JP2011170354A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マウントによって光学素子ができるだけ安定かつできるだけ低応力な状態で固定されるようにする。
【解決手段】光学素子12は、コンプライアントな支持部22a、22b、22cを介してマウント16に固定される。支持部22a、22b、22cは、第1のスプリングストラット26と、第2のスプリングストラット28と、光学素子12が接触点32にて固定される接触領域30とを有するスプリングストラット配列24を有し、第1、第2のスプリングストラット26,28は第1の端部34,36を介して接触領域30に、及び接触領域30から遠い第2の端部38,40を介してマウントの外縁部42に、それぞれ連結されている。第1、第2のスプリングストラット26,28は、接触領域30の同じ側にてコンプライアンスの方向において隔てられて接触領域30から延び、実質的に互いに平行である。
【選択図】図5

Description

本発明は、光学装置に関する。光学装置は、光学素子及び光学素子が固定されているマウントを備え、光学素子は少なくとも1つのコンプライアントな支持部(ベアリング)を介してマウントに固定されており、支持部は第1のスプリングストラットと、少なくとも1つの第2のスプリングストラットと、光学素子が接触点にて固定される接触領域とを有するスプリングストラット配列を有しており、第1及び第2のスプリングストラットは第1の端部を介して接触領域に、及び接触領域から遠い第2の端部を介してマウントの外縁部に、それぞれ固定的に連結されている。
上述の光学装置は、その使用により一般的に知られている。
最初に言及された種類の光学装置は、例えば円形状又は多角形状の外周を持つ小さなレンズ等の比較的小さな光学素子を有することができる。ここで“小さな”光学素子、例えば“小さな”レンズ、とは、円形の光学素子に関していえば、直径が、例えばおよそ5mmからおよそ30mmの範囲にあることをいう。
最初に言及された種類の光学装置を用いることができる光学系においては、場合によってはいわゆるダブレットが収差補正に用いられる。ここでダブレットとは、例えば1mm未満の極薄のエアギャップを持ったレンズの二枚組であり、エアギャップは典型的には10μmから100μmの範囲にある。これらのダブレットレンズは、光学系の全体的な収差に大きな影響を与える。本発明は、特にダブレットレンズを有する光学装置に好適である。
光学素子は、その材質及び表面に関して高品質であるべきことに加え、マウントによって正しい位置及び表面形状が損なわれることが誘起されることもできるだけあってはならず、特に応力によって誘起される複屈折を回避する必要がある。
光学素子の安定的な配置、表面形状の保全、及び応力誘起複屈折の回避の各要請は、時には調整することが困難となる。安定的な配置のためには光学素子とマウントの間で安定な連結が要されるところ、光学素子のマウントへの安定な連結は表面形状に変化を与えて複屈折を発生させる応力を光学素子内に誘起することがある。これらの相反的な効果は、吸収により作動中に光学素子及び/又はマウントが加熱する場合に、さらに悪化する。加熱により光学素子が膨張し、これにより光学素子内に応力が生じることがあり、当該光学素子の光学特性が損なわれことがある。
従来の光学装置は、例えばリングとして形成されたマウントを有し、マウントには光学素子の外縁部が軸方向に置かれる環状オフセットが形成されている。光学素子の外縁部とマウント本体との間には隙間が残され、光学素子をマウントに固定するために隙間には接着剤が充填される。複合レンズ内での環境条件(大気中の湿度、短波長光)により、接着剤の体積は変動し、これに伴いマウント及びレンズに作用する力の均衡も影響を受け、その結果として形状及び/又は位置に関して光学特性が損なわれることになる。
これら従来の光学装置のほか、少なくとも1つ、通常は3つの、光学素子の周囲に配置された、コンプライアントな支持部によって、光学素子がマウントに連結される光学装置も知られている。この場合、各支持部は、第1のスプリングストラット及び少なくとも1つの第2のスプリングストラットを有するスプリングストラット配列を有し、第1のスプリングストラット及び少なくとも1つの第2のスプリングストラットが、スプリングストラット配列が光学素子に連結される接触領域の両側へ延び、かつ、それぞれの他方の端部によってマウントの外部領域に連結される。このようなスプリングストラット配列は、バイラテラルスプリングストラットと称せられることもある。
しかし、バイラテラルスプリングストラットと共に用いるコンプライアントな支持部の構成は、例えば上述の直径の範囲にある微小レンズに容易に用いることができない。生産に関する技術的な理由により、バイラテラルスプリングストラットの薄さはおよそ0.2mmから0.3mmまでの範囲に限られる一方、バイラテラルスプリングストラットの最大長は他の2つの支持部に関する隣接する2つのスプリングストラット配列によってそれぞれ制約を受けるため、そのようなバイラテラルスプリングストラット配列によっては、支持部について十分なコンプライアンスを達成することができない。光学素子の熱膨張によるスプリングストラットの変形は、スプリングストラット配列において望ましくない高度の応力を発生させ、結果として光学素子に対応する高度の圧縮力を及ぼし、複屈折を誘起することがあり、また、光学素子を変形させることがある。
小さな光学素子に関しては、上述のバイラテラルスプリングストラットを単なるユニラテラルスプリングストラットと代替させることも提案されており、この場合接触領域の片側から1つのみのスプリングストラットが延び、他方の端部によってマウントの本体に固定的に連結されている。スプリングストラットのこのような構成においては、前述の空間的な問題はもはや存在せず、すなわち、シングルスプリングストラットは、バイラテラルスプリングストラットの2つのスプリングストラットに比してより長いものであることができ、これによってバイラテラルスプリングストラットに比してより低い応力が光学素子に与えられ、かつ同時に、より大きな変形量が確保される。
