JP2011157975A - オリフィスの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、穴径の異なる凹部及びオリフィスを高い位置精度で、且つ短時間で加工することが可能なオリフィスの加工方法を提供することにある。
【解決手段】ベース2b上に設けられテーブルBを設けたB軸角度割出し装置3と、テーブルB上に設けられテーブルAを設けたA軸角度割出し装置25と、テーブルA上に設けられワークを保持するチャック32と、ベース上に設けられ軸線Z方向に動作可能なベースZ6と、ベースZ上に設けられ軸線X方向に動作可能なベースX8と、ベースX上に設けられ軸線Y方向に昇降動作可能なパンチ保持部13と、パンチ保持部に軸線Zと平行に保持された複数のパンチ19,22とからなるプレス装置で、ワークの姿勢を変えてパンチをZ方向に動かして所望の位置にプレス加工するサイクルを、ワークをチャックしたまま先端径・形状違いのパンチで連続的に行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は一対のパンチとダイ、及びそれらを保持するプレートからなる金型を用いた穴加工方法に関するものであり、特に燃料噴射弁のオリフィス(噴孔)を、燃料噴射弁の軸線に傾斜させ、オリフィスの出口部にオリフィス径よりも大きな径の凹部と共に形成する、段付き穴加工に好適な加工方法に関する。
従来、X軸方向及びY軸方向に移動可能なステージと、Z軸方向に昇降可能な昇降機構とを備え、ステージ面に対して平行な軸周りに揺動可能であり、かつステージ面に垂直な軸周りに回転可能な回転機構をステージ上に備え、被加工材であるオリフィスプレートを保持するコレットチャックを回転機構上に固定し、加工ツールを保持するツールホルダを昇降機構に固定したオリフィスの加工装置が知られている(特許文献1参照)。この加工装置では、加工ツールを交換するツールチェンジャを備えており、被加工材であるオリフィスプレートをコレットチャックに保持したままで、加工ツールを交換しながら、径の異なる複数の凹部及びオリフィスを加工することができる。更に、コレットチャックに保持されたオリフィスプレートを、ステージでX軸方向及びY軸方向に移動し、加工ツールに対する傾き角度を回転機構で変えながら、凹部及びオリフィスの軸線がオリフィスプレートの中心軸線に対して異なる角度に傾斜した6組の凹部及びオリフィスを加工している。
特開2008−184977号公報
上記従来技術では、穴径の異なる凹部及びオリフィスを加工するために、穴径に応じた加工ツールに交換する必要がある。加工ツールを交換することにより、加工ツールの先端位置と被加工材であるオリフィスプレートとの相対的な位置関係がずれてしまう可能性がある。そのため、加工ツールを交換するたびに、加工ツールの先端位置と被加工材であるオリフィスプレートとの相対的な位置関係を調整する作業が必要になり、加工時間が長くなる。ここで、穴径とは凹部やオリフィスの径のことを意味している。凹部やオリフィスは穴に含まれ、特に貫通した穴であるオリフィスは孔に含まれる。従って、オリフィスの穴径は孔径ともいう。
本発明の目的は、穴径の異なる凹部及びオリフィスを高い位置精度で、且つ短時間で加工することが可能なオリフィスの加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のオリフィスの加工方法は、
チャックに保持されたワークとの相対的位置関係が記憶され、水平方向に軸線を有するように配置された複数のパンチの中から、いずれか一つのパンチを選択する第1のステップと、
前記第1のステップの後に、鉛直線方向とパンチ軸線方向とに垂直な第1の軸線方向及び鉛直線方向に前記パンチを位置決めする第2のステップと、
鉛直線方向の第2の軸線周り及び前記第2の軸線周りに揺動可能な水平方向の第3の軸線周りに前記ワークを揺動及び回転させて前記ワークを位置決めする第3のステップと、
前記第2及び前記第3のステップの後に、前記パンチをパンチ軸線方向に直進させて前記ワークを押圧加工する第4のステップと、
前記第4のステップの後に、前記第4のステップにおける直進方向とは逆方向にパンチを直進させて前記ワークからパンチの引抜きを行う第5のステップと、を有し、
前記第1から前記第5のステップを実行した後に、前記ワークをチャックに保持したままの状態で、第1のステップに戻り、先の第1のステップで選択したパンチとは別のパンチを選択し、第2から第5のステップを実行することによりオリフィス及び前記オリフィスの出口開口部に位置する凹部を含む穴加工を行う。
また、上記加工方法において、
第1から第5のステップを実行することにより、ワークの表面にワークの中心軸線に対して傾いた軸線を有する凹部を形成し、
前記凹部を形成した後に、第2から第5のステップを実行することにより、前記凹部を押圧加工したパンチを使用して、前記凹部とは異なる位置に凹部を形成することにより、複数の凹部を形成し、
前記複数の凹部を形成した後に、第1のステップを実行して前記複数の凹部を押圧加工したパンチとは別のパンチを選択し、第2から第5のステップを実行することにより前記複数の凹部のうちいずれか一つの凹部内にオリフィスを形成し、
前記オリフィスを形成した後に、第2から第5のステップを実行することにより、前記複数の凹部のうち他の凹部内に、前記オリフィスを押圧加工したパンチを使用して、オリフィスを押圧加工するとよい。
