JP2011164286A - 光学フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外線吸収層における近赤外線吸収剤の光劣化防止に優れた光学フィルターを提供する。
【解決手段】近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を同一層または別個の層に含有する層が設けられた光学フィルターであって、該紫外線吸収剤が下記一般式(1)、
Figure 2011164286

で表されるトリアジン化合物を少なくとも1種以上含有する光学フィルターである。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤を同一又は別個の層に含有する層が設けられた光学フィルターに関するものであり、近赤外線吸収層の紫外線による劣化防止に優れた光学フィルターで、特にプラズマディスプレイ用光学フィルターとして有用である。
近年、多種の画像表示装置(ディスプレイ)、例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイの開発とこれらを組み込んだ機器が実用化されている。これらの各種画像表示装置の中でも、ハイビジョン用大型壁掛けテレビ、マルチメディア用大画面ディスプレイとしてカラープラズマディスプレイが注目を浴びている。
プラズマディスプレイパネル等のディスプレイにおいては、放電ガスにネオン及びキセノンの混合ガスを用いているため、使用中に近赤外線(以下NIRと記す場合もある)を放出するが、この近赤外線が近赤外線を用いた周辺電子機器あるいは通信機器の誤作動を引き起こすことが問題となっている。このため、波長750〜1100nmの近赤外線リモコンの誤作動の原因となる不要な波長の光を選択的に吸収する近赤外線吸収剤を含有する層を設けた光学フィルターが使用されている。
近赤外線吸収剤を含有する光学フィルターとして、例えば、下記特許文献1には、特定の構造を有するシアニン化合物及びジイモニウム化合物を必須成分とする近赤外線吸収層を有する近赤外線吸収フィルムが開示されており、下記特許文献2には、特定の構造を有する金属錯体を含有する近赤外線吸収光学フィルターが開示されており、下記特許文献3には、ジイモニウム塩を含む近赤外線遮断フィルターが開示されている。
これらの近赤外線吸収剤は、外部光による劣化が著しいという問題が指摘され、近赤外吸収層の劣化を防止するため、光学フィルターを構成する透明基材樹脂や粘着剤層の中に紫外線吸収剤を配合したり、紫外線吸収剤を含有する塗工液を透明基材樹脂上に直接又は他の層を介して塗布したりする方法が行われている(下記特許文献4及び5)。
また、下記特許文献6及び7には、本発明で用いるトリアジン化合物系の紫外線吸収剤が報告されている。
特開2003−21715号公報 特開2005−99755号公報 特開2005−325292号公報 特開平11−249576号公報 特開2007−017742号公報 特開平11−71356号公報 WO2005/109052号公報
しかしながら、上記特許文献に開示されている紫外線吸収剤は、ベンゾトリアジン系、ベンゾフェノン系等の従来から用いられている紫外線吸収剤であり、380nmでの吸収が不十分でその紫外線吸収能が劣るため、近赤外吸収層の劣化防止という面で充分な効果を発揮することができなかった。また、上記特許文献6及び7には、近赤外線吸収層の光劣化防止に関する記載はない。
そこで本発明の目的は、近赤外線吸収層における近赤外線吸収剤の光劣化防止に優れた光学フィルターを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のトリアジン化合物からなる紫外線吸収剤を用いることで、上記課題を解決し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の光学フィルターは、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を同一層または別個の層に含有する層が設けられた光学フィルターであって、該紫外線吸収剤が下記一般式(1)、
Figure 2011164286
(式中、Rは炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数3〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又はアリールアルキル基を表す。ただし、これらアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基およびアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはイミノ基で中断されてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。Rは炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数3〜8のアルケニル基を表す。)で表されるトリアジン化合物の少なくとも1種以上であることを特徴とするものである。
本発明の光学フィルターは、前記紫外線吸収剤が下記一般式(2)、
Figure 2011164286
(式中、Rはヒドロキシ基、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはイミノ基で中断されてもよい炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基を表す。)で表されるトリアジン化合物であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターは、前記近赤外線吸収剤が、シアニン系近赤外線吸収剤および/またはジイモニウム系近赤外線吸収剤であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターは、前記シアニン系近赤外線吸収剤が、下記一般式(3)、
Figure 2011164286
