JP2011172782A - 医用画像処理装置および医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置および医用画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高解像度で被検体を撮影して、その歪みを補正すること。
【解決手段】ステレオX線源102および平面検出器103は、2つの視点から被検体にX線を照射し、2つの視点に対応する透過X線を検出して第1断層画像を得る。電子スキャン装置101は、被検体を周囲の複数個所からX線撮影して、被検体について複数の第2断層画像を得る。歪み判定部306および歪み補正部307は、複数の第2断層画像に基づいて被検体の第3断層画像を生成し、第3断層画像の形状に合わせて第1断層画像の形状を補正する。画像形成部308は、補正された被検体の各断面についての各第1断層画像を組み合わせることにより、被検体の3次元画像を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の視点から被検体を撮影し、撮影結果に基づいた画像を表示する医用画像処理装置および医用画像処理プログラムに関するものである。
一般に、医用画像の撮影にはX線管を用いたX線CT(Computed Tomography)装置が用いられており、被検体の周囲を1回転でスキャンすることにより撮影することが可能となっている。しかし、1回転にかかる時間の制約上、低被爆で質の良い動画像を得たい、という要求を満たすのは困難である。X線発生源および検出器が被検体の周りを一周することにより、1画像の撮影が完了するので、その回転速度にしたがって撮影されるフレーム数が決定されるからである。同一時間における撮影フレーム数を上げるために、回転速度をさらに10倍に高める必要があるが、この場合機械的回転の遠心力が100倍にもなる。また、動画像の解像度を上げるために平面検出器の解像度を縦方向に10倍、横方向に10倍とすると、それによってデータ量が100倍になり、これに回転速度による分をかけ合わせると、データレートが約1000倍にも至ってしまう。
以上の理由から、近年、特許文献1に示すように、機械的な回転機構を用いずに、被検体周囲の円周上でX線発生源を配置し、被検体に対してX線を照射する電子スキャン装置が提供されている。この電子スキャン装置は、被検体周囲の円周各部にX線発生部と、発生したX線を検出する検出部を多数配置している。それにより、機械的回転を必要とせずに、3次元的なX線によるCT撮影を可能としている。
特開2009−77903号公報
この電子スキャン装置は、被検体周囲に電子源および検出器を多数配置しており、X線照射位置を電子的に高速で変化させることにより機構的な可動部がないため、従来のX線CT装置よりも撮影速度を向上させることができる。電子スキャン装置の場合は、シャッターによって各電子源によるX線の照射をオンオフすることで撮影することができるが、電子スキャン装置の電子源の照射強度には限度がある。その一方で撮影速度を向上させるためには、シャッター速度を向上させる必要があり、シャッター速度を向上させるに連れて、1回の撮影にかかる時間は減少する。したがって、1回の撮影にかかるX線照射の総量は減少する。つまり、検出されるX線の量が減り、高解像度で撮影するのが困難であるという問題がある。
特にX線量の少なさから、画像がノイズを含みやすいことが考えられる。その一方で、X線管を用い、高出力で照射することにより撮影する高解像度撮影の撮影装置によって被検体を撮影することもできるが、上述のようにX線CT装置や電子スキャン装置のように、被検体を取り囲む構造ではないので、多方面から同時に撮影することができない。
また、機構的に撮影を実現することができたとしても、上述のようにデータレートが回転により10倍、平面検出器の利用により100倍で合計1000倍となってしまう。撮影により得られるデータ量が1000倍にもなってしまうと、この膨大なデータ量をシステム的に処理しきれないという問題も発生する。
一方、高解像度の撮影を望む場合には、2視点からのX線管を用いた高解像度撮影を行い、その2視点の視差を利用して立体画像を得るという方式が考えられる。しかし、得られる立体画像の根拠となるのがたった2つの画像のみであるので、画像内部の各部の位置が前記視点から遠方になるほど正確に把握できないという問題がある。
つまり、同一対象に対して2つの照射位置から撮影した場合、三角測量と同様に、両者から対象を見た視差を利用するので、たとえばその視差がないような場合、その撮影対象の位置が正確に把握されず、その結果画像に歪みが生じる場合がある。そこで本発明者は、被検体を多視点から撮影し、位置の把握が比較的正確な電子スキャン装置と、高解像度の撮影装置の利点を組み合わせて画像の歪みを補正できることに着眼した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高解像度で被検体を撮影して、画像の歪みを補正することができる技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる医用画像処理装置は、2つの視点から被検体にX線を照射し、前記2つの視点に対応する透過X線を検出して第1断層画像を得る第1撮影手段と、前記被検体を周囲の複数個所からX線撮影して、前記被検体について複数の第2断層画像を得る第2撮影手段と、前記第2撮影手段によって得られた複数の第2断層画像に基づいて前記被検体の第3断層画像を生成し、該第3断層画像の形状に合わせて前記第1断層画像の形状を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された前記被検体の各断面についての各第1断層画像を組み合わせることにより、前記被検体の3次元画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項9にかかる医用画像処理プログラムは、2つの視点から被検体にX線を照射し、前記2つの視点に対応する透過X線を検出して第1断層画像を得る第1撮影ステップと、前記被検体を周囲の複数個所からX線撮影して、前記被検体について複数の第2断層画像を得る第2撮影ステップと、前記第2撮影ステップによって得られた複数の第2断層画像に基づいて前記被検体の第3断層画像を生成し、該第3断層画像の形状に合わせて前記第1断層画像の形状を補正する補正ステップと、前記補正ステップによって補正された前記被検体の各断面についての各第1断層画像を組み合わせることにより、前記被検体の3次元画像を形成する画像形成ステップと、を特徴とする。
