JP5176191B2 - 光信号処理回路 - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

大容量・高機能光通信ネットワークのノード等においては、超高速光データ信号に対する種々の処理を、電気信号に変換することなく、光信号のまま行うことが要求されている。本発明は、要求されている超高速光データ信号のスイッチング、再生、変調フォーマット変換などの全光信号処理技術に関する。
光通信システムは、単純な2地点間の伝送から、多数のノードを含むネットワーク技術へと展開しつつある。ネットワークに配置されたノードは、伝送により劣化した信号の再生中継、経路切替などのスイッチング、速度やプロトコルの異なるネットワークを繋ぐゲートウェイ、信号の品質モニタリングなどの機能を担っている。これら一連の信号処理は、現状では電子回路を用いて行われ、その過程で光信号から電気信号へ、さらに電気信号から光信号への変換が必要になる。ビットレートが10−160Gb/sの光信号を処理するノードでは、電子回路の動作速度の限界や、光・電気・光変換に伴う消費電力の増大により、従来の電子回路による信号処理が困難になり、電気信号に変換しないで光信号のままで高速処理できる技術が要求される。このためには、光信号を高速に切り替えることができる光ゲートスイッチ、光信号の再生中継、変調フォーマット変換などの機能を有する光信号処理回路が必要である。また、光信号の変調方式も単純な光のオン・オフだけでなく、差動位相シフト変調などに代表される、光波の位相を変調する方式も利用されるため、制御光での信号光の位相を変調、制御できる光信号処理回路が必要である。
ビットレートが10−160Gb/sの光信号を、別の光信号で制御して処理する方式の光ゲートスイッチ回路として、半導体光増幅器の相互位相変調効果と光干渉計を組み合わせた方式、および光ファイバのカー効果を利用する方式が報告されている。
例えば、特許文献1では、制御光に対して非線形屈折率変化を示す半導体光導波路を、マッハツェンダー干渉計型の2つの光路に、対称に配置した構造の光ゲートスイッチ素子を提案している。半導体光導波路における非線形屈折率変化の緩和時間(スイッチオフ時間)は、キャリアの緩和時間により数ナノ秒に制限される。このため、特許文献1の素子では、ピコ秒オーダーの高速動作を実現するため、光の干渉を利用して、遅い緩和成分を打ち消し、高速ゲートスイッチ動作を実現している。しかしながら、2つの光路に配置した半導体光導波路の特性を一致させることが困難であり、特性の違いを補償する回路が必要になるなどの問題があった。
この問題を解決するため、特許文献2では、特許文献1と同等の機能を、1つの半導体光導波路のみで実現できる、長期安定性に優れた光ゲートスイッチ素子を提案している。
しかしながら、制御光による屈折率変化に起因する光の位相変化は数ナノ秒の緩和を伴うため、1つの半導体光導波路のみで光ゲートスイッチ素子を実現しても、位相変調・制御素子として高速動作させることは困難である。
特許文献3では、光ファイバのカー効果を利用する、非線形光ループミラー型の光ゲートスイッチ回路を提案している。光ファイバの非線形屈折率変化は、特許文献1、2で用いられる半導体光導波路の非線形屈折率変化に比べて、桁違いに小さい。このため、数100mから数kmの光ファイバを用いて、制御光と信号光の相互作用長を長くする必要があり、またスイッチングに必要な制御光のパワーも1桁以上大きい。光ファイバによりループを構成し、ループを時計回り、および反時計回りに伝搬する光との間の干渉を利用して、屈折率変化に起因する光の位相変化を強度変化に変換する。光ファイバのカー効果は、制御光による光ファイバの非線形屈折率変化であり、数100フェムト秒程度の高速応答を示すため、数100Gb/s以上のスイッチング動作を実現できる可能性があり、光の位相変調・制御素子として高速動作させることも原理的には可能である。しかしながら、長尺の光ファイバを用いる必要があるため、信号のタイミング調整が困難であり、信号の遅延を引き起こす可能性がある。このため、小型化・集積化には不向きである。
特開平7−20510号公報 特開平8−179385号公報 特開2006−30295号公報
H.Yoshida,T.Shimoyama,A.V.Gopal,J.Kasai,T.Mozume and H.Ishikawa,"Ultrafast all optical switching and modulation using intersubband transitions in coupled quantum well structures",IEICE Trans.Electron.,vol.87−C,no,7,pp.1134−1141(2004).
