JP2011168629A - 機能性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】感度や解像度、ラインエッジラフネスの向上を達成しうるアルカリ現像性や基盤密着性に優れた機能性樹脂組成物の開発に関し、KrF乃至はArFエキシマレーザー、さらには電子線描画、X線、極端紫外光リソグラフィー用レジスト原料として、透明性、エッチング耐性に優れるだけでなく、更に高感度、高解像度を有し、半導体基板回路の集積密度向上に対して技術的に好ましい機能性樹脂組成物の提供。
【解決手段】式(1)で表される構造を繰り返し単位に含む機能性樹脂。

(1)(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2〜R4は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、KrFおよびArF(ドライ露光および液浸露光を含む)、Fエキシマレーザー用レジスト原料や、X線、電子線、極端紫外光EUV用化学増幅型レジスト、また光学特性や耐熱性などに優れた、架橋型樹脂、光ファイバーや光導波路、光ディスク基板などの光学材料およびその原料、医薬・農薬中間体、その他各種工業製品として使用することができる機能性樹脂組成物に関する。
半導体製造工程で用いられる機能性樹脂組成物は、光照射により照射部がアルカリ可溶性に変化する性質、エッチング耐性、基盤密着性、使用する光源に対する透明性などの特性をバランスよく備えている必要がある。光源がKrFエキシマレーザー以降の短波長光源を使用する際には、一般的に化学増幅型レジストが使用され、その組成は、一般に主剤の機能性樹脂組成物および光酸発生剤、さらには数種の添加剤を含む溶液として使用される。その中で主剤である機能性樹脂組成物が上記の各特性をバランス良く備えていることが重要であり、レジスト性能を決定付ける。
光源がKrFエキシマレーザー以降の短波長光源を使用する際には、化学増幅型レジストが使用されるが、その際、主剤である機能性樹脂組成物は、一般的にビニル化合物やアクリレートなどを繰り返し単位とする高分子である。しかし、単一の繰り返し単位で使用されることはない。理由として、単一の繰り返し単位ではエッチング耐性などの特性をすべて満たすことはできないからである。実際には、各特性を向上させるための官能基を有した繰り返し単位を複数、すなわち2種類以上の共重合体にして機能性樹脂組成物にしてそれぞれ使用している。KrFエキシマレーザーリソグラフィ用レジストではヒドロキシスチレン系樹脂が(特許文献1)、ArFエキシマレーザーリソグラフィ用レジストでは、アダマンチルメタクリレートを基本骨格とするアクリル系樹脂が提案されており(特許文献2〜4)、その基本骨格は定まりつつある。
近年のリソグラフィプロセスは急速に微細化が進んでおり、ArFエキシマレーザーリソグラフィは、液浸露光、さらにはダブルパターニング露光へと進歩し続け、また次世代リソグラフィー技術として注目されている極端紫外光(EUV)を利用したリソグラフィーや、電子線での直接描画についても様々な開発が続けられている。
EUVや電子線描画用レジスト材料としては、様々な化合物が検討されている。KrFレジストやArFレジストを改良したものの他に、例えば、ポリマー中に光酸発生剤をペンダント型に結合させた重合物を用いるフォトレジスト(非特許文献1)や、カリックスアレーン構造の化合物をフォトレジストの基材に使用したもの(非特許文献2)など、これまでにない化合物が提案されている。しかしながら、細線化に伴い、解像度や解像度、ラインエッジラフネスなどの諸性能の更なる向上が求められているのが実状である。
これらの事情から、感度や解像度、ラインエッジラフネスの向上を達成しうるアルカリ現像性や基盤密着性に優れた機能性樹脂組成物の開発が強く求められている。
特許第4184352号公報 特許第2881969号公報 特許第3042618号公報 特開2004−323704号公報
J.Photopolym.Sci.Technol.,vol20,5,751(2007) J.Photopolym.Sci.Technol.,vol22,1,73(2009)
本発明は感度や解像度、ラインエッジラフネスの向上を達成しうるアルカリ現像性や基盤密着性に優れた機能性樹脂組成物の開発に関し、現在使用されているKrF乃至はArFエキシマレーザー、さらには電子線描画、X線、極端紫外光(EUV:波長13.5nm)リソグラフィー用レジスト原料として、透明性、エッチング耐性に優れるだけでなく、更に高感度、高解像度を有し、今後、益々進展する半導体基板回路の集積密度向上に対して技術的に好ましい機能性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、式(1)で表される構造を繰り返し単位に含む樹脂組成物を見出した。また式(1)、式(2)、式(3)および式(4)の構造を繰り返し単位に含む機能性樹脂組成物が、上記の目的に適合したものであると期待されることも見出し本発明に到達した。
(1)
(R1は水素原子またはメチル基を示し、R2〜R4は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
(2)
(式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシド基、ハロゲン基または水酸基を示し、n1は0〜3の整数を示す。)
(3)
(式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、Zはメチレン(−CH−)またはオキサ(−O−)を示し、R8は同一または異なって、水酸基、ハロゲン基、ニトリル基、カルボン酸基、炭素数1〜4のカルボン酸アルキル基または炭素数1〜4のアルコキシド基を示し、n2は0〜2の整数を示す。)
(4)
(式中、R9は水素原子またはメチル基を示し、n3は1〜3の整数を示し、R10はメチル基、エチル基、水酸基またはハロゲン基を示し、n4は0〜2の整数を示す。)
本発明の脂環構造を有するアクリレート化合物は、架橋型樹脂、光ファイバーや光導波路、光ディスク基板、フォトレジストなどの光学材料およびその原料、医薬・農薬中間体、その他各種工業製品などとして有用である。また、本発明の機能性樹脂組成物は、KrFおよびArF、Fエキシマレーザー用レジスト原料や、X線、電子ビーム、EUV(極端紫外光)用化学増幅型レジストとして使用することができる。
実施例1で得られたライン・アンド・スペースパターン 比較例1で得られたライン・アンド・スペースパターン 比較例2で得られたライン・アンド・スペースパターン 比較例3で得られたライン・アンド・スペースパターン 合成例1で得られた化合物のH NMRチャート 合成例1で得られた化合物の13C NMRチャート 合成例1で得られた化合物のIRチャート