しかし、ユニラテラルスプリングストラットのみのスプリングストラットの構成には不利益もある。第1の不利益としては、マウントとの関係で光学素子に熱起因性の膨張がある場合、接触領域と光学素子との間の接触点が曲げモーメントにさらされ、これにより光学素子を接触領域に連結する接着剤又はハンダの剥離につながることがあるということが挙げられる。結果として、光学素子の配置的安定は保証されていない。さらなる不利益としては、光学装置が使用されるシステムの振幅/振動下での共振を回避するのに十分な剛性がユニラテラルスプリングストラットにはないことが挙げられる。光学装置における共振は、光学特性を損なわせる光学素子の位置の変動を招く。より高い剛性は、スプリングストラットの長さをより短くすることによって達成できるが、上述したように、変形量に対するスプリングストラット内の応力の比の悪化を伴う。
したがって、ユニラテラルスプリングストラットを持つスプリングストラット配列によるこのような種類の、光学素子のマウントへの固定は上述の各要請からみて不十分である。
本発明は、マウントによって光学素子ができるだけ安定かつできるだけ低応力な状態で固定される、最初に言及した種類の、光学装置を提供することを目的としている。
当該目的は、最初に言及した光学装置、すなわち、接触領域の同じ側にて接触領域から延びる、互いにコンプライアンスの方向において隔てられた、実質的に互いに平行である第1及び第2のスプリングストラットに関する発明に基づいて、達成される。
本発明による光学配列の少なくとも1つ支持部のスプリングストラット配列は、接触領域の片側から延びる少なくとも2つの平行なスプリングストラットにより形成される平行スプリングストラットを有する。それぞれ1つのユニラテラルスプリングストラットしか有さない既知の光学装置のスプリングストラット配列との比較では、本発明による光学装置の平行スプリングストラットは、光学素子の膨張が生じた場合に、接着剤又はハンダの接触点での剥離を生じさせるような、接触領域と光学素子との間の接触点におけるトルクを発生させない利点を有する。これは、平行スプリングストラット自身がその構造によって最初から接触領域において、光学素子の中心の移動を伴わない光学素子の回転のみをもたらすような接触領域の平行移動しか生じさせないモーメントを発生させるからである。第1のスプリングストラット及び少なくとも1つの第2のスプリングストラットによって接触領域に加えられる力は、どれも等しい大きさであり、接触領域において逆方向に作用するものである。2つのスプリングストラットの間の変形方向における距離によって、トルクが生じ、このトルクは光学素子が膨張する際に発生するトルクに正対して作用する。結果として、接触領域と光学素子との間の接触点においてはトルクが発生しない。
本発明による光学装置の平行スプリングストラットのさらなる利点としては、単一のユニラテラルスプリングストラットを有するスプリングストラット配列との比較で、より大きな固有の剛性が挙げられる。このようなスプリングストラット配列のより大きな固有の剛性は、より小さな固有の剛性しかないスプリングストラット配列に比して、より良い、マウント内における光学素子のいわゆる配置的安定性を確保する。さらに、平行スプリングストラット配列を有する1つ又は複数の支持部のより大きな固有の剛性は、光学装置の固有周波数をより高位の周波数に上げる。このことは、光学装置が設置された光学系内の振幅又は振動が、光学装置に固有振動をもたらすことができず、光学素子の配置的安定を向上させるという利点を有する。
平行スプリングストラットのより大きな固有の剛性の結果として、平行スプリングストラットの個々のスプリングストラットをより長くすることができ、この事により変形量に対するスプリングストラット配列内での応力の比がより有利なものとなる。すなわち、光学素子の半径方向への膨張が比較的に大きなたわみをスプリングストラット配列に生じさせても、光学素子に応力を生じさせて特に応力誘起複屈折を生じさせる、スプリングストラット配列への応力がより小さなものとなる。
スプリングストラットは、好適には板バネとして形成されるが、ワイヤやマウントにおけるスロット等であることもできる。
さらなる好適な構成においては、第1、第2のスプリングストラットは、それぞれが、それぞれの第1の端部と第2の端部との間において、コンプライアンスの起きる平面内での湾曲を有する。
平行スプリングストラットに関して、各スプリングストラットが湾曲しながら互いに平行に延びる構成は、光学素子と接触領域とが接触する点の近傍領域における曲げモーメントをなくすことに関して特に有利である。
この観点からは、光学素子からみて、スプリングストラットの湾曲が凹型であることがさらに好ましい。
光学素子からみて凹型である平行スプリングストラットの構成は、例えば光学装置が動作を終えて再び冷えた場合等、半径方向への撓みがあった後のスプリングストラットの構成の復元がより良好に行われるという利点がある。
さらなる好適な実施例においては、スプリングストラットは実質的に同じ長さのものとされる。
実質的に同じ長さのものとされるスプリングストラットを有する平行スプリングストラットの構成は、平行スプリングストラットの全体としてのバネ特性がより適切に決定されるという利点を有する。
さらなる好適な構成においては、少なくとも1つのスプリングストラットは、全長にわたっての厚み及び/又は形状が変化するようなものであって、接触領域の変位があった場合にスプリングストラットに均一に応力が分布するような構成とされる。
