JP2011165998A - 電気化学キャパシタ用セパレータおよび電気化学キャパシタ - Google Patents

電気化学キャパシタ用セパレータおよび電気化学キャパシタ Download PDF

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平 相田
Ichiro Murayama
一郎 村山
Kyotaka Nagao
恭孝 長尾
Hiromi Totsuka
博己 戸塚
Masanori Takahata
正則 高畑
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Abstract

【課題】 優れたイオン伝導性を保持しつつ、負極の電気容量を低下させる物質(負極活性阻害物質)の捕捉性能を向上させることができる電気化学キャパシタ用セパレータおよびそれを備える電気化学キャパシタを提供すること。
【解決手段】 ハイブリッドキャパシタ1において、セパレータ4と、セパレータ4を挟んで対向する正極2および負極3と、フッ化ビニリデン多孔質膜を有するセパレータ4、正極2および負極3を浸漬し、ハロゲンを含むアニオン成分を有するリチウム塩を含有する有機溶媒からなる電解液6とを備える。そして、セパレータ4では、フッ化ビニリデン多孔質膜の孔に、負極活性阻害物質が捕捉する捕捉粒子を存在させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学キャパシタ用セパレータおよびそれを備える電気化学キャパシタに関する。
従来、ハイブリッド車両や燃料電池車両に搭載される蓄電デバイスとして、高出力かつ長寿命である、電気二重層キャパシタが知られている。
電気二重層キャパシタでは、正極−負極間に電圧が印加されることにより、正極にアニオンが、負極にカチオンがそれぞれ引き寄せられて電荷層(電気二重層)が形成される。電気二重層キャパシタは、その電気二重層によってエネルギーを蓄えることができる。
さらに近年では、キャパシタのエネルギー密度を向上させるべく、電気二重層に加え、正極もしくは負極における酸化還元反応によってエネルギーを蓄えるハイブリッドキャパシタが提案されている。ハイブリッドキャパシタは、例えば、リチウム塩(例えば、LiPF)を含有する有機溶媒からなる電解液と、セパレータと、セパレータを挟んで対向配置される正極および負極とを備えている。正極は、例えば、アニオンの物理的な吸着・脱離により電荷を蓄える分極性カーボン電極からなり、負極は、例えば、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能なカーボン電極からなる。
しかしながら、ハイブリッドキャパシタにおいて正極電位が過剰に高くなると、電解液中のアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)から、負極の電気容量を低下させる遊離酸(例えば、HFなど)などの負極活性阻害物質が生成する場合がある。負極の電気容量が低下するとキャパシタのエネルギー密度が低下するため、そのような遊離酸を捕捉する必要がある。
そこで、例えば、ポリエチレンテレフタレート製の不織布に遊離酸を捕捉するための炭酸リチウムを含有させることにより形成されたセパレータと、セパレータを挟んで対向する正極および負極と、セパレータ、正極および負極を浸漬する非水電解液とを備える非水電解質電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−250528号公報
特許文献1に記載のセパレータは、有機溶剤に溶解させたバインダ成分(ポリフッ化ビニリデン)を不織布に埋め込み、さらに水酸化リチウムを浸漬し、乾燥後、炭酸ガスを注入することにより作製される。その作製工程において、炭酸リチウムは、水酸化リチウムが炭酸ガスで炭酸置換されることにより生成する。
しかしながら、そのような作製方法では、炭酸リチウムを不織布に埋め込むため、その含有量を一定量以上に増加させることが困難である。そのため、負極活性阻害物質の捕捉性能の向上に限界があり、キャパシタのエネルギー密度の低下を十分に抑制できないといった不具合がある。
一方、炭酸リチウムの粉末を含む樹脂を加圧延伸して得られるセパレータであれば、より多くの炭酸リチウムを含有できる。しかし、セパレータを加圧延伸する際、炭酸リチウムが樹脂中に分散するので、セパレータに形成される気孔の数や大きさなどを制御することが困難となる。そのため、十分なイオン伝導性を発現できない場合がある。
本発明の目的は、優れたイオン伝導性を保持しつつ、負極の電気容量を低下させる物質(負極活性阻害物質)の捕捉性能を向上させることができる電気化学キャパシタ用セパレータおよびそれを備える電気化学キャパシタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電気化学用キャパシタは、多数の孔を有する、フッ化ビニリデン多孔質膜と、前記孔に存在する、負極活性阻害物質を捕捉する捕捉粒子とを備えることを特徴としている。
また、本発明の電気化学用キャパシタでは、捕捉粒子を20重量%以上含有することが好適である。