本発明は、式(1)で表される構造を繰り返し単位に含む樹脂組成物および式(1)、式(2)、式(3)および式(4)で表される構造を繰り返し単位に含む機能性樹脂組成物である。なお、本発明の機能性樹脂組成物が含む、式(1)〜式(4)の繰り返し単位は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでも構わない。
式(1)の樹脂組成物は、対応する(メタ)アクリレート化合物から誘導される。具体的には、1−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−1−(メタ)アクリルロイルオキシ−シクロペンタンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、式(1)の構造は単独または異なる構造を2つ以上含んで用いても良い。
特に、式(1)の樹脂組成物を構成するモノマー化合物は、通常フォトレジスト用の構造単位として用いられる2−メチル−2−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、2−エチル−2−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、2−イソプロピル−2−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、2−n−プロピル−2−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、2−n−ブチル−2−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、1−メチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロペンタン、1−エチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロペンタン、1−メチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロヘキサン、1−エチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロヘキサン、1−メチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロヘプタン、1−エチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロヘプタン、1−メチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロオクタン、1−エチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシシクロオクタン、2−エチル−2−(メタ)アクリルロイルオキシデカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、2−エチル−2−(メタ)アクリルロイルオキシノルボルナンなどの(メタ)アクリレートから誘導される部位と比較して、フォトレジストとして感度や解像度、ラインエッジラフネスなどがより良好な効果が得られる。
また、式(1)の樹脂組成物を構成するモノマー化合物、その類縁体である、シクロペンタン環をそれぞれ、アダマンタン環やシクロヘキサン環にした、2−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−1−(メタ)アクリルロイルオキシ−アダマンタン、1−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−1−(メタ)アクリルロイルオキシ−シクロヘキサンより、感度や解像度などに優れることが期待できる。
本発明の式(1)の樹脂組成物を構成するモノマー化合物は、例えば、式(5)で表される対応する酢酸エステルに塩基を作用させて金属エノラートを調製し、さらに式(6)のシクロペンタノンに求核付加反応させることにより式(7)で表されるアルコール化合物を得る工程と、式(7)で表されるアルコール化合物を式(8)または式(9)で表される(メタ)アクリル酸誘導体とエステル化させる工程により合成された化合物を重合して製造することができる。
(5)
(式中、R2〜R4は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
(6)
(7)
(式中、R2〜R4は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
(8)
(式中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R11は、ハロゲン基またはアルコキシ基を示す。)
(9)
(式中、R1は、水素原子またはメチル基を示す。)
式(5)で表される酢酸エステルの金属エノラートを調製する際に用いられる塩基として、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の金属アミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルコキシド、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化カルシウムなどの金属水素化物、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、エチルマグネシウムブロミド等のアルキル金属化合物、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属を例示することができる。
金属エノラートを調製する際の溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリアルキルベンゼン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類が好ましく、これらの溶媒を単独でもしくは混合して使用することができる。金属エノラートを調製する際の反応温度および反応時間は用いる塩基により大きく異なるが、代表的な塩基であるリチウムジイソプロピルアミドを用いる場合、反応温度は−80℃〜0℃が好ましく、反応時間は0.5〜2時間程度が好ましい。また、塩基や生成した金属エノラートの活性を保つため、乾燥した窒素やアルゴンなど不活性気体雰囲気下で反応を行うのが好ましい。
