JP2011159523A - 燃料電池発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池発電装置の制御用電源供給用のDC/DCコンバータの故障を検出する。
【解決手段】商用電源16の交流電力を制御用電源に適した直流電力に変換するAC/DCコンバータ2と、スタック6が発電した直流電力を制御用電源に適した直流電力に変換するDC/DCコンバータ3と、AC/DCコンバータ2とDC/DCコンバータ3のどちらか一方の出力を制御用電源として選択する電源切換え手段4と、DC/DCコンバータ3の出力状態を監視する電源故障検出手段5と、電源と発電の制御を行うと共に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3の故障の有無を判断する制御手段9とを有し、制御手段9は、発電時に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3が故障であると判断しても発電を継続し、DC/DCコンバータ3が故障であると判断した場合には、報知手段51に故障している旨を報知させる。
【選択図】図3
【解決手段】商用電源16の交流電力を制御用電源に適した直流電力に変換するAC/DCコンバータ2と、スタック6が発電した直流電力を制御用電源に適した直流電力に変換するDC/DCコンバータ3と、AC/DCコンバータ2とDC/DCコンバータ3のどちらか一方の出力を制御用電源として選択する電源切換え手段4と、DC/DCコンバータ3の出力状態を監視する電源故障検出手段5と、電源と発電の制御を行うと共に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3の故障の有無を判断する制御手段9とを有し、制御手段9は、発電時に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3が故障であると判断しても発電を継続し、DC/DCコンバータ3が故障であると判断した場合には、報知手段51に故障している旨を報知させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、スタックが発電した直流電力を交流電力に変換して商用電源に連系する燃料電池発電装置に関し、詳しくは燃料電池発電装置の電源供給構成に関するものである。
従来、この種の燃料電池発電装置は、発電時の発電効率を向上するため、発電時は燃料電池(スタック)の直流出力電力を所定の電圧に変換し、燃料電池発電装置内の制御回路やアクチュエータやセンサの電源供給を行っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、更に発電効率を向上させる方法として、発電装置内に小容量電源、大容量電源の2種類を設け、発電時と非発電時で電源供給を切換えるものがある(例えば、特許文献2参照)。
以下、特許文献2に開示された従来の燃料電池発電装置について、図面を参照しながら説明する。図7は、特許文献2に開示された従来の燃料電池発電装置の構成を示すものである。
図7に示すように、従来の燃料電池発電装置101は、家庭内に設置されている分電盤102を介して商用電源103と接続されている。また、分電盤102と燃料電池発電装置101の間には、エアコン、冷蔵庫などの家庭内負荷104が接続されている。また、燃料電池発電装置101は、実際の発電動作を行う発電ブロック105と、その発電ブロック105が動作するための電源を供給する電源ブロック106とから構成されている。
発電ブロック105は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行うスタック107と、スタック107の出力直流電力を交流電力に変換するインバータ108と、燃料電池発電装置101(つまり発電ブロック105と、その発電ブロック105が動作するための電源を供給する電源ブロック106)の起動、発電、終了、停止の一連の動作を制御する制御手段109と、都市ガスなどの原料を水蒸気改質し水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成器110と、酸化剤ガスである空気をスタック107に供給するための送風機111と、スタック107が発電する際に発生した熱を回収し、温水として貯湯槽112に貯える排熱回収手段113で構成されている。
また、水素生成器110、送風機111、排熱回収手段113は、ガスや水の流路を切換える弁や、水素生成器110の温度を昇温させるヒータなどのアクチュエータ114、ガスや水の流路の温度、流量などを計測するセンサ115から構成されている。
電源ブロック106は、小容量電源116と大容量電源117の独立した2つの電源で構成されている。小容量電源116、大容量電源117ともに、商用電源103とスタック107を入力として直流電圧を生成し、入力を任意に切換えながら発電ブロック105に供給できるように構成されている。
小容量電源116は、燃料電池発電装置101に入力された商用電源103を小容量AC/DCコンバータ118で所定の直流電圧へと変換して小容量切換え手段120に入力するように、また、スタック107の出力電圧を小容量DC/DCコンバータ119で所定の直流電圧へと変換して、小容量切換え手段120に入力するように構成されている。ここで小容量切換え手段120はダイオードのOR回路で構成されており、小容量AC/DCコンバータ118と小容量DC/DCコンバータ119から入力される電圧の内、高い方を選択的に切換えながら発電ブロック105に電力を供給する。
ここで、小容量電源116は発電ブロック105内の制御手段109と燃料電池発電装置101の状態監視を行うガス漏れ検知センサなどの数種類のセンサ(これらガス漏れ検知センサなどの数種類のセンサを、ここでは、小容量電力機器と称する)を動作させるために必要な電源であり、比較的小さな電源容量で構成するのが好適である。例えば、小容量電源116の電源容量は10W、小容量AC/DCコンバータ118の出力電圧は12V、小容量DC/DCコンバータ119の出力電圧は14Vである。
一方、大容量電源117は、商用電源103が商用電源遮断手段121を介して大容量AC/DCコンバータ122へ入力され、所定の直流電圧へと変換された後に大容量切換え手段123に入力されるように構成されている。また、スタック107の出力電圧を大容量DC/DCコンバータ124で所定の直流電圧へと変換して大容量切換え手段123に入力されるように構成されている。
ここで大容量切換え手段123はダイオードのOR回路で構成されており、大容量AC/DCコンバータ122と大容量DC/DCコンバータ124から入力される電圧の内、高い方を選択的に切換えながら発電ブロック105に電源を供給する。
大容量電源117は、発電ブロック105内のアクチュエータ114やセンサ115(これらアクチュエータ114やセンサ115を、ここでは、大容量電力機器と称する)の駆動電源であり、先の小容量電源116に比べ大きな電力供給が必要である。また、アクチュエータ114、センサ115の電源電圧としては12V、24Vといった電圧が一般的である。例えば、大容量電源117の電源容量は100W、大容量AC/DCコンバータ122の出力電圧は23V、大容量DC/DCコンバータ124の出力電圧は25Vである。
