JP2011170808A - 貯水施設の運用支援システム、運用支援方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水位運用支援システムは、貯水施設への水の流入5に係る水量を予測し、予測した流入量や気象情報などに基づいて発電される電力量およびその価格を算出し、売電額が最大となるように所定の単位期間(第1単位期間)ごとの水位を最適化するとともに、無効放流7および8の水量(無効放流量)と、を評価に加えて、第1単位期間を構成する単位期間(第2単位期間)ごとの貯水池1および2の水位を、各種の制約を満たしつつ最適化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、水力発電による発電電力に応じて最適な貯水施設の運用を支援するシステム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
この場合、時間帯別に発電電力量に重み付けをして評価することができる。したがって、例えば、電力需要の多い時間帯については、発電電力量の評価を高くするなど、時間帯に応じた柔軟な評価を行うことができる。
この場合、無効放流量を考慮して発電電力量を評価することができる。
図1は本実施形態において想定される貯水施設を説明するための図である。貯水施設は、2つの貯水池1および2、発電機3および4を含んで構成される。本実施形態の貯水施設では、貯水池1および2が連結された構成となっている。
貯水池1は、河川や山林などから水の流入5を受ける。貯水池1は水を貯めて、貯めた水を放水する。発電機3は、貯水池1から放水された水を受けて(以下、発電機が貯水池から受ける水の量を「取水量」といい、「Q」と表記する。)発電を行う。発電機3は水車発電機であることを想定している。発電機3において発電に使われた水は、発電機3を通って貯水池2に流入する。貯水池2は、河川Aなどからも流入6を受ける。貯水池2も水を貯めて、貯めた水を放水する。発電機4は、貯水池2から放水された水を受けて発電を行う。発電機4において発電に使われた水は、発電機4を通って河川に放水される。なお、本実施形態では、発電機3および4は同じ性能であるものとする。
以下、詳細について説明する。
図2は、本実施形態の水位運用支援システムの全体構成を示す図である。
本実施形態の水位運用支援システムは、流入量を予測する流入量予測システム10と、貯水施設における最適水位を計算する最適貯水位計算システム20との2つのサブシステムを含んで構成されている。流入量予測システム10および最適貯水位計算システム20はそれぞれ、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、PDA(Personal Digital Assistance)などのコンピュータである。流入量予測システム10および最適貯水位計算システム20は、複数台のコンピュータにより構成するようにすることもできる。
本実施形態の流入量予測システム10では、融雪量を考慮して流入量の予測を行うことで、予測の精度を向上している。
融雪量モデル4において、気温Ttがμ2よりも低ければ第1項は0になり、前日までの積雪量Dt−1が0であれば融雪量Mtは0になる。
降雪量=a×気温+b×降水量
を回帰分析して、回帰係数aおよびbを推計する。次に、降雪気温推計部111は、気温がδ以下の場合には「a×気象流入量実績情報の気温+b×気象流入量実績情報の降水量」、気温がδより高い場合には「0」を推計降雪量として、推計降雪量と気象流入量実績情報の降雪量との差を2乗した値が最小になるδを算出する。降雪気温推計部111は、例えば、所定範囲の気温を所定ステップごとに増加させたδについて、各気象流入量実績情報がδより高ければ、上記回帰係数aを気温に乗じた値と、上記回帰係数bを降水量に乗じた値とを合計して推計降雪量として算出し、推計降雪量と気象流入量実績情報の降雪量との差を2乗した値を誤差の2乗として算出していき、誤差の2乗が最も小さくなったものをδとして決定することができる。なお、上記誤差の2乗が最も小さくなるように上記δを決定する処理については、一般的な統計手法を利用することが可能である。降雪気温推計部111は、上記のようにして決定したδを、パラメタ記憶部152に登録する。以上のようにして融雪気温δが決定される。
融雪量モデル推計部112は、積雪量モデル3を融雪量モデル4に代入した式
