JP2011169641A - 空気流量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンブレン17に発生する実装応力によって傍熱抵抗12、および傍熱抵抗12に接続するリード部55、60の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高める。
【解決手段】リード部55、60は傍熱抵抗12よりも不純物濃度が高い。これにより、傍熱抵抗12およびリード部55、60からなる一連の半導体膜に関して、メンブレン17の端縁67におけるピエゾ抵抗係数を、メンブレン17の中央部におけるピエゾ抵抗係数よりも小さくできる。このため、メンブレン17上の傍熱抵抗12およびリード部55、60に生じるピエゾ抵抗効果を効果的に抑制して、傍熱抵抗12およびリード部55、60の抵抗値が実装応力によって変動するのを抑制することができる。したがって、メンブレン17に実装応力が発生しても、傍熱抵抗12およびリード部55、60の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、流路を通過する空気の流量(以下、空気流量と略して呼ぶことがある。)を測定する空気流量測定装置に関する。
従来から、例えば、車両の内燃機関に吸入される空気の流量の測定には、空気流量として質量流量を直接的に測定できる利点から、熱式の空気流量測定装置が用いられている。
この熱式の空気流量測定装置は、主に空気流量相当の信号(以下、流量信号と略して呼ぶ。)を発生する検出部と、検出部から得られる流量信号を処理して、内燃機関等を制御する電子制御装置(ECU)に出力する制御部とを備える。
検出部は、通電により発熱する発熱抵抗と、発熱抵抗から空気の流れを介して熱的影響を受けることで流量信号を発生する測温抵抗と、発熱抵抗および測温抵抗とは別に設けられて発熱抵抗と所定の温度相関にある傍熱抵抗とを有する。また、発熱抵抗、測温抵抗および傍熱抵抗等の素子は、所定の半導体基板上に電気絶縁膜を介して、ケイ素の半導体膜として設けられている。
制御部は、流量信号の処理と併せて、発熱抵抗への通電を制御しており、この発熱抵抗への通電制御は、傍熱抵抗が発生する信号に応じて(つまり、傍熱抵抗の温度に応じて)行われている。また、流量信号の処理を行う素子や、発熱抵抗への通電を制御する素子は、検出部の素子が設けられる半導体基板とは別体の半導体基板上に設けられている(以下、検出部、制御部の素子が設けられた半導体基板を、それぞれ第1、第2半導体基板と呼ぶ。)。
そして、第1、第2半導体基板上には、それぞれ、複数の電極が設けられ、第1、第2半導体基板の各々において、素子と電極とは配線により導通し、さらに、第1半導体基板上の電極と第2半導体基板上の電極とはボンディングワイヤにより導通している(以下、第1半導体基板上で素子と電極とを導通させる配線をリード部と呼ぶ。)。なお、リード部は、発熱抵抗、測温抵抗および傍熱抵抗等と同様に、ケイ素の半導体膜として設けられている。
また、第1半導体基板は空洞を有し、電気絶縁膜は空洞を覆うメンブレンをなしている。そして、発熱抵抗、測温抵抗および傍熱抵抗は、第1半導体基板との熱的な絶縁を確保するためにメンブレン上に設けられ、メンブレン上でリード部と接続している。
以上のような構成により、検出部は、傍熱抵抗の温度を示す信号を制御部に出力し、制御部は、傍熱抵抗の温度を示す信号に応じて発熱抵抗への通電を制御する。これにより、検出部は、測温抵抗において流量信号を発生するとともに、発生した流量信号を制御部に出力し、制御部は、検出部から得られる流量信号を処理してECUに出力する。
ところで、第1半導体基板は、接着剤により樹脂製の支持体に接着されて支持されるが、第1半導体基板と支持体との間で線膨張係数が大きく異なるため、接着により第1半導体基板が変形してメンブレンに応力が発生してしまう。また、電極およびボンディングワイヤは、保護剤により覆われて外部環境から保護されているが、第1半導体基板と保護剤との間でも線膨張係数が大きく異なるため、保護剤の塗布によっても、第1半導体基板が変形してメンブレンに応力が発生してしまう(以下、第1半導体基板と支持体との接着や第1半導体基板への保護剤の塗布によって発生する応力を「実装応力」と呼ぶ。)。
この結果、メンブレン上において、素子およびリード部の抵抗値はピエゾ抵抗効果により変動してしまう。さらに、メンブレンに発生した実装応力は経時に伴って徐々に開放される虞があるので、メンブレン上の素子およびリード部の抵抗値は経時的にも変動する虞がある。
そして、このようなメンブレン上の素子およびリード部の内、測温抵抗、傍熱抵抗、およびこれらに接続するリード部の抵抗値の変動は、測定誤差の要因となることから何らかの対策をとって解消するのが望ましいとされている。
特に、傍熱抵抗、および傍熱抵抗に接続するリード部は、ブリッジペア性がなく、抵抗値変動の影響がほとんど相殺されないため、抵抗値の変動自体を抑制する必要がある(「ブリッジペア性」については、実施例において詳述する。)。
なお、メンブレン上の素子に関して抵抗値の変動を抑制する技術が様々な観点から考えられている。
例えば、メンブレン上の素子の長手方向と、素子を構成する半導体膜に関してピエゾ抵抗係数(抵抗値の変動量/応力の大きさ)が極小となる結晶方位とを略一致させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、どのような結晶方位においてもピエゾ抵抗係数がゼロになることはないので、特許文献1の方法では、メンブレンの実装応力によって素子の抵抗値が変動してしまう。また、上記の結晶方位と素子の長手方向とを略一致させようとすると、素子のパターン配置が大きく制約されてしまう。
また、メンブレンの外周に沿って第1半導体基板の裏面から表面に向かって溝を設ける構造も開示されている(例えば、特許文献2参照)。この構造は、第1半導体基板に発生した変形が溝の存在によりメンブレンに伝わらないようにして、メンブレンにおける実装応力発生を抑制しようとするものである。
しかし、この構造によれば、メンブレンにおける実装応力発生は抑制されるものの、溝の近傍部で基板自体に実装応力が発生するため、リード部の内、溝の近傍部を通る部分の抵抗値がピエゾ抵抗効果により変動してしまう。また、半導体は、そもそも結晶方位に沿ってへき開しやすいので、溝を基点として第1半導体基板が破損する虞もある。
さらに、抵抗値の経時変化を抑制する目的で、素子における不純物濃度を数値限定する手段が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、この手段は、高温下での長期使用によって素子の抵抗値が経時変化することを課題視しており、メンブレンに発生する実装応力については何ら考慮されていない。
特開2001−12985号公報 特開2007−24589号公報 特開2008−192839号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、傍熱抵抗の温度に応じて発熱抵抗への通電を制御する空気流量測定装置において、メンブレンに発生する実装応力によって傍熱抵抗、および傍熱抵抗に接続するリード部の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の空気流量測定装置は、通電により発熱する発熱抵抗と、発熱抵抗から空気の流れを介して熱的影響を受けることで、空気流量相当の信号(流量信号)を発生する測温抵抗と、発熱抵抗および測温抵抗とは別に設けられて発熱抵抗と所定の温度相関にある傍熱抵抗と、傍熱抵抗の温度に応じて発熱抵抗への通電を制御する発熱制御部と、傍熱抵抗の温度を示す信号を発熱制御部に出力するための第1電極と、第1電極と傍熱抵抗とを導通させる第1リード部とを備え、発熱制御部により発熱抵抗への通電を制御することで、測温抵抗に流量信号を発生させる。
また、傍熱抵抗、第1電極および第1リード部は、所定の半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられている。また、半導体基板は空洞を有し、電気絶縁膜は空洞を覆うメンブレンをなしている。そして、メンブレン上に傍熱抵抗が設けられ、第1リード部はメンブレン上で傍熱抵抗に接続している。