また、商用電源遮断手段121はリレーで実現しており、制御手段109でON/OFF制御される。また、商用電源遮断手段121のリレーは、ノーマルオープンタイプのリレーであり、制御手段109が動作していない時にはOFF、つまり商用電源103を遮断する。
以上のように構成された従来の燃料電池発電装置101において、以下その動作、作用を説明する。
燃料電池発電装置101の動作は、大きく起動、発電、終了、停止といった4つの制御状態に分けることができる。起動は発電ブロック105を発電可能な状態にする工程であり、発電はスタック107より電力が出力されている状態である。終了は、発電ブロック105を発電不可能な状態にする工程であり、停止は燃料電池発電装置101の状態を監視しながら、次の発電指示を待っている状態である。
まず、起動について説明をする。発電ブロック105が発電出力可能となるためには、燃料ガスの生成などの準備動作が必要であり、例えば、都市ガスなどの原料から水素を主成分とした燃料ガスを生成するといった動作である。
具体的には、水素生成器110に付随して備えられた温度センサや流量センサの計測値を取込ながらヒータやファンなどのアクチュエータ114に対してフィードバック制御を行い、水素生成器110の温度を約600〜700度まで昇温させて都市ガスを水蒸気改質して燃料ガスを生成する。
起動の工程が十分に進行し、燃料ガスが安定的に生成されるようになるとスタック107による発電へと移行する。スタック107は電解質膜を挟んでアノード電極とカソード電極が構成されたセルが複数積層して構成されている。このアノード電極側に燃料ガスを、カソード電極側に酸化剤である空気を供給することによって、スタック107にて化学反応による発電が行われる。
スタック107より出力された直流電力はインバータ108によって交流電力に変換され、家庭内負荷104に供給される。また、スタック107には排熱回収手段113に接続された冷却水の循環経路が構成されている。排熱回収手段113に付随して備えられたポンプなどのアクチュエータ114を制御して化学反応時に発生する熱を熱交換によって回収し、貯湯槽112に温水として貯える。
続いて、終了について説明する。弁を閉じて都市ガスの供給を遮断し、水素生成器110での燃料ガス生成を停止する。そして水素生成器110に備えられたファンを駆動し、都市ガスの改質が行われない温度まで水素生成器110を冷却する。また、発電ブロック105の劣化を防止するために、スタック107、水素生成器110やガス経路等を不活性ガスでパージする。
終了の工程が十分に行われ、発電ブロック105が安定的に発電不可能な状態で保たれると、アクチュエータ114の動作を停止して、次回の発電タイミングに備える。また、この停止中もガス漏れ検知センサ等で燃料電池発電装置101の安全状態を監視し、異常が発生した場合にはユーザーへの報知を行うなど所定の異常処理を行う。
また、発電を除く、起動、終了、停止の3つの状態では、燃料電池発電装置101から交流電力は出力されないので、家庭内負荷104の電力は商用電源103から供給されて動作することになる。
以上のような動作をする燃料電池発電装置101について、電源ブロック106から発電ブロック105への電源供給について、詳細の動作、作用を説明する。
燃料電池発電装置101が設置されると、分電盤102を介して商用電源103が燃料電池発電装置101の電源ブロック106へ入力される。この時、商用電源遮断手段121のリレーはノーマルオープンタイプのためOFFしており、大容量電源117に入力された商用電源103の交流電力は、大容量AC/DCコンバータ122の前で遮断されている。
一方、小容量電源116に入力された商用電源103の交流電力は、小容量AC/DCコンバータ118により直流電圧12Vへ変換され、小容量切換え手段120を介して発電ブロック105へ供給される。直流電圧12Vが供給されると制御手段109が動作を開始し、先に述べた4つの状態に応じて燃料電池発電装置101を制御する。
まず、停止時の小容量電源116の動作を説明する。商用電源103の交流電力は小容量AC/DCコンバータ118で直流電圧12Vに変換されて、小容量切換え手段120に入力される。また、発電が行われていないのでスタック107の出力はなく、小容量DC/DCコンバータ119は動作しない。その結果、小容量切換え手段120の入力に対して「小容量AC/DCコンバータ118の出力電圧(12V)>小容量DC/DCコンバータ119の出力電圧(0V)」の関係が成立する。
小容量切換え手段120は二つの入力電圧の内高い方を発電ブロック105へ供給するので、商用電源103を供給元として小容量AC/DCコンバータ118より直流電圧12Vが、発電ブロック105へと供給される。ここで、小容量切換え手段120は二つの入力をダイオードによるOR回路で合流させる構成としているので、入力電圧の高低が変われば自動的に入力元を切換えて電源供給を行うことができる。また、この時、電圧の高い小容量AC/DCコンバータ118の出力から、電圧の低い小容量DC/DCコンバータ119の出力へ電流が流れ込むのをダイオードによって防いでいる。
一方、停止時の大容量電源117は、制御手段109により商用電源遮断手段121のリレーがOFFされて商用電源103の交流電力が遮断されているので、大容量AC/DCコンバータ122が停止している。またスタック107の出力もないため、大容量DC/DCコンバータ124は動作しない。その結果、大容量切換え手段123への入力が共に0Vとなり、発電ブロック105への電源供給は行われない。
続いて、起動時の小容量電源116の動作を説明する。停止時と同様にスタック107からの入力が無いため、小容量AC/DCコンバータ118の直流出力電圧12Vを発電ブロック105へ継続して供給し続ける。
一方、大容量電源117は起動時に商用電源遮断手段121のリレーがONされるので、大容量AC/DCコンバータ122が動作を開始し直流電圧23Vが出力される。それにより、大容量切換え手段123の入力には「大容量AC/DCコンバータ122の出力電圧(23V)>大容量DC/DCコンバータ124の出力電圧(0V)」の関係が成り立つことになり、商用電源103を供給元として直流電圧23Vが発電ブロック105へと供給される。
ここで、大容量切換え手段123も、小容量切換え手段120と同様に二つの入力をダイオードのOR回路で合流させる構成としているので、入力電圧の高低による入力元の自動切換え、および出力電圧の高い方から低い方への電流の流れ込みを防止することができる。
続いて、発電時の小容量電源116の動作を説明する。発電が行われスタック107からの出力電圧が上昇し、小容量DC/DCコンバータ119の動作可能下限電圧である13Vを上回ると、小容量DC/DCコンバータ119が動作して、直流電圧14Vを出力する。
