JP2011171931A - 光ノード装置および光ネットワークシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】帯域狭窄化の影響を緩和することができる光ノード装置を得ること。
【解決手段】伝送路31〜34を備える光ネットワークシステムにおける光ノード1−1〜1−4であって、伝送路31から入力される波長多重信号を、所定の波長の分離信号と、それ波長以外の他波長信号と、に分離する分離動作と、入力された波長多重信号を他波長信号とする非分離動作と、を切り替える2×1WSS13,16と、送信信号を、他波長信号に挿入する挿入処理を実施する挿入動作と、他波長信号を伝送路へ送信する非挿入動作と、を切り替えて実施する1×2WSS14,17と、を備え、現用回線でない伝送路34に対応する2×1WSS16は非挿入動作を実施し、現用回線でない伝送路33に対応する1×2WSS17は非分離動作を実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長分割多重方式(Wavelength Division Multiplexing:WDM)を採用する光ネットワークシステムにおいて、光伝送路を2重化したリング状の光ネットワークを構成する光ノード装置に関する。
WDM方式を採用する大容量光通信システムでは、ネットワーク管理の容易さと柔軟さから、各ノードをリング状に結びノード間の通信回線毎に1つ以上の波長を割り当てるリングトポロジーが多く用いられている。
このようなリングトポロジーを用いる光通信システムで、通信回線に障害が発生した場合のプロテクション方法として、2本の光ファイバを用いて2重の光リングを形成する1:1プロテクション方式が下記非特許文献1に開示されている。
下記非特許文献1に記載の方式では、各送信ノードは現用回線と予備回線の2本の伝送路に同一の光信号を送信し、各受信ノードは通常時は現用回線の光信号を選択して受信し、障害発生時には予備回線の光信号を選択する。このような2重化を行うことで、ノード間の通信回線を高信頼に構築していた。
一方、近年、ノードを構成する光デバイスとして波長選択スイッチ(Wavelength Selective Switch:WSS)が用いられている。WSSは波長多重された光信号から任意の波長を任意の出力ポートへ出力することが可能な光デバイスであり、入出力の可逆性を持つため、ノードでの光信号の分離、挿入に用いることができる。
たとえば、下記特許文献1では、複数の光ネットワークに接続する光クロスコネクト装置が、1:nカプラと波長選択スイッチを用いて、伝送に用いていない冗長パスの正常性を監視する技術が開示されている。
つぎに、従来の光通信システムにおける障害発生時の復旧動作を説明する。たとえば、WSSを用いた光ノード(下記特許文献1に記載の光ノードが1リンク構成の光ネットワークを構成することとし、OADM(Optical Add−Drop Multiplexer)が分離・挿入用のWSSで構成されるような光ノード)がリングネットワークを構成するとする。
リング状に複数の光ノードが配置され、送信方向の異なる2つの伝送路(伝送路A,伝送路Bとする)により各光ノードが接続されるとする。各光ノードは、2つのトランスポンダ(トランスポンダa,トランスポンダbとする)と、2つの2×1WSS(2×1WSSa,2×1WSSbとする)と、2つの1×2WSS(1×2WSSa,1×2WSSbとする)と、分岐器と、選択器と、を備える。
データ送信する光ノード(送信ノード)では、分岐器により、入力される光信号を2分岐し、2つのトランスポンダ(トランスポンダa,トランスポンダbとする)に出力する。トランスポンダaは、現用系である伝送路Aへ出力する現用回線用の光信号を生成し、2×1WSSaの挿入用入力ポートに出力する。一方、1×2WSSbは、伝送路Aから入力された光信号を波長分離し、自ノードが取得する波長以外の波長の信号を2×1WSSaへ出力する。2×1WSSaは、1×2WSSbから入力された光信号に、トランスポンダaから出力された光信号を挿入して、伝送路Aに出力する。
また、送信ノードでは、予備回線の伝送路Bへ出力する信号をトランスポンダbで生成し、2×1WSSbに出力する。一方、1×2WSSaは、伝送路Bから入力された光信号のうち自ノードが取得する波長の以外の信号を2×1WSSbへ出力する。2×1WSSbは、1×2WSSaから入力された光信号に、トランスポンダbから出力された光信号を挿入して、伝送路Bへ出力する。
一方、受信側の光ノード(受信ノード)では、1×2WSSbが、伝送路Aより入力された光信号(波長多重信号)から、自ノードが取得する波長の信号(送信ノードから送信された信号)を分離し、分離した光信号をトランスポンダbへ出力し、その他の光信号を2×1WSSaへ出力する。トランスポンダbは、入力された光信号に所定の受信処理を行った後に、処理後の光信号を選択器へ出力する。同様に、伝送路Bから受信ノードに入力された信号は1×2WSSaで分離され、分離された信号はトランスポンダa経由で選択器へ入力される。