を回帰分析して、回帰係数α2およびα3を推計する。融雪量モデル推計部112は、推計した回帰係数α2およびα3をパラメタ記憶部152に登録する。
流入量予測部117は、パラメタ記憶部152から、α1〜α3、β1、β2、μ1、μ2を読み出し、気象及び流入量実績データベース153から、前日t−1に対応する気象流入量実績情報を読み出す。流入量予測部117は、読み出した気象流入量実績情報の積雪量をDt−1とし、読み出した気象流入量実績情報の流入量をRt−1とする。
予測融雪量取得部116は、融雪量モデル4に、α2、Tt、μ2、Dt−1、α3、P1tを代入して、融雪量の予測値Mtを算出する。
流入量予測部117は、流入量モデル5に、α1、μ1、Rt−1、β1、P1t、β2、Mtを代入して流入増加量の予測値ΔRtを算出し、Rt−1にΔRtを加算して、予測流入量Rtを算出する。
また、本実施形態の流入量予測システム10によれば、融雪量は、降水量および気温から算出することができる。降水量および気温の予測は、気象予報の手法として様々な手法が存在し、容易に入手可能である。したがって、融雪量の予測が困難である場合でも、容易に取得可能な降水量や気温の予測値に基づいて融雪量の予測を行うことで、融雪量を考慮した流入量の予測を容易に実現することができる。
また、上記流入量モデル5では、第1項を均衡流入量と流入量との差であるものとして、均衡流入量を考慮に入れているので、単に流入量を説明変数とする場合に比べ、より精度の高い流入量予測を行うことができる。
最適貯水位計算システム20は、流入量予測システム10が予測した流入量の予測値を用いて貯水池1および2の水位をシミュレーションし、最適的な水位の計画を算出する。
すなわち、R0が、最小取水量Qmin以上であり、かつ、最大取水量Qmax以下である場合には、R0が取水量Qとなり、R0が最小取水量Qminよりも小さい場合には最小取水量Qminが取水量Qとなり、R0が最大取水量よりも大きい場合には最大取水量Qmaxが取水量Qとなる。
なお、水位H1は貯水量V1に応じて一意に定まるので、上記制約モデルB1およびB2は等価である。
なお、上述したように貯水池2の水位H2は、貯水池2の貯水量V2に基づいて一意に定まるので、上記式B5およびB6は等価である。
ここで、単位水量あたりの水位変動(ΔHr÷ΔF)は、上記式A13を微分して次式により表される。
したがって、放水許容値ΔFmaxは次式(C1)となる。なお、式C1もモデル記憶部151に記憶されているものとする。
ここでv(m/s)は流速、nは粗度係数、rは径深(m)、iは動水勾配である。長方形水路の場合、水路幅B、水深hであれば、流積A=B×hであり、潤辺長C=B+2hである。径深r=流積A÷潤辺長Cであるから、上記公式は次のように変形できる。
ここで、水路幅Bが水深hに比して十分広い(h<<B)とすると、vは次式に近似できる。
流量L=流積A×流速vであり、A=Bhであるから、流量Lは次式により表される。
したがって、水深hは、流量Lの3/5乗に比例することが分かる。そこで、本実施形態では、河川水位Hrの説明変数として河川流量Lを説明変数として選定した。
以下、日別の最適水位のシミュレーション処理について説明する。日別最適水位計画部215は、諸元記憶部251からステップ量を読み出し、貯水量設定値入力部212が受け付けた貯水池1および2の初期貯水量を運用期間の初日の貯水量V11およびV21とし、貯水量設定値入力部212が受け付けた貯水池1および2の最終目的貯水量を7日目の貯水量V17およびV27として、各日付t(t=2〜6)について、0時における貯水量V1tをV1min,tからV1max,tの間で、貯水量V2tをV2min,tからV2max,tの間で、それぞれステップ量で変化させてシミュレーションを行い、運用期間の評価値Enの総和が最大となるようにV1tおよびV2tの組合せを決定する。日別最適水位計画部215は、このシミュレーションにおいて、動的計画法を用いるものとする。動的計画法を用いることで、最適なV1tおよびV2tの組合せを迅速に算出することができる。図18は、日別最適水位計画部215によるシミュレーションに用いられる画面60の一例を示す図である。
図19は、ある1つの貯水池において、過去の実績水位についてシミュレーションを行った結果を示すグラフである。
図19(a)は、比較的豊水期として知られている2003年7月における取水量および水位の変化を示すグラフである。貯水施設では、運用者の経験によって水位が決定されており、2003年7月期における売電額の実績値は約258(百万円)であった。これに対して、上記シミュレーションの結果の貯水量Vの組合せに対応する売電額は約269(百万円)となった。すなわち、約4%の売電額の上昇がみられた。