(式中、環Aおよび環Bは各々独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を表し、RおよびRは各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRは各々独立に、エーテル結合またはチオエーテル結合で中断されてもよく、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R〜R11は各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、RとR及びR10とR11は、互いに結合して環構造を形成していてもよく、R12〜R14は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ジフェニルアミノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基またはアリールアルキル基のアルキレン部分は、−O−,−S−,−CO−,−COO−,−OCO−,−CH=CH−,−NHCO−、又は、−CONH−で中断されていても良く、R12〜R14の内、隣接する置換基は互いに結合してハロゲン原子で置換されてもよい環構造を形成してもよい。nは0〜3の整数であり、q及びrは0〜2の整数を表し、An1m−はm価のアニオンを表し、mは1又は2の整数を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターは、前記一般式(3)で表されるシアニン化合物が、下記一般式(4)、(5)または(6)、
Figure 2011164286
Figure 2011164286
Figure 2011164286
(式中、環A及び環Bは前記一般式(3)と同じものを表し、R’及びR’は各々独立に、塩素原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、またはメトキシ基を表し、R6’およびR’は各々独立に、エーテル結合で中断されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、R’〜R11’は各々独立に、炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R’とR’およびR10’とR11’は、互いに結合して環構造を形成していてもよく、R13’は水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基を表す。pAn1m−は前記一般式(3)と同じものを表す。)で表されるシアニン化合物であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターは、前記一般式(3)〜(6)のいずれかにおいてpAn1m−で表されるアニオン化合物が、下記一般式(7)、
Figure 2011164286
(式中、Mは、ニッケル原子又は銅原子を表し、R27及びR28は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、又は−SO−Z基を表し、Zは炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよい、炭素原子数6〜30のアリール基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペリジノ基、又はモルホリノ基を表し、x及びyは1〜4の整数を表す。)で表されることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターは、前記ジイモニウム系近赤外線吸収剤が、下記一般式(8)、
Figure 2011164286
(式中、R15〜R22は各々独立に、水素原子または置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、R23〜R26は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基または置換基を有してもよいアミノ基を表す。上記炭素原子数1〜8のアルキル基中のメチレン基は、−O−又は−CH=CH−で中断されていてもよく、tは1〜4の整数を表し、An2m−はm価のアニオンを表し、mは1または2の整数を表し、uは電荷を中性に保つ係数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターは、前記光学フィルターに設けられた近赤外線吸収剤および/または紫外線吸収剤を含有する層が、該吸収剤を層中に含有する粘着剤層および/または透明基材樹脂層であるか、或いは該吸収剤が塗布された透明基材層であることが好ましい。
本発明の光学フィルターは、画像表示装置用として好適に用いることができる。
また、本発明の光学フィルターは、プラズマディスプレイ用として好適に用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
前記一般式(1)のR及び前記一般式(2)のRで表される炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
前記一般式(1)のRで表される炭素原子数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
前記一般式(1)において、R及びRで表される炭素原子数3〜8のアルケニル基としては、直鎖及び分岐のプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニルが不飽和結合の位置によらず挙げられる。
前記一般式(1)のRで表される炭素原子数6〜18のアリール基又は炭素原子7〜18のアルキルアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,5−ジ第三ブチルフェニル、2,6−ジ−第三ブチルフェニル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,5−ジ第三アミルフェニル、2,5−ジ第三オクチルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル等が挙げられ、炭素原子数7〜18のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル等が挙げられる。
前記一般式(1)において、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、第三アミル、オクチル、第三オクチル等が挙げられ、中でもメチル基が、紫外線吸収能力に優れるため好ましい。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基およびアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはイミノ基で中断されてもよい。
前記一般式(1)又は(2)で表されるトリアジン系化合物としては、例えば、下記の化合物No.1〜No.5等の化合物が挙げられる。
Figure 2011164286
Figure 2011164286
Figure 2011164286
Figure 2011164286
Figure 2011164286
