JP2011159511A - 伝送ケーブルの製造方法及びその製造装置並びにその方法により製造された伝送ケーブル - Google Patents

伝送ケーブルの製造方法及びその製造装置並びにその方法により製造された伝送ケーブル Download PDF

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裕寿 遠藤
Sohei Kodama
壮平 児玉
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明成 中山
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Abstract

【課題】低スキューの伝送ケーブルを効率的に製造することができると共に、低スキューの伝送ケーブルの低コスト化を図ることができる、伝送ケーブルの製造方法及びその製造装置並びにその方法により製造された伝送ケーブルを提供すること。
【解決手段】連続する長尺の発泡絶縁電線4をその一端から引き出すための供給手段7を用意し、供給手段7から発泡絶縁電線4の一端を引き出して所定の長さで切断した後、供給手段7から発泡絶縁電線4の供給手段7側の切断端を引き出して同じく所定の長さで切断して、夫々所定の長さの2本の発泡絶縁電線4を作製し、この2本の発泡絶縁電線4を1対の芯線とする伝送ケーブル1を製造する、伝送ケーブルの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルの製造方法及びその製造装置並びにその方法により製造された伝送ケーブルに関するものである。
情報通信の発展とデジタル信号機器の普及にともない、伝送信号の長距離化と高速化が著しく進展しており、信号を伝送する主な役割をする伝送ケーブルとしては、そのような環境下で信号を正確に伝送するためにより一層の高品位化が求められている。
伝送信号の長距離化と高速化のためには、伝送ケーブルとしては、耐ノイズ性に優れ、周波数特性に優れたものを使用する必要がある。
一般に、耐ノイズ性に優れた伝送ケーブルとしては、2本の絶縁電線を1対の芯線とする対(ペア)構造の伝送ケーブルが知られており、このような伝送ケーブルは通信ケーブルなどに広く採用されている。また、周波数特性に優れた伝送ケーブルとしては、伝送線路の誘電率を小さくする必要があることから、使用する絶縁電線としてその絶縁体を発泡させてなる発泡絶縁電線を用いた伝送ケーブルが知られており、このような伝送ケーブルはやはり通信ケーブルや同軸ケーブルなどに広く採用されている。また、これらの技術思想の上に立って、耐ノイズ性に優れ、周波数特性に優れた伝送ケーブルとしては、例えば図1に示されるように2本の発泡絶縁電線4、4を1対の芯線とする対(ペア)構造の伝送ケーブルが知られており、このような伝送ケーブルはデジタル信号機器用の伝送ケーブルとして採用されている。
一方、長尺の発泡絶縁電線を製造する方法としては、導体上に押出しにより発泡絶縁体を被覆形成する方法が一般的であり、この場合、押出し後に、発泡絶縁体を被覆形成した発泡絶縁電線を冷却水槽などを通して冷却する必要があるが、押出し、冷却などの製造条件の変動により、発泡絶縁電線の発泡絶縁体の誘電率は変動する可能性がある。
発泡絶縁電線を用いた伝送ケーブルにおいては、発泡絶縁電線の発泡絶縁体の誘電率は長尺にわたって一定であることが望ましく、このことから、押出しにより発泡絶縁電線を製造する方法では、冷却水槽内で発泡絶縁電線の静電容量を測定し、この静電容量の測定値をその製造条件にフィードバックして、関係するパラメータを調整することにより、発泡絶縁電線の発泡絶縁体の誘電率を一定に制御する工夫が行われている。ちなみに、発泡絶縁電線の発泡絶縁体の誘電率は、当然ながら発泡絶縁体の発泡率に対応し、発泡絶縁電線の静電容量は、やはり発泡絶縁体の発泡率に対応している。
これについて、例えば、先行技術文献である特許文献1、2には、押出しにより発泡絶縁電線を製造する方法において、発泡絶縁電線の静電容量が発泡絶縁体の発泡率に対応することに基づいて、発泡ガスの注入量(物理発泡方式の場合)、発泡絶縁体を押出成形するための押出材料である絶縁樹脂の押出温度、押出機のクロスヘッドから冷却水槽までの距離などを調整することにより、発泡絶縁電線の発泡絶縁体の発泡率を調整する方法が記載されている。