本発明によれば、穴径の異なる凹部及びオリフィスを高い位置精度で、且つ短時間で加工することが可能になる。特に、燃料噴射弁の中心軸線に対して傾斜角度が異なる偏向オリフィスを複数有する構成にあっては、各オリフィス間の位置及び角度の精度を高めることができるので、本発明の加工方法により、噴射特性のばらつきの少ない燃料噴射弁を得ることができる。
横型プレス装置の正面図。 横型プレス装置の平面図(B軸を回転させた状態)。 図2の加工部拡大図。 オリフィスプレートの平面図。 図4のE−E方向断面図。 パンチ配置図(図1の矢視D方向)。 位置決め穴46の加工部拡大図。 面押し穴54aの加工部拡大図。 ザグリ穴54bの加工部拡大図。 オリフィス54の加工部拡大図。 ワーク排出後の加工部拡大図。
本発明の実施例は以下の形態を有するものである。
チャックに保持されたワークとの相対的位置関係が記憶され、水平方向に軸線を有するように配置された複数のパンチの中から、いずれか一つのパンチを選択する第1のステップと、
前記第1のステップの後に、鉛直線方向とパンチ軸線方向とに垂直な第1の軸線方向及び鉛直線方向に前記パンチを位置決めする第2のステップと、
鉛直線方向の第2の軸線周り及び前記第2の軸線周りに揺動可能な水平方向の第3の軸線周りに前記ワークを揺動及び回転させて前記ワークを位置決めする第3のステップと、
前記第2及び前記第3のステップの後に、前記パンチをパンチ軸線方向に直進させて前記ワークを押圧加工する第4のステップと、
前記第4のステップの後に、前記第4のステップにおける直進方向とは逆方向にパンチを直進させて前記ワークからパンチの引抜きを行う第5のステップと、を有し、
前記第1から前記第5のステップを実行した後に、前記ワークをチャックに保持したままの状態で、第1のステップに戻り、先の第1のステップで選択したパンチとは別のパンチを選択し、第2から第5のステップを実行することによりオリフィス及び前記オリフィスの出口開口部に位置する凹部を含む穴加工を行う。
また上記オリフィスの加工方法において、
第1から第5のステップを実行することにより、ワークの表面にワークの中心軸線に対して傾いた軸線を有する凹部を形成し、
前記凹部を形成した後に、第2から第5のステップを実行することにより、前記凹部を押圧加工したパンチを使用して、前記凹部とは異なる位置に凹部を形成することにより、複数の凹部を形成し、
前記複数の凹部を形成した後に、第1のステップを実行して前記複数の凹部を押圧加工したパンチとは別のパンチを選択し、第2から第5のステップを実行することにより前記複数の凹部のうちいずれか一つの凹部内にオリフィスを形成し、
前記オリフィスを形成した後に、第2から第5のステップを実行することにより、前記複数の凹部のうち他の凹部内に、前記オリフィスを押圧加工したパンチを使用して、オリフィスを押圧加工する。
更に具体的には、ベースと、前記ベース上に設けられ、軸線B回りに回転角度を調節可能なテーブルBを設けたB軸角度割出し装置と、前記テーブルB上に設けられ、前記軸線Bと直交する軸線A回りに回転角度を調節可能なテーブルAを設けたA軸角度割出し装置と、前記テーブルA上に設けられ、前記テーブルAと同芯に回転するチャックを備えたワーク保持部と、チャックに保持された円筒状ワークと、前記ワーク排出時に前記軸線A方向に動作する排出ピンと、前記A軸角度割出し装置の前記テーブルAと逆側端面に保持され、前記チャック部に推力を加えて前記チャックの開閉を行うアクチュエータaと、前記アクチュエータaの前記テーブルAと逆側端面に保持され、前記排出ピンを動作させるアクチュエータbと、前記ベース上に設けられ、前記軸線Bと直交した軸線Z方向に動作可能なベースZと、前記ベースZ上に設けられ、前記軸線Zと直交する軸線X方向に動作可能なベースXと、前記ベースX上に設けられ、前記軸線Xと直行する軸線Y方向に昇降動作可能なパンチ保持部と、前記パンチ保持部に前記軸線Zと平行に保持され、先端の径が異なる複数のパンチからなり、前記ベースXを前記軸線X方向に移動させるX方向アクチュエータと、前記ベースYを前記軸線Y方向に移動させるY方向アクチュエータと、前記ベースZを前記軸線Z方向に移動させるZ方向アクチュエータと、前記テーブルAの前記軸線A回りの回転角度を調節するA軸角度割出し装置と、前記テーブルBの前記軸線B回りの回転角度を調節するB軸角度割出し装置と、前記アクチュエータaと、前記アクチュエータbをNCプログラム制御する横型プレス装置を用いて、
前記A軸角度割出し装置と前記B軸角度割出し装置を回転させて前記円筒状ワークを位置決めする第1のステップと、前記ベースXと前記ベースYを移動させてパンチを位置決めする第2のステップと、前記ベースZを前記軸線Z方向に直進させて所定のZ位置まで前記円筒状ワークを押圧加工する第3のステップと、下死点でパンチを停止させる第4のステップと、第3のステップと逆方向に直進してパンチの引抜きを行う第5のステップを行い、さらに前記円筒状ワークを保持したまま同一、または別のパンチで、加工部をずらして第1〜第5のステップを複数回行い、その後前記排出ピンを前記軸線A方向に移動させて前記円筒状ワークをチャック外に排出動作する。
また、上記加工方法を以下のようにして3次元部品の加工方法に応用することができる。
