JP2011163474A - 管継手 - Google Patents

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浩二 池田
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Abstract

【課題】高価な成形型を多数作製する必要がなく、コスト面で有利であり、且つ簡便な工程で容易に組み立てることができる管継手を提供する。
【解決手段】管継手200は、一端側に管体挿入用開口部14を有し、他端側に嵌合用凸部11を有する樹脂製継手部材1(架橋ポリエチレン及びポリブテン等を用いてなる。)と、一端側に嵌合用凹部21を有し、嵌合用凹部21に樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11が嵌め合わされている金属製継手部材2(ステンレス鋼を用いてなる。)と、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11の内部に設けられたスリーブ挿通孔に嵌め込まれた継手部材固定用スリーブ(ステンレス鋼を用いてなる。)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は管継手に関する。更に詳しくは、本発明は、金属部材と樹脂部材とをインサート成形により一体に形成する必要がないため、高価な成形型を多数作製する必要がなく、コスト面で極めて有利であるとともに、少量多品種生産に向いており、在庫を極力減らすこともでき、且つ簡易な構造の樹脂部材と金属部材とを嵌め合わせるという簡便な工程で容易に組み立てることができる管継手に関する。
従来、金属等からなる第2部分とスリーブなどを含む一体物と、樹脂を射出してなる第1部分とを一体成形する管継手の成形方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、この管継手では、一体成形された第1の管と、金属製の第2の管とが、ねじが設けられたソケットにより接続される。更に、ねじ部分を有する金属製インサートを、射出成形により、合成樹脂製の管継手本体に埋設し、一体とした合成樹脂製管継手も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この管継手では、インサートが凹凸を有し、管継手本体との密着性の向上が図られている。
前記のように、従来の管継手では、一方の部材と他方の部材との接続が、型内に固定された金属部材に樹脂を射出する、所謂、インサート成形によりなされることが多い。例えば、図7のように、ネジ部911が設けられた金属部材91を射出成形機の成形型内にインサートしておき、その後、樹脂を射出して樹脂部材92を成形することによって管継手が作製され、樹脂部材92に管体が溶着され、接続されて、水及び温水等の移送、供給に用いられる。また、従来の管継手では、各部材は、ねじ部を螺合させることによって一体に接続される構造であることが多い。
更に、管体が挿入される継手本体、継手本体の内部に設けられた環状の受面、ロックリング及び筒状の押圧体を備えるワンタッチ継手も知られており(例えば、特許文献3参照。)、管体の抜け出しを防止するため配設されるロックリングは、特許文献3に記載された継手では、環状の受面に係合されるとともに、押圧体の雄ねじ部を継手本体内に形成された雌ねじ部に螺合してなる継手内に、押圧体により位置決めされ、固定されている。このロックリング34は、受け面に係合されるベースリング35と、このベースリング35の周方向に突出している複数の規制片36とを備え(図8参照)、パイプを継手内に挿入したとき、規制片の爪が、パイプに食い込み、継手からのパイプの抜けが防止される。
また、配管継手として、溝を有する段部が設けられた金属製の接続金具にポリエチレン直管を圧入させた後、所定の外径を有するインサート金具をポリエチレン直管に圧入してなる継手が知られている(例えば、特許文献4参照。)。そして、このような配管継手は、金属部分とポリエチレン樹脂製の部分との離脱阻止機能を備え、気密性に優れている等と説明されている。
特開平9−170685号公報 特開平5−272685号公報 特開2000−46282号公報 特開2005−83573号公報
しかし、管継手は、ネジの種類と管体の径とにより、通常、少なくとも30品種以上あり、前記のインサート成形では、高価な成形型を多数作製する必要があり、少量多品種生産は容易ではない。更に、特許文献3に記載された継手では、用いられているロックリングは、ベースリングの周方向に突出している多くの規制片を有するため、継手内に挿入されたパイプに引き抜き方向への外力が作用した場合、パイプの全周のうちの多くの部分に規制片が食い込んで裂き傷が生じ、水及び温水等が漏れ出すことがあり、パイプが破断することもある。
また、従来、2枚のロックリングを使用し、パイプ挿入時に各々の凸状片(規制片)に加わる荷重を分散させ、パイプの裂き傷、破断等を抑える方法も採られているが、この場合、近接するより多くの凸状片によって、パイプ挿入時の荷重が大きくなり、挿入が容易ではない。更に、従来のロックリングは環状のベースリングを有しているため、外径が大きくなり、継手本体の内外径も大きくなるためコスト高になるとともに、施工し難いという問題もある。また、従来のロックリングでは、固定するための押さえ部材が必須であり、ネジ部を有する継手本体とする必要もあり、管継手の構造が複雑になり、ロックリングの装着作業も煩雑である。
更に、特許文献4に記載された配管継手では、インサート金具の圧入により接続されるのは、金属部分と、管体を直接溶着するためのポリエチレン樹脂製の直管とであり、樹脂製継手部材と金属製継手部材とを継手部材固定用スリーブ(インサート金具)を用いて一体に固定してなる管継手とは全く異なる。