特開平8−249958号公報 特開平6−349362号公報
従来、2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする対(ペア)構造の伝送ケーブルを製造する方法としては、上記押出しにより製造された長尺の発泡絶縁電線を巻回したボビンを多数用意し、この多数のボビンから図10に示されるように2台のボビン7、7を1組のボビンとして組み合わせ(ペア化)、前記1組のボビン7、7から夫々発泡絶縁電線4、4を引き出すと共に、引き出された2本の発泡絶縁電線4、4を近接させて1対の芯線とし、この芯線の周囲に外部導体6を構成する素線12を巻き付けるなどにより外部導体6を形成して、所望の伝送ケーブルを製造している。
ところで、この伝送ケーブルにおいては、芯線となる2本の発泡絶縁電線4、4に夫々逆相の信号を伝送し、受信側でその差分を演算する信号伝送方式を採ることにより、ノイズによる信号の乱れを解消するようにしている。また、この信号伝送方式においては、芯線となる2本の発泡絶縁電線4、4に夫々一定のクロックでパルス状の波形信号を伝送するが、その波形信号の伝送にスキューと呼ばれる伝播遅延時間差が生じると、受信側で夫々の波形信号を同一タイミングで受信することができなくなる。このスキューが大きい場合は、上記演算結果が誤ったものとなり、信号(データ)を正確に伝送することができなくなる。
ここで、信号の伝播遅延時間は、次式で計算される。すなわち、その遅延時間は、信号を伝送する発泡絶縁電線の絶縁体の誘電率εにより求められ、上記スキューの解消には、発泡絶縁電線の絶縁体の誘電率εの安定化が非常に重要であることが分かる。
Td=ε0.5×0.33 (1)
ε=C×log(D/d)/24.1 (2)
(Td:遅延時間、ε:誘電率、C:静電容量、D:絶縁体外径、d:導体外径)
この点を踏まえ、現状の押出しによる発泡絶縁電線の製造方法では、上記式(2)により発泡絶縁電線の静電容量Cと絶縁体外径Dの2点が測定可能であることから、これらの値を測定すると共にその測定値に基づいて絶縁体の誘電率εを求め、上記式(1)によりその誘電率εから発泡絶縁電線の信号の伝播遅延時間Tdを評価しながら押出しを行うことにより、所望の発泡絶縁電線を製造している。
さらに、その後の伝送ケーブルの製造方法では、上記押出しにより製造された長尺の発泡絶縁電線を巻回した多数のボビンから、発泡絶縁電線の信号の伝播遅延時間が近い2台のボビンを探して1組のボビンとして組み合わせ(ペア化)、この後は、同じように前記1組のボビンから夫々発泡絶縁電線を引き出すと共に、引き出された2本の発泡絶縁電線を近接させて1対の芯線とし、この芯線の周囲に外部導体を構成する素線を巻き付けるなどにより外部導体を形成して、低スキューの伝送ケーブルを製造している。
しかしながら、そのような伝送ケーブルの製造方法によれば、押出しにより製造された長尺の発泡絶縁電線を巻回した多数のボビンから、発泡絶縁電線の信号の伝播遅延時間が近い2台のボビンを探すことについては、いつでも探せるという保証はなく、最悪の場合は、発泡絶縁電線の信号の伝播遅延時間が近い2台のボビンが得られるまで、2台のボビンを組み合わせる(ペア化)作業を中断して待機しなければならない事態が発生し、これにより低スキューの伝送ケーブルを効率的に製造することができないという問題がある。
したがって、本発明の目的は、低スキューの伝送ケーブルを効率的に製造することができると共に、低スキューの伝送ケーブルの低コスト化を図ることができる、伝送ケーブルの製造方法及びその製造装置並びにその方法により製造された伝送ケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、連続する長尺の発泡絶縁電線をその一端から引き出すための供給手段を用意し、前記供給手段から前記発泡絶縁電線の一端を引き出して所定の長さで切断した後、前記供給手段から前記発泡絶縁電線の前記供給手段側の切断端を引き出して同じく所定の長さで切断して、夫々所定の長さの2本の発泡絶縁電線を作製し、この2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルを製造することを特徴とする伝送ケーブルの製造方法を提供する。
