JP2011171586A - 接着シート用基材、接着シート及び半導体チップの実装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる接着シート用基材であって、硬質層と、該硬質層の両側に積層された柔軟層とを有し、前記硬質層は、40〜80℃での引張り弾性率が0.5GPa以上であり、前記柔軟層は、40〜80℃での引張り弾性率が10kPa〜300MPaである接着シート用基材。
【選択図】なし
Description
まず、表面に電極として複数の突起(バンプ)を有するウエハの突起電極を有する面に、バックグラインドテープと呼ばれる粘着シート又はテープを貼り合わせ、この状態でウエハを所定の厚さにまで研削する。研削終了後、バックグラインドテープを剥離する。次いで、ウエハをダイシングして個々の半導体チップとし、得られた半導体チップを、他の半導体チップ又は基板上にフリップチップ実装によりボンディングする。その後、アンダーフィル剤を充填して硬化する。しかしながら、このような工程は極めて煩雑であるという問題がある。
このような方法において、粘着シート又はテープには、接着剤層を塗工、乾燥する際にも熱膨張及び収縮が少なく、良好な形状保持性を有する基材が用いられ、一般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の硬い材料からなる基材が多用されている。しかしながら、硬い材料からなる基材を用いると、研削時にかかる圧力によって突起電極の損傷及び変形が生じ、得られる半導体装置の接続信頼性が低下することが問題である。
以下、本発明を詳述する。
また、硬質層と柔軟層との2層構造を有する基材を、柔軟層がウエハ側となるように用いることも考えられる。しかしながら、本発明者らは、2層構造を有する基材を用いると、2つの層の線膨張率が異なるために加熱又は冷却を伴う工程において基材に反り及び変形が生じ、粘着シート又はテープ自体の製造が困難となったり、基材と接着剤層との間で剥離が生じることにより半導体チップの実装を良好に行うことが困難となったりすることを見出した。
本発明の接着シート用基材は、このような表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる。より具体的には、本発明の接着シート用基材は接着シートに用いられ、本発明の接着シート用基材を有する接着シートは、表面に突起電極を有するウエハの突起電極を有する面に貼り合わされて用いられる。
上記硬質層は、40〜80℃での引張り弾性率の下限が0.5GPaである。このような引張り弾性率を有する硬質層を有することで、本発明の接着シート用基材は、研削時にウエハを保護する支持体としての機能を充分に果たすことができる。従って、本発明の接着シート用基材を用いることで、ウエハの研削工程を良好に行うことができる。
上記硬質層の40〜80℃での引張り弾性率が0.5GPa未満であると、得られる接着シート用基材は、研削時にウエハを保護する支持体としての機能が低下する。上記硬質層は、40〜80℃での引張り弾性率の好ましい下限が1GPa、より好ましい下限が3GPaである。
上記柔軟層は、40〜80℃での引張り弾性率の下限が10kPa、上限が300MPaである。このような引張り弾性率を有する柔軟層を有することで、本発明の接着シート用基材は、研削時にかかる圧力によって生じる突起電極の損傷及び変形を抑制することができ、本発明の接着シート用基材を用いて、半導体装置における高い接続信頼性を実現することができる。
上記柔軟層の40〜80℃での引張り弾性率が10kPa未満であると、得られる接着シート用基材は、研削時にウエハを保護する支持体としての機能が低下する。上記柔軟層の40〜80℃での引張り弾性率が300MPaを超えると、得られる接着シート用基材を用いると、研削時にかかる圧力によって突起電極の損傷及び変形が生じ、半導体装置における接続信頼性の低下につながる。上記柔軟層は、40〜80℃での引張り弾性率の好ましい下限が100kPa、より好ましい下限が500kPaであり、好ましい上限が200MPa、より好ましい上限が50MPaである。
なお、加熱を伴う工程として、例えば、接着シート用基材上に接着剤組成物を塗工、乾燥する工程、接着シートとウエハとを貼り合わせる工程等が挙げられ、冷却を伴う工程として、例えば、ウエハを研削する工程、接着シートの冷蔵保存時等が挙げられる。また、これらの加熱又は冷却を伴う工程が行われる温度範囲は特に限定されないが、例えば、−20〜100℃程度の温度範囲が挙げられる。
上記光熱硬化性接着剤組成物を用いて形成されることにより、得られる接着剤層は、エネルギー線の照射によって半硬化し、このような半硬化した接着剤層は、なお充分な接着力を有する。従って、例えば、本発明の接着シートを、表面に突起電極を有するウエハと貼り合わせてウエハを研削した後、上記接着剤層を半硬化させ、次いで、ウエハから本発明の接着シート用基材を剥離することにより、半硬化した接着剤層が付着したウエハを製造することができる。更に、このような半硬化した接着剤層が付着したウエハをダイシングして半導体チップに個片化し、得られた半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを、基板又は他の半導体チップ上にフリップチップ実装によりボンディングすることにより、半導体チップを簡便に実装することができる。
上記アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ハイドロキシエチルメタクレート、グリシジルメタクレート等からなる分子量5万〜60万程度の重合体又は共重合体に、2重結合で反応するようにメタクリレート基をウレタン結合で結合させた樹脂等が挙げられる。なかでも、二重結合の量が約1meq/gであるアクリレート、メタクリレートの重合体又は共重合体が好ましい。これらのアクリル樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されないが、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂であることが好ましい。上記熱硬化性化合物が上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂を含有することにより、得られる接着剤層の硬化物は、剛直で分子の運動が阻害されるため優れた機械的強度や耐熱性を発現し、また、吸水性が低くなるため優れた耐湿性を発現することができる。