R.Akimoto,B.S.Li,K.Akita and T.Hasama,"Subpicosecond saturation of intersabband absorption in(CdS/ZnSe)BeTe quantum well waveguides at telecommunication wavelength",Appl.Phys.Lett.,vol.87,no,18,181104(2005).
N.Iizuka,K.Kaneko and N.Suzuki,"Sub−picosecond all−optical gate utilizing GaN intersubband transition",Opt.Exp.,vol.13,no,10,pp.3835−3840(2005).
本発明は、小型化・集積化が可能で、その非線形屈折率変化が制御光に対して高速に応答する半導体素子を用いて光強度に応じて光の位相変調を起こし、そのときの干渉を利用する光ゲートスイッチ回路を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために下記の解決手段を採用する。
なお、この明細書中で用いる「光信号処理回路」は、「光位相変調回路と、この光位相変調回路を用いた、光強度変調を位相変調に変換する回路、強度変調を差動位相変調に変換する回路、差動位相変調信号を再生する光信号再生回路、干渉を利用する光ゲートスイッチ回路」を含む概念の回路を意味する。
(1)光ゲートスイッチ回路は、
波長λのクロック信号光または連続光であり且つTE偏光であるプローブ光を入力し分岐した前記プローブ光を出力する第1の光方向性結合器(1d)と、
波長λの強度変調データ信号光であり且つTM偏光である制御光と前記第1の光方向性結合器(1d)の分岐出力した一方の前記プローブ光を結合し出力する第2の光方向性結合器(1e)と、
前記第2の光方向性結合器(1e)の出力を入力し、単一または多重量子井戸構造の半導体素子であり、前記量子井戸のサブバンド間遷移に共鳴するTM偏光の制御光を吸収して、TE偏光であるプローブ光に対する屈折率変化を引き起こし、制御光でプローブ光の位相を変調した光を出力する光位相変換素子(2)と、
前記第1の光方向性結合器(1d)から前記第2の光方向性結合器(1e)と前記光位相変調素子(2)を介して出力する第1の光路と、前記第1の光方向性結合器(1d)から可変光減衰器(8)と光位相シフタ(9)を介して出力する第2の光路の出力光を入力し結合して出力する第3の光方向性結合器(1f)と、
前記第1の光方向性結合器(1d)の分岐出力した他方の前記プローブ光を入力し、前記2光路のそれぞれを通った両プローブ光の強度を等しくなるように調整し出力する前記可変光減衰器(8)と、
前記可変光減衰器(8)の出力を入力し、制御光を入力しない場合の、非対称マッハツェンダー干渉計(10)の前記第1の光方向性結合器(1d)から分岐した光路を通過した2つのプローブ光の位相差がπになるようにその位相を調整し第3の光方向性結合器(1f)へ出力する前記光位相シフタ(9)と
からなる前記非対称マッハツェンダー干渉計(10)と、
前記非対称マッハツェンダー干渉計(10)の出力のプローブ光から残留している制御光を除去して出力する光バンドパスフィルタ(3)を
備えた光ゲートスイッチ回路であって、
前記非対称マッハツェンダー干渉計(10)は、
前記制御光を入力しないときに前記プローブ光を出力せず、
前記強度変調データ信号光を制御光として入力したときに、前記制御光により前記プローブ光の位相変調を引き起こさせ、干渉により位相変調を強度変調に変換し、光スイッチとして動作することを特徴とする。
特許文献1と2の光ゲートスイッチ素子においては、制御光により引き起こされるプローブ光の位相変調を強度変調に変換するために、半導体光導波路における非線形屈折率変化の緩和時間(スイッチオフ時間)を打ち消すように干渉計を用いた。これに対して、本発明の光信号処理回路では、半導体の非線形屈折率変化は制御光に対して高速に応答するため、遅い緩和成分を除去する必要はない。このため、干渉計は位相変調を強度変調に変換するためだけに利用され、構造が簡素化され、安定性と信頼性が著しく向上する。さらに、本発明の光信号処理回路に用いる光位相変調素子では、遅い緩和成分が存在しないため、位相変調・制御素子として高速動作させることが可能になる。これにより、特許文献1と2の光ゲートスイッチ素子ではできなかった強度変調・位相変調変換回路、強度変調・差動位相変調変換回路、光信号再生回路が実現できる。
