JP2011165446A - 発光装置 - Google Patents

発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011165446A
JP2011165446A JP2010025928A JP2010025928A JP2011165446A JP 2011165446 A JP2011165446 A JP 2011165446A JP 2010025928 A JP2010025928 A JP 2010025928A JP 2010025928 A JP2010025928 A JP 2010025928A JP 2011165446 A JP2011165446 A JP 2011165446A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
organic
alloy
light emitting
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010025928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5543796B2 (ja
Inventor
Takao Miyai
隆雄 宮井
Masao Kubo
雅男 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2010025928A priority Critical patent/JP5543796B2/ja
Publication of JP2011165446A publication Critical patent/JP2011165446A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5543796B2 publication Critical patent/JP5543796B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】有機EL素子の発光部の大面積化を図りながらも有機EL素子の長寿命化を図れる発光装置を提供する。
【解決手段】有機EL素子10が一表面側に配設され他表面側を光取り出し面側とする第1のガラス基板20と、第1のガラス基板20の上記一表面側で有機EL素子10よりも離れて配置され第1のガラス基板20に対向する第2のガラス基板30とを備える。また、発光装置は、第1のガラス基板20と第2のガラス基板30との間に介在し有機EL素子10を囲むスペーサ40を備えている。スペーサ40は、合金を用いて形成された枠体であり、第1のガラス基板20および第2のガラス基板30それぞれにフリットガラス51a,52aにより形成された接合部51,52を介して全周に亘って接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置に関するものである。
従来から、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称する)を利用した発光装置が各所で研究開発されている。
有機EL素子としては、例えば、透光性基板(透明基板)の一表面側に、陽極となる透明電極、ホール輸送層、発光層(有機発光層)、電子注入層、陰極となる電極の積層構造を備えたものが知られている。この種の有機EL素子では、陽極と陰極との間に電圧を印加することによって発光層で発光した光が、透明電極および透光性基板を通して取り出される。
有機EL素子は、自発光型の発光素子であること、比較的高効率の発光特性を示すこと、各種の色調で発光可能であること、などの特徴を有するものであり、表示装置(例えば、フラットパネルディスプレイなどの発光体など)や、光源(例えば、液晶表示機器のバックライトや照明光源など)としての適用が期待されており、一部では既に実用化されている。
しかしながら、これらの用途に有機EL素子を応用展開するために、より高効率・長寿命・高輝度の有機EL素子の開発が望まれている。
ここにおいて、有機EL素子を用いた発光装置の長寿命化を図るために、図7に示すように、第1のガラス基板からなる透光性基板120と、透光性基板120の一表面側に形成された有機EL素子10と、透光性基板120の上記一表面側で有機EL素子10を被覆した光硬化性樹脂封止層107と、第2のガラス基板における透光性基板120との対向面に凹部131を設けることにより形成された封止キャップ130とを備えたものが提案されている(特許文献1)。ここで、図7に示した構成の発光装置は、封止キャップ130における凹部131の周部を透光性基板120の上記一表面側に熱硬化性樹脂接着層109を介して接着してある。
しかしながら、上記特許文献1に開示された発光装置では、封止キャップ130を透光性基板120に対して熱硬化性樹脂接着層109により接着しているので、気密性が不十分であり、外部から侵入する水分や酸素の影響で寿命が短くなってしまう。図7に示した構成の発光装置において、封止キャップの凹部の内底面に、水分を捕捉して除去する吸湿シートを積層したものも提案されているが、外部からの水分や酸素が有機EL素子へ到達するのをより確実に防止することが可能な発光装置の開発が望まれている。また、図7の発光装置では、有機EL素子10の陽極12と陰極14との間に有機EL層13のみが介在する領域が発光部を構成するが、熱硬化性樹脂接着層109の接着代を3mm程度の幅で設ける必要があり、非発光部が大きくなり、単位面積当たりの光束が減少する。したがって、図7の構成の発光装置を複数個、並べて使用する照明器具では、隣り合う発光部間の距離が大きくなり、点灯時の見栄えが悪くなってしまう。
一方、図8に示すように、有機EL素子10をガラスパッケージ200内に設けた有機ELディスプレイが提案されている(特許文献2)。このガラスパッケージ200は、一表面側に有機EL素子10が形成された第1のガラス基板220と、第1のガラス基板220の上記一表面側に対向配置された第2のガラス基板230との間に配置したフリット240aを溶融させることにより両ガラス基板220,230を接合する気密シール240を形成してある。ここで、上記特許文献2では、レーザ光や赤外線によりフリット240を溶融させるために、フリット240aとして、少なくとも1種類の遷移金属がドープされたガラスから製造されたものを用いるようにしている。
特開2008−34142号公報 特表2006−524419号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示されたものでは、フリット240をレーザ光や赤外線で溶融させる際に、加熱された部分のみが液化するので、両ガラス基板220,230間の間隔を一定間隔で保つことが難しく、接合信頼性が低下してしまう懸念がある。特に、上記特許文献2に開示されたガラスパッケージ200を、有機EL素子を用いた発光装置に適用し、発光装置の発光部の大面積化を図る場合、接合信頼性が低下してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、有機EL素子の発光部の大面積化を図りながらも有機EL素子の長寿命化を図れる発光装置を提供することにある。