この伝送ケーブルの製造方法によれば、言うなれば、連続する長尺の発泡絶縁電線を同一の供給手段から順次引き出すと共に夫々所定の長さに切断して作製された、しかも、その切断の順序が連続する2本の発泡絶縁電線の信号の伝播遅延時間の最大・最小の差は、後述する実施例からも明らかなように、連続する長尺の発泡絶縁電線の全長にわたっての信号の伝播遅延時間の最大・最小の差と比較して小さいことに鑑み、上記構成を採用することにより、従来のように長尺の発泡絶縁電線を巻回した多数のボビンから信号の伝播遅延時間が近い2台のボビンを探して1組のボビンとして組み合わせる(ペア化)必要がなくなり、したがって、そのようなことをしなくても、前記した2本の発泡絶縁電線を使用することにより低スキューの伝送ケーブルを効率的に製造することができる。また、それによって、低スキューの伝送ケーブルの低コスト化を図ることができる。加えて、この伝送ケーブルの製造方法によれば、各ボビンに巻回された長尺の発泡絶縁電線に信号の伝播遅延時間に夫々差があっても、従来のように2台のボビンを組み合わせる(ペア化)必要がないことから、その差が通常の範囲内であれば、伝送ケーブルの製造に影響を及ぼすことはない。また、本発明は、2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする対(ペア)構造の、2芯及び多芯構造の伝送ケーブルの製造にも適用することができる。
請求項2の発明は、連続する長尺の発泡絶縁電線を巻回したボビンを用意し、前記ボビンから前記発泡絶縁電線の一端を引き出して所定の長さで切断した後、前記ボビンから前記発泡絶縁電線の前記ボビン側の切断端を引き出して同じく所定の長さで切断して、夫々所定の長さの2本の発泡絶縁電線を作製し、この2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルを製造することを特徴とする伝送ケーブルの製造方法を提供する。
この伝送ケーブルの製造方法によれば、上記構成を採用することにより、すなわち請求項1の供給手段としてボビンを用いた構成を採用することにより、同上の効果を得ることができる。
請求項3の発明は、夫々所定の長さに切断された2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルの製造装置であって、連続する長尺の発泡絶縁電線を巻回したボビンと、前記ボビンから前記発泡絶縁電線の一端を引き出す第1のクランプと、前記第1のクランプにより引き出された前記発泡絶縁電線を前記第1のクランプとともに固定する第2のクランプと、前記前記第1のクランプ及び前記第2のクランプにより固定された前記発泡絶縁電線を所定の長さに切断する切断クランプとを備えてなることを特徴とする伝送ケーブルの製造装置を提供する。
この伝送ケーブルの製造装置によれば、上記構成を採用することにより、同上の効果を得ることができるとともに、複数種類のクランプ部品を用いて低スキューの伝送ケーブルを有利に製造することができる。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の方法により製造された伝送ケーブルであって、2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルの、前記電線間の信号の伝播遅延時間差(スキュー)が10ps/m以下であることを特徴とする伝送ケーブルを提供する。
上記において、前記電線間の信号の伝播遅延時間差(スキュー)が10ps/m以下であるとしたのは、最近のデジタル信号機器では信号を4GHz以上で高速伝送する必要があるため、その信号の伝送速度から、前記電線間の信号の伝播遅延時間差(スキュー)を10ps/m以下とする必要があるからである。