選択器は、2つのトランスポンダa,bから入力された光信号の一方を選択して外部へ出力する。ここでは、伝送路Aを現用回線とし、選択器は、伝送路Aから入力された信号すなわちトランスポンダbから入力された信号を選択する。
そして、送信ノードから受信ノードへ向かう伝送路Aで伝送路障害が発生した場合には、受信ノードでは、選択器は、予備回線である伝送路Bから入力された信号、すなわちトランスポンダaから入力された信号を選択する。このようにして、障害発生時にも、送信ノードから受信ノードへのデータ送信を救済できるようにしている。
特開2008−167306号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、送信ノードと受信ノードの間に設けられた光回線では同一の波長を用いることが多い。たとえば、送信ノードのトランスポンダaおよびトランスポンダbが生成する光信号の波長と、受信のノードのトランスポンダaおよびトランスポンダbが生成する光信号の波長と、は同一であることが多い。この場合、送信ノードの2×1WSSa,b、受信ノードの2×1WSSa,bは、同一の波長を挿入して、受信ノードの1×2WSSa,b、受信ノードの1×2WSSa,bは、同一の波長を分離することになる。
送信ノードと受信ノードの間をλnの波長を用いて伝送し、λn以外の波長の光信号は他ノード間を結ぶ光信号であると仮定した場合、伝送路Bから送信ノードを経由して伝送路Aへ出力される波長多重光のうち、λnの隣接波長であるλn−1とλn+1の光信号は、1×2WSSbと1×2WSSaの波長分離に用いるフィルタ透過特性により、帯域狭窄化の影響を受けてしまう。特に高密度で波長多重されているシステムでは帯域狭窄化の影響は顕著となる。
このように、従来の光伝送路を2重化したリング状の光ネットワークで構成される光ネットワークシステムでは、1つの光ノードを通過するごとに2つのWSSによる帯域狭窄化の影響を受け、著しく伝送特性が劣化してしまう、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光伝送路を2重化したリング状の光ネットワークを構成する場合に、帯域狭窄化の影響を緩和することができる光ノード装置および光ネットワークシステムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、リング状の2以上の光伝送路と、光ノード装置と、を備え、送信元の前記光ノード装置と宛先の前記光ノード装置とを接続する前記光伝送路のうちの1つを現用回線とする光ネットワークシステムにおける前記光ノード装置であって、前記光伝送路から入力される波長多重信号を、所定の波長の信号である分離信号と、前記所定の波長以外の波長である他波長信号と、に分離する分離処理を実施する分離動作と、前記分離処理を行わず、入力された波長多重信号を前記他波長信号とする非分離動作と、を切り替えて実施する分離用波長選択スイッチと、自ノードが送信する所定の波長の光信号である送信信号を、前記他波長信号に挿入する挿入処理を実施し、前記挿入処理後の信号を前記光伝送路へ送信する挿入動作と、前記他波長信号を前記光伝送路へ送信する非挿入動作と、を切り替えて実施する挿入用波長選択スイッチと、を前記光伝送路ごとに備え、前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線以外の前記光伝送路を処理後の信号の送信先とする前記挿入用波長選択スイッチは、前記非挿入動作を実施し、前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線以外の前記光伝送路から入力された波長多重信号が入力される前記分離用波長選択スイッチは、前記非分離動作を実施する、ことを特徴とする。
本発明によれば、通信用回線として使用する出力回線に対して、自ノードから送信する光信号を、入力される波長多重信号に挿入し、予備回線に使用する出力回線に対しては、自ノードから送信する光信号を挿入せずに、波長多重信号を送信するようにしたので、帯域狭窄化の影響を緩和することができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1の光ネットワークシステムの構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1の障害発生時の光信号の流れの一例を示す図である。 図3は、従来の光ノードで生じる帯域狭窄化の影響の一例を示す図である。 図4は、本実施の形態の光ノードで生じる帯域狭窄化の影響の一例を示す図である。 図5は、実施の形態2の光ネットワークシステムの構成例を示す図である。 