請求項1の発明は、有機EL素子が一表面側に配設され他表面側を光取り出し面側とする第1のガラス基板と、前記第1のガラス基板の前記一表面側で前記有機EL素子よりも離れて配置され前記第1のガラス基板に対向する第2のガラス基板と、前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に介在し前記有機EL素子を囲むスペーサとを備え、前記スペーサは、合金を用いて形成された枠体であり、前記第1のガラス基板および前記第2のガラス基板それぞれにフリットガラスにより形成された接合部を介して全周に亘って接合されてなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板と前記スペーサと前記フリットガラスとの熱膨張係数を揃えてあることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記合金が、コバールであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記枠体は、前記合金からなる管を用いて枠状に形成されてなることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記スペーサは、前記合金により形成されて前記枠体の一部を構成し前記有機EL素子の陽極に電気的に接続される第1の合金部と、前記合金により形成されて前記枠体の他の一部を構成し前記有機EL素子の陰極に電気的に接続される第2の合金部と、前記第1の合金部と前記第2の合金部との互いの対向する対向面間に介在し前記第1の合金部と前記第2の合金部とを電気的に絶縁するフリットガラスにより形成された絶縁部とで構成されてなることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記スペーサは、前記第1の合金部および前記第2の合金部それぞれに一体形成され前記第2のガラス基板側で前記第2のガラス基板の厚み方向に沿う方向に突出した端子片を有し、各端子片は、前記第2のガラス基板における前記第1のガラス基板側とは反対側の表面を含む平面よりも突出していることを特徴とする。
請求項1の発明では、有機EL素子の発光部の大面積化を図りながらも有機EL素子の長寿命化を図れるという効果がある。
実施形態1の発光装置に関し、(a)は概略断面図、(b)はスペーサの概略斜視図、(c)はスペーサの一部破断した概略斜視図である。 (a),(b)は同上の発光装置におけるスペーサの他の構成例の一部破断した概略斜視図である。 実施形態2の発光装置の概略断面図である。 実施形態3の発光装置に関し、(a)は概略断面図、(b)はスペーサの概略斜視図、(c)はスペーサの一部破断した概略斜視図である。 実施形態4の発光装置の概略断面図である。 同上の発光装置の応用例を示す概略断面図である。 従来例を示す発光装置の概略断面図である。 他の従来例の有機ELディスプレイを示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の発光装置について、図1に基づいて説明する。
発光装置は、有機EL素子10が一表面側に配設され他表面側を光取り出し面側とする第1のガラス基板20と、第1のガラス基板20の上記一表面側で有機EL素子10よりも離れて配置され第1のガラス基板20に対向する第2のガラス基板30とを備える。また、発光装置は、第1のガラス基板20と第2のガラス基板30との間に介在し有機EL素子10を囲むスペーサ40を備えており、第1のガラス基板20と第2のガラス基板30とスペーサ40とを用いて、有機EL素子10が収納されるパッケージ1を形成してある。
本実施形態では、第1のガラス基板20および第2のガラス基板30の平面視形状を矩形状としてあるが、矩形状に限らず、例えば、円形状、三角形状、五角形状、六角形状などでもよい。また、スペーサ40は、両ガラス基板20,30の外周線に沿った枠状に形成することが好ましく、本実施形態では、矩形枠状に形成してある。
有機EL素子10は、陽極12と陰極14との間に介在する有機EL層13が、陽極12側から順に、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を備えている。ここにおいて、有機EL素子10は、陽極12を第1のガラス基板20の上記一表面側に積層してあり、陽極12における第1のガラス基板20側とは反対側で、陰極14が陽極12に対向している。
上述の有機EL素子10は、陽極12を透明電極により構成するとともに、陰極14を発光層からの光を反射する電極により構成してあり、陽極12側から光を取り出すようになっている。ここで、有機EL素子10については、陽極12と陰極14との配置を逆にし、陰極14を透明電極により構成するとともに、陽極12を発光層からの光を反射する電極により構成してもよい。いずれにしても、有機EL素子10の陽極12と陰極14との間に有機EL層13のみが介在する領域が発光部を構成する。
上述の有機EL層13の積層構造は、上述の例に限らず、例えば、発光層の単層構造や、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造や、ホール輸送層と発光層との積層構造や、発光層と電子輸送層との積層構造などでもよい。また、陽極とホール輸送層との間にホール注入層を介在させてもよい。また、発光層は、単層構造でも多層構造でもよく、例えば、所望の発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングするようにしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよいし、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよい。
陽極12は、発光層中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が4eV以上6eV以下のものを用いるのが好ましい。陽極12の電極材料としては、例えば、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛、IZOなど、PEDOT、ポリアニリンなどの導電性高分子および任意のアクセプタなどでドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。ここにおいて、陽極12は、第1の透光性基板11の上記一表面側に、スパッタ法、真空蒸着法、塗布法などによって薄膜として形成すればよい。
なお、陽極12のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下がよい。ここで、陽極12の膜厚は、陽極12の光透過率、シート抵抗などにより異なるが、500nm以下、好ましくは10nm〜200nmの範囲で設定するのがよい。
また、陰極14は、発光層中に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いるのが好ましい。陰極14の電極材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウムなど、およびこれらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を例として挙げることができる。また、金属の導電材料、金属酸化物など、およびこれらと他の金属との混合物、例えば、酸化アルミニウムからなる極薄膜(ここでは、トンネル注入により電子を流すことが可能な1nm以下の薄膜)とアルミニウムからなる薄膜との積層膜なども使用可能である。また、陰極14側から光を取り出す場合には、例えば、ITO、IZOなどを採用すればよい。