なお、この伝送ケーブルにおいて、そのような信号の伝播遅延時間差(スキュー)を達成するためには、芯線を構成する発泡絶縁電線の外径の変動は4μm以下、静電容量の変動は0.5pFとする必要がある。ところが、押出しにより製造される発泡絶縁電線の製造に用いられる通常の測定器の精度は、レーザ式の外径測定器(タキカワエンジニアリング LDM−303H、LDM−110EX)で±2μm、静電容量測定器(タキカワエンジニアリング CPM−401、CPM−101、CP−05)で±2pF程度であり、押出しにより発泡絶縁電線を製造する際の製造許容寸法精度と同等のものでしかない。しかも、これらの測定器における測定精度には、走行時の発泡絶縁電線の振動、電気的なノイズ、走行ガイドなどの搬送装置による測定誤差が加わることから、実際の測定精度はさらに低下する。発泡絶縁電線の外径、静電容量等の測定精度をこれまで以上に高めるためには、より精度の高い測定技術が必要であるが、これには測定器のみならず押出設備の精度もさらに向上させる必要があり、発泡絶縁電線はもとより伝送ケーブルの製造コストは大幅に上昇することになる。
しかるに、この伝送ケーブルによれば、上記効果に加えて、上記構成を採用することにより、低スキューの伝送ケーブルを効率的に製造することができ、これにより低スキューの伝送ケーブルの低コスト化を図ることができる。
また、上記請求項1〜4の発明において、伝送ケーブルを構成する発泡絶縁電線の絶縁体の発泡度は70%以下で40%以上であることが望ましい。発泡度が70%を越える高発泡度領域では、例えば発泡度が73%を越えるようになると気泡形状が急激に悪化し、発泡度のばらつきが大きくなる。これについては球状体からなる気泡の充填密度を考えると理解がしやすい。すなわち、均一径の球状体を密に充填させた場合の充填密度は、いわゆる六方最密充填構造もしくは立方最密充填構造のときが最も高く、その充填密度は74%である。したがって、その値を越えるような発泡度では、気泡同士が合体化するようになり、しかもその現象が発泡絶縁電線の長さ方向に不均一に発生することにより、発泡度のばらつきが大きくなる。一方、発泡度が40%未満の低発泡度領域では、信号の減衰量が指標となる。すなわち、既に述べたとおり、最近のデジタル信号機器では信号を4GHz以上で高速伝送する必要があるが、そのような周波数領域では絶縁体の発泡度が例えば35%以下だとその誘電率が高すぎて信号の減衰量が大きくなり(2.5dB以上)、高速伝送ケーブルとしては不十分なものとなる。
本発明の伝送ケーブルの製造方法及びその製造装置並びにその方法により製造された伝送ケーブルによれば、低スキューの伝送ケーブルを効率的に製造することができると共に、低スキューの伝送ケーブルの低コスト化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの横断面図である。 本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの製造方法の概略説明図である。 同本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの製造方法の第1の工程の説明図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図である。 同本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの製造方法の第2の工程の説明図であり、図4(a)は上面図、図4(b)は側面図である。 同本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの製造方法の第3の工程の説明図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は側面図である。 同本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの製造方法の第4の工程の説明図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は側面図である。 同本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの製造方法の第5の工程の説明図であり、図7(a)は上面図、図7(b)は側面図である。 連続する長尺の発泡絶縁電線を巻回したボビン内における発泡絶縁電線の長さ方向の信号の伝播遅延時間の変化を示した図である。 図8中、その伝播遅延時間の変化が最も大きい部分を発泡絶縁電線の長さ方向に拡大して示すと共に、その長さを5m毎に区切って夫々伝播遅延時間の平均値を計算して示した図である。 従来の伝送ケーブルの製造方法の概略説明図である。