前記一般式(1)又は(2)で表されるトリアジン化合物の合成方法は、特に制限を受けることはなく、通常用いられる合成方法のいずれでもよい。例えば、塩化シアヌルにフェノール誘導体又はレゾルシノール誘導体を三塩化アルミニウムを用いて付加反応させる方法が挙げられる。R及びR又はRで表される置換基は、トリアジン構造を形成した後に導入してもよく、トリアジン構造を形成する前に、フェノール化合物又はレゾルシノール誘導体に導入してもよい。
本発明に係る近赤外線吸収剤としては、特に限定されず、近赤外領域に吸収を有する物質であるならばいずれでもよい。例えば、ポリメチン系色素(シアニン色素)、インドリノシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトール金属錯体系色素、スクアリリウム色素、トリアゾ色素、ジチオール金属錯塩系色素、ピリリウム色素、チアピリリウム色素、インドアニリン色素、アゾアントラキノン色素、ナフトキノン色素、アントロキノン色素、ビス(ジチオレン)色素、トリフェニルメタン系色素、アミニウム(アルミニウム)系色素、ジイモニウム系色素等の色素が挙げられ、中でも、シアニン系及びジイモニウム系化合物が好適であり、特に下記一般式(3)で表わされるシアニン化合物、または下記一般式(8)で表わされるジイモニウム化合物が好ましい。
Figure 2011164286
(式中、環Aおよび環Bは各々独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を表し、RおよびRは各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRは各々独立に、エーテル結合またはチオエーテル結合で中断されてもよく、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R〜R11は各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、RとR及びR10とR11は、互いに結合して環構造を形成していてもよく、R12〜R14は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ジフェニルアミノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基またはアリールアルキル基のアルキレン部分は、−O−,−S−,−CO−,−COO−,−OCO−,−CH=CH−,−NHCO−、又は、−CONH−で中断されていても良く、R12〜R14の内、隣接する置換基は互いに結合してハロゲン原子で置換されてもよい環構造を形成してもよい。nは0〜3の整数であり、q及びrは0〜2の整数を表し、An1m−はm価のアニオンを表し、mは1又は2の整数を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)
Figure 2011164286
(式中、R15〜R22は各々独立に、水素原子または置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、R23〜R26は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基または置換基を有してもよいアミノ基を表す。上記炭素原子数1〜8のアルキル基中のメチレン基は、−O−又は−CH=CH−で中断されていてもよく、tは1〜4の整数を表し、An2m−はm価のアニオンを表し、mは1または2の整数を表し、uは電荷を中性に保つ係数を表す。)
前記一般式(3)において、環A及び環Bで表される置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環の置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン基;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基;フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル等のアリール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第二ブトキシ、第三ブトキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ等のアルキルチオ基;ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
前記一般式(3)において、R及びRで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記一般式(3)において、R及びRで表される炭素原子数6〜30のアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,5−ジ第三ブチルフェニル、2,6−ジ−第三ブチルフェニル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,5−ジ第三アミルフェニル、2,5−ジ第三オクチルフェニル、2,4−ジクミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニルが挙げられる。
前記一般式(3)において、R及びRで表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシルが挙げられる。
前記一般式(3)において、R及びRで表される炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル等のアルキル基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、1−フェニルプロペン−3−イル等のアルケニル基;フェニル基;ナフチル基;2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル等のアルキルアリール基;ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基、及びこれらの炭化水素基がエーテル結合、チオエーテル結合で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、2−メチルチオエチル、2−フェニルチオエチルが挙げられ、更にこれらの基は、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子からなる群から選択される一種以上で置換されていてもよい。
前記一般式(3)において、R〜R14で表される炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基としては、前記したR及びRと同じのものが挙げられる。
