JP2011163359A - ピストンピンのすべり支持構造 - Google Patents

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Naoto Koyamaishi
直人 小山石
Yoshiki Ariizumi
義記 有泉
Genichi Murakami
元一 村上
Shuzo Mita
修三 三田
Shigeru Hotta
滋 堀田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】荷重集中部位が存する場合であっても、該部位において十分な油膜圧力を発生させて摩擦損失を低減することができるピストンピンのすべり支持構造を提供する。
【解決手段】ピストンピンのすべり支持構造は、相対的に回転可能なピストンピン120及びピストンピンボス106の摺動面間に潤滑油が供給されるピストンピン120のすべり支持構造において、ピストンピン120とピストンピンボス106との荷重集中部位に対応する摺動面領域Xを挟み潤滑油の流れ方向の上流側及び下流側のピストンピン120の摺動面領域に、他よりも撥油性の高い領域Yが設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ピストンピンのすべり支持構造、特に、内燃機関などに用いられ、ピストンピン及びピストンピンボスの摺動面間に作用する変動荷重を支持するようにしたピストンピンのすべり支持構造に関する。
一般に、かかるピストンピンのすべり支持構造では、相対的に回転可能なピストンピン及びピストンピンボスの摺動面間に潤滑油を供給して潤滑油膜を形成するようにしている。そして、この潤滑油膜内に生ずる油膜圧力により荷重を支持することで、摩擦損失を低減し、磨耗や焼付きを防止すると共に、緩衝作用により騒音の抑制効果をもたらすようにしている。これらの効果は、摺動面間の潤滑油膜の厚さが厚いほど、また潤滑油量が多いほど大きくなることが知られている。
従来からこのような摺動面間の潤滑油量を多くするために、軸受の内周面に周方向に多数の細溝ないしは条痕を並列に形成した技術が提案されている。そして、特許文献1には、軸及び軸受の間に保持される潤滑油のせん断抵抗に伴うエネルギ損失を低減するために、軸及び軸受の少なくとも一方の回転摺動面に周方向の溝が形成され、該溝の内面に撥油膜が形成された、軸及び軸受の間の回転摺動構造が開示されている。
また、特許文献2には、潤滑油膜に十分な軸受支持圧力を発生させる軸受構造として、立軸斜流ポンプ等の流体機械において、流体潤滑層を介して向かい合う下側軸受部材及び上側軸受部材の摺動面の少なくとも一方に撥油性でスリップ流れを生じさせる摺動面の第1領域と、親油性でスリップ流が0もしくは第1領域より小さい摺動面の第2領域とを形成し、第1領域と第2領域を摺動方向に沿って交互に配置するか、又は、第1領域を第2領域の中に点在させた軸受構造が開示されている。
なお、特許文献3,4には、すべり軸受ではないが、転がり軸受の内輪及び外輪の軌道面及び転動体の転動面の少なくとも一つの転がり面に溝が形成され、その上に撥油膜が形成された転がり軸受が開示されている。
特開2006−329252号公報 特開2007−211956号公報 特開2007−192330号公報 特開2008−223942号公報
ところで、自動車用の内燃機関などに用いられているピストンピンのすべり支持構造では、ピストンの往復動に伴い、ピストンピンとピストンピンボスとに相互に作用する荷重の大きさや方向が、エンジンの1作動サイクルにおいて変わり、その変動荷重のうち最大のものが作用する方向(以下、これを荷重集中方向と称し、これに対応する、ピストンピンとピストンピンボスの摺動面を荷重集中部位と云う)に対応して形成される隙間に所定の油膜圧力が発生しないと、該部位において、いわゆる油膜切れなどが生じ、流体潤滑域からピストンピンがピストンピンボスに部分的に直接に接触する混合潤滑域や境界潤滑域に移行し、両者間の摩擦損失の増大、延いては、磨耗や発熱、焼き付などを招くおそれがある。したがって、通常は、このような事態を避けるべく、十分な量の潤滑油を供給するとか、ピストンピンとピストンピンボスとの互いの面圧が小さくなるように、ピストンピン及びピストンピンボスの径を大きくしたり、ピストンピンボスの支持幅を広くすることなどの対策が採られている。