すると、小容量切換え手段120は「小容量AC/DCコンバータ118の出力電圧(12V)<小容量DC/DCコンバータ119の出力電圧(14V)」の関係より、スタック107の出力電圧を供給元として、直流電圧14Vを発電ブロック105へ供給するように動作を自動的に切換える。
一方、発電時の大容量電源117は、スタック107の出力電圧が上昇し、大容量DC/DCコンバータ124の動作可能下限電圧である13Vを上回ると、大容量DC/DCコンバータ124が動作して直流電圧25Vを出力する。
すると大容量切換え手段123は「大容量AC/DCコンバータ122の出力電圧(23V)<大容量DC/DCコンバータ124の出力電圧(25V)」の関係より、スタック107の出力電圧を供給元として、直流電圧25Vを発電ブロック105へ供給するように動作を自動的に切換える。
また、制御手段109は、スタック107の出力電圧が15V以上になったのを検知すると、商用電源遮断手段121のリレーをOFFして、大容量AC/DCコンバータ122の動作を完全に停止させる。
続いて、終了時の小容量電源116の動作を説明する。発電が停止してスタック107の出力電圧が徐々に低下して小容量DC/DCコンバータ119の出力電圧の動作可能下限電圧13Vを下回ると、小容量DC/DCコンバータ119が停止する。
すると、小容量切換え手段120は「小容量AC/DCコンバータ118の出力電圧(12V)>小容量DC/DCコンバータ119の出力電圧(0V)」の関係より、商用電源103を供給元として、直流電圧12Vを発電ブロック105へ供給するように動作を自動的に切換える。
一方、終了時の大容量電源117は、スタック電圧検知手段126によってスタック107の出力電圧が15V以下になったのを検知すると、制御手段109が商用電源遮断手段121のリレーをONして大容量AC/DCコンバータ122を動作させる。
さらに電圧が低下し、大容量DC/DCコンバータ124の動作可能下限電圧13Vを下回ると、大容量DC/DCコンバータ124が停止する。
すると、大容量切換え手段123は「大容量AC/DCコンバータ122の出力電圧(23V)>大容量DC/DCコンバータ124の出力電圧(0V)」の関係より、商用電源103を供給元として直流電圧23Vを発電ブロック105へ供給するように自動的に動作が切換わる。
このように、特許文献2に開示された従来の燃料電池発電装置101では、発電時と停止時とで電源を大容量電源117と小容量電源116に切換えて運転することで、燃料電池発電装置101の運転効率を向上させることができる。
しかしながら、上記従来の構成では、燃料電池発電装置101が発電状態の時にDC/DCコンバータ119,124が故障した場合でも、AC/DCコンバータ118,122側から電源供給が可能であるので、インバータ108を経由して電源供給する分だけ燃料電池発電装置101の運転効率が低下するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、発電中にDC/DCコンバータ側から電源供給されロスの少ない構成でシステムが運転しているかどうか確認できる燃料電池発電装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池発電装置は、DC/DCコンバータの出力状態を監視する電源故障検出手段を設けて、燃料電池発電装置の電源と発電の制御を行う制御手段が、前記電源故障検出手段の出力結果から前記DC/DCコンバータの故障の有無を判断するように構成したのである。
これによって、DC/DCコンバータの出力状態を監視して制御手段に出力する電源故障検出手段を備えることにより、燃料電池発電装置の電源と発電の制御を行う制御手段は、発電中にDC/DCコンバータ側から電源供給されているかどうかを検出することができる。
つまり、制御手段は、水素生成器またはインバータの少なくとも一部の構成要素である制御回路やアクチュエータやセンサの電源を、スタック→インバータ→AC/DCコンバータの経路ではなく、効率のよい、スタック→DC/DCコンバータの経路で供給しているかどうかを確認しながら燃料電池発電装置を運転することができる。
本発明の燃料電池発電装置は、DC/DCコンバータの出力状態を監視して制御手段に出力する電源故障検出手段を備えることにより、回路故障等で効率の悪い電源構成でシステムが運転していることを検出することができる。
第1の発明は、炭化水素系の原料ガスから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成器と、前記水素生成器により生成された前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電を行うスタックと、前記スタックが発電した直流電力を商用電源に連系可能な交流電力に変換して家庭内負荷に交流電力を供給するインバータと、前記商用電源の交流電力を前記水素生成器または前記インバータの少なくとも一部の構成要素に電力供給するための制御用電源に適した第一の所定の電圧の直流電力に変換するAC/DCコンバータと、前記スタックが発電した直流電力を前記制御用電源に適した第二の所定の電圧の直流電力に変換するDC/DCコンバータと、前記AC/DCコンバータの出力と前記DC/DCコンバータの出力の状態に応じて前記AC/DCコンバータと前記DC/DCコンバータのどちらか一方の出力を制御用電源として選択する電源切換え手段と、前記DC/DCコンバータの出力状態を監視する電源故障検出手段と、電源と発電の制御を行うと共に前記電源故障検出手段の出力結果から前記DC/DCコンバータの故障の有無を判断する制御手段とを有する燃料電池発電装置である。
上記構成の燃料電池発電装置は、DC/DCコンバータの出力状態を監視して制御手段に出力する電源故障検出手段を備えることにより、燃料電池発電装置の電源と発電の制御を行う制御手段は、発電中にDC/DCコンバータ側から電源供給されているかどうかを検出することができる。
つまり、制御手段は、水素生成器またはインバータの少なくとも一部の構成要素である制御回路やアクチュエータやセンサの電源を、スタック→インバータ→AC/DCコンバータの経路ではなく、効率のよい、スタック→DC/DCコンバータの経路で供給しているかどうかを確認しながら燃料電池発電装置を運転することができる。
第2の発明は、特に第1の発明における制御手段が、発電時に電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが故障であると判断しても、発電を継続するものである。
DC/DCコンバータの故障により、制御回路やアクチュエータやセンサの電源が、スタック→インバータ→AC/DCコンバータの経路で電源供給している場合でも、直ちにシステムを停止することなく発電を継続させた方が、商用電源から電源を供給するよりも発電を継続した方がエネルギー変換効率はよいので、環境にかかる負荷が少ない。また、発電を継続する方が利用者にとってもエネルギー利用コストを低く抑えることができる装置を提供することができる。
第3の発明は、特に第2の発明に加えて、利用者に報知する報知手段を有し、制御手段が、DC/DCコンバータが故障であると判断した場合に、前記報知手段に故障している旨を報知させるものである。