さらに、本発明の電気化学キャパシタは、前記電気化学キャパシタ用セパレータと、前記電気化学キャパシタ用セパレータの一方側に配置され、充放電サイクルにおいて、電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現する正極と、前記電気化学キャパシタ用セパレータの他方側に配置され、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなる負極と、前記電気化学キャパシタ用セパレータ、前記正極および前記負極を浸漬し、ハロゲンを含むアニオン成分を有するリチウム塩を含有する有機溶媒からなる電解液とを備えることを特徴としている。
本発明の電気化学キャパシタ用セパレータによれば、負極活性阻害物質を十分に捕捉するだけの捕捉粒子をセパレータに含有させることができる。しかも、捕捉粒子が、セパレータを構成する多孔質膜中に分散するのではなく、多孔質膜の孔に存在しているので、負極活性阻害物質を効率的に補足することができる。
その結果、本発明の電気化学キャパシタ用セパレータを備える電気化学キャパシタによれば、負極の電気容量の低下を十分に抑制でき、キャパシタのエネルギー密度の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。 図2は、実施例および比較例の充放電サイクルにおけるエネルギー密度の維持率を示すグラフである。
図1は、本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。
ハイブリッドキャパシタ1は、正極2と、正極2に間隔を隔てて対向する負極3と、正極2と負極3との間に介在されるセパレータ4と、正極2、負極3およびセパレータ4を収容するセル槽5と、セル槽5に貯留され、正極2、負極3およびセパレータ4を浸漬する電解液6とを備えている。なお、ハイブリッドキャパシタ1は、ラボスケールで採用される電池セルであって、工業的には、このハイブリッドキャパシタ1を、公知の技術によって適宜スケールアップしたものが採用される。
正極2は、例えば、正極材料と、導電剤と、ポリマーバインダとを配合して得られる混合物からなる電極シートを、所定の形状(例えば、円形状)に成形した後、乾燥させることにより形成される電極である。
正極材料は、例えば、炭素材を賦活処理することにより得られる。
炭素材としては、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチなどのピッチ系原料、例えば、ピッチ系材料を熱処理することにより得られるコークス系原料、例えば、やしがら、木粉などの植物系原料、例えば、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、レゾルシノール系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブチラール、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセテートなどの合成樹脂系原料およびこれらの炭化物が挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、ピッチ系原料、コークス系原料、合成樹脂系原料(とりわけ、塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル)などのソフトカーボン(易黒鉛化炭素)が挙げられる。なお、炭素材は、先に例示した材料に限られない。
賦活処理としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)などを賦活剤として用いるアルカリ賦活処理、例えば、塩化亜鉛(ZnCl)、リン酸(HPO)などを賦活剤として用いる薬品賦活処理、例えば、二酸化炭素(CO)、空気などを賦活剤として用いるガス賦活処理、例えば、水蒸気(HO)を賦活剤として用いる水蒸気賦活処理などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アルカリ賦活処理が挙げられ、さらに好ましくは、水酸化カリウム(KOH)を賦活剤として用いるアルカリ賦活処理(KOH賦活処理)が挙げられる。なお、賦活処理は、先に例示した処理に限られない。
賦活処理の方法としては、例えば、KOH賦活処理を実行する場合、窒素雰囲気下において、炭素材を、例えば、500〜800℃で予備焼成し、次いで、700〜1000℃でKOHとともに焼成する。用いられるKOHの量は、例えば、炭素材1重量部に対して、0.5〜5重量部である。
上記賦活処理によって得られる正極材料を正極2に用いたハイブリッドキャパシタ1では、例えば、正極2の電位が4V vs.Li/Li以上となる充放電サイクルにおいて、正極2に電位範囲を拡大させるための不可逆容量を発現させることができる。そのため、放電過程において、より低い電位にまで正極の放電が可能となる。その結果、正極2の電気容量を拡大することができる。
正極材料は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が80〜99重量%の割合となるように配合される。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、導電剤は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が0〜20重量%の割合となるように配合される。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
ポリマーバインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、PVdFが挙げられる。
また、ポリマーバインダは、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が1〜20重量%の割合となるように配合される。
そして、正極2を形成するには、正極材料、導電剤およびポリマーバインダを配合した混合物を、例えば、ロールプレスを用いて加圧延伸して電極シートを得る。次いで、電極シートを所定の形状(例えば、円形状)に打ち抜いた後、乾燥させる。これにより、正極2が得られる。
このような方法により得られる正極2の厚さおよび直径は、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、厚さが30〜150μmであり、直径が10mm程度である。
負極3は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出する電極材料と、ポリマーバインダとを配合して得られる混合物からなる電極シートを、所定の形状(例えば、円形状)に成形した後、乾燥させることにより形成される電極である。
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極材料としては、例えば、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、グラファイトなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。なお、負極材料は、先に例示した材料に限られない。
ハードカーボンは、一般的な熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フルフラール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、ウレタン樹脂などを焼成することにより得られる。
ソフトカーボンとしては、例えば、ピッチ系原料、コークス系原料、合成樹脂系原料など、上記したソフトカーボンが挙げられる。
グラファイトとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン小球体、黒鉛化メソフェーズカーボン繊維、黒鉛ウィスカ、黒鉛化炭素繊維、例えば、ピッチ、コークスなどの縮合多環炭化水素化合物の熱分解物などが挙げられる。また、グラファイトは、粉末状のもの(例えば、平均粒径が25μm以下のもの)が好ましく用いられる。
上記のような負極材料は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が80〜99重量%の割合となるように配合される。
導電剤としては、例えば、上記した導電剤が挙げられる。また、導電剤は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が0〜20重量%の割合となるように配合される。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
ポリマーバインダとしては、例えば、上記したポリマーバインダが挙げられる。また、ポリマーバインダは、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が1〜15重量%の割合となるように配合される。
そして、負極3を形成するには、例えば、まず、負極材料およびポリマーバインダを配合した混合物を、溶媒中で攪拌してスラリーを得る。次いで、スラリーを集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより電極シートを得る。次いで、電極シートを所定の形状(例えば、円形状)に打ち抜いた後、さらに乾燥させる。これにより、負極3が得られる。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、イソホロン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、フタル酸ジメチル、エタノール、メタノール、ブタノール、水などが挙げられる。
集電体としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などの金属箔を用いることができる。
上記のような方法により得られる負極3の厚さおよび直径は、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、厚さが5〜70μmであり、直径が10mm程度である。
セパレータ4は、フッ化ビニリデン多孔質膜と、この多孔質膜の孔に存在する、負極活性阻害物質(後述)を捕捉するための捕捉粒子とを備えている。セパレータ4において捕捉粒子が多孔質膜の孔に存在しているとは、捕捉粒子が、セパレータ4を構成する多孔質膜中に分散している(多孔質膜の孔ではなく膜の一部として含有されている)のではなく、多孔質膜の孔に充填されていることである。