望ましくは、平行スプリングストラット配列の両方のスプリングストラットは、接触領域に変位があった場合にスプリングストラットに均一に応力が分布するよう、その全長にわたって変化する厚み及び/又は形状を有する。
一様の厚さを有するスプリングストラットは、変形された際に、例えばスプリングストラットの全長の中間に比して、より高い応力をスプリングストラットがマウントに連結されている場所の近くで発生させるという欠点を有する。結果として、変形変位量と剛性の比が制限される。換言すれば、所与の変形に対して生じる応力を抑制するためには、剛性を減少させる必要がある。しかし、スプリングストラットの全長にわたっての厚み及び/又は形状が変化するように設計されている場合においては、変形が最大の場合であっても、スプリングストラットの全長にわたって等しい曲げ応力が生じることになる。特にこの構成は、光学素子を固定する応力に変化をもたらし、光学素子を最適な配置から排する可能性がある、平行スプリングストラットの塑性変形を回避することができる。平行スプリングストラット配列のための、全長にわたっての厚み及び/又は形状が変化するようなスプリングストラットを生産するためには、マウントを一体的に生産し、スプリングストラットを材料の塊から所望の厚み及び/又は形状の変化を持つように、例えばワイヤ放電加工等によって、削り出す。
さらなる好適な構成においては、マウントはそれぞれスプリングストラット配列を有する3つのコンプライアントな支持部を有し、3つの支持部の3つの接触領域のそれぞれの2つの隣合う接触領域は、好適には120°間隔で、互いに光学素子の周りに隔てて配置される。
この場合においては、3つの支持部のそれぞれは、平行スプリングストラットとして形成されたスプリングストラット配列を有する。この場合、3つの平行スプリングストラットは、同じ方向に向くように配列されている。即ち、光学素子の周りの方向からみられるように、各支持部の平行スプリングストラットは、それぞれの接触領域から同じ回り方向に延びるのである。この場合、熱により誘起された光学素子又はマウントの膨張は、単に光学素子を光軸の周りで回転させるだけであり、これは光学素子の中心点の所望位置からの移動を伴わない。
上述の構成の代替構成としては、マウントは少なくとも4つのコンプライアントな支持部を有することができ、それぞれの支持部はスプリングストラット配列を有し、少なくとも4つの支持部の少なくとも4つの接触領域のそれぞれの2つの隣合う接触領域は、好適には90°間隔で、互いに光学素子の周りに隔てて配置される。
また、この構成においては、少なくとも4つの支持部の平行スプリングストラット配列は、光学素子の周りで同じ方向に向けられている。本発明の範疇において4つ以上のコンプライアントな支持部を用いることも可能であり、支持部の一部又は全部が、本発明によるスプリングストラット配列を有することができる。
好適には、3つ又は4つのコンプライアントな支持部を持つ構成においては、これらのスプリングストラット配列は、同じ形をもって形成される。
さらなる好適な構成においては、光学装置は、1000Hzより高い、より望ましくは2000Hzより高い、固有周波数を有する。
本発明による光学装置のこの性質は、光学装置が設置されている光学系での1000Hz未満の周波数の振動又は振幅によって光学装置の共振が励起されないという利点をもたらす。1000Hzを超える高い固有周波数は、具体的には、平行スプリングストラットを有する本発明による光学装置の構成によって実現される。これは、平行スプリングストラットは高度な固有剛性を有しつつも同時に大きななコンプライアンスを持つことに起因する。
さらなる好適な構成においては、光学装置は第2の光学素子と第2のマウントが与えられており、第1の光学素子は第2の光学素子から光の伝播方向において1mm未満の隔たりを有し、第1のマウントは第1の光学素子のための第1の個数の第1の支持部を有し、第2のマウントは、第2の光学素子のための第2の個数の第2の支持部を有し、第1の個数は第2の個数と異なる。
この構成は、ダブレットをマウントするのにとって特に有利であり、個々のレンズはそれぞれが本発明によるマウントによって保持される。2つの光学素子に関しての異なる個数の、本発明によるそれぞれ平行スプリングストラットで構成されるコンプライアントな支持部は、異なる運動モード及び異なる固有周波数が生起されることによって、2つのマウント間での相互励起が回避される。
次の構成は、本発明による光学装置にさらなる側面をもたらす。光学素子が接触点にて接触領域に接着剤を用いて連結される場合においては、有効光の露光を受けることによって接着剤が破壊されないことが保証される必要がある。短波長の光(波長<400nm、特に紫外線域の光)は、炭化水素結合を破壊することによって炭化水素ベースの接着剤を破壊する。接着剤の破壊によって、光学素子とマウントの接触領域との接触が失われ、もはや光学素子が元の位置に保持されることができなくなるという結果が伴う。さらに、破壊された炭化水素結合は気体を発し、光学素子の表面を汚染する可能性があり、透過率及び結像特性を損なうことがある。したがって、本発明に関しては、接触領域と光学素子の間の接触点とが光の影響から保護されていることが好適な態様で提供されている。
この目的のため、第1の好適な構成においては、光学素子の外縁部に、少なくとも1つの接触点の少なくとも1つの領域において、反射性の及び/又は吸引性のコーティングが施されている。
この手段は、光学素子自体からの光が“内側から”接触点に当たることを有利に阻止することができる。このような“内部からの光”は、光学素子の光学材料内での拡散によって発生する。
さらなる好適な構成においては、少なくとも1つの接触領域を迷光/外来性の光を遮る開口絞りがある。