さらに、傍熱抵抗および第1リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、第1リード部は傍熱抵抗よりも不純物濃度が高い。
これにより、メンブレンに実装応力が発生しても、傍熱抵抗および第1リード部の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることができる。
すなわち、メンブレン上の実装応力の分布はメンブレンの端縁でピークを示す。また、半導体膜は不純物濃度が高いほどピエゾ抵抗係数が小さくなる。そこで、メンブレン上の傍熱抵抗および第1リード部の不純物濃度を傍熱抵抗の不純物濃度よりも高める。
これにより、メンブレン上の傍熱抵抗および第1リード部に生じるピエゾ抵抗効果を効果的に抑制して、傍熱抵抗および第1リード部の抵抗値が実装応力によって変動するのを抑制することができる。
このため、メンブレンに実装応力が発生しても、傍熱抵抗および第1リード部の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の空気流量測定装置によれば、第1リード部は、メンブレン上において傍熱抵抗よりも幅広になっている。
これにより、第1リード部において放熱能力が高まって温度が下がるので、第1リード部のピエゾ抵抗係数が低下する。このため、第1リード部の抵抗値が実装応力により変動するのをさらに抑制して測定精度を高めることができる。
また、温度が下がることにより、熱による抵抗値の変動も抑制することができる。すなわち、不純物を含む半導体膜は高温状態に保持されると、不純物の再拡散により徐々に不純物濃度が低下して抵抗値が大きくなってしまう。そこで、第1リード部の放熱能力を高めて温度を下げることで、不純物の再拡散を抑制して抵抗値の変動を抑制することができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の空気流量測定装置によれば、メンブレンは矩形状をなして直線状の端縁を有し、第1リード部は直線状の端縁に直交している。
これにより、メンブレン上の第1リード部の内、端縁に近く実装応力が高くなる部分の面積を低減できる。このため、第1リード部の抵抗値が実装応力により変動するのをさらに抑制して測定精度を高めることができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の空気流量測定装置によれば、第1リード部は、メンブレン上にある部分がメンブレン上にない部分よりも不純物濃度が低くなるように設けられている。
半導体膜は不純物濃度が高いほど、高温状態における不純物再拡散に伴う時間的な抵抗変動の割合(以下、抵抗変化率と呼ぶ。)が大きくなる。
ここで、第1リード部の内でメンブレン上にある部分は、発熱抵抗から熱的影響を受けて比較的高温になるが、メンブレン上にない部分はメンブレン上にある部分よりも高温にならない。よって、第1リード部の内、メンブレン上にある部分をメンブレン上にない部分よりも不純物濃度が低くなるように設けることで、第1リード部の全体に関して、効果的に抵抗変化率を下げて抵抗値の変動を抑制することができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗の不純物濃度は4×1019/cm以上、かつ1×1020/cm未満であり、第1リード部の内でメンブレン上にある部分の不純物濃度は1×1020/cmである。
これにより、ピエゾ抵抗係数に関して、第1リード部の内でメンブレン上にある部分と傍熱抵抗との比(第1リード部の内でメンブレン上にある部分/傍熱抵抗)を0.5以上1.0未満にすることができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗および第1リード部をなす半導体膜は単結晶のケイ素からなる。
半導体膜の抵抗変化率は、多結晶のケイ素の方が単結晶のケイ素よりも大きいので、傍熱抵抗および第1リード部をなす半導体膜を単結晶のケイ素により設けることで、傍熱抵抗および第1リード部に関して、抵抗変化率を下げて抵抗値の変動を抑制することができる。
〔請求項7の手段〕
請求項7に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗および第1リード部は、不純物としてリンを含むn型半導体の半導体膜であり、傍熱抵抗および第1リード部の内でメンブレン上にある部分は、面方位(100)面で<110>方向と自身の長手方向とが略一致している。
これにより、メンブレン上における傍熱抵抗および第1リード部の長手方向と、傍熱抵抗および第1リード部を構成する半導体膜に関してピエゾ抵抗係数が極小となる結晶方位とを略一致させることができる。このため、メンブレン上における傍熱抵抗および第1リード部の抵抗値の変動をさらに抑制することができる。
なお、この手段は、上記のように長手方向と結晶方位とを略一致させても、メンブレン上で各種の素子や各種のリード部のパターン配置が大きく制約されない場合に有効である。
〔請求項8の手段〕
請求項8に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗および第1リード部は、不純物としてボロンを含むp型半導体の半導体膜であり、傍熱抵抗および第1リード部の内でメンブレン上にある部分は、面方位(100)面で<001>方向または<010>方向と自身の長手方向とが略一致している。
これにより、請求項7の手段と同様の効果を得ることができる。
〔請求項9の手段〕
請求項9に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗および第1リード部は、不純物としてボロンを含むp型半導体の半導体膜であり、傍熱抵抗および第1リード部の内でメンブレン上にある部分は、面方位(110)面で<001>方向と自身の長手方向とが略一致している。
これにより、請求項7の手段と同様の効果を得ることができる。
〔請求項10の手段〕
請求項10に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗は、メンブレン上になく発熱抵抗と温度相関を有さない第1抵抗、第2抵抗および第3抵抗の3つの抵抗とブリッジ回路を構成する。また、発熱制御部は、傍熱抵抗の温度に応じて発熱抵抗への通電を制御するために、ブリッジ回路から得られる信号を、傍熱抵抗の温度を示す信号として利用する。
さらに、3つの抵抗は、ケイ素の半導体膜として半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられ、ブリッジ回路は、第1抵抗と第2抵抗とを直列に接続するとともに、傍熱抵抗と第3抵抗とを直列に接続し、第1抵抗の両電位端の内、第2抵抗とは反対側の電位端と、傍熱抵抗の両電位端の内、第3抵抗とは反対側の電位端とを接続することで構成されている。そして、傍熱抵抗は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、半導体基板の中央線上に設けられ、第2抵抗と第3抵抗とは、半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設けられている。
これにより、第2抵抗および第3抵抗は、実装応力による抵抗値変動の影響を打ち消しあうことができる。このため、傍熱抵抗の温度を示す信号に関して、精度を高めることができる。
〔請求項11の手段〕
請求項11に記載の空気流量測定装置によれば、傍熱抵抗は、メンブレン上になく発熱抵抗と温度相関を有さない3つの抵抗とブリッジ回路を構成する。また、発熱制御部は、傍熱抵抗の温度に応じて発熱抵抗への通電を制御するために、ブリッジ回路から得られる信号を、傍熱抵抗の温度を示す信号として利用する。
また、3つの抵抗は、第1リード部とは別の第2リード部により、第1電極、および第1電極とは別の第2電極に導通しており、第2電極は、第1電極とともに、ブリッジ回路から得られる信号を発熱制御部に出力するために利用される。そして、3つの抵抗および第2リード部は、ケイ素の半導体膜として半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられ、第2リード部は3つの抵抗よりも不純物濃度が高い。
