以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、本実施形態に係る情報管理装置10の機能ブロック図を示した。図1に示されるように、情報管理装置10は、データ格納部12、監視対象設定部14、データ取得部16、条件付フォルダ設定部18、下位フォルダ設定部20、条件式生成部22、条件判定部24、及び関連付け処理部26を含む。上記の各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現することとしてよい。なお、プログラムは情報記憶媒体によってコンピュータのハードウェアを備える情報管理装置10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介して情報管理装置10に供給されることとしてもよい。
データ格納部12は、例えば磁気ディスク装置や半導体メモリ等の記憶装置により実現されるものであり、情報管理装置10が処理するデータを格納するものである。情報管理装置10が処理するデータの種類、形式には特に限定がなく、データは例えば電子メール、電子文書、画像データ等を含むこととしてよい。本実施形態では、データ格納部12は、階層構造のファイルシステムとして管理されることとしてよく、複数のフォルダ(階層)が階層構造となって構成されている。
監視対象設定部14は、データ格納部12を構成するフォルダのうち情報管理装置10が監視対象とするフォルダ(監視対象フォルダ)を設定するものである。監視対象フォルダは1つに限らず複数設定されることとしてよい。本実施形態では、監視対象フォルダは情報管理装置10が取得したデータの一時保管場所として機能し、監視対象フォルダに格納されたデータは、所与の条件に基づいて他のフォルダに関連付ける(格納する)対象となる。このデータの関連付け及び条件の詳細に関しては後述する。
データ取得部16は、監視対象設定部14により設定された監視対象フォルダからデータを取得するものである。本実施形態では、データ取得部16は、監視対象フォルダに新たに登録されたデータを取得することとしてもよいし、予め定められた時間毎に監視対象フォルダにアクセスし未取得のデータを選択して取得することとしてもよい。
条件付フォルダ設定部18は、情報管理装置10が管理するファイルシステム内に条件付フォルダを設定するものである。条件付フォルダは、ファイルシステム内に新たに生成することとしてもよいし、既存のフォルダを条件付フォルダに変更することとしてもよい。なお、条件付フォルダとは、当該条件付フォルダの配下に関連付けられるデータが満足すべき条件が設定されたフォルダである。なお、条件付フォルダに定められた条件は、当該条件付きフォルダの配下に設けられた1又は複数の下位フォルダの属性値をそれぞれ参照し、下位フォルダ毎に関連付けられるデータが満足すべき条件式を定めている。
図2には、条件付フォルダに設定される条件を表す条件設定テーブルの一例を示した。図2に示されるように、条件設定テーブルは、条件付フォルダをそれぞれ識別する識別情報(条件付フォルダID)に関連付けて、当該条件付フォルダに設定される条件、条件付フォルダへ取り込むデータを格納している監視対象フォルダの各情報を格納したテーブルとして構成されることとしてよい。
図2に示された例では、条件付フォルダID「F100」の条件付フォルダに設定される条件は、データのタイトルが下位フォルダのタイトルに一致することである。また、条件付フォルダID「F101」の条件付フォルダに設定される条件は、データの作成日よりも下位フォルダに設定される日付が古いことである。条件付フォルダID「F102」の条件付フォルダに設定される条件は、データの所有者が下位フォルダの所有者と一致することである。識別情報「F103」の条件付フォルダに設定される条件は、データのタイトルが下位フォルダのタイトルに一致し、且つ、データの所有者が下位フォルダの所有者と一致することである。
下位フォルダ設定部20は、条件付フォルダの配下に下位フォルダを設定するものである。下位フォルダには、そのフォルダのタイトル(名前)のほか、下位フォルダについて予め定められた属性情報の各々について属性値を定めることとしてよい。属性値は、作成日や所有者のように情報管理装置10により取得される情報をそのまま用いてもよいし、ユーザからの入力に応じて各属性値の値を入力、変更することとしてもよい。
図3には、下位フォルダに設定される属性情報の一例を示した。図3に示されるように、下位フォルダの識別情報(下位フォルダID)に関連付けて、タイトル、設定日、所有者等の各種属性値が設定される。設定日は、下位フォルダの作成日としてもよいし、ユーザに適宜設定される任意の日時情報としてもよい。
条件式生成部22は、条件付フォルダに設定される条件と、条件付フォルダの配下に設けられた下位フォルダの属性値とに基づいて、下位フォルダ毎に対応する条件式を生成するものである。条件式は、下位フォルダとその上位にある条件付フォルダとの関係、及び上位にある条件付フォルダの更に上位にある条件付フォルダとの関係に基づいて生成される。具体的には、例えば下位フォルダの上位にある条件付フォルダが並列に複数ある場合にはそれらの条件付フォルダによる条件を論理和として結合し、下位フォルダの上位にある条件付フォルダが直列に複数ある(すなわち条件付フォルダを配下に持つ条件付フォルダが存在する)場合にはそれらの条件付フォルダによる条件が論理積として結合することとしてよい。以下、具体例を用いて条件式生成部22により生成される条件式について説明する。