前記一般式(3)において、R〜R14で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
前記一般式(3)中、RとR、R10とR11並びにR12、R13及びR14のうち隣接する置換基が互いに結合して形成する環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、テトラヒドロピラン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロリジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環等が挙げられ、これらの環は他の環と縮合されていたり、置換されていたりしてもよい。
また、本発明の光学フィルターにおいては、前記一般式(3)で表されるシアニン化合物が、下記一般式(4)、(5)または(6)、
Figure 2011164286
Figure 2011164286
Figure 2011164286
(式中、環A及び環Bは前記一般式(3)と同じものを表し、R’及びR’は各々独立に、塩素原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、またはメトキシ基を表し、R’およびR’は各々独立に、エーテル結合で中断されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、R’〜R11’は各々独立に、炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R’とR’およびR10’とR11’は、互いに結合して環構造を形成していてもよく、R13’は水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基を表す。pAn1m−は前記一般式(3)と同じものを表す。)で表されるシアニン化合物であることが好ましい。
前記一般式(4)〜(6)において環A及び環Bで表される置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環の置換基としては、前記一般式(3)と同じものを挙げることができる。
前記一般式(4)〜(6)においてR’及びR’で表される炭素原子数1〜8の炭化水素基としては、前記一般式(3)のR等で示したアルキル基と同じものを挙げることができる。
前記一般式(3)、(4)、(5)または(6)で表されるシアニン化合物としては、例えば、特開2002−250632号公報、特開2007−256717号公報及び特開2008−250022号公報等に記載されているようなシアニン化合物が挙げられ、具体的には、下記化合物No.6〜13が挙げられる。但し、以下の例示では、アニオンを省いたシアニンカチオンで示す。
Figure 2011164286
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前記一般式(3)〜(6)において、An1m−で表されるアニオンとしては、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リン酸アニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン;ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジフェニルアミン−4−スルホン酸アニオン、2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸アニオン、2−アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸アニオン、特開平8−253705号公報、特表2004−503379号公報、特開2005−336150号公報、国際公開2006/28006号公報等に記載されたスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドアニオン、ビスパーフルオロブタンスルホニルイミドアニオン、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホネートアニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウムアニオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)カルボアニオン、ジベンゾイル酒石酸アニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。また、励起状態にある活性分子を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するクエンチャーアニオンやシクロペンタジエニル環にカルボキシル基やホスホン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を有するフェロセン、ルテオセン等のメタロセン化合物アニオン等も、必要に応じて用いることができ、中でも光学フィルターに優れた耐光性を付与することからベンゼンチオール金属錯体化合物が好適であり、下記一般式(7)で表わされるアニオンがより好適に用いられる。
Figure 2011164286
(式中、Mは、ニッケル原子又は銅原子を表し、R27及びR28は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、又は−SO−Z基を表し、Zは炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよい、炭素原子数6〜30のアリール基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペリジノ基、又はモルホリノ基を表し、x及びyは1〜4の整数を表す。)
前記一般式(7)における炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、ジアルキルアミノ基中のアルキル基、ジアリールアミノ基中のアリール基は上記で例示したものと同様のものを挙げることができる。
本発明に係る前記一般式(7)で表されるアニオンとして、より具体的には下記化合物No.14〜No.16を挙げることができる。
Figure 2011164286
Figure 2011164286
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前記一般式(8)において、R15〜R26で表される置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、前記一般式(3)におけるR等で示したものが挙げられる。また、前記一般式(8)において、R23〜R26で表されるハロゲン原子としては、前記一般式(3)におけるR等で示したものが挙げられる。