そして、セパレータ4を形成するには、例えば、まず、フッ化ビニリデンと、良溶媒と、貧溶媒と、捕捉粒子とを混合することによって混合溶液を調製する。
フッ化ビニリデンとしては、例えば、フッ化ビニリデンホモポリマー、フッ化ビニリデンコポリマーのどちらでもよく、好ましくは、フッ化ビニリデンホモポリマーが挙げられる。なお、これらのポリマーは、単独使用または併用することができる。
良溶媒は、フッ化ビニリデンの溶解度が貧溶媒よりも高い溶媒であれば特に制限されず、例えば、非プロトン性極性溶媒が用いられる。具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒などが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、ホルムアミド系溶媒、アセトアミド系溶媒、ピロリドン系溶媒などのアミン系溶媒が挙げられ、さらに好ましくは、ホルムアミド系溶媒が挙げられ、具体的に好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられる。
一方、貧溶媒は、捕捉粒子に対する親和性が良溶媒よりも高い溶媒であり、良溶媒よりも沸点が高く、良溶媒と相溶性があれば特に制限されず、例えば、沸点が良溶媒よりも10〜60℃、好ましくは、15〜45℃高い溶媒が好ましく用いられる。
例えば、良溶媒として非プロトン性極性溶媒が用いられる場合には、好ましくは、炭素数5〜12のアルコールが用いられ、さらに好ましくは、炭素数5〜9のアルコールが用いられる。この場合、炭素数が5よりも小さいアルコールが用いられると、セパレータ4に十分な空隙率を確保できず、セパレータ4のイオン伝導性が低下するおそれがある。一方、炭素数が12よりも大きいアルコールが用いられると、十分に乾燥できずアルコールの残渣が生じるおそれがある。
炭素数5〜12のアルコールとして、具体的には、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノールなどの直鎖状アルコール、例えば、イソペンタノール、イソヘキサノール、2−メチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール、イソヘプタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、イソオクタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノール2などの分岐状アルコールが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、炭素数5〜9の直鎖状アルコールおよび分岐状アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数5〜9の直鎖状アルコールが挙げられ、具体的に好ましくは、オクタノールが挙げられる。
また、良溶媒と貧溶媒との重量比(良溶媒/貧溶媒)は、例えば、5/95〜40/60であり、好ましくは、10/90〜20/80である。重量比を上記範囲にすることにより、セパレータ4に適度な空隙率を確保できるので、セパレータ4のイオン伝導性を向上させることができる。
捕捉粒子としては、例えば、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)など、アルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。これらは、単独または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、炭酸リチウムが挙げられる。
また、捕捉粒子の粒径は、例えば、1nm〜10μmであり、好ましくは、10nm〜10μmであり、さらに好ましくは、0.1〜5μmである。なお、捕捉粒子の粒径とは、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定される平均二次粒径である。
また、捕捉粒子の混合割合は、例えば、フッ化ビニリデン(固形分)100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは、40〜300重量部である。
そして、混合溶液は、例えば、フッ化ビニリデンを良溶媒に溶解し、その溶液に貧溶媒を添加して、その後、捕捉粒子を上記混合割合で加えて、攪拌混合することにより調製することができる。次いで、調製された混合溶液を基材上に塗布する。
基材としては、表面が平滑であれば特に制限されず、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム、アルミニウム箔などの金属箔、各種ガラス板などが挙げられる。
また、塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法などによる塗布や、バーコーター、アプリケーターなどを用いたキャスティングなどが挙げられる。
次いで、塗布された混合溶液を、例えば、真空乾燥や通風乾燥などにより、良溶媒の沸点以上、貧溶媒の沸点未満で乾燥させて良溶媒を蒸発させることによって、貧溶媒が分散した状態の多孔質膜を形成する。続いて、その多孔質膜を貧溶媒の沸点以上で乾燥させて、膜中の貧溶媒を蒸発させることによって、多孔質膜の孔に捕捉粒子が充填されたセパレータシートを得る。