発光層の材料としては、有機EL素子用の材料として知られる任意の材料が使用可能である。例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体および各種蛍光色素など、上述の材料系およびその誘導体を始めとするものが挙げられるが、これらに限定するものではない。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、上記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。また、これらの材料からなる発光層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
上述のホール注入層に用いられる材料は、ホール注入性の有機材料、金属酸化物、いわゆるアクセプタ系の有機材料あるいは無機材料、p−ドープ層などを用いて形成することができる。ホール注入性の有機材料とは、ホール輸送性を有し、また仕事関数が5.0〜6.0eV程度であり、陽極1との強固な密着性を示す材料などがその例であり、例えば、CuPc、スターバーストアミンなどがその例である。また、ホール注入性の金属酸化物とは、例えば、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム、チタン、アルミニウムのいずれかを含有する金属酸化物である。また、1種の金属のみの酸化物ではなく、例えばインジウムとスズ、インジウムと亜鉛、アルミニウムとガリウム、ガリウムと亜鉛、チタンとニオブなど、上記のいずれかの金属を含有する複数の金属の酸化物であっても良い。また、これらの材料からなるホール注入層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法などの湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
また、ホール輸送層に用いる材料は、例えば、ホール輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とする、アリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができるが、一般に知られる任意のホール輸送材料を用いることが可能である。
また、電子輸送層に用いる材料は、電子輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、Alq等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体などのヘテロ環を有する化合物などが挙げられるが、この限りではなく、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることが可能である。
また、電子注入層の材料は、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどに代表される金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、タンタル、タングステン、マンガン、モリブデン、ルテニウム、鉄、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、Siなどの各種金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物など、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、窒化アルミニウム、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化シリコン、窒化ホウ素などの絶縁物となるものや、SiOやSiOなどをはじめとする珪素化合物、炭素化合物などから任意に選択して用いることができる。これらの材料は、真空蒸着法やスパッタ法などにより形成することで薄膜状に形成することができる。
第1のガラス基板20としては、例えば、無アルカリガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、青ソーダガラス基板などを用いてもよい。
ところで、本実施形態の発光装置は、第1のガラス基板20の上記一表面においてスペーサ40よりも外側の部位に、有機EL素子10の陽極12に電気的に接続された第1の外部接続電極112と、有機EL素子10の陰極14に電気的に接続された第2の外部接続電極114とを備えている。本実施形態では、第1の外部接続電極112および第2の外部接続電極114を陽極12と同じ透明導電膜(例えば、ITO膜、IZO膜など)により構成し、陽極12と同時に形成してある。ただし、第1の外部接続電極112および第2の外部接続電極114の材料は特に限定するものではなく、陽極12と異なる材料により形成してもよい。また、第1の外部接続電極112および第2の外部接続電極114は、単層構造に限らず、多層構造でもよい。
上述の有機EL素子10の陽極12と第1の外部接続電極112とは、第1のガラス基板20の上記一表面側で陽極12から延設された接続配線12aを介して電気的に接続されている。ここで、陽極12と接続配線12aとは、同一の材料により同一厚さで同時に形成されているので、異種材料により別々に形成する場合に比べて、製造プロセスの簡略化、材料コストの低減などによる低コスト化を図れる。また、陰極14と第2の外部接続電極114とは、第1のガラス基板20の上記一表面側で陰極14から延設された接続配線14aを介して電気的に接続されている。ここで、陽極14と接続配線14aとは、同一の材料により同一厚さで同時に形成されているので、異種材料により別々に形成する場合に比べて、製造プロセスの簡略化、材料コストの低減などによる低コスト化を図れる。
第2のガラス基板30としては、第1のガラス基板20と熱膨張係数が同じ材料により形成されたものが好ましく、無アルカリガラス基板を用いているが、無アルカリガラス基板に限らず、例えば、青ソーダガラス基板などを用いてもよい。
ここで、スペーサ40は、合金を用いて形成された枠体であり、第1のガラス基板20および第2のガラス基板30それぞれにフリットガラス51a,52aにより形成された接合部51,52を介して全周に亘って接合されている。要するに、スペーサ40は、第1のガラス基板20との対向面が接合部51を介して全周に亘って接合されるとともに、第2のガラス基板30との対向面が接合部52を介して全周に亘って接合されている。
スペーサ40の材料である合金としては、熱膨張係数が第1のガラス基板20および第2のガラス基板30の熱膨張係数に近いコバール(Kovar)を用いているが、コバールに限らず、例えば、42合金などを用いてもよい。コバールは、鉄にニッケル、コバルトを配合した合金であり、常温付近での熱膨張係数が、金属の中で低いものの一つで、無アルカリガラス、青ソーダガラス、硼珪酸ガラスなどの熱膨張係数に近い値を有している。なお、コバールの成分比の一例は、重量%で、ニッケル:29重量%、コバルト:17重量%、シリコン:0.2重量%、マンガン:0.3重量%、鉄:53.5重量%である。コバールの成分比は、特に限定するものではなく、コバールの熱膨張係数が、第1のガラス基板20および第2のガラス基板30の熱膨張係数に揃うように適宜成分比のものを採用すればよい。