本発明は、前記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、金属部材と樹脂部材とをインサート成形により一体に形成する必要がないため、高価な成形型を多数作製する必要がなく、コスト面で極めて有利であるとともに、少量多品種生産に向いており、在庫を極力減らすこともでき、且つ簡易な構造の樹脂部材と金属部材とを嵌め合わせるという簡便な工程で容易に組み立てることができる管継手を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.一端側に管体挿入用開口部を有し、他端側に嵌合用凸部を有する樹脂製継手部材と、一端側に嵌合用凹部を有し、該嵌合用凹部に前記樹脂製継手部材が有する前記嵌合用凸部が嵌め合わされている金属製継手部材と、前記樹脂製継手部材が有する前記嵌合用凸部の内部に設けられたスリーブ挿通孔に嵌め込まれた継手部材固定用スリーブと、を備えることを特徴とする管継手。
2.前記嵌合用凸部の外周面に、複数の環状凸部が軸線方向に連設され、且つ前記嵌合用凹部の内周面に、複数の環状凹部が軸線方向に連設され、該環状凸部と該環状凹部とが嵌め合わされている前記1.に記載の管継手。
3.前記樹脂製継手部材の内周面には、前記スリーブ挿通孔と他部との境界部に部材側テーパー面が形成されており、該スリーブ挿通孔の径が該他部の径より小さい前記1.又は2.に記載の管継手。
4.前記継手部材固定用スリーブの、前記スリーブ挿通孔に嵌め込まれる側の先端部の外周面にスリーブ側テーパー面が形成されている前記3.に記載の管継手。
5.前記嵌合用凹部の底面に、前記継手部材固定用スリーブの前記スリーブ挿通孔に嵌め込まれる側の先端面が当接する環状のスリーブ係止部が形成されている前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の管継手。
6.前記樹脂製継手部材の材質が、挿入される管体と同材質である前記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の管継手。
7.前記樹脂製継手部材の内面側にロックリング嵌込部が設けられており、該ロックリング嵌込部に管継手用ロックリングが嵌め込まれている前記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の管継手。
8.前記管継手用ロックリングは、周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリットを有し、円筒状であるロックリング本体と、前記ロックリング本体の管体挿入側端部に、内方向、且つ管体送出側端部方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪と、前記ロックリング本体の管体送出側端部に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪と、前記ロックリング本体の管体送出側端部に、該ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪と、を備える前記7.に記載の管継手。
本発明の管継手によれば、樹脂製継手部材の嵌合用凸部の内部に嵌め込まれた継手部材固定用スリーブにより、樹脂製継手部材と金属製継手部材とが一体に固定される構造であるため、従来のインサート成形のように、高価な成形型を多数作製する必要がなく、コスト面で極めて有利である。また、少量多品種生産に向いており、在庫を極力減らすこともできる。更に、この管継手は、簡便な工程で、容易に組み立て、作製することができる。
また、嵌合用凸部の外周面に、複数の環状凸部が軸線方向に連設され、且つ嵌合用凹部の内周面に、複数の環状凹部が軸線方向に連設され、環状凸部と環状凹部とが嵌め合わされている場合は、樹脂製継手部材の嵌合用凸部と、金属製継手部材の嵌合用凹部とが、より強固に嵌め合わされ、樹脂製継手部材と金属製継手部材とがより強固に一体化された管継手とすることができる。
更に、樹脂製継手部材の内周面には、スリーブ挿通孔と他部との境界部に部材側テーパー面が形成されており、スリーブ挿通孔の径が他部の径より小さい場合は、内径の大きい他部から嵌め込まれた継手部材固定用スリーブにより、嵌合用凸部の外径を十分に拡径させることができ、嵌合用凸部の外周面を、金属製継手部材の嵌合用凹部の内周面により強く押圧させることができ、樹脂製継手部材と金属製継手部材とが特に強固に一体化された管継手とすることができる。
また、継手部材固定用スリーブの、スリーブ挿通孔に嵌め込まれる側の先端部の外周面にスリーブ側テーパー面が形成されている場合は、継手部材固定用スリーブを、樹脂製継手部材のスリーブ挿通孔により容易に嵌め込むことができる。
更に、嵌合用凹部の底面に、継手部材固定用スリーブのスリーブ挿通孔に嵌め込まれる側の先端面が当接する環状のスリーブ係止部が形成されている場合は、継手部材固定用スリーブを、軸線方向の所定位置により正確に嵌め込み、固定することができる。
また、樹脂製継手部材の材質が、挿入される管体と同材質である場合は、例えば、熱膨張率等の物性の差により、経時とともに、樹脂製継手部材等に歪みが生じる等の問題が起きることがない。
更に、樹脂製継手部材の内面側にロックリング嵌込部が設けられており、ロックリング嵌込部に管継手用ロックリングが嵌め込まれている場合は、管体をワンタッチで容易に挿入し、接続することができ、且つ管体の抜け出しも防止される。
また、前記の特定の構造を有する管継手用ロックリングである場合は、管体の挿入、接続がより容易であり、且つ管体の抜け出しがより確実に防止される。