良溶媒を蒸発させるための第1の乾燥は、例えば、良溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドである場合には、150〜180℃で1〜5分間行なう。一方、貧溶媒を蒸発させるための第2の乾燥は、例えば、貧溶媒がオクタノールである場合には、190〜220℃で1〜5分間行なう。なお、第2の乾燥は、良溶媒が完全に蒸発した後でなくとも、良溶媒が概ね蒸発した時点から行なってもよい。
そして、セパレータシートを所定の形状(例えば、円形状)に打ち抜いた後、乾燥させることにより、セパレータ4を得る。
このような方法により得られるセパレータ4における捕捉粒子の含有量は、例えば、セパレータ4全量に対して20重量%以上であり、好ましくは、40〜300重量%である。具体的には、例えば、100mg/cm以上であり、好ましくは、200〜1500mg/cmである。なお、捕捉粒子の含有量は、例えば、LiCO含有セパレータの場合、ICP発光分光分析装置を用いてLiの定量分析を実施し、分析値をLiCOの定量値に換算することにより算出する。
また、セパレータ4の厚さおよび直径は、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、セパレータ4の強度や内部抵抗の大きさを考慮して設計され、例えば、ラボスケールでは、厚さが15〜100μmであり、直径が24mm程度である。
また、セパレータ4の空隙率は、例えば、30〜90%であり、好ましくは、35〜70%である。空隙率が30%未満であると、電解液6の保持量が低下するとともに、イオン伝導性が低下してキャパシタのインピーダンスが上昇するおそれがある。一方、空隙率が90%を超えていると、セパレータ4に十分な強度を確保できず、セパレータ4の取扱いが難しくなる。なお、セパレータ4の空隙率は、セパレータ4の坪量M(g/cm)、厚さT(μm)、密度D(g/cm)を用いて次式により求められる。空隙率(%)=[1−(M/T)/D]×100
また、JIS P8117に準拠して測定されるセパレータ4の透気度(ガーレー法)は、例えば、100秒/100mL以下であり、好ましくは、5〜50秒/100mLである。透気度が100秒/100mLを超えていると、イオン伝導性が低下して、キャパシタのインピーダンスが上昇するおそれがある。
さらに、セパレータ4の密度は、例えば、0.5〜0.9g/cmであり、好ましくは、0.6〜0.9g/cmである。密度が0.5g/cm未満であると、セパレータ4に十分な強度を確保できず、セパレータ4の取扱いが難しくなる。一方、密度が0.9g/cmを超えていると、電解液6の保持量が低下するとともに、イオン伝導性が低下してキャパシタのインピーダンスが上昇するおそれがある。
ハイブリッドキャパシタ1では、セパレータ4とともに、例えば、ガラス繊維、セラミックス繊維、ウィスカなどの無機繊維、例えば、セルロースなどの天然繊維、例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどの有機繊維などを用いて形成され、捕捉粒子を含有しない補助セパレータを用いることができる。この場合、セパレータ4は、たとえば、図1に示すように、補助セパレータ7で挟まれた状態で正極2と負極3との間に介在されることが好ましい。
電解液6は、リチウム塩を含有する有機溶媒からなり、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解させることにより調製される。
リチウム塩としては、ハロゲンを含むアニオン成分を有し、例えば、LiClO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiCSO、LiC17SO、LiB[C(CF−3,5]、LiB(C、LiB[C(CF)−4]、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiN(CFSOなどが挙げられる。なお、上式中[C(CF−3,5]は,フェニル基の3位と5位に、[C(CF)−4]はフェニル基の4位に、それぞれ−CFが置換されているものを意味する。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート、エチレンカーボネート誘導体、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジオキソラン、リン酸トリエステル、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、1,3−プロパンスルトン、4,5−ジヒドロピラン誘導体、ニトロベンゼン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン誘導体、シドノン化合物、アセトニトリル、ニトロメタン、アルコキシエタン、トルエンなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