DC/DCコンバータの故障により、制御回路やアクチュエータやセンサの電源が、スタック→インバータ→AC/DCコンバータの経路で電源供給している場合でも、直ちにシステムを停止することなく発電を継続させた方がエネルギー利用効率は高いが、利用者にとってみると製品を十分な能力で使っていないことに変わりはない。
よって、発電を継続しつつ、報知手段にDC/DCコンバータが故障している旨を報知することにより、利用者は製造元やメンテ会社に連絡し修理を依頼するといった対応をとることが可能になる。
第4の発明は、特に第1から第3の発明における電源故障検出手段がDC/DCコンバータの出力電圧を監視し、制御手段が、前記電源故障検出手段が検出した前記DC/DCコンバータの出力電圧に異常がある場合に前記DC/DCコンバータが故障であると判断するものである。
制御手段が電圧を計測できるAD変換器を有しているような場合は、DC/DCコンバータの出力電圧を直接計測することができるので、低コストでDC/DCコンバータの異常を検出する機能を実現することができる。
また、制御手段で直接DC/DCコンバータの出力電圧を計測することができない場合でも、電源故障検出手段は、前記DC/DCコンバータの出力電圧を抵抗分圧したり、コンパレータで比較するだけで異常を検出することができるので、低コストでDC/DCコンバータの異常を検出する機能を実現することができる。
第5の発明は、特に第1から第3の発明における電源故障検出手段がDC/DCコンバータの出力電流を監視し、制御手段が、前記電源故障検出手段が検出した前記DC/DCコンバータの出力電流に異常がある場合に前記DC/DCコンバータが故障であると判断するものである。
電源故障検出手段がDC/DCコンバータの出力電流を監視する構成とすることで、DC/DCコンバータの故障を検出することに加えて、DC/DCコンバータの出力に接続される回路やアクチュエータの故障による過電流異常も検出することができる機能を付加することができる。
第6の発明は、特に第1から第5の発明において、AC/DCコンバータは前記AC/DCコンバータへの入力を切断する遮断手段を介して商用電源に接続され、制御手段が、発電時に電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが正常であると判断した場合は前記遮断手段により前記AC/DCコンバータへの入力を切断し、発電時に前記電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが故障であると判断した場合は前記遮断手段を閉じて前記AC/DCコンバータに前記商用電源の交流電力を入力するものである。
AC/DCコンバータの入力側に遮断手段を備えて、発電時に電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが正常であると判断した場合はAC/DCコンバータの入力側を遮断することで、AC/DCコンバータのアイドリング電流の消費を防止しつつ、DC/DCコンバータに故障が発生した際は発電中もAC/DCコンバータ側から電源供給を行うことができるシステムを実現することができる。
第7の発明は、特に第1から第6の発明において、第二の所定の電圧は第一の所定の電圧より高く、電源切換え手段はAC/DCコンバータとDC/DCコンバータのどちらか出力電力が高い方の出力を制御用電源として選択するものであり、電源切換え手段をダイオードのOR回路のような簡単な構成で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1としての燃料電池発電装置の構成図である。
図1は、本発明の実施の形態1としての燃料電池発電装置の構成図である。
図1に示すように、本実施の形態の燃料電池発電装置1は、家庭内に設置されている分電盤14を介して商用電源16と接続されている。また、分電盤16と燃料電池発電装置1の間には、家庭内のエアコン、冷蔵庫、テレビ等の家庭内負荷15が接続されている。
家庭内負荷15は、燃料電池発電装置1が発電していないときは、商用電源16から電源供給を受け、発電しているときは、燃料電池発電装置1から電源供給を受け、燃料電池発電装置1からの電源供給の不足分を、商用電源16から供給を受ける。
また、図1に示すように、本実施の形態の燃料電池発電装置1は、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電を行うスタック6と、スタック6が発電した直流電圧を交流電圧に変換するインバータ8と、燃料電池発電装置1の起動、発電、停止の一連の動作を制御する制御手段9と、原料(例えば天然ガスなど)を水蒸気改質し水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成器7と、酸化剤ガスである空気をスタック6に供給するためのブロア送風機11と、燃料電池発電装置1が発電する際に発生した熱を回収する排熱回収手段10と、スタック6が発電していないときに、制御手段9や水素生成器7や送風機11などに、制御用電源や駆動用電源などを供給するAC/DCコンバータ2と、スタック6が発電しているときに、制御手段9や水素生成器7や送風機11などに、制御用電源や駆動用電源などを供給するDC/DCコンバータ3と、制御手段9や水素生成器7や送風機11などの電源の給電元をAC/DCコンバータ2またはDC/DCコンバータ3のどちらかに切換える電源切換え手段4と、DC/DCコンバータ3の故障検出を行う電源故障検出手段5を有している。
また、水素生成器7や排熱回収手段10は、ガスや水の流路を切換えるアクチュエータ13や、水素生成器7の温度を昇温させるヒーターなどのアクチュエータ13、ガスや水の流量や、水素生成器7やガスや水の流路の温度を計測するセンサ12から構成されている。
また、本実施の形態の燃料電池発電装置1は、排熱回収手段10により回収されたお湯を貯えておく貯湯槽14と接続されている。
電源故障検出手段5は、例えばDC/DCコンバータ3の電圧を監視する場合と、DC/DCコンバータ3の電流を監視する方法が考えられる。
電圧を監視する方法としては、例えば、ADコンバータがあげられる。ADコンバータによりDC/DCコンバータ3の電圧を計測し、所定の電圧以下であるならばDC/DCコンバータ3は故障であると判断する。
この他の方法としては、コンパレータを用いる方法が考えられる。DC/DCコンバータ3の電圧と、あらかじめ設定しておく異常検出電圧の設定電圧を比較し、DC/DCコンバータ3の電圧が設定電圧以下である場合は、DC/DCコンバータ3は故障であると判断する。
電流を監視する方法としては、例えば電流センサやシャント抵抗による電流計測があげられる。電流センサによりDC/DCコンバータ3の電流が所定の電流以下であるならばDC/DCコンバータ3は故障であると判断する。
このように、電源故障を検出する方法としては様々な方法があるが、電圧で検出する場合、電流で検出する場合、又は他の方法で検出する場合でも、DC/DCコンバータ3の異常を検出することができる方法であれば、発明の効果は変わらない。
次に、燃料電池発電装置1の電源構成について図1を用いて説明する。