図6は、実施の形態2の障害発生時の光信号の流れの一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる光ノード装置および光ネットワークシステムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる光ネットワークシステムの実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の光ネットワークシステムは、光ノード1−1〜1−4で構成される。光ノード1−1〜1−4は、リング状に接続されている。伝送路31は、光ノード1−1から光ノード1−2を経由して光ノード1−3へ向かう伝送路である。伝送路32は、光ノード1−3から光ノード1−2を経由して光ノード1−1へ向かう伝送路である。伝送路33は、光ノード1−1から光ノード1−4を経由して光ノード1−3へ向かう伝送路である。伝送路34は、光ノード1−3から光ノード1−4を経由して光ノード1−1へ向かう伝送路である。
また、図1では、光ノード1−1および光ノード1−3の機能構成も示している。光ノード1−1と光ノード1−3は同様の構成を有する。また、図1では、光ノード1−1および光ノード1−3の機能構成のみを示しているが、光ノード1−2,1−4も光ノード1−1および光ノード1−3と同様の構成とする。
光ノード1−1(光ノード1−2〜1−4も同様)は、分岐器11,トランスポンダ12,2×1WSS13,1×2WSS14,On/Off光スイッチ15,2×1WSS16,1×2WSS17,トランスポンダ18,選択器19,On/Off光スイッチ20を備える。
1×2WSS14および1×2WSS17は、自ノードに入力される光信号(波長多重信号)を、所定の波長の信号である分離信号と、所定の波長以外の信号である他波長信号と、に波長分離する1入力2出力の分離用波長選択スイッチである。また、2×1WSS13および2×1WSS16は、自ノードから送信する所定の波長の光信号を、1×2WSS(1×2WSS14または1×2WSS17)経由で入力される他波長信号に挿入して、伝送路へ送信するための2入力1出力の挿入用波長選択スイッチである。
本実施の形態の光ノード1−1〜1−4では、従来の光ノードと異なり、上記の4つのWSSに対して、それぞれ波長分離または波長挿入の動作を行なう場合(On設定)と行なわない場合(Off設定)のいずれか1つを設定できるような構成としている。そして、現用回線として使用する伝送路に応じて、この設定を変更できるようにしている。1×2WSS(1×2WSS14および1×2WSS17)は、On設定の場合は上記のような波長分離処理を行うが、Off設定の場合は、波長分離処理をせず、入力された光信号(波長多重信号)を他波長信号として出力する。2×1WSS(2×1WSS13および2×1WSS16)は、On設定の場合は上記のような波長挿入処理を行うが、Off設定の場合は波長挿入処理を行わず、入力される他波長信号をそのまま出力する。
また、本実施の形態のトランスポンダ12と2×1WSS13の間に、On/OffスイッチであるOn/Off光スイッチ15を備え、トランスポンダ18と2×1WSS16の間に、On/OffスイッチであるOn/Off光スイッチ20を備える点も、従来の光ノードと異なる。
図1を用いて、本実施の形態の動作を説明する。まず、通常時に、光ノード1−1から光ノード1−3へ光信号を送信する場合の動作を説明する。通常時には、現用回線として伝送路31および伝送路32を用いてノード1−3とノード1−1間の通信を行うとし、伝送路33および伝送路34を予備回線とする。また通常時には、光ノード1−1では、On/Off光スイッチ15は、光信号を通過させる設定(On設定)とされており、On/Off光スイッチ20は、光信号を遮断する設定(Off設定)とされているとする。また通常時には、光ノード1−1では、1×2WSS17および2×1WSS16をOff設定とし、2×1WSS13および1×2WSS14をOn設定とする。
光ノード1−1の分岐器11は、ユーザ装置等の外部から入力される光信号を2分岐し、分岐した光信号をトランスポンダ12とトランスポンダ18にそれぞれ出力する。
光ノード1−1のトランスポンダ12は、分岐器11から入力された信号に基づいて伝送路へ出力する所定の波長の現用回線用の光信号を生成し、On/Off光スイッチ15に出力する。On/Off光スイッチ15は、光信号を通過させる設定(On設定)であり、入力された光信号を、2×1WSS13に出力する。また、光ノード1−1の1×2WSS17は、伝送路33から入力される光信号(波長多重信号)を2×1WSS13へ出力する。2×1WSS13は、1×2WSS17から入力された光信号に、トランスポンダ12からOn/Off光スイッチ15経由で入力された光信号を挿入して、伝送路31に出力する。