特許文献3の光ゲートスイッチ回路においては、制御光により光ファイバの非線形屈折率変化が高速に応答するものの、長さ数100mから数kmの光ファイバを必要とするため、信号遅延、タイミング調整が困難、小型化・集積化には不向きなどの問題がある。これに対して、本発明の光信号処理回路は、半導体素子により実現できるため、信号遅延やタイミング調整の問題は解消され、小型化と、他の半導体素子との集積化ができるようになる。
本発明に係る光位相変調回路を説明する図である。 本発明に係る強度変調・位相変調変換回路を説明する図である。 本発明に係る強度変調・差動位相変調変換回路を説明する図である。 本発明に係る光信号再生回路を説明する図である。 本発明に係る光ゲートスイッチ回路を説明する図である。 光位相変調素子の相互位相変調特性を評価する実験装置を示す図である。 強度変調信号に変換されたプローブ光の光サンプリング波形を表す図である。 プローブ光の光スペクトラムを表す図である。 プローブ光の位相変化を、制御光の1パルス当たりのエネルギーの関数として表した図である。
以下、本発明の実施の形態を図を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係る光位相変調回路を示す図である。波長λCの制御光と、波長λPのプローブ光とを、光方向性結合器1により結合して、光位相変調素子2に入力する。制御光の波長λCは、中心波長λPの光バンドパスフィルタ3により、除去できるように設定する。制御光の強度に比例して、光位相変調素子2の屈折率が変調され、これに応じて光位相変調素子2を伝搬するプローブ光の位相が変調される。制御光としてパルス光を用いた場合、プローブ光には図1に示すようなパルス状の位相変化が与えられる。光位相変調素子2を透過したプローブ光は、光バンドパスフィルタ3により残留している制御光を除去して取り出す。プローブ光として連続光、または制御光に同期したクロックパルス光を用いることができる。
図2は本発明に係る強度変調・位相変調変換回路を示す図である。強度変調・位相変調変換回路4では、波長λCの制御光と、波長λPのプローブ光とを、光方向性結合器1により結合して、光位相変調素子2に入力する。制御光の波長λCは、中心波長λPの光バンドパスフィルタにより、除去できるように設定する。制御光は2値デジタル信号で強度変調されたパルス信号光とする。プローブ光は制御光に同期し、制御光と同じビットレートを有するクロック信号光とする。
光位相変調素子2において、制御光の光強度に比例した位相変化がプローブ光に与えられるが、制御光の値が“1”の場合のプローブ光の位相変化がπになるように、制御光の強度を調整する。制御光の値が“0”と“1”に対応して、プローブ光は位相が“0”と“π”に変調された位相シフト変調(PSK:Phase Shift Keying)光に変換される。光位相変調素子2を透過したプローブ光は、光バンドパスフィルタ3により残留している制御光を除去して取り出す。
図3は本発明に係る強度変調・差動位相変調変換回路を示す図である。
強度変調・差動位相変調変換回路6は、制御光を入力する光方向性結合器1aを基点として、光方向性結合器1cまでの光路を2光路設ける。一方は、1ビット遅延素子5を介する光路であり、他方は、光方向性結合器1b、光位相変調素子2aを介する光路である。光方向性結合器1cは、光位相変調素子2b、光バンドパスフィルタ3を介して出力される。光方向性結合器1cと、光位相変調素子2bと、光バンドパスフィルタ3とは図1記載の光位相変調回路4と同一のものである。
強度変調・差動位相変調変換回路6では、波長λCの制御光と、波長λPのプローブ光とを、光方向性結合器1aにより結合して、光位相変調素子2aに入力するが、さらに光位相変調素子2bを光路に設けて、光位相変調素子を2段に直列接続した構造を有している。後段の光位相変調素子2bに入力する制御光には、前段の光位相変調素子2aに入力する制御光に対して、1ビット遅延素子5により1ビット分の遅延を与える。制御光の波長λCは、中心波長λPの光バンドパスフィルタ3により、除去できるように設定する。制御光は2値デジタル信号で強度変調された光パルス信号とする。プローブ光は制御光に同期し、制御光と同じビットレートを有するクロック信号とする。