以上により、2つの視点から撮影を実行して高解像度の第1断層画像を得るとともに、被検体の周囲の複数個所からX線撮影することによって得られた第2断層画像を得て、2つの視点からの撮影により得られた第1断層画像の歪みを補正することができる。この第2断層画像に基づいて第3断層画像を生成し、これを用いて第1断層画像を補正することができる。この補正された第1断層画像を用いて3次元画像を生成するので、本実施形態によって、高分解能の3次元画像を生成することができる。
本実施形態の医用画像処理装置の外観構成図である。 電子スキャン装置の横の断面から見た構成を示す図である。 本実施形態の画像処理部の機能ブロック図である。 ステレオ撮影の場合の被検体に対する配置を説明する概略図である。 電子スキャン撮影による被検体の撮影方向を説明する概略図である。 ステレオ撮影による被検体の撮影方向を説明する概略図である。 ステレオ撮影による断面画像を説明する概略図である。 ステレオ撮影による断面画像の取得について説明する概略図である。 ステレオ撮影による撮影位置の歪みおよびその補正を説明する概略図である。 本実施形態の医用画像処理装置の処理動作を示すフローチャートである。 レンチキュラーレンズを用いて画像を表示するときの概略図である。 本発明の他の実施形態を説明するための概略図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための概略図である。 ステレオ撮影による輪郭の歪みを説明する概略図である。 ステレオ撮影による輪郭の歪み補正を説明する概略図である。
[発明の実施の形態]
図1〜3をもとに、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施形態の医用画像処理装置における、電子スキャン装置101と、ステレオX線源102と、平面検出器103と、寝台装置104と、天板105と、アーム106を含む外観構成図である。
ステレオX線源102と平面検出器103は、第1撮影手段の一例として挙げられるが、アーム106に天板105上の被検体を挟んで対向して取り付けられている。アーム106は可動に構成されており、アーム106の動作により、アーム106に取り付けられているステレオX線源102と平面検出器103を所望の位置に配置することができる。このステレオX線源102と平面検出器103の組み合わせにより、高い空間分解能の画像を30フレーム毎秒のレートで取得する。ステレオX線源102は、距離の離れた2つの焦点をもつステレオX線管から放射されるX線を交互に切り替え、平面検出器103で検出する画像データを、X線切り替えと同期して取得する。それにより、右と左の視点からの第1断層画像としてのステレオ画像を取得することができる。平面検出器103は、多数のX線検出器を行列状に配列して構成されている。
ステレオX線源102と平面検出器103により高解像度の画像が2つ得られ、この2つの画像により2つの目に映る像に視差が生じることで立体的に見える。距離が近いものは視差が大きく、距離が遠いものは視差が小さい。このようにしてステレオ撮影を実行する。視差は、2つの視点の中間になるほど、かつ2つの視点からより遠くになるほど小さくなる。そして、この視差が小さいほど、像の位置誤差が大きくなる。この点について、図8を用いて後述する。
電子スキャン装置101は、第2撮影手段の一例として挙げられる。電子スキャン装置101は、電子的な制御に基づいて被検体周囲の円周上でX線を発生させるとともに当該X線を被検体に対して照射し、被検体を透過したX線を検出して投影データを生成する装置である。この投影データは、空間分解能は高くないが、正確な3次元の静止画像として得られる。具体的には、電子スキャンリングを有し、電子スキャンリングを用いて被検体を撮影する。このようにして、電子スキャン撮影を実行し、第2断層画像としての電子スキャン画像を取得する。この電子スキャン装置101の構成を、図2を用いて説明する。
図2は、電子スキャン装置101の構成を示す図であって、横から見た断面図である。この電子スキャン装置101には、被検体を囲めるリングに配された複数の電子源112と、リングの中心を挟んで各電子源に対抗する位置に配され、被検体からの透過X線を検出する検出器121とが配置されている。
電子源112は、たとえばカーボン・ナノチューブによる電子源であり、ターゲットリング110に対して焦点111を形成するように電子ビームを照射する。ターゲットリング110は、それぞれリング状に形成された部材であり、各電子源112から同様に電子ビームが照射された焦点111から被検体に対してX線113を照射する。
検出器リング120は、多列の検出器121を同一円周上に配置することによって形成されたリング状の構造体である。検出器121は、ターゲットリング110により照射され、被検体を透過したX線113を検出する。この検出器121は、検出したX線113に基づいて、投影データを生成し、生成した投影データをコンソール装置に対して送信する。上記のように、電子スキャン装置101による撮影では、X線による照射量が小さいが、被検体の周囲、360度にわたって測定するため、画像の位置は正確に得られる。
図3は、本実施形態の画像処理装置の機能ブロック図である。図3において、画像処理部300は、図1に示した電子スキャン装置101および平面検出器103からの入力を受け、本実施形態の各処理を実行する。画像処理部300は、メモリ303,304、3次元画像生成部305、歪み判定部306、歪み補正部307、画像形成部308、表示制御部309、入力部310、制御部311、表示部312を含む。
図3の画像処理部300の各部は、制御部311により制御される。具体的には、制御部311は、電子スキャン装置101の動作を制御したり、被検体の画像を表示したりする。制御部311は、操作者から各種操作を受け付け、操作者から受け付けた操作に基づいて、X線の照射や寝台装置104による天板105の移動などを制御し、生成された投影データから画像を再構成し、再構成された画像を出力する。その一方で、ステレオX線源102から、被検体に向けてX線を照射させ、平面検出器103によって投影データを検出させる。電子スキャン撮影とステレオ撮影は、本実施形態では連続して実行される。