(a)はスリーブ挿通孔に嵌め込まれる前の継手部材固定用スリーブの正面図、(b)は樹脂製継手部材の一部断面図、及び(c)は金属製継手部材の一部断面図である。 樹脂製継手部材の嵌合用凸部が、金属製継手部材の嵌合用凹部に嵌め合わされて、固定され、且つ樹脂製継手部材の内面側に設けられたロックリング嵌込部に管継手用ロックリングが嵌め込まれてなる管継手の一部断面図である。 図2の管継手に管体が挿入された様子を表す一部断面図である。 保持爪となる凸状片が折り曲げられておらず、且つ円筒状に丸められる前の平板状の予備成形体の平面図である。 図4の予備成形体の長さ方向の一方側及び他方側の各々の凸状片が内方、且つ他方側へ折り返えされ、又は折り曲げられて、保持爪が形成されるとともに、幅方向に円筒状に丸められてなる管継手用ロックリングの斜視図である。 (a)は図5の管継手用ロックリングを管体挿入側端部方向からみた平面図であり、(b)は側面図である。 金属部材に樹脂部材をインサート成形してなる従来の管継手を構成する継手本体の断面図である。 (a)はベースリングと規制片とを備える従来の管継手用ロックリングの平面図であり、(b)は側面図である。
以下、本発明を図を参照しながら詳しく説明する。
[1]管継手
本発明の管継手では、管体を、人手で容易に、所謂、ワンタッチで挿入し、固定することができ、且つ管体の抜け出しを防止することができる。
本発明の管継手100は、一端側に管体挿入用開口部14(組み立て前の図1参照)を有し、他端側に嵌合用凸部11を有する樹脂製継手部材1と、一端側に嵌合用凹部21を有し、嵌合用凹部21に樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11が嵌め合わされている金属製継手部材2と、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11の内部に設けられたスリーブ挿通孔112に嵌め込まれた継手部材固定用スリーブ3と、を備える。
前記「管継手100」(図2、3参照)は、例えば、水又は温水等の移送、供給に用いられる管体4が挿入され、固定される一方の継手部材(例えば、図1〜3の樹脂製継手部材1参照)を、他方の継手部材(例えば、図1〜3の金属製継手部材2参照)に接続し、固定することにより構成される。この一方の継手部材と他方の継手部材とは、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11を、金属製継手部材2が有する嵌合用凹部21に嵌め込み、その後、嵌合用凸部11の内部に設けられたスリーブ挿通孔112(組み立て前の図1参照)に、この挿通孔の内径より少し大径の継手部材固定用スリーブ3を嵌め込んで拡径させ、嵌合用凸部11の外周面と嵌合用凹部21の内周面とを密接させることにより、一体に固定し、接続することができる。
(1)樹脂製継手部材
前記「樹脂製継手部材1」は、一端側から管体4を挿入し、固定することができ、且つ他端側に嵌合用凸部11を有しており、金属製継手部材2と一体に固定させることができる構造を有する。また、一端側には、挿入された管体4が容易には抜け出さないように管継手用ロックリング(以下、「ロックリング」という。)が配設されている(例えば、図1〜3のロックリング200参照)。樹脂製継手部材1の、その他の構造は特に限定されない。更に、樹脂製継手部材1の材質も特に限定されないが、樹脂製継手部材1は、その一部に、管体4内を移送される水又は温水等が接触するため、優れた耐水性を有することが好ましく、温水に用いられることも多いため、併せて耐熱性も有していることが好ましい。また、十分な強度、特にウォーターハンマーに対する耐衝撃性、及び冬期等の低温下にも脆性破壊することのない優れた低温脆性等を有することがより好ましい。更に、配管時の施工が容易であること、特に冬期等の寒冷時でも脆化せず、適度に柔軟であること等の観点で、通常、架橋ポリエチレン及びポリブテン等を用いてなる樹脂製継手部材1が用いられる。
(1−1)嵌合用凸部
前記「嵌合用凸部11」は、金属製継手部材2が有する嵌合用凹部21に嵌め合わせることができ、且つ内部に設けられたスリーブ挿通孔112に継手部材固定用スリーブ3(図1参照)を嵌め込むことができる円筒構造を備える。
嵌合用凸部11の外周面は平滑面であっても、スリーブ挿通孔112の径に対して十分に外径の大きい継手部材固定用スリーブ3を用いれば、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを一体に固定させることができるが、継手部材固定用スリーブ3の外径が過大であると、継手部材固定用スリーブ3の嵌め込みが容易ではない。そのため、嵌合用凸部11の外周面に、複数の環状凸部111を軸線方向に連設し、且つ金属製継手部材2の嵌合用凹部21の内周面に環状凹部211を連設し、環状凸部111と嵌合用凹部21とを嵌め合わせる構造とすることが好ましい(図1〜3参照)。このようにすれば、嵌合用凸部11に過大な押圧力を加えることなく、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを十分な強度で一体に接続させ、固定させることができる。
また、樹脂製継手部材1の内周面には、スリーブ挿通孔112と他部との境界部に部材側テーパー面13(図1参照)が形成されており、スリーブ挿通孔112の径が他部の径より小さいことが好ましい。これにより、所定の外径を有する継手部材固定用スリーブ3を、スリーブ挿通孔112により容易に嵌め込むことができ、且つ嵌合用凸部11の外周面を、嵌合用凹部21の内周面に十分に圧接させることができ、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを、より強固に一体に固定することができる。