上記3つの抵抗が存在する領域と保護剤の塗布領域とは接近しているため、3つの抵抗および第2リード部はメンブレン上にないにもかかわらず、実装応力が大きくなって抵抗値が変動しやすい。
そこで、第2リード部の不純物濃度を3つの抵抗の不純物濃度よりも高めることで、3つの抵抗および第2リード部に生じるピエゾ抵抗効果を効果的に抑制して、3つの抵抗および第2リード部の抵抗値が実装応力によって変動するのを抑制することができる。
このため、3つの抵抗および第2リード部の抵抗値が変動するのを抑制することで、傍熱抵抗の温度を示す信号に関して精度を高めることができる。
〔請求項12の手段〕
請求項12に記載の空気流量測定装置によれば、第1電極および第2電極を覆って外部環境から保護する保護剤は3つの抵抗を覆っておらず、3つの抵抗は外部環境に露出している。
これにより、3つの抵抗は、早期に外部環境の温度に応じて温度を可変することができる。このため、発熱制御部が受け取る信号(傍熱抵抗の温度を示す信号)は、外部環境に対する応答性が高まるので、発熱抵抗に対する通電制御の応答性、引いては、空気流量測定の応答性を高めることができる。
〔請求項13の手段〕
請求項13に記載の空気流量測定装置は、流量信号に所定の処理を施す流量信号処理部と、流量信号を流量信号処理部に出力するための第3電極と、第3電極と測温抵抗とを導通させる第3リード部とを備える。また、メンブレン上に測温抵抗が設けられ、第3リード部はメンブレン上で測温抵抗に接続している。そして、測温抵抗および第3リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、第3リード部は測温抵抗よりも不純物濃度が高い。
これにより、メンブレンに実装応力が発生しても、傍熱抵抗および第1リード部と同様に、測温抵抗および第3リード部の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることができる。
〔請求項14の手段〕
請求項14に記載の空気流量測定装置によれば、測温抵抗は、空気の流れる方向に関して、発熱抵抗の上流側に設けられる上流側測温抵抗、および発熱抵抗の下流側に設けられる下流側測温抵抗を含んでおり、流量信号は、上流側測温抵抗と下流側測温抵抗との温度差に基づいて生じる。また、発熱抵抗は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、半導体基板の中央線上に設けられ、上流側測温抵抗と下流側測温抵抗とは、半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設けられている。
そして、上流側測温抵抗に接続する第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置と、下流側測温抵抗に接続する第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置とは、半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設定されている。
測温抵抗を上流側、下流側測温抵抗に分ける場合、上流側、下流側測温抵抗をブリッジ回路に組み込み、このブリッジ回路から流量信号を出力させることができる。これにより、不純物濃度が切り替わる位置を、半導体基板の中央線を対称軸として上流側、下流側測温抵抗間で対称となるように設定することで、上流側、下流側測温抵抗は、実装応力による抵抗値変動の影響を打ち消しあうことができる。このため、流量信号の精度を高めることができる。
〔請求項15の手段〕
請求項15に記載の空気流量測定装置は、発熱制御部から発熱抵抗に通電するための第4電極と、第4電極と発熱抵抗とを導通させる第4リード部とを備える。また、メンブレン上に発熱抵抗が設けられ、第4リード部はメンブレン上で発熱抵抗に接続している。そして、発熱抵抗および第4リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、第4リード部は発熱抵抗よりも不純物濃度が高い。
これにより、第4リード部の抵抗値を下げて発熱抵抗への通電量を高めることができる。このため、発熱抵抗を昇温するための駆動電圧を低減することができる。
空気流量測定装置の流路構成図である(実施例1)。 (a)は検出部、制御部および支持体の配置を示す部分平面図であり、(b)は検出部、制御部および支持体の配置を示す部分断面図であり、(c)は検出部の素子を示す部分断面図である(実施例1)。 空気流量測定装置の回路構成図である(実施例1)。 メンブレン上における素子およびリード部の配置を示す平面図である(実施例1)。 第1半導体基板上における素子、リード部および電極の配置を示す平面図である(実施例1)。 (a)はメンブレン上に形成される温度分布を示す分布図であり、(b)はメンブレン上における素子の配置を示す断面図である(実施例1)。 下流側測温抵抗と上流側測温抵抗との温度差ΔTと、空気流量との相関を示す相関図である(実施例1)。 (a)は第1半導体基板の端縁を示す説明図であり、(b)はメンブレンに発生する実装応力の分布を示す分布図である(実施例1)。 不純物濃度とピエゾ抵抗係数比との相関を示す相関図である(実施例1)。 不純物濃度と抵抗変化率との相関を示す相関図である(実施例1)。 メンブレン上における素子およびリード部の配置を示す平面図である(実施例2)。 メンブレン上における素子およびリード部の配置を示す平面図である(変形例)。 メンブレン上における素子およびリード部の配置を示す平面図である(変形例)。 メンブレン上における素子およびリード部の配置を示す平面図である(変形例)。 メンブレン上における素子およびリード部の配置を示す平面図である(変形例)。
実施形態1の空気流量測定装置は、通電により発熱する発熱抵抗と、発熱抵抗から空気の流れを介して熱的影響を受けることで、空気流量相当の信号(流量信号)を発生する測温抵抗と、発熱抵抗および測温抵抗とは別に設けられて発熱抵抗と所定の温度相関にある傍熱抵抗と、傍熱抵抗の温度に応じて発熱抵抗への通電を制御する発熱制御部と、傍熱抵抗の温度を示す信号を発熱制御部に出力するための第1電極と、第1電極と傍熱抵抗とを導通させる第1リード部とを備え、発熱制御部により発熱抵抗への通電を制御することで、測温抵抗に流量信号を発生させる。
また、傍熱抵抗、第1電極および第1リード部は、所定の半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられている。また、半導体基板は空洞を有し、電気絶縁膜は空洞を覆うメンブレンをなしている。そして、メンブレン上に傍熱抵抗が設けられ、第1リード部はメンブレン上で傍熱抵抗に接続している。
さらに、傍熱抵抗および第1リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、第1リード部は傍熱抵抗よりも不純物濃度が高い。
また、第1リード部は、メンブレン上において傍熱抵抗よりも幅広になっている。
また、傍熱抵抗の不純物濃度は4×1019/cm以上、かつ1×1020/cm未満であり、第1リード部の内でメンブレン上にある部分の不純物濃度は1×1020/cmである。
また、傍熱抵抗および第1リード部をなす半導体膜は単結晶のケイ素からなる。
また、傍熱抵抗は、メンブレン上になく発熱抵抗と温度相関を有さない第1抵抗、第2抵抗および第3抵抗の3つの抵抗とブリッジ回路を構成する。また、発熱制御部は、傍熱抵抗の温度に応じて発熱抵抗への通電を制御するために、ブリッジ回路から得られる信号を、傍熱抵抗の温度を示す信号として利用する。