また、フリットガラス51a,52aとしては、熱膨張係数をスペーサ40の材料である合金の熱膨張係数に揃えることができる材料を採用することが好ましい。ここで、スペーサ40の合金がコバールの場合には、フリットガラス51a,52aの材料として、コバールガラスを用いることが好ましい。
要するに、本実施形態では、第1のガラス基板20と第2のガラス基板30とスペーサ40とフリットガラス51a,52aとの熱膨張係数を揃えてある。ここにおいて、熱膨張係数を揃えるとは、完全に一致させることに限らず、略同一であることを意味し、熱膨張係数差ができるだけ小さくなるように材料を選択することを趣旨としている。
上述のスペーサ40の形成にあたっては、例えば、コバールなどの合金からなる板材の厚み方向の両面に、フリットガラス51a,52aを所定パターン(本実施形態では、矩形枠状のパターン)となるように塗布し、乾燥、焼成後、プレス抜き加工を行うことにより、フリットガラス51a,51b付きのスペーサ40を形成することができる。
本実施形態の発光装置の製造にあたっては、まず、第1のガラス基板20の上記一表面上に有機EL素子10を形成する有機EL素子形成工程を行う。ここでは、有機EL素子形成工程において、各接続配線12a,14aおよび各外部接続電極112,114も形成するが、有機EL素子形成工程の後に接続配線形成工程や外部接続電極形成工程を設けてもよい。上述の有機EL素子10、各接続配線12a,14aおよび各外部接続電極112,114を形成した後、第1のガラス基板20を、低露点(例えば、露点−86℃)に管理されたドライ窒素雰囲気のグローブボックス内に大気に曝すことなく移動させる。続いて、第1のガラス基板20の上記一表面上にフリットガラス51a,51b付きのスペーサ40を載置する。続いて、第2のガラス基板30をスペーサ40上に載置し、第1のガラス基板20とフリットガラス51a,51b付きのスペーサ40と第2のガラス基板30との積層物を加圧して固定する。その後、第2のガラス基板30におけるスペーサ40側とは反対側からレーザ光を照射して合金からなるスペーサ40を加熱し、フリットガラス51a,52aを溶融させてスペーサ40と第2のガラス基板30および第1のガラス基板20それぞれとを全周に亘って接合する気密封止工程を行う。ここにおいて、気密封止工程では、レーザ光の光源としては、例えば、YAGレーザなどを用いればよい。
以上説明した本実施形態の発光装置は、第1のガラス基板20と第2のガラス基板30との間に介在し有機EL素子10を囲むスペーサ40を備え、スペーサ40が、合金を用いて形成された枠体であり、第1のガラス基板20および第2のガラス基板30それぞれにフリットガラス51a,52aにより形成された接合部51,52を介して全周に亘って接合されている。しかして、気密封止工程においてフリットガラス51a,52aが溶融した時も第1のガラス基板20と第2のガラス基板30との間隔を保つことができて安定して気密封止することができるから、パッケージ1の気密性を高めることができ、有機EL素子10の発光部の大面積化を図りながらも有機EL素子10の長寿命化を図れる。なお、本実施形態の発光装置では、封止代を1mm程度にしながらも気密性を確保することができる。
また、本実施形態の発光装置では、製造時に気密封止工程の歩留まりの向上を図れる。第1のガラス基板20と第2のガラス基板30との間の距離の設計自由度が高くなる。
また、第1のガラス基板20と第2のガラス基板30とスペーサ40とフリットガラス51a,52aとの熱膨張係数を揃えてあるので、スペーサ40と第1のガラス基板20および第2のガラス基板30との接合信頼性を高めることができる。ここにおいて、スペーサ40の合金としてコバールを用いているので、合金を容易に入手することができ、低コスト化を図れる。また、フリットガラス51a,52aの材料として、コバールガラスを用いているので、フリットガラス51a,52aの材料についても容易に入手することができ、低コスト化を図れる。
ところで、上述のフリットガラス51a,52a付きスペーサ40は、スペーサ40を構成する枠体の周方向に直交する断面が矩形状に形成されている(例えば、縦寸法が200μm〜300μm、横寸法が1mm〜2mm)が、スペーサ40を構成する枠体として、図2(a)に示すように、合金からなる管を用いて枠状に形成されたものを用い、管の外周面を全周に亘ってフリットガラス53aにより覆われたフリットガラス53a付きスペーサ40を用いてもよい。
図2(a)に示すフリットガラス付きスペーサ40の形成にあたっては、合金の管を折曲して両端部同士を溶接することにより枠体からなるスペーサ40を形成し、スペーサ40を構成する管の外周面の全周に亘ってフリットガラス53aを付着させ、乾燥、焼成することですればよい。ここにおいて、フリットガラス53aの一部により、スペーサ40と第1のガラス基板20および第2のガラス基板30それぞれとの接合部51,52が形成される。なお、この場合も、例えば、合金として、コバールを用い、フリットガラス53aとして、コバールガラスを用いればよい。
スペーサ40を構成する枠体として、図2(a)のような合金からなる管を用いて形成されたものを用いることにより、製造時に上記積層物への加圧により第2のガラス基板20や第1のガラス基板30に応力がかかっても、マイクロクラックなどの欠陥が発生するのを抑制することができる。
ところで、図2(a)に示したスペーサ40は、円形状に開口された管を用いて形成されているので、スペーサ40の外周面のフリットガラス53aと第1のガラス基板20および各外部接続電極112,114とが線状に接触することとなり、製造時に、溶融したフリットガラス53aが流動してスペーサ40と各外部接続電極112,114とが接触し、両外部接続電極112,114間が電気的に短絡してしまう懸念がある。
そこで、スペーサ40は、図2(b)に示すように、長円状に開口された管を用いて形成することが好ましく、図2(b)のような構成を採用すれば、スペーサ40と各外部接続電極112,114との間に、フリットガラス53aにより形成された接合部51をより確実に介在させることができるので、製造歩留まりの向上を図れる。
また、本実施形態では、上述のように、製造時に、フリットガラス51a,52a付きスペーサ40やフリットガラス53a付きスペーサ40を用いることにより、第1のガラス基板20および第2のガラス基板30にガラスフリット51a,52aを配置する場合に比べて、スペーサ40とガラスフリット51a,52aとの位置精度が向上し、製造が容易になるとともに気密封止工程の歩留まりが向上する。
(実施形態2)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図3に示すように、有機EL素子10がプラスチック基板からなる透光性基板11の一表面上に形成され、透光性基板11の他表面の周部を全周に亘って第1のガラス基板20と接合してある点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
透光性基板11の平面視形状は、矩形状としてあるが、矩形状に限らず、例えば、円形状、三角形状、五角形状、六角形状などでもよい。