しかしながら、このような対策を採ることはピストンピンのすべり支持構造の大型化やコスト上昇を招くことから、ピストンピンのすべり支持構造そのものにより十分な油膜圧力を発生させて、摩擦損失を低減することのできるピストンピンのすべり支持構造が求められている。
なお、上述の特許文献1に開示された軸及び軸受の間の回転摺動構造は、軸及び軸受の間に保持される潤滑油のせん断抵抗に伴うエネルギ損失を低減するための技術であり、荷重集中部位が存する場合については触れられていない。また特許文献2に開示された軸受構造は、上側軸受部材及び下側軸受部材の摺動面に荷重が上方向から下方向に均一に作用するスラスト軸受形式のものであり、摺動面に荷重が集中する部位が存する回転軸の軸受形式のものについては、言及されていない。
そこで、本発明の目的は、上記従来の実情に鑑みなされたもので、荷重集中部位が存する場合であっても、該部位において十分な油膜圧力を発生させて摩擦損失を低減することができるピストンピンのすべり支持構造を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係るピストンピンのすべり支持構造の一形態は、相対的に回転可能なピストンピン及びピストンピンボスの摺動面間に潤滑油が供給されるピストンピンのすべり支持構造において、前記ピストンピンと前記ピストンピンボスとの荷重集中部位に対応する摺動面領域を挟み潤滑油の流れ方向の上流側及び下流側のピストンピンの摺動面領域に、他よりも撥油性の高い領域が設けられていることを特徴とする。
この本発明の一形態によるピストンピンのすべり支持構造によれば、相対的に回転可能なピストンピンとピストンピンボスとの間で荷重が集中することにより、両者間の隙間が狭くなったとき、荷重集中部位に対応する摺動面領域を挟んで潤滑油の流れ方向の上流側及び下流側の摺動面領域に設けられている他よりも撥油性の高い領域により、潤滑油膜内の潤滑油の流れが制御されて、油膜圧力が増大されると共に、油膜内負圧の発生が防止される。かくて、潤滑油の粘性抵抗による摩擦損失を低減することができる。
ここで、前記荷重集中部位に対応するピストンピンの摺動面領域には非撥油処理が施されて非撥油性面に形成されると共に、前記撥油性の高い領域には撥油処理が施されて撥油性面に形成されていてもよい。
この形態によれば、非撥油性面と撥油性面との間に段差を有することなく摺動面が形成されるので、摩擦損失をさらに低減することができる。
なお、前記ピストンピンボスが円錐状の逃げ部を有する場合には、該円錐状の逃げ部に対向する部位のピストンピン表面は、非撥油性面に形成されていることが好ましい。
この形態によれば、ピストンピンとピストンピンボスとの嵌合部からの軸方向内方へ潤滑油の漏洩が、非撥油性面によって抑制されるので、ピストンピンとピストンピンボスとの嵌合部における油膜圧力の増大が図られ、ピストンピンの耐焼付性が向上される。
また、前記ピストンピンは、セミフローティング形式でピストン及びコネクティングロッドに連結されており、この場合、前記ピストンピンの摺動面における前記撥油性面に挟まれた摺動面領域は、最大燃焼圧がピストンに作用する、前記コネクティングロッドが前記ピストンの中心軸線と所定の角度αをなすときに、前記ピストン及びピストンピンボスの中心軸線を含む平面方向位置にあることが好ましい。
本発明によれば、ピストンピンとピストンピンボスとの間で荷重が集中することにより、両者間の隙間が狭くなったとき、ピストンピンの摺動面の荷重集中部位に対応する摺動面領域を挟んで潤滑油の流れ方向の上流側及び下流側の摺動面領域に設けられている他よりも撥油性の高い領域面により、潤滑油膜内の潤滑油の流れが制御されて、油膜圧力が増大されると共に、油膜内負圧の発生が防止される。かくて、潤滑油の粘性抵抗による摩擦損失を低減することができる。