さらに、3つの抵抗は、ケイ素の半導体膜として半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられ、ブリッジ回路は、第1抵抗と第2抵抗とを直列に接続するとともに、傍熱抵抗と第3抵抗とを直列に接続し、第1抵抗の両電位端の内、第2抵抗とは反対側の電位端と、傍熱抵抗の両電位端の内、第3抵抗とは反対側の電位端とを接続することで構成されている。そして、傍熱抵抗は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、半導体基板の中央線上に設けられ、第2抵抗と第3抵抗とは、半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設けられている。
また、3つの抵抗は、第1リード部とは別の第2リード部により、第1電極、および第1電極とは別の第2電極に導通しており、第2電極は、第1電極とともに、ブリッジ回路から得られる信号を発熱制御部に出力するために利用される。そして、3つの抵抗および第2リード部は、ケイ素の半導体膜として半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられ、第2リード部は3つの抵抗よりも不純物濃度が高い。
また、第1電極および第2電極を覆って外部環境から保護する保護剤は3つの抵抗を覆っておらず、3つの抵抗は外部環境に露出している。
また、実施形態1の空気流量測定装置は、流量信号に所定の処理を施す流量信号処理部と、流量信号を流量信号処理部に出力するための第3電極と、第3電極と測温抵抗とを導通させる第3リード部とを備える。また、メンブレン上に測温抵抗が設けられ、第3リード部はメンブレン上で測温抵抗に接続している。そして、測温抵抗および第3リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、第3リード部は測温抵抗よりも不純物濃度が高い。
さらに、測温抵抗は、空気の流れる方向に関して、発熱抵抗の上流側に設けられる上流側測温抵抗、および発熱抵抗の下流側に設けられる下流側測温抵抗を含んでおり、流量信号は、上流側測温抵抗と下流側測温抵抗との温度差に基づいて生じる。また、発熱抵抗は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、半導体基板の中央線上に設けられ、上流側測温抵抗と下流側測温抵抗とは、半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設けられている。
そして、上流側測温抵抗に接続する第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置と、下流側測温抵抗に接続する第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置とは、半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設定されている。
また、実施形態1の空気流量測定装置は、発熱制御部から発熱抵抗に通電するための第4電極と、第4電極と発熱抵抗とを導通させる第4リード部とを備える。また、メンブレン上に発熱抵抗が設けられ、第4リード部はメンブレン上で発熱抵抗に接続している。そして、発熱抵抗および第4リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、第4リード部は発熱抵抗よりも不純物濃度が高い。
実施形態2の空気流量測定装置によれば、メンブレンは矩形状をなして直線状の端縁を有し、第1リード部は直線状の端縁に直交している。
〔実施例1の構成〕
実施例1の空気流量測定装置1の構成を、図1〜図8を用いて説明する。
空気流量測定装置1は、例えば、図1に示すように、車両の内燃機関に吸入される空気の通路2に突出するように配されて空気流量を測定するために用いられており、空気との伝熱を利用することで空気流量として質量流量を直接的に測定するものである。
この空気流量測定装置1は、主に空気流量相当の信号(流量信号)を発生する検出部3と、検出部3から得られる流量信号を処理して、内燃機関等を制御する電子制御装置(ECU)に出力する制御部4とを備える(図2および図3参照)。また、空気流量測定装置1は、通路2を流れる空気の一部を取り込んで通過させる内部流路5を形成しており、内部流路5に検出部3が突出している(図1参照)。
なお、ECUは、制御部4から入力された流量信号を利用して、内燃機関に吸入される空気の流量(以下、吸気量と呼ぶことがある。)を把握するとともに、吸気量に基づく燃料噴射制御等の各種の制御処理を実行する。
検出部3は、通電により発熱する発熱抵抗7と、発熱抵抗7から空気の流れを介して熱的影響を受けることで流量信号を発生する上流側測温抵抗8、9、下流側測温抵抗10、11と、発熱抵抗7から熱的影響を受けて発熱抵抗7と所定の温度相関にある傍熱抵抗12とを有する(図3〜図6参照)。
また、発熱抵抗7、上流側、下流側測温抵抗8〜11、傍熱抵抗12等の検出部3の素子は、所定の半導体基板14上に電気絶縁膜15を介して、ケイ素の半導体膜として設けられている(以下、検出部3の素子が設けられた半導体基板14を第1半導体基板14と呼ぶ。)。そして、第1半導体基板14は空洞16を有し、電気絶縁膜15は空洞16を覆うメンブレン17をなし、発熱抵抗7、上流側、下流側測温抵抗8〜11および傍熱抵抗12は、第1半導体基板14との熱的な絶縁を確保するためにメンブレン17上に設けられている(図2および図4〜図6参照)。
そして、メンブレン17上において、発熱抵抗7は、例えば、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように設けられ、傍熱抵抗12は、例えば、発熱抵抗7の周囲を囲うように設けられている。また、上流側測温抵抗8、9、下流側測温抵抗10、11は、例えば、それぞれが空気の流れる方向に関して発熱抵抗7および傍熱抵抗12の上流側、下流側に設けられており、発熱抵抗7および傍熱抵抗12を中央に挟んで線対称となるように設けられている。また、上流側測温抵抗8は、例えば、上流側測温抵抗9の周囲を囲うように設けられ、下流側測温抵抗10は、例えば、下流側測温抵抗11の周囲を囲うように設けられている(図4〜図6参照)。
ここで、上流側測温抵抗8、9、下流側測温抵抗10、11は、ブリッジ回路19を形成している(図3参照)。そして、ブリッジ回路19は、例えば、上流側測温抵抗8と下流側測温抵抗10とが直列に、かつ、上流側測温抵抗8が下流側測温抵抗10よりも高電位側に配されるように、また、上流側測温抵抗9と下流側測温抵抗11とが直列に、かつ、下流側測温抵抗11が上流側測温抵抗9よりも高電位側に配されるように形成されている(図3参照)。
また、傍熱抵抗12は、メンブレン17上になく発熱抵抗7と温度相関を有さない基板抵抗20〜22とともにブリッジ回路23を形成している(図3および図5参照)。ここで、基板抵抗20〜22は、ケイ素の半導体膜として電気絶縁膜15を介して第1半導体基板14上に設けられるものであり、発熱抵抗7から熱的影響を受けない位置に設けられ、主に、発熱抵抗7により加熱されていない空気の流れに熱的影響を受けるものである(以下の説明では、発熱抵抗7、上流側測温抵抗8、9、下流側測温抵抗10、11、傍熱抵抗12および基板抵抗20〜22を、まとめて素子7〜12、20〜22と呼ぶことがある。)。
そして、ブリッジ回路23は、例えば、傍熱抵抗12と基板抵抗22とが直列に、かつ、基板抵抗22が傍熱抵抗12よりも高電位側に配されるように、また、基板抵抗20と基板抵抗21とが直列に、かつ、基板抵抗21が基板抵抗20よりも高電位側に配されるように形成されている(図3参照)。
制御部4は、流量信号の処理を行う流量信号処理部25と、発熱抵抗7への通電を制御する発熱制御部26とを有している(図3参照)。
流量信号処理部25は、ブリッジ回路19から出力される信号を処理する比較器27を有し、比較器27は、上流側測温抵抗8と下流側測温抵抗10との接続部と、上流側測温抵抗9と下流側測温抵抗11との接続部との電位差に応じた信号を出力する。そして、流量信号処理部25は、比較器27から出力された信号にさらなる処理を施す。
つまり、検出部3は、ブリッジ回路19における、上流側測温抵抗8と下流側測温抵抗10との接続部の電位を示す信号、および上流側測温抵抗9と下流側測温抵抗11との接続部の電位を示す信号を、流量信号として制御部4の流量信号処理部25における比較器27に出力する。そして、比較器27は、上記2つの接続部の電位差(ブリッジ回路19の電位差)を示す信号を流量信号として合成して出力し、さらに、流量信号処理部25は、比較器27以外の機能により、ブリッジ回路19の電位差を示す信号にさらなる処理を施す。