そして、電解液6を調製するには、例えば、リチウム塩の濃度が、例えば、0.5〜5mol/L、好ましくは、1〜3mol/Lとなるように、また、電解液6中の水分量が、例えば、50ppm以下、好ましくは、10ppm以下となるように、リチウム塩を有機溶媒に溶解する。
ハイブリッドキャパシタ1において、セパレータ4中の捕捉粒子により捕捉される負極活性阻害物質は、電解液6に含まれるアニオンから誘導される物質であって、例えば、LiPFに含まれるPF などから誘導されるフッ酸(HF)などが挙げられる。そのような負極活性阻害物質は、充放電サイクルにおいて、正極2の電位範囲を拡大するための不可逆容量を、正極2に発現させる場合などに生成する。
正極2での不可逆容量は、例えば、充放電サイクルの1サイクル目を以下のように実行することによって発現する。具体的には、まず、正極2と負極3との間(正極−負極間)に印加されるセル電圧が2.5〜5.0V(好ましくは、4.0〜5.0V)に上昇するまで、0.1〜10mA/cm(好ましくは、1〜5mA/cm)で定電流充電する。充電後、電流値が0.01〜1mA/cm(好ましくは、0.02〜0.5mA/cm)に降下するまで、上昇後のセル電圧に保持し、その後、セル電圧が0〜4.0V(好ましくは、1.0〜3.0V)に降下するまで、0.1〜10mA/cm(好ましくは、1〜5mA/cm)で定電流放電する。1サイクル目を、このように実行することによって、正極2に不可逆容量を発現させることができる。
なお、充放電サイクルの2サイクル目以降は、例えば、最大セル電圧が4.0〜4.8V(好ましくは、4.2〜4.6V)の範囲、最低セル電圧が0.0〜4.0V(好ましくは、2.0〜2.4V)の範囲の定電流放電を行なう。
そして、ハイブリッドキャパシタ1では、正極2での不可逆容量の発現に起因して、例えば、電解液6がLiPFを含有する場合、以下のようにHFが生成する。具体的には、1サイクル目の充電過程において、正極2および/または電解液6に含まれる水分や有機物からプロトン(H)が生成する(下記式(1)および(2)参照)ものと考えられる。
(1)2HO→O+4H+4e
(2)R−H→R+H+e(Rは、アルキル基)
そして、生成したプロトンが、電解液6に含まれるPF と反応し、HF(負極活性阻害物質)が生成する(下記式(3)参照)ものと考えられる。
(3)PF +H→PF+HF
しかし、ハイブリッドキャパシタ1によれば、HFなどの負極活性阻害物質を十分に捕捉するだけの捕捉粒子がセパレータ4に含有されている。そのため、正極2での不可逆容量の発現に起因して負極活性阻害物質が発生しても、その負極活性阻害物質を良好に捕捉することができる。しかも、捕捉粒子が、セパレータ4を構成する多孔質膜中に分散しているのではなく、多孔質膜の孔に充填されているので、捕捉粒子と電解液中および負極活性阻害物質が接触しやすいため効率的にHFを捕捉することができる。
その結果、このハイブリッドキャパシタ1によれば、負極3の電気容量の低下を十分に抑制でき、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度の低下を抑制することができる。例えば、上記充放電サイクルの2サイクル目のエネルギー密度に対する相対的な値としてのエネルギー密度(エネルギー密度維持率)を、各サイクル(例えば、3〜100サイクル目)において80%以上に維持することができる。なお、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度とは、例えば、正極2と負極3との体積の総和(集電体の体積は除く)の単位体積(1L)当りの値である。 本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、前述の実施形態では、個々のセルに1枚のセパレータ4と、2枚の補助セパレータ7とを使用する例を取り上げたが、セパレータ4を複数使用してもよく、また、補助セパレータ7は使用しなくてもよい。 本発明の電気化学キャパシタ用セパレータは、例えば、自動車(ハイブリッド車両、燃料電池車両など)に搭載される電気化学キャパシタ、ノートパソコン、携帯電話などのメモリバックアップ電源として用いられる電気化学キャパシタなど、各種電気化学キャパシタに用いることができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
1.正極の作製
メソフェーズ系ピッチ(三菱ガス化学株式会社製 AR樹脂)を大気中350℃で2時間加熱した。次いで、加熱後のピッチを、窒素雰囲気下800℃で2時間予備焼成した。これにより、ソフトカーボンを得た。得られたソフトカーボンをアルミナ製の坩堝に入れ、ソフトカーボン1重量部に対して4重量部のKOHを加えた。次いで、ソフトカーボンを、窒素雰囲気下800℃で2時間、KOHとともに焼成することにより、KOH賦活した。次いで、KOH賦活したソフトカーボンを超純水で洗浄した。洗浄は、廃液が中性になるまで行なった。これにより、KOH賦活ソフトカーボン(正極材料)を得た。洗浄後、KOH賦活ソフトカーボンを乳鉢で粉砕し、篩(32μm)で分級した。そして、ほぼ全てのKOH賦活ソフトカーボンが篩を通過できる粒径になるまで、乳鉢での粉砕操作を繰り返した。