前記一般式(8)において、R23〜R26で表される置換基を有してもよいアミノ基としては、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。
前記一般式(8)において、An2m−で表されるアニオンとしては、特に制限されず、前記一般式(3)において例示したアニオンを用いることができる。また、下記一般式(9)で表される一価のアニオンが、初期の耐久性に優れるため好適に使用できる。
Figure 2011164286
(式中、R29及びR30は、各々独立に、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)
前記一般式(8)で表されるジイモニウム化合物の具体例としては、下記化合物No.17〜No.20が挙げられる。尚、以下の例示では、アニオンを省いたジイモニウムカチオンで示す。
Figure 2011164286
Figure 2011164286
Figure 2011164286
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本発明に係る紫外線吸収剤は、光学フィルターを構成する紫外線吸収層又は、近赤外線吸収層に含有させて使用することができる。紫外線吸収層は、光学フィルターの適切な位置に1層又は必要により複数層設けられる。紫外線吸収層が複数層設けられる場合、紫外線吸収層の数は特に限定されないが、好ましくは2〜3層である。紫外線吸収層を形成する方法としては、透明基材や粘着剤層中に紫外線吸収剤を混入させる方法、紫外線吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接又は他の層を介して塗布する方法等が挙げられる。通常、紫外線吸収層は、外部光による近赤外線層の劣化を防止するために近赤外線層よりも視覚側に設けられるが、プラズマディスプレイの構造によっては、プラズマディスプレイから紫外線が放出されるものもあるので、この場合には、近赤外線層よりも内側(プラズマディスプレイ側)又は両側に設けられる。
前記一般式(1)又は(2)で表される紫外線吸収剤の合計使用量は、光学フィルターを構成する一つの層において、粘着剤層又は透明基材樹脂の固形分に対して、0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。0.001質量%より少ないと紫外線吸収効果において充分ではなく、20質量%より多いと透明性が低下する等の問題がある。
本発明の光学フィルターにおいて、近赤外線吸収剤の使用量は、光学フィルターの単位面積当たり、通常1〜1000mg/m、好ましくは5〜100mg/mの範囲である。1mg/m未満の使用量では、光吸収効果を十分に発揮することができず、1000mg/mを超えて使用した場合には、フィルターの色目が強くなりすぎて表示品質等を低下させるおそれがあり、さらには、明度が低下するおそれもある。尚、近赤外線吸収剤化合物が複数種の混合物である場合はその合計量を上記使用量とする。
前記近赤外線吸収剤は、その使用量を、光学フィルターの単位面積当たり、上述の範囲にするには、通常、次のようにして使用される。例えば、粘着剤層を有する本発明の光学フィルターを造る場合には、粘着剤の固形分100質量部に対し、近赤外線吸収剤化合物を0.00001〜1.0質量部、好ましくは0.001〜0.1質量部及びメチルエチルケトン等の溶剤を0.1〜1000質量部、好ましくは1.0〜500質量部として粘着剤溶液を調製し、この粘着剤溶液を、易密着処理をしたPETフィルム等の透明基材に塗布した後、乾燥させ、厚さ2〜400ミクロンの粘着剤層を形成する。
前記粘着剤層としては、シリコン系、ウレタン系、アクリル系等の粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、SBR系粘着剤、ゴム系粘着剤等の公知の合わせガラス用透明粘着剤を用いることができ、ゼラチン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、アルギン酸等の天然高分子材料、あるいは、ポリメチルメタクリレート、ビニルトルエンアクリレートポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレンアクリレート、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリアクリロニトリル等の合成高分子材料等のバインダー;有機溶媒;付着付与剤;軟化剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;可塑剤;消泡剤;レベリング剤;分散剤等を併用することができる。上記粘着剤として例示した中でも、アクリル系粘着剤、特に酸性アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
前記アクリル系粘着剤としては特に限定されず、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等の反応性官能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の単独重合体あるいは複数種を組み合わせた共重合体、又は上記反応性官能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体やビニル系単量体のようなエチレン性不飽和二重結合を有する単量体との共重合体を用いることができ、必要に応じて粘着剤の凝集力を向上させるために、硬化剤として、金属キレート系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、アジリジン系化合物、オキサゾリン化合物等の架橋剤を含有するものを用いることができる。
上記アクリル系粘着剤としては市販のものを用いることができ、例えば、デービーボンド5541(ダイアボンド社製)、SKダインAS−1925、KP−2230、SK−1811L(綜研化学社製)、DX2−PDP−19(日本触媒社製)、AT−3001(サイデン化学社製)、オリバインBPS5896(東洋インキ社製)、CS−9611(日東電工社製)等が挙げられる。