それぞれの光位相変調素子2a、2bにおいて、制御光の光強度に比例した位相変化がプローブ光に与えられるが、制御光の値が“1”の場合のプローブ光の位相変化がπになるように、制御光の強度を調整する。それぞれの光位相変調素子2a、2bにおいて、制御光の値が“0”と“1”に対応して、プローブ光には位相が“0”と“π”の位相変化が与えられる。光位相変調素子2a、2bを2段に直列接続することにより、制御光の引き続く2ビット間の論理値の差に対応した位相変調が与えられ、プローブ光は最終的に差動位相変調(DPSK:Differential Phase Shift Keying)光に変換される。後段の光位相変調素子2bを透過したプローブ光は、光バンドパスフィルタ3により残留している制御光を除去して取り出される。
図4は本発明に係る光信号再生回路を示す図である。光信号再生回路は、劣化した差動位相変調信号を、電気信号に変換することなく、全光学的に再生する機能を有する。
強度変調・差動位相変調変換回路6は、図3の強度変調・差動位相変調変換回路と同一のものである。波長λCの制御光は差動位相変調された光パルス信号とし、波長λPのプローブ光は制御光に同期し、制御光と同じビットレートを有するクロック信号とする。制御光を差動位相復調回路7に入力し、強度変調信号に変換する。
差動位相復調回路7は、例えば、制御光の1ビット分の遅延を有するマッハツェンダー干渉計等により実現できる。
図3の強度変調・差動位相変調変換回路6と同様の原理で、差動位相復調回路7により強度変調信号に変換された制御光は、強度変調・差動位相変調変換回路6に入力され、同時に入力されたプローブ光を差動位相シフト変調光に変換して、制御光の情報はプローブ光に転写され、再生される。
図5は本発明に係る光ゲートスイッチ回路を示す図である。
光ゲートスイッチ回路は、非対称マッハツェンダー干渉計10の出力側に光バンドパスフィルタ3を接続した構造を有する。
非対称マッハツェンダー干渉計10は、プローブ光を入力する光方向性結合器1dを基点として、光方向性結合器1e、光位相変調素子2を介して光方向性結合器1fに接続される光路と、可変光減衰器8、光位相シフタ9を介して光方向性結合器1fに接続される光路とを有し、光方向性結合器1eには制御光が入力される構成を有する。光方向性結合器1fは光バンドパスフィルタ3に接続される。
プローブ光は光方向性結合器1dにより2分して、非対称マッハツェンダー干渉計7の2つの光路をそれぞれ伝搬した後、光方向性結合器1fにより結合する。可変光減衰器8の透過率は、非対称マッハツェンダー干渉計10の光路を透過した2つのプローブ光の強度が等しくなるように調整する。光位相シフタ9の位相変化は、制御光を入力しない場合の、非対称マッハツェンダー干渉計10の光路を透過した2つのプローブ光の位相差が、π(180°)になるように調整する。非対称マッハツェンダー干渉計10を透過したプローブ光は、光バンドパスフィルタ3により残留している制御光を除去して取り出される。
制御光を入力しない場合は、プローブ光は干渉により打ち消され、非対称マッハツェンダー干渉計10の出力側にはプローブ光は出力されない。強度変調されたデータ信号光を制御光として入力した場合は、制御光がプローブ光の位相変調を引き起こし、干渉により位相変調が強度変調に変換され、非対称マッハツェンダー干渉計10は光ゲートスイッチとして動作する。プローブ光として連続光、または制御光に同期したクロックパルス光を用いることができ、光波長変換や光信号再生に利用できる。図2の光ゲートスイッチ回路においては、非対称マッハツェンダー干渉計10は、位相変調を強度変調に変換するために用いられ、特許文献1、2で用いられる、遅い緩和成分を打ち消す機能は不要である。
図1から図5の光信号処理回路において、光位相変調素子2は、井戸層と障壁層からなる半導体の単一または多重量子井戸構造である。制御光はサブバンド間遷移に共鳴するTM偏光を用い、サブバンド間遷移による制御光の吸収を通して、半導体の屈折率変化を引き起こす。さらに、この屈折率変化を介してTE偏光のプローブ光の位相を変調して、制御光でプローブ光の位相を変調できる光位相変調素子として動作する。光通信波長帯にサブバンド間遷移を有する材料系として、非特許文献1〜3に述べられている半導体量子井戸構造があり、導波路構造により光閉じ込めを施して、光位相変調素子として動作できる。