ベースと、前記ベース上に設けられ、軸線B回りに回転角度を調節可能なテーブルBを設けたB軸角度割出し装置と、前記テーブルB上に設けられ、前記軸線Bと直交する軸線A回りに回転角度を調節可能なテーブルAを設けたA軸角度割出し装置と、前記テーブルA上に設けられ、前記テーブルAと同芯に回転するチャックを備えたワーク保持部と、チャックに保持されたワークと、前記ワーク排出時に前記軸線A方向に動作する排出ピンと、前記A軸角度割出し装置の前記テーブルAと逆側端面に保持され、前記チャック部に推力を加えて前記チャックの開閉を行うアクチュエータaと、前記アクチュエータaの前記テーブルAと逆側端面に保持され、前記排出ピンを動作させるアクチュエータbと、前記ベース上に設けられ、前記軸線Bと直交した軸線Z方向に動作可能なベースZと、前記ベースZ上に設けられ、前記軸線Zと直交する軸線X方向に動作可能なベースXと、前記ベースX上に設けられ、前記軸線Xと直行する軸線Y方向に昇降動作可能なパンチ保持部と、前記パンチ保持部に前記軸線Zと平行に保持された複数のパンチからなる横型プレス装置を用いて、
前記A軸角度割出し装置と前記B軸角度割出し装置を回転させて前記ワークを位置決めする第1のステップと、前記ベースXと前記ベースYを移動させてパンチを位置決めする第2のステップと、前記ベースZを前記軸線Z方向に直進させて所定のZ位置まで前記ワークを押圧加工する第3のステップと、下死点でパンチを停止させる第4のステップと、第3のステップと逆方向に直進してパンチの引抜きを行う第5のステップを行い、さらに前記ワークを保持したまま同一、または別のパンチで、加工部をずらして第1〜第5のステップを複数回行い、その後前記排出ピンを前記軸線A方向に移動させて前記ワークをチャック外に排出動作する。
以下、本発明の実施例を説明する。尚、以下の説明において、穴径とは凹部やオリフィスの径のことを意味している。凹部やオリフィスは穴に含まれ、特に貫通した穴であるオリフィスは孔に含まれる。従って、オリフィスの穴径は孔径ともいう。
まず、図1,図2,図3を用いて横型プレス装置1の構成について説明する。
図1は本発明の実施例に係る横型プレス装置の正面図であり、図2は横型プレス装置の平面図(B軸を回転させた状態)であり、図3は図2の加工部拡大図である。
横型プレス装置1は複数のパンチを保持し、軸線X,Y,Z方向に移動可能なベース部とワーク12を保持し、軸線A,B方向に回転可能なテーブル部から構成される。まず、ベース部の構成について説明する。
床上に水平に設置されるベース2は隣接して配置されるベース2aとベース2bから構成される。ベース2a上にはB軸角度割出し装置3が保持され、内部にはZ方向アクチュエータ4を有する。ベース2b上にはガイドレールZ5が形成され、ベースZ6がガイドレールZ5に案内されながらZ方向に摺動可能となるように設置される。この時、ベースZ6はZ方向アクチュエータ4により作動される。
ベースZ6はベースZ6aとベースZ6bから構成される。ベースZ6aはZ方向アクチュエータ4と連結され、ベースZ6bと一体に取付けられる。ベースZ6bはベース2b上に載置され、ガイドレールZ5に案内されながら軸線Z方向に摺動可能であり、内部にX方向アクチュエータ7を有する。
ベースZ6b上にはガイドレールX40が形成され、ベースX8がガイドレールX40に案内されながら軸線X方向に摺動可能となるように設置される。この時、ベースX8はX方向アクチュエータ7により作動される。
ベースX8はベースX8aとベースX8bから構成される。ベースX8aはX方向アクチュエータ7と連結され、ベースX8bと一体に取付けられる。ベースX8bはベースZ6b上に載置され、ガイドレールX40に案内されながら軸線X方向に摺動可能であり、内部にY方向アクチュエータ9を有する。
ベースY10はベースY10aとベースプレート10bから構成される。ベースプレート10b上には、パンチ17〜22が軸線Z方向と平行に保持されるパンチ保持部13が設置される。ベースY10aはY方向アクチュエータ9と連結され、ベースプレート10bと一体に取付けられる。ベースX8bにはガイドレールY14が形成され、ベースプレート10bがガイドレールY14に案内されながら軸線Y方向に摺動可能となるように設置される。この時、ベースY10aはY方向アクチュエータ9により作動される。
パンチ保持部13はホルダ11とアーバ16から構成され、ベースプレート10bに保持される。この時、ベースプレート10b上にはアーバ16が軸線Z方向と平行に3本ずつ2列に計6本取付けられる。アーバ16はテーパ部16aを有し、ここにホルダ11が着脱可能に同芯上に取付けられる。また、ホルダ11には円筒状のパンチ保持部11aが設けられており、このパンチ保持部には油圧発生部11bが形成されている。ここに6本のパンチ17〜22が保持される。それぞれのパンチ17〜22は径、及び形状違いである刃先部17a〜22a、及びホルダ11に保持される柄部17b〜22bから形成される。パンチ柄部17b〜22bをパンチ保持部11aに挿入し、油圧発生部11bに油圧を発生させて径方向に締付け力を発生させ、パンチ17〜22を保持する。この際、パンチ17〜22の把握力を確保するため、パンチ柄部17b〜22bの直径はパンチ刃部17a〜22aの直径より大きくする。
これにより、パンチの保持力を高めて、パンチの芯振れ、及びパンチ引抜き時のパンチ刃先位置の変化(パンチ抜け)を防止することができる。
以上により、パンチ17〜22は軸線X,Y,Z方向に精度良く直交動作する。
次にテーブル部の構成について説明する。