そして撮影時には、制御部311が、操作者から受け付けた操作に基づいて電子スキャン装置101および天板105の動作を制御する。具体的には、寝台装置104は、まず、天板105を制御して、被検体が載置された天板105を電子スキャン装置101内へ移動する。続いて制御部311は、電子スキャン装置101を制御して、電子的な制御に基づいて被検体周囲の円周上でX線を発生させ、そのX線を被検体に対して照射させる。
メモリ303は電子スキャン装置101から送出された電子スキャン画像を保存する。メモリ304は、平面検出器103から送出された投影データ(ステレオ画像)を保存する。
3次元画像生成部305は、メモリ303に記憶された投影データから、3次元画像を生成する。電子スキャン装置101は、被検体を挟んで多数の検出器121を配しており、この多数の位置から撮影するので、被検体の撮影対象の各位置を正確に撮影することができる。3次元画像生成部305は、この正確な位置のもとで断層画像データをそれぞれ取得することができ、この取得された断層画像データから3次元画像を生成する。
歪み判定部306は、画像整合処理と歪み判定処理を実行する。まず、画像整合処理を説明する。歪み判定部306は、メモリ304から第1断層画像としてのステレオ画像を読み出す。ステレオ画像の生成については、図8を用いて後述する。また、歪み判定部306は、第2断層画像としての電子スキャン画像から得られた3次元画像を、3次元画像生成部305から読み出す。歪み判定部306は、この3次元画像から、ステレオ画像のそれぞれと同じ断面に沿った第3断層画像としての断層画像を生成する。
図4は、ステレオ撮影する場合の被検体に対する配置を説明する概略図である。図1に示したステレオX線源102は、X線源401とX線源402により構成される。この2つのX線源401とX線源402により被検体を照射することによりステレオ撮影を実行する。このときに被検体の体軸方向に垂直な面を形成する断面方向405と、被検体の体軸方向に沿った向きである断面方向406の2つから撮影画像の歪み補正を実行する。
図5は、電子スキャン撮影による被検体の撮影方向を説明する概略図である。図5は、図4に示した断面方向406の方向の断面に沿って図示している。歪み判定部306による画像整合処理に関して用いられる比較用画像を説明する。図1でも示したように、電子スキャン装置101が被検体を取り囲むように配置されている。電子スキャン装置101による被検体の照射方向は垂直である。電子スキャン装置101は、被検体に対して垂直に、そして被検体の体軸方向に沿って移動して撮影を実行し、被検体の断層画像を取得する。3次元画像生成部305は、このように取得された被検体の断層画像から3次元画像を生成し、この3次元画像から第3断層画像としての比較用画像を生成する。この比較用画像は、図5に示したような被検体に対する垂直方向の断面画像ではなく、図6に示したような、ステレオX線源102から放射方向の断面の画像となる。
図5に示したように、電子スキャン撮影は被検体に対して垂直になるが、後述の図6に示すようにステレオ撮影はステレオX線源102からの放射状の撮影となるので、被検体への照射は必ずしも垂直ではない。つまりそれぞれの投影データの座標体系が異なる。そこで両者が同一の座標体系の平面として比較の対象となるようにする。それにより、歪み判定部306は、3次元画像生成部305から読み出された3次元画像から、ステレオ画像と同一の平面となる各断層画像を生成する。この断層画像が比較用画像である。以上の画像整合処理により、電子スキャン撮影とステレオ撮影の両者で得られた画像は、同一座標体系で表されるので、比較対象となる。
図6は、ステレオ撮影による被検体の撮影方向を説明する概略図である。図6も、図5と同様に図4に示した断面方向406の方向の断面に沿って図示している。図5に引き続き、歪み判定部306による画像整合処理に関して用いられる比較用画像を説明する。図1に示したように、ステレオX線源102および平面検出器103は被検体に対して配置される。なおここでは被検体を横から見た場合を図示しているのでステレオX線源102をまとめているが、これを被検体の上または下から見た場合、図8および図9に示したように、X線源401および402の2つが配置されている。
このステレオX線源102からは、図6に示したように放射状に照射方向が広がる。したがって、ステレオ画像は図6に示したように放射方向に広がる断面画像が得られる。一方で電子スキャン画像は図5に示したように被検体に対して垂直方向に得られるので、そのままでは比較の対象として用いることはできない。そこで、歪み判定部306は、画像整合処理として、3次元画像生成部305によって得られた3次元画像から、図6に示された放射方向に上述の各比較用画像を切り出す。
図7は、ステレオ撮影による断面画像を説明する概略図である。図6では断面方向406に沿った断面で撮影方向を示したが、ステレオ画像を図4と同じ方向から示した場合、図7のようになる。図6に示したようにステレオX線源102から放射状にX線が照射されるが、それにより図7に示すように断面407の画像が形成される。この断面407の画像がステレオ画像となる。一方、電子スキャン撮影の場合、図5を用いて説明したように電子スキャン画像は被検体に垂直な方向に形成されるので、断面407のような斜めの方向ではない。したがって、歪み判定部306は、3次元画像生成部305によって電子スキャン画像から形成された3次元画像から、断面407に沿った断層画像を生成する。この断層画像が比較用画像となる。比較用画像は、断面407に沿った面の画像なので、ステレオ画像との比較の対象となりうる。
図8は、ステレオ撮影による断面画像の取得について説明する概略図である。図8は、図7の断面407を、図5〜図7と異なり、図4に示した断面方向405の方向の断面に沿って図示している。図8を用いて歪み判定部306による歪み判定処理を説明する。図1に示したステレオX線源102は2つによって構成されるので、図8では2点のX線源401およびX線源402として示している。この2点のX線源401、402から照射されたX線400は、平面検出器103によって検出される。