以下では、半導体多重量子井戸構造の光位相変調素子を用いた、サブバンド間遷移による相互位相変調の実験結果を報告する。
実験に用いた光位相変調素子は、InGaAs/AlAs/AlAsSb結合量子井戸構造を有し、組成と構造は非特許文献1に記載されている。
図6は、光位相変調素子2の位相変調特性を評価する実験装置の構成を示す図である。制御光の光源として、能動モード同期光ファイバレーザー11を用いた。能動モード同期光ファイバレーザー11は、シンセサイザ12により駆動され、繰り返し周波数が9.95328GHz、持続時間2.3ps、中心波長1550nmの光クロック信号を安定に発生する。前記シンセサイザ12に同期した符号発生器14で駆動される光強度変調器13に、前記光クロック信号を入力し、デジタル変調された制御光を生成する。前記制御光は光ファイバ増幅器15により増幅し、偏光制御器16aによりTM偏光に設定して、光サーキュレータ17を介して、光位相変調素子2に入力した。
図6に示されているように、前記制御光は、周期100.47psのデジタル変調信号である。プローブ光の光源として波長可変レーザー18を用いた。波長可変レーザー18の出力光をTE偏光に設定して、前記制御光とは逆方向から光位相変調素子2に入力した。光位相変調素子2を透過した前記プローブ光は、光サーキュレータ17を介して取り出し、光バンドパスフィルタ3により不要な制御光成分を除去した後、偏光制御器16bにより偏波を調整して、直交偏光間の遅延時間25.12psを有する差動群遅延素子19に入力した。差動群遅延素子19を透過したプローブ光は、偏光制御器16cにより偏波を調整して、偏光子20に入力し、直交偏光間の干渉を利用して、位相変調を強度変調に変換した。図6に示されているように、偏光子20を透過したプローブ光は、時間間隔25.12psの2連パルスが、周期100.47psで繰り返されるデジタル変調信号になっている。理想的には、図5に示した構造の非対称マッハツェンダー干渉計7を用いることが望ましいが、個別部品で安定な干渉計を構成することが困難であるため、直交偏光間の干渉計を利用した。
図7は、強度変調信号に変換されたプローブ光の光サンプリング波形を表す図である。図7の横軸はTime(時間)[ps]、縦軸はAmplitude(振幅)[2mW/div]を表し、図7の波形は、下から順に制御光の1パルス当たりのエネルギーを1.59pJ、4.48pJ、6.76pJ、8.47pJ、9.93pJに設定した場合の、プローブ光の波形を表す。差動群遅延素子19の遅延時間25.12psに相当する間隔の2連パルスが現れており、制御光によりプローブ光に引き起こされた位相変調が、強度変調に変換されたことを示している。
図7の各波形は、アイパターン(Eye Pattern)を呈する。このアイパターンは、サンプリングデータを時間軸上で重ね合わせた特性を備え、中央の空白の部分が広いほうが良質であり、振幅が位相変化の大きさに対応している。特性上、9.93pJの強度レベルのプローブ光が最も良質である。
図7は、制御光のエネルギーを増大すると、プローブ光の強度変調が増大し、プローブ光の位相変調が増大していることを示している。制御光の1パルス当たりのエネルギーが6.76pJ以上では、明瞭なアイ開口を有する強度変調信号が得られており、光ゲートスイッチ回路として利用可能であることを示している。
図8は、プローブ光の光スペクトラムを表す図であり、横軸はWavelength Offset(波長オフセット)[nm]、縦軸はIntensity(強度)[10dB/div]を表す。図8の波形は、制御光を入力しない場合(Pump Off)、および制御光の1パルス当たりのエネルギーを3.19pJ、9.02pJに設定して測定したものである。制御光を入力した場合は、制御光により引き起こされるプローブ光の位相変調により、キャリアの周囲に多数のサイドバンドが生じている。また、プローブ光のサイドバンドの振幅は、制御光のエネルギーとともに増大している。サイドバンドの間隔は9.95328GHzであり、制御光のビットレートに対応している。