B軸角度割出し装置3はベース2a上に保持され、上部にテーブルB23、内部にB軸アクチュエータ24を備え、テーブルB23上の一方の端(パンチ17〜22との距離が遠い側)にはA軸角度割出し装置25が保持される。B軸アクチュエータ24の動作により、テーブルB23は軸線B中心で回転する。
A軸角度割出し装置25はパンチ17〜22と向い合う側の端面にテーブルA26を備え、逆側端面にアクチュエータa29が保持され、内部にA軸アクチュエータ28を備える。A軸アクチュエータ28の動作により、テーブルA26は軸線A中心で回転する。また、テーブルA26上にはテーブルA26と同芯状にワーク保持部31が保持される。ワーク保持部31は円筒形状のワーク12を保持するチャック32,アクチュエータa29からの軸線A方向の推力をチャック32を径方向に縮める力に変換するスリーブ33,ワーク12をチャック32外に排出する排出ピン34、及びそれらを保持する保持枠35より構成される。ワーク12がチャック32内に挿入された後、アクチュエータa29によって軸線A方向(パンチ17〜22に向かう方向)に推力が加えられ、スリーブ33が軸線A方向に動くことでチャック32に把握力を発生させ、チャック32がワーク12を把握する。
この時、チャック32は保持枠35により軸線A方向の動きを規制されているため、ワーク12がチャック時に軸線A方向に動くことはない。
このため、連続的にワーク12を供給・排出して加工しても、繰返し精度良くZ寸法を加工することができ、穴深さのばらつきを小さくしてペネトレーション長さのばらつきを小さくできる。
ワーク12排出時はアクチュエータa29の作動により、チャック32把握時とは逆の方向に推力が伝えられてチャック32を緩め、その後アクチュエータb30によってZ方向に推力が加えられ、排出ピン34を動作してワーク12をチャック32外に排出する。
ワーク12は軸方向の片側端面に凸状の球面部12aを有した円筒形状であり、A軸角度割出し装置25をテーブルB23上に設置する際、球面部12aの中心が軸線Bと交わるように設置する。このようにすることで、球面部12aにテストインジケータをあて、B軸を回転させて、テストインジケータの振れの出ない場所を容易に探すことができ、軸線Aと軸線Bの回転中心を高精度に合せることができる。また、ベースプレート10bにテストインジケータを取付けて、テーブルA26に対し軸線Y方向にテストインジケータを移動させて振れの出ない場所を容易に探すことができ、軸線Yと軸線Bの平行度を高精度に出せる。ワーク12の球面部12aと逆側の端面には椀状の凹部12bが形成されている。
以上により、X,Y,Z,A,B座標系が高精度に実現できる。
本実施例において、軸線Y及び軸線Bは本質的に鉛直線に平行である。また軸線Z及び軸線Aは本質的に水平方向である。ここで、本質的とは、本実施例の横型プレス装置が水平な場所に設置された状態を前提としていること、また鉛直線又は水平方向からの誤差程度の僅かな傾きを有している場合も、鉛直線に平行又は水平方向に含まれることを意味している。
また、A軸角度割出し装置25はパンチ17〜22の加圧に対して片持ち支持構造となるため、上方にスペースができる。このスペースにワーク12の自動供給・排出を行うローダーを設置可能であり、ローダーまで含めたプレス装置をコンパクト、かつ安価に製作することが可能である。
X方向アクチュエータ7,Y方向アクチュエータ9,Z方向アクチュエータ4,A軸アクチュエータ28,B軸アクチュエータ24,アクチュエータa29,アクチュエータb30の作動は制御ユニット36により制御される。制御ユニット36にはあらかじめパンチ17〜22各々に割り振られたX,Y,Z,A,Bの座標値、パンチ17〜22を動作する順番、パンチ17〜22の押圧・引抜き速度、及びアクチュエータa29,アクチュエータb30の動作タイミング等が入力される。それらの情報はまとめてプログラム1として入力される。
次に燃料噴射弁の軸線に対して異なる角度に偏向した複数個のオリフィス(噴孔)を有し、全せん段面で形成されたオリフィスのアスペクト比が1.5以上であり、オリフィスの下流側に凸状の球面部を有した円筒状オリフィスプレートの段付き穴加工について図4,図5を用いて説明する。
図4はオリフィスプレートの平面図であり、図5は図4のE−E方向断面図である。
本オリフィスプレート44は球面45上に3段の穴(面押し穴54a〜59a,ザグリ穴54b〜59b,オリフィス54〜59)が6箇所、燃料噴射弁の軸線53に対して異なる角度に偏向して形成されており、平面部49には円錐形状の有底穴である位置決め穴46〜48を3箇所有する。この際、位置決め穴47,48は180度離れた対向位置に、オリフィスプレート44中心から等距離に設け、それらの略中間位置に位置決め穴46が設けられる。これにより位置決め穴47,48の穴中心間を結んだ回転方向基準軸線43が形成できる。
オリフィス54〜59が、燃料噴射弁の軸線53に対して異なる角度に偏向して形成されているので、燃料噴射弁本体に組込む際の回転方向の位置決め基準には使えないため、回転方向基準軸線43を基準にして燃料噴射弁本体に組み込む。このようにすることで、噴霧位置精度を高精度に出すことができ、噴霧位置のばらつきも抑えることができる。また、位置決め穴46〜48を円錐形状の有底穴で形成することで、穴を真上から見た時の視認性を上げることができ、回転方向の位置決めを行う際の画像処理が容易となり、組立て精度を向上させることができる。