本発明の一実施形態を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るコネクティングロッドに連結された状態のピストンピン示す上面図である。 図1に示す実施形態において、ピストンピン及びピストンピンボスの関係を示し、(A)は一部拡大断面図、(B)は従来との対比で本実施形態による油膜圧力を示すグラフ、(C)は本実施形態による速度分布図である。 本発明の他の実施形態を示し、(A)はピストンピンが嵌合された状態のピストンピンボスの断面図、(B)はコネクティングロッドに連結された状態のピストンピンを示す上面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、この実施の形態に係るピストン100は、図1に示すように、ピストンリングが装着される複数の外周溝が形成されたピストンランド102を有し、その下方にスカート部104及び後述のピストンピン120が嵌合されるピストンピンボス(以下、ピンボスと称す)106を有している。ピンボス106にはクランクシャフトの長手方向と略平行な軸線を有するピストンピン孔108が開設されている。そして、ピンボス106はピストンピン孔108の軸線に直交して平行に配置されたサイドウォール110と一体に形成され、該サイドウォール110の両端がそれぞれスカート部104に連続して形成されている。
そして、上述のピストンピン120は、大端部がクランクシャフトのピンに連結されたコネクティングロッド122の小端部孔に嵌合されると共に、その両端部がピンボス106のピストンピン孔108に嵌合されて、ピストン100及びコネクティングロッド122を連結している。
ここで、本実施形態におけるピストンピン120は、ピストン100のピンボス106におけるピストンピン孔108に対して相対回転可能であるが、コネクティングロッド122の小端部孔に対しては固定である、いわゆる、セミフローティング形式でピストン100及びコネクティングロッド122に連結されている。
そして、本実施形態においては、図2に示すような形態で、ピストンピン120の摺動面に撥油性面が形成されている。具体的には、ピストン100の上面に加えられる燃焼圧力がほぼ最大となる、図1に示すような、コネクティングロッド122がピストン100の中心軸線Pzと所定の角度αをなすときに、このコネクティングロッド122と共に回転するピストンピン120の摺動面において、ピンボス106におけるピストンピン孔108の内周下面に対峙する、ピストンピン120の上面が非撥油性又は低撥油性の面とされている摺動面領域X(以下、非撥油性面の摺動面領域Xと称す)に形成されている。より詳しくは、コネクティングロッド122が上記所定の角度αをなすときに、ピストン100の中心軸線Pz及びピンボス106におけるピストンピン孔108の中心軸線Pxの両者を含む平面と重なるピストンピン120の上面位置を120cとするとき、この上面位置120cを中央に含む所定範囲の摺動面領域120bから120dまでが、非撥油性面の摺動面領域Xに形成されている。そして、当該非撥油性面の摺動面領域Xを挟んで両側の摺動面領域120aから120bまで、及び摺動面領域120dから120eまでが撥油性面の摺動面領域Yに形成されている(図3(A)参照)。
ここで、非撥油性面の摺動面領域X及び撥油性面の摺動面領域Yを形成するに際しては、当該摺動面領域Xに対しては何等の処理を施さずに、摺動面領域Yのみに対して高撥油性の材料を塗布するか、又は当該摺動面領域X及び摺動面領域Yに対し、それぞれ、非撥油性又は低撥油性の材料及び高撥油性の材料を塗布することによってもよい。
なお、高撥油性の材料としては、フルオロアルキルシランを用いることができ、例えば、エタノール、テトラエトキシシラン、フルオロアルキルシラン、及び塩酸水溶液の混合液を摺動面領域Yに塗布した後、大気炉において約200℃で約30分間焼成する。このようにすると、ピストンピン120の基材(鉄)にシラノール基(О−Si−O;ガラス層SiO2)が強固に形成され、シラノール基の末端すなわち最表面に撥油性の高いRf基(フッ素)が形成され、高撥油性の摺動面が得られる。
また、非撥油性又は低撥油性の材料としては、上記の混合液からフルオロアルキルシランを除いた混合液を用いることができ、同様に塗布した後に焼成する。このようにすると、ピストンピン120の基材(鉄)にシラノール基(О−Si−O;ガラス層SiO2)のみが形成されて、非撥油性又は低撥油性の摺動面が得られる。