上記エポキシ基を有するアクリル樹脂は特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレートとアルキルアクリレートとからなる共重合体等が挙げられる。なかでも、グリシジルアクリレートとアルキルアクリレートとからなり、エポキシ当量が約300g/eqである共重合体が好ましい。
上記250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤として、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、触媒として機能する熱硬化剤を用いる場合には、上記熱硬化剤の配合量は、上記熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記熱硬化剤の配合量が1重量部未満であると、得られる接着剤層を加熱しても、充分に硬化させることができないことがある。上記熱硬化剤の配合量が20重量部を超えても特に接着剤層の熱硬化性に寄与しない。
上記エポキシ基と反応する官能基を有する固形ポリマーは特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する樹脂が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子ポリマーが好ましい。
従って、例えば、上記光熱硬化性接着剤組成物が、上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂と上記エポキシ基を有する高分子ポリマーとを含有する場合、得られる接着剤層の硬化物は、上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、優れた耐熱性及び優れた耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子ポリマーに由来する優れた可撓性とを有し、得られる接着シートを用いて、優れた耐冷熱サイクル性、耐ハンダリフロー性、寸法安定性及び接着信頼性等を実現することができる。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記塗工する方法は特に限定されず、例えば、コンマコート、グラビアコート、ダイコート、キャスティング等を用いる方法が挙げられる。
なお、このような半導体チップの実装方法によって実装される表面に突起電極を有する半導体チップとして、例えば、フリップチップ、TSV等が挙げられる。
本発明の接着シート用基材は、一般に加熱を伴う上記工程1においても反り及び変形が抑制されるため、本発明の接着シート用基材を有する本発明の接着シートを用いることで、上記工程1を良好に行うことができる。
上記工程1は常圧下で行ってもよいが、より密着性を向上するためには、1torr程度の真空下で行うことが好ましい。
上記貼り合わせる方法は特に限定されないが、ラミネーターを用いる方法が好ましい。
本発明の接着シート用基材は、一般に冷却を伴う上記工程2においても反り及び変形が抑制されるため、本発明の接着シート用基材を有する本発明の接着シートを用いることで、上記工程2を良好に行うことができる。
なお、上記ゲル分率は、例えば、酢酸メチル又はメチルエチルケトン等の、接着剤組成物を充分に溶解できる溶解度を有する溶剤に半硬化した接着剤層を浸透させ、充分な時間撹拌し、メッシュを用いてろ過した後、乾燥して得られる未溶解物の量から下記式により算出することができる。
例えば、上記接着剤層が光硬化性化合物として上記ラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂を含有する場合、エネルギー線の照射により発生したラジカルが、アクリレート基の二重結合と反応する官能基と連鎖反応し、三次元ネットワーク構造を形成して、上記半硬化した状態を形成する。
上記ダイシングする方法は特に限定されず、例えば、従来公知の砥石等を用いて切断分離する方法等が挙げられる。
また、本明細書において半導体チップの実装とは、基板上に半導体チップを実装する場合と、基板上に実装されている1以上の半導体チップ上に、更に半導体チップを実装する場合との両方を含む。
この他の態様として、工程3で得られた接着剤層が付着したウエハ上に、接着剤層を介して他のウエハを積層してウエハ積層体を製造し、得られたウエハ積層体を一括的にダイシングして、接着剤層が付着した半導体チップの積層体を得てもよい。
(1)接着シート用基材の製造
ラミネーター(ラミモンキー27DX、ラミーコーポーレーション社製)を用いて、ロール温度50℃の条件で、硬質層としての厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の両側に、アクリルウレタン接着材(1495C、総研化学社製)を2μm塗布し、柔軟層としての厚さ60μmのポリエチレン(PE)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率10〜60MPa、ポリエチレンフィルム、大倉工業社製)を積層することにより接着シート用基材を得た。
なお、各フィルムの引張り弾性率は、動的粘弾性測定装置(DVA−200)を用いて測定した。
表1の組成に従って、下記に示す各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合して光熱硬化性接着剤組成物を調製した。