図4には、監視対象フォルダ、条件付フォルダ、下位フォルダの関係の一例を示した。図4に示された例では、1つの条件付フォルダFの配下に下位フォルダSF1,SF2が設けられた構成となっている。αを監視対象フォルダTFから取得したデータの属性値、下位フォルダSFi(i=1,2)の属性値βiとした場合に、条件付フォルダの条件式は、条件付フォルダに設定された条件文(関数)fを用いてf(α,βi)により生成される。
図5には、監視対象フォルダ、条件付フォルダ、下位フォルダの関係の一例を示した。図5に示された例では、2つの条件付フォルダFA,FBがあり、監視対象フォルダTFAを監視対象とする条件付フォルダFAの配下に下位フォルダSFA1,SFA2が設けられ、監視対象フォルダTFBを監視対象とする条件付フォルダFBの配下に下位フォルダSFB1が設けられた構成となっている。下位フォルダSFA2については条件付フォルダFBの配下にも属していることとする。このとき、条件付フォルダFAの条件をfA、条件付きフォルダFBの条件をfBとした場合に、下位フォルダSFA1の条件式はfA(x,βA1)、下位フォルダSFB1の条件式はfB(α,βB1)となる。そして下位フォルダSFA2の条件式は、{fA(α,βA2)}OR{fB(α,βA2)}となる。なお、ORは論理和を示す演算子である。
図6には、監視対象フォルダ、条件付フォルダ、下位フォルダの関係の一例を示した。図6に示された例では、2つの条件付フォルダFA,FBがあり、監視対象フォルダTFを監視対象とする条件付フォルダFAの配下に条件付フォルダFBがあり、条件付フォルダFBの配下に下位フォルダSFCが設けられた構成となっている。このとき、条件付フォルダFAの条件をfA、条件付きフォルダFBの条件をfBとした場合に、下位フォルダSFCの条件式は{fA(α,βC)}AND{fB(α,βC)}となる。なお、ANDは論理積を示す演算子である。
条件判定部24は、データ取得部16により取得されるデータの各々について、条件式生成部22により下位フォルダ毎に生成される条件式の真偽を判定するものである。例えば条件付フォルダID「F100」の監視対象フォルダからデータ名Aのデータを取得した場合に、下位フォルダSFAのタイトルがA、下位フォルダSFBのタイトルがBであったときには、下位フォルダSFAに関する条件式が真、下位フォルダSFBに関する条件式が偽と判定される。
関連付け処理部26は、データ取得部16により取得されるデータが条件判定部24により真と判定された場合に、当該真である条件式に対応した下位フォルダに上記取得されるデータを関連付けるものである。データが複数の下位フォルダの条件式に対して真であった場合には、当該データを各下位フォルダに関連付けることとしてよい。データを関連付ける下位フォルダが存在する場合には、監視対象フォルダから当該データを削除(関連付けを解消)することとしてもよい。なお、データのフォルダへの関連付けとは、フォルダにデータを移動したり、複製したり、格納したりすることとしてもよい。
次に、図7に示されるフローチャートを参照しながら、情報管理装置10において行われるデータの関連付け処理の流れを説明する。
図7に示されるように、情報管理装置10は、監視対象フォルダにデータが登録されたことを検出し(S101)、当該登録されたデータを取得する(S102)。情報管理装置10は、監視対象フォルダが監視対象に設定された条件付フォルダの配下に存在する下位フォルダのうち未処理のものを1つ選択する(S103)。
情報管理装置10は、上記選択した下位フォルダの属性値と当該下位フォルダが含まれる条件付フォルダに設定された条件とに基づく条件式を生成し(S104)、上記取得されたデータが、上記選択した下位フォルダについて生成された条件式を満たすか否かを判定する(S105)。情報管理装置10は、上記取得したデータが上記条件式を満たす(真)と判定する場合には(S105:Y)、上記取得されたデータを上記選択した下位フォルダに関連付け(S106)、未処理の下位フォルダが残っているか否かを判定する(S107)。また、S105で上記取得したデータが上記条件式を満たさない(偽)と判定する場合には、そのままS107の処理に移行する。
情報管理装置10は、S107で未処理の下位フォルダが残っていると判定する場合には(S107:Y)、S103に戻ってそれ移行の処理を繰り返し、未処理の下位フォルダが残っていないと判定する場合には(S107:N)、監視対象フォルダから上記取得されたデータを削除して(S108)、処理を終了する。なお、S102において、複数のデータを取得した場合は、各々のデータに対してS103からS107までの処理を行うこととなる。
本実施形態の情報管理装置10では、データを関連付ける条件がフォルダに設定されているため、そのフォルダに関連付けられているデータ(格納されているデータ)が如何なる条件を満たすデータであるのかの確認が、フォルダに条件が設定されていない場合に比べて容易となる。また、フォルダに条件が設定されていると、設定する条件が複雑となる場合に、条件とフォルダとを独立に設ける場合に比べて管理が容易となる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、情報管理装置10は、データベースサーバ、ファイルサーバ、電子メールサーバ等からデータを取得して監視対象フォルダにデータを一時格納し、当該格納したデータをどのフォルダに関連付けるかを決定する処理を行うようにしてもよい。