この手段は、光学系の他の光学素子、当該光学素子のマウント、他の光学素子の他のマウントから発生する“外部光”、すなわち迷光又は外来性の光が、接触点に当たることを有利に阻止することができる。
好適には、上述の2つの構成は、互いに組み合わせることができる。
最後に述べられた構成の敷衍としては、開口絞りは、少なくとも1つの接触点に極めて近接して配置されるのであり、開口絞りは、接触領域に極めて近接して配置される、光学素子上のコーティングとして形成されることもできる。
原理においては、迷光の大部分を遮蔽することを可能にするためにも、開口絞りは接触点から僅かの距離において配置された方が有利である。
以下の説明及び付属の図面からは、さらなる利点及び特徴が明らかになる。
上述の特徴及びこれから述べる特徴は、言うまでもなく、本発明の範疇から逸脱せずに、それぞれについて特定された組合せのみならず、他の組合せとしても実施することができる。
本発明の例示的な実施形態は図面において表されており、その詳細は当該図面の参照を伴い後述される。
従来的光学装置の基本的な概略図である。 図1における光学装置が小さな光学素子を有する場合の概略図である。 さらなる従来的光学装置の概略図である。 図3の光学装置の光学素子の熱膨張の影響を説明するための図3の光学装置の詳細を示す図である。 本発明の第1の実施形態による光学装置の概略図である。5Aは平面図であり、5Bは5Aの光学装置のVB−VB線でみた断面図である。 5A及び5Bの光学装置の光学素子の熱膨張の影響を説明するための5A及び5Bの光学装置の詳細を示す概略図である。 さらなる典型的実施形態による光学装置の概略図である。7Aは平面図であり、7Bは7Aの光学装置のVIIB−VIIB線でみた断面図である。 5A、5B及び7A、7Bによる光学装置の組合せを表す光学装置の概略図である。8Aは、平面図であり、8Bは、8Aの光学装置のVIIIB−VIIIB線でみた断面図である。
図1−4においては、従来技術による光学装置が表されている。
図1においては、光学装置200が基本的な態様で表されている。光学装置200は、光軸204(光軸は、図面の平面に対して直角である。)を定める光学素子202を有している。光学装置200は、マウント206も有しており、図1及び図2−4においては、これは単に、空間的に固定された基準点として概略的に示されている。
光学素子202は、マウント206に3つの支持部208a、208b及び208cを介して固定されている。各支持部は、光軸との関係で、半径方向に撓むものである。
支持部208a、208b及び208cはそれぞれスプリングストラット配列210a、210b及び210cを有する。3つの支持部208a、208b及び208cは、光学素子202の外縁部に等間隔に分布している、すなわち、それぞれ互いに120°間隔を持つため、かつ、スプリングストラット配列210a、210b及び210cは、互いに同じ形に形成されているため、以下においてはスプリングストラット配列210aのみについて詳述する。
スプリングストラット配列210aは、バイラテラルスプリングストラットの形式をとり、第1のスプリングストラット212及び第2のスプリングストラット214を有する。スプリングストラット212及び214は、スプリングストラット配列210aを光学素子202に固定的に連結する接触領域216の両側から延び、接触領域から離れたそれぞれの端部218及び220によってマウント206の本体に固定される。
図1において実線は、スプリングストラット配列210a、210b及び210cが実質的に弛んでいる、光学装置200の通常状態を表す。もし、この状態から光学素子202が光軸204(破線部)との関係で半径方向に急激に膨張した場合においては、それに対応して、スプリングストラット配列210a、210b及び210cは光軸204との関係で半径方向外側へ引き伸ばされる。
図2であらわされているような光学素子が小さなものである場合、スプリングストラット配列210a、210b及び210cをバイラテラルスプリングストラットとすると、個々のスプリングストラットは適切の長さのものとすることができない。図2では、光学素子202’は、図1の光学素子202に比して遥かに小さな直径を有する。このように小さな光学素子202’の場合、スプリングストラット配列210a’、210b’及び210c’は、互いに交差しなければならない。しかし、これは機械的にも技術的にも、生産の観点から実現することはできない。
したがって、図3にあるように、従来技術においては、光学装置200”に関して、光学素子202”をマウント206”に固定するために、スプリングストラット配列210a”について示されているようにスプリングストラット配列210a”、210b”及び210c”がマウント206”にそれぞれにおいて1つの点220”のみを介して固定的に連結することを目的としてバイラテラルスプリングストラットの代わりにユニラテラルスプリングストラット218”のみを有するスプリングストラット配列210a”、210b”及び210c”を用いることが提案されている。
結果として、スプリングストラット配列210a”、210b”及び210c”の機械的干渉は、光学素子202”が小さな場合にも回避される。また、マウント206”へ1つの連結しか有さないため、スプリングストラット配列210a”、210b”及び210c”はより柔軟すなわちより低いバネ剛性を持ち、言い換えればスプリングストラット配列210a”、210b”及び210c”はより低い固有の剛性を持ち、これにより光学配列200”により低い固有周波数を与える。