次に、調整した金属エノラートと式(6)のシクロペンタノンとを反応させることにより、式(7)で表されるアルコール化合物を合成する。式(6)のシクロペンタノンは、金属エノラート1モルに対して0.5〜2.0モルの割合で使用することが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2モルの割合で使用することが好ましい。反応溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリアルキルベンゼン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類が好ましく、これらの溶媒を単独でもしくは混合して使用することができる。反応温度および反応時間は使用する金属エノラートにより異なるが、反応温度は−80〜30℃、反応時間は0.5〜20時間程度が好ましい。
次に、上記式(7)で表されるアルコール化合物と上記式(8)または上記式(9)で表される(メタ)アクリル酸誘導体とのエステル化反応により、目的の化合物である式(2)の樹脂を構成するモノマー化合物を合成する。
式(7)で表されるアルコール化合物は、そのまま反応に使用することもできるし、水酸基の水素をリチウムやナトリウムなどのアルカリ金属やハロゲン化マグネシウムに置換して使用しても良い。式(8)または式(9)で表される(メタ)アクリル酸誘導体とのエステル化反応は、塩基触媒、エステル交換触媒を用いた慣用の方法により行うことができる。
式(8)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の具体例としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどのアクリル酸ハライド類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチルなどのアクリル酸エステル類、式(9)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の具体例としては、無水アクリル酸、無水メタクリル酸などのアクリル酸無水物類が挙げられる。使用量は、式(7)で表されるアルコール化合物1モルに対して0.5〜10モルの割合が好ましく、より好ましくは0.8〜2モルの割合である。使用量が0.5モルより少ないと収率が低下し、使用量が10モルより多いと経済的ではない。
式(7)で表されるアルコール化合物と(メタ)アクリル酸誘導体との反応においては、塩基化合物を添加することが好ましい。添加する塩基化合物としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−5、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、クロロアニリン、ブロモアニリン、ニトロアニリン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン類が好ましい。
これらアミン類の使用量は、式(7)で表されるアルコール化合物1モルに対して0.2〜20モルの割合が好ましく、より好ましくは0.5〜2モルの割合である。アミン類は、(メタ)アクリル酸誘導体を添加する前に予め仕込んでおいてもよいし、また(メタ)アクリル酸誘導体を仕込んだ後に加えてもよいし、(メタ)アクリル酸誘導体と同時に滴下しながら加えても良い。
式(7)で表されるアルコール化合物は、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属など、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、臭化エチルマグネシウムなどのグリニャール試薬などの塩基により、アルコラート状態にした後にエステル化反応を行っても良い。すなわち、水酸基であるOH基をOM基(MはLi、Na、MgBr、MgClなど)に変換した後にエステル化しても良い。反応溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリアルキルベンゼン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類が好ましく、これらの溶媒を単独でもしくは混合して使用することができる。エステル化の反応温度および反応時間は、用いる塩基や反応溶媒により大きく異なるが、反応温度は−80〜100℃が好ましく、さらに0〜60℃が好ましい。反応時間は、好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜10時間程度である。
(メタ)アクリル酸誘導体として、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル類を使用する場合には、対応するアルコール(メトキシ基の場合にはメタノール、エトキシ基の場合にはエタノール)を蒸留などの公知の方法で反応系外へ除去しながらエステル化反応より高い温度で反応させ、目的物質を得る。触媒として添加する金属およびその誘導体としては、錫、チタン、ゲルマニウム、亜鉛、鉛、コバルト、鉄、ジルコニウム、マンガン、アンチモン、カリウム等の金属及びその誘導体があげられる。誘導体としてはハロゲン化合物、酸化物、炭酸塩、金属アルコキシド、カルボン酸塩等が好ましい。このときの反応温度は、0〜200℃、好ましくは50〜150℃で行う。0℃より低いと反応速度が低下し、200℃より高いと副反応が進行して収率が低下する。対応するアルコールを蒸留により反応系外へ除去する場合には、対応するアルコールの沸点近くで反応させる方法が挙げられる。溶媒として、原料および目的物質の溶解性が高く、反応に不活性なものが望ましい。そのようなものとして、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリアルキルベンゼン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。
エステル化工程の際、重合禁止剤を添加しても良い。重合禁止剤としては一般的なものならば特に制限はなく、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリンなどのニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノールなどのアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどのキノン類、メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)などのフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミドなどのイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシムなどのオキシム類、ジアルキルチオジプロピネートなどが挙げられる。添加量としては、上記(メタ)アクリル酸誘導体100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