ここで、ブリッジ回路19の電位差は、上流側測温抵抗8、9と下流側測温抵抗10、11との温度差に基づいて生じる。
すなわち、図6(a)に示すように、内部流路5に空気が流れていない場合、発熱抵抗7と空気との伝熱により、発熱抵抗7の上、下流側には均等に熱が伝達されて発熱抵抗7の位置を中心として上、下流側に対称な温度分布が形成される。
そして、内部流路5において上流側から下流側に向かう順方向の空気の流れが生じた場合、発熱抵抗7の上流側では伝熱量が下がって下流側では伝熱量が上がるので、温度分布が下流側に偏って上流側測温抵抗8、9と下流側測温抵抗10、11との間に温度差ΔTが生じる。そして、温度差ΔTは、図7に示すように、空気流量に応じて変化するため、ブリッジ回路19の電位差は空気流量相当の値になる。
発熱制御部26は、ブリッジ回路23から出力される信号を処理する比較器28と、比較器28から出力される信号に応じて電源29から発熱抵抗7への通電をオンオフするスイッチング素子30とを有し、傍熱抵抗12が発生する信号(傍熱抵抗12の温度を示す信号)に応じて発熱抵抗7への通電を制御する。ここで、比較器28は、傍熱抵抗12と基板抵抗22との接続部と、基板抵抗20と基板抵抗21との接続部との電位差に応じて、スイッチング素子30をオンするための信号を出力したり、出力停止したりする。
つまり、検出部3は、ブリッジ回路23における、傍熱抵抗12と基板抵抗22との接続部の電位を示す信号、および基板抵抗20と基板抵抗21との接続部の電位を示す信号を、傍熱抵抗12の温度を示す信号として、制御部4の発熱制御部26における比較器28に出力する。そして、比較器28は、上記2つの接続部の電位差(ブリッジ回路23の電位差)の正負に応じてスイッチング素子30をオンするための信号を出力したり、出力停止したりする。
これにより、傍熱抵抗12の温度が、発熱抵抗7の影響を受けない空気流の温度よりも一定の温度差だけ高くなるように、発熱抵抗7への通電が制御される。
なお、比較器27、28やスイッチング素子30等の制御部4に含まれる素子は、第1半導体基板14とは別体の第2半導体基板32上に設けられている(図2参照)。そして、第1、第2半導体基板14、32は、それぞれ、接着剤33、34により樹脂製の支持体35に接着されて支持されている(図2参照)。
また、第1、第2半導体基板14、32上には、それぞれ、複数の電極が設けられ、第1、第2半導体基板14、32の各々において、素子と電極とは配線により導通し、さらに、第1半導体基板14上の電極と第2半導体基板32上の電極とはボンディングワイヤ36により導通している(図2参照)。
そして、電極およびボンディングワイヤ36は、保護剤37により覆われて外部環境から保護されている。また、第1半導体基板14に対する接着剤33および保護剤37の塗布領域は、空気の流れに垂直な方向に関して制御部4の側に偏っているとともに、空気の流れ方向に関して均等である。
以上のような構成により、検出部3は、傍熱抵抗12の温度を示す信号を制御部4に出力し、制御部4は、傍熱抵抗12の温度を示す信号に応じて発熱抵抗7への通電を制御する。これにより、検出部3は、上流側、下流側測温抵抗8〜11において流量信号を発生するとともに、発生した流量信号を制御部4に出力し、制御部4は、検出部3から得られる流量信号を処理してECUに出力する。
次に、第1半導体基板14上における素子7〜12、20〜22と電極との間の配線について説明する。
ここで、図5に示すように、第1半導体基板14上の電極を、上流側から下流側に向かって順に電極40〜49とする。また、第1半導体基板14上で素子7〜12、20〜22と電極40〜49との間を導通させる配線をリード部と呼ぶ。そして、電極40〜42にそれぞれ接続するリード部をそれぞれリード部51〜53とし、電極43に接続する4つのリード部をリード部54〜57とし、電極44〜49にそれぞれ接続するリード部をそれぞれリード部58〜63とする。
また、リード部51は、上流側測温抵抗8に接続して上流側測温抵抗8と電極40とを導通させ、リード部52は、基板抵抗20、21に接続して基板抵抗20、21と電極41とを導通させ、リード部53は、基板抵抗21に接続して基板抵抗21と電極42とを導通させる(図3および図5参照)。
また、リード部54は、基板抵抗20に接続して基板抵抗20と電極43とを導通させ、リード部55は、傍熱抵抗12に接続して傍熱抵抗12と電極43とを導通させ、リード部56は、発熱抵抗7に接続して発熱抵抗7と電極43とを導通させ、リード部57は、上流側測温抵抗9および下流側測温抵抗10に接続して上流側測温抵抗9および下流側測温抵抗10と電極43とを導通させる(図3および図5参照)。
さらに、リード部58は、発熱抵抗7に接続して発熱抵抗7と電極44とを導通させ、リード部59は、基板抵抗22に接続して基板抵抗22と電極45とを導通させ、リード部60は、傍熱抵抗12および基板抵抗22に接続して傍熱抵抗12および基板抵抗22と電極46とを導通させ、リード部61は、上流側測温抵抗8および下流側測温抵抗10に接続して上流側測温抵抗8および下流側測温抵抗10と電極47とを導通させ、リード部62は、下流側測温抵抗11に接続して下流側測温抵抗11と電極48とを導通させ、リード部63は、上流側測温抵抗9および下流側測温抵抗11に接続して上流側測温抵抗9および下流側測温抵抗11と電極49とを導通させる(図3および図5参照)。
以上により、素子7〜12、20〜22、電極40〜49およびリード部51〜63は、ブリッジ回路19、23を形成することができるようになる。また、ブリッジ回路19、23は、上流側測温抵抗8と下流側測温抵抗10との接続部の電位を示す信号、上流側測温抵抗9と下流側測温抵抗11との接続部の電位を示す信号、傍熱抵抗12と基板抵抗22との接続部の電位を示す信号、および基板抵抗20と基板抵抗21との接続部の電位を示す信号を制御部4に出力することができるようになる。さらに、電源29から制御部4を通じて発熱抵抗7への通電が可能になる。
また、リード部51〜63は、素子7〜12、20〜22と同様にケイ素の半導体膜として設けられており、素子7〜12、20〜22およびリード部51〜63は保護膜66により覆われている(図2および図6参照)。また、発熱抵抗7、上流側、下流側測温抵抗8〜11および傍熱抵抗12は、メンブレン17上でリード部51、55〜58、60〜63と接続している。
つまり、発熱抵抗7とリード部56、58とはメンブレン17上で接続し、上流側測温抵抗8とリード部51、61とはメンブレン17上で接続し、上流側測温抵抗9とリード部57、63とはメンブレン17上で接続し、下流側測温抵抗10とリード部57、61とはメンブレン17上で接続し、下流側測温抵抗11とリード部62、63とはメンブレン17上で接続し、傍熱抵抗12とリード部55、60とはメンブレン17上で接続している。
また、メンブレン17は、矩形状をなして4つの直線状の端縁を有している。そして、空気の流れ方向に平行な2つの端縁の内、電極40〜49の側にある方を端縁67とし、電極40〜49の反対側にある方を端縁68とすると(図4、図5および図8参照)、リード部55、56、58、60、61は、端縁67を跨いでメンブレン17の外に引き出されており、リード部51、57、61〜63は、端縁68に跨ってメンブレン17の外に引き出されている。
ところで、第1半導体基板14は、上記のように接着剤33により樹脂製の支持体35に接着されて支持されるが(図2参照)、第1半導体基板14と支持体35との間で線膨張係数が大きく異なるため、接着により第1半導体基板14が変形してメンブレン17に実装応力が発生してしまう。
また、電極40〜49およびボンディングワイヤ36は、保護剤37により覆われて外部環境から保護されているが(図2参照)、第1半導体基板14と保護剤37との間でも線膨張係数が大きく異なるため、保護剤37の塗布によっても、第1半導体基板14が変形してメンブレン17に実装応力が発生してしまう。