(熱硬化性化合物)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP−7200HH、大日本インキ化学工業社製)
高反応性芳香族エポキシ樹脂(EX201P、ナガセケムテクス社製)
光重架橋性化合物(末端二重結合を有する2−エチルヘキシルアクリレートとイソボルニルアクリレートの共重合体、SK2−37、新中村化学社製)
光ラジカル発生剤(Esacure1001、Lamberti社製)
酸無水物(YH−307、ジャパンエポキシレジン社製)
イミダゾール化合物(2MA−OK、四国化成工業社製)
応力緩和ゴム系高分子(AC4030、ガンツ化成社製)
ヒュームドシリカ(MT10、トクヤマ社製)
イミダゾールシランカップリング剤(SP−1000、日鉱マテリアル社製)
直径20cm、厚み750μmであり、表面に平均高さ80μm、直径110μmの球形のAg−Snハンダーボールを250μmピッチで多数有する半導体ウエハを用意した。得られた接着シートの接着剤層を保護するPETフィルムを剥がし、ラミネーター(ATM−812M、タカトリ社製)を用いて、真空下(1torr)、70℃、10秒間の条件で半導体ウエハに貼り付けた。
次いで、これを研削装置に取りつけ、半導体ウエハの厚さが約100μmになるまで研削した。このとき、研削の摩擦熱により半導体ウエハの温度が上昇しないように、半導体ウエハに水を散布しながら作業を行った。研削後はCMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスによりアルカリのシリカ分散水溶液による研磨を行うことにより、鏡面化加工を行った。
紫外線により半硬化した接着剤層から接着シート用基材を剥離し、研削後の半導体ウエハ上に接着剤層が付着したウエハを得た。
得られた接着剤層が付着した半導体チップを熱風乾燥炉内にて80℃で10分間乾燥後、ボンディング装置(澁谷工業社製、DB−100)を用いて荷重0.15MPa、温度230℃で10秒間圧着して実装した。これを繰り返し5層の半導体チップを実装した後、180℃で30分間かけて硬化し、半導体チップの実装体を得た。
ラミネーター(ラミモンキー27DX、ラミーコーポーレーション社製)を用いて、ロール温度23℃の条件で、硬質層としての厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の両側に、アクリルウレタン系接着材(1495C、総研化学社製)を2μm塗布し、柔軟層としての厚さ50μmのポリエチレン(PE)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率10〜60MPa、ポリエチレンフィルム、大倉工業社製)を積層することにより接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
ラミネーター(ラミモンキー27DX、ラミーコーポーレーション社製)を用いて、ロール温度23℃の条件で、硬質層としての厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の両側に、アクリルウレタン系接着材(1495C、総研化学社製)を2μm塗布し、柔軟層としての厚さ50μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率0.5〜10MPa、林一二社製)を積層することにより接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
硬質層としての厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の両側に、アクリレートの共重合体の塗液を、コンマコーターを用いて塗布し、柔軟層として厚さ30μmのポリアクリレート層(40〜80℃での引張り弾性率100kPa〜1MPa)を形成して、3層の接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
硬質層としての厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の片側に、柔軟層としての厚さ60μmのポリエチレン(PE)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率10〜60MPa、大倉工業社製)を積層したこと以外は実施例1と同様にして接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
硬質層としての厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の片側に、柔軟層としての厚さ50μmのポリエチレン(PE)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率10〜60MPa、大倉工業社製)を積層したこと以外は実施例1と同様にして接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例2と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
硬質層としての厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の片側に、柔軟層としての厚さ50μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率0.5〜10MPa、林一二社製)を積層したこと以外は実施例1と同様にして接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例3と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