反応終了後においては、反応液を洗浄水で水洗処理することにより、過剰の(メタ)アクリル酸誘導体類、酸や塩基などの添加物が除去される。このとき、洗浄水中に塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等、適当な無機塩が含まれていてもよい。また、未反応の(メタ)アクリル酸誘導体類をアルカリ洗浄により除去する。アルカリ洗浄には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、アンモニア水などを用いることができるが、用いるアルカリ成分に特に制限はない。また、金属不純物を除去するために、酸洗浄しても良い。酸洗浄には、塩酸水溶液、硫酸水溶液、リン酸水溶液などの無機酸およびシュウ酸水溶液などの有機酸が挙げられる。また、洗浄に際し、反応液に有機溶媒を添加してもよい。添加する有機溶媒は、反応と同一のものを使用することもできるし、異なったものを使用することもできるが、通常、水との分離がよい極性の小さい溶媒を用いることが好ましい。
本発明の式(1)で表される樹脂組成物を構成するモノマー化合物を製造するための上記の各反応工程は、常圧、減圧又は加圧下で行なうことができる。また、反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行なうことができる。各工程において、それぞれの誘導体を単離しても良いし、また単離することなく溶液状態のまま次の工程に使用しても良い。反応終了後、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、活性炭による精製などの分離手段や、これらを組合せた分離手段により、容易に分離精製できる。
式(2)の構造を誘導する化合物として、3−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、3,5−ジヒドロキシ−1−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタン、3−ヒドロキシ−5,7−ジメチル−1−(メタ)アクリルロイルオキシアダマンタンなどが挙げられる。式(2)中のR5としては、水素原子またはメチル基が好ましい。またR6は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシド基、ハロゲン基、水酸基を示し、特に水酸基が好ましい。n1は0〜3の整数が好ましく、特に0または1であることが好ましい。また、式(2)の構造は単独または異なる構造の化合物を2つ以上含んで用いても良い。
式(3)の構造を誘導する化合物として、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン、7または8−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−オキソ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、9−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−オキソ−2−オキサ−6−オキサ−トリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−5−オキソ−4−オキサ−8−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−6−カルボニトリルなどが挙げられる。式(3)中のR7としては、水素原子又はメチル基が好ましい。Zはメチレン(−CH2−)又はオキサ(−O−)が好ましい。R8としては、同一または異なって、水酸基、ハロゲン基、ニトリル基、カルボン酸基、炭素数1〜4のカルボン酸アルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシド基が好ましく、特にニトリル基、炭素数1〜4のカルボン酸アルキル基が好ましい。またn2は0〜2の整数が好ましく、特に0であることが好ましい。
式(4)の構造は、α−(メタ)アクリルロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリルロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、(メタ)アクリルロイルオキシパントラクトン、(メタ)アクリルロイルオキシバレロラクトン、(メタ)アクリルロイルオキシメバロラクトンなどから誘導される。R9としては水素原子又はメチル基が好ましい。n3としては1〜3までの整数が好ましく、特に1が好ましい。R10としては、メチル基、エチル基、水酸基又はハロゲン基が好ましい。n4としては、0〜2までの整数が好ましく、特に0が好ましい。構造によって感度やドライエッチング耐性、基盤密着性などの特徴が異なるので、目的に応じて式(3)および式(4)の構造を選択してよい。また、式(3)および式(4)の構造は単独または異なる構造の化合物を2つ以上含んで用いても良い。
本発明の樹脂組成物は、式(1)〜式(4)の構造を誘導する化合物を、共重合によって製造することができる。重合においては、一般的には、繰り返し単位を溶媒に溶かし、触媒を添加して加熱あるいは冷却しながら反応を実施する。重合反応の条件は、開始剤の種類、熱や光などの開始方法、温度、圧力、濃度、溶媒、添加剤などにより任意に設定することができ、本発明の(メタ)アクリル系共重合体の重合においては、アゾイソブチロニトリルや過酸化物などのラジカル発生剤を使用したラジカル重合や、アルキルリチウムやグリニャール試薬などの触媒を利用したイオン重合など公知の方法で実施することができる。
感度、解像度、ラインエッジラフネスはトレードオフの関係にあるが、これらの性能をバランスよく満たすためには、これら式(1)〜式(4)の繰り返し単位の共重合比は、式(1)の構造は、1〜80モル%、好ましくは10〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%、式(2)の構造は、0〜80モル%、好ましくは0〜40モル%、より好ましくは10〜30%、式(3)および式(4)の構造は合わせて、1〜60モル%、好ましくは25〜60モル%、より好ましくは30〜50モル%である。ただし、式(1)〜式(4)の共重合比の合計は100モル%となる。