図4に示されているのと同様に、図3による構成も光学素子202”(図3の破線部)が膨張する場合に、曲げモーメントが、接触領域216”、より具体的には矢印224”によって示されている光学素子が接合される接触点222”、において作用し、接触点222”にての引張応力を発生させる、接触点222”にて矢印226”によって示されているような応力分布、を発生させるという欠点がある。このような引張応力は、接触領域216”を光学素子202”に接合する接着剤又はハンダの例えば剥離を生じさせることがあり、結果としてマウント206”上での光学素子202”の配置的に安定的な保持がもはや保証されないことになる。
本発明による光学装置は、図5−8を参照して以下に説明され、これらにおいては上述の従来技術における欠点が回避される。
図5A及び5Bは、光軸14によって限定される光学素子12を有し、また、マウント16も有する光学装置10を示す。
示されている例示的な実施形態においては、光学素子12は円形状の外周を持った平面凸レンズである。光学素子12は、具体的には、直径数ミリの小さなレンズである。光学素子12は、回転対称性を有さない、例えばシリンドリカルレンズ等であることもできる。したがって、光軸14の存在は、例示的なものであると理解されたい。
マウント16は、好適には、金属製の本体を有しかつ全体が一体的に製造され、環状の外周18及び基部20を有する。
光学素子12はマウント16に3つのコンプライアントな支持部22a、22b及び22cを介して固定されている。示されている例示的な実施形態においては、コンプライアンスは光軸14との関係で半径方向である。支持部22a乃至22cは互いに同じ形に形成されているため、以下においては支持部22aのみが例示としてさらに説明される。以下の説明は、同様に支持部22b及び22cにも妥当する。
支持部22aは、第1のスプリングストラット26及び第2のスプリングストラット28並びに接触領域30を有するスプリングストラット配列24を有する。光学素子12は、接触点32にて接着又はハンダ付によって接触領域30に固定される。接触領域30は、接触装具の形をとる。
第1のスプリングストラット26の第1の端部34及び第2のスプリングストラット28の第1の端部36は、一体的なものとして接触領域30に連結される。この場合、端部34及び36は、スプリングストラット26及び28の長手方向においておよそ平行に配列される若しくは対向して配列される。
スプリングストラット26及び28は板バネとして形成される。
スプリングストラット26及び28は両方とも、接触領域30の片側へ延び出る。接触領域から遠い、接触領域第1のスプリングストラット26の第2の端部38及び第2のスプリングストラット28の第2の端部40は、同様に一体的なものとして、マウント16の基部20の光学素子12からみて外側の領域に連結される。端部38及び40も、互いに対向して配列されている。
第1のスプリングストラット26及び第2のスプリングストラット28は、それらのコンプライアンスの方向において互いに離されており、この方向は光軸14に対して直交な平面内にあり(すなわち図5Aによる図の平面)、隔離距離は板バネ26及び28の長さと比べて小さなものである。そして、第1のスプリングストラット26及び第2のスプリングストラット28は、それぞれの第1の端部34及び36と第2の端部38及び40との間で実質的に互いに平行に延び、結果的に平行スプリングストラットを形成する。“実質的に平行”には、スプリングストラット26及び28が互いとの関係で10°未満の小さな角度を持つ場合も含む。
それぞれの第1の端部34又は36及びそれぞれの第2の端部38又は40との間で、第1のスプリングストラット26及び第2のスプリングストラット28は、コンプライアンスの起きる平面内で湾曲しており、これら2つのスプリングストラットの湾曲は光学素子12から見たときに凹型である。さらに、第1のスプリングストラット及び第2のスプリングストラットの長さは、実質的に同じであり、湾曲のため、第1のスプリングストラット26は“外側”のスプリングストラットとして第2のスプリングストラット28より若干長い。
例示的な実施形態中に示されている板バネ配列24は2つのスプリングストラットを有しているものの、より多くの数のスプリングストラット、例えば3つ又は4つのスプリングストラットが板バネ配列24において設けられることができ、スプリングストラットの数の増加はスプリングストラット配列24の固有の剛性の増加につながる。
しかし、2つのスプリングストラット26及び28を有するスプリングストラット配列24は、その構成故既に大きな固有の剛性を有しており、光学装置10は全体として1000Hz以上の固有周波数を有しており、示されている例示的な実施形態においては、2000Hzをも超える。
既に上述されたように、光学装置10のマウント16は、全部で3つのコンプライアントな支持部22a、22b及び22cを有しており、支持部22b及び22cはそれぞれ同様に平行スプリングストラットによって形成されるスプリングストラット配列を有し、図5Aに示されるように、それぞれは位置を除いてスプリングストラット配列24と同じである。支持部22a、22b及び22cの個々のスプリングストラット配列は光学素子12の周りで同じ方向に向けてあり、3つの平行スプリングストラット配列の接触領域は2個組で光学素子12の周りに120°間隔で配置されている。
接触領域30(支持部22b及び22cの2つの接触領域に関しても同様のことはいえる。)は、止め子44を有し、この止め子は接触領域30の続きに設けられ、スプリングストラット配列24の移動経路を制限するために、マウント16の本体上の受け部46と作用する。これは、光学素子12が組み込まれる際に、非可逆的な変形によってスプリングストラット配列24に他の定義されていない応力付加状態をもたらすことがある、スプリングストラット配列24の伸ばされすぎ状態、を予防するための役割を果たす。
光学素子12の膨張が、光学素子12への接触領域30の接触点32にての連結へもたらす影響は、概略図たる図6a)乃至c)を伴って以下に説明される。