一方、トランスポンダ18は、分岐器11から入力された信号に基づいて予備回線用の光信号を生成し、生成した光信号をOn/Off光スイッチ20へ出力する。なお、トランスポンダ12とトランスポンダ18は、同一の光信号を現用回線用,予備回線用としてそれぞれ生成することとする。On/Off光スイッチ20は、2×1WSS16へ接続されているが、光信号を遮断する設定(Off設定)であるため、2×1WSS16へ光信号を出力しない。また、光ノード1−1の1×2WSS14は、伝送路32から入力される光信号(波長多重信号)を自ノードが受け取る波長の所定の波長の信号とそれ以外の波長の信号に分離し、後者の信号を2×1WSS16へ出力する。2×1WSS16は、1×2WSS14から入力された光信号を伝送路34へ出力する。
なお、2×1WSS16は、2×1WSS13と同様、自ノードが生成した光信号を伝送路から入力された光信号(この場合は、1×2WSS14から入力される信号)に挿入できる構成としているが、ここでは、自ノードが生成した所定の波長の光信号の挿入を行なわない設定がされているとする。また、1×2WSS17は、伝送路33から入力される光信号を自ノードが受け取る所定の波長の信号を分離できる構成としているが、分離を行わない設定(Off設定)とされている。
光ノード1−3では、1×2WSS17が、伝送路31より入力された光信号(波長多重信号)を自ノードが受け取る所定の波長の信号とそれ以外の波長の信号に分離し、前者の信号(以下、分離信号という)をトランスポンダ18へ出力し、後者の信号(以下、他波長信号という)を2×1WSS13に出力する。トランスポンダ18は、分離信号に対して所定の受信処理を行い、処理後の光信号を選択器19へ出力する。
なお、通常時には、光ノード1−3では、On/Off光スイッチ20は、光信号を通過させる設定(On設定)とされており、On/Off光スイッチ15は、光信号を遮断する設定(Off設定)とされているとする。また通常時には、光ノード1−3では、1×2WSS17および2×1WSS16をOn設定とし、2×1WSS13および1×2WSS14をOff設定とする。
また、光ノード1−3では、1×2WSS14が、伝送路34から入力された光信号(波長多重信号)を分離せずに、2×1WSS16へ出力する。トランスポンダ12は、光信号の入力がない状態で選択器19と接続している。
選択器19は2つのトランスポンダ18とトランスポンダ12から入力された光信号の一方を選択し外部へ出力する。この場合は、選択器19は現用回線(伝送路31)からの光信号、すなわちトランスポンダ18からの光信号を選択して外部へ出力する。
上記のような動作により、本実施の形態では、各光ノードでは、予備回線用の光信号を挿入せず、各ノードで生成された予備回線用の光信号が伝送路中を伝送されない構成となっている。
つぎに、伝送路31と伝送路32に障害40が発生した場合について説明する。図2は、本実施の形態の障害発生時の光信号の流れの一例を示す図である。図2に示すように、伝送路31と伝送路32で障害40が発生したとする。各光ノードは、現用回線(伝送路31および伝送路32)に障害40が生じたことを検出すると、予備回線用の設定に変更する。具体的には、On/Off光スイッチ15をOff設定とし、On/Off光スイッチ20をOn設定とし、また、2×1WSS13および1×2WSS14を、Off設定とし、2×1WSS16および1×2WSS17を、On設定とする。また、選択器19は、トランスポンダ18から入力される信号を出力する設定とする。
なお、伝送路の障害の検出方法についてはどのような方法を用いてもよく、たとえば、所定の時間以上、所定の光信号を受信できない場合等に伝送路に障害が発生したと検出する。各ノードの、予備回線用の設定、現用回線用の設定は、運用者が行なってもよいし、伝送路の状態に応じて、図示しない各光ノードの制御手段が行なうようにしてもよい。
光ノード1−1では、On/Off光スイッチ15が遮断設定(Off設定)とされ、On/Off光スイッチ20が通過設定(On設定)となるため、トランスポンダ18の出力が2×1WSS16へ入力される。また、2×1WSS13は光信号を挿入しない設定となり、伝送路31へ向かう光信号にはトランスポンダ12が生成した光信号は挿入されない。また、2×1WSS16は光信号を挿入する設定となるため、2×1WSS16は、予備回線用の光信号であるトランスポンダ18の出力を、2×1WSS16から入力された信号に挿入して伝送路34へ出力する。
一方、光ノード1−3では、障害40を検出すると、On/Off光スイッチ20をOff設定とし、On/Off光スイッチ15をOn設定とし、また、1×2WSS17および2×1WSS16をOff設定とし、2×1WSS13および1×2WSS14をOn設定とする。