本発明の近赤外線層又は紫外線吸収剤層に用いる透明基材は、特に限定されず、光学フィルターの用途に合わせて適する物性のものを適宜選択して使用することができ、例えば、ガラス等の無機材料;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリウレタン;エポキシ樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等の高分子材料が挙げられる。透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。上記の樹脂は、単独で用いてもよく、用途に応じて2種類以上の混合物及び/又は共重合体で、あるいは積層させて用いてもよい。
前記透明基材樹脂の形成方法としては、特に制限されることはなく、前記樹脂成分に好適な方法を使用すればよく、例えば、溶液流延法、溶融成形法等が挙げられる。
前記溶液流延法とは、樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液をバーコート、スピンコート、ディップコート、Tダイ、バー付きTダイ、ドクターナイフコート、エアーナイフコート、ロールコート、ダイコート、グラビアコート、ホッパーを使用するエクストルージョンコート等を用いて、各種耐熱材料、スチールベルト、金属箔等の平板又はロール上に流延し、溶媒成分を乾燥して基材樹脂を得る方法である。本発明で透明基材樹脂を溶液流延法にて形成する場合は、前記のトリアジン化合物を樹脂溶液に必要量添加したものを使用すればよく、また、樹脂原料モノマーの光によるラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等によっても形成することができる。
前記溶融成形法とは、溶融させた樹脂組成物を用いて、Tダイを用いた方法やインフレーション法等の溶融押出法;カレンダー法;熱プレス法;射出成形法により透明基材樹脂を得る方法である。
透明基材に近赤外線吸収剤や紫外線吸収剤を塗布する方法としては、公知の方法により行うことができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、パイプドクター法、ホッパーを使用するエクストルージョンコート法(米国特許第2681294号明細書記載)等が挙げられる。二以上の層を同時塗布により形成してもよい。同時塗布法については、米国特許第2761791号、米国特許第2941898号、米国特許第3508947号、米国特許第3526528号の各明細書及び原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。
本発明の光学フィルターは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の画像表示装置用に有用である。
本発明の光学フィルターにおける近赤外線吸収層又は紫外線吸収層の厚さは、樹脂成分と用途により、適宜設定すればよい。例えば偏光板保護フィルムに使用する場合は、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μmである。フィルムの厚さが薄すぎると、強度が低下するおそれがあり、シートが厚すぎると透明性が劣り複屈折性が高くなり、外観性が低下するおそれがある。
また、本発明の光学フィルターにおける透明基材樹脂或いは、近赤外線吸収層又は紫外線吸収層には、必要に応じて種々の添加剤を使用してもよく、更に透明基材樹脂には表面処理を施しても良い。
前記の添加剤としては、酸化防止剤(フェノール系、リン系またはチオエーテル系等)、本発明に係るトリアジン化合物以外の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、造核剤、帯電防止剤、光吸収性色素、顔料、染料、滑剤、加工助剤、可塑剤、金属不活性化剤、並びに無機微粒子、ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン酸アミド系化合物、メラミン系化合物、フッ素樹脂、シリコン樹脂、金属酸化物、(ポリ)リン酸メラミン、及び(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤等が挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、トコフェノール等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−4−[3−[[2,4,8,10−トラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]プロピル]フェノール、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
前記チオエーテル系酸化防止剤としては、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
前記本発明に係るトリアジン化合物以外の紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系及び前記一般式(1)または(2)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤以外のトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類等が挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類が挙げられる。
前記ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
前記一般式(1)または(2)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤以外のトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(4−イソオクチルオキシカルボニルエトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類等が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