ここで、穴座標値X,Y,Z,A,Bの算出法について説明する。一例として面押し穴54a,ザグリ穴54b,オリフィス54の座標値算出について説明する。
横型プレス装置1において、軸線Zと軸線Aが平行である位置を初期位置とする(図1の状態)。B軸が初期位置の時に、軸線Aとパンチ17〜22との芯出しを行った位置を各パンチのX,Y座標原点とし、球面部45の中心45aにパンチ19〜22の刃先部端面を合わせた位置を各パンチのZ座標原点とする。球面部45の中心45aから面押し穴54a,ザグリ穴54bの底面までの距離がそれぞれの穴のZ座標となる。また、オリフィス54のZ座標値はシート部44a形成時に穴が貫通するZ座標値とする。この時オリフィス54の底面は凹部12bの内部となる。
また、回転方向基準軸線43と、オリフィス54の軸線との平面部49への投影角度が角度Aとなる。オリフィス54の軸線を通り、かつ平面部49と垂直な断面において、燃料噴射弁の軸線53と、オリフィス54の軸線との垂直断面への投影角度が角度Bとなる。横型プレス装置1にオリフィスプレート44を保持し、初期状態からA,B軸を角度A,Bだけ回転させると、オリフィス54の軸線が軸線Zと平行になる。この状態で、オリフィス54の軸線とオリフィス加工パンチ22の軸線との芯合せをした時の原点からの移動距離がX,Y座標となる。
以上のように算出した座標値X,Y,A,Bを入力すると、穴の軸線とパンチの軸線が一致し、その軸線はZ軸と平行となる。その状態で座標値Zを入力することで所定の穴深さまで加工することができる。
次に図6〜図11を用いて、本発明を図4,図5に示すような燃料噴射弁の軸線に対して異なる角度に偏向した複数個のオリフィス(噴孔)を有し、全せん段面で形成されたオリフィスのアスペクト比が1.5以上であり、オリフィスの下流側に凸状の球面部を有した円筒状オリフィスプレートの段付き穴加工に適用した場合の加工方法について説明する。図6はパンチ配置図(図1の矢視D方向)、図7は位置決め穴46の加工部拡大図、図8は面押し穴54aの加工部拡大図、図9はザグリ穴54bの加工部拡大図、図10はオリフィス54の加工部拡大図である。
3段の穴(面押し穴54a〜59a,ザグリ穴54b〜59b,オリフィス54〜59)加工に用いるパンチは径違いで3種類、円錐形状の有底穴(位置決め穴46〜47)の加工に用いるパンチは1種類必要である。このため位置決め穴46〜48を加工する位置決め穴加工パンチ20,面押し穴54a〜59aを加工する面押し穴加工パンチ21,ザグリ穴54b〜59bを加工するザグリ穴加工パンチ19,オリフィス54〜59を加工するオリフィス加工パンチ22を図6に示すように配置する。面押し穴加工パンチ21,ザグリ穴加工パンチ19,オリフィス加工パンチ22は段付き円筒形状であり、柄部19b〜22bの寸法はすべて同じで刃先19a〜22aの寸法のみ異なる。刃先19a〜22aの径寸法は面押し加工パンチ21>ザグリ加工パンチ19>オリフィスパンチ22の順である。
位置決め穴加工パンチ20は柄部20bの寸法は、他パンチ柄部19b〜22bと同じであるが、刃部20aが円錐形状である点が他のパンチと異なる。
あらかじめ制御ユニット36に位置決め穴46〜48,面押し穴54a〜59a,ザグリ穴54b〜59b,オリフィス54〜59それぞれのX,Y,Z,A,Bの座標値と各穴の使用パンチ,パンチの動作する順番,パンチ19〜22の押圧・引抜き速度,下死点停止時間、及びアクチュエータa29,アクチュエータb30の動作タイミング等を入力する。
以下、段付き穴の加工工程について詳述する。以下の動作は制御ユニット36によりNCプログラム制御される。
まず、位置決め穴46〜48の加工について図1,図7を用いて説明する。ワーク12がチャック32内に、ローダー、または人の手で挿入された後、アクチュエータa29によって軸線A方向に推力が加えられ、スリーブ33を介してチャック32に径方向の締付け力が伝わり、チャック32がワーク12を把握する。その後、X方向アクチュエータ7とY方向アクチュエータ9の動作により位置決め穴加工パンチ20の刃先部20aと位置決め穴46の軸芯を早送りで一致させる。この時A,B軸は初期位置(軸線Zと軸線Aが平行である位置)のままである。その後、Z方向アクチュエータ4の動作により、位置決め穴加工パンチ20の刃先部20aを位置決め穴46上方まで早送りで送る。その後、位置決め穴加工パンチ20の刃先部20a先端が位置決め穴46の底面に対応したZ座標値に達するまで所定速度で位置決め穴加工パンチ20を送って押圧加工し、そのまま下死点で所定時間だけ停止させる。その後位置決め穴加工パンチ20を、位置決め穴46上方まで軸線Z方向に所定速度で送り、パンチを引抜く。位置決め穴加工パンチ20の移動速度は任意に設定できるため、押圧側の速度よりも引抜き側の速度を早くし、生産効率を上げることができる。尚、押圧側の速度は位置決め穴加工パンチ20の寿命を考慮して決定する(速度を上げすぎると寿命が下がる)。この際、位置決め穴加工パンチ20の下死点停止時間を任意に設定することで材料のスプリングバックを抑えて高精度な穴深さ精度が得られる。
位置決め穴47,48についても同様に順次加工する。このようにして袋穴状の位置決め穴46〜48が全せん断面で面粗度良く形成できる。
