、それぞれ反対側のポートから出力され、前記光位相変調器を通過する光パルスに対し、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気信号により位相変調を印加することを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項10に記載の波形歪み除去装置において、
前記駆動部は、2分岐された各経路に、電気増幅器とアイソレータとを備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の波形歪み除去装置において、
N(Nは2以上の整数)台の前記光位相変調器と、
前記2次分散媒質と
を備え、
N台の前記光位相変調器を使用して、光パルスに往復N回の位相変調を印加させることにより、光パルスにチャープ率K’’=2NKの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
を特徴とする波形歪み除去装置。
- 請求項12に記載の波形歪み除去装置において、前記N台の前記光位相変調器を接続し、出力された光信号を前記2次分散媒質へ入射するための光分岐結合部をさらに備えたことを特徴とする波形歪み除去装置。
- 駆動用の2つのポートを有する光位相変調器と、群速度分散を有する2次分散媒質とを備えた波形歪み除去装置を用いた波形歪み除去方法であって、
前記光位相変調器の電気駆動信号を該2つのポートからそれぞれ入射し、互いに逆方向を伝搬させ、それぞれ反対側のポートから出力し、
光パルスを前記光位相変調器に入射しチャープ率Kの位相変調を印加した後、前記光位相変調器から出力された光パルスを出射側で折り返して逆方向から前記光位相変調器に入射し、前記光位相変調器で再度位相変調を印加させ、光の進行方向と同一方向に伝搬する電気駆動信号によって位相変調を印加することにより、光パルスにチャープ率K’=2Kの周波数チャープを与え、
前記光位相変調器によりチャープ率K’の周波数チャープを与えられた光パルスを、前記2次分散媒質に通すこと
により波形歪みを除去することを特徴とする波形歪み除去方法。
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