燃料電池発電装置1は、家庭内で発電を行うことで、電力会社からの送電ロスを低減し以下に効率よく発電および排熱回収を行うか、ということが基本機能として求められる。よって、燃料電池発電装置1の電源構成においても、可能な限りロスを低減させるような構成をとることが重要である。
図1において、燃料電池発電装置1が発電していないときは、排熱回収手段10や水素生成器7のアクチュエータ13やセンサ12や、それらを駆動するための駆動回路などの電源は、商用電源16からAC/DCコンバータ2により電圧変換を行って供給するしかない。
一方、燃料電池発電装置1が発電している時は、排熱回収手段10や水素生成器7のアクチュエータ13やセンサ12や、それらを駆動するための駆動回路などの電源は、スタック6から供給される直流電力をDC/DCコンバータ3により作る方が、一旦インバータ8を介して交流電力に変換してからAC/DCコンバータ2により作るよりも、少なくともインバータ8の変換効率の分ロスを少なくすることができる。
よって、燃料電池発電装置1の場合、発電を開始すると燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、スタック6から供給される直流電力をDC/DCコンバータ3により所定の電圧に変換し供給する構成をとることが多い。
このとき、発電時と非発電時の電源供給経路をAC/DCコンバータ2側からか、DC/DCコンバータ3側からかを切換える手段の一つとして、ダイオードオアによる構成が考えられる。ダイオードオアによる構成の利点として、マイコンや他の回路による制御をしなくても、ダイオードのアノード側の2つの入力のうち、電圧の高い方からのみしか電流が流れないということがあげられる。
つまり、発電が始まったらDC/DCコンバータ3側から電源供給したい場合は、DC/DCコンバータ3の出力電圧を、AC/DCコンバータ2の出力電圧より高く設定しておくことで、その機能を実現することができるので、電源供給の切換え回路にはよく用いられる手段である。
このように、非常に簡単な回路構成であるため、燃料電池発電装置1においても、DC/DCコンバータ3の出力電圧をAC/DCコンバータ2の出力電圧を高く設定しておくことで、発電しているときはDC/DCコンバータ3側から、燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源を供給する構成を取ることがある。
例えば、AC/DCコンバータ2の出力電圧が12V、DC/DCコンバータ3の出力電圧が15Vという電源構成である燃料電池発電装置1の動作について図1を用いて説明する。
図1に示すような1において、燃焼電池発電装置1が発電していない場合は、スタック6は直流電力を供給できない状態であるため、DC/DCコンバータ3は動作せず、出力電圧は0Vである。一方、AC/DCコンバータ2の出力電圧は12Vであるから、燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、AC/DCコンバータ2側から供給される。
このとき、AC/DCコンバータ2が何らかの異常で電圧が出力できない状態になった場合、燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路には、AC/DCコンバータ2、DC/DCコンバータ3のいずれからも電源供給ができない状態であるため、燃料電池発電装置1は動作しない状態である。そのような場合は、機器が動作していない状態であるので、機器が故障していることが明確に分かる。
一方、燃焼電池発電装置1が発電している場合は、スタック6は直流電力を供給できる状態であるため、DC/DCコンバータ3は15Vを出力する。一方、AC/DCコンバータ2の出力電圧は12Vであるから、燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、出力電圧の高いDC/DCコンバータ3側から供給される。
このとき、DC/DCコンバータ3が何らかの異常で電圧が出力できない状態になった場合、燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路には、AC/DCコンバータ2側から電源供給が可能な状態であるため、燃料電池発電装置1は発電を継続する。そのような場合は、機器内に異常、この場合DC/DCコンバータ3に何らかの異常が発生しているにも関わらず、機器が動作(発電)を継続し続けてしまうことになる。
このような場合、DC/DCコンバータ3の出力側に過電流が流れたときにDC/DCコンバータ3の出力を止める機能や、過電流が流れたときに電源経路を遮断する電流ヒューズ等の安全装置を備えておけば、機器自体が不安全になることはない。
しかし、前述したように発電中にDC/DCコンバータ3側から、燃料電池発電装置1内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路に電源供給できないということは、インバータ8の変換効率の分エネルギーをロスすることになり、利用者にとってもそのロス分不利益になってしまう。
上記の課題を解決するため、本発明では、図1に示すようにDC/DCコンバータ3に電源故障検出手段5を設けることで、DC/DCコンバータ3の異常を監視することが可能になり、異常に気付かずに機器の動作を継続し続けることを防止することができる。
なお、図1に示す構成では、電源故障検出手段5をDC/DCコンバータ3の出力側に設けているが、DC/DCコンバータ3の入力側に設けても、DC/DCコンバータ3が電圧を出力しているかどうかを判断できる場合もあるので、電源故障検出手段を設ける場所は入力側でも構わない。
次に、図2のフローチャートを用いて、電源系に異常が発生した場合の燃料電池発電装置1の動作の例を説明する。
燃料電池発電装置1は、まず利用者により発電ONの操作がされたり、燃料電池発電装置の学習モードにより、利用者が頻繁に使用する時間帯になると自動的に燃料電池発電装置1の起動を開始する(S−1)。発電していない状態では、機器内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、AC/DCコンバータ2から供給される。このときに、AC/DCコンバータ2が正常に出力していれば(S−2)、燃料電池発電装置1は、起動状態を継続する。一方、AC/DCコンバータ2内の部品の故障などにより電圧が出力されていなければ、燃料電池発電装置1を発電可能な状態にすることができないので、機器は異常停止する(S−3)。
AC/DCコンバータ2に異常がなく、起動を継続した時は、燃料電池発電装置1の水素生成器7により、天然ガスなどの原料ガスから水素への改質が十分に進み、スタック6の発電に必要な水素が生成されると、燃料電池発電装置1は発電可能状態となり、スタック6の発電が開始する(S−4)。
スタック6が直流電力を供給可能状態になると、DC/DCコンバータ3の出力電圧が、AC/DCコンバータ2の出力電圧よりも高いので、機器内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、DC/DCコンバータ3から給電される(S−5)。