透光性基板11としては、無アルカリガラス基板や青ソーダガラス基板などの安価なガラス基板に比べて安価であり、且つ、当該ガラス基板よりも屈折率が大きなプラスチック基板の一種であるポリエチレンテレフタラート(PET)基板を用いている。プラスチック基板のプラスチック材料としては、PETに限らず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)などを採用してもよく、所望の用途や、屈折率、耐熱温度などに応じて適宜選択すればよい。なお、PETは、非常に安価で安全性の高いプラスチック材料である。また、PENは、PETと比べて、屈折率が高く耐熱性も良好であるが、高価である。
ところで、透光性基板11としてガラス基板を用いる場合には、透光性基板11の上記一表面の凹凸が有機EL素子10のリーク電流などの発生原因となることがある(有機EL素子10の劣化原因となることがある)。このため、透光性基板11としてガラス基板を用いる場合には、上記一表面の表面粗さが小さくなるように高精度に研磨された素子形成用のガラス基板を用意する必要があり、コストが高くなってしまう。なお、透光性基板11の上記一表面の表面粗さについては、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)で規定されている算術平均粗さRaを、数nm以下にすることが好ましい。
これに対して、本実施形態では、透光性基板11としてプラスチック基板を用いているので、特に高精度な研磨を行わなくても、上記一表面の算術平均粗さRaが数nm以下のものを低コストで得ることができる。
透光性基板11と第1のガラス基板20とを接合する接合部60は、例えば、接着用フィルム、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)などにより構成すればよい。
また、本実施形態の発光装置では、透光性基板11の上記一表面上に、接続配線12a,14aが形成されており、接続配線12a,14aと外部接続電極112,114とがボンディングワイヤ122,124を介して電気的に接続されている。なお、ボンディングワイヤ112,114としては、金線、アルミニウム線などの金属線を用いればよい。また、接続配線12a,14aと外部接続電極112,114との電気接続手段はボンディングワイヤ122,124に限らず、例えば、導電性ペースト(例えば、銀ペーストなど)や、金属膜などにより構成してもよい。
また、本実施形態の発光装置は、透光性基板11と第1のガラス基板20とスペーサ40と第2のガラス基板30とで囲まれた1つの空間に、封止用の液体(例えば、シリコーンオイル、パラフィンオイルなど)90を封入してある。しかして、外部からの有機EL素子10への水分やガスの到達をより確実に防止することができ、信頼性が向上する。なお、液体90を封入するために、第2のガラス基板30には、液体90の注入孔(図示せず)と、空気抜き孔(図示せず)とが形成されている。注入孔および空気抜き孔は、上記空間に液体90を封入した後に接着剤などにより封止すればよい。
ここにおいて、本実施形態の発光装置では、ボンディングワイヤとパッド122,124や当該ボンディングワイヤ122,124の結線部から金属などの不純物が液体90中へ溶出して信頼性が低下する懸念がある。そこで、本実施形態では、ボンディングワイヤ122,124を封止材料(例えば、シリコーン樹脂など)からなる被覆部140により覆ってある。しかして、ボンディングワイヤ122,124を被覆部140により覆ってあることにより、信頼性が向上する。また、本実施形態では、被覆部140が透光性基板11の周部を全周に亘って覆うように形成してある(つまり、被覆部140の平面視形状は枠状である)ので、透光性基板11と第1のガラス基板20との間の空間80へ液体90が漏れるのをより確実に防止することが可能となる。
ただし、透光性基板11と第1のガラス基板20とスペーサ40と第2のガラス基板30とで囲まれた1つの空間に、必ずしも液体90を封入する必要はなく、不活性ガス雰囲気や真空雰囲気としてもよい。この場合、上述の注入孔および空気抜き孔が不要となることは勿論である。
ところで、本実施形態の発光装置は、透光性基板11の上記他表面と第1のガラス基板20との間に設けられ有機EL素子10の発光層から放射された光の透光性基板11の上記他表面での反射を抑制する光取出し構造部70を備えている。
本実施形態の発光装置は、上述の光取出し構造部70が、透光性基板11の上記他表面側に設けられた凹凸構造部により構成され、当該凹凸構造部と第1のガラス基板20との間に空間80が存在している。しかして、発光層から放射され第1のガラス基板20まで到達した光の反射ロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。
ここにおいて、有機EL素子10の発光層および透光性基板11それぞれの屈折率は、光が取り出される外部雰囲気である空気の屈折率に比べて大きい。したがって、上述の光取出し構造部70が設けられずに透光性基板11と第1のガラス基板20との間の空間が空気雰囲気となっている場合には、透光性基板11からなる第1の媒質と空気からなる第2の媒質との界面で全反射が生じ、全反射角以上の角度で当該界面に入射する光は反射される。そして、第1の媒質と第2の媒質との界面で反射された光が有機EL層13または透光性基板11内部において多重反射し、外部に取り出されずに減衰するので、光取出し効率が低下する。また、第1の媒質と第2の媒質との界面に全反射角未満の角度で入射した光についても、フレネル反射が発生するため、さらに光取り出し効率が低下する。
これに対して、本実施形態では、透光性基板11の上記他表面側に光取出し構造部70を設けてあるので、有機EL素子10の外部への光取り出し効率を向上させることができる。
光取出し構造部70を構成する凹凸構造部は、2次元周期構造を有している。ここで、当該2次元周期構造の周期は、発光層で発光する光の波長が300〜800nmの範囲内にある場合、媒質内の波長をλ(真空中の波長を媒質の屈折率で除した値)とすれば、波長λの1/4〜10倍の範囲で適宜設定することが望ましい。
周期を例えば5λ〜10λの範囲で設定した場合には、幾何光学的な効果、つまり、入射角が全反射角未満となる表面の広面積化により、光取り出し効率が向上する。また、周期を例えばλ〜5λの範囲で設定した場合には、回折光による全反射角以上の光を取り出す作用により、光の取り出し効率が向上する。また、周期をλ/4〜λの範囲で設定した場合には、凹凸構造部付近の有効屈折率が透光性基板11の上記一表面からの距離が大きくなるにつれて徐々に低下することとなり、透光性基板11と空間80との間に、凹凸構造部の媒質の屈折率と空間80の媒質の屈折率との中間の屈折率を有する薄膜層を介在させるのと同等となり、フレネル反射を低減させることが可能となる。要するに、周期をλ/4〜10λの範囲で設定すれば、反射(全反射あるいはフレネル反射)を抑制することができ、有機EL素子10の光取り出し効率が向上する。ただし、幾何光学的な効果による光取り出し効率の向上を図る際の周期の上限としては、1000λまで適用可能である。また、凹凸構造部は、必ずしも2次元周期構造などの周期構造を有している必要はなく、凹凸のサイズがランダムな凹凸構造や周期性のない凹凸構造でも光取り出し効率の向上を図れる。なお、異なるサイズの凹凸構造が混在する場合(例えば、周期が1λの凹凸構造と5λ以上の凹凸構造とが混在する場合)には、その中で最も凹凸構造部における占有率の大きい凹凸構造の光取り出し効果が支配的になる。