以下、図1〜9に基づいて本発明の好適な実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施の形態の限られるものでないことは言うまでもないことである。
前記したように、図1は本発明の一実施の形態に係る伝送ケーブルの横断面図であり、この伝送ケーブル1はデジタル信号機器用の伝送ケーブルとして用いられるものである。また、この伝送ケーブル1は、導体2上に押出しにより被覆形成された発泡絶縁体3を有する発泡絶縁電線4の2本を1対の芯線として構成される。5は前記2本の発泡絶縁電線4、4の間に設けられたドレンワイヤ、6は前記芯線の周囲に形成された外部導体である。
図2はこの伝送ケーブル1の製造方法の概略説明図であり、この伝送ケーブル1の製造方法は、要するに、連続する長尺の発泡絶縁電線4を巻回した1個のボビン7を用意し、このボビン7から前記発泡絶縁電線4の一端を引き出すと共にガイドロール8及び搬送ロール9、10を用いて搬送する過程で前記発泡絶縁電線4を所定の長さに切断し、引き続き、前記ボビン7から前記発泡絶縁電線4の前記ボビン7側の切断端を引き出して同じように所定の長さに切断して(図ではその切断前に外部導体6を形成する状態が示されているが、このように外部導体6を形成した後から切断してもよい)、夫々所定の長さの2本の発泡絶縁電線4、4を作製し、この2本の発泡絶縁電線4、4を1対の芯線とする伝送ケーブル1を製造する方法である。なお、11は外部導体6を形成するための外部導体用素線12の巻き付け機である。
次に、この伝送ケーブル1の製造方法について、図3〜7により詳しく説明すると、図3には、第1のクランプ101によって前記ボビン7から前記発泡絶縁電線4の一端を引き出す工程が示される。ここで、第1のクランプ101と第2のクランプ102は、ワンセットを構成するものであり、第1のクランプ201と第2のクランプ202は、もう一つのワンセットを構成するものである。また、301は共通の切断クランプである。図3の工程では、第1のクランプ101によって発泡絶縁電線4を把持する以外は、第2のクランプ102及びもう一つのワンセットを構成する第1のクランプ201及び第2のクランプ202は、いずれも発泡絶縁電線4に対してフリーの状態にある。
図4には、第1のクランプ101によって十分な長さに引き出された発泡絶縁電線4を、第1のクランプ101及び第2のクランプ102によって固定すると共に、切断クランプ301によって所定の長さに切断する工程が示される。なお、302は切断クランプ301に付随するカッターである。切断クランプ301では、このカッター302によって発泡絶縁電線4を切断する。
図5には、引き続き、もう一つのワンセットを構成する第1のクランプ201によって前記ボビン7から前記発泡絶縁電線4の前記ボビン7側の切断端を引き出す工程が示される。この図5の工程では、まだ、第2のクランプ202は、発泡絶縁電線4に対してフリーの状態にある。
図6には、もう一つのワンセットを構成する第1のクランプ201によって同じように十分な長さに引き出された発泡絶縁電線4を、第1のクランプ201及び第2のクランプ202によって固定すると共に、切断クランプ301によって所定の長さに切断する工程が示される。また、図6には、これまでの動作により夫々所定の長さに切断して作製した2本の発泡絶縁電線4、4を並行に配置した状態が示される。この並行に配置した2本の発泡絶縁電線4、4は、一対の芯線として伝送ケーブル1を構成するものである。
図7には、図6において第1のクランプ101と第2のクランプ102及び第1のクランプ201と第2のクランプ202によって夫々固定された前記2本の発泡絶縁電線4、4の夫々固定を開放すると共に、搬送ロール9、10によって支持しながら前記2本の発泡絶縁電線4、4を矢印方向に搬送し、この搬送過程で巻き付け機11により前記2本の発泡絶縁電線4、4の周囲に外部導体用素線12を巻き付ける工程が示される。この工程では、第1のクランプ101及び201は、いずれも元の位置に戻され、次工程に備えて配置される。また、この図7の状態で、搬送ロール9、10による搬送方法によっては、前記2本の発泡絶縁電線4、4に適切なテンションを加えることができるので、巻き付け機11による外部導体6の形成を精度良く行うことができる。