発電中にDC/DCコンバータ3の出力を制御手段9が監視し、DC/DCコンバータ3が正常に出力している場合は(S−6)、発電を継続する。
一方、制御手段9により、DC/DCコンバータ3が正常に出力していないと判断した場合は(S−6)、発電を停止し、機器内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、AC/DCコンバータ2から給電する経路に切換り(S−7)、機器を停止させる(S−8)。
このように、燃料電池発電装置1のDC/DCコンバータ3側に、電源故障検出手段5を備えることにより、電源経路に故障したままで利用者が燃料電池発電装置を利用し続け、インバータ8の変換効率の分エネルギーをロスし続けながら、利用者が機器を使用し続けるという状態を防止することができる。
以上のように本実施の形態の燃料電池発電装置1は、炭化水素系の原料ガスから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成器7と、水素生成器7により生成された燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電を行うスタック6と、スタック6が発電した直流電力を商用電源16に連系可能な交流電力に変換して家庭内負荷15に交流電力を供給するインバータ8と、商用電源16の交流電力を制御手段9や水素生成器7や送風機11などの少なくとも一部の構成要素に制御用電源や駆動用電源として電力供給するための制御用電源に適した第一の所定の電圧の直流電力に変換するAC/DCコンバータ2と、スタック6が発電した直流電力を制御手段9や水素生成器7や送風機11などの少なくとも一部の構成要素に制御用電源や駆動用電源として電力供給するための制御用電源に適した第二の所定の電圧の直流電力に変換するDC/DCコンバータ3と、AC/DCコンバータ2の出力とDC/DCコンバータ3の出力の状態に応じてAC/DCコンバータ2とDC/DCコンバータ3のどちらか一方の出力を制御用電源として選択する電源切換え手段4と、DC/DCコンバータ3の出力状態を監視する電源故障検出手段5と、電源と発電の制御を行うと共に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3の故障の有無を判断する制御手段9とを有する。
上記構成の燃料電池発電装置1は、DC/DCコンバータ3の出力状態を監視して制御手段9に出力する電源故障検出手段5を備えることにより、燃料電池発電装置1の電源と発電の制御を行う制御手段9は、発電中にDC/DCコンバータ3側から電源供給されているかどうかを検出することができる。
つまり、制御手段9は、水素生成器7または送風機11または排熱回収手段10またはインバータ8の少なくとも一部の構成要素である制御回路やアクチュエータ13やセンサ12の電源を、スタック6→インバータ8→AC/DCコンバータ2の経路ではなく、効率のよい、スタック6→DC/DCコンバータ3の経路で供給しているかどうかを確認しながら燃料電池発電装置1を運転することができる。
電源故障検出手段5がDC/DCコンバータ3の出力電圧を監視し、制御手段9が、電源故障検出手段5が検出したDC/DCコンバータ3の出力電圧に異常がある場合にDC/DCコンバータ3が故障であると判断するように構成できる。
制御手段9が電圧を計測できるAD変換器を有しているような場合は、DC/DCコンバータ3の出力電圧を直接計測することができるので、低コストでDC/DCコンバータ3の異常を検出する機能を実現することができる。
また、制御手段9で直接DC/DCコンバータ3の出力電圧を計測することができない場合でも、電源故障検出手段5は、DC/DCコンバータ3の出力電圧を抵抗分圧したり、コンパレータで比較するだけで異常を検出することができるので、低コストでDC/DCコンバータ3の異常を検出する機能を実現することができる。
電源故障検出手段5がDC/DCコンバータ3の出力電流を監視し、制御手段9が、電源故障検出手段5が検出したDC/DCコンバータ3の出力電流に異常がある場合にDC/DCコンバータ3が故障であると判断するように構成できる。
電源故障検出手段5がDC/DCコンバータ3の出力電流を監視する構成とすることで、DC/DCコンバータ3の故障を検出することに加えて、DC/DCコンバータ3の出力に接続される回路やアクチュエータの故障による過電流異常も検出することができる機能を付加することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における燃料電池発電装置の構成図である。本発明の実施の形態2の燃料電池発電装置1は、実施の形態1の燃料電池発電装置1の構成に加えて、燃料電池発電装置1に報知手段51を設けた場合ものであり、その他の構成、動作は実施の形態1と同じである。
図3は、本発明の実施の形態2における燃料電池発電装置の構成図である。本発明の実施の形態2の燃料電池発電装置1は、実施の形態1の燃料電池発電装置1の構成に加えて、燃料電池発電装置1に報知手段51を設けた場合ものであり、その他の構成、動作は実施の形態1と同じである。
そこで以下では実施の形態2の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べ、その他の構成、動作については実施の形態1と同じものとする。
図3において、燃料電池発電装置1は、利用者に発電状態を報知する報知手段51と、燃料電池発電装置1と、排熱回収手段10により回収されたお湯を貯えておく貯湯槽14との間の情報のやり取りを行う通信手段52を有している。
報知手段51は、図4に示すように、例えば、燃料電池発電装置1が現在発電している電力量や、今日一日の発電時間や、今までの発電の累積時間など、燃料電池発電装置1に関する情報を表示するものである。
また、燃料電池発電装置1に、センサやアクチュエータの異常が発生した場合は、あらかじめ決められたエラーコードを画面上に表示することで、利用者に機器に異常が発生したことを伝達することができる。
次に、本発明の実施の形態2の燃料電池発電装置1の動作について、図5のフローチャートを用いて、電源系に異常が発生した場合の燃料電池発電装置1の動作の例を説明する。
実施の形態1の燃料電池発電装置1の動作の説明において、燃料電池発電装置1が発電状態になり(S−4)、スタック6が直流電力を供給可能状態になると、機器内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、DC/DCコンバータ3から給電される(S−5)事について述べた。
ここで、実施の形態1では、制御手段9により、DC/DCコンバータ3が正常に出力していないと判断した場合は(S−6)、発電を停止し、機器内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、AC/DCコンバータ2から給電する経路に切換り(S−7)、機器を停止させていた(S−8)。