次に面押し穴54a〜59aの加工について図8を用いて説明する。位置決め穴48の加工が終了して位置決め穴48上方に位置決め穴加工パンチ20を引抜いた後、ワーク12をチャックしたまま、引続き面押し穴加工パンチ21による加工を行う。A軸アクチュエータ28とB軸アクチュエータ24の動作により、A,B軸を回転させ、54a穴がZ軸と平行になるようにし、X方向アクチュエータ7とY方向アクチュエータ9の動作により面押し穴加工パンチ21の刃先部21aと面押し穴54aの軸芯を早送りで合せる。その後、面押し穴加工パンチ21の刃先部21a先端が面押し穴54aの底面に対応したZ座標値に達するまで所定速度で面押し穴加工パンチ21を送って押圧加工し、そのまま下死点で所定時間だけ停止させる。このとき、刃先部21aで押出された材料の一部が凹部12b側に盛上り部54cを形成する。その後面押し穴加工パンチ21を面押し穴54a上方まで軸線Z方向に所定速度で送り、面押し穴加工パンチ21を引抜く。面押し穴加工パンチ21の移動速度は任意に設定できるため、押圧側の速度よりも引抜き側の速度を早くし、生産効率を上げることができる。尚、押圧側の速度は面押し穴加工パンチ21の寿命を考慮して決定する(速度を上げすぎると寿命が下がる)。この際、面押し穴加工パンチ21の下死点停止時間を任意に設定することで材料のスプリングバックを抑えて高精度な穴深さ精度が得られる。
面押し穴55a,56a,57a,58a,59aについても同様に順次加工する。このようにして袋穴状の面押し穴54a〜59aが全せん断面で面粗度良く形成できる。また、凹部12b側には盛上り部54c〜59cが形成される。
次にザグリ穴54b〜59bの加工について図9を用いて説明する。面押し穴59aの加工が終了して面押し穴59a上方に面押し穴加工パンチ21を引抜いた後、ワーク12をチャックしたまま、引続きザグリ穴加工パンチ19による加工を行う。A軸アクチュエータ28とB軸アクチュエータ24の動作により、A,B軸を回転させ、ザグリ穴54bが軸線Zと平行になるようにし、X方向アクチュエータ7とY方向アクチュエータ9の動作によりザグリ穴加工パンチ19の刃先部19aとザグリ穴54bの軸芯を早送りで合せる。その後、ザグリ穴加工パンチ19の刃先部19a先端がザグリ穴54bの底面に対応したZ座標値に達するまで所定速度でザグリ穴加工パンチ19を送って押圧加工し、そのまま下死点で所定時間だけ停止させる。このとき、刃先部19aで押出された材料の一部が凹部12b側に盛上り部54dを形成する。その後ザグリ穴加工パンチ19をザグリ穴54b上方まで所定速度で送り、ザグリ穴加工パンチ19を引抜く。ザグリ穴加工パンチ19の移動速度は任意に設定できるため、押圧側の速度よりも引抜き側の速度を早くし、生産効率を上げることができる。尚、押圧側の速度はザグリ穴加工パンチ19の寿命を考慮して決定する(速度を上げすぎると寿命が下がる)。この際、ザグリ穴加工パンチ19の下死点停止時間を任意に設定することで材料のスプリングバックを抑えて高精度な穴深さ精度が得られる。
ザグリ穴55b,56b,57b,58b,59bについても同様に順次加工する。このようにして袋穴状のザグリ穴54b〜59bが全せん断面で面粗度良く形成できる。また、凹部12b側には盛上り部54d〜59dが形成される。
次にオリフィス54〜59の加工について図10を用いて説明する。ザグリ穴59bの加工が終了してザグリ穴59b上方にザグリ穴加工パンチ19を引抜いた後、ワーク12をチャックしたまま、引続きオリフィス加工パンチ22による加工を行う。A軸アクチュエータ28とB軸アクチュエータ24の動作により、A,B軸を回転させ、オリフィス54が軸線Zと平行になるようにし、X方向アクチュエータ7とY方向アクチュエータ9の動作によりオリフィス加工パンチ22の刃先部22aとオリフィス54の軸芯を早送りで合せる。その後、オリフィス加工パンチ22の刃先部22a先端がオリフィス54の底面に対応したZ座標値(凹部12bの内部)に達するまで所定速度でオリフィス加工パンチ22を送って押圧加工し、そのまま下死点で所定時間だけ停止させる。このとき、刃先部22aで押出された材料の一部が凹部12b側に盛上り部54eを形成する。その後オリフィス加工パンチ22をオリフィス54上方まで所定速度で送り、オリフィス加工パンチ22を引抜く。オリフィス加工パンチ22の移動速度は任意に設定できるため、押圧側の速度よりも引抜き側の速度を早くし、生産効率を上げることができる。尚、押圧側の速度はオリフィス加工パンチ22の寿命を考慮して決定する(速度を上げすぎると寿命が下がる)。この際、オリフィス加工パンチ22の下死点停止時間を任意に設定することで材料のスプリングバックを抑えて高精度な穴深さ精度が得られる。
オリフィス55,56,57,58,59についても同様に加工する。このようにして袋穴状のオリフィス54〜59が全せん断面で面粗度良く形成できる。また、凹部12b側には盛上り部54e〜59eが形成される。
ザグリ穴加工時に盛上り部54d〜59dを形成しておくことで、オリフィス加工パンチを凹部12bの内部まで入れても、パンチ刃先部の材料の引張り力を小さくできるため破断が走らず、オリフィス54〜59を全せん断面で形成でき、噴霧ばらつきを抑えることができる。
以上のように加工することで、下記の効果が得られる。