硬質層としての厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(40〜80℃での引張り弾性率3〜5GPa、商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の片側に、アクリルレートの共重合体の塗液を、コンマコーターを用いて塗布し、柔軟層として厚さ30μmのポリアクリレート層(40〜80℃での引張り弾性率100kPa〜1MPa)を形成して、2層の接着シート用基材を得た。
得られた接着シート用基材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接着シート及び半導体チップの実装体を得た。
実施例及び比較例で得られた接着シート用基材等について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
接着シート用基材上に、コンマコート法により光熱硬化性接着剤組成物を塗工し、100℃で3分間乾燥した後、得られた接着シートの基材について、コンマロール方向の「たわみ」の発生、コンマロール方向に対して垂直な方向の「よれ」の発生及び「しわ」の発生を評価した。具体的には、接着シートを縦500mm、幅300mmに切断し、平坦な台の上においてテープで4点の角を止めたときに「たわみ」、「よれ」又は「しわ」が無かった場合を○と、「たわみ」、「よれ」又は「しわ」があった場合を×とした。
接着シート用基材を−5℃で1週間冷蔵保存した。1週間経過後の接着シート用基材について、「よれ」又は「しわ」の発生を評価した。具体的には、接着シート用基材を縦500mm、幅300mmに切断し、平坦な台の上においてテープで4点の角を止めたときに「よれ」又は「しわ」が無かった場合を○と、「よれ」又は「しわ」があった場合を×とした。
ラミネーター(ATM−812M、タカトリ社製)を用いて、真空下(1torr)、70℃、10秒間の条件で半導体ウエハに接着シートを貼り付ける際に、接着シートの基材について、「たわみ」、「よれ」又は「しわ」の発生及び「浮き」の発生を評価した。貼り付ける前に「たわみ」又は「よれ」の発生が無く、貼り付け後も「しわ」が無かった場合を○と、「しわ」があった場合を×とした。また、「浮き」の発生が無かった場合を○と、「浮き」の発生があった場合を×とした。
得られた半導体チップの実装体を、85℃、85%湿度の条件下で48時間の湿潤処理を行った後、ハンダリフロー260℃、10秒間の条件で処理を行った。リフロー処理後の半導体チップの実装体について、再び85℃、85%湿度の条件下で48時間の湿潤処理を行った後、ハンダリフロー260℃、10秒間の条件で処理を行った。
このようなリフロー処理をリフロー回数5回まで行った。この5回目のリフロー処理を行った後の半導体チップの実装体の層間について、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。
なお、層間の剥離についての観察は、超音波探査映像装置(日立建機ファインテック社製、mi−scope hyper II)を用いて行った。
その後、この半導体チップの実装体の接着剤層を混酸で除去し、半導体チップ表面の窒化シリコン保護膜に割れが生じているか否かについて観察を行った。
得られた半導体チップの実装体に外部電極をつなぎ、電極での抵抗の変化をテスター(CDM−06、CUSTOM社製)で追跡し、導通性評価を行った。ボンディング後、導通が確認でき、一定抵抗を保っていた場合を○と、導通は確認できたが、抵抗値にブレがあった場合を△と、導通ができなかった場合を×とした。
得られた半導体チップの実装体について、−55℃、9分間と、125℃、9分間とを1サイクルとする温度サイクル試験を行い、1000サイクル後の層間について、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。その後、半導体チップの実装体の接着剤層を混酸で除去し、半導体チップ表面の窒化シリコン保護膜に割れが生じているか否かについて観察を行った。
層間の剥離及び保護膜の割れが観察されなかった場合を○と、層間の剥離又は保護膜の割れがわずかに観察された場合を△と、層間に目立った剥離が認められるか、又は、保護膜に目立った割れが観察された場合を×とした。
Claims (4)
- 表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる接着シート用基材であって、
硬質層と、該硬質層の両側に積層された柔軟層とを有し、
前記硬質層は、40〜80℃での引張り弾性率が0.5GPa以上であり、
前記柔軟層は、40〜80℃での引張り弾性率が10kPa〜300MPaである
ことを特徴とする接着シート用基材。 - 表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる接着シートであって、請求項1記載の接着シート用基材と接着剤層とを有することを特徴とする接着シート。
- 請求項2記載の接着シートを用いる半導体チップの実装方法であって、
前記接着シートの接着剤層と、表面に突起電極を有するウエハの突起電極を有する面とを貼り合わせる工程1と、
前記ウエハを、前記接着シートに固定した状態で裏面から研削する工程2と、
前記研削後のウエハに貼り合わせられた前記接着シートから、接着シート用基材を剥離して、接着剤層が付着したウエハを得る工程3と、
前記接着剤層が付着したウエハをダイシングして、接着剤層が付着した半導体チップに個片化する工程4と、
前記接着剤層が付着した半導体チップを、接着剤層を介して基板又は他の半導体チップに接着して半導体チップを実装する工程5とを有する
ことを特徴とする半導体チップの実装方法。 - 更に、工程5により半導体チップを実装した後、加熱することにより接着剤層を完全に硬化させる工程6を有することを特徴とする請求項3記載の半導体チップの実装方法。
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