本発明の機能性樹脂組成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは2,000〜100,000である。また、機能性樹脂組成物のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜10、好ましくは1〜5である。本発明において、機能性樹脂組成物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の機能性樹脂組成物は、上記の機能性樹脂組成物用高分子化合物と光酸発生剤とを溶剤の中に含んでいる。通常使用される溶剤としては、例えば、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖状ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
光酸発生剤は、露光光波長に応じて、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として使用可能なものの中から、レジスト塗膜の厚さ範囲、それ自体の光吸収係数を考慮した上で、適宜選択することができる。光酸発生剤は、単独あるいは2種以上を組合せて使用することができる。酸発生剤使用量は、樹脂100重量部当り、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部である。
遠紫外線領域において、利用可能な光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物およびジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、KrFエキシマレーザーやEUV、電子線に対しては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物が好適である。具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムノナフルオルブチレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げるこができる。
露光により酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することができる。酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。このような含窒素有機化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、等の置換トリアルコールアミン類、トリメトキシエチルアミン、トリメトキシプロピルアミン、トリメトキシブチルアミン、トリエトキシブチルアミン等のトリアルコキシアルキルアミン類;アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン等の芳香族アミン類等;エチレンジアミンなどのアミン化合物、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物、尿素等のウレア化合物、イミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール類、ピリジン、4−メチルピリジン等のピリジン類のほか、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。酸拡散制御剤の配合量は、樹脂100重量部当り、通常、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。
さらに、本発明の機能性樹脂組成物でも、必要に応じて、従来の化学増幅型レジスト組成物においても利用されていた種々の添加成分、例えば、界面活性剤、クエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述により調製された組成物溶液を、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータ等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、金属、プラスチック、ガラス、セラミック等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め50℃〜200℃程度の温度で加熱処理を行ったのち、所定のマスクパターンを介して露光する。塗膜の厚みは、例えば0.01〜5μm、好ましくは0.02〜1μm、より好ましくは0.02〜0.1μm程度である。露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、例えば、光源としては、F エキシマレーザー(波長157nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)等の遠紫外線、EUV(波長13nm)、X線、電子線等を適宜選択し使用する。また、露光量等の露光条件は、機能性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、露光後に、50〜200℃の温度で30秒以上加熱処理を行うことが好ましい。この場合、温度が50℃未満では、基板の種類による感度のばらつきが広がるおそれがある。その後、アルカリ現像液により、通常、10〜50℃で10〜200秒、好ましくは20〜25℃で15〜1200秒の条件で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
上記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物を、通常、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%の濃度となるよう溶解したアルカリ性水溶液が使用される。また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、水溶性有機溶剤や界面活性剤を適宜添加することもできる。
本発明の機能性樹脂組成物は、基板に対して優れた密着性を有し、アルカリ可溶性を備えており、微細なパターンを高い精度で形成することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
合成例1
<1−t−ブトキシカルボニルメチル−1−シクロペンタノールの合成>