光取出し構造部70を構成する凹凸構造部は、プリズムシート(例えば、株式会社きもと製のライトアップ(登録商標)GM3のような光拡散フィルムなど)により構成してあるが、これに限るものではない。例えば、透光性基板11の上記他表面に凹凸構造部をインプリント法(ナノインプリント法)により形成してもよいし、透光性基板11を射出成形により形成するようにし、適宜の金型を用いて透光性基板11に凹凸構造部を直接形成してもよい。
ここで、インプリント法により、凹凸構造部を形成する方法の一例について簡単に説明する。
まず、PET基板からなる透光性基板11の上記他表面上に、凹凸構造部の基礎となる高屈折率の透明材料(例えば、酸化チタンのナノ粒子を混入させた熱硬化性樹脂)からなる転写層をスピンコート法により形成する。次に、凹凸構造部の形状に応じてパターン設計した凹凸パターンを形成したモールドを、転写層に押し付けて当該転写層を変形させ硬化させる(例えば、熱硬化させる)ことにより凹凸構造部を形成し、モールドを凹凸構造部から離す。
なお、インプリント法としては、上述のように熱硬化性樹脂を転写層の透明材料として用いる熱インプリント法(熱ナノインプリント法)に限らず、転写層の材料として光硬化性樹脂を用いる光インプリント法(光ナノインプリント法)を採用してもよい。この場合には、粘度の低い光硬化性樹脂層からなる転写層をモールドにより変形させて、その後に紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、モールドを転写層から離すようにすればよい。インプリント法では、モールド用の金型さえ1度作れば、凹凸構造部を再現性良く形成することができ、低コスト化を図れる。
また、本実施形態では、透光性基板11と第1のガラス基板20とを接合する接合部60の厚み寸法などを適宜設定することにより、凹凸構造部の表面と第1のガラス基板20との間に空間80を確保することも可能である。ただし、この場合には、凹凸構造部の表面に傷が付くのを防止するためのハードコートを施すか、あるいは、硬度が十分に高いプリズムシートを用いるか、あるいは、硬化後の硬度が十分に高い透明材料を用いることが望ましい。ハードコートを施すためのハードコート剤としては、例えば、東洋インキ製のTYZシリーズ(〔平成21年12月22日検索〕、インターネット<URL:http://www.toyoink.co.jp/products/lioduras/index.html>)などの高屈折率タイプ(屈折率が1.63〜1.74程度)のハードコート剤を採用することができる。なお、TYZシリーズは、エポキシ樹脂などにフィラーとしてジルコニアを混入させた紫外線硬化型のハードコート剤である。また、たとえ第1のガラス基板20と凹凸構造部とが接触したとしても、第1のガラス基板20と凹凸構造部との間に空間80があれば、光取り出し効率の向上を図れる。
上述の光取出し構造部70は、凹凸構造部の表面と第1のガラス基板20との間に空間80が存在することが重要である。仮に、凹凸構造部の表面が、当該凹凸構造部と第1のガラス基板20との界面であるとすると、第1のガラス基板20と外部の空気との屈折率界面が存在するため、当該屈折率界面で再び全反射が生じる。これに対して、本実施形態では、有機EL素子10の光を一旦、空間80へ取り出すことができるので、空間80の空気と第1のガラス基板20との界面、第1のガラス基板20と外部の空気との界面で全反射ロスが生じなくなる。
しかしながら、発光装置の機械的強度や製造プロセスの簡易性を考慮して空間80を透光性材料により充実させた方が好ましい場合がある。この場合には、当該凹凸構造部と第1のガラス基板20との間に、第1のガラス基板20の屈折率以下の屈折率の透光性材料からなる透光部を有するようにすれば、全反射ロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。ここにおいて、透光部の透光性材料としては、例えば、シリカエアロゲル(n=1.05)のような屈折率が極めて1に近いもの、つまり、屈折率が空気の屈折率と同等とみなせる程度に小さい低屈折率材料が特に好ましい。
ところで、第1のガラス基板20を光が透過する際にフレネル反射による損失(フレネルロス)が生じる。したがって、本実施形態の発光装置では、第1のガラス基板20を透過する際のフレネルロスを低減することが望ましい。フレネルロスを抑制する手段としては、例えば、第1のガラス基板20の厚み方向の少なくとも一面に、単層もしくは多層の誘電体膜からなるアンチリフレクションコート(anti-reflection coat:以下、AR膜と略称する)を設けることが考えられる。要するに、第1のガラス基板20の上記一表面と上記他表面との少なくとも一面にAR膜を設けることが考えられる。ここにおいて、AR膜を例えば屈折率nが1.38のフッ化マグネシウム膜により構成する場合には、設計波長λを550nmとすれば、AR膜の厚さをλ/4n=550/(4×1.38)=99.6nmとすればよい。同様に、AR膜を例えば屈折率nが1.58の酸化アルミニウム膜により構成する場合には、設計波長λを550nmとすれば、AR膜の厚さをλ/4n=550/(4×1.58)=87.0nmとすればよい。また、AR膜は、厚さが99.6nmのフッ化マグネシウム膜と厚さが87.0nmの酸化アルミニウム膜との積層膜(2層AR膜)としてもよい。なお、誘電体膜の材料は、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウム以外の材料を採用してもよい。
本実施形態の発光装置では、第1のガラス基板20の厚み方向の少なくとも一面、好ましくは両面にAR膜を設けることにより、フレネルロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。
また、フレネルロスを抑制する他の手段としては、第1のガラス基板10の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ(蛾の目)構造を設けることが考えられる。モスアイ構造は、先細り状の微細突起が2次元アレイ状に配列されて2次元周期構造を有しており、多数の微細突起と隣り合う微細突起間に入り込んだ媒質(例えば、空気)とで反射防止部が構成されることとなる。ここにおいて、第1のガラス基板をナノインプリント法により加工してモスアイ構造を形成した場合には、微細突起の屈折率が第1のガラス基板20の屈折率と同じとなる。この場合、反射防止部の有効屈折率は、当該反射防止部の厚さ方向において第1のガラス基板20の屈折率(=1.51)と媒質の屈折率(=1)との間で連続的に変化し、フレネルロスの原因となる屈折率界面がなくなった状態が擬似的に得られる。したがって、モスアイ構造では、AR膜に比べて、波長や入射角に対する依存性を小さくでき、かつ、反射率も小さくすることができる。
モスアイ構造における微細突起の高さおよび微細突起の周期は、例えば、それぞれ200nm、100nmに設定すればよいが、これらの数値は一例であり、特に限定するものではない。
上述のモスアイ構造は、例えば、ナノインプリント法により形成することができるが、ナノプリント法以外の方法(例えば、レーザ加工技術)で形成してもよい。また、モスアイ構造は、例えば、三菱レイヨン株式会社製のモスアイ型無反射フィルムにより構成してもよい。