本実施の形態においては、ボビン7から発泡絶縁電線4を引き出す際は、ボビン7に巻回された状態にある発泡絶縁電線4の先端を切断クランプ301を用いて第1のクランプ101の位置まで引き出すことも可能であるが、上記したように第1のクランプ101をボビン7の近くまで移動させることによって、ボビン7から発泡絶縁電線4の先端を引き出すようにしてもよい。この場合、装置全体として移動する動作をするクランプは第1のクランプ101及び201のみとなるので、設備構成が簡単となる。
押出しにより製造された長尺(100m)の発泡絶縁電線を巻回したボビン内における、発泡絶縁電線の長さ方向の信号の伝播遅延時間を確認した。ここで、信号の伝播遅延時間は、前述した式(1)、式(2)により計算した。この結果を図8に示す。また、図9は、図8中、その伝播遅延時間の変化が最も大きい部分(四角い枠で囲った部分)を発泡絶縁電線の長さ方向に拡大して示すと共に、その長さを5m毎に区切って夫々伝播遅延時間の平均値を計算して示したものである。なお、その長さを5mとしたのは、この伝送ケーブルはその用途から2〜3mの範囲で使用されることが多く、長くても5m程度で使用されることから、5mとしたものである。
ここで、押出しにより製造された発泡絶縁電線の構造としては、導体としては複数本のSnめっき素線を撚り合わせて構成される26AWG(φ0.102mm/19本)の撚線を使用した。また、発泡絶縁電線は適度な柔軟性を必要とすることから、前記Snめっき素線としては、予め熱処理したものを使用した。
また、前記導体上に押出しにより被覆形成される絶縁体の押出材料としては、その成型性を重視して、高密度ポリエチレン(HDPE)に低密度ポリエチレン(LDPE)をHDPE:LDPE=70:30となるように配合したもの使用した。
また、発泡ガスとしては、N2ガスを使用した。さらに、高速伝送用途のためには信号の減衰は極力抑える必要があることから、発泡絶縁電線の絶縁体の発泡度がほぼ70%となるように押出条件を設定して押出しを行った。なお、発泡度は絶縁体中に占める発泡体の密度を測定して換算したものである。
図8から明らかなように、ボビン内における長尺(100m)の発泡絶縁電線の長さ方向の信号の伝播遅延時間の最大・最小の差は23ps/m程度となってしまい、このことから、従来のように異なる2台のボビンを1組のボビンとして組み合わせ(ペア化)、夫々のボビンから引き出した2本の発泡絶縁電線を1対の芯線として伝送ケーブルを製造する場合は、芯線を構成する電線間の伝播遅延時間差(スキュー)は20ps/m以上となる。
一方、図9は、図8中、その伝播遅延時間の変化が最も大きい部分(四角い枠で囲った部分)を発泡絶縁電線の長さ方向に拡大して示すと共に、その長さを5m毎に区切って夫々伝播遅延時間の平均値を計算して示したものである。この図9から明らかなように、その長さを5m毎に区切って測定した隣接する発泡絶縁電線(A)(B)の伝播遅延時間の平均値の差は、大きいところでも5ps/m程度と小さい。
したがって、図8及び図9から明らかなように、そのように隣接する発泡絶縁電線を例えば5m単位で切断して、2本の発泡絶縁電線を作製し、この2本の発泡絶縁電線を1対の芯線として伝送ケーブルを製造すれば、その電線間の伝播遅延時間差(スキュー)は小さくなることが分かる。
因みに、図2〜7の方法に基づいて、そのように切断した2本の発泡絶縁電線を用いて実際に伝送ケーブルを試作し、その電線間の伝播遅延時間差(スキュー)をネットワークアナライザにより評価した。また、比較のため、同じ断面構造の従来方法による伝送ケーブルも試作し、同様に評価した。なお、ここでは、いずれも外部導体としては、片面に厚さ10μmの銅箔を貼り付けたポリイミド製のテープを用いた(芯線の周囲に巻き付けて使用した)。また、試作した伝送ケーブルは、いずれも10本であり、夫々、ネットワークアナライザを用いてその伝播遅延時間差(スキュー)の平均値を求めたところ、前者(実施例)の場合は、その平均値は4ps/mであり、後者(比較例)の場合は、その平均値は18ps/mであった。これにより、実施例の方法を採用することにより伝送ケーブルの伝播遅延時間差(スキュー)を低減できることが分かった。