図19(b)は、比較的渇水期として知られている2007年4月における取水量および水位の変化を示すグラフである。2007年4月期における売電額の実績値は107(百万円)であったところ、上記シミュレーションの結果の貯水量Vの組合せに対応する売電価格は114(百万円)となり、約6%の上昇がみられた。
このように、上記シミュレーションにより、売電額が最大になるように貯水量Vの組合せを決定して水位Hを運用することで、運用者の経験による運用に比べて売電額の上昇が可能になることが確認された。
時別最適水位計画部217は、最適化処理の対象日における0時から24時までの各時について、貯水池1の水位H1(貯水量V1)と貯水池2の水位H2(貯水量V2)とのシミュレーションを行う。時別最適水位計画部217は、対象日を受け付け、対象日に対応する貯水池1および2の水位H1およびH2を日別最適水位データベース255から読み出し、読み出した水位H1およびH2をそれぞれ、0時の水位H10およびH20とし、対象日の翌日に対応する貯水池1および2の水位H1およびH2を日別最適水位データベース255から読み出し、読み出した水位H1およびH2をそれぞれ、24時の水位H124およびH224とする。また、時別最適水位計画部217は、0時の水位H10およびH20並びに24時の水位H124およびH224とモデルA1とに基づいて、0時並びに24時の貯水量V10およびV20並びにV124およびV224を算出する。時別最適水位計画部217は、諸元記憶部251からステップ量を読み出し、0時から24時までの各時に対応する電力価格を電力価格データベース254から読み出し、1時から23時までの各時tについて、水位H1tおよびH2tのそれぞれをステップ量で変化させてシミュレーションを行い、A1〜A9の制約を全て満たすH1tおよびH2t(t=0〜24)の組合せの推移(計画)のうち、モデルA14の評価値Eが最大となるような計画を決定する。時別最適水位計画部217は、決定したH1tおよびH2tの組合せの計画を時別最適水位データベース256に登録する。
時別最適水位計画部217は、図22に示す評価値の算出処理を行う(S808)。
時別最適水位計画部217は、貯水池1の貯水量V1tを表示欄722に表示し、各時t(t=1〜23)のそれぞれについて以下の処理を行う。
時別最適水位計画部217は、V1tを水位算出モデルA1に適用して貯水池1の水位H1tを算出し(S821)、H1tを表示欄731に表示する。時別最適水位計画部217は、電力価格データベース254からtに対応する電力価格を読み出してwftとする(S822)。
図20に戻り、時別最適水位計画部217は、図24に示す制約違反の検出処理を行う(S809)。
以上のようにして、評価値E1が最大となるV1t(t=0〜24)の組合せを、貯水池1についての最適計画として作成することができる。
時別最適水位計画部217は、貯水池2の貯水量V2tを表示欄723に表示し、各時t(t=1〜23)のそれぞれについて、V2tを水位算出モデルA1に適用して貯水池2の水位H2tを算出して(S821)、H2tを表示欄732に表示し、電力価格データベース254からtに対応する電力価格を読み出してwftとする(S822)。
図26に戻り、時別最適水位計画部217は、各時についてのE2tを合計して評価値E2を算出する(S824)。
上記モデルA14’では、無効放流量Sの2乗にペナルティ係数を乗じた値を発電電力Pnから減じて評価値Eを算出しているので、無効放流量が少なくなるように貯水量Vまたは対応する水位Hを決定することができる。
Q0min≦Qminの場合、
Q0min>Qminの場合、
7 無効放流、8 無効放流、10 流入量予測システム、
20 最適貯水位計算システム、30 通信ネットワーク、
101 CPU、102 メモリ、103 記憶装置、
104 通信インタフェース、105 入力装置、106 出力装置、
111 降雪気温推計部、112 融雪量モデル推計部、
113 流入量モデル推計部、114 予測気温取得部、
115 予測降水量取得部、116 予測融雪量取得部、
117 流入量予測部、151 モデル記憶部、152 パラメタ記憶部、
153 気象及び流入量実績データベース、201 CPU、
202 メモリ、203 記憶装置、204 通信インタフェース、