図9は、制御光により引き起こされるプローブ光の位相変化を、制御光の1パルス当たりのエネルギーの関数として表した図であり、横軸はPump Energy(制御光エネルギー)[pJ]で、縦軸はPhase Change(位相変化)[rad]を表す。プローブ光の位相変化は、制御光の1パルス当たりのエネルギーにほぼ比例して、0.234rad/pJの割合で増大している。プローブ光にπの位相変化を与えるのに必要な制御光1パルス当たりのエネルギーは、13.4pJと見積もられ、10Gb/sの光デジタル信号では、平均パワー67.1mWに相当する。したがって、プローブ光に対してπの位相変化を必要とする、上記強度変調・位相変調変換回路と、上記強度変調・差動位相変調変換回路と、上記光信号再生回路は、実験に用いた光位相変調素子2により実現することができる。
以上のとおりであるから、小型化・集積化できる半導体素子を用いて、遅い緩和を伴わない高速の光位相変調回路と、光強度変調を位相変調に変換する回路と、強度変調を差動位相変調に変換する回路と、差動位相変調信号を再生する光信号再生回路と、干渉を利用する光ゲートスイッチ回路を提供することが可能になり、実験結果により有効性が示された。
本発明の光信号処理回路は、従来の光ゲートスイッチ回路では不可能であった遅い緩和を伴わない高速の光位相変調回路を、小型化・集積化ができる半導体素子を用いて実現することが可能になる。これによりビットレートが10−160Gb/s超高速光データ信号に対するスイッチング、再生、変調フォーマット変換などの種々の処理を、電気信号に変換することなく、光信号のまま行うことができるようになる。この技術思想は、光通信システムに適用することにより、その性能向上に寄与することができる。
1,1a、1b、1c、1d、1e、1f 光方向性結合器
2,2a、2b 光位相変調素子
3 光バンドパスフィルタ
4 光位相変調回路
5 1ビット遅延素子
6 強度変調・差動位相変調変換回路
7 差動位相復調回路
8 可変光減衰器
9 光位相シフタ
10 非対称マッハツェンダー干渉計
11 能動モード同期光ファイバレーザー
12 シンセサイザ
13 光強度変調器
14 符号発生器
15 光ファイバ増幅器
16a、16b、16c 偏光制御器
17 光サーキュレータ
18 波長可変レーザー
19 差動群遅延素子
20 偏光子

Claims (1)

  1. 波長λのクロック信号光または連続光であり且つTE偏光であるプローブ光を入力し分岐した前記プローブ光を出力する第1の光方向性結合器と、
    波長λの強度変調データ信号光であり且つTM偏光である制御光と前記第1の光方向性結合器の分岐出力した一方の前記プローブ光を結合し出力する第2の光方向性結合器と、
    前記第2の光方向性結合器の出力を入力し、単一または多重量子井戸構造の半導体素子であり、前記量子井戸のサブバンド間遷移に共鳴するTM偏光の制御光を吸収して、TE偏光であるプローブ光に対する屈折率変化を引き起こし、制御光でプローブ光の位相を変調した光を出力する光位相変換素子と、
    前記第1の光方向性結合器から前記第2の光方向性結合器と前記光位相変調素子を介して出力する第1の光路と、前記第1の光方向性結合器から可変光減衰器と光位相シフタを介して出力する第2の光路の出力光を入力し結合して出力する第3の光方向性結合器と、
    前記第1の光方向性結合器の分岐出力した他方の前記プローブ光を入力し、前記2光路のそれぞれを通った両プローブ光の強度を等しくなるように調整し出力する前記可変光減衰器と、
    前記可変光減衰器の出力を入力し、制御光を入力しない場合の、非対称マッハツェンダー干渉計の前記第1の光方向性結合器から分岐した光路を通過した2つのプローブ光の位相差がπになるようにその位相を調整し第3の光方向性結合器へ出力する前記光位相シフタと
    からなる前記非対称マッハツェンダー干渉計と、
    前記非対称マッハツェンダー干渉計の出力のプローブ光から残留している制御光を除去して出力する光バンドパスフィルタを
    備えた光ゲートスイッチ回路であって、
    前記非対称マッハツェンダー干渉計は、
    前記制御光を入力しないときにはプローブ光を出力せず、
    前記強度変調データ信号光を制御光として入力したときには、前記制御光により前記プローブ光の位相変調を引き起こさせ、干渉により位相変調を強度変調に変換し、光スイッチとして動作することを特徴とする光ゲートスイッチ回路。

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