(2)金属製継手部材
前記「金属製継手部材2」は、一端側に、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11を嵌め合わせ、樹脂製継手部材1と一体化させることができる嵌合用凹部21を有し、且つ他端側を水及び温水等の供給源又は供給先に接続することができればよく、その他の構造は特に限定されない。また、金属製継手部材2の材質は特に限定されないが、嵌合用凹部21に嵌合用凸部11が圧接されたときの押圧力に耐え、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを強固に一体に固定させるためには、強度が大きく、耐久性に優れ、且つ加工し易い金属を用いてなる金属製継手部材2であることが好ましい。このような観点で、通常、黄銅、青銅等の銅合金を用いてなる金属製継手部材2が用いられる。
(2−1)嵌合用凹部
前記「嵌合用凹部21」は、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11を嵌め合わすことができる円筒構造を備える(図1〜3参照)。
嵌合用凹部21の内周面は平滑面であっても、嵌合用凸部11の内径に対して十分に外径の大きい継手部材固定用スリーブ3を用いれば、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを一体に固定させることができるが、継手部材固定用スリーブ3の外径が過大であると、継手部材固定用スリーブ3の嵌め込みが容易ではない。そのため、嵌合用凹部21の内周面に、複数の環状凹部211を軸線方向に連設し、樹脂製継手部材1の嵌合用凸部11の外周面に設けられた複数の環状凸部111と嵌め合わせる構造にすることが好ましい(図1〜3参照)。このようにすれば、嵌合用凸部11に過大な押圧力を加えることなく、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを十分な強度で一体に接続させ、固定することができる。
更に、継手部材固定用スリーブ3は、各々の継手部材に位置決めのための構造部分を設けることなく、スリーブ挿通孔112内の所定位置に容易に嵌め込むことができるが、嵌合用凹部21の底面に、継手部材固定用スリーブ3の、スリーブ挿通孔112に嵌め込まれる側の先端面を当接させ、係止するための環状のスリーブ係止部22が形成されていることが好ましい。このようにすれば、継手部材固定用スリーブ3の位置決めが正確になされるとともに、管継手使用時、経時とともに、特にウォーターハンマー等によって継手部材固定用スリーブ3が所定位置から移動してしまうようなこともない。
(3)継手部材固定用スリーブ
前記「継手部材固定用スリーブ3」は、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11の内部に設けられたスリーブ挿通孔112に嵌め込んで用いられる。継手部材固定用スリーブ3の外径は、スリーブ挿通孔112の径より大きく、これによって、嵌合用凸部11の外周面が金属製継手部材2が有する嵌合用凹部21の内周面に向かって押圧され、樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とが強固に一体に固定される。また、スリーブ挿通孔112の径が過小であると、継手部材固定用スリーブ3の嵌め込みが容易ではなく、樹脂製継手部材1、特に嵌合用凸部11が歪んでしまうこともあるため、継手部材固定用スリーブ3の外径(d)と、スリーブ挿通孔112の径(d)との比(d/d)は、1.05〜1.30、特に1.08〜1.20であることが好ましい。d/dが1.05〜1.30であれば、継手部材固定用スリーブ3を容易に嵌め込むことができ、樹脂製継手部材1が歪むようなこともなく、且つ樹脂製継手部材1と金属製継手部材2とを強固に一体に固定することができる。
また、継手部材固定用スリーブ3の材質は特に限定されないが、樹脂製継手部材1が有するスリーブ挿通孔112に嵌め込むときの押圧力によって容易に変形しない十分な強度を有し、且つ水等と接触するため、容易に発錆しない十分な防錆性を有する継手部材固定用スリーブ3とするためにはステンレス鋼を用いることが好ましい。更に、ステンレス鋼製である場合、継手部材固定用スリーブ3の厚さは特に限定されないが、十分な強度を有する継手部材固定用スリーブ3とするためには、厚さは0.1〜1.2mm、特に0.5〜1.0mmであることが好ましい。
更に、前記のように、スリーブ挿通孔112と他部との境界部に部材側テーパー面13が形成されている場合、継手部材固定用スリーブ3の、スリーブ挿通孔112に嵌め込まれる側の先端部(先端面から全長さの1/10〜1/5の範囲)の外周面にスリーブ側テーパー面31が形成されていることがより好ましい(図1参照)。このようにすれば、継手部材固定用スリーブ3を、スリーブ挿通孔112により容易に嵌め込むことができる。
また、部材側テーパー面13及びスリーブ側テーパー面31の各々の、管継手100の軸線方向に対する角度は、同じであってもよく、異なっていてもよいが、特に相違させる必要はない。更に、それぞれのテーパー面の軸線方向に対する角度も特に限定されず、継手部材固定用スリーブ3を、スリーブ挿通孔112に容易に嵌め込むことができ、継手部材固定用スリーブ3の端面によりスリーブ挿通孔112の壁面が傷付けられることもない角度であればよい。
(4)ロックリングの配設構造