しかしながら、例えば、DC/DCコンバータ3の出力側に過電流が流れたときにDC/DCコンバータ3の出力を止める機能や、過電流が流れたときに電源経路を遮断する電流ヒューズ等の安全装置を備えておけば、機器自体が不安全になることはない。
従来の大型発電所から家庭まで送電してくる場合のエネルギー利用効率は約40%程度であるのに対し、燃料電池発電装置1の場合、発電+排熱回収によるエネルギー利用効率は約80%程度である。
つまり、機器の安全が確保できるのであれば、直ちに燃料電池発電装置1の発電を停止させるよりも、燃料電池発電装置1の発電を継続させた方がエネルギー利用効率がよい。
よって、図5に示すように、DC/DCコンバータ3が正常に出力していないと判断した場合は(S−6)、機器内のアクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路の電源は、AC/DCコンバータ2から給電する経路に切換え(S−7)、発電を継続する(S−8’)。
ただし、利用者にとってみると、電力会社からの電気を利用する場合に比べてエネルギー利用効率は良いが、燃料電池発電装置1という発電機器として見た場合、スタック6で発電した直流電力を、スタック6→DC/DCコンバータ3という経路で電源を作る場合と比較すると、スタック6→インバータ8→AC/DCコンバータ2という経路で電源を作る方が、インバータ8の変換効率の分だけ発電機としての性能は劣ることになり、十分に性能を発揮できていないことになる。
例えば、アクチュエータ13やセンサ12やそれらを駆動する回路に必要な消費電力を100Wと仮定する。このとき、AC/DCコンバータ2、DC/DCコンバータ3の変換効率を85%、インバータ8の変換効率を90%と仮定すると、実際の消費電力は、スタック6→インバータ8→AC/DCコンバータ2の場合は130.7W、スタック6→DC/DCコンバータ3の場合は117.6Wであり、約13.1Wの差が発生することになる。
そこで、本発明の実施の形態2では、図4に示すような、燃料電池発電装置1の報知手段51の画面の一部に、DC/DCコンバータ3に異常が発生している旨を利用者に伝達するためのエラーコードを表示し利用者に報知する。図4において、画面左上の『E99』と表示しているのがエラーコードの例である。
利用者はこの表示を見て、燃料電池発電装置1に何かしらの異常が発生したことを知ることができ、例えば、メーカーに修理を依頼するといった対応が可能になる。
このように、DC/DCコンバータ3に異常が発生していることを検知した場合でも、直ちに発電を止めずに運転を継続することで、エネルギー利用効率がよい機器を利用者に提供することができる。
また、発電を継続しながら、報知手段51に、DC/DCコンバータ3に異常が発生したことを利用者に報知することができるので、利用者が機器の性能を十分に発揮しない状態で利用を続けるという課題を解決することができる。
なお、燃料電池発電装置1は排熱回収をしたお湯を貯える貯湯槽14とセットで設置することがほとんどであり、燃料電池発電装置1の報知手段と貯湯槽14の報知手段を1つで兼用することが多く、図3に示すように、報知手段51は燃料電池発電装置1側でなく、貯湯槽14側に接続される構成であっても、異常状態を利用者に報知する機能は同じであるので、発明の効果は変わらない。
また、図4に示すような文字やイラスト表示するような報知手段でなくても、例えば、LEDやブザーのような報知手段でも利用者に異常を伝達する機能は同じであるので、発明の効果は変わらない。
また、燃料電池発電装置1が電話回線やネットワーク回線に接続されている場合は、報知手段の代わりに、メーカーがメンテ会社に、DC/DCコンバータ3に異常が発生した旨を報知するような方法であっても、機器の異常をメーカーやメンテ会社に伝達することが可能であるから、発明の効果は変わらない。
以上のように本実施の形態の燃料電池発電装置1では、実施の形態1の燃料電池発電装置1と異なり、制御手段9が、発電時に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3が故障であると判断しても、発電を継続するように構成している。
DC/DCコンバータ3の故障により、制御回路やアクチュエータやセンサの電源が、スタック6→インバータ8→AC/DCコンバータ2の経路で電源供給している場合でも、直ちにシステムを停止することなく発電を継続させた方が、商用電源16から電源を供給するよりも発電を継続した方がエネルギー変換効率はよいので、環境にかかる負荷が少ない。また、発電を継続する方が利用者にとってもエネルギー利用コストを低く抑えることができる装置を提供することができる。
また、本実施の形態の燃料電池発電装置1では、実施の形態1の燃料電池発電装置1の構成に加えて、利用者に発電状態などを報知する報知手段51を有し、制御手段9が、DC/DCコンバータ3が故障であると判断した場合に、報知手段51に故障している旨を報知させるように構成している。
DC/DCコンバータ3の故障により、制御回路やアクチュエータやセンサの電源が、スタック6→インバータ8→AC/DCコンバータ2の経路で電源供給している場合でも、直ちにシステムを停止することなく発電を継続させた方がエネルギー利用効率は高いが、利用者にとってみると製品を十分な能力で使っていないことに変わりはない。
よって、発電を継続しつつ、報知手段51にDC/DCコンバータ3が故障している旨を報知することにより、利用者は製造元やメンテ会社に連絡し修理を依頼するといった対応をとることが可能になる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における燃料電池発電装置の構成図である。本発明の実施の形態3の燃料電池発電装置1は、実施の形態1の燃料電池発電装置1の構成に加えて、燃料電池発電装置1に遮断手段61を設けた場合の例であり、その他の構成、動作は実施の形態1と同じである。なお、実施の形態2の燃料電池発電装置1の構成に加えて、燃料電池発電装置1に遮断手段61を設けても構わない。
図6は、本発明の実施の形態3における燃料電池発電装置の構成図である。本発明の実施の形態3の燃料電池発電装置1は、実施の形態1の燃料電池発電装置1の構成に加えて、燃料電池発電装置1に遮断手段61を設けた場合の例であり、その他の構成、動作は実施の形態1と同じである。なお、実施の形態2の燃料電池発電装置1の構成に加えて、燃料電池発電装置1に遮断手段61を設けても構わない。
そこで以下では実施の形態3の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べ、その他の構成、動作については実施の形態1と同じものとする。
図6において、燃料電池発電装置1は、AC/DCコンバータの入力を遮断する遮断手段61を有している。
燃料電池発電装置1内のセンサ12やアクチュエータ13が、発電中にスタック6から電源供給を受けている場合、DC/DCコンバータ3から電源供給がされるため、AC/DCコンバータ2は動作する必要がない。AC/DCコンバータから電源供給されない場合でも、AC/DCコンバータ2自体も電力を消費している。
よって遮断手段61は、発電中にAC/DCコンバータ2が動作する必要がないときは、AC/DCコンバータで電力が消費されるのを防ぐため、AC/DCコンバータの入力を遮断している。