押出しにより製造される発泡絶縁電線の、絶縁体の発泡度が40%程度であり、導体としてSnめっき素線の単線からなる24AWG(φ0.511)の素線を使用する以外は、基本的に上記実施例の方法により製造された発泡絶縁電線を用いて、2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルを試作した。但し、ここでは発泡度との関係から、発泡ガスとしてN2ガスを用いて、絶縁体の発泡度が45%となるように押出条件を設定して押出しを行った。得られた伝送ケーブルについては、同じように、その電線間の伝播遅延時間差(スキュー)をネットワークアナライザにより評価した。また、比較のため、同じ断面構造の従来方法による伝送ケーブルも試作し、同様に評価した。
なお、ここでも、いずれも外部導体としては、片面に厚さ10μmの銅箔を貼り付けたポリイミド製のテープを用いた(芯線の周囲に巻き付けて使用した)。また、試作した伝送ケーブルは、いずれも10本であり、夫々、ネットワークアナライザを用いてその伝播遅延時間差(スキュー)の平均値を求めたところ、前者(実施例)の場合は、その平均値は2.5ps/mであり、後者(比較例)の場合は、その平均値は20ps/mであった。これによっても、実施例の方法を採用することにより伝送ケーブルの伝播遅延時間差(スキュー)を低減できることが分かった。
本実施例の形態によれば、伝送ケーブルの製造方法としては、図2〜7に示されるように、連続する長尺の発泡絶縁電線を同一のボビンから順次引き出すと共に夫々所定の長さに切断して作製された、しかも、その切断の順序が連続する2本の発泡絶縁電線を用いて伝送ケーブルを製造することにより、低スキューの伝送ケーブルを容易に効率的に製造することができると共に、低スキューの伝送ケーブルの低コスト化を図ることができる。また、伝送ケーブルの製造装置としては、複数種類のクランプ部品を用いて低スキューの伝送ケーブルを有利に製造することができる。
1 伝送ケーブル
2 導体
3 発泡絶縁体
4 発泡絶縁電線
5 ドレンワイヤ
6 外部導体
7 ボビン
8 ガイドロール
9、10 搬送ロール
11 巻き付け機
12 外部導体用素線
101、201 第1のクランプ
102、202 第2のクランプ
301 切断クランプ
302 カッター

Claims (4)

  1. 連続する長尺の発泡絶縁電線をその一端から引き出すための供給手段を用意し、前記供給手段から前記発泡絶縁電線の一端を引き出して所定の長さで切断した後、前記供給手段から前記発泡絶縁電線の前記供給手段側の切断端を引き出して同じく所定の長さで切断して、夫々所定の長さの2本の発泡絶縁電線を作製し、この2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルを製造することを特徴とする伝送ケーブルの製造方法。
  2. 連続する長尺の発泡絶縁電線を巻回したボビンを用意し、前記ボビンから前記発泡絶縁電線の一端を引き出して所定の長さで切断した後、前記ボビンから前記発泡絶縁電線の前記ボビン側の切断端を引き出して同じく所定の長さで切断して、夫々所定の長さの2本の発泡絶縁電線を作製し、この2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルを製造することを特徴とする伝送ケーブルの製造方法。
  3. 夫々所定の長さに切断された2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルの製造装置であって、連続する長尺の発泡絶縁電線を巻回したボビンと、前記ボビンから前記発泡絶縁電線の一端を引き出す第1のクランプと、前記第1のクランプにより引き出された前記発泡絶縁電線を前記第1のクランプとともに固定する第2のクランプと、前記第1のクランプ及び前記第2のクランプにより固定された前記発泡絶縁電線を所定の長さに切断する切断クランプとを備えてなることを特徴とする伝送ケーブルの製造装置。
  4. 請求項1又は2に記載の方法により製造された伝送ケーブルであって、2本の発泡絶縁電線を1対の芯線とする伝送ケーブルの、前記電線間の信号の伝播遅延時間差(スキュー)が10ps/m以下であることを特徴とする伝送ケーブル。
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