そして、空気の流れ方向に垂直な方向における実装応力の分布は、図8に示すように、メンブレン17の端縁67、68で極大のピークを示している。
〔実施例1の特徴および効果〕
実施例1の空気流量測定装置1の特徴および効果を、図面を用いて説明する。
まず、リード部55、60は傍熱抵抗12よりもリン、ボロン等の不純物濃度が高い。
半導体膜は、図9に示すように、不純物濃度が高いほどピエゾ抵抗係数が小さくなる。ここで、図9に示す相関線は、0℃において、不純物濃度が1.0×10161/cmであるときのピエゾ抵抗係数に対する比(ピエゾ抵抗係数比:[各濃度におけるピエゾ抵抗係数]/[濃度が1.0×10161/cmにおけるピエゾ抵抗係数])を、不純物濃度に対して描いたものである。また、相関線は、温度が高いほど、全濃度範囲において図示下方に等比率で縮小するように変化する。
そこで、例えば、傍熱抵抗12の不純物濃度を4×1019/cm以上、かつ1×1020/cm未満としてリード部55、60の不純物濃度を1×1020/cmとすることにより、ピエゾ抵抗係数に関して、リード部55、60と傍熱抵抗12との比を0.5以上1.0未満にする。
これにより、傍熱抵抗12およびリード部55、60からなる一連の半導体膜に関して、メンブレン17の端縁67におけるピエゾ抵抗係数を、メンブレン17の中央部におけるピエゾ抵抗係数の1/2倍以上かつ1倍未満に抑えることができる。
このため、メンブレン17上の傍熱抵抗12およびリード部55、60に生じるピエゾ抵抗効果を効果的に抑制して、傍熱抵抗12およびリード部55、60の抵抗値が実装応力によって変動するのを抑制することができる。
したがって、メンブレン17に実装応力が発生しても、傍熱抵抗12およびリード部55、60の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることができる。
また、傍熱抵抗12およびリード部55、60は、傍熱抵抗12が基板抵抗20〜22とともにブリッジ回路23を形成するにも係らず、ブリッジペア性がなく、ピエゾ抵抗効果による抵抗値変動の影響がほとんど相殺されないため、測定精度を高めるには、抵抗値の変動自体を抑制する必要がある。
ここで、「ブリッジペア性がある」とは、例えば、上記のように、第1半導体基板14に対する接着剤33および保護剤37の塗布領域が、空気の流れに垂直な方向に関して制御部4の側に偏っているとともに、空気の流れ方向に関して均等である場合に、第1半導体基板14のブリッジ回路19、23において、一方の直列配線に含まれる2つの素子の内の1つと、他方の直列配線に含まれる2つの素子の内の1つとをペアとみなし、ペアを形成する2つの素子を、第1半導体基板14の中央線70を挟んで中央線70の上、下流側に線対称に設けることが可能であることを意味する(図2、図4および図5参照)。
なお、中央線70とは、例えば、第1半導体基板14の表面に含まれて空気の流れ方向に垂直な線であって、第1半導体基板14の表面を上、下流側に2等分する線として定義できる。
また、「ブリッジペア性がない」とは、例えば、ブリッジ回路19、23において、ペアを形成する2つの素子を中央線70の上、下流側に線対称に設けることが不可能であることを意味するものである。
つまり、中央線70を対称軸とする上、下流側に線対称な位置では、実装応力が同じような大きさで生じるためピエゾ抵抗効果が同じ程度で発生する。このため、ペアを形成する2つの素子のブリッジペア性がよい場合、これら2つの素子の抵抗値がピエゾ抵抗効果により変動しても、抵抗値の変動による影響がこれら2つの素子間で相殺され、ブリッジ回路19、23から出力される信号には、見かけ上、これらの影響が現れなくなる。
このようなブリッジペア性の特徴を考慮した上で、傍熱抵抗12のブリッジペア性を考えると、傍熱抵抗12は、発熱抵抗7との間に高い温度相関を有するように設ける必要があるので、例えば、上記のように発熱抵抗7の周囲を囲うように設ける必要があり、第1半導体基板14上における位置、および、自身の形状に関して大きな制約がある。この結果、傍熱抵抗12は、ペアの対象となる基板抵抗20、21の一方との間に、中央線70を挟む上、下流側に線対称な配置を形成することができず、ブリッジペア性がない。
したがって、傍熱抵抗12およびリード部55、60に発生する抵抗値変動の影響は、ほとんど相殺されないので、測定精度を高めるには、傍熱抵抗12およびリード部55、60に関して抵抗値の変動自体を抑制する必要がある。このため、傍熱抵抗12およびリード部55、60に不純物を含ませるとともに、抵抗値の変動が大きいリード部55、60において傍熱抵抗12よりも不純物濃度を高くすることで、極めて効果的に測定精度を高めることができる。
また、リード部55、60は、メンブレン17上において傍熱抵抗12よりも幅広になっている。
これにより、リード部55、60において放熱能力が高まってリード部55、60の温度が下がるので、リード部55、60のピエゾ抵抗係数が低下する。このため、リード部55、60の抵抗値が実装応力により変動するのをさらに抑制して測定精度を高めることができる。
また、温度が下がることにより、熱による抵抗値の変動も抑制することができる。
すなわち、半導体膜は、図10に示すように、不純物濃度が大きくなると経時的な抵抗変動の割合(抵抗変化率)が大きくなる。ここで、図10に示す相関線は、リンを不純物として含む半導体膜に関して310℃の温度条件で通電開始から1000時間経過後の抵抗値に基づき得られた抵抗変化率を、不純物濃度に対して描いたものである。
つまり、不純物を含む半導体膜は高温状態に保持されると、不純物の再拡散により徐々に不純物濃度が低下して抵抗値が大きくなってしまう。
そこで、リード部55、60の放熱能力を高めて温度を下げることで、不純物の再拡散を抑制してリード部55、60における抵抗値の変動を抑制することができる。
また、メンブレン17上のリード部55、60の内、傍熱抵抗12から連続する小さい領域71(図4参照)は、傍熱抵抗12等からの伝熱によりさほど温度が低下せず、傍熱抵抗12と同様に高温になっている。そこで、領域71においても、不純物濃度を傍熱抵抗12と同等にして抵抗変化率を低減している。なお、領域71の境界線72は、実際に温度が上昇するか否かを測定して決定される。
また、傍熱抵抗12およびリード部55、60をなす半導体膜は単結晶のケイ素からなる。
半導体膜の抵抗変化率は、多結晶のケイ素の方が単結晶のケイ素よりも大きいので(図10参照)、傍熱抵抗12およびリード部55、60をなす半導体膜を単結晶のケイ素により設けることで、傍熱抵抗12およびリード部55、60に関して、抵抗変化率を下げて抵抗値の変動を抑制することができる。
また、傍熱抵抗12は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、第1半導体基板14の中央線70上に設けられ(図4および図5参照)、基板抵抗21、22は、中央線70を対称軸として空気の流れる方向に線対称となるように設けられている。
これにより、基板抵抗21、22は、実装応力による抵抗値変動の影響を打ち消しあうことができる。このため、傍熱抵抗12の温度を示す信号に関して、精度を高めることができる。
また、リード部52、53、59、60は基板抵抗20〜22よりも不純物濃度が高い。
基板抵抗20〜22が存在する領域と保護剤37の塗布領域とは接近しているため(図5参照)、基板抵抗20〜22およびリード部52、53、59、60は、実装応力が大きくなって抵抗値が変動しやすい。
そこで、リード部52、53、59、60の不純物濃度を基板抵抗20〜22の不純物濃度よりも高めることで、基板抵抗20〜22およびリード部52、53、59、60に生じるピエゾ抵抗効果を効果的に抑制して、基板抵抗20〜22およびリード部52、53、59、60の抵抗値が実装応力によって変動するのを抑制することができる。
このため、基板抵抗20〜22およびリード部52、53、59、60の抵抗値が変動するのを抑制することで、傍熱抵抗12の温度を示す信号に関して精度を高めることができる。
また、保護剤37は基板抵抗20〜22を覆っておらず、基板抵抗20〜22は、保護膜66を介して外部環境に露出している。