205 入力装置、206 出力装置、211 諸元入力部、
212 貯水量設定値入力部、213 予測流入量取得部、
214 総合変換効率モデル推計部、215 日別最適水位計画部、
216 河川流量モデル推計部、217 時別最適水位計画部、
218 最適水位出力部、251 諸元記憶部、252 モデル記憶部、
253 制約記憶部、254 電力価格データベース、
255 日別最適水位データベース、256 時別最適水位データベース、
257 効率試験結果データベース、258 河川流量実績データベース
Claims (11)
- 第1および第2の貯水池と、前記第1の貯水池からの放水を利用して水力発電を行う第1の発電機と、前記第2の貯水池からの放水を利用して水力発電を行う第2の発電機とを有し、前記第1の発電機において利用された水は前記第2の貯水池に流入する貯水施設の運用を支援するシステムであって、
所定期間内の各単位期間における、前記第1の発電機以外から前記第1および第2の貯水池のそれぞれに流入する水の量である第1および第2の流入量の予測値を取得する予測流入量取得部と、
前記単位期間の開始時点から終了時点までの貯水池における貯水量の変化量および前記流入量に基づいて前記水力発電に使用する水の量である取水量を算出するための取水量算出モデル、並びに、前記取水量および前記貯水量に基づいて前記水力発電により前記単位期間に発電される電力量を算出するための電力量算出モデルを記憶するモデル記憶部と、
最適な貯水量の計画を決定する最適貯水量決定部と、
を備え、
前記最適貯水量決定部は、
前記所定期間内の前記各単位期間について、前記単位期間の開始時点における前記第1の貯水池の貯水量である第1の貯水量を変化させるとともに、前記第1の貯水量および前記第1の流入量の予測値を前記取水量算出モデルに適用して第1の取水量を算出し、前記第1の取水量および前記第1の貯水量を前記電力量算出モデルに適用して第1の電力量を算出し、前記第1の電力量に応じて、前記第1の発電機により発電される電力量の第1の評価値を算出していき、前記第1の評価値の合計が最大となる前記第1の貯水量の組合せを、前記第1の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定し、
前記第1の評価値の合計が最大となる前記各単位期間についての前記第1の取水量である最適取水量を特定し、
前記所定期間内の前記各単位期間について、前記単位期間の開始時点における前記第2の貯水池の貯水量である第2の貯水量を変化させるとともに、前記最適取水量を前記第2の流入量の予測値に加算し、前記第2の貯水量および前記第2の流入量の予測値を前記取水量算出モデルに適用して第2の取水量を算出し、前記第2の取水量および前記第2の貯水量を前記電力量算出モデルに適用して第2の電力量を算出し、前記第2の電力量に応じて、前記第2の発電機により発電される電力量の第2の評価値を算出していき、前記第2の評価値の合計が最大となる前記第2の貯水量の組合せを、前記第2の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定すること、
を特徴とする貯水施設運用支援システム。 - 請求項1に記載の貯水施設運用支援システムであって、
前記最適貯水量決定部は、前記第1の電力量の合計値を前記第1の評価値とし、前記第2の電力量の合計値を前記第2の評価値として算出すること、
を特徴とする貯水施設運用支援システム。 - 請求項1に記載の貯水施設運用支援システムであって、
前記電力量に対する時間帯別の重みを記憶する電力量重み記憶部を備え、
前記最適貯水量決定部は、前記各単位期間が属する時間帯に対応する前記重みを前記電力量重み記憶部から読み出し、前記第1の電力量に前記重みを乗じた値の合計値を前記第1の評価値とし、前記第2の電力量に前記重みを乗じた値の合計値を前記第2の評価値として算出すること、
を特徴とする貯水施設運用支援システム。 - 請求項1に記載の貯水施設運用支援システムであって、
前記発電機に与えられずに前記貯水施設から放流される水の量である無効放流量を評価する係数であるペナルティ係数を記憶するペナルティ係数記憶部と、
前記発電機が発電のために前記貯水池から受け入れる水の量である取水量の最小値および最大値を含む取水量に対する制約条件を記憶する制約条件記憶部と、
を備え、
前記電力量算出モデルは、前記単位期間における前記貯水池の貯水量の変化量および前記流入量に基づいて前記貯水池からの放水量を算出する貯水池放水量モデルと、前記取水量および前記貯水池の貯水量に基づいて前記電力量を算出する電力量モデルとを含み、