管継手には、挿入された管体が抜け出さないように、内部にロックリングが配設される。本発明の管継手では、樹脂製継手部材1の内部にロックリングが配設されるが、樹脂製継手部材1の内部におけるロックリングを配設するための構造、及び配設されるロックリングの構造等は特に限定されない。本発明の管継手では、例えば、図1〜3のように、管継手100を構成する樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12に、ロックリング200を嵌め込み、挿入された管体4の抜け出しを防止する構造とすることができる。このロックリング嵌込部12は、樹脂製継手部材1の内側面に凹設されていてもよいが、管体4の抜け出し方向には大きな荷重が加わることがあるため、樹脂製継手部材1の内面側に、ロックリング嵌込部12を有する金属製の他部材Mが嵌め込まれた形態とすることが好ましい(図1〜3参照)。これにより、ロックリング200が有する係止用爪、特に挿入側係止用爪72(図1〜3参照)、又は係止用爪として機能する挿入側管体保持爪71の基端部が、ロックリング嵌込部62の挿入側端面621に当接することにより、ロックリング200が抜け出てしまうのが防止され、且つロックリング嵌込部12の挿入側端面121が損傷するのを防止することもできる(図2、3参照)。
また、管継手100では、通常、ロックリング嵌込部12の送出側端面122に接するO−リングo、及びO−リングoに接するスペーサsが配設される(図1〜3参照)。O−リングoには、挿入される管体4の外面が接触し(図3参照)、水等がO−リングoより挿入側へと漏出するのが防止される。このO−リングoの材質は特に限定されないが、各種のゴム、特に撥水性、耐水性等に優れ、圧縮永久歪が小さい等の優れた物性を有するシリコーンゴムなどが多用される。また、スペーサsのO−リングoが接する側とは反対面には、ロックリング200が備える送出側係止用爪82(図2、3参照)の先端面が当接し、ロックリング200が固定される。スペーサsの材質も特に限定されず、ステンレス鋼等の金属でもよく、管体4の挿入方向には大きな荷重が加わらないため、樹脂製継手部材1と同様に架橋ポリエチレン等の樹脂であってもよい。
尚、樹脂製継手部材1の内側面にスペーサsを係止するための段部を形成し、スペーサsの一面を段部に当接させるようにすれば、ロックリング嵌込部12を有する金属製の他部材Mによって、スペーサsを他面から押圧し、固定する構成とすることもできる(図1〜3参照)。
[3]管体
管体4としては、水及び温水等の移送、供給に用いられる通常の管体を用いることができ、管体4の材質、内外径等も特に限定されない。管体4は、前記の樹脂製継手部材1の場合と同様の理由で、耐水性、耐熱性、耐衝撃性及び優れた低温脆性等を有していることが好ましく、同様に、架橋ポリエチレン及びポリブテン等を用いてなる管体4が多用される。このように、樹脂製継手部材1と管体4とが同材質である場合、例えば、熱膨張率等の物性の差により、経時とともに、樹脂製継手部材1等に歪みが生じる等の問題が起きることがない。
[4]好ましいロックリングの形態
本発明の管継手100において用いることができるロックリングは、前記のように特に限定されず、各種のロックリングを用いることができるが、以下、図1〜3に記載された管継手100における特定の構造のロックリングについて詳述する。
ロックリング200は、周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリット61を有し、円筒状であるロックリング本体6と、ロックリング本体6の管体挿入側端部7に、内方向、且つ管体送出側端部8方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪71と、ロックリング本体6の管体送出側端部8に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪81と、を備え、管体送出側端部8に、ロックリング本体6の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪82を備えていてもよい。
ロックリング200は、ステンレス鋼をプレス成形により所定形状に成形した平板状の予備成形体5を用いて作製することができる。予備成形体5は、帯状部51と、帯状部51の長さ方向の一方の端部から長さ方向に突出している挿入側管体保持爪71となる凸状片521及び挿入側係止用爪72となる凸状片531と、帯状部51の長さ方向の他方の端部から長さ方向に突出している送出側管体保持爪81となる凸状片522及び送出側係止用爪82となる凸状片532とを備える(図4参照)。また、帯状部51の幅方向の寸法は、円筒状に丸め、幅方向の両端部を当接させたときに、挿入される管体の外径に基づく所定径の円筒形が形成されるように設定される。
ロックリング200は、挿入側管体保持爪71となる凸状片521を、予備成形体5の一面側に折り返し、送出側管体保持爪81となる凸状片522を、予備成形体1の一面側方向に少し折り曲げ、その後、予備成形体5を、幅方向の両端部が当接するように、且つ形成される各々の保持爪が内面側を向くように丸めることにより作製することができる。この場合、予備成形体5の幅方向の両端部は、必ずしも正確に当接されている必要はなく、両端部が重なっていてもよく、端部間が離間していてもよいが、可能な限り正確に当接させることが好ましい。