前記造核剤としては、例えば、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸類の金属塩、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウム、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステルナトリウム、ビス〔メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸エステル〕ヒドロキシアルミニウムなどの芳香族リン酸エステル金属塩および芳香族リン酸エステル金属塩とアルカリ金属化合物の混合物、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジメチルベンジリデンソルビトール)などのジベンジリデンソルビトール類、アミノ酸金属塩、ロジン酸金属塩などが挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えば、脂肪酸第四級アンモニウムイオン塩、ポリアミン四級塩等のカチオン系帯電防止剤;高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールEO付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アニオン型のアルキルスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物リン酸エステル塩等のアニオン系帯電防止剤;多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリコールリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のノニオン系帯電防止剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性型アルキルベタイン、イミダゾリン型両性活性剤等の両性帯電防止剤が挙げられる。かかる帯電防止剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上の帯電防止剤を組み合わせて用いてもよい。
また、前記表面処理としては、例えば、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理等が挙げられる。表面処理によって、表面に多数の凹凸や線等が設けられてもよい。
以下、評価例、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下のこれらの例によって何ら制限を受けるものではない。
[NIR吸収層の作製−1]
ノルボルネン樹脂(JSR(株)製、製品名:ARTON F5023)100質量部に対して、近赤外線吸収剤としてジイモニウム系化合物(日本化薬(株)製、製品名:IRG−068)0.3質量部、溶媒としてジクロロメタン2000質量部からなる樹脂溶液を、表面研磨したガラス板上にバーコーターを用いて流延し、50℃で20分の予備乾燥、90℃で30分の乾燥を経て、膜厚50〜60μmのフィルムを作製した後、1辺2cmの正方形のフィルム試験片を得た。
[NIR吸収層の作製−2]
上記NIR吸収層の作製−1における近赤外線吸収剤をシアニン系化合物(カチオン:前記化合物No.10/アニオン:前記化合物No.14)に替えた以外は同じの条件において試験片を作製した。
[紫外線吸収剤層の作製]
ノルボルネン樹脂(JSR(株)製、製品名:ARTON F5023)100質量部に対して、紫外線吸収剤として下記表1(表中記載の配合質量部)、表2および表3(「none」以外は全て0.3質量部)のそれぞれに記載の化合物、並びに溶媒としてジクロロメタン2000質量部からなる樹脂溶液を、表面研磨したガラス板上にバーコーターを用いて流延し、50℃で20分の予備乾燥、90℃で30分の乾燥を経て、膜厚80〜90μmのフィルムを作製した後、1辺2cmの正方形のフィルム試験片を得た。
[耐光性評価方法]
前記で得られたNIR吸収層及び紫外線吸収層を重ね合わせた試験片につき、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製;83℃、雨なし、光源カーボンアーク)にて、紫外線吸収層側から試験光が当たるようにして、360(又は540)時間暴露した。耐光試験前後のNIR領域の極大波長(前記NIR吸収層−1:1100nm、前記NIR吸収層−2:835nm)における透過率を測定し、透過率の減衰率(Δ透過率)により耐光性評価を行った。
<実施例1−1〜1−4及び比較例1−1〜1−8>
前記吸収層の作製に基づき得られたNIR吸収層−1(ジイモニウム系化合物)と下記表1及び表2に記載の紫外線吸収剤層を重ね合わせ、前記耐光性評価方法に基づいたΔ透過率の測定により耐光性の評価を行った。結果を表1及び表2に併せて記す。
<実施例2−1及び比較例2−1〜2−3>
前記吸収層の作製に基づき得られたNIR吸収層−2(シアニン系化合物)と下記表3に記載の紫外線吸収剤層を重ね合わせ、前記耐光性評価方法に基づいたΔ透過率の測定により耐光性の評価を行った。結果を表3に併せて記す。
Figure 2011164286
Figure 2011164286
化合物No.21:2−(4−イソオクチルオキシカルボニルエトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン
化合物No.22:2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(エチルヘキシロキシ)フェニル]−s−トリアジン
化合物No.23:2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール
化合物No.24:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
化合物No.25:2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
化合物No.26:ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
化合物No.27:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン
Figure 2011164286
化合物No.28:2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
上記の実施例及び比較例の結果から、本発明に係る特定のトリアジン化合物を必須成分とした実施例の配合系のみにおいて近赤外線吸収剤の光劣化に対して顕著な効果を示すことが確かめられた。これにより、本発明の光学フィルターが、近赤外線吸収層における近赤外線吸収剤の光劣化防止に優れることが明らかになった。

Claims (10)

  1. 近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を同一層または別個の層に含有する層が設けられた光学フィルターであって、該紫外線吸収剤が下記一般式(1)、
    Figure 2011164286