図6a)は図5Aのスプリングストラット配列24の弛緩した状態の概略図を示す。光学素子12(図6にては図示されていない)が半径方向に膨張すると、光学素子12は接触領域30に力Fを加え、これにより図6b)で誇張されて示されているように、平行スプリングストラット26及び28の撓みがもたらされる。図4のユニラテラルスプリングストラットと異なり、接触領域30と光学素子12との間の接触点32においては、接触領域30と光学素子12との間の接着剤又はハンダの剥離につながることがある曲げモーメントが発生しない。この効果は、スプリングストラット配列24が平行スプリングストラットとして構成されていることによってもたらされる。これは、変形によって第1のスプリングストラット26が図6c)にある矢印50による力Fを接触領域30に付加する一方、第2のスプリングストラット28が図6c)にある矢印52による力Fを接触領域30に付加し、力F及びFは大きさが等しいものの作用方向が逆であるからである。そして、2つのスプリングストラット26と28との間のコンプライアンスの方向においての距離は、図6c)の矢印54によるトルクMを生じさせ、これにより光学素子12により及ぼされる力Fが打ち消される。結果として、接触領域30と光学素子12との間の接触点32において合成トルクは発生しない。換言すれば、スプリングストラット26及び28を備える平行スプリングストラットそれ自体は、接触領域30において光学素子12によって及ぼされるモーメントを打ち消すモーメントを発生させ、これにより接触領域30は平行移動のみを行うという効果につながる。光学素子12に熱膨張が生じた又はスプリングストラット配列の支持部22a、22b及び22cの膨張が生じた場合、光学素子12と支持部22a、22b及び22cの接触領域との間の接触点にて接着剤又はハンダの剥離を起こす曲げモーメントを伴わずに、単に光学素子12の光軸を中心とした僅かな回転が発生するに過ぎない。
図5A及び5Bによる光学装置10のスプリングストラット24は(また同様に支持部22b及び22cのスプリングストラットも)、好適にはマウント16の本体の他の部分と共に一体的に形成される。スプリングストラット配列24及び支持部22b及び22cのスプリングストラット配列は、好適にはマウント16の基部から、例えばワイヤ放電加工等によって、形成される。したがって、マウント16は全体としては、好適には一体的なものである。これによって、スプリングストラット配列24及び支持部22b及び22cのスプリングストラット配列は、基部20の材料摘出部分56によって作られるのであり、図5Aにある引き伸ばされた穴の形をとるさらなる材料摘出部分を基部20に設けることもできる。
スプリングストラット配列24及び支持部22b及び22cのスプリングストラット配列を含むマウント16の一体的形成には、接触領域30の半径方向における変位があっても必ずスプリングストラット26及び28内においては応力の均一な分布が生じるという効果を得ることができるように、第1の端部34及び36から第2の端部38及び40の間の全長にわたって変化する厚み及び/又は形状をスプリングストラット26及び28に持たせることができるという利点がある。
これは、均一の厚みを持つスプリングストラットは、変形に際しては、第2の端部38及び40、すなわち、スプリングストラットがマウント16の本体に連結される当該部分において、例えばスプリングストラット26及び28の全長の中間より高い応力を受けるという不利益を有するからである。これにより、変形変位量と剛性の比が制限されるのであり、すなわち所与の変形に対して生じる応力を抑制するためには、剛性を減少させる必要がある。負荷が短時間に、一度だけ掛けられる場合、例えば光学素子12がマウント16に組み込まれる際等、においては、Rp0.2制限値が許容される応力として用いられる。Rp制限値とは、負荷がなくなっても恒久的に残存する伸びがx%となる応力をいうものと理解される。より長く続く又はより頻繁に発生する作動状況に関しては、許容される最大応力はさらにRp0.05制限値に制限される。これにより、弛緩の結果生じるスプリングストラット26及び28の塑性変形が回避され、また、光学素子12の中心点を移動させることがある理論的に新たな無応力状態によって起こされる応力の変化も回避される。鋼板から切り出されて組み込まれるスプリングストラットは均一の厚みを持ってのみ対費用的に効率よく生産することができる。したがって、本発明の範疇内において、マウント16は、スプリングストラット26及び28の厚み及び/又は形状をその全長にわたって自由に決めるため、好適には例えばワイヤ放電加工等によって一体的に生産される。有限要素解析の手法により、スプリングストラット26及び28の厚み及び/又は形状に関しての変化量が、最大の変位量下で、スプリングストラット26及び28の全長において同じ応力が作用するように最適化される。
示されている例示的な実施形態においては、第1のスプリングストラット26の第2の端部38の領域が第1の端部34の領域よりもおよそ25%余計に厚い(厚みは光軸14と直交する平面におけるものである)。
光学素子12及びマウント16の異なる膨張によって発生する応力の一部は、光学素子12と熱膨張率に関して良く合う材料をマウント16の材料として用いることにより予防することができる。極めて膨張率の低い(0.5ppm)石英が光学素子12に用いられている場合には、マウント16にはおよそ1.5から2.5ppmの膨張率を持つ鉄−ニッケル合金たるインバーが特に好適である。光学素子12がCaF(膨張率が19ppm)により作られる場合においては、マウント16の材料としてはアルミニウム(膨張率が22ppm)が特に好適である。熱膨張率の観点からマウントの最適素材を決定するに際しては、マウント16において生じる温度変化に対して全体的に注意を払う必要がある。これは、光学素子12及びマウント16にて吸収されるエネルギーに依存する。光学素子12と接触領域30との間の接触点32そしてマウント16に特に注意を払う必要があり、例えば熱起因の応力によって既に接着剤又はハンダが破壊されていない必要がある。