(1)3段の穴(面押し穴54a〜59a,ザグリ穴54b〜59b,オリフィス54〜59)を同軸度良くプレスにて加工することができるため,例えば放電加工や切削加工でオリフィスを加工したものに比べ面粗度良く加工できる。このため,筒内噴射時に燃料が燃焼して生じるカーボン等の燃えカスの3段の穴(面押し穴54a〜59a,ザグリ穴54b〜59b,オリフィス54〜59)への付着を低減でき,噴霧の微粒化、及び形状・位置精度の向上が可能となる。
(2)ワーク12をチャックしたまま加工できるため、位置決め穴46〜48とオリフィス54〜59のワーク外径基準での位置精度、及び3段の穴(面押し穴54a〜59a,ザグリ穴54b〜59b,オリフィス54〜59)の同軸度を精度良く加工することができる。また、画像処理による位置決めの必要がない。さらに、串刃状に配置されたパンチで連続的に加工されるため、ツールチェンジの必要がなく、加工サイクルタイムを著しく短縮でき、設備投資の金額を抑えて噴霧位置のばらつきの小さいオリフィスプレートを安価に、生産性良く加工できる。
(3)球面部にオリフィスの軸線と直角となる平面部(ザグリ穴底面)を設け、平面部にオリフィスを直角にプレス加工することにより、パンチに曲げ力が加わらないためツールが折損することなく、炭素量0.25%以上のマルテンサイト系ステンレス鋼(例えばSUS420J2)でもアスペクト比1.5以上の深穴を真直ぐに、全せん断面で容易に加工することができ、インジェクタの噴霧性能を向上させることができる。
また、ザグリ穴の出口、及びオリフィスの出口がオリフィスの軸線と直角面となるため流体の噴射タイミングが全周同一になり、噴射弁の軸線に対して偏向したオリフィスでもペネトレーションの長さを均一にでき、噴霧の均質性を向上することができる。
(4)オリフィス54〜59が燃料噴射弁の軸線53に対して異なる角度に偏向して形成されていても、A,B軸の動作によりオリフィス54〜59を軸線Zと平行に向けてから加工することにより、オリフィス加工パンチ22の加工経路はZ方向アクチュエータ4の動作によるZ方向直進のみでよい。このため、オリフィス加工パンチ22に曲げ荷重はかからず、X,Y方向アクチュエータを協働させて斜め送りで加工する方法に比べて、オリフィス加工パンチ22の寿命を向上でき、生産効率を上げることができる。
(5)ワーク12へのパンチ19〜22からの加圧力はチャック32の把握力、及び排出ピン34で受ける構造であるため、加圧時にワーク12が軸線A方向に動くことはなく、オリフィス長を高精度に形成でき、ペネトレーション長さを安定化できる。
最後に、ワーク12の排出について図11を用いて説明する。オリフィス59の加工が終了してオリフィス59上方にオリフィス加工パンチ22を引抜いた後、A,B軸を初期位置(軸線Zと軸線Aが平行である位置)に戻し、アクチュエータa29を作動させてチャック32を開き、その後アクチュエータb30を作動させて排出ピン34に推力をかけて排出ピン34を軸線A方向に移動させ、ワーク12をチャック32外に排出し、ローダー、あるいは人の手によりワーク12を横型プレス装置1の外に排出する。
最終的にワーク12のシート部44aを切削、あるいは放電加工により形成することでオリフィス54〜59を貫通させ、全せん断面のオリフィスとすることができ、噴霧位置、及びペネトレーション長さのばらつきを小さくできる。
本オリフィスプレート44のオリフィス54〜59は、アスペクト比1.5以上で形成されているため、アスペクト比1前後のオリフィス加工に比べて加工荷重が大きく、このため加工後にパンチを引抜く際の引抜き荷重(加工荷重の20〜40%程度)が大きい。よって、穴底面の寸法精度を高精度に加工するため、この引抜き力がかかってもワーク12が軸線A方向にずれないようにワーク12へのチャック32の把握力を設定する必要がある。
また、面押し穴54a〜59aが燃料噴射弁の軸線53に対して異なる角度に偏向して形成されており、球面45の法線45bに対して角度を持っているため、面押し加工時にワーク12にA軸回りの回転モーメントがかかる。面押し穴加工パンチ21はパンチ径が4種類中一番大きなパンチであり、加工力が大きい。このため、穴位置精度良く加工するために、この回転モーメントがかかってもワーク12がA軸回りに回転しないようにワーク12へのチャック32の把握力を設定する必要がある。
よって、燃料噴射弁の軸線に対して異なる角度に偏向した複数個のオリフィス(噴孔)を有し、全せん段面で形成されたオリフィスのアスペクト比が1.5以上であり、オリフィスの下流側に凸状の球面部を有した円筒状オリフィスプレートの段付き穴加工にはチャック32への大きな推力が必要となり、アクチュエータa29も大きなものになる。
また、生産性を上げるためにワーク12の自動供給・排出を行うにはローダーの設置が必須であり、ローダーへのワーク12の排出には、ワーク12のチャック32外への排出機構が必要となる。そのため、本発明のように、排出ピン34を作動させるアクチュエータb30が必要となる。本発明に用いる横型プレス装置1は、アクチュエータa29、及びアクチュエータb30の設置部に構造物がないレイアウトになっているため、アクチュエータa29、及びアクチュエータb30の設置場所、及びサイズは自由に選択が可能である。このため、アクチュエータa29を大型化してチャック32の把握力を大きくすることができ、さらに、アクチュエータb30をアクチュエータa29端面に設置することができる。
また、上記実施例ではパンチの取付け数を6本に設定したが、製品の仕様により取付け数を増やすことも可能である。
以下、本発明のオリフィス加工への活用例を示す。