分級後、KOH賦活ソフトカーボン粉末と、導電剤(カーボンブラック、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製 VXC−72R)と、ポリマーバインダ(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分75:8.3:16.7の重量割合で、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、混合物のスラリー(固形分:30重量%)を得た。
次いで、得られたスラリーを厚み15μmのアルミニウム箔(正極側集電体)の表面に塗工し、80℃で12時間乾燥させて、正極側塗工層を形成した。次いで、乾燥後のアルミニウム箔を、ロールプレスで加圧延伸することにより、アルミニウム箔を除く塗工層(正極側塗工層)の厚さが72μmの電極シートを得た。
次いで、電極シートを、直径13mmの円形状に打ち抜いた後、乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ大気に触れないように搬入した。以上の操作により、正極側塗工層を備える正極を作製した。
2.負極の作製
人造黒鉛と、ソフトカーボンと、ポリマーバインダ(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分67.5:22.5:10の重量割合で、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、混合物のスラリー(固形分:40重量%)を得た。
次いで、得られたスラリーを厚み10μmの銅箔(負極側集電体)の表面に塗工し、80℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥後の銅箔を、ロールプレスで加圧延伸することにより、銅箔を除く塗工層(負極側塗工層)の厚さが14μmの電極シートを得た。
次いで、電極シートを、直径14mmの円形状に打ち抜いた後、乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ大気に触れないように搬入した。以上の操作により、負極側塗工層を備える負極を作製した。
3.セパレータの作製
フッ化ビニリデンホモポリマー100重量部をN,N−ジメチルホルムアミド(良溶媒)に溶解し、オクタノール(貧溶媒)を添加した。なお、N,N−ジメチルホルムアミドとオクタノールとの重量比は、20/80とした。
その後、粒径3μmの炭酸リチウム(LiCO)粒子240重量部を上記溶液中に添加して均一に分散するまで攪拌することにより、混合溶液を調製した。
次いで、調製された混合溶液をポリプロピレンフィルム上にキャストした後、170℃で1.25分間乾燥してN,N−ジメチルホルムアミドをほぼ蒸発させ、その後、210℃で1.25分間乾燥して、オクタノールを蒸発させた。
これにより、厚さ33μmのフッ化ビニリデンホモポリマー多孔質膜(セパレータシート)を得た。そして、その多孔質膜をポリプロピレンフィルムから剥離し、直径2.4cmの円形状に打ち抜くことにより、LiCO(捕捉粒子)が含有されたセパレータを得た。このセパレータには、485mg/cm(LiCO目付量1.6mg/cm)のLiCOが含有されていた。なお、LiCOの含有量は、セパレータに対して、ICP発光分光分析装置を用いてLiの定量分析を実施し、分析値をLiCOの定量値に換算することにより算出した。
また、このセパレータの空隙率は47%、透気度(JIS P8117準拠)は17秒/100mL、密度は0.81g/cmであった。
また、厚さ400μmのセラミックスフィルタ(ADVANTEC社製 GB−100R)を、直径2.5cmの円形状に打ち抜くことにより、補助セパレータを作製した。
4.電解液の調製
LiPF(リチウム塩)を、濃度が1mol/Lとなるように、エチレンカーボネート−ジエチレンカーボネート混合溶媒(体積比1:1)に溶解することにより調製した。
5.試験セルの組み立て
正極1枚、負極1枚、LiCO含有セパレータ2枚および補助セパレータ2枚、ならびに電解液1.5mLを用いて、試験セルを組み立てた。なお、4枚のセパレータは、LiCO含有セパレータ2枚を重ね合わせ、これらを補助セパレータで両側から挟んだ態様で使用した。
<比較例1>
1.正極、負極および電解液
実施例1で得られた正極、負極および電解液を用いた。
2.セパレータの作製
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)80重量部に、ポリフッ化ビニリデン12重量部およびフタル酸ジブチル(可塑剤)8重量部を溶解させることによって溶液を調製した。次いで、平滑ガラス板上において、ポリエチレンテレフタレート製の不織布に上記溶液を塗布した。次いで、その不織布を4Mの水酸化リチウム水溶液に含浸し、凝固および不溶化処理を行なった。その後、不織布を乾燥させ、水洗によって余分な水酸化リチウムを除去した。
次いで、不織布を150℃で真空乾燥した。乾燥後、真空乾燥機内に炭酸ガスを導入し、12時間放置した。放置後、真空乾燥機を大気開放した。そして、不織布を直径2.4cmの円形状に打ち抜くことによって、LiCOが含有されたセパレータ(厚さ60μm)を作製した。このセパレータには、64mg/cm(LiCO目付け量0.38mg/cm)のLiCOが含有されていた。