    (式中、Rは炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数3〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又はアリールアルキル基を表す。ただし、これらアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基およびアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはイミノ基で中断されてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。Rは炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数3〜8のアルケニル基を表す。)で表されるトリアジン化合物の少なくとも1種以上であることを特徴とする光学フィルター。
  2. 前記紫外線吸収剤が下記一般式(2)、
    Figure 2011164286
    (式中、Rはヒドロキシ基、ハロゲン原子またはアルコキシ基で置換されてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはイミノ基で中断されてもよい炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基を表す。)で表されるトリアジン化合物である請求項1記載の光学フィルター。
  3. 前記近赤外線吸収剤が、シアニン系近赤外線吸収剤および/またはジイモニウム系近赤外線吸収剤である請求項1または2記載の光学フィルター。
  4. 前記シアニン系近赤外線吸収剤が、下記一般式(3)、
    Figure 2011164286
    (式中、環Aおよび環Bは各々独立に、置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環を表し、RおよびRは各々独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRは各々独立に、エーテル結合またはチオエーテル結合で中断されてもよく、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R〜R11は各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、RとR及びR10とR11は、互いに結合して環構造を形成していてもよく、R12〜R14は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ジフェニルアミノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基または炭素原子数7〜30のアリールアルキル基を表し、該アルキル基またはアリールアルキル基のアルキレン部分は、−O−,−S−,−CO−,−COO−,−OCO−,−CH=CH−,−NHCO−、又は、−CONH−で中断されていても良く、R12〜R14の内、隣接する置換基は互いに結合してハロゲン原子で置換されてもよい環構造を形成してもよい。nは0〜3の整数であり、q及びrは0〜2の整数を表し、An1m−はm価のアニオンを表し、mは1又は2の整数を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)で表される化合物である請求項3記載の光学フィルター。
  5. 前記一般式(3)で表されるシアニン化合物が、下記一般式(4)、(5)または(6)、
    Figure 2011164286
    Figure 2011164286
    Figure 2011164286
    (式中、環A及び環Bは前記一般式(3)と同じものを表し、R4’及びR5’は各々独立に、塩素原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、またはメトキシ基を表し、R6’およびR7’は各々独立に、エーテル結合で中断されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、R8’〜R11’は各々独立に、炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R8’とR9’およびR10’とR11’は、互いに結合して環構造を形成していてもよく、R13’は水素原子、ハロゲン原子、またはメチル基を表す。pAn1m−は前記一般式(3)と同じものを表す。)で表されるシアニン化合物である請求項3または4記載の光学フィルター。
  6. 前記一般式(3)〜(6)のいずれかにおいてpAn1m−で表されるアニオン化合物が、下記一般式(7)、
    Figure 2011164286
    (式中、Mは、ニッケル原子又は銅原子を表し、R27及びR28は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、又は−SO−Z基を表し、Zは炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよい、炭素原子数6〜30のアリール基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペリジノ基、又はモルホリノ基を表し、x及びyは1〜4の整数を表す。)で表されるアニオン化合物である請求項4または5記載の光学フィルター。
  7. 前記ジイモニウム系近赤外線吸収剤が、下記一般式(8)、
    Figure 2011164286
    (式中、R15〜R22は各々独立に、水素原子または置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、R23〜R26は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基または置換基を有してもよいアミノ基を表す。上記炭素原子数1〜8のアルキル基中のメチレン基は、−O−又は−CH=CH−で中断されていてもよく、tは1〜4の整数を表し、An2m−はm価のアニオンを表し、mは1または2の整数を表し、uは電荷を中性に保つ係数を表す。)で表される化合物である請求項3記載の光学フィルター。
  8. 前記光学フィルターに設けられた近赤外線吸収剤および/または紫外線吸収剤を含有する層が、該吸収剤を層中に含有する粘着剤層および/または透明基材樹脂層であるか、或いは該吸収剤が塗布された透明基材層である請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルター。
  9. 画像表示装置用である請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学フィルター。
  10. 前記画像表示装置が、プラズマディスプレイである請求項9記載の光学フィルター。
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