光ノード1−3では、1×2WSS14が伝送路34から入力される光信号を分離し、分離信号をトランスポンダ12に出力し、他波長信号を2×1WSS16へ出力する。選択器19は、トランスポンダ12からの光信号を選択して外部へ出力する。これにより、光ノード1−1から、伝送路34を用いて送信された予備回線用の光信号を、光ノード1−3が、受信できる。
ここで、従来の光ノードで発生する帯域狭窄化について説明する。従来の光ノード装置が図1と同様にリング状に2重の伝送路で接続されるとする。ここでは、従来の光ノードの構成を一例として本実施の光ノード1−1〜1−4からOn/Off光スイッチ15およびOn/Off光スイッチ20を削除した構成とする。従来の光ノードでは、通常時にも、予備系用信号(ここではトラスポンダ18が生成した光信号を予備系用信号とする)が、2×1WSS16に入力される。そして、2×1WSS16が、予備系用信号を1×2WSS14から入力された信号に挿入して伝送路34へ送信している。
したがって、受信側の光ノードでは、1×2WSS14が、伝送路34から送信された光信号から所定の波長の予備系用信号を分離して、2×1WSS16へ出力する。同様に、受信側ノードから送信側ノードへ送信され予備回線である伝送路33からの光信号には予備系用信号が含まれる。ここで、光ノード1−1と光ノード1−3の間の通信で用いる光信号の波長をλnとする。従来の光ノードの送信ノードを光ノード100−1とし受信ノードを光ノード100−3とすると、光ノード100−1の1×2WSS17では、伝送路33から入力される光信号から予備系用信号を分離する必要がある。したがって、波長分離に伴い、入力された光信号に帯域狭窄化の影響が生じる。
図3は、従来の光ノードで生じる帯域狭窄化の影響の一例を示す図である。図3の上段は、送信ノードである光ノード100−1に入力される光信号(波長多重信号)の一例を示している。図3に示すように、複数の波長の光信号が多重された波長多重信号が光ノード1−1へ伝送路33から入力される。
図3の中段の図は、図3の上段の波長多重信号が入力された場合に従来の光ノード100−1の1×2WSS17から出力される光信号の一例を示す図である。図中、透過特性T1は、1×2WSS17が他波長信号を分離するために用いるフィルタの透過特性を示している。一般に、WSSのフィルタ透過特性はベッセル型の形状を有しており、図3に例示するような形状となる。1×2WSS17では、波長λn以外の信号を分離するために、透過特性T1に示すような透過特性のフィルタを用いるため、λnに隣接するλn−1およびλn+1についても波長の光信号の強度が低下している。
図3の下段の図は、図3の上段の波長多重信号が入力された場合に従来の光ノード100−1から出力される光信号の一例を示す図である。従来の光ノード100−1では、2×1WSS13が、1×2WSS17から出力される光信号にトランスポンダ12から出力される光信号を挿入して伝送路31へ送信する。この際、2×1WSS13は、1×2WSS17から出力される光信号に透過特性T2で示すような特性のフィルタでフィルタリングを行なった後に、トランスポンダ12から出力される光信号を挿入する。したがって、図3の下段では、図3の中段に示した図よりさらに隣接波長のλn−1とλn+1の強度が低下している。このように、WSSを通過することによる帯域狭窄化の影響として、隣接波長のλn−1とλn+1の光信号の強度が低下する現状が生じる。
一方、本実施の形態では、上述のように、通常時には予備系用信号を挿入しないため、1×2WSS17は、波長分離を行なう必要はない。図4は、本実施の形態の光ノードで生じる帯域狭窄化の影響の一例を示す図である。図3の場合と同様に、光ノード1−1と光ノード1−3との間で用いる光信号の波長をλnとする。
図4の上段は、送信ノードである光ノード1−1に入力される光信号(波長多重信号)の一例を示している。図4に示すように、本実施の形態では伝送路33から入力される波長多重信号には、波長λnの光信号が含まれていない。
図4の中段の図は、図4の上段の波長多重信号が入力された場合に光ノード1−1の1×2WSS17から出力される光信号の一例を示す図である。本実施の形態では、1×2WSS17は波長分離を行なわないため1×2WSS17は波長分離を行なわない。したがって、1×2WSS17の透過特性T3は、図4の中段に示すようにフラットな形状となり、λn−1とλn+1の強度は低下しない。
図4の下段の図は、図4の上段の波長多重信号が入力された場合に光ノード1−1から出力される光信号の一例を示す図である。2×1WSS13は、1×2WSS17から出力される光信号に透過特性T4で示すような特性のフィルタでフィルタリングを行なった後に、トランスポンダ12から出力される光信号を挿入する。したがって、λn−1とλn+1の強度は低下するが、2×1WSS13のフィルタの影響のみを受けるため、従来の図3の場合に比べ低下量は少ない。