但し、電源故障検出手段5により、DC/DCコンバータ3の故障が検出された際には、遮断手段61の状態をショート(閉じた)状態とし、発電中にDC/DCコンバータ3から電源供給できない場合でも、AC/DCコンバータ2から電源供給を行うことができる。よって、燃料電池発電装置1の動作を継続させることができる。
このように、AC/DCコンバータの入力側に、遮断手段61を備えることで、発電中はAC/DCコンバータ2の入力側を遮断することでAC/DCコンバータ2のアイドリング電流の消費を防止しつつ、DC/DCコンバータ3に故障が発生した際は発電中もAC/DCコンバータ2側から電源供給を行うことができるシステムを実現することができる。
以上のように本実施の形態の燃料電池発電装置1では、実施の形態1の燃料電池発電装置1と異なり、AC/DCコンバータ2はAC/DCコンバータ2への入力を切断する遮断手段61を介して商用電源16に接続され、制御手段9が、発電時に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3が正常であると判断した場合は遮断手段61によりAC/DCコンバータ2への入力を切断し、発電時に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3が故障であると判断した場合は遮断手段61を閉じてAC/DCコンバータ2に商用電源16の交流電力を入力するように構成している。
AC/DCコンバータ2の入力側に遮断手段61を備えて、発電時に電源故障検出手段5の出力結果からDC/DCコンバータ3が正常であると判断した場合はAC/DCコンバータ2の入力側を遮断することで、AC/DCコンバータ2のアイドリング電流の消費を防止しつつ、DC/DCコンバータ3に故障が発生した際は発電中もAC/DCコンバータ2側から電源供給を行うことができるシステムを実現することができる。
本発明の燃料電池発電装置は、回路故障等で効率の悪い電源構成でシステムが運転していることを検出することができるので、装置の内部回路やセンサやアクチュエータの駆動電源が2つ以上の電源経路から電源供給を行っている電源構成になっている機器全般に利用することができる。
1 燃料電池発電装置
2 AC/DCコンバータ
3 DC/DCコンバータ
4 電源切換え手段
5 電源故障検出手段
6 スタック
7 水素生成器
8 インバータ
9 制御手段
15 家庭内負荷
51 報知手段
61 遮断手段
2 AC/DCコンバータ
3 DC/DCコンバータ
4 電源切換え手段
5 電源故障検出手段
6 スタック
7 水素生成器
8 インバータ
9 制御手段
15 家庭内負荷
51 報知手段
61 遮断手段
Claims (7)
- 炭化水素系の原料ガスから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成器と、前記水素生成器により生成された前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電を行うスタックと、前記スタックが発電した直流電力を商用電源に連系可能な交流電力に変換して家庭内負荷に交流電力を供給するインバータと、前記商用電源の交流電力を前記水素生成器または前記インバータの少なくとも一部の構成要素に電力供給するための制御用電源に適した第一の所定の電圧の直流電力に変換するAC/DCコンバータと、前記スタックが発電した直流電力を前記制御用電源に適した第二の所定の電圧の直流電力に変換するDC/DCコンバータと、前記AC/DCコンバータの出力と前記DC/DCコンバータの出力の状態に応じて前記AC/DCコンバータと前記DC/DCコンバータのどちらか一方の出力を制御用電源として選択する電源切換え手段と、前記DC/DCコンバータの出力状態を監視する電源故障検出手段と、電源と発電の制御を行うと共に前記電源故障検出手段の出力結果から前記DC/DCコンバータの故障の有無を判断する制御手段とを有する燃料電池発電装置。
- 制御手段は、発電時に電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが故障であると判断しても、発電を継続する請求項1に記載の燃料電池発電装置。
- 利用者に報知する報知手段を有し、制御手段は、DC/DCコンバータが故障であると判断した場合に、前記報知手段に故障している旨を報知させる請求項2に記載の燃料電池発電装置。
- 電源故障検出手段はDC/DCコンバータの出力電圧を監視し、制御手段は、前記電源故障検出手段が検出した前記DC/DCコンバータの出力電圧に異常がある場合に前記DC/DCコンバータが故障であると判断する請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
- 電源故障検出手段はDC/DCコンバータの出力電流を監視し、制御手段は、前記電源故障検出手段が検出した前記DC/DCコンバータの出力電流に異常がある場合に前記DC/DCコンバータが故障であると判断する請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
- AC/DCコンバータは前記AC/DCコンバータへの入力を切断する遮断手段を介して商用電源に接続され、制御手段は、発電時に電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが正常であると判断した場合は前記遮断手段により前記AC/DCコンバータへの入力を切断し、発電時に前記電源故障検出手段の出力結果からDC/DCコンバータが故障であると判断した場合は前記遮断手段を閉じて前記AC/DCコンバータに前記商用電源の交流電力を入力する請求項1から5いずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
- 第二の所定の電圧は第一の所定の電圧より高く、電源切換え手段はAC/DCコンバータとDC/DCコンバータのどちらか出力電力が高い方の出力を制御用電源として選択する請求項1から6いずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
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Cited By (2)
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CN105981285A (zh) * | 2014-07-04 | 2016-09-28 | 富士电机株式会社 | 电力变换装置 |
JP2018088751A (ja) * | 2016-11-28 | 2018-06-07 | 京セラ株式会社 | 電源装置及びその制御方法、並びに、電源システム |
-
2010
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Cited By (3)
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