窒素雰囲気下、フラスコにジイソプロピルアミン12.6ml(89.6mmol)と無水テトラヒドロフラン 60mlを仕込みドライアイス/アセトン浴にて−70℃に冷却した。マグネチックスターラーで攪拌しながら、等圧滴下ロートから2.64M n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液32.3ml(85.3mmol)を10分かけて滴下した。20分攪拌後、酢酸t−ブチル12.0ml(89.6mmol)の無水テトラヒドロフラン20ml溶液を30分かけて滴下した。30分攪拌後、シクロペンタノン 8.3ml(89.6mmol)の無水テトラヒドロフラン15ml溶液を30分かけて滴下した。3時間かけて徐々に0℃まで昇温した。室温で終夜攪拌後、水 50ml、ヘプタン100mlを加え分液した。さらに、水 50ml, 20wt%塩化アンモニウム水溶液 50ml, 5wt%水酸化ナトリウム水溶液 50g, 水 50mlで洗浄した。5Cろ紙によりろ過後、濃縮して目的物15.68gを淡黄色液体として得た(GC純度98.2%、収率92%)。目的物であることを、1H、13C-NMRおよびIRにより確認した。
<1−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−1−メタクリロイルオキシ−シクロペンタンの合成>
窒素雰囲気下、上記のようにして合成した1−t−ブトキシカルボニルメチル−1−シクロペンタノール5.0g(25.0mmol)、無水テトラヒドロフラン 15mlをフラスコに仕込み、ドライアイス/アセトン浴にて−60℃に冷却した。マグネチックスターラーで攪拌しながら、2.64M n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液9.9ml(26.2mmol)を10分かけて滴下し20分攪拌した。2時間かけて室温まで徐々に昇温した。−30℃に冷却し、ピリジン1mlを添加した。さらにメタクリル酸クロリド3.66g(35.0mmol)/無水テトラヒドロフラン 10ml溶液を10分かけて滴下した。徐々に室温まで昇温し、終夜攪拌した。水 50ml, ヘプタン 50mlを加え分液後、さらに5wt%硫酸水溶液 50g, 水 50ml, 5wt%水酸化ナトリウム水溶液 50g, 水 50mlにて洗浄した。5Aろ紙でろ過後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を淡黄色液体として4.42g得た(収率66%)。得られた淡黄色液体について、1Hおよび13C-NMR、IRにより構造を確認した(チャート1〜3参照)。
重合例1
攪拌機、温度計、ジムロート冷却器を備えた3ッ口フラスコに、フラスコ内を窒素ガスで置換したあと、1−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−1−メタクリロイルオキシ−シクロペンタン1.99g、3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン0.89g、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン1.39g、2,2‘−アゾイソブチロニトリル0.19g、テトラヒドロフラン30mLを仕込んだ(仕込みモル比は、2−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−2−メタクリロイルオキシ−シクロペンタン:3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン:β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン=40:20:40)。フラスコをオイルバスに浸し、窒素雰囲気下、反応温度を59℃に保持し22時間重合させた。重合後、反応溶液を150mLのn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下40℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は3.00gであった。この樹脂を、樹脂Aとした。
重合例2
攪拌機、温度計、ジムロート冷却器を備えた3ッ口フラスコに、フラスコ内を窒素ガスで置換したあと、1−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−1−メタクリロイルオキシ−シクロヘキサン2.00g、3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン0.86g、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン1.20g、2,2‘−アゾイソブチロニトリル0.16g、テトラヒドロフラン36mLを仕込んだ(仕込みモル比は、2−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−2−メタクリロイルオキシ−シクロヘキサン:3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン:β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン=40:20:40)。フラスコをオイルバスに浸し、窒素雰囲気下、反応温度を62℃に保持し22時間重合させた。重合後、反応溶液を180mLのn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下40℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は2.31gであった。この樹脂を、樹脂Bとした。
重合例3
攪拌機、温度計、ジムロート冷却器を備えた3ッ口フラスコに、フラスコ内を窒素ガスで置換したあと、2−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−2−メタクリロイルオキシ−アダマンタン4.71g、3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン1.68g、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン2.39g、2,2‘−アゾイソブチロニトリル0.32g、テトラヒドロフラン70mLを仕込んだ(仕込みモル比は、2−(t−ブトキシカルボニルメチレン)−2−メタクリロイルオキシ−アダマンタン:3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン:β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン=40:20:40)。フラスコをオイルバスに浸し、窒素雰囲気下、反応温度を62℃に保持し22時間重合させた。重合後、反応溶液を350mLのn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下40℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は4.53gであった。この樹脂を、樹脂Cとした。
重合例4