図7A及び7Bでは、光学装置60のさらなる例示的実施形態が示されており、光学装置60の詳細は光学装置10のそれと同一、同様又は類似であり、対応する参照番号に50を加算した番号によって参照される。
光学装置60は光学素子62を有しており、光学素子62は凹凸レンズとして形成されている。光学素子62は小さなレンズであるが、光学装置10の光学素子12よりは大きなものであり、例えばおよそ15mmから20mmの直径を持つ。ここにおいても、光学素子62は光軸64を定める。
光学装置60はマウント66も有し、マウント66は外周縁68及び基部70を有する。
光学素子62は、少なくとも4つの、ここでは正確に4つの、コンプライアントな支持部72a、72b、72c及び72dによってマウント66に設けられている。支持部72a、72b、72c及び72dのそれぞれは、スプリングストラット配列を有しており、これら支持部72a、72b、72c及び72dのスプリングストラット配列は互いに同じ形に形成されているため、以下においては支持部72aの1つのスプリングストラット配列74についてのみ説明する。
スプリングストラット配列74は、第1のスプリングストラット76及び第2のスプリングストラット78を有し、スプリングストラット26及び28を参照している光学装置10に関して説明されているように、これらは共に平行スプリングストラットを形成する。スプリングストラット配列74は接触領域80も有し、これは例えば接着剤又はハンダによって光学素子62に接触点82を介して連結される。
スプリングストラット配列74の構成に関しては、図5A及び5Bの光学装置10のスプリングストラット配列24の説明の全部が参照されることができる。
光学装置10との違いとして、光学装置60は全部で4つの支持部72a乃至72dを有しており、またこれに対応して光学装置60はスプリングストラット配列74のようなスプリングストラット配列を4つ有しており、また支持部72a乃至72dのスプリングストラット配列は2個組で互いに光学素子60の周りに90°間隔で配置され、残りのスプリングストラットもスプリングストラット配列74のスプリングストラット76及び78のように支持部と支持部との間で光学素子62の周りで均一な方向に向けられている。
支持部72a乃至72dのスプリングストラット配列のスプリングストラットを含めて、マウント66は全体として一体的に作られる。
図8A及び8Bは、光学装置10及び光学装置60を組み合わせたアセンブリからなる、さらなる光学装置90を示す。
図8Bが示すように、光学装置60は、光学素子12と光学素子62との間隔が光の伝播方向において1mm未満であるように、光学装置10の中に組み込まれている。すなわち、示されている例示的な実施形態における光学素子12と光学素子62との間に最小限のエアギャップのみが光軸94の方向において存するということである。
この場合、光学素子12と光学素子62とは、収差補正のために光学系において用いられるような、ダブレットを構成する。
光学装置10及び60の光軸方向の組み立てに際して、マウント16が光学素子12を3つのコンプライアントな支持部22a、22b及び22cによってマウントし、マウント66が光学素子62を、光軸94の周りに互いにオフセットされた、4つのコンプライアントな支持部72a、72b、72c及び72dによってマウントするということに起因して、次の利点がある。1つの利点としては、光学装置10及び60で異なる運動モード及び自然周波数が生じ、結果として、光学装置10と光学装置60との間の自然振動を生じさせる相互励起が回避されることである。
本発明のさらなる側面によると、光が光学装置10、60又は90の作動中に用いられる有効光であるか又は迷光若しくは外来性の光であるかを問わず、接触領域30及び80をそれぞれ光学素子12又は62に連結する接触点32及び/又は82を、光の影響から保護するための手段が、光学装置10、60及び90に関して、とられる。この理由は、接触領域32又は82において接着が行われている場合、特に接着剤が炭化水素を基本成分としている場合にこのような光は接着剤の破壊を起こし得るからである。
第1の手段は、光学素子62及び/又は光学素子12に、少なくとも接触点32又は82の領域の外縁部96又は98(図8Bを参照)にて、使用される有効光又は発生している迷光若しくは外来性の光のための反射性の及び/又は吸引性のコーティングを施すことである。この手段は、“内部の光”、すなわち外縁部96又は98に向けて半径方向に拡散された光学素子12又は62内の光、が接触点32又は82に到達することを予防する。
第2の手段は、光学装置10、60又は90のために、光学装置10及び光学装置90において示されたような開口絞りを設けることである。このような開口絞り100は、図5A及び5B並びに8Bにおいて示されている。光の伝播方向に見ると、開口絞り100は光学素子12の接触点32に極めて近接してその前に配置されて、接触領域30が光学素子12の前に配置されている故、接触点32にある接着剤へ外来性の光又は迷光が到達することが効果的に予防される。
光学素子62の場合においては、接触点82へ外来性の光又は迷光が当たるのを減らすということは、光学素子62が半径方向に延伸された領域102を有することによって既に保証されている。半径方向に延伸された領域102は、光学素子62の光学的に使用されている領域104の外側へ延び、この手段により接触点82は既に半径方向外側に相当移されており、外来性の光又は迷光は接触点82に当たらないか当たるとしても僅かにしか当たらない。