なお、非撥油性又は低撥油性の材料及び高撥油性の材料を、部位は異なるが、同時に塗布するに際しては、ローラ表面に、上記エタノール、テトラエトキシシラン、フルオロアルキルシラン、及び塩酸水溶液の混合液と、上記エタノール、テトラエトキシシラン、及び塩酸水溶液の混合液とを部位を異ならせて塗布して、ピストンピン120に転写し、そして焼成すればよい。このようにすると、非撥油性面又は低撥油性面と高撥油性面との間に段差を有することなく摺動面が形成される。具体的には、高撥油性膜の最表面側のRf基は数nm程度の厚さであり、両者に共通するシラノール基(О−Si−O)の厚さ60〜200nmに比べて極めて薄く、マクロ的には両者の膜厚にはほとんど差がない、平滑な膜の摺動面が得られる。したがって、摩擦損失をさらに低減することができる。
次に、この実施形態の作用を説明する。今、ピストン100がピンボス106のピストンピン孔108に潤滑油の供給を受けながら、上昇及び下降の往復運動をしているとする。このとき、クランクシャフトが時計回りに回転しているとした場合、クランクシャフトのピンの最下点位置から始まるピストン100の上昇行程の後期、及びクランクシャフトのピンの最上点位置から始まるピストン100の下降行程の前期においては、ピストンピン120はピンボス106に対し反時計回りに回転し、それ以外の下降行程の後期及び上昇行程の前期においては、時計回りに回転することになる。したがって、爆発(膨張)行程において、ピストン100の上面に加えられる燃焼圧力がほぼ最大となる、コネクティングロッド122がピストン100の中心軸線Pzと所定の角度αをなすときには、このコネクティングロッド122と共に回転するピストンピン120はピンボス106に対し反時計回りに回転することになる。逆に、ピストンピン120を固定して考察すると、相対的には、ピンボス106がピストンピン120に対して時計回りに回転すると云える。
ここで、ピストン100にはその下降時に燃焼圧力による荷重が作用するが、このとき、ピストンピン120とピンボス106とでは、ピストン100の中心軸線Pz及びピンボス106におけるピストンピン孔108の中心軸線Pxの両者を含む平面方向と重なる、ピストンピン120の上面の位置120cを中央に含む所定範囲の摺動面領域120bから120dまでが、荷重集中部位となる。なお、この荷重集中部位は、ピンボス106との関係では、ピストン100の上昇及び下降の往復運動に伴いピンボス106の中心に対する半径方向位置が変動するが、ピストンピン120との関係ではコネクティングロッド122がピストン100の中心軸線Pzと所定の角度αをなすときのピストン100の中心軸線Pz方向に対応する半径方向の位置120cであり一定である。
そこで、ピストン100の下降行程の前期においてピストンピン120がピンボス106に対して反時計回りに回転している(図3(A)に矢印で示す)、換言すると、ピンボス106がピストンピン120に対して時計回りに相対回転しているとみなすと、供給された潤滑油は、ピンボス106の時計回りの相対回転に伴い、ピストンピン120とピンボス106におけるピストンピン孔108との間に形成された隙間内を同じく時計回りに流れるとみなすことができる。このとき、ピストンピン120の摺動面領域120dから120eまでの撥油性面の摺動面領域Yに接触している側とピンボス106に接触している側との潤滑油の速度は、図3(C)に示すように、ほぼ等しくなり、隙間での平均速度が大きく、延いては、流量も多くなる。
これに対し、荷重集中部位に対応させて非撥油性面とされている上面位置120cを中央に含む所定範囲の摺動面領域120bから120dまでの摺動面領域Xでは、この摺動面領域Xに接触している側の潤滑油との間のすべりが抑制されるので、潤滑油の速度が大きくなることがなく、図3(C)に示すような速度分布となる。この結果、隙間での平均速度が撥油性面の摺動面領域Yにおける平均速度よりも小さく、すなわち、流量が少なく維持される。したがって、流量の釣り合いの結果として、図3(B)に示すように、荷重集中部位に対応する隙間においては従来の油膜圧力Pa(破線)に比べ大きな油膜圧力Pb(実線)を発生させることができる。この大きな油膜圧力Pbによりピストンピン120を半径方向内方に離間させて、最小油膜厚さを厚くすることができ、ピストンピン120の耐焼付性を向上させることができる。