また、実施例1の「3.セパレータの作製」に記載の方法と同様の方法により、補助セパレータを作製した。
3.試験セルの組み立て
正極1枚、負極1枚、LiCO含有セパレータ1枚および補助セパレータ2枚、ならびに電解液1.5mLを用いて、試験セルを組み立てた。なお、3枚のセパレータは、LiCO含有セパレータを補助セパレータで両側から挟んだ態様で使用した。
<比較例2>
1.正極、負極、セパレータおよび電解液
実施例1で得られた正極、負極および電解液、ならびに比較例1で得られたセパレータを用いた。
2.試験セルの組み立て
正極1枚、負極1枚、LiCO含有セパレータ2枚および補助セパレータ2枚、ならびに電解液1.5mLを用いて、試験セルを組み立てた。なお、4枚のセパレータは、LiCO含有セパレータ2枚を重ね合わせ、これらを補助セパレータで両側から挟んだ態様で使用した。
<比較例3>
1.セパレータの作製
貧溶媒としてオクタノールに代えてデカノールを用いたこと、および炭酸リチウムを添加しなかったことを除いて、実施例1と同様の方法により、LiCOを不含有のセパレータを作製した。
このセパレータの空隙率は85%、透気度(JIS P8117準拠)は2秒/100mL、密度は0.85g/cmであった。しかし、このセパレータは、目視で観察したところ、ムラが多く均一性に欠けるものであるため、電気化学キャパシタ用のセパレータとして実用上使用できないことが確認された。
<比較例4>
1.セパレータの作製
貧溶媒としてオクタノールに代えてエチレングリコールを用いたことを除いて、実施例1と同様の方法により、LiCOが含有されたセパレータを作製した。
しかし、このセパレータは、透気度(JIS P8117準拠)が無限大となり、さらに空隙率が2%となっており、実質的に内部に空隙を有しなかった。すなわち、このセパレータは、イオン伝導が不可能な非多孔質膜であり、電気化学キャパシタ用のセパレータとして実用上使用できないことが確認された。
<評価実験>
1.充放電試験
実施例1および比較例1〜2で組み立てた試験セルそれぞれに対して、以下に示す方法により充放電試験を実施し、各サイクル終了後におけるエネルギー密度を測定した。なお、各試験セルのエネルギー密度は、正極と負極との体積の総和(集電体の体積は除く)の単位体積(1L)当りの値として求めた。
(1)1サイクル目
セル電圧が4.8Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、電流値が0.5mA/cmに降下するまでセル電圧を4.8Vに保持し、その後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(2)2サイクル目以降
セル電圧が4.6Vに上昇するまで1mA/cmで充電する定電流充電と、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで放電する定電流放電とをこの順に実行する充放電サイクルを行なった。
上記充放電試験により得られたエネルギー密度を用いて、各サイクル(2サイクル目以降)終了時のエネルギー密度維持率を算出した。結果を図2に示す。なお、図2において、エネルギー密度維持率とは、2サイクル目終了時のエネルギー密度に対する、各サイクル終了時のエネルギー密度の相対的な値である。たとえば、充放電サイクル終了時のエネルギー密度が、2サイクル目終了時のエネルギー密度と同じであれば維持率100%であり、2サイクル目終了時のエネルギー密度の1/2であれば維持率50%である。
2.評価
図2によると、実施例1のエネルギー密度維持率は、100サイクル目の終了時点においても100%以上であった。
これに対し、比較例1および2のエネルギー密度維持率は、充放電サイクルの初期段階から急激に低下し、100サイクル目の終了時点では、比較例1では約50%、比較例2では約40%に低下していることが確認された。
1 ハイブリッドキャパシタ
2 正極
3 負極
4 セパレータ
6 電解液

Claims (3)

  1. 多数の孔を有する、フッ化ビニリデン多孔質膜と、
    前記孔に存在する、負極活性阻害物質を捕捉する捕捉粒子とを備えることを特徴とする、電気化学キャパシタ用セパレータ。
  2. 捕捉粒子を20重量%以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の電気化学キャパシタ用セパレータ。
  3. 請求項1または2に記載の電気化学キャパシタ用セパレータと、
    前記電気化学キャパシタ用セパレータの一方側に配置され、充放電サイクルにおいて、電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現する正極と、
    前記電気化学キャパシタ用セパレータの他方側に配置され、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなる負極と、
    前記電気化学キャパシタ用セパレータ、前記正極および前記負極を浸漬し、ハロゲンを含むアニオン成分を有するリチウム塩を含有する有機溶媒からなる電解液と
    を備えることを特徴とする、電気化学キャパシタ。
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