前記最適貯水量決定部は、前記各単位期間について、前記第1の貯水量の変化量を算出し、前記第1の流入量および前記第1の貯水量の変化量を前記貯水池放水量モデルに適用して前記第1の貯水池からの第1の放水量を算出し、前記第1の放水量のうち前記取水量に対する制約条件を満たす最大の水量を前記第1の取水量とし、前記第1の放水量から前記第1の取水量を減じて第1の無効放流量を算出し、前記第1の取水量並びに前記第1の貯水量を前記電力量モデルに適用して前記第1の電力量を算出し、前記第1の電力量から前記第1の無効放流量に前記ペナルティ係数を乗じた値を減算した上で合計して前記第1の評価値を算出し、
前記最適貯水量決定部は、前記各単位期間について、前記第2の貯水量の変化量を算出し、前記第2の流入量に前記第1の取水量を加算した値および前記第2の貯水量の変化量を前記貯水池放水量モデルに適用して前記第2の貯水池からの第2の放水量を算出し、前記第2の放水量のうち前記取水量に対する制約条件を満たす最大の水量を前記第2の取水量とし、前記第2の放水量から前記第2の取水量を減じて第2の無効放流量を算出し、前記第2の取水量並びに前記第2の貯水量を前記電力量モデルに適用して前記第2の電力量を算出し、前記第2の電力量から前記第2の無効放流量に前記ペナルティ係数を乗じた値を減算した上で合計して前記第2の評価値を算出すること、
を特徴とする貯水施設運用支援システム。 - 請求項4に記載の貯水施設運用支援システムであって、
前記制約条件記憶部はさらに、前記無効放流量に対する制約条件を記憶し、
前記最適貯水量決定部は、
前記第1の貯水量の組合せのうち、前記第1の無効放流量が前記無効放流量に対する制約条件を満たすものの中で、前記第1の評価値の合計が最大となる組合せを前記第1の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定し、
前記第2の貯水量の組合せのうち、前記第2の無効放流量が前記無効放流量に対する制約条件を満たすものの中で、前記第2の評価値の合計が最大となる組合せを前記第2の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定すること、
を特徴とする貯水施設運用支援システム。 - 第1および第2の貯水池と、前記第1の貯水池からの放水を利用して水力発電を行う第1の発電機と、前記第2の貯水池からの放水を利用して水力発電を行う第2の発電機とを有し、前記第1の発電機において利用された水は前記第2の貯水池に流入する貯水施設の運用を支援する方法であって、
コンピュータが、
所定期間内の各単位期間における、前記第1の発電機以外から前記第1および第2の貯水池のそれぞれに流入する水の量である第1および第2の流入量の予測値を取得し、
前記単位期間の開始時点から終了時点までの貯水池における貯水量の変化量および前記流入量に基づいて前記水力発電に使用する水の量である取水量を算出するための取水量算出モデル、並びに、前記取水量および前記貯水量に基づいて前記水力発電により前記単位期間に発電される電力量を算出するための電力量算出モデルをメモリに記憶し、
前記所定期間内の前記各単位期間について、前記単位期間の開始時点における前記第1の貯水池の貯水量である第1の貯水量を変化させるとともに、前記第1の貯水量および前記第1の流入量の予測値を前記取水量算出モデルに適用して第1の取水量を算出し、前記第1の取水量および前記第1の貯水量を前記電力量算出モデルに適用して第1の電力量を算出し、前記第1の電力量に応じて、前記第1の発電機により発電される電力量の第1の評価値を算出していき、前記第1の評価値の合計が最大となる前記第1の貯水量の組合せを、前記第1の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定し、
前記第1の評価値の合計が最大となる前記各単位期間についての前記第1の取水量である最適取水量を特定し、
前記所定期間内の前記各単位期間について、前記単位期間の開始時点における前記第2の貯水池の貯水量である第2の貯水量を変化させるとともに、前記最適取水量を前記第2の流入量の予測値に加算し、前記第2の貯水量および前記第2の流入量の予測値を前記取水量算出モデルに適用して第2の取水量を算出し、前記第2の取水量および前記第2の貯水量を前記電力量算出モデルに適用して第2の電力量を算出し、前記第2の電力量に応じて、前記第2の発電機により発電される電力量の第2の評価値を算出していき、前記第2の評価値の合計が最大となる前記第2の貯水量の組合せを、前記第2の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定すること、