なお、本実施の形態では説明の簡略化のため、光ノード1−1と光ノード1−3の通信で1波長の光信号を用いる場合を説明したが、これに限らず、トランスポンダ数と各WSSの入出力ポート数を変更することにより、複数の波長の光信号を用いて通信を行う場合にも本実施の形態と同様の動作を適用することができる。また、トランスポンダ数を増やし、WSSの入出力ポートは変更せずに、各WSSとトランスポンダ間および各WSSとOn/Off光スイッチ間に合分波器を設け、トランスポンダが生成した光信号を合波してWSSへ入力し、WSSから出力される光信号を分波して対応するトランスポンダへ出力するようにしてもよい。
また、複数リングによって接続される光ネットワークにも本実施の形態と同様の動作を用いて、同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では効果を判り易く説明するためにOn/Off光スイッチ15,20を備える構成としたが、2×1WSS13、2×1WSS16、1×2WSS14、1×2WSS17での、挿入・分離処理のOnおよびOff設定による漏れ量が十分少ない(アイソレーション量が十分である)場合(たとえば、2×1WSS16を、光信号を挿入しない設定としたときに、トランスポンダ18から入力される光信号の影響が十分小さい場合等)には、On/Off光スイッチ15,20を省略した構成としても同様の効果を得ることができる。
このように、本実施の形態では、送信側の光ノードは、トランスポンダ12,トランスポンダ18がそれぞれ生成する光信号のうち、通信用回線として使用する回線に対応する光信号のみを自装置に入力される波長多重信号に挿入して送信するようにした。そして、受信側の光ノードは、送信側の光ノードで挿入された光信号を分離するようにした。そのため、送信側の光ノードでは、入力された波長多重光を波長分離せずに、送信する光信号をその波長多重光に挿入することができ、波長分離の際の透過特性による帯域狭窄化の影響を緩和することができる。
実施の形態2.
図5は、本発明にかかる光ネットワークシステムの実施の形態2の構成例を示す図である。図5に示すように、本実施の形態の光ネットワークシステムは、光ノード1a−1〜1a−4で構成される。光ノード1a−1〜1a−4は、実施の形態1と同様にリング状に接続されている。伝送路31は、光ノード1a−1から光ノード1a−2を経由して光ノード1a−3へ向かう伝送路である。伝送路32は、光ノード1a−3から光ノード1a−2を経由して光ノード1a−1へ向かう伝送路である。伝送路33は、光ノード1a−1から光ノード1a−4を経由して光ノード1a−3へ向かう伝送路である。伝送路34は、光ノード1a−3から光ノード1a−4を経由して光ノード1a−1へ向かう伝送路である。
また、図5では、光ノード1a−1および光ノード1a−3の機能構成も示している。光ノード1a−1と光ノード1a−3は同様の構成を有する。また、図5では、光ノード1a−1および光ノード1a−3の機能構成のみを示しているが、光ノード1a−2,1a−4も光ノード1a−1および光ノード1a−3と同様の構成とする。
図5に示すように、本実施の形態の光ノード1a−1は、実施の形態1の光ノード1−1の分岐器11、トランスポンダ12、トランスポンダ18、選択器19、On/Off光スイッチ15およびOn/Off光スイッチ20を削除し、トランスポンダ21、選択器22および選択器23を備える以外は実施の形態1の光ノード1−1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態の通常時の動作を説明する。本実施の形態では、光ノード1a−1は1台のトランスポンダ21を備えており、トランスポンダ21が外部から入力された信号に基づいて光信号を生成して、選択器22および選択器23へ出力する。選択器22は、2×1WSS13と2×1WSS16のうちいずれか一方を選択し、入力された光信号を選択した2×1WSSへ出力する。選択器22は、通常時は、2×1WSS13を選択するよう設定されているとする。
光ノード1a−1の2×1WSS13は、実施の形態1の通常時と同様に、選択器22経由で入力されるトランスポンダ21が生成した光信号を、1×2WSS17から入力される波長多重信号に挿入して、伝送路31へ出力する。なお、実施の形態1の通常時と同様に、光ノード1a−1では、2×1WSS16は波長挿入を行なわないよう設定され、1×2WSS17は、波長分離を行わないよう設定されている。
光ノード1a−3では、1×2WSS17が、実施の形態1の通常時と同様に伝送路31から入力された波長多重光を波長分離し、分離信号を選択器23へ出力し、他波長信号を2×1WSS13へ出力する。選択器23は、1×2WSS17と1×2WSS14のどちらか一方を選択し、選択した1×2WSSから入力される光信号をトランスポンダ21へ出力する。ここでは、選択器23は、1×2WSS17を選択するよう設定されているとする。選択器23は、1×2WSS17から入力された光信号をトランスポンダ21へ出力し、トランスポンダ21は入力された光信号を所定の受信処理後に外部へ出力する。
つぎに、伝送路31と伝送路32に障害40が発生した場合について説明する。図6は、本実施の形態の障害発生時の光信号の流れの一例を示す図である。光ノード1a−1,1a−3は、伝送路31および伝送路32の障害40を検出すると予備回線(伝送路33および伝送路34)を用いた伝送を行なうよう、設定を変更する。具体的には、光ノード1a−1では、選択器22を、出力先として2×1WSS16を選択するよう設定し、2×1WSS16を光信号の挿入を行なうよう設定する。また、ノード1a−1では、1×2WSS14を、波長分離を行なわないよう設定し、2×1WSS13を、波長挿入を行なわないよう設定する。
光ノード1a−1では、2×1WSS16は、選択器22経由で入力されるトランスポンダ21から出力された光信号を、1×2WSS14から入力される波長多重信号に挿入して伝送路34へ出力する。
光ノード1a−3では、選択器23が、入力元として1×2WSS14を選択するよう設定される。光ノード1a−3では、1×2WSS14は、伝送路34から入力された波長多重信号に対して波長分離を行い、分離信号を選択器23へ出力し、他波長信号を2×1WSS16へ出力する。このようにして、光ノード1a−1から光ノード1a−3へ伝送路34を用いて光信号が送信される。なお、光ノード1a−3では、2×1WSS16は光信号の挿入をせず、1×2WSS17は波長分離を行わない設定とする。
本実施の形態の帯域狭窄化の影響は、実施の形態1の図4に示した状態と同様となり、1つのノードを通過するごとに受ける帯域狭窄化は1台のWSSによるもののみであり、従来構成の2台のWSSによる帯域狭窄化の影響を改善できる。
なお、本実施の形態では説明の簡略化のため、光ノード1a−1と光ノード1a−3の通信で1波長の光信号を用いる場合を説明したが、これに限らず、トランスポンダ数と各WSSの入出力ポート数を変更することにより、複数の波長の光信号を用いて通信を行う場合にも本実施の形態と同様の動作を適用することができる。また、トランスポンダ数を増やす場合に、各WSSの入出力ポート数を変更せずに、WSSと選択器の間に合分波器を設けてもよい。
また、複数リングによって接続される光ネットワークにおいても本実施の形態を用いて同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では効果を判り易く説明するために選択器22および選択器23を備えるようにしたが、2×1WSS13、2×1WSS16、1×2WSS14、1×2WSS17での、挿入、分離処理のOnおよびOff設定による漏れ量が十分少ない場合には、選択器22および選択器23を、それぞれを分岐器とした構成としても同様の効果を得ることができる。
このように、本実施の形態では、各光ノードが備えるトランスポンダを1台とし、送信側の光ノードは、選択器22が通信用回線として使用する回線に対応する2×1WSS13を選択して、トランスポンダ21から出力された光信号を選択した2×1WSS13に出力するようにした。そして、受信側の光ノードは、送信側の光ノードで挿入された光信号を分離するようにした。そのため、トランスポンダを1台として構成で、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる光ノード装置および光ネットワークシステムは、波長分割多重方式を採用する光ネットワークシステムに有用であり、特に、WSSを用いて波長分離・挿入を行なう光ネットワークシステムに適している。
1−1〜1−4,1a−1〜1a−4 光ノード
11 分岐器
12,18,21 トランスポンダ
13,16 2×1WSS
14,17 1×2WSS
15,20 On/Off光スイッチ
19,22,23 選択器
31〜34 伝送路
40 障害
T1〜T4 透過特性

Claims (8)

  1. リング状の2以上の光伝送路と、光ノード装置と、を備え、送信元の前記光ノード装置と宛先の前記光ノード装置とを接続する前記光伝送路のうちの1つを現用回線とする光ネットワークシステムにおける前記光ノード装置であって、
    前記光伝送路から入力される波長多重信号を、所定の波長の信号である分離信号と、前記所定の波長以外の波長である他波長信号と、に分離する分離処理を実施する分離動作と、前記分離処理を行わず、入力された波長多重信号を前記他波長信号とする非分離動作と、を切り替えて実施する分離用波長選択スイッチと、
    自ノードが送信する所定の波長の光信号である送信信号を、前記他波長信号に挿入する挿入処理を実施し、前記挿入処理後の信号を前記光伝送路へ送信する挿入動作と、前記他波長信号を前記光伝送路へ送信する非挿入動作と、を切り替えて実施する挿入用波長選択スイッチと、
    を前記光伝送路ごとに備え、
    前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線以外の前記光伝送路を処理後の信号の送信先とする前記挿入用波長選択スイッチは、前記非挿入動作を実施し、
    前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線以外の前記光伝送路から入力された波長多重信号が入力される前記分離用波長選択スイッチは、前記非分離動作を実施する、
    ことを特徴とする光ノード装置。
  2. 前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線に対応する前記挿入用波長選択スイッチは前記挿入動作を実施し、前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線以外の前記光伝送路に対応する前記分離用波長選択スイッチは前記分離動作を実施する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ノード装置。
  3. 前記分離用波長選択スイッチを1入力n(nは2以上の整数)出力の波長選択スイッチとし、
    前記挿入用波長選択スイッチをn入力1出力の波長選択スイッチとする、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光ノード装置。
  4. 現用回線が変更となった場合に、新たな現用回線に対応して、分離用波長選択スイッチおよび挿入用波長選択スイッチの動作を切り替える、
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の光ノード装置。
  5. さらに、
    前記光伝送路ごとに、
    前記送信信号を生成し、前記分離信号に対して所定の受信処理を行うトランスポンダと、
    前記トランスポンダが生成した前記送信信号を前記挿入用波長選択スイッチへ出力するか否かを選択する光スイッチと、
    を備え、
    前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線に対応する前記光スイッチは、前記トランスポンダが生成した前記送信信号を前記挿入用波長選択スイッチへ出力し、
    前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線以外の前記光伝送路に対応する前記光スイッチは、前記トランスポンダが生成した前記送信信号を前記挿入用波長選択スイッチへ出力しない、
    ことを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ノード装置。
  6. さらに、
    前記送信信号を生成し、前記分離信号に対して所定の受信処理を行うトランスポンダと、
    前記トランスポンダが生成した前記送信信号を出力する前記挿入用波長選択スイッチを選択し、選択した前記挿入用波長選択スイッチへ前記送信信号を出力する選択手段と、
    を備え、
    前記選択手段は、前記送信信号の宛先の前記光ノード装置への現用回線に対応する前記挿入用波長選択スイッチを選択する、
    ことを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ノード装置。
  7. 前記分離信号の入力元の前記分離用波長選択スイッチを選択し、選択した前記分離用波長選択スイッチが分離した前記分離信号を前記トランスポンダへ出力する受信用選択手段、
    をさらに備え、
    前記受信用選択手段は、前記分離信号の送信元の前記光ノード装置からの現用回線に対応する前記分離用波長選択スイッチを選択する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光ノード装置。
  8. リング状の2以上の光伝送路と、光ノード装置と、を備え、送信元の前記光ノード装置と宛先の前記光ノード装置とを接続する前記光伝送路のうちの1つを現用回線とする光ネットワークシステムであって、
    前記光ノード装置を請求項1〜7のいずれか1つに記載の光ノード装置とする、
    ことを特徴とする光ネットワークシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013150176A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Hitachi Ltd 伝送システム

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