(1)オリフィスの偏向角を変更したい場合、座標値を変更したプログラムをあらかじめ用意しておけば、部品交換をすることなく、プログラムを選択するだけで変更できるため、低コストかつ短納期で仕様変更できる。
(2)例えば6穴の場合、1本のパンチで加工した時、パンチの加工誤差が6倍されるため流量調整が困難となるが、パンチ径の狙い値から正負で同じだけ径のずれた2本のパンチで3穴ずつ加工すると加工誤差が打ち消され、流量調整が容易となる。このため例えば、単独で使用すると流量NGとなる、パンチ径の狙い値より0.001mm大きいオリフィスパンチをパンチ17として装着し、単独で使用すると流量NGとなる、パンチ径の狙い値より0.001mm小さいオリフィスパンチをパンチ18として装着して3穴ずつ加工すれば、6穴全体での流量は正規のものとなる。このため、パンチの加工誤差が生じても、組み合わせて使えるため、低コストで流量調整が行える。
(3)オリフィス54〜59の位置,角度,深さ,径を変えたい場合、図6のパンチ配置図において、あらかじめ径違いのオリフィスパンチをパンチ17,18として装着しておき、穴の位置,角度,深さ、及びそれぞれの穴への使用パンチを変えたプログラム2,プログラム3を制御ユニット36に入力しておけば、部品交換をしないでプログラムの変更のみで機種変更に対応できるため、段取り時間を省略でき、生産性が著しく向上する。
(4)図6のパンチ配置図において、あらかじめパンチ17,18,22としてすべて径違いのオリフィスパンチを装着しておけば、オリフィス径が3種類あるオリフィスプレートが製作できる。この時、ワークをチャックしたまま加工できるので、3種類のオリフィスをワーク12の外径基準で位置精度良く加工することができ、噴霧位置のばらつきの小さいオリフィスプレートを安価に、生産性良く加工できる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な加工が可能である。例えば球面上の複数箇所に、軸線に対して異なる角度に平面を設けるような加工が可能である(球面を多面体化する)。A,B軸を動作させて平面部がZ軸と直角となるようにワークを傾け、パンチ刃先が平面部位置に達するまでZ方向に送って押圧加工し、下死点で停止させてからパンチを引抜き、そのあとパンチをX,Y方向にパンチ径の半分以下の送りピッチで送ってから同様にZ方向に動作させることを繰り返せば、パンチ径より大きな平面部を得ることができる。
この際、パンチ押圧速度・下死点停止時間を任意に設定することで材料のスプリングバックを抑えて高精度な据え込み精度が得られる。
1 横型プレス装置
2 ベース
3 B軸角度割出し装置
6 ベースZ
8 ベースX
10 ベースY
12 ワーク
13 パンチ保持部
17〜22 パンチ
23 テーブルB
25 A軸角度割出し装置
26 テーブルA
29 アクチュエータa
30 アクチュエータb
31 ワーク保持部
32 チャック

Claims (1)

  1. ベースと、前記ベース上に設けられ、軸線B回りに回転角度を調節可能なテーブルBを設けたB軸角度割出し装置と、前記テーブルB上に設けられ、前記軸線Bと直交する軸線A回りに回転角度を調節可能なテーブルAを設けたA軸角度割出し装置と、前記テーブルA上に設けられ、前記テーブルAと同芯に回転するチャックを備えたワーク保持部と、チャックに保持された円筒状ワークと、前記ワーク排出時に前記軸線A方向に動作する排出ピンと、前記A軸角度割出し装置の前記テーブルAと逆側端面に保持され、前記チャック部に推力を加えて前記チャックの開閉を行うアクチュエータaと、前記アクチュエータaの前記テーブルAと逆側端面に保持され、前記排出ピンを動作させるアクチュエータbと、前記ベース上に設けられ、前記軸線Bと直交した軸線Z方向に動作可能なベースZと、前記ベースZ上に設けられ、前記軸線Zと直交する軸線X方向に動作可能なベースXと、前記ベースX上に設けられ、前記軸線Xと直行する軸線Y方向に昇降動作可能なパンチ保持部と、前記パンチ保持部に前記軸線Zと平行に保持され、先端の径が異なる複数のパンチからなり、前記ベースXを前記軸線X方向に移動させるX方向アクチュエータと、前記ベースYを前記軸線Y方向に移動させるY方向アクチュエータと、前記ベースZを前記軸線Z方向に移動させるZ方向アクチュエータと、前記テーブルAの前記軸線A回りの回転角度を調節するA軸角度割出し装置と、前記テーブルBの前記軸線B回りの回転角度を調節するB軸角度割出し装置と、前記アクチュエータaと、前記アクチュエータbをNCプログラム制御する横型プレス装置を用いて、
    前記A軸角度割出し装置と前記B軸角度割出し装置を回転させて前記円筒状ワークを位置決めする第1のステップと、前記ベースXと前記ベースYを移動させてパンチを位置決めする第2のステップと、前記ベースZを前記軸線Z方向に直進させて所定のZ位置まで前記円筒状ワークを押圧加工する第3のステップと、下死点でパンチを停止させる第4のステップと、第3のステップと逆方向に直進してパンチの引抜きを行う第5のステップを行い、さらに前記円筒状ワークを保持したまま同一、または別のパンチで、加工部をずらして第1〜第5のステップを複数回行い、その後前記排出ピンを前記軸線A方向に移動させて前記円筒状ワークをチャック外に排出動作することを特徴とするオリフィスの加工方法。
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