言うまでもなく、接触点32及び82を保護するための上述の手段は互いに組み合わせることができる。
10 光学装置
24 スプリングストラット配列
60 光学装置
90 光学装置
200 光学装置
200’ 光学装置
200” 光学装置
210c” スプリングストラット配列

Claims (13)

  1. 光学素子(12;62)と、
    前記光学素子(12;62)が固定されているマウント(16;66)とを備え、
    前記光学素子(12;62)は少なくとも1つのコンプライアントな支持部(22a−c;72a―d)を介して前記マウント(16;66)に固定され、
    前記支持部(22a−c;72a―d)は、第1のスプリングストラット(26;76)と、少なくとも1つの第2のスプリングストラット(28;78)と、前記光学素子(12;62)が接触点(32;82)にて固定される接触領域(30;80)とを有するスプリングストラット配列(24;74)を有しており、
    前記第1、第2のスプリングストラット(26,28;76,78)は、第1の端部(34,36;84,86)を介して前記接触領域(30;80)に、及び前記接触領域から遠い第2の端部(38,40;88,90)を介して前記マウントの外縁部(42;92)に、それぞれ連結される光学装置において、
    前記第1及び第2のスプリングストラット(26,28;76,78)は、前記接触領域(30;80)の同じ側にて前記接触領域(30;80)から延び、互いにコンプライアンスの方向において隔てられ、実質的に互いに平行である
    ことを特徴とする光学装置。
  2. 前記第1、第2のスプリングストラット(26,28;76,78)は、板バネとして形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記第1、第2のスプリングストラット(26,28;76,78)は、それぞれが、それぞれの前記第1の端部(34,36;84,86)と前記第2の端部(38,40;88,90)との間において、コンプライアンスの起きる平面内での湾曲を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記スプリングストラット(26,28;76,78)の湾曲は、前記光学素子からみて凹型であることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記スプリングストラット(26,28;76,78)は、実質的に同じ長さであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記スプリングストラット(26,28;76,78)のコンプライアンスの方向において前記接触領域(30;80)の変位があるときに前記スプリングストラット(26,28;76,78)に均一に応力が分布するように、少なくとも1つの前記スプリングストラット(26,28;76,78)は、全長にわたっての厚み及び/又は形状が変化することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記マウント(16)は、それぞれスプリングストラット配列(24)を有する3つのコンプライアントな支持部(22a−c)を有し、前記3つの支持部(22a−c)の3つの接触領域(30)のそれぞれの2つの隣合う前記接触領域は、好適には120°間隔で、互いに前記光学素子(12;62)の周りに隔てて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 前記マウント(66)は、それぞれ前記スプリングストラット配列(74)を有する少なくとも4つのコンプライアントな支持部(72a−d)を有し、前記少なくとも4つの支持部(22a−d)の少なくとも前記4つの接触領域(80)のそれぞれの2つの隣合う前記接触領域は、好適には90°間隔で、互いに前記光学素子(12;62)の周りに隔てて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学装置。
  9. 1000Hzより高い固有周波数を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光学装置。
  10. 第2の光学素子(62)及び第2のマウント(66)をさらに備え、
    前記第1の光学素子(12)が前記第2の光学素子(62)から光の伝播方向において1mm未満の隔たりを有し、
    前記第1のマウント(66)は前記第1の光学素子(12)のための第1の個数の前記第1の支持部(22a−c)を有し、
    前記第2のマウント(66)は、前記第2の光学素子(62)のための第2の個数の前記第2の支持部(72a−d)を有し、
    前記第1の個数は前記第2の個数と異なる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学装置。
  11. 前記光学素子(12;62)の外縁部(96;98)には、少なくとも前記少なくとも1つの接触点(32;82)の領域において、反射性の及び/又は吸引性のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学装置。
  12. 前記少なくとも1つの接触点(32)を迷光/外来性の光から遮る開口絞り(100)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学装置。
  13. 前記開口絞り(100)は前記少なくとも1つの接触点(32)に極めて近接して配置されることを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
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