攪拌機、温度計、ジムロート冷却器を備えた3ッ口フラスコに、フラスコ内を窒素ガスで置換したあと、2−エチル−2−メタクリロイルオキシ−アダマンタン4.09g、3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン1.94g、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン2.81g、2,2‘−アゾイソブチロニトリル0.36g、テトラヒドロフラン80mLを仕込んだ(仕込みモル比は、2−エチル−2−メタクリロイルオキシ−アダマンタン:3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン:β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン=40:20:40)。フラスコをオイルバスに浸し、窒素雰囲気下、反応温度を63℃に保持し24時間重合させた。重合後、反応溶液を3400mLのn−ヘキサン中に滴下して、生成樹脂を凝固精製させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下40℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は4.96gであった。この樹脂を、樹脂Dとした。
合成例で得られた樹脂A〜Dについて、100重量部とトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタネート10重量部とを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルアセタートと混合し、樹脂濃度5.9重量%のフォトレジスト1〜4を調製した。
実施例1
シリコンウエハー上に反射防止膜(日産化学社製ARC−29)を塗布した後、フォトレジスト1をシリコンウエハーにスピンコーティング法により塗布し、厚み0.1μmの感光層を形成した。ホットプレート上で温度90℃で60秒間プリベークした後、電子線描画装置(エリオニクス社製ELS−7700)を用いて加速電圧75kVにて100nmのライン・アンド・スペースパターンの電子線を、電流量4〜150μC/cm−2の範囲で照射した。照射後、90℃で90秒間ベーク(PEB)した。次いで、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により60秒間現像し、純水でリンスし、ライン・アンド・スペースパターンを得た。図1に、電流量35μC/cm−2のときのライン・アンド・スペースパターンを例示する。
比較例1〜3
フォトレジスト1の代わりにフォトレジスト2〜4を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。図2〜4に、それぞれ電流量70、140、40μC/cm−2のときのライン・アンド・スペースパターンを例示する。
表1をみると、解像度、ラインエッジラフネス(LER)がほぼ同じときのラインアンドスペースパターンを描画する際には、フォトレジスト1はフォトレジスト2の1/2の電流量、またフォトレジスト3の1/4の電流量で描画できることがわかった。このことから、フォトレジスト2、3と比較して大幅に感度が高いことが示された。また、フォトレジスト1と4を比較すると、感度、解像度、LERとも、フォトレジスト1のほうがわずかながら上回っていることがわかった。感度・解像度・LERはトレードオフの関係にあることから、フォトレジスト1が最も優れていることが示された。
以上の結果を踏まえ、本発明の構造を有する機能性樹脂組成物は、感度が高く、また既存の樹脂組成物と比較してもレジストとして高性能であることがわかった。

Claims (11)

  1. 式(1)で表される構造を繰り返し単位に含む機能性樹脂組成物。
    (1)
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2〜R4は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  2. 式(1)、式(2)、式(3)および式(4)の構造を繰り返し単位に含む請求項1に記載の機能性樹脂組成物。
    (2)
    (式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシド基、ハロゲン基または水酸基を示し、n1は0〜3の整数を示す。)
    (3)
    (式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、Zはメチレン(−CH−)またはオキサ(−O−)を示し、R8は同一または異なって、水酸基、ハロゲン基、ニトリル基、カルボン酸基、炭素数1〜4のカルボン酸アルキル基または炭素数1〜4のアルコキシド基を示し、n2は0〜2を示す。)
    (4)
    (式中、R9は水素原子またはメチル基を示し、n3は1〜3を示し、R10はメチル基、エチル基、水酸基またはハロゲン基を示し、n4は0〜2を示す。)
  3. 式(1)のR2〜R4がメチル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性樹脂組成物。
  4. 式(2)のR6が水酸基であることを特徴とする請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  5. 式(2)のn1が0〜1であることを特徴とする請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  6. 式(3)のR8が同一または異なって、ニトリル基、炭素数1〜4のカルボン酸アルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  7. 式(3)のn2が0であることを特徴とする請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  8. 式(4)のn3が1であることを特徴とする請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  9. 式(4)のn4が0であることを特徴とする請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  10. 式(1)の共重合比が10〜60モル%、式(2)の共重合比が0〜30%、式(3)および式(4)の共重合比が合わせて25〜60%となる、請求項2〜8に記載の機能性樹脂組成物。
  11. レジスト用樹脂組成物である請求項1〜9に記載の機能性樹脂組成物。
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