(実施形態3)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図4に示すように、スペーサ40の構造が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるスペーサ40は、合金により形成されて枠体の一部を構成し有機EL素子10の陽極12に電気的に接続される第1の合金部41と、合金により形成されて枠体の他の一部を構成し有機EL素子10の陰極14に電気的に接続される第2の合金部42と、第1の合金部41と第2の合金部42との互いの対向する対向面間に介在し第1の合金部41と第2の合金部42とを電気的に絶縁するフリットガラスにより形成された絶縁部43とで構成されている。ここにおいて、第1の合金部41および第2の合金部42の合金とは同じ合金を用いることが好ましく、コバールを用いることが好ましい。また、絶縁部43のフリットガラスとしては、コバールガラスを用いることが好ましい。
また、実施形態1では、第2のガラス基板30の平面サイズを第1のガラス基板20の平面サイズと同じにしてあるのに対して、本実施形態では、第2のガラス基板30の平面サイズを第1のガラス基板20の平面サイズよりもやや小さく設定してあり、第1の合金部41および第2の合金部42それぞれに一体形成され第2のガラス基板30側で第2のガラス基板30の厚み方向に沿う方向に突出した一対の端子片41a,42aを有している。本実施形態では、各端子片41a,42aの突出寸法を、各端子片41a,42aの先端面が、第2のガラス基板30における第1のガラス基板20側とは反対側の表面と略面一となるように設定してある。なお、各端子片41a,42aは、スペーサ40の周方向において各合金部41,42の一部分のみに形成してあるが、各合金部41,42の全長に亘って形成してもよいし、周方向において離間して複数箇所に形成してもよい。
本実施形態の発光装置では、有機EL素子10の陽極12が第1の合金部41に電気的に接続されるとともに、陰極14が第2の合金部42に電気的に接続され、且つ、第1の合金部41と第2の合金部42とが絶縁部43により電気的に絶縁されているので、スペーサ40の第1の合金部41および第2の合金部42を外部接続用電極112,114として利用することができるから、第1のガラス基板20の上記一表面上でスペーサ40の外側に外部接続用電極112,114を設ける場合に比べて、スペーサ40と第1のガラス基板20との接合信頼性を高めることができるとともに、非発光部の面積を低減することができる。
(実施形態4)
図5に示す本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、スペーサ40の端子片41a,42aが、第2のガラス基板30における第1のガラス基板20側とは反対側の表面を含む平面から突出するように突出寸法を設定してある点が相違する。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置では、外部電源などに接続されたコネクタ312,314の各端子片41a,42aへの接続が容易になる。
また、本実施形態の発光装置では、スペーサ40の外形寸法を第1のガラス基板20の外形寸法よりもやや小さく設定してあり、平面視において第1のガラス基板20の外周線よりもスペーサ40の外周線が内側に位置している。しかして、図6に示すように複数個の発光装置を一平面上に並べて配置してさらに大面積の発光モジュールを構成するような場合に、スペーサ40同士が直接接触するのを防止することができる。
1 パッケージ
10 有機EL素子
12 陽極
13 有機EL層
14 陰極
20 第1のガラス基板
30 第2のガラス基板
40 スペーサ
51 接合部
51a フリットガラス
52 接合部
52a フリットガラス

Claims (6)

  1. 有機EL素子が一表面側に配設され他表面側を光取り出し面側とする第1のガラス基板と、前記第1のガラス基板の前記一表面側で前記有機EL素子よりも離れて配置され前記第1のガラス基板に対向する第2のガラス基板と、前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に介在し前記有機EL素子を囲むスペーサとを備え、前記スペーサは、合金を用いて形成された枠体であり、前記第1のガラス基板および前記第2のガラス基板それぞれにフリットガラスにより形成された接合部を介して全周に亘って接合されてなることを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板と前記スペーサと前記フリットガラスとの熱膨張係数を揃えてあることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記合金が、コバールであることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
  4. 前記枠体は、前記合金からなる管を用いて枠状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記スペーサは、前記合金により形成されて前記枠体の一部を構成し前記有機EL素子の陽極に電気的に接続される第1の合金部と、前記合金により形成されて前記枠体の他の一部を構成し前記有機EL素子の陰極に電気的に接続される第2の合金部と、前記第1の合金部と前記第2の合金部との互いの対向する対向面間に介在し前記第1の合金部と前記第2の合金部とを電気的に絶縁するフリットガラスにより形成された絶縁部とで構成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記スペーサは、前記第1の合金部および前記第2の合金部それぞれに一体形成され前記第2のガラス基板側で前記第2のガラス基板の厚み方向に沿う方向に突出した端子片を有し、各端子片は、前記第2のガラス基板における前記第1のガラス基板側とは反対側の表面を含む平面よりも突出していることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
JP2010025928A 2010-02-08 2010-02-08 発光装置 Expired - Fee Related JP5543796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010025928A JP5543796B2 (ja) 2010-02-08 2010-02-08 発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010025928A JP5543796B2 (ja) 2010-02-08 2010-02-08 発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011165446A true JP2011165446A (ja) 2011-08-25
JP5543796B2 JP5543796B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=44595898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010025928A Expired - Fee Related JP5543796B2 (ja) 2010-02-08 2010-02-08 発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5543796B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104205400A (zh) * 2012-03-23 2014-12-10 株式会社Lg化学 用于有机电子器件的基板