ここでは、撮影位置411、421、431をそれぞれ撮影した場合について説明する。X線源401およびX線源402は、被検体内の撮影位置411、421、431に向けてそれぞれX線400を照射する。照射されたX線は、平面検出器103でそれぞれ検出される。撮影位置411については、検出位置412および413で検出する。撮影位置421については、検出位置422および423で検出する。撮影位置431については、検出位置432および433で検出する。
以上のように同一の点を異なるX線源401および402のそれぞれで照射するので、この同一の点の画像が、それぞれ平面検出器103上の異なる位置で検出されることになる。この異なる位置で検出された同一の点について、いわゆる三角測量の原理を適用し、それにより各撮影位置411、421、431の奥行き方向の位置を求め、それにより立体的な配置を求める。三角測量とは、三角形の1辺の長さと2つの内角が分かっていると残りの1点の位置が確定できるということを利用した原理である。すなわち、平面検出器103の上の2点の間の距離と、その2点へのX線の入射角から各撮影位置411、421、431を求める方法である。
このように、撮影位置411、421、431を撮影する場合を例に挙げて説明するが、ステレオ画像内で撮影位置411、421、431と、X線源401およびX線源402から離れて平面検出器103に近づくにつれて歪みが増していく。すなわち、ステレオ画像内の各点の位置が比較用画像と一致する位置であるはずのところが、より遠くの位置へとずれていく。このズレを歪み判定部306で判定する。
撮影位置411、421、431の順にX線源401および402から遠くなり、すなわちy軸、奥行き方向に遠くなる。これにしたがって、X線源401および402からのX線400が交差する角度が小さくなり、平面検出器103上の各検出位置間の距離が短くなる。すなわち、撮影位置411については、検出位置412および413の間の距離、撮影位置421については、検出位置422および423の間の距離、撮影位置431については、検出位置432および433の間の距離がそれぞれ短くなり、またそれぞれの2つの内角が直角に近くなる。それにより、撮影位置411、421、431の各位置が正確に求めにくくなる。
つまり、各撮影位置411、421、431について、X線源401および402からの距離の差が小さくなるほどに、また両光源から遠くなるほどに、y軸方向、奥行き方向の距離を測定する精度が悪くなる。すなわちy軸方向の距離分解能が悪くなる。
次に、歪み判定処理について説明する。歪み判定部306は、以上のような画像整合処理によって得られた比較用画像を基準として、ステレオ画像の各部の歪みを求める。特に歪み判定部306は、被検体内の特徴点を比較用画像とステレオ画像内でそれぞれ特定し、両者の特徴点間のズレを求める。ステレオ画像内の特徴点と、比較用画像内の同一の特徴点を特定する。この場合、画素で構成される両者の特徴点の相関をとって特定する。この両者に共通する特徴点であるが、歪みや位置ズレが生じている場合、この特徴点の配置に両者でそれぞれズレが生ずる。この特徴点間のズレが、歪み判定部306で求められる。すなわち、ステレオX線源102の2つの中心から平面検出器103に向かう方向、すなわち奥行き方向をy軸と考えると、ステレオ画像は特にこのy軸方向にズレが生じる場合が予想される。そこで、この各特徴点のy軸方向、奥行き方向のズレを、比較用画像を基準にステレオ画像について求める。この歪み判定処理は図9を用いて後述する。歪み判定部306は、このように得られた歪み情報を歪み補正部307に出力する。
歪み補正部307は、歪み判定部306から歪み情報を、メモリ304からステレオ画像を読み出す。そして歪み情報によって示される歪みをなくす方向にステレオ画像を補正する。つまり、ステレオ画像中の各特徴点の位置を移動して、比較用画像上の同一となる特徴点の位置に合わせる。言い換えると、歪み補正部307は、画像整合処理によって得られた比較用画像の形状に合わせて、ステレオ画像の形状を補正する。すなわち図9に示すように、歪み補正部307は、両者の各特徴点の配置を一致させる方向にステレオ画像の形状を補正する。特に、y軸方向、奥行き方向のズレがこのときに補正される。この形状を補正することは、ステレオ画像の位置を補正することを含む。この歪み補正処理については、図9を用いて説明する。
図9は、ステレオ撮影による撮影位置の歪みおよびその補正を説明する概略図である。図9は、図8と同様に図7の断面407を、図4に示した断面方向405の断面に沿って図示している。図9を用いて、図8に引き続いて歪み判定部306による歪み判定処理、そして歪み補正部307による歪み補正処理を説明する。図8を用いて説明したように、X線源401および402から照射することにより、ステレオ撮影を実行するが、それによりy軸方向に歪みが生じる。一方で電子スキャン装置101によって被検体が撮影され、それによる3次元画像が得られる。そこで、歪み判定部306は、この3次元画像に基づく比較用画像を生成し、歪み補正部307は、この比較用画像に合わせてステレオ画像を補正する。
上述の図8で説明したように、撮影位置に対するX線源401および402からの距離の差が大きいほど、そして両者と撮影位置によって形成される角度が大きくなればなるほど、三角測量の原理がよりよく適用されるようになり、したがってy軸方向の位置がより正確に把握されるようになるが、逆に距離の差が小さく、形成される角度が小さいほどy軸方向の歪みは大きくなる。話を単純化すると、ステレオX線源102に近づくほどステレオ画像の歪みは小さくなり、平面検出器103に近づくほどステレオ画像の歪みは大きくなる。そして、被検体内の位置によって歪みの大きい部分と小さい部分が生ずるので、その歪みの大きさに合わせて、歪み補正部307は補正処理を実行する。
たとえば、被検体内の撮影位置502および503を例にして説明する。これらはX線源401および402に比較的近く、また中心線からずれているのでX線源401−撮影位置502−X線源402、そしてX線源401−撮影位置503−X線源402によって形成される角度も大きくなる。したがって比較用画像に対するy軸方向のズレは小さくなり、撮影位置502および503の画像については、歪み補正部307による補正の幅は小さいか補正が不要ということになる。
一方で撮影位置504については、中心線上にあって、撮影位置502および503からさらにX線源401,402から遠ざかった位置にある。したがって、X線源401−撮影位置504−X線源402によって形成される角度も大きくなり、比較用画像に対するy軸方向のズレは大きくなる。すなわち、ステレオ撮影による撮影位置504に対して、比較用画像の同一の点は、ズレ505だけ離れた異なる位置となる。そこで、歪み判定部306はズレ505を求め、歪み補正部307はこのズレ505を補正する。
一方で撮影位置506,508については、中心線上からは離れるが、さらにX線源401,402から遠ざかった位置にある。したがって、X線源401−撮影位置506−X線源402、X線源401−撮影位置508−X線源402によって形成される角度も大きくなる。したがって、比較用画像に対するy軸方向のズレは同様に生じ、ステレオ撮影による撮影位置506,508に対して、それぞれ比較用画像の同一の点は、ズレ507,509だけ離れた異なる位置となる。そこで、歪み判定部306はそれぞれズレ507、509を求め、歪み補正部307はこのズレ507,509を補正する。
さらに撮影位置510については、中心線上にあって、さらにX線源401,402から遠ざかった位置にある。したがって、X線源401−撮影位置510−X線源402によって形成される角度も大きくなる。比較用画像に対するy軸方向のズレはさらに大きくなり、歪み判定部306はズレ511を求め、歪み補正部307はこのズレ511を補正する。なお、上記説明は、代表的な撮影位置502〜504、506、508について説明したが、より多くの点で補正することが好ましい。この場合、代表点を補正し、代表点間を補間するようにしてもよい。
画像形成部308は、歪み補正部307によって補正された被検体の各断面についての各ステレオ画像を組み合わせることにより、被検体の3次元画像を形成する。形成された3次元画像は表示制御部309に出力される。
また画像形成部308は、上述の3次元画像に基づいて動画を生成する。本実施形態では電子スキャン撮影とステレオ撮影をともに高速で連続して実行している。そこで、画像形成部308は、この撮影された順序に従った動画とする。形成された動画は表示制御部309に出力される。
入力部310は、表示制御部309に対する指示を入力する。ここで入力される指示は、左や右などの方向を示すものであり、たとえば一連の画像が表示部312に表示されているときに、表示される画像の視点を左に移したり、右に移したりするための指示である。表示制御部309は、画像形成部308から画像または動画を読み出して、表示部312に出力する信号に変換し、この信号を表示部312に出力する。また、入力部310からの方向を示す指示の入力を制御部311を介して受けて、表示される画像の視点を左、右に移す制御を表示部312に対して実行する。
一方で、入力部310は、所望の視点位置の入力を受け付けることができる。制御部311は、入力部310からの入力にしたがって、アーム106を制御する。アーム106は、制御部311からの制御にしたがって、入力部310によって入力された視点位置に合わせて、ステレオX線源102および平面検出器103を移動する。これにより、ステレオX線源102および平面検出器103によって定まる視点位置が変更される。このように制御部311によってアーム106が制御されるので、入力部310から入力された所望の視点位置からの撮影をすることができる。これにより、入力部310から入力された所望の視点位置から見たステレオ画像を取得することができ、上述の実施の形態で説明したように、このステレオ画像の歪みが補正される。
表示部312は、表示制御部309から出力された信号に基づいて画像を表示するディスプレイであり、表示制御部309からの入力に基づいて画像を表示する。
画像処理部300は、図1で説明したコンソール装置によって構成される。画像処理部300は、情報処理装置(CPU)と、ROM、RAM、HDDなどの記憶装置(図示しない)とを備えている。記憶装置には、画像処理部300の各部の機能を実行するための処理プログラムが記憶されている。その処理プログラムには、3次元画像生成部305、歪み判定部306、歪み補正部307、画像形成部308、表示制御部309、入力部310、制御部311、表示部312の各処理を実行するためのプログラムが含まれる。そして、情報処理装置(CPU)が各プログラムを実行することにより、各処理が実行される。
図10は、本実施形態の画像処理部の処理動作を示すフローチャートである。まず、希望する視点からの各断面のステレオ撮影および電子スキャン撮影を実行する(ステップS801)。この撮影は、図1に示した電子スキャン装置101による電子スキャンの撮影と、ステレオX線源102および平面検出器103によるステレオ撮影とを連続して行うものである。また、それぞれ1度ではなく、一定の時間にわたってある程度の枚数分だけ撮影する。ステレオ撮影の撮影機能の方が電子スキャン撮影に比べて高速であるので、撮影枚数は多い。次に、電子スキャン画像が得られているので、3次元画像生成部305は、電子スキャン画像から3次元画像を生成する(ステップS802)。
そして、歪み判定部306は、画像整合処理を実行する(ステップS803)。すなわち、図5および図6に関連して説明したように、ステレオ画像と電子スキャン画像は方向が異なるので、電子スキャン画像から得られた3次元画像からステレオ画像と同じ向きの斜め方向に沿った断面画像を生成して比較用画像を取得する。そして、この比較用画像をステレオ画像に対応させる。
次に、歪み判定部306は、比較用画像とステレオ画像の中からそれぞれ特徴点を特定する(ステップS804)。特徴点は、図9に示した撮影位置502,503,504,506,508,510などの被検体内部の各点である。この特徴点は、図9においては示しやすい点をランダムに提示したが、被検体内部の機能的または構造的に特徴的な点を選ぶことができる。また、演算に用いやすい位置を選ぶこともできる。いずれにしても、歪み判定部306は、比較用画像とステレオ画像上で共通となる位置を特徴点として設定し、各画像内の特徴点を特定する。
次に、歪み判定部306は、比較用画像とステレオ画像のそれぞれの特徴点を比較し(ステップS805)、両者の画像の奥行き方向の座標のズレを求める(ステップS806)。両者のズレの判定については、図9に示したとおりである。そして歪み補正部307は、このズレを修正するようにステレオ画像を補正する(ステップS807)。そして画像形成部308は、補正されたステレオ画像を組み合わせて3次元画像を生成し(ステップS808)、一連の処理を終了する。以上のように得られた3次元画像は表示制御部309に入力され、表示部312により各種表示処理が実行される。
以上、ステレオ画像の補正処理について説明した。このように生成された3次元画像について、単一の視点からの2次元画像を生成して表示することもできるが、3次元画像として利用者に提示する表示形式も考えられる。映像を3Dに見せるための形式として、メガネ式と裸眼式が挙げられる。メガネ式の場合、たとえば一方を赤、もう一方を青として2つの異なる種類のレンズを利用者にかけさせ、赤のレンズで透過する映像と青のレンズで透過する映像を合成した合成映像を出力する。この合成映像は、赤のレンズで透過する映像と青のレンズで透過する映像とで異なる視差を有する映像を合成したものである。その結果、利用者は異なる視差を有する映像をそれぞれ別の目から見ることにより、立体視を実現することになる。
また、裸眼式も挙げられる。すなわちメガネのように映像の受け手の方で異なる映像を得られるようにするのではなく、ディスプレイ側で利用者の両眼に異なる映像を出力するようにする構成である。たとえば凹凸つきのレンズを提供し、その凹凸によって見る角度によって異なる映像を与える方式を採用することが考えられる。その方式として、レンズを一次元に並べるレンチキュラレンズ方式、レンズを2次元に並べるインテグラル方式、などが挙げられる。その他、レンズの代わりにスリットやピンホールを用いる視差バリア方式も挙げられる。
また、たとえばパララックスバリア方式が挙げられる。パララックスバリア方式は、一定間隔おきに視界を遮断するとともに、その間隔おきにすき間をあけた板を用意して、これを合成映像と利用者の間に配置するものである。利用者からは、このすき間を介して合成映像を見ることにより、合成映像を構成する1つ1つの映像を視点に応じて見ることができる。このように様々な3D表示方式が挙げられるが、その中でもレンチキュラレンズを例に挙げて後述する。
図11は、レンチキュラーレンズを用いて、ステレオ画像を表示するときの概略図である。このステレオ画像については、様々な形で表示することができる。たとえば表示部312として、レンチキュラーレンズを用いることができる。
このレンチキュラーレンズは、複数並んだ半割円柱状の凸レンズ部によって構成され、この凸レンズ部の並び方向両側に分極して集光させることができるものである。一方、連続した場面を示す複数の画像をそれぞれ分割して合成された合成画像がスクリーン801上に表示される。このスクリーン801上の合成画像が、利用者802から見てレンチキュラーレンズの反対側に配置される。このレンチキュラーレンズを介して利用者802が合成画像を見ることで、この連続した場面を示す複数の画像をうちの1つを見ることができる。そして利用者802の視点にしたがったそれぞれ別々の画像を、利用者が見ることができる。
利用者802の位置、視点については、3つを例として示しており、たとえば利用者802が一番上の視点から見る場合は、画像803を見ることができる。利用者802の視点をずらして真ん中の視点から見る場合は、画像803と異なる画像804を見ることができる。そしてさらに利用者802の視点をずらして一番下の視点から見る場合は、画像803および画像804と異なる画像805を見ることができる。
さらに、他の表示形態として、表示部312として通常のディスプレイ装置を用いて、各画面を切りかえる構成にすることも考えられる。この場合、図3に示した入力部310からの入力を受け付ける。この入力部310は、たとえば左と右を示す方向キーとすることができる。そして入力部310から左の入力キーが押されたとき、表示制御部309は、表示されている画像に対して左隣となる視点からの画像を表示部312から表示するように切り替える。逆に右の入力キーが押されたとき、表示制御部309は、表示されている画像に対して右隣となる視点からの画像を表示部312から表示するように切り替える。このようにして、入力部310からの方向入力にしたがった視点からのステレオ画像を、表示部312により表示する。
従来の技術によって上述の機能を実現しようとする場合、X線CT装置または電子スキャン装置を高機能化させることによって課題を克服することになる。しかし、X線CT装置で動画を生成するために撮影フレーム数を上げる場合、回転速度を10倍にも上げなければならず、きわめて困難である。本実施形態では電子スキャン装置を組み合わせるので、回転速度の問題を伴わずにフレーム数の問題を解消することができる。
一方で電子スキャン装置のみを用いる場合、回転速度の問題は解消されるが、撮影フレーム数を上げる場合、その分だけシャッターの速度を上げなければならない。したがって、X線強度に限界がある一方でシャッター速度の分だけ撮影時間は減少するので、撮影のX線総量は上がらず、暗い画像となってしまう。本実施形態によると、ステレオ撮影画像を電子スキャン装置で撮影したデータにより補正したものを用いるので、結果として明るい画像を用いることができる。また本実施形態では、明るい画像を得るために過度にX線強度を上げる必要がない。
また、電子スキャン装置のみを用いる場合、シャッター回数を10倍として、さらに高解像度の平面検出器を組み合わせてデータ量をさらに100倍すると、データレートが1000倍にもなってしまうので、高解像度の動画撮影はシステム的に許容できなかった。本実施形態でも電子スキャン装置を組み合わせて使用するが、ステレオ撮影画像の補正に用いるに過ぎないので、電子スキャン装置を必要以上に高機能化させる必要はない。したがって、シャッター回数を大幅に増やす必要がなく、また電子スキャン装置のための平面検出器も採用する必要がないので、1000倍もの膨大なデータレートを処理する必要がない。したがって、システム的に許容可能な範囲で高解像度の動画撮影を実現することができる。
以上の構成により、2つの視点から撮影を実行するステレオ撮影を用いて3次元画像を得ようとする場合でも、電子スキャン撮影によって得られた電子スキャン画像を用いてステレオ画像の歪みを補正することができる。ステレオ撮影では高分解能による撮影が可能となる一方で画像に歪みが生じやすいという不都合が生ずるが、この歪みを電子スキャン画像により得られる3次元画像を用いて補正することができる。したがって、本実施形態によって、高分解能の3次元画像を生成することができる。
また、上述のように歪みを補正する一方で、ステレオ撮影により得られるステレオ画像の形状と、電子スキャン撮影により得られる電子スキャン画像の形状を合わせることができる。すなわち、たとえばX線発射位置から放射方向に広がる断面として得られるステレオ断層画像と、被検体に垂直な断面として得られる電子スキャン画像との違いを調整することができる。したがって、ステレオ画像と電子スキャン画像との向きの違いを一致させるだけのために、ステレオX線源102と電子スキャン装置101のX線発射位置を一致させる必要がなく、両者をそのまま組み合わせることにより、たとえば両画像の補正処理を実行することができる。
[変形例1]
上述の構成では、電子スキャン装置101、ステレオX線源102、平面検出器103を図1に示したように配置することにより、電子スキャン撮影とステレオ撮影を組み合わせた。この配置を変化させた変形例も考えられる。そこで、この変形例を図12および図13を用いて説明する。
図12は、電子スキャン装置をアームに組み込んだ場合の構成を示す概略図である。図1では電子スキャン装置101と別に、ステレオ撮影のための装置としてアーム106にステレオX線源102と、平面検出器103を取り付けた構成とした。図12では、電子スキャン装置101と同等の構成である電子スキャン装置901が、アーム106の内部に沿って配置されている。
電子スキャン装置101と異なり、アーム106およびこれに取り付けられた電子スキャン装置901は半円形となる。したがって、電子スキャン撮影にあたってアーム106は静止状態でなく、被検体を取り囲んで一周する。アーム106は高速に移動する構成となっており、半円状に電子源112が配置されるので、1断面のスキャンは高速に実行される。このようにアームに取り付けられた電子スキャン装置901によって電子スキャン撮影をした後、アームを所定の位置に移動して、ステレオX線源102と、平面検出器103を用いたステレオ撮影を実行する。電子スキャン撮影およびステレオ撮影実行後は、図3〜図11を用いて説明した処理と同一である。図10に示したフローチャートでは、ステップS802以降を同様に実行する。以上の構成により、電子スキャン撮影のための装置と、ステレオ撮影のための装置を一体化することができ、それにより省スペース化を図ることができる。
図13は、ステレオ撮影のための装置を2組用意した構成を示す概略図である。図1では電子スキャン装置101と別に、ステレオ撮影のための装置としてアーム106にステレオX線源102と、平面検出器103を取り付けた構成とした。図13の構成ではこのステレオ撮影のための装置をもう1組用意する。すなわち、アーム906に、ステレオX線源902と、平面検出器903とを取り付け、2組の装置によってそれぞれステレオ撮影を実行する。
図13の実施の形態では、図1〜図11を用いた実施の形態に加えて、2組のステレオ撮影のための装置によって、2つの視点からステレオ撮影を同時に行う。2つの視点からのステレオ画像をそれぞれ電子スキャン画像に基づいて修正するが、この画像整合処理は、図3〜図7を用いて説明したものと同じであり、図10のステップS802のタイミングで同様に行われる。ただし、電子スキャン画像に基づく3次元画像が、2つの視点のステレオ画像の修正に共通して用いられる点が異なる。その後は、図10のステップS804〜S808を各視点のステレオ画像に対して実行し、各視点について被検体の補正された3次元画像を得ることができる。
これにより精度の高い画像、または動画を2視点から同時に得ることができ、被検体の立体的な位置関係をより正確に知ることができる。たとえば穿刺のように、X線透視下で動画像を確認しながら、目的の部位まで針先を導入する場合により効果的に利用することができる。すなわち、異なるアングルの2つの画像により、針先の正確な位置を把握することができる。
[変形例2]
ステレオ撮影による撮影位置の歪みおよびその補正に関しては、図9を用いて特徴点を抽出してそのずれを補正する方法を例として説明した。被検体中に特徴的な部位がある場合は、このように特徴点を対象とした補正処理が有効である。一方で、被検体の撮影対象はそれぞれ連続的なつながりを有しているものがほとんどである。たとえば血管は途中で突然途切れるものではなく、つながった状態で連続している。そのような相関が、電子スキャン撮影とステレオ撮影の画像にそれぞれ含まれているので、その相関をとることにより、双方の対応する画像を特定し、その画像どうしを比較することで互いの画像のずれを歪みとして求め、そして補正することも可能である。その被写体の相関の一例として、被写体の輪郭を例として説明する。
図14は、ステレオ撮影による輪郭の歪みを説明する概略図である。図14も、図9と同じように図7の断面407を、図4に示した断面方向405の断面に沿って図示している。図14は、図9を用いて説明したように、X線源401および402から照射し、平面検出器103によって検出する場合の配置を示している。図14を用いて、図9と同様に輪郭を対象として歪み判定部306による歪み判定処理、そして歪み補正部307による歪み補正処理を説明する。
図14(a)は、被検体を電子スキャン撮影した場合の位置関係を示す。電子スキャン装置101によると、図9に関連して説明したように被検体の位置関係を正確に撮影することができるので、正確な輪郭550を得ることができる。一方図14(b)は、被検体をステレオ撮影した場合の位置関係を示す。ステレオ撮影した場合、図9に関連して説明したように、y軸方向に歪みが生ずる。したがって、輪郭上部551には歪みがほとんど生じないが、平面検出器103側になるにつれて、歪みが大きくなる。図9の特徴点による説明では、特徴点がずれる場合を説明したが、輪郭がぶれて幅を持つ場合も考えられる。その結果、図14(b)に示すように輪郭の平面検出器103側では、第1輪郭下部552から第2輪郭下部553までの幅でぶれを持つということになる。
図15は、ステレオ撮影による輪郭の歪み補正を説明する概略図である。図14(b)に示すように輪郭の平面検出器103側では、第1輪郭下部552から第2輪郭下部553までの幅でぶれを持つ。そこで、図14(a)と(b)の画像の画素値を基に相関をとって(相関演算して)相関が一番よくとれた点を探して連続的に結ぶ(あるいは連続する点を相関で探す)ことにより、図15の輪郭554を得る。そして輪郭554を輪郭550の位置に補正する。このように、被写体に特徴的な部位がない場合でも、たとえば輪郭などの被写体の連続性に着目して、ステレオ画像の歪みを補正することができる。
なお、被検体の所定部位の動画を次々に得るとき、撮影のたびにステレオ撮影による画像を電子スキャン撮影による画像で相関をとって補正する。そのとき、最初に撮影したときは、ほぼ画像全面にわたって相関をとる必要が生ずるが、2度目以降は、上記の所定部位が変動すると予測された範囲で相関を取って補正することにより、簡便に補正が可能である。
以上、本実施例をまとめてみると次のようになる。被検体の所定の部位の動画を撮影しようとするとき、ある観察点から撮影すれば十分な場合がある。たとえば、心臓のように同じ位置に鼓動する動きを撮影する場合は、同一観察点から撮影すれば十分となる場合がある。本実施形態はこのような点に着眼し、観察しようとする部位を所望の観察点からステレオ撮影し、その画像を部位の周囲に電子スキャンにより撮影した画像を補正することとした。もし、別の観察点から動画を得たい場合は、ステレオ撮影位置を変えてもよい。
101 電子スキャン装置
102 ステレオX線源
103 平面検出器
104 寝台装置
105 天板
303,304 メモリ
305 3次元画像生成部
306 歪み判定部
307 歪み補正部
308 画像形成部
309 表示制御部
310 入力部
311 制御部
312 表示部

Claims (9)

  1. 2つの視点から被検体にX線を照射し、前記2つの視点に対応する透過X線を検出して第1断層画像を得る第1撮影手段と、
    前記被検体を周囲の複数個所からX線撮影して、前記被検体について複数の第2断層画像を得る第2撮影手段と、
    前記第2撮影手段によって得られた複数の第2断層画像に基づいて前記被検体の第3断層画像を生成し、該第3断層画像の形状に合わせて前記第1断層画像の形状を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された前記被検体の各断面についての各第1断層画像を組み合わせることにより、前記被検体の3次元画像を形成する画像形成手段と、
    を備えることを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記第1撮影手段は、前記少なくとも2つの視点からX線を放射するステレオX線源と、前記被検体を挟んで配置されて前記透過X線を検出する平面検出器と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記第2撮影手段は、前記被検体を円周状に囲む複数のX線放射素子および検出素子を有し、前記被検体を撮影することを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記補正手段は、前記第2断層画像から、前記第1断層画像のそれぞれと同じ断面に沿った前記第3断層画像をそれぞれ生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  5. 前記補正手段は、前記被検体内の特徴点を前記第1断層画像と前記第3断層画像内でそれぞれ特定し、各特徴点を対応させるように前記第1断層画像の形状を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  6. 前記補正手段は、前記第1断層画像の形状を、前記第1撮影手段から見て奥行き方向の座標を補正することによって変更することを特徴する請求項1〜5のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  7. 視点位置の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
    前記第1の撮影手段は、前記入力手段を介して入力された前記視点位置から見た前記第1の断層画像を得ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  8. 前記画像形成手段は、前記3次元画像に基づいて複数の視点位置からの前記被検体の画像を生成し、
    複数の視点位置からの前記被検体の画像を、それぞれの視点に対応させて表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  9. 2つの視点から被検体にX線を照射し、前記2つの視点に対応する透過X線を検出して第1断層画像を得る第1撮影ステップと、
    前記被検体を周囲の複数個所からX線撮影して、前記被検体について複数の第2断層画像を得る第2撮影ステップと、
    前記第2撮影ステップによって得られた複数の第2断層画像に基づいて前記被検体の第3断層画像を生成し、該第3断層画像の形状に合わせて前記第1断層画像の形状を補正する補正ステップと、
    前記補正ステップによって補正された前記被検体の各断面についての各第1断層画像を組み合わせることにより、前記被検体の3次元画像を形成する画像形成ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
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JP2014057752A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Toshiba Corp X線源保持装置及びx線診断装置

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