これにより、基板抵抗20〜22は、早期に外部環境の温度(発熱抵抗7から熱的影響を受けない空気流の温度)に応じて温度を可変することができる。このため、比較器28が受け取る信号(傍熱抵抗12の温度を示す信号)は、外部環境に対する応答性が高まるので、発熱抵抗7に対する通電制御の応答性、引いては、空気流量測定の応答性を高めることができる。
また、リード部51、57、61、62、63は、上流側、下流側測温抵抗8〜11よりも不純物濃度が高い。
これにより、メンブレン17に実装応力が発生しても、傍熱抵抗12およびリード部55、60と同様に、上流側、下流側測温抵抗8〜11およびリード部51、57、61、62、63の抵抗値が変動するのを抑制して測定精度を高めることができる。
また、発熱抵抗7は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように中央線70上に設けられ、上流側測温抵抗8、9と下流側測温抵抗10、11とは、中央線70を対称軸として線対称となるように設けられている(図4および図5参照)。
そして、上流側測温抵抗8、9に接続するリード部51、57、61、63において不純物濃度が切り替わる境界線73と、下流側測温抵抗10、11に接続するリード部57、61、62、63において不純物濃度が切り替わる境界線74とは、中央線70を対称軸として線対称となるように設定されている(図4参照)。
これにより、上流側、下流側測温抵抗8〜11は、ピエゾ抵抗効果による抵抗値変動の影響を打ち消しあうことができる。このため、流量信号の精度を高めることができる。なお、境界線73、74は、境界線72と同様にして設定することができる。
また、リード部56、58は発熱抵抗7よりも不純物濃度が高い。
これにより、リード部56、58の抵抗値を下げて発熱抵抗7への通電量を高めることができる。このため、発熱抵抗7を昇温するための駆動電圧を低減することができる。
〔実施例2〕
実施例2の空気流量測定装置1によれば、図11に示すように、リード部55、60は端縁67に直交している。
これにより、リード部55、60の内、端縁67に近く実装応力が高くなる部分の面積を低減できる。このため、リード部55、60の抵抗値がピエゾ抵抗効果により変動するのをさらに抑制して測定精度を高めることができる。
〔変形例〕
空気流量測定装置1の態様は、実施例1、2に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例1、2の空気流量測定装置1によれば、傍熱抵抗12およびリード部55、60の不純物濃度は、リード部55、60の方が傍熱抵抗12よりも高くなるように設定されていたが、リード部55、60の不純物濃度に関して、メンブレン17上にある部分75がメンブレン17上にない部分よりも低くなるように設定してもよい(図12参照)。
つまり、メンブレン17上にあるリード部55、60の内、領域71について傍熱抵抗12の反対側に連続する部分75は、領域71よりも低温であるもののメンブレン17上にない部分よりも高温であり、メンブレン17上にない部分に比べて不純物再拡散に伴う時間的な抵抗変動が懸念される。よって、部分75を、傍熱抵抗12および領域71よりも不純物濃度が高くなるように、かつ、メンブレン17上にない部分よりも不純物濃度が低くなるように設けることで、リード部55、60の全体に関して、効果的に抵抗変化率を下げて抵抗値の変動を抑制することができる。
また、傍熱抵抗12およびリード部55、60を、不純物としてリンを含むn型半導体の半導体膜として設けた場合、傍熱抵抗12およびリード部55、60の内でメンブレン17上にある部分の長手方向を、面方位(100)面で<110>方向と略一致させてもよい(図13参照)。
また、傍熱抵抗12およびリード部55、60を、不純物としてボロンを含むp型半導体の半導体膜として設けた場合、傍熱抵抗12およびリード部55、60部の内でメンブレン17上にある部分の長手方向を、面方位(100)面で<001>方向または<010>方向と略一致させてもよく、面方位(110)面で<001>方向と略一致させてもよい(図14および図15参照)。
これらの場合、メンブレン17上における傍熱抵抗12およびリード部55、60の長手方向と、傍熱抵抗12およびリード部55、60を構成する半導体膜に関してピエゾ抵抗係数が極小となる結晶方位とが略一致する。このため、メンブレン17上における傍熱抵抗12およびリード部55、60の抵抗値の変動をさらに抑制することができる。
なお、これらの態様は、傍熱抵抗12およびリード部55、60の長手方向と、ピエゾ抵抗係数が極小となる結晶方位とを略一致させても、メンブレン17上で素子やリード部のパターン配置が大きく制約されない場合に有効である。
また、実施例1、2の空気流量測定装置1によれば、傍熱抵抗12およびリード部55、60をなす半導体膜は単結晶のケイ素からなるものであったが、多結晶のケイ素により傍熱抵抗12およびリード部55、60を設けてもよい。
さらに、実施例1、2の空気流量測定装置1は、車両の内燃機関への吸気量を測定するために用いられていたが、空気流量測定装置1の用途は、このような吸気量の測定に限定されず、様々な流路を通過する空気流量の測定に用いることができる。
1 空気流量測定装置
7 発熱抵抗
8 上流側測温抵抗(測温抵抗)
9 上流側測温抵抗(測温抵抗)
10 下流側測温抵抗(測温抵抗)
11 下流側測温抵抗(測温抵抗)
12 傍熱抵抗
14 第1半導体基板(半導体基板)
15 電気絶縁膜
16 空洞
17 メンブレン
20 基板抵抗(第1抵抗、3つの抵抗)
21 基板抵抗(第2抵抗、3つの抵抗)
22 基板抵抗(第3抵抗、3つの抵抗)
23 ブリッジ回路
25 流量信号処理部
26 発熱制御部
37 保護剤
40 電極(第3電極)
41 電極(第2電極)
42 電極(第2電極)
43 電極(第1電極、第3電極、第4電極)
44 電極(第4電極)
45 電極(第2電極)
46 電極(第1電極)
47 電極(第3電極)
48 電極(第3電極)
49 電極(第3電極)
51 リード部(第3リード部)
52 リード部(第2リード部)
53 リード部(第2リード部)
54 リード部(第2リード部)
55 リード部(第1リード部)
56 リード部(第4リード部)
57 リード部(第3リード部)
58 リード部(第4リード部)
59 リード部(第2リード部)
60 リード部(第1リード部)
61 リード部(第3リード部)
62 リード部(第3リード部)
63 リード部(第3リード部)
67 端縁(直線状の端縁)
70 中央線(半導体基板の中央線)
73 境界線(上流側測温抵抗に接続する第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置)
74 境界線(下流側測温抵抗に接続する第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置)
75 部分(メンブレン上にある部分)

Claims (15)

  1. 通電により発熱する発熱抵抗と、
    この発熱抵抗から空気の流れを介して熱的影響を受けることで、空気流量相当の信号を発生する測温抵抗と、
    前記発熱抵抗および前記測温抵抗とは別に設けられて前記発熱抵抗と所定の温度相関にある傍熱抵抗と、
    この傍熱抵抗の温度に応じて前記発熱抵抗への通電を制御する発熱制御部と、
    前記傍熱抵抗の温度を示す信号を前記発熱制御部に出力するための第1電極と、
    この第1電極と前記傍熱抵抗とを導通させる第1リード部とを備え、
    前記発熱制御部により前記発熱抵抗への通電を制御することで、前記測温抵抗に前記空気流量相当の信号を発生させる空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗、前記第1電極および前記第1リード部は、所定の半導体基板上に電気絶縁膜を介して設けられ、
    前記半導体基板は空洞を有し、前記電気絶縁膜は前記空洞を覆うメンブレンをなし、
    このメンブレン上に前記傍熱抵抗が設けられ、前記第1リード部は前記メンブレン上で前記傍熱抵抗に接続し、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、前記第1リード部は前記傍熱抵抗よりも不純物濃度が高いことを特徴とする空気流量測定装置。