を特徴とする貯水施設運用支援方法。 - 請求項6に記載の貯水施設運用支援方法であって、
前記コンピュータは、前記第1の電力量の合計値を前記第1の評価値とし、前記第2の電力量の合計値を前記第2の評価値として算出すること、
を特徴とする貯水施設運用支援方法。 - 請求項6に記載の貯水施設運用支援方法であって、
前記コンピュータは、
前記電力量に対する時間帯別の重みを前記メモリに記憶し、
前記各単位期間が属する時間帯に対応する前記重みを前記電力量重み記憶部から読み出し、前記第1の電力量に前記重みを乗じた値の合計値を前記第1の評価値とし、前記第2の電力量に前記重みを乗じた値の合計値を前記第2の評価値として算出すること、
を特徴とする貯水施設運用支援方法。 - 第1および第2の貯水池と、前記第1の貯水池からの放水を利用して水力発電を行う第1の発電機と、前記第2の貯水池からの放水を利用して水力発電を行う第2の発電機とを有し、前記第1の発電機において利用された水は前記第2の貯水池に流入する貯水施設の運用を支援するためのプログラムであって、
コンピュータに、
所定期間内の各単位期間における、前記第1の発電機以外から前記第1および第2の貯水池のそれぞれに流入する水の量である第1および第2の流入量の予測値を取得するステップと、
前記単位期間の開始時点から終了時点までの貯水池における貯水量の変化量および前記流入量に基づいて前記水力発電に使用する水の量である取水量を算出するための取水量算出モデル、並びに、前記取水量および前記貯水量に基づいて前記水力発電により前記単位期間に発電される電力量を算出するための電力量算出モデルをメモリに記憶するステップと、
前記所定期間内の前記各単位期間について、前記単位期間の開始時点における前記第1の貯水池の貯水量である第1の貯水量を変化させるとともに、前記第1の貯水量および前記第1の流入量の予測値を前記取水量算出モデルに適用して第1の取水量を算出し、前記第1の取水量および前記第1の貯水量を前記電力量算出モデルに適用して第1の電力量を算出し、前記第1の電力量に応じて、前記第1の発電機により発電される電力量の第1の評価値を算出していき、前記第1の評価値の合計が最大となる前記第1の貯水量の組合せを、前記第1の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定するステップと、
前記第1の評価値の合計が最大となる前記各単位期間についての前記第1の取水量である最適取水量を特定するステップと、
前記所定期間内の前記各単位期間について、前記単位期間の開始時点における前記第2の貯水池の貯水量である第2の貯水量を変化させるとともに、前記最適取水量を前記第2の流入量の予測値に加算し、前記第2の貯水量および前記第2の流入量の予測値を前記取水量算出モデルに適用して第2の取水量を算出し、前記第2の取水量および前記第2の貯水量を前記電力量算出モデルに適用して第2の電力量を算出し、前記第2の電力量に応じて、前記第2の発電機により発電される電力量の第2の評価値を算出していき、前記第2の評価値の合計が最大となる前記第2の貯水量の組合せを、前記第2の貯水池についての最適な貯水量の計画として決定するステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 請求項9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、前記第1の電力量の合計値を前記第1の評価値とし、前記第2の電力量の合計値を前記第2の評価値として算出させること、
を特徴とするプログラム。 - 請求項9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータにさらに、前記電力量に対する時間帯別の重みを前記メモリに記憶するステップを実行させ、
前記コンピュータに、前記各単位期間が属する時間帯に対応する前記重みを前記電力量重み記憶部から読み出し、前記第1の電力量に前記重みを乗じた値の合計値を前記第1の評価値とし、前記第2の電力量に前記重みを乗じた値の合計値を前記第2の評価値として算出させること、
を特徴とするプログラム。
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