一方、ピストンピン120の非撥油性面の摺動面領域Xに関し、上述の相対回転方向の下流側の摺動面領域120aから120bまでにおいては、撥油性面の摺動面領域Yと潤滑油とのすべりが生ずることにより、潤滑油のピストンピン120からの剥離が促進されるので、潤滑油膜内での負圧の発生が抑制される。この負圧発生抑制作用により、ピストンピン120の回転に対する粘性抵抗を低減することができ、摩擦損失を少なくすることができる。
次に、本発明の他の実施形態を、図4を参照して説明する。この他の実施形態が上述の実施形態と異なるのは、ピンボスの形状及びピストンピンへの撥油性面の形成形態が若干異なるのみであるから、同一機能部位については前実施形態で用いたのと同一の符号を用いて説明する。
すなわち、図4の(A)はピストンピンがピストンピンボスに嵌合された状態を示す断面図、(B)はコネクティングロッドに連結された状態のピストンピンを示す上面図であり、本他の実施形態では、ピストン100の中心軸線Pzを挟むピストンピンボス106の両内端部に、ピストンピン120の撓みによる変形から逃げる円錐状の逃げ部106Aが形成されると共に、この円錐状の逃げ部106Aに対向する部位のピストンピン120の表面が、非撥油性面Zに形成されている。具体的には、ピストンピン120の周方向に関しては、図2に示した前実施形態の、ピストン100の上面の非撥油性面の摺動面領域Xと、撥油性面の摺動面領域Yとの関係を維持したまま、その軸方向に関しては、図4(B)に示されるように、円錐状の逃げ部106Aに対向するピストンピン120の表面部位が、非撥油性面Zに形成されている。
この実施形態によれば、ピストンピン120とピストンピンボス106との嵌合部においては、前実施形態について述べた作用効果が得られる。そして、この嵌合部からの軸方向内方への図4(A)に矢印で示すような潤滑油の漏洩は、非撥油性面Zによって抑制される。したがって、ピストンピン120とピストンピンボス106との嵌合部における油膜圧力の増大を図り、ピストンピン120の耐焼付性を向上させることができるのである。
100 ピストン
106 ピストンピンボス(ピンボス)
106A 円錐状の逃げ部
108 ピストンピン孔
120 ピストンピン
122 コネクティングロッド
Px ピストンピン孔の中心軸線
Pz ピストンの中心軸線
X 非撥油性面の摺動面領域
Y 撥油性面の摺動面領域
Z 非撥油性面

Claims (4)

  1. 相対的に回転可能なピストンピン及びピストンピンボスの摺動面間に潤滑油が供給されるピストンピンのすべり支持構造において、
    前記ピストンピンと前記ピストンピンボスとの荷重集中部位に対応する摺動面領域を挟み潤滑油の流れ方向の上流側及び下流側のピストンピンの摺動面領域に、他よりも撥油性の高い領域が設けられていることを特徴とするピストンピンのすべり支持構造。
  2. 前記荷重集中部位に対応するピストンピンの摺動面領域には非撥油処理が施されて非撥油性面に形成されると共に、前記撥油性の高い領域には撥油処理が施されて撥油性面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピストンピンのすべり支持構造。
  3. 前記ピストンピンボスが円錐状の逃げ部を有し、該円錐状の逃げ部に対向する部位のピストンピン表面が、非撥油性面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のピストンピンのすべり支持構造。
  4. 前記ピストンピンは、セミフローティング形式でピストン及びコネクティングロッドに連結され、前記ピストンピンの摺動面における前記撥油性面に挟まれた摺動面領域は、最大燃焼圧がピストンに作用する、前記コネクティングロッドが前記ピストンの中心軸線と所定の角度αをなすときに、前記ピストン及びピストンピンボスの中心軸線を含む平面方向位置にあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のピストンピンのすべり支持構造。
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