前記のようにして作製されるロックリング200は、周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリット61を有し、円筒状であるロックリング本体6を備える。そして、ロックリング本体6は、径方向に縮径及び拡径が可能であるため、例えば、ロックリング200を、樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12(図1〜3参照、樹脂製継手部材1の内側面に直接凹設されるのではなく、前記のように、金属製の他部材に設けられることが好ましい。)に嵌め込むときに、縮径させて容易に嵌め込むことができる。また、管体4を挿入するときには、ロックリング本体6が拡径することにより、挿入時の荷重を低減させることができ、管体4をより容易に挿入させることができる。
更に、ロックリング本体6の管体挿入側端部7には、前記のように、凸状片521を、予備成形体5の一面側に折り返すことにより、挿入側管体保持爪71が設けられている。この挿入側管体保持爪71は、ロックリング本体6の内方向、且つ管体送出側端部8方向に向けて斜めに突出して設けられており、これによって挿入された管体4の抜け出しが防止される。挿入側管体保持爪71のロックリング本体6に対する角度は10〜80°、特に30〜70°であることが好ましい。この角度が過小であると、管体4の抜け出しが十分に防止されないことがあり、過大であると、管体4の挿入時の荷重が大きくなるとともに、抜け出し方向の荷重が加わったときに、挿入側管体保持爪71が管体4に過度に食い込むことがあり、管体4が損傷することがある。
挿入側管体保持爪71は、管体挿入側端部7の周方向に間隔をおいて複数設けられており、周方向において片寄らず、より均等に配置されていることが好ましい。これにより、管体4を、その全周に亘ってより確実に保持することができる。また、寸法の異なる各種の管継手があるため、挿入側管体保持爪71の本数は特に限定されない。更に、挿入側管体保持爪71は、管体挿入側端部7の周方向に等間隔に設けられていることがより好ましく、等間隔であれば、管体4を、その全周に亘って特に確実に保持することができる。また、管体挿入側端部7の全周に対する挿入側管体保持爪71の幅方向の寸法の合計の割合は、30〜70%、特に40〜60%であることが好ましい。この割合が30〜70%であれば、管体4を、その全周に亘ってより確実に保持することができ、且つ挿入側管体保持爪71による管体4の損傷をより十分に抑えることができる。
複数の挿入側管体保持爪71の各々の長さは、同じでもよく、異なっていてもよいが、相違させるのは好ましくなく、通常、同じである。挿入側管体保持爪71は、前記のように、予備成形体5が有する凸状片521を、予備成形体5の一面側に折り返すことにより形成されるが、挿入側管体保持爪71の長さは、折り返し部の頂部から挿入側管体保持爪71の先端面までの最短寸法であるとする。また、長さが同じとは、プレス成形及び折り返し加工の精度の範囲内で成形、加工可能な寸法として同じであるという意味である。
ロックリング本体6の管体挿入側端部7には、ロックリング本体6の軸線方向に向けて突出している複数の挿入側係止用爪72が設けられていてもよい。更に、挿入側管体保持爪71と挿入側係止用爪72とは、ロックリング本体6の管体挿入側端部7の周方向において、どのような位置関係にあってもよいが、挿入側管体保持爪71と挿入側係止用爪72とが交互に設けられていることが好ましい。これらが交互に設けられておれば、挿入側管体保持爪71と挿入側係止用爪72とが、ともに管体挿入側端部7の全周に亘って、間隔をおいて設けられることになり、管体4を、その全周に亘ってより確実に保持することができるとともに、ロックリング200の管体挿入側を、例えば、樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12の挿入側端面121(図1〜3参照)に、より安定して係止させ、固定することができる。
また、挿入側管体保持爪71と挿入側係止用爪72とは、管体挿入側端部7の周方向において交互に、且つ等間隔に設けられていることが特に好ましい。このような形態のロックリング200であれば、管体4を、その全周に亘って特に確実に保持することができ、且つ樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12の挿入側端面121に、特に安定して係止させ、固定することができる。
ロックリング本体6の管体送出側端部8には、前記のように、凸状片522を、予備成形体1の一面側方向に少し折り曲げることにより、送出側管体保持爪81が設けられている。この送出側管体保持爪81は、ロックリング本体6の内方向、且つ管体送出方向に向けて斜めに突出して設けられており、これによって挿入された管体4の抜け出しが防止される。送出側管体保持爪81のロックリング本体6となす角度は100〜170°、特に110〜150°であることが好ましい。この角度が過小であると、管体4の抜け出しが十分に防止されないことがあり、過大であると、管体4の挿入時の荷重が大きくなり、且つ抜け出し方向の荷重が加わったときに、送出側管体保持爪81が管体4に過度に食い込むことがあり、管体4が損傷することがある。
送出側管体保持爪81は、管体送出側端部8の周方向に間隔をおいて複数設けられており、周方向において片寄らず、より均等に配置されていることが好ましい。これにより、管体4を、その全周に亘ってより確実に保持することができる。更に、寸法の異なる各種の管継手があるため、送出側管体保持爪81の本数は特に限定されない。更に、送出側管体保持爪81は、管体送出側端部8の周方向に等間隔に設けられていることがより好ましく、等間隔であれば、管体4を、その全周に亘って特に確実に保持することができる。また、管体送出側端部8の全周に対する送出側管体保持爪81の幅方向の寸法の合計の割合は、30〜70%、特に40〜60%であることが好ましい。この割合が30〜70%であれば、管体4を、その全周に亘ってより確実に保持することができ、且つ送出側管体保持爪81による管体4の損傷をより十分に抑えることができる。
複数の送出側管体保持爪81のそれぞれの長さは、同じでもよく、異なっていてもよいが、相違させることは好ましくなく、通常、同じである。送出側管体保持爪81は、前記のように、予備成形体5が有する凸状片522を、予備成形体5の一面側方向に少し折り曲げることにより形成されるが、送出側管体保持爪81の長さは、折り曲げ部の頂部から送出側管体保持爪81の先端面までの最短寸法であるとする。更に、長さが同じであることの意味は挿入側管体保持爪71の場合と同様である。
また、挿入側管体保持爪71と送出側管体保持爪81の各々の長さは、同じでもよいが、送出側管体保持爪81が挿入側管体保持爪71より長いことが好ましい。ロックリング本体6に対し、挿入側管体保持爪71は鋭角に、送出側管体保持爪81は鈍角に折り曲げられており、挿入側管体保持爪71は撓み難く、送出側管体保持爪81は撓み易くなっている。そのため、管体4に引き抜き方向の荷重が加わったときに、挿入側管体保持爪71は起き上がり難く、送出側管体保持爪81は起き上がり易い。従って、送出側管体保持爪81を挿入側管体保持爪71より長くしたほうが管体4の保持力が高まる。これにより、管体4をより小さい荷重で容易に挿入させることができ、且つ管体4の抜け出しをより確実に防止することができる。
更に、ロックリング本体6の管体挿入側端部7の周方向に設けられる挿入側管体保持爪71と、管体送出側端部8の周方向に設けられる送出側管体保持爪81とは、各々の形成位置が周方向において重なっていてもよく、ずれていてもよいが、ずれていることが好ましい。即ち、挿入側管体保持爪71を管体送出側端部8に投影してみたときに、挿入側管体保持爪71と送出側管体保持爪81との形成位置が同じであってもよいが、周方向にずれていることが好ましい。これにより、挿入側の保持爪と送出側の保持爪とで、管体の周方向のより多くの部分を保持することができ、管体がより安定して保持され、抜け出しがより確実に防止される。更に、ずれの程度は特に限定されないが、ずれは大きいことが好ましく、いずれかの側の端部からロックリング200をみたときに、挿入側管体保持爪71と送出側管体保持爪81とが全く重ならず、交互にみえるように位置していることがより好ましい。
ロックリング本体6の管体送出側端部8には、ロックリング本体6の軸線方向に向けて突出している複数の送出側係止用爪82が設けられている。送出側管体保持爪81と送出側係止用爪82とは、ロックリング本体6の管体送出側端部8の周方向において、どのような位置関係にあってもよいが、送出側管体保持爪81と送出側係止用爪82とが交互に設けられていることが好ましい。これらが交互に設けられておれば、送出側管体保持爪81と送出側係止用爪82とが、ともに管体送出側端部8の全周に亘って、間隔をおいて設けられることになり、管体4を、その全周に亘ってより確実に保持することができるとともに、ロックリング200の管体送出側を、例えば、樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12の送出側端面122(図1、2参照)に、直接又はO−リングoやスペーサ8等を介してより安定して係止させ、固定することができる。
送出側管体保持爪81と送出側係止用爪82とは、管体送出側端部8の周方向において交互に、且つ等間隔に設けられていることが特に好ましい。このような形態のロックリング200であれば、管体4を、その全周に亘って特に確実に保持することができ、且つ樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12の送出側端面122に、直接又はO−リングoやスペーサ8等を介して特に安定して係止させ、固定することができる。
また、挿入側及び送出側の係止用爪のうち送出側係止用爪82は必須であり、複数の送出側係止用爪82の各々の長さは、通常、同じである。これにより、それぞれの送出側係止用爪82の先端部が同一面に位置するようになり、ロックリング200の管体送出側を、例えば、樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12の送出側端面122(図1〜3参照)に、直接又はO−リング9やスペーサ8等を介してより安定して係止させ、固定することができる。
一方、ロックリング本体6の管体挿入側端部7には、前記のように、凸状片521が折り返されて挿入側管体保持爪71が形成されており、この折り返し部の基端部が係止用爪として機能するため、挿入側係止用爪72は、必ずしも必要ではない。しかし、折り返し部の基端部の外面は丸みを帯びており、滑ってしまって確実な係止ができないことも懸念される。そのため、送出側係止用爪82と併せて挿入側係止用爪72を設けることが好ましい。これによって、ロックリング200の管体挿入側を、例えば、樹脂製継手部材1の内面側に設けられたロックリング嵌込部12の挿入側端面121(図1〜3参照)に、より安定して係止させ、固定することができる。
尚、送出側係止用爪82と挿入側係止用爪72の各々の長さは、同じでもよく、異なっていてもよいが、送出側係止用爪82は、管体4を挿入するとき、管体4に押圧された送出側管体保持爪81がスペーサs及び/又はO−リングoに接触しない長さが必要であるため、通常、送出側係止用爪82が挿入側係止用爪72より長く形成される。
ロックリング200の各部の寸法は特に限定されず、挿入される管体4の外径等によって設定することができる。また、それぞれの保持爪の幅は、全長さに亘って同じであってもよく、基端部から先端面側へと幅狭になっていてもよい。更に、各々の係止用爪の幅も、全長さに亘って同じであってもよく、異なっていてもよいが、特に幅を変化させる必要はない。
また、隣り合う保持爪及び係止用爪は、各々、密接して設けられていてもよいが、それぞれの爪間に弧状部があって離間していることが好ましい。密接している、即ち、保持爪間、係止用爪間、及び保持爪と係止用爪との間、にスリットが設けられたような形態で密接して設けられている場合は、ウォーターハンマー等によりロックリング200に衝撃が加わったときに、スリット部からロックリング本体6に向けて裂け目が生じることがあるため好ましくない。
ロックリング200は、前記のように、ステンレス鋼からなる予備成形体5を用いて作製することができるが、予備成形体5は、プレス成形により所定形状に成形されるため、凸状片521、522等の角部は鋭角になり、成形時にバリも発生する。そのため、凸状片521、522を用いてなる挿入側管体保持爪71、送出側管体保持爪81等の角部も鋭角になり、バリも残るため、管体4が傷付けられ易くなる。そこで、バレル加工法、ショットピーニング法、サンドブラスト法等により、凸状片521、522等の角部に丸みを付け、且つバリを除去しておくことが好ましい。
尚、本発明では、前記の実施態様の記載に限られず、目的、用途等によって、本発明の範囲内で種々変更した実施態様とすることができる。例えば、樹脂製継手部材1が有する嵌合用凸部11の外周面に設けられた環状凸部111、及び金属製継手部材2が有する嵌合用凹部21の内周面に設けられた環状凹部211は、図1〜3の形態に限られず、凸状の三角形と凹状の三角形とが嵌め合わされた形態、及び凸状の半円と凹状の半円とが嵌め合わされた形態等とすることができる。
本発明は、水又は温水等の移送、供給に用いられる管体を、特に人手によりワンタッチで水又は温水等の供給源又は供給先に接続する管継手の技術分野において利用することができる。例えば、水道配管、床暖房、ロードヒーティング等の温水配管などに用いられる樹脂製等の管体の端部が、管継手から抜け出してしまうのが防止される管継手の技術分野において有用である。
100;管継手、1;樹脂製継手部材、11;嵌合用凸部、111;環状凸部、112;スリーブ挿通孔、12;ロックリング嵌込部、M;ロックリング嵌込部を有する金属製の他部材、121;挿入側端面、122;送出側端面、13;部材側テーパー面、14;管体挿入用開口部、2;金属製継手部材、21;嵌合用凹部、211;環状凹部、22;スリーブ係止部、3;継手部材固定用スリーブ、31;スリーブ側テーパー面、4;管体、s;スペーサ、o;O−リング、200;管継手用ロックリング、5;予備成形体、51;帯状部、521;挿入側管体保持爪となる凸状片、522;送出側保持爪となる凸状片、531;挿入側係止用爪となる凸状片、532;送出側係止用爪となる凸状片、6;ロックリング本体、61;スリット、7;管体挿入側端部、71;挿入側管体保持爪、72;挿入側係止用爪、8;管体送出側端部、81;送出側管体保持爪、82;送出側係止用爪。

Claims (8)

  1. 一端側に管体挿入用開口部を有し、他端側に嵌合用凸部を有する樹脂製継手部材と、
    一端側に嵌合用凹部を有し、該嵌合用凹部に前記樹脂製継手部材が有する前記嵌合用凸部が嵌め合わされている金属製継手部材と、
    前記樹脂製継手部材が有する前記嵌合用凸部の内部に設けられたスリーブ挿通孔に嵌め込まれた継手部材固定用スリーブと、を備えることを特徴とする管継手。
  2. 前記嵌合用凸部の外周面に、複数の環状凸部が軸線方向に連設され、且つ前記嵌合用凹部の内周面に、複数の環状凹部が軸線方向に連設され、該環状凸部と該環状凹部とが嵌め合わされている請求項1に記載の管継手。
  3. 前記樹脂製継手部材の内周面には、前記スリーブ挿通孔と他部との境界部に部材側テーパー面が形成されており、該スリーブ挿通孔の径が該他部の径より小さい請求項1又は2に記載の管継手。
  4. 前記継手部材固定用スリーブの、前記スリーブ挿通孔に嵌め込まれる側の先端部の外周面にスリーブ側テーパー面が形成されている請求項3に記載の管継手。
  5. 前記嵌合用凹部の底面に、前記継手部材固定用スリーブの前記スリーブ挿通孔に嵌め込まれる側の先端面が当接する環状のスリーブ係止部が形成されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の管継手。
  6. 前記樹脂製継手部材の材質が、挿入される管体と同材質である請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の管継手。
  7. 前記樹脂製継手部材の内面側にロックリング嵌込部が設けられており、該ロックリング嵌込部に管継手用ロックリングが嵌め込まれている請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の管継手。
  8. 前記管継手用ロックリングは、
    周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリットを有し、円筒状であるロックリング本体と、
    前記ロックリング本体の管体挿入側端部に、内方向、且つ管体送出側端部方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪と、
    前記ロックリング本体の管体送出側端部に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪と、
    前記ロックリング本体の管体送出側端部に、該ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪と、を備える請求項7に記載の管継手。
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