  2. 請求項1に記載の空気流量測定装置において、
    前記第1リード部は、前記メンブレン上において前記傍熱抵抗よりも幅広になっていることを特徴とする空気流量測定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の空気流量測定装置において、
    前記メンブレンは、矩形状をなして直線状の端縁を有し、
    前記第1リード部は、前記直線状の端縁に直交していることを特徴とする空気流量測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記第1リード部は、前記メンブレン上にある部分が前記メンブレン上にない部分よりも不純物濃度が低くなるように設けられていることを特徴とする空気流量測定装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗の不純物濃度は4×1019/cm以上、かつ1×1020/cm未満であり、
    前記第1リード部の内で前記メンブレン上にある部分の不純物濃度は1×1020/cmであることを特徴とする空気流量測定装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部をなす半導体膜は単結晶のケイ素からなることを特徴とする空気流量測定装置。
  7. 請求項6に記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部は、不純物としてリンを含むn型半導体の半導体膜であり、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部の内で前記メンブレン上にある部分は、面方位(100)面で<110>方向と自身の長手方向とが略一致していることを特徴とする空気流量測定装置。
  8. 請求項6に記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部は、不純物としてボロンを含むp型半導体の半導体膜であり、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部の内で前記メンブレン上にある部分は、面方位(100)面で<001>方向または<010>方向と自身の長手方向とが略一致していることを特徴とする空気流量測定装置。
  9. 請求項6に記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部は、不純物としてボロンを含むp型半導体の半導体膜であり、
    前記傍熱抵抗および前記第1リード部の内で前記メンブレン上にある部分は、面方位(110)面で<001>方向と自身の長手方向とが略一致していることを特徴とする空気流量測定装置。
  10. 請求項1ないし請求項9の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗は、前記メンブレン上になく前記発熱抵抗と温度相関を有さない第1抵抗、第2抵抗および第3抵抗の3つの抵抗とブリッジ回路を構成し、
    前記発熱制御部は、前記傍熱抵抗の温度に応じて前記発熱抵抗への通電を制御するために、前記ブリッジ回路から得られる信号を、前記傍熱抵抗の温度を示す信号として利用し、
    前記3つの抵抗は、ケイ素の半導体膜として前記半導体基板上に前記電気絶縁膜を介して設けられ、
    前記ブリッジ回路は、前記第1抵抗と前記第2抵抗とを直列に接続するとともに、前記傍熱抵抗と前記第3抵抗とを直列に接続し、前記第1抵抗の両電位端の内、前記第2抵抗とは反対側の電位端と、前記傍熱抵抗の両電位端の内、前記第3抵抗とは反対側の電位端とを接続することで構成され、
    前記傍熱抵抗は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、前記半導体基板の中央線上に設けられ、
    前記第2抵抗と前記第3抵抗とは、前記半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設けられていることを特徴とする空気流量測定装置。
  11. 請求項1ないし請求項10の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記傍熱抵抗は、前記メンブレン上になく前記発熱抵抗と温度相関を有さない3つの抵抗とブリッジ回路を構成し、
    前記発熱制御部は、前記傍熱抵抗の温度に応じて前記発熱抵抗への通電を制御するために、前記ブリッジ回路から得られる信号を、前記傍熱抵抗の温度を示す信号として利用し、
    前記3つの抵抗は、前記第1リード部とは別の第2リード部により、前記第1電極、および前記第1電極とは別の第2電極に導通しており、前記第2電極は、前記第1電極とともに、前記ブリッジ回路から得られる信号を前記発熱制御部に出力するために利用され、
    前記3つの抵抗および前記第2リード部は、ケイ素の半導体膜として前記半導体基板上に前記電気絶縁膜を介して設けられ、
    前記第2リード部は前記3つの抵抗よりも不純物濃度が高いことを特徴とする空気流量測定装置。
  12. 請求項11に記載の空気流量測定装置において、
    前記第1電極および前記第2電極を覆って外部環境から保護する保護剤は、前記3つの抵抗を覆っておらず、
    前記3つの抵抗は、外部環境に露出していることを特徴とする空気流量測定装置。
  13. 請求項1ないし請求項12の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記空気流量相当の信号に所定の処理を施す流量信号処理部と、
    前記空気流量相当の信号を前記流量信号処理部に出力するための第3電極と、
    この第3電極と前記測温抵抗とを導通させる第3リード部とを備え、
    前記メンブレン上に前記測温抵抗が設けられ、前記第3リード部は前記メンブレン上で前記測温抵抗に接続しており、
    前記測温抵抗および前記第3リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、前記第3リード部は前記測温抵抗よりも不純物濃度が高いことを特徴とする空気流量測定装置。
  14. 請求項13に記載の空気流量測定装置において、
    前記測温抵抗は、空気の流れる方向に関して、前記発熱抵抗の上流側に設けられる上流側測温抵抗、および前記発熱抵抗の下流側に設けられる下流側測温抵抗を含んでおり、
    前記空気流量相当の信号は、前記上流側測温抵抗と前記下流側測温抵抗との温度差に基づいて生じ、
    前記発熱抵抗は、自身の長手方向が空気の流れる方向と直交するように、前記半導体基板の中央線上に設けられ、
    前記上流側測温抵抗と前記下流側測温抵抗とは、前記半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設けられ、
    前記上流側測温抵抗に接続する前記第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置と、前記下流側測温抵抗に接続する前記第3リード部において不純物濃度が切り替わる位置とは、前記半導体基板の中央線を対称軸として、空気の流れる方向に対称となるように設定されていることを特徴とする空気流量測定装置。
  15. 請求項1ないし請求項14の内のいずれか1つに記載の空気流量測定装置において、
    前記発熱制御部から前記発熱抵抗に通電するための第4電極と、
    この第4電極と前記発熱抵抗とを導通させる第4リード部とを備え、
    前記メンブレン上に前記発熱抵抗が設けられ、前記第4リード部は前記メンブレン上で前記発熱抵抗に接続しており、
    前記発熱抵抗および前記第4リード部はケイ素の半導体膜として設けられ、前記第4リード部は前記発熱抵抗よりも不純物濃度が高いことを特徴とする空気流量測定装置。
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