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1074583A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Sanyo Electric Co Ltd 有機elディスプレイ及び有機elディスプレイの 製造方法
JP2004362926A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Toshiba Corp 画像表示装置およびその製造方法
JP2005276804A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Nippon Seiki Co Ltd 有機elパネル
JP2006128022A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Seiko Epson Corp 発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器
WO2008062645A1 (fr) * 2006-11-21 2008-05-29 Konica Minolta Holdings, Inc. Panneau électroluminescent organique et élément de scellement
JP2009016185A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Panasonic Electric Works Co Ltd 有機elパネル
JP2009152147A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Rohm Co Ltd 有機発光装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1074583A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Sanyo Electric Co Ltd 有機elディスプレイ及び有機elディスプレイの 製造方法
JP2004362926A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Toshiba Corp 画像表示装置およびその製造方法
JP2005276804A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Nippon Seiki Co Ltd 有機elパネル
JP2006128022A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Seiko Epson Corp 発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器
WO2008062645A1 (fr) * 2006-11-21 2008-05-29 Konica Minolta Holdings, Inc. Panneau électroluminescent organique et élément de scellement
JP2009016185A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Panasonic Electric Works Co Ltd 有機elパネル
JP2009152147A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Rohm Co Ltd 有機発光装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104205400A (zh) * 2012-03-23 2014-12-10 株式会社Lg化学 用于有机电子器件的基板
CN104321899A (zh) * 2012-03-23 2015-01-28 株式会社Lg化学 用于有机电子器件的基板
EP2830114A1 (en) * 2012-03-23 2015-01-28 LG Chem, Ltd. Substrate for organic electronic device
EP2830116A4 (en) * 2012-03-23 2015-12-30 Lg Chemical Ltd SUBSTRATE FOR ORGANIC ELECTRONIC DEVICE
EP2830114A4 (en) * 2012-03-23 2015-12-30 Lg Chemical Ltd SUBSTRATE FOR AN ORGANIC ELECTRONIC DEVICE
US9349981B2 (en) 2012-03-23 2016-05-24 Lg Display Co., Ltd. Substrate for organic electronic device
US9530979B2 (en) 2012-03-23 2016-12-27 Lg Display Co., Ltd. Substrate for organic electronic device
TWI610480B (zh) * 2012-03-23 2018-01-01 樂金顯示科技股份有限公司 用於有機電子裝置之基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP5543796B2 (ja) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5706916B2 (ja) 面状発光装置
KR101471501B1 (ko) 면상 발광 장치
JP5334888B2 (ja) 発光装置
JP5513917B2 (ja) 発光装置
JP5297399B2 (ja) 発光装置
US8907367B2 (en) Light emission device
JP2011204645A (ja) 発光装置
WO2013042784A1 (ja) 発光装置
JP5297400B2 (ja) 発光装置
JP5421843B2 (ja) 発光装置
WO2012121254A1 (ja) 面状発光装置およびその製造方法
JP5452691B2 (ja) 発光装置
JPWO2015004811A1 (ja) 有機el素子及びそれを用いた有機el照明装置
JP2011216353A (ja) 発光装置
WO2012121249A1 (ja) 面状発光装置
JP5543796B2 (ja) 発光装置
JP5452266B2 (ja) 発光装置
JP2015115234A (ja) 枠体および発光装置
JP2012212555A (ja) 発光装置
JP2011222448A (ja) 発光装置の製造方法
JP2013239456A (ja) 発光装置の製造方法
WO2012132823A1 (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140415

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140509

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees