JP2011156059A - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011156059A
JP2011156059A JP2010018889A JP2010018889A JP2011156059A JP 2011156059 A JP2011156059 A JP 2011156059A JP 2010018889 A JP2010018889 A JP 2010018889A JP 2010018889 A JP2010018889 A JP 2010018889A JP 2011156059 A JP2011156059 A JP 2011156059A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
bright spot
cornea
light
bright
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010018889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5566711B2 (ja
Inventor
Takanori Takeda
孝紀 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2010018889A priority Critical patent/JP5566711B2/ja
Priority to PCT/JP2010/007161 priority patent/WO2011092785A1/ja
Publication of JP2011156059A publication Critical patent/JP2011156059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5566711B2 publication Critical patent/JP5566711B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/107Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for determining the shape or measuring the curvature of the cornea

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】角膜の形状を正確に測定することが可能な眼科装置を提供する。
【解決手段】投影像形成部13は、略円形状に配列された複数の輝点を被検眼Eの角膜に投影する。TVカメラ56は、複数の輝点が投影された状態の角膜を撮影する。記憶部70は輝点像位置情報71を予め記憶する。輝点像位置情報71は、複数の輝点が投影された状態の無乱視角膜模型眼をTVカメラ56で撮影して得られた無乱視撮影像に描写された複数の輝点像の位置を示す。演算処理部80は、複数の輝点が投影された状態の被検眼Eの角膜をTVカメラ56で撮影して得られた角膜撮影像に描写された複数の輝点像の位置を、輝点像位置情報71に基づき補正する。更に、演算処理部80は、補正後の複数の輝点像の位置に基づいて角膜の形状の評価値を算出する。
【選択図】図6

Description

この発明は、角膜の形状を測定可能な眼科装置に関する。
角膜の形状を測定する装置としてはケラトメータが知られている。ケラトメータは、被検眼の角膜形状を定量的に評価する装置である(たとえば特許文献1を参照)。ケラトメータは、円形状に配置された複数の光源から点状の光(輝点)を角膜に投影し、これら輝点の角膜反射像を撮影し、円形に対する角膜反射像群の変位に基づいて角膜形状を評価する。
ケラトメータよりも高精度で角膜形状を測定する装置として、プラチドリング照明器を備えた眼科装置が知られている(たとえば特許文献2を参照)。プラチドリング照明器は、同心円状に配置された複数の輝点を投射する装置である。特許文献2に記載された装置は、眼科手術用の顕微鏡にプラチドリング照明器を取り付けたものである。
特開2007−215956号公報 特開平8−66369号公報
角膜形状の測定では、上記のように円形に対する角膜反射像の変位を参照している。このとき、複数の光源が真円状に配列されているものと仮定して変位を求めている。しかし、次のような理由から、角膜に投影される複数の輝点を真円状に配列させることは困難である。
まず、製造上の理由がある。すなわち、複数の光源が真円状に配置されるように設計はなされるが、製造段階において光源を取り付ける際に、どうしても取り付け位置にズレが発生してしまう。たとえば、光源を取り付ける際のはんだの厚さがばらつくことにより、設計上の取り付け位置から外れた位置に光源が装着されることがある。
また、光源の発光ムラの問題もある。つまり、光源の発光面から一様な強度の光を放出させることは極めて困難であるため、発光面の一部のみから強い光が放出されたり、発光面の一部から光が放出されなかったりする現象が起こる。そうすると、角膜に投影される複数の輝点の配列が、本来の真円状からずれてしまう。
製造上の問題に対処するためにマスクを設けたり、発光ムラの問題に対処するために拡散板を設けたりといった工夫も考えられる。しかし、装置の構造が複雑化する、製造コストが上昇する、などの新たな問題が生じる。なお、拡散板を用いると、複数の輝点ではなく、リング状の光束が角膜に投影されることになる。
このように、角膜に投影される複数の輝点が真円状に配列されていないと、上記仮定が崩れ、測定確度が低下してしまう。
また、特許文献2に記載のように、複数の光源を有する投影装置を眼科装置に装着する場合において、投影装置を装着する向きを適宜に変更することがある。たとえば、助手用顕微鏡やスリット照明装置を取り付けて手術用顕微鏡を使用する場合、その取り付け向きに応じて投影装置の装着向きを変更することがある。投影装置の装着向きが変わると、歪んだ円形状に配列して角膜に投影される複数の光(又はリング状の光束)の向きも変化してしまう。そうすると、投影装置の装着向きの違いにより、同じ被検眼であっても異なる測定結果が得られることとなり、測定の再現性が低下してしまう。
また、双眼観察が可能な眼科装置において、対物レンズの光軸に対して左右の観察光学系の光軸が変位しているものがある。このような構成では、角膜反射光は、対物レンズの縁部近傍を通過してから左右の光学系に入射する。そうすると、当該通過位置(縁部近傍)におけるプリズム効果等により角膜反射光の断面形状が変化し、角膜形状の評価の正確性が低下してしまう。
この発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、その目的は、角膜の形状を正確に測定することが可能な眼科装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、略円形状に配列された複数の輝点を被検眼の角膜に投影する投影手段と、前記複数の輝点が投影された状態の前記角膜を撮影する撮影手段とを備え、当該撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置に基づいて前記角膜の形状の評価値を算出する眼科装置であって、前記複数の輝点が投影された状態の無乱視角膜模型眼を前記撮影手段により撮影して得られた無乱視撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を示す輝点像位置情報を予め記憶する記憶手段と、前記複数の輝点が投影された状態の被検眼の角膜を前記撮影手段により撮影して得られた角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を、前記輝点像位置情報に基づき補正し、前記補正後の前記複数の輝点の像の位置に基づいて当該角膜の前記評価値を算出する演算手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼科装置であって、前記輝点像位置情報には、前記無乱視撮影像中の前記複数の輝点の像の真円に対する変位が記録されており、前記演算手段は、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像の位置を、前記変位を打ち消すように補正する補正手段を含み、前記補正後の前記像の位置に基づいて前記評価値を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の眼科装置であって、前記演算手段は、前記真円として、前記複数の輝点の像の位置に対する近似円を求める真円演算手段を含む、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の眼科装置であって、前記真円演算手段は、前記複数の輝点の像の位置に最小二乗法を適用して前記近似円を求める、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼科装置であって、前記投影手段は、前記複数の輝点を投影するための複数の光源が略円形状に設置され、かつ装置筺体に着脱可能な光源保持手段と、前記複数の光源のうちの特定の光源を制御して、他の光源と異なる点灯状態とする光源制御手段と、を含み、前記演算手段は、前記点灯状態に基づいて、前記複数の輝点の像のうち前記特定の光源に対応する像を選択する選択手段と、前記無乱視撮影像について前記選択された前記像の位置と、前記角膜撮影像について前記選択された前記像の位置とを比較して、前記無乱視撮影像の撮影時と前記角膜撮影像の撮影時との間における前記光源保持手段の装着方向の変位を求める装着方向変位算出手段と、前記求められた前記装着方向の変位に基づいて、前記輝点像位置情報にその位置を示す前記複数の輝点の像と、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像とを対応付ける輝点像対応手段と、を含み、前記対応付けの結果に基づいて前記評価値を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼科装置であって、前記投影手段は、前記複数の輝点を投影するための複数の光源が略円形状に設置され、かつ装置筺体に着脱可能な光源保持手段と、前記装置筺体に対する前記光源保持手段の装着方向を検出する検出手段と、を含み、前記演算手段は、前記無乱視撮影像の撮影時に前記検出された装着方向と、前記角膜撮影像の撮影時に前記検出された装着方向との間の変位を求める装着方向変位算出手段と、前記求められた前記装着方向の変位に基づいて、前記輝点像位置情報にその位置を示す前記複数の輝点の像と、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像とを対応付ける輝点像対応手段と、を含み、前記対応付けの結果に基づいて前記評価値を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の眼科装置であって、対物レンズと、前記対物レンズを介して照明光を前記被検眼に照射する照明光学系と、前記対物レンズを経由した前記被検眼による前記照明光の反射光を、ズームレンズ系を介して接眼レンズに導く観察光学系と、を備え、前記複数の光源は、前記対物レンズと前記被検眼との間において前記照明光の光路及び前記反射光の光路から外れた位置に配置され、前記演算手段は、前記被検眼の角膜の乱視軸方向を前記評価値として算出し、該算出された乱視軸方向に対応する位置に配置された光源を前記複数の光源のうちから特定する光源特定手段を含み、該特定された光源の点灯状態を変更する点灯状態変更手段を更に備える、ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の眼科装置であって、前記観察光学系は、前記対物レンズを経由した前記反射光を左右の接眼レンズにそれぞれ導く左右の光学系を有し、前記左右の光学系のそれぞれの光軸は、前記対物レンズの光軸に対して変位しており、前記左右の光学系の一方は、前記反射光を前記接眼レンズに向かう光束と前記撮影手段に向かう光束とに分割するビームスプリッタを含み、前記記憶手段は、前記対物レンズに入射した略真円状の光束の前記撮影手段による撮影像に描写された前記光束の像の位置を示す光束像位置情報を予め記憶し、前記演算手段は、前記角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を、前記輝点像位置情報とともに前記光束像位置情報に基づき補正し、該補正後の前記複数の輝点の像の位置に基づいて前記評価値を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の眼科装置であって、前記光束像位置情報には、前記光束の像の真円に対する変位が記録されており、前記演算手段は、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像の位置を、該変位を打ち消すように補正する、ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、対物レンズと、前記対物レンズを介して照明光を被検眼に照射する照明光学系と、前記対物レンズを経由した前記被検眼による前記照明光の反射光を、ズームレンズ系を介して左右の接眼レンズにそれぞれ導く左右の光学系を有する観察光学系と、略円形状に配列された複数の輝点を前記被検眼の角膜に投影する投影手段と、前記複数の輝点が投影された状態の前記角膜を撮影する撮影手段と、当該撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置に基づいて前記角膜の形状の評価値を算出する演算手段と、前記対物レンズに入射した略真円状の光束の前記撮影手段による撮影像に描写された前記光束の像の位置を示す光束像位置情報を予め記憶する記憶手段と、を備え、前記左右の光学系のそれぞれの光軸は、前記対物レンズの光軸に対して変位しており、前記左右の光学系の一方は、前記反射光を前記接眼レンズに向かう光束と前記撮影手段に向かう光束とに分割するビームスプリッタを含み、前記演算手段は、前記複数の輝点が投影された状態の被検眼の角膜を前記撮影手段により撮影して得られた角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を、前記光束像位置情報に基づき補正し、前記補正後の前記複数の輝点の像の位置に基づいて当該角膜の前記評価値を算出する、とを特徴とする眼科装置である。
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の眼科装置であって、前記光束像位置情報には、前記光束の像の真円に対する変位が記録されており、前記演算手段は、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像の位置を、該変位を打ち消すように補正する、ことを特徴とする。
この発明に係る眼科装置の第1の態様は、無乱視撮影像に描写された複数の輝点の像の位置を示す輝点像位置情報に基づいて、角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を補正し、補正後の像の位置に基づいて角膜の形状の評価値を算出するように構成されている。
このように、無乱視状態における輝点の像の位置ズレ(輝点像位置情報)を参照して角膜撮影像中の像の位置を補正することで、光源の取り付け位置のズレの影響を排除して評価値を求めることができる。
それにより、角膜に投影される複数の輝点が真円状に配列されていない場合であっても、角膜の形状を正確に測定することが可能になる。
この発明に係る眼科装置の第2の態様は、観察光学系の左右の光学系のそれぞれの光軸が対物レンズの光軸に対して変位したものであって、左右の光学系の一方の側で角膜を撮影するようになっている。そして、この第2の態様は、複数の輝点が投影された状態の被検眼の角膜を撮影して得られた角膜撮影像に描写された複数の輝点の像の位置を、光束像位置情報に基づいて補正し、更に、この補正後の複数の輝点の像の位置に基づいて角膜の形状の評価値を算出するように構成されている。光束像位置情報は、対物レンズに入射した略真円状の光束の撮影像に描写された当該光束の像の位置を示す情報である。
それにより、対物レンズの光軸と左右の光学系の光軸とが変位している場合であっても、角膜の形状を正確に測定することが可能になる。
この発明に係る眼科装置の実施の形態の外観構成の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科装置の実施の形態における投影像形成部の構成の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科装置の実施の形態における投影像形成部の構成の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科装置の実施の形態における光学系の構成の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科装置の実施の形態における光学系の構成の一例を表す概略図である。 この発明に係る眼科装置の実施の形態における制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る眼科装置の実施の形態の変形例における制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。
この発明に係る眼科装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施形態では、この発明に係る構成を眼科手術用顕微鏡に適用した場合について説明する。なお、この発明に係る構成の適用対象は、眼科手術用顕微鏡には限定されず、ケラトメータ、オートレフラクトメータ/ケラトメータを始めとする、角膜の形状を測定可能な任意の眼科装置であればよい。
[構成]
〔外観構成〕
眼科手術用顕微鏡1の外観構成について図1を参照しつつ説明する。眼科手術用顕微鏡1は、従来と同様に、支柱2、第1アーム3、第2アーム4、駆動装置5、顕微鏡6及びフットスイッチ8を含んで構成される。
これらに加え、眼科手術用顕微鏡1は、従来と同様の助手用顕微鏡を備えていてもよい。助手用顕微鏡は、術者が使用する顕微鏡6と異なる向きに装着される。助手用顕微鏡の装着位置は、手術室のレイアウトや患部位置などに応じて適宜に変更可能とされている。
駆動装置5は、モータ等のアクチュエータを含んで構成される。駆動装置5は、フットスイッチ8等を用いた操作に応じて顕微鏡6を上下方向や水平方向に移動させる。それにより顕微鏡6は3次元的に移動可能とされる。
顕微鏡6の鏡筒部10には、各種の光学系、駆動系、制御系などが収納されている。鏡筒部10の上部にはインバータ部12が設けられている。インバータ部12は、患者眼(被検眼)E(被検眼)の観察像が倒像として得られる場合に、この観察像を正立像に変換する。インバータ部12の上部には、左右一対の接眼部11L、11Rが設けられている。観察者(術者等)は、左右の接眼部11L、11Rを覗き込むことにより、患者眼Eを双眼視することができる。
眼科手術用顕微鏡1は、その特徴的な構成として投影像形成部13を備えている。投影像形成部13は、患者眼Eに光束を投射して所定の投影像を患者眼E上に形成する。この実施形態における投影像は、略円形状に配列された複数の輝点像とされる。投影像形成部13は、後述の支持部材17及び制御部60とともに、この発明の「投影手段」の一例を構成している。
投影像形成部13の構成例を図2及び図3に示す。ここで、図2中の符合14は撮影部を表している。撮影部14には後述のTVカメラ56等が格納されている。また、図3は、投影像形成部13のヘッド部131を下方(つまり、患者眼Eの側、換言すると鏡筒部10の反対側)から見たときの構成を表している。
図2及び図3に示すように、ヘッド部131は円盤状の部材である。図3に示すように、ヘッド部131の下面には複数のLED131−i(i=1〜N)が設けられている。LED群131−iは概ね円形状に配列されている。この実施形態では、36個のLED131−iが概ね等間隔に設けられている(N=36)。すなわち、LED群131−iの中心位置に対して、LED群131−iは概ね10度間隔の角度で配置されている。換言すると、各LED131−iと当該中心位置とを結ぶ線分を考慮すると、隣接する2個のLED131−i、131−(i+1)に関する線分は当該中心位置において概ね角度10度を成して交わる。LED群131−iは、対物レンズ15と患者眼Eとの間において、照明光の光路及びその患者眼Eによる反射光の光路から外れた位置に配置されて使用される。
前述したように、製造段階における取り付け位置ズレなどの問題により、複数のLED131−iは真円状には配列されていない。図3では、このような配置状態を誇張して表現している。たとえばLED131−kは、その近傍のLED131−iの配列の傾向(円弧に沿って配列している)から外れた位置に設置されている。
LED群131−iのうち、水平方向と垂直方向に相当するものが、他の方向に相当するものと異なる色を出力するように構成することができる。つまり、乱視軸方向(乱視軸角度)が0度、90度、180度、270度に相当する位置のLED(それぞれLED131−1、131−10、131−19、131−28)が、他のLED131−i(i≠1、10、19、28)と異なる色の光束を出力するように構成することが可能である。たとえば、LED131−1、131−10、131−19、131−28として赤色LEDを用いるとともに、他のLED131−i(i≠1、10、19、28)として緑色LEDを用いることができる。それにより、乱視軸の水平方向と垂直方向とを容易に認識することが可能となる。なお、水平方向とは観察者(術者)側から見て顕微鏡6の視界における横方向(左右方向)を意味し、垂直方向とは水平方向に直交する方向を意味する。
また、LED131−1、131−10、131−19、131−28のうちの幾つかを他のLEDと異なる色の光束を出力するようにしてもよい。たとえば、角度0度に相当するLED131iのみを他のLED(i≠1)と異なる色を出力するように構成することが可能である。
また、LED131−1、131−10、131−19、131−28の全てが同じ色(上記例では赤色)の光束を出力するように構成する必要はない。たとえば、各LED131−1、131−19として赤色LEDを用い、各LED131−10、131−28として白色LEDを用いるとともに、他のLED131−i(i≠1、10、19、28)として緑色LEDを用いることが可能である。それにより、水平方向と垂直方向とを容易に識別することが可能となる。
なお、上記のように光源の出力色によって水平方向と垂直方向を認識可能にする代わりに、他の構成によって同様の効果を奏することも可能である。たとえば、出力光の明るさを違えることによって方向を識別可能にすることができる。
LED群131−iは、この発明の「複数の光源」の一例である。ここで、各光源はLEDである必要はなく、光束を出力可能な任意のデバイスを用いることが可能である。また、複数の光源は等間隔に配置されていなくてもよい。なお、図3は下面図なので、一般的な乱視軸の設定方向とは逆向き(逆回り)にLED群131−iの配置順が設定されている。それにより、LED群131−iから出力された光束の角膜反射光(プルキンエ像)は一般的な乱視軸の設定方向として観察又は撮影される。
また、この実施形態では光源が36個設けられているが、設置される光源の個数は任意である。ただし、後述のように、この実施形態では、LED群131−iから出力される光束のプルキンエ像に基づいて患者眼Eの乱視軸方向を測定するので、この測定の精度や確度を担保できるだけの個数の光源が設けられていることが望ましい。
また、乱視軸方向やトーリックIOL(Intra Ocular Lens:眼内レンズ)の主経線の配置方向を術者が視認する際に要求される精度に応じて、光源の個数を適宜に設定することが可能である。たとえば、この実施形態では10度間隔で光源を配置しているので、乱視軸方向等を少なくとも10度単位で提示することが可能である。より高い精度で乱視軸方向等を提示するためには、その精度に応じた個数(たとえば5度単位であれば72個)の光源を設けるようにする。より低い精度の場合も同様である。
また、この実施形態では各々個別に構成された複数の光源(LED群131−i)を設けているが、この発明はこれに限定されるものではない。たとえば、ヘッド部131の下面に表示デバイス(たとえばLCD(液晶ディスプレイ))を設け、この表示デバイスによって複数の輝点を表示することで同様の機能を得ることが可能である。この場合、各輝点を形成する表示デバイスの画素が「光源」に相当する。
鏡筒部10の下端には対物レンズ部16が設けられている。対物レンズ部16には、口述の対物レンズ15が格納されている。対物レンズ部16の近傍には支持部材17が設けられている。支持部材17は対物レンズ部16から側方に向けて形成されている。
支持部材17の先端部17aには、上下方向に延びる貫通孔が形成されている。この貫通孔にはアーム133が挿入されている。アーム133はこの貫通孔内を摺動可能とされている。それにより、先端部17aに対し、アーム133を上下方向(図2中の両側矢印Aが示す方向)に移動させることができる。ここで、顕微鏡6側を上方向とし、患者眼E側を下方向としている。
アーム133の上端には落下防止部134が設けられている。落下防止部134は、上記貫通孔の口径よりも大きな径を有する板状部材である。それにより、落下防止部134は、アーム133が先端部17aから外れて落下することを防止している。
アーム133の下端にはヘッド接続部132が設けられている。ヘッド接続部132は、LED131−iが設けられている面が下方を向くように、ヘッド部131をアーム133に接続している。
このような構成により、ヘッド部131、ヘッド接続部132、アーム133及び落下防止部134(つまり投影像形成部13)は、先端部17aに対して上下方向に移動自在とされている。投影像形成部13の移動は、たとえば、ユーザがアーム133等を把持して行う。また、モータ等の駆動手段を用いることにより、投影像形成部13を電動で移動させるように構成することも可能である。
支持部材17の下面には連結フック18が設けられている。連結フック18は、投影像形成部13の係合部(図示せず)と係合可能に構成されている。この係合部は、たとえばヘッド接続部132に設けられる。投影像形成部13を上方に移動させると、係合部と連結フック18とが係合して投影像形成部13の上下移動を禁止する。この係合関係は所定の操作(たとえば所定のボタンの押下)によって解除できるようになっている。連結フック18及び上記係合部の構成は任意である。
以上のような構成により、LED群131−iは、対物レンズ15の光軸方向に沿って移動できるように保持されている。支持部材17、ヘッド部131、ヘッド接続部132、アーム133及び落下防止部134は、この発明の「光源保持手段」の一例である。なお、保持手段は上記構成に限定されるものではない。対物レンズの光軸方向に沿って複数の光源を移動可能に保持するものであれば、保持手段の具体的構造は任意である。
ヘッド部131は、顕微鏡6(の鏡筒部10や対物レンズ部16)に対して着脱可能に構成されている。ここで、ヘッド部131がヘッド接続部132に対して着脱可能に構成してもよいし、ヘッド接続部132がアーム133に対して着脱可能に構成してもよいし、先端部17aが支持部材17に対して着脱可能に構成してもよいし、支持部材17が対物レンズ部16(又は鏡筒部10)に対して着脱可能に構成してもよい。このような着脱を可能とする機構としては、公知の任意の構成を適用できる。
〔光学系の構成〕
続いて、図4及び図5を参照しつつ、眼科手術用顕微鏡1の光学系について説明する。ここで、図4は、術者から見て左側から光学系を見た図である。また、図5は、術者側から光学系を見た図である。なお、図4及び図5に示す構成に加えて、助手が患者眼Eを観察するための光学系、つまり助手用顕微鏡が設けられていてもよい。
助手用顕微鏡については、たとえば特開2006−280805号公報に開示されている。この文献には、助手用顕微鏡を着脱可能に構成することや、助手用顕微鏡の装着位置を変更可能にすることが記載されている。
この実施形態において、上下、左右、前後等の方向は、特に言及しない限り術者側から見た方向とする。なお、上下方向については、対物レンズ15から観察対象(患者眼E)に向かう方向を下方とし、これの反対方向を上方とする。
対物レンズ15の下方位置(対物レンズ15と患者眼Eとの間の位置)には、前述のLED群131−iが設けられている。図4及び図5には、その視点方向から見て両端に位置するLED131−i、131−j(i、j=1〜N、i≠j)のみ記載してある。
なお、対物レンズ15と患者眼Eとの間とは、上下方向における対物レンズの位置(高さ位置)と患者眼Eの位置(高さ位置)との間という意味である(つまり左右方向や前後方向における位置は考慮しない)。LED群131−iは、照明光やその反射光を遮蔽しないように、概ね円環状に配列されている。この略円環の径は、略円環状に配列された投影像(輝点像)を患者眼Eの角膜に形成可能な範囲で任意に設定できる。
観察光学系30について説明する。観察光学系30は、図5に示すように左右一対設けられている。左側の観察光学系30Lを左観察光学系と呼び、右側の観察光学系30Rを右観察光学系と呼ぶ。符号OLは左観察光学系30Lの光軸(観察光軸)を示し、符号ORは右観察光学系30Rの光軸(観察光軸)を示す。左右の観察光学系30L、30Rは、対物レンズ15の光軸Oを挟むように配設されている。
従来と同様に、左右の観察光学系30L、30Rは、それぞれ、ズームレンズ系31、ビームスプリッタ32(右観察光学系30Rのみ)、結像レンズ33、像正立プリズム34、眼幅調整プリズム35、視野絞り36及び接眼レンズ37を有する。
ズームレンズ系31は複数のズームレンズ31a、31b、31cを含んでいる。各ズームレンズ31a〜31cは、図示しない駆動機構によって観察光軸OL(又は観察光軸OR)に沿う方向に移動可能とされる。それにより患者眼Eを観察又は撮影する際の拡大倍率が変更される。
右観察光学系30Rのビームスプリッタ32は、患者眼Eから観察光軸ORに沿って導光された観察光の一部を分離してTVカメラ撮像系に導く。TVカメラ撮像系は、結像レンズ54、反射ミラー55及びTVカメラ56を含んで構成される。テレビカメラ撮像系は撮影部14に格納されている。
TVカメラ56は撮像素子56aを備えている。撮像素子56aは、たとえば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等によって構成される。撮像素子56aとしては2次元の受光面を有するもの(エリアセンサ)が用いられる。TVカメラ56は、この発明の「撮影手段」の一例である。
眼科手術用顕微鏡1の使用時には、撮像素子56aの受光面は、たとえば、患者眼Eの角膜の表面と光学的に共役な位置、又は、その角膜曲率半径の1/2だけ角膜頂点から深さ方向に離れた位置と光学的に共役な位置に配置される。
像正立プリズム34は倒像を正立像に変換する。眼幅調整プリズム35は、術者の眼幅(左眼と右眼との間の距離)に応じて左右の観察光の間の距離を調整するための光学素子である。視野絞り36は、観察光の断面における周辺領域を遮蔽して術者の視野を制限する。
続いて、照明光学系20について説明する。照明光学系20は、図4に示すように、照明光源21、光ファイバ21a、出射口絞り26、コンデンサレンズ22、照明野絞り23、スリット板24、コリメータレンズ27及び照明プリズム25を含んで構成される。
照明野絞り23は、対物レンズ15の前側焦点位置と光学的に共役な位置に設けられている。また、スリット板24のスリット穴24aは、この前側焦点位置に対して光学的に共役な位置に形成されている。
照明光源21は、顕微鏡6の鏡筒部10の外部に設けられている。照明光源21には光ファイバ21aの一端が接続されている。光ファイバ21aの他端は、鏡筒部10内のコンデンサレンズ22に臨む位置に配置されている。照明光源21から出力された照明光は、光ファイバ21aにより導光されてコンデンサレンズ22に入射する。
光ファイバ21aの出射口(コンデンサレンズ22側のファイバ端)に臨む位置には、出射口絞り26が設けられている。出射口絞り26は、光ファイバ21aの出射口の一部領域を遮蔽するように作用する。出射口絞り26による遮蔽領域が変更されると、照明光の出射領域が変更される。それにより、照明光による照射角度、つまり患者眼Eに対する照明光の入射方向と対物レンズ15の光軸Oとが成す角度などを変更することができる。
スリット板24は、遮光性を有する円盤状の部材により形成されている。スリット板24には、照明プリズム25の反射面25aの形状に応じた形状を有する複数のスリット穴24aからなる透光部が設けられている。スリット板24は、図示しない駆動機構により、照明光軸O′に直交する方向(図4に示す両側矢印Bの方向)に移動される。それによりスリット板24は照明光軸O′に対して挿脱される。
コリメータレンズ27は、スリット穴24aを通過した照明光を平行光束にする。平行光束になった照明光は、照明プリズム25の反射面25aにて反射されて対物レンズ15を経由して患者眼Eに投射される。患者眼Eに投射された照明光(の一部)は角膜にて反射される。患者眼Eによる照明光の反射光(観察光と呼ぶことにがある)は、対物レンズ15を経由して観察光学系30に入射する。このような構成により、患者眼Eの拡大像の双眼観察が可能となる。
〔制御系の構成〕
次に、図6を参照しつつ眼科手術用顕微鏡1の制御系について説明する。なお、図6においては制御系の一部が省略されている。省略部分としては、駆動装置5、スリット板24の駆動機構、ズームレンズ系31の駆動機構などがある。
(制御部)
眼科手術用顕微鏡1の制御系は制御部60を中心に構成される。制御部60は、眼科手術用顕微鏡1の任意の部位(たとえば支柱2の内部)に設けられる。記憶部70や演算処理部80についても同様である。なお、図1に示した構成とは別にコンピュータを設け、これを制御部60や記憶部70や演算処理部80として用いるようにしてもよい。
制御部60は眼科手術用顕微鏡1の各部を制御する。制御部60は、通常のコンピュータと同様にマイクロプロセッサやメモリを含んで構成される。制御部60にはLED制御部61が設けられている。
(LED制御部)
LED制御部61はLED群131−iを制御する。特に、LED制御部61は、LED群131−iのうちの特定のLED131−nを制御して、他のLED群131−i(i≠n)と異なる点灯状態にする。
この点灯状態の制御例として、LED制御部61は、特定のLED131−nを点滅させるとともに、他のLED群131−iを連続点灯させる。ここで、点滅とは、所定の時間間隔(たとえば1秒間隔)でLED131−i、131−(i+18)の点灯と消灯とを繰り返すことである。また、連続点灯とは、消灯させるための指示がなされるまでLED131−jを点灯させたままの状態にすることである。
他の例として、LED制御部61は、特定のLED131−nからの出力光の色と、他のLED群131−iからの出力光の色とを異ならせることができる。また、特定のLED131−nからの出力光の明るさや輝点のサイズを、他のLED群131−iと異ならせるようにしてもよい。この場合、特定のLED131−nと他のLED群131−iとを、異なるタイプのLEDで構成することができる。
以上は点灯状態の制御の一例に過ぎない。点灯状態の制御は、全てのLED群131−i(の輝点像)において、特定のLED131−n(の輝点像)の識別が可能となるものであれば、その手法や構成は問わない。この点灯状態の制御を行うLED制御部61は、この発明の「光源制御手段」の一例である。
更に、LED制御部61は、後述の光源特定部82により特定されたLED131−mの点灯状態を変更する。この制御の例として、LED制御部61は、特定されたLED131−mを点滅させたり、他のLED131−iと異なる色の光をLED131−mに出力させたりする。LED制御部61は、この発明の「点灯状態変更手段」の一例である。
このLED131−mは、患者眼Eの乱視軸方向に対応する位置に配置されたものである。当該位置は、患者眼Eの角膜の主経線方向(強主経線方向又は弱主経線方向)に相当する位置、或いはトーリックIOLの主経線(強主経線又は弱主経線)の配置方向に相当する位置などである。
(記憶部)
記憶部70は各種情報を記憶する。制御部60は、記憶部70に情報を記憶させる処理と、記憶部70から情報を読み出す処理とを実行する。記憶部70には輝点像位置情報71が記憶される。輝点像位置情報71は、複数のLED131−iに基づく複数の輝点が投影された状態の無乱視角膜模型眼を撮影して得られた画像(無乱視撮影像)を解析して生成される情報であり、この無乱視撮影像に描写された複数の輝点像の位置を示す情報である。記憶部70は、この発明の「記憶手段」の一例である。
輝点像位置情報71についてより詳しく説明する。輝点像位置情報生成部81についてもここで説明する。無乱視角膜模型眼は、乱視を持たない角膜の模型を含む模型眼である。模型眼としては、たとえばGullstrandタイプのものが知られている。
輝点像位置情報71を生成する際には、無乱視角膜模型眼を使って次のような測定を行う。まず、無乱視角膜模型眼に対して装置光学系の位置合わせをする。更に、ヘッド部131を無乱視角膜模型眼に近づけて複数のLED131−iを点灯させる。それにより、複数のLED131−iに基づく輝点が無乱視角膜模型眼の角膜部位に投影される。この状態の無乱視角膜模型眼をTVカメラ56で撮影する。これにより得られた無乱視撮影像には輝点像(プルキンエ像)が描写されている。制御部60は、この無乱視撮影像を演算処理部80に送る。
(輝点像位置情報生成部)
輝点像位置情報生成部81は、無乱視撮影像を解析して輝点像位置情報71を生成する。この処理の一例を説明する。まず、輝点像位置情報生成部81は、無乱視撮影像を構成する各画素の画素値に基づいて各輝点像の位置を特定する。この処理は、近傍の画素と比較して画素値(輝度値)が高い画素を抽出することで実行できる。
この処理において、輝度値の低い画素を排除するフィルタ処理等を適用することも可能である。また、輝度値に関する閾値処理を適用することもできる。また、撮影用の照明光の角膜反射光を除去する処理を行うことも可能である。この処理は、たとえば複数の輝点像の配列を参照して実行できる。つまり、LED群131−iの配列及び無乱視であることを考慮すると、複数の輝点像は概ね円形状に配列される。よって、既に特定された輝点像の位置と比較することによって、輝点像として特定されたものが真に輝点像であるか或いは角膜反射光であるか判別できる。
以上のように輝点像を自動で特定する代わりに、無乱視撮影像を表示させて手作業で輝点像を指定するように構成することも可能である。
また、全てのLED131−iに対応する輝点像が特定できない場合(図3のケースにおいては、輝点像が36個未満しか特定されない場合)も想定される。これを考慮し、所定個数以上の輝点像が特定されれば十分であるとして、次の処理に移行するようにしてもよい。次の処理では、特定された輝点像群の位置の近似円を求める。数学的には、任意の3点が指定されれば、これらを通る円が得られる。一方、この実施形態では、真円に対する輝点像の位置ズレ(つまりLED131−iの位置ズレ)を求める必要がある。よって、当該位置ズレを算出するために、たとえば輝点像が4つ以上特定されたときに次の処理に移行するよう構成できる。なお、処理の精度や確度を考慮すると、できるだけ多数の輝点像を特定するのが望ましいことは言うまでもない。
輝点像の位置は、この無乱視撮影像のフレームに事前に定義された2次元座標系における座標値であってよい。以降の処理では、輝点像の絶対的な位置は参照せず、複数の輝点像の相対的な配置を考慮するので、全ての輝点像に対し一貫して座標系を適用する限りにおいて如何なる座標系を適用してもよい。
次に、輝点像位置情報生成部81は、特定された輝点像群の位置に対する近似円を求める。LED131−iの配列が真円に沿っていれば、全ての輝点像を通過する近似円が得られる。しかし、前述したように、LED131−iの取り付け時などにどうしても位置ズレが生じてしまうため、全ての輝点像を通過する近似円が得られることは稀である。
一般的には、特定された輝点像群に対する位置ズレの総量が最小になるような近似円が得られる。このような近似円を得るには、たとえば、これら輝点像の位置に基づいて最小二乗法を実行すればよい。なお、いずれか一つの輝点像を基準として最小二乗法を実行する場合において、この輝点像の位置ズレが大きいと、この位置ズレの影響により近似円の確度が劣化するおそれがある。この問題を解消するために、幾つかの輝点像を基準として順次に近似円を求め、それらのうち最も位置ズレの総量の小さい近似円を採用するよう構成することが可能である。ここで、基準とする輝点像の個数は、処理時間等を重視する場合には少なく、確度を重視する場合には多く設定できる。
近似円を求める手法は上記のものに限定されるものではなく、公知の任意の手法を適用することが可能である。この処理により得られた近似円は、この発明の「真円」として用いられる。輝点像位置情報生成部81は、この発明の「真円演算手段」の一例である。
続いて、輝点像位置情報生成部81は、得られた近似円に対する各輝点像の変位を求める。この処理は、たとえば、各輝点像と近似円との距離を演算することで実行される。演算目的の変位は、算出された距離と、近似円に対する輝点像の方向とを含む情報である。各輝点像について求められた変位をまとめて輝点像位置情報71とする。
別の手法として次のようなものもある。まず、一つの輝点像を基準とする。この基準輝点像としては、たとえば、近似円に対する距離が最短なものが選択される。次に、基準輝点像に対応する近似円上の位置(基準位置)を決める。基準輝点像が近似円上にある場合、その位置を基準位置とする。他方、基準輝点像が近似円上にない場合、基準輝点像と近似円との距離を求め、この距離の方向に沿った線分と近似円との交点を基準位置とする。なお、基準位置の設定方法はこれに限定されるものではない。
続いて、基準位置を起点として、近似円を所定個数の弧に分割する。この所定個数はLED131−iの個数である。図3に示すケースでは近似円を36等分する。それにより、近似円上に所定個数の点(基準点)が設定される。図3のケースでは36個の点が設定される。
次に、各基準点に対応する輝点像を選択する。この処理は、たとえば、各基準点に最も近い輝点像を選択することで実行できる。LED131−iの位置ズレはそれほど大きなものでなく、更に無乱視であることを考慮すると、各基準点について一意的に輝点像が特定される可能性が高い。
ただし、各基準点について輝点像の候補が二つ以上特定されることも無いとは言えない。その場合には、たとえば、これら輝点像の相対位置を参照することができる。つまり、基準輝点像を起点として時計回り(又は反時計回り)に複数の輝点像に順序を付けることができる。同様に、基準位置を起点として時計回り(又は反時計回り)に基準点に順序を付けることができる。これら順序に基づいて、輝点像と基準点とを対応付けることが可能である。なお、この手法を最初から用いて各基準点に対応する輝点像を選択してもよい。
また、LED131−iの個数よりも少ない輝点像しか抽出されなかった場合、全ての基準点に対して輝点像を対応付けることはできない。この場合、たとえば、各輝点像に対して最短距離に位置する基準点を選択すればよい。
次に、各々対応づけられた基準点と輝点像のペアについて、基準点に対する輝点像の変位を求める。この変位には、基準点と輝点像との距離と、基準点に対する輝点像の方向とが含まれる。そして、各ペアについて求められた変位をまとめて輝点像位置情報71とする。以上で輝点像位置情報生成部81についての説明を終了する。
(演算処理部)
演算処理部80は各種の演算処理を実行する。特に、演算処理部80は、この発明の「演算手段」の一例として機能し、被検眼の角膜形状の評価値を算出する。この評価値としては、従来と同様に、角膜曲率半径、角膜屈折力、角膜乱視度、角膜乱視軸角度などがある。演算処理部80は、目的の演算処理を実行可能なマイクロプロセッサ等を含んで構成される。
演算処理部80には、輝点像位置情報生成部81、光源特定部82、輝点像選択部83、装着方向変位算出部84、輝点像対応部85、輝点像位置補正部86及び評価値算出部87が設けられている。輝点像位置情報生成部81については前述した。
(光源特定部)
光源特定部82は、患者眼Eの乱視軸方向に対応する位置に配置されたLED131−iを特定する。この乱視軸方向としては、後述の評価値算出部87により算出された値が用いられる。なお、過去の検査で取得された患者眼Eの乱視軸方向の値を用いるようにしてもよい。また、乱視軸方向に対応する位置とは、患者眼Eの角膜の主経線方向(強主経線方向又は弱主経線方向)や、トーリックIOLの主経線(強主経線又は弱主経線)の配置方向などである。光源特定部82は、この発明の「光源特定手段」の一例である。
光源特定部82が実行する処理の例を説明する。乱視軸方向は既知である。乱視軸方向は、たとえば10度単位や5度単位で得られる。図3に示す例において、10度単位で乱視軸方向が得られた場合、当該乱視軸方向に沿って対向して位置する一対のLED131−i、131−(i+18)が特定される。
一方、5度単位で乱視軸方向が得られた場合、対向配置された一対のLED131−i、131−(i+18)が特定されるケースと、それ以外のケースがある。前者のケースは、たとえば当該乱視軸方向に示す角度が10の倍数である場合である。後者のケースは、たとえば当該乱視軸方向に示す角度が5の倍数でありかつ10の倍数でない場合である。後者のケースにおいては、たとえば、当該乱視軸方向を挟み、かつ各々対向配置された二対のLED131−i、131−(i+18)、131−(i+1)、131−(i+19)を特定するよう構成する。
LED制御部61は、特定されたLED131−iの点灯状態を変更する。この処理については前述した。
(輝点像選択部)
輝点像選択部83から評価値算出部87までは連係して一連の処理を実行する。この一連の処理は、患者眼Eの角膜の形状の評価値を算出するための処理である。特に、輝点像選択部83から輝点像対応部85までは、LED群131−iが配列されたヘッド部131の装着方向を考慮して行う処理である。
ヘッド部131の装着方向を考慮する場合には、無乱視撮影像を取得するとき、及び、患者眼Eの角膜の撮影画像(角膜撮影像)を取得するときの双方において、前述したように、LED群131−iのうちの特定のLED131−nの点灯状態の制御を制御して、特定のLED131−nの輝点像の識別を可能にする。
輝点像選択部83は、特定のLED131−nとその他のLED131−iとの点灯状態の相違に基づいて、特定のLED131−nに対応する輝点像を全ての輝点像のうちから選択する。輝点像選択部83は、この発明の「選択手段」の一例である。
輝点像選択部83が実行する処理について説明する。前述のように、点灯状態を相違させる例として、特定のLED131−nを(1)点滅させる、(2)出力光の色を変える、(3)出力光の明るさを変える、(4)輝点のサイズを変える、などがある。
(1)特定のLED131−nを点滅させる場合、無乱視撮影像及び角膜撮影像として動画像を取得する。この動画像の撮影時間は、特定のLED131−nの点滅間隔以上であれば十分である。輝点像選択部83は、この動画像を構成する画素の画素値の時間変化に基づいて、特定のLED131−nに対応する輝点像を選択する。このとき、点滅間隔を参照し、それと同じ周期で画素値が変化する画素を特定するようにしてもよい。
なお、点滅中において消灯しているタイミングで静止画像を取得し、他と比較して暗い輝点に相当する画素(完全に消灯していないタイミングで撮影したとき)や、有るべき輝点が検出されない位置に相当する画素(完全に消灯しているタイミングで撮影したとき)を探索し、その画素の位置を特定のLED131−nに対応する輝点像(の位置)として選択するように構成してもよい。
(2)出力光の色を変える場合、無乱視撮影像や角膜撮影像は動画像でも静止画像でもよい。対象画像はカラー画像であることが望ましいが、モノクロ画像であってもよい。モノクロ画像は、輝度値が明確に異なるような出力色が設定されている場合に適用することが望ましい。
対象画像がカラー画像である場合、輝点像選択部83は、対象画像を構成する画素の画素値(R値、G値、B値)を参照して当該画素が表現する色を識別し、その結果に基づいて特定のLED131−nに対応する輝点像を選択する。対象画像がモノクロ画像である場合、輝点像選択部83は、対象画像を構成する画素の輝度値に基づいて当該画素が表現する色を識別し、その結果に基づいて特定のLED131−nに対応する輝点像を選択する。
(装着方向変位算出部)
装着方向変位算出部84は、無乱視撮影像における特定のLED131−nに対応する輝点像(無乱視特定輝点像)の位置情報と、角膜撮影像における特定のLED131−nに対応する輝点像(角膜特定輝点像)の位置情報とを、輝点像選択部83から取得する。
これら位置情報は、たとえば、当該画像中の所定位置に対する特定輝点像の相対位置を表す。一例として、前述の近似円の中心に対する特定輝点像の方向(たとえば所定方向に対する角度)を位置情報として用いることができる。
装着方向変位算出部84は、無乱視特定輝点像の位置情報と角膜特定輝点像の位置情報とを比較して、無乱視撮影像の撮影時と角膜撮影像の撮影時との間における投影像形成部13(光源保持手段)の装着方向の変位を求める。装着方向変位算出部84は、この発明の「装着方向変位算出手段」の一例である。
装着方向変位算出部84が実行する処理の例を説明する。位置情報が上記角度である場合において、無乱視特定輝点像の位置情報に示す角度をθ、角膜特定輝点像の位置情報に示す角度をθとする。なお、これら角度θ、θは、双方の画像における同方向(たとえば上方)に対する角度とされる。
装着方向変位算出部84は、これら角度θ、θの変位Δθ=θ−θを算出する。変位Δθは、無乱視特定輝点像側の角度θに対する角膜特定輝点像側の角度θのズレを表している。これの代わりに、角膜特定輝点像側の角度θに対する無乱視特定輝点像側の角度θの変位を算出するようにしてもよい。
(輝点像対応部)
輝点像対応部85は、装着方向変位算出部84により算出された変位(Δθ)の情報を取得する。輝点像対応部85は、変位Δθに基づいて、輝点像位置情報71にその位置を示す複数の輝点像と、角膜撮影像中の複数の輝点像とを対応付ける。ここで、輝点像位置情報71にその位置を示す複数の輝点像とは、無乱視撮影像から特定された複数の輝点像を意味する。輝点像対応部85は、この発明の「輝点像対応手段」の一例である。
輝点像対応部85が実行する処理の例を説明する。まず、双方の画像について、LED群131−iと同じ個数の輝点像が得られた場合について説明する(図3の例において、双方の画像から36個の輝点像が特定された場合である)。
この場合、輝点像対応部85は、変位Δθが解消されるように角膜撮影像を−Δθだけ回転させる。このときの回転中心は、角膜撮影像について得られた近似円の中心である。それにより、角膜撮影像における角膜特定輝点像の方向が、無乱視撮影像における無乱視特定輝点像の方向に一致する。
続いて、輝点像対応部85は、角膜特定輝点像と無乱視特定輝点像とを対応付けし、更に、時計回り(又は反時計回り)で双方の輝点像を順次に対応付けていく。それにより、無乱視撮影像中の複数の輝点像と、角膜撮影像中の複数の輝点像とが対応付けされる。
一方又は双方の画像について、LED群131−iより少ない個数の輝点像しか得られなかった場合について説明する。この場合においても、角膜撮影像を−Δθだけ回転させて、角膜特定輝点像の方向を無乱視特定輝点像の方向に一致させる。
続いて、輝点像対応部85は、角膜特定輝点像と無乱視特定輝点像とを対応付けし、更に、時計回り(又は反時計回り)で双方の輝点像を順次に対応付けていく。このとき、所定角度(LED群131−iの間隔。10度、5度等。)毎に対応付けしていくが、対応先が見つからない輝点像が発生する。
LED131−iの位置ズレ、つまり輝点像の位置ズレは、上記所定角度と比較して十分に小さい。また、近似円の径方向への位置ズレもそれほど大きくはならない。よって、或る輝点像の対応先として二つ以上が候補となる可能性は小さい。これを考慮し、対応先が見つからない輝点像は無視することができる。
別の手法として、対応先が見つからない輝点像について、他方の画像側の近似円上の位置を対応付けることができる。この近似円上の位置としては、対応先の輝点像が本来有るべき位置(上記の近似円を弧に分割した位置など)が採用される。この手法を適用する場合、以降の処理において、この近似円上の位置が輝点像の位置とみなされる。
(輝点像位置補正部)
輝点像位置補正部86は、角膜撮影像に描写された複数の輝点像の位置を輝点像位置情報71に基づき補正する。輝点像位置補正部86は、この発明の「補正手段」の一例を構成している。
輝点像位置補正部86が実行する処理の例を説明する。前述したように、輝点像位置情報71には、無乱視撮影像中の複数の輝点像の真円に対する変位が記録されている。また、角膜撮影像中の複数の輝点像と、無乱視撮影像中の複数の輝点像との間には、輝点像対応部85による対応付けがなされている。
輝点像位置補正部86は、角膜撮影像中の各輝点像について、これに対応付けられた無乱視撮影像中の輝点像の変位を輝点像位置情報71から選択する。更に、輝点像位置補正部86は、この選択された変位を打ち消すように、角膜札得像中の当該輝点像の位置を変更する。変位を打ち消すように輝点像の位置を変更するとは、当該変位の逆ベクトル分だけ当該輝点像を移動させることを意味する。
なお、この処理において、角膜撮影像中の輝点像の位置を実際に移動させる必要はない。各輝点像の位置は、角膜撮影像に定義された2次元座標系によって表現されている。よって、上記処理では、各輝点像の座標値を、対応する変位の逆ベクトル分だけ変更すれば十分である。輝点像位置補正部86は、角膜撮影像中の複数の輝点像のそれぞれに対して上記処理を行う。
(評価値算出部)
評価値算出部87は、輝点像位置補正部86により位置が補正された後の複数の輝点像に基づいて、患者眼Eの角膜の形状の評価値を算出する。この評価値としては、前述したように、角膜曲率半径、角膜屈折力、角膜乱視度、角膜乱視軸角度などがある。これら評価値の算出方法は、従来のケラトメータと同様である。
(操作部)
操作部90は、眼科手術用顕微鏡1を操作するために術者等により使用される。操作部90には、顕微鏡6の筺体などに設けられた各種のハードウェアキー(ボタン、スイッチ等)や、フットスイッチ8が含まれる。また、タッチパネルディスプレイが設けられている場合、これに表示される各種のソフトウェアキーも操作部90に含まれる。
[作用・効果]
眼科手術用顕微鏡1の作用及び効果について説明する。
まず、眼科手術用顕微鏡1は、準備段階として輝点像位置情報71を生成する。この処理の内容については前述した。この処理は、この実施形態に係る機能を用いる前の任意のタイミングで実施できる。たとえば、眼科手術用顕微鏡1の製造時や出荷前、手術室への設置時などにこの処理を実施することができる。また、眼科手術用顕微鏡1を使用するにつれてLED群131-iの位置が変化するおそれのある場合などには、輝点像位置情報71を適宜に更新するようにしてもよい。生成された輝点像位置情報71は記憶部70に記憶される。
以下の工程は手術時に実施される。まず、眼科手術用顕微鏡1は、LED131-iにより複数の輝点が投影された状態の患者眼Eの角膜を撮影する。
更に、眼科手術用顕微鏡1は、この角膜撮影像に描写された複数の輝点像の位置を輝点像位置情報71に基づき補正する。この処理では、たとえば、輝点像位置情報71に示す無乱視撮影像中の各輝点像の変位を打ち消すように、角膜撮影像中の各輝点像の位置を補正する。
そして、眼科手術用顕微鏡1は、補正後の複数の輝点像の位置に基づいて、患者眼Eの角膜形状の評価値を算出する。この評価値には、角膜曲率半径、角膜屈折力、角膜乱視度、角膜乱視軸角度などが含まれる。
このように、眼科手術用顕微鏡1は、無乱視状態における輝点像の位置ズレ(輝点像位置情報71)を用いて、角膜撮影像中の輝点像の位置を変更して評価値を求めるようになっている。したがって、LED131-iの取り付け位置のズレの影響を排除して評価値を求めることができる。すなわち、眼科手術用顕微鏡1によれば、角膜に投影される複数の輝点が真円状に配列されていない場合であっても、角膜の形状を正確に測定することが可能である。
また、眼科手術用顕微鏡1は、LED群131−iのうちの特定のLED131−nを制御して、他のLED群131−i(i≠n)と異なる点灯状態にする。それにより、特定のLED131−nに対応する輝点像は、観察対象(無乱視角膜模型眼、患者眼E)において、他のLED群131−iに対応する輝点像と異なる形態で観察される。この状態で無乱視撮影像と角膜撮影像とがそれぞれ取得される。
眼科手術用顕微鏡1は、各LED131−iの点灯状態に基づいて、複数の輝点像のうちから特定のLED131−nに対応する輝点像を選択する。
更に、眼科手術用顕微鏡1は、無乱視撮影像について選択された輝点像(特定のLED131−nに対応するもの)の位置と、角膜撮影像について選択された輝点像(特定のLED131−nに対応するもの)の位置とを比較して、無乱視撮影像の撮影時と角膜撮影像の撮影時との間における投影像形成部13の装着方向の変位を求める。
そして、眼科手術用顕微鏡1は、この投影像形成部13の装着方向の変位に基づいて、輝点像位置情報71にその位置を示す複数の輝点像(つまり無乱視撮影像中の輝点像)と、角膜撮影像中の複数の輝点像とを対応付ける。なお、この対応付けにおいては、前述のように、対応付けされない輝点像が残ってもよい。
このような構成によれば、無乱視撮影像の取得時と角膜撮影像の取得時とで投影像形成部13の装着方向が異なったとしても、特定のLED131−nに対応する輝点像を参照することにより、無乱視撮影像中の輝点像と角膜撮影像中の輝点像とを正確に対応付けることができる。
一般に、眼科手術用顕微鏡においては、助手用顕微鏡やスリット照明装置の取り付け位置を変更することができる。それにより、投影像形成部13の取り付け位置も変更されることがある。そうすると、LED群131−iの向きが変わり、真円に対するLED群131−iの変位の状態が変化し、結果として評価値算出の再現性が低下する。これに対し、当該構成によれば、無乱視撮影像中の輝点像と角膜撮影像中の輝点像とを正確に対応付けることができるので、このような問題は生じない。
また、患者眼Eの角膜の乱視軸方向を評価値として算出する場合、眼科手術用顕微鏡1は、この乱視軸方向に対応する位置に配置されたLED131−mをLED群131−iのうちから特定し、このLED131−mの点灯状態を変更する。
それにより、たとえばトーリックIOLの移植手術などにおいて、患者眼Eの乱視軸の向きを術者等に呈示することが可能である。特に、この実施形態で得られる乱視軸方向は確度が高いので、手術精度の向上が期待される。
[変形例]
以上に説明した内容は、この発明を実施するための一構成例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において適宜に変形を加えることが可能である。
上記の実施形態と異なる方法で無乱視撮影像中の輝点像と角膜撮影像中の輝点像とを正確に対応付けるための構成を説明する。
この変形例に係る眼科手術用顕微鏡は、顕微鏡6(装置筺体)に対する投影像形成部13(光源保持手段)の装着方向を検出するセンサを有する。このセンサは、この発明の「検出手段」の一例である。
センサの具体例を説明する。顕微鏡6に対する光源保持手段の各装着位置にセンサを設ける。或る装着位置に光源保持手段が装着されると、当該装着位置のセンサが装着を検出する。なお、センサの構成はこれに限定されるものではなく、装置筺体に対する光源保持手段の装着方向を検出可能であればその具体的構成は問わない。
この眼科手術用顕微鏡は、上記実施形態と同様の制御系を有する(図6を参照)。ただし、輝点像選択部83は不要である。以下、図6を参照して説明する。センサにより検出された装着方向を示す情報は、記憶部70に記憶される。特に、記憶部70には、無乱視撮影像の撮影時における装着方向(基準装着方向)を示す情報(基準装着方向情報)が記憶される。
患者眼Eの手術において光源保持手段が装着されると、センサは検出信号を制御部60に入力する。制御部60は、この検出信号に基づいて現在の装着方向を特定する。各装着位置にセンサが設けられている場合、制御部60は、どのセンサから検出信号を受けたかに応じて現在の装着方向を特定する。この処理を実行するために、各センサと装着方向とを対応付けるテーブル情報を予め有していてもよい。制御部60は、記憶部70から基準装着方向情報を読み出し、現在の装着方向を示す情報(現在装着方向情報)とともに演算処理部80に送る。
装着方向変位算出部84は、上記実施形態と異なる処理により装着方向の変位を算出する。すなわち、装着方向変位算出部84は、基準装着方向と現在の装着方向との変位を算出することで、無乱視撮影像の撮影時における装着方向と、前記角膜撮影像の撮影時における装着方向との間の変位を求める。ここで、装着方向は、たとえば、所定方向(術者側など)を基準(0度)とする反時計回り方向の角度として表現される。装着方向変位算出部84は、この発明の「装着方向変位算出手段」の一例である。
輝点像対応部85は、装着方向変位算出部84から装着方向の変位の算出結果を受ける。輝点像対応部85は、この装着方向の変位に基づいて、輝点像位置情報71にその位置を示す複数の輝点像と、角膜撮影像中の複数の輝点像とを対応付ける。この処理は、上記実施形態と同様にして実行できる。輝点像対応部85は、この発明の「輝点像対応手段」の一例である。
輝点像位置補正部86及び評価値算出部87は、上記実施形態と同様に動作して、患者眼Eの角膜形状の評価値を算出する。
この変形例に係る眼科手術用顕微鏡によれば、無乱視撮影像の撮影時と角膜撮影像の撮影時とで光源保持手段の装着方向が異なったとしても、各撮影時における装着方向を検出してその変位を考慮することにより、無乱視撮影像中の輝点像と角膜撮影像中の輝点像とを正確に対応付けることができる。それにより、評価値算出の再現性が低下する問題が回避される。
他の変形例を説明する。眼科装置には、被検眼を双眼で観察できるよう構成されたものがある。上記の眼科手術用顕微鏡1はその一例である(特に図5を参照)。このような眼科装置の観察光学系は、対物レンズを共通とする左右一対の光学系が設けられている。つまり、このような眼科装置においては、被検眼による照明光の反射光は、対物レンズを経由して左右の光学系に入射し、左右の接眼レンズにそれぞれ導かれる。検者は、左右の接眼レンズを左右眼で覗き込んで双眼での観察を行う。
対物レンズと左右の光学系とが偏心して配置されている眼科装置、すなわち、対物レンズの光軸(対物光軸)と左右の光学系の軸(観察光軸)とが変位して配置されている眼科装置においては、対物レンズの縁部近傍を通過した光束が左右の光学系に入射する(図5を参照)。左右の光学系に入射する光束は、その通過部位(縁部近傍)のプリズム効果などにより、その断面形状が変化する。たとえば断面が真円状の光束を対物レンズに入射させると、対物レンズの影響で断面形状が略楕円形になった光束が左右の光学系に入射することになる。
このような眼科装置に投影手段と撮影手段を搭載して角膜形状の評価を行うと、対物レンズの影響で誤差が発生する。つまり、投影手段により角膜に投影された複数の輝点像の角膜反射光は、対物レンズの影響によって配列状態にずれが生じて撮影手段に投影される。よって、その撮影像に描写された複数の輝点像の配列は、角膜形状を正確に反映したものではなくなり、結果として評価値に誤差が生じることになる。この誤差は乱視として認識されるものである。
以下に説明する変形例は、このような問題を解消するためのものである。この変形例の構成を上記実施形態に加えることで、角膜形状を更に正確に測定することが可能となる。なお、上記実施形態の特徴は備えず、かつ、この変形例の特徴を備える眼科装置を構成することも可能である。
上記実施形態の眼科手術用顕微鏡1を参照して説明する。図5に示すように、右観察光学系30Rにはビームスプリッタ32が設けられている。ビームスプリッタ32は、対物レンズ15を経て観察光軸ORに沿って導光された観察光の一部を分離してTVカメラ56(撮影手段)に導く。なお、この変形例では左右の光学系の一方のみに撮影手段が設けられているが、双方の光学系にそれぞれ撮影手段を設けるようにしてもよい。
この変形例の制御系は上記実施形態とほぼ同様である。制御系の一例を図7に示す。この変形例と上記実施形態との主たる相違は、記憶部70に光束像位置情報72が記憶されている点と、演算処理部80の動作内容である。
光束像位置情報72は予め作成されて記憶部70に格納される。光束像位置情報72の作成方法の一例を説明する。まず、対物レンズ15の下方(患者眼Eが配置される側)から略真円状のビーム断面を有する光束を対物レンズ15に向けて照射する。この光束は、対物レンズ15を経由して略楕円形状の断面となり、左右の観察光学系30L、30Rにそれぞれ入射する。右観察光学系30Rに入射した光束は、ビームスプリッタ32により、接眼レンズ37に向かう光束とTVカメラ56に向かう光束とに分割される。TVカメラ56は、観察光軸ORから分岐された光束を検出する。それにより、この光束の撮影像が得られる。
演算処理部80は、この撮影像を解析して光束像位置情報72を作成する。この解析処理では、この撮影像に描写された光束の像(光束像と呼ぶ)の位置を示す情報として、真円に対するこの光束像の変位を求める。この処理についてより詳しく説明する。
まず、演算処理部80は、この光束像を最適に近似する楕円(近似楕円)を求める。この処理はたとえば最小二乗法を適用して実行できる。次に、演算処理部80は、この近似楕円の形状、つまり真円に対する変位を表す情報を求める。この情報は、楕円に関する各種パラメータ(長径・短径、楕円率(短径と長径との比)、長軸(短軸)の向き、離心率等)のうちから、楕円の形状を一義的に表現可能なパラメータとして予め選択されたものである。なお、長軸や短軸の向きは、たとえば、TVカメラ56の撮像素子の受光面に予め設定された2次元座標系(直交座標系等)に基づいて定義することができる。
制御部60は、演算処理部80により得られたこの情報を光束像位置情報72として記憶部70に記憶させる。
なお、光束像位置情報72の作成に用いられる略真円状の光束は、たとえば、その断面がリング状や円盤状の光束である。後者の場合には、たとえば、撮影像中における光束像の輪郭抽出を実行してから近似楕円の算出を行う。また、略真円状の光束として、略真円状に配列された複数の輝点からなる光束群を用いることも可能である。この場合、上記実施形態と同様にして光束群に対応する複数の光束像の配列形状を求めればよい。また、近似楕円上の各点の真円に対する変位を示す情報を光束像位置情報72とすることも可能である。また、近似楕円に対する真円の変位を示す情報を光束像位置情報72としてもよい。
また、光束像位置情報72は、光束像が描写された撮影像の画像データや、光束像の形状を一義的に表現可能なパラメータなどであってもよい。これらの場合には上記の処理を後で(角膜撮影像の解析時など)実行するだけであるので、真円に対する光束像の変位を示す情報を光束像位置情報72とする場合と比較して実質的な相違はない。
前述した作成方法から分かるように、輝点像位置情報71は投影手段毎に作成され、光束像位置情報72は眼科装置毎に作成される。
TVカメラ56は、LED131-i群により複数の輝点が投影された状態の患者眼Eの角膜を撮影する。演算処理部80(特に輝点像位置補正部86)は、上記実施形態と同様に、この角膜撮影像に描写された複数の輝点像の位置を、輝点像位置情報71及び光束像位置情報72に基づいて補正する。輝点像位置情報71に基づく補正は上記実施形態と同様である。
光束像位置情報72に基づく補正について説明する。輝点像位置補正部86は、光束像位置情報72に記録された変位を、輝点像位置情報71を用いた補正後の各輝点像の位置に反映させることで、当該各輝点像の位置を補正する。たとえば、真円に対する近似楕円の変位が光束像位置情報72に記録されている場合、輝点像位置補正部86は、各輝点像について、これに対応する変位の逆ベクトルだけ当該輝点像の位置をずらす。つまり、輝点像位置補正部86は、角膜撮影像中の複数の輝点の像の位置を、当該変位を打ち消すように補正する。
また、近似楕円に対する真円の変位が記録されている場合、輝点像位置補正部86は、各輝点像について、これに対応する変位だけ当該輝点像の位置をずらす。また、上記パラメータが記録されている場合、輝点像位置補正部86は、このパラメータの逆の値を用いて複数の輝点像の配列を変形する。
そして、演算処理部80は、双方の補正が施された後の複数の輝点像の位置に基づいて、患者眼Eの角膜形状の評価値を算出する。この評価値には、角膜曲率半径、角膜屈折力、角膜乱視度、角膜乱視軸角度などが含まれる。
なお、輝点像位置情報71に基づく補正を行う前に、光束像位置情報72に基づく補正を行うようにしてもよい。また、双方の補正パラメータ(又は変位)を合成して得られるパラメータ(又は変位)を用いて輝点像群の位置の補正を行うようにしてもよい。
この変形例によれば、双眼観察が可能な眼科装置において、LED群131-iの位置に起因する角膜形状の評価値の誤差だけでなく、対物光軸と観察光軸との変位に起因する誤差についても自動的に補正することができる。よって、角膜に投影される複数の輝点が真円状に配列されていない場合であっても、角膜形状の測定を正確に行うことが可能となる。
なお、前述したように、上記実施形態の特徴は備えず、かつ、この変形例の特徴を備える眼科装置を構成することが可能である。この眼科装置は、対物レンズ、照明光学系、観察光学系、投影手段、撮影手段、演算手段及び記憶手段を備える。照明光学系は、対物レンズを介して照明光を被検眼に照射する。観察光学系は、対物レンズを経由した被検眼による照明光の反射光を、ズームレンズ系を介して左右の接眼レンズにそれぞれ導く左右の光学系を有する。投影手段は、略円形状に配列された複数の輝点を被検眼の角膜に投影する。撮影手段は、複数の輝点が投影された状態の角膜を撮影する。演算手段は、この撮影像に描写された複数の輝点の像の位置に基づいて角膜の形状の評価値を算出する。記憶手段は、対物レンズに入射した略真円状の光束の撮影手段による撮影像に描写された上記光束の像の位置を示す光束像位置情報を予め記憶する。
更に、この眼科装置は次のような特徴を有する。まず、観察光学系の左右の光学系のそれぞれの光軸は、対物レンズの光軸に対して変位している。更に、左右の光学系の一方は、被検眼からの照明光の反射光を接眼レンズに向かう光束と撮影手段に向かう光束とに分割するビームスプリッタを含んでいる。そして、演算手段は、複数の輝点が投影された状態の被検眼の角膜を撮影手段により撮影して得られた角膜撮影像に描写された複数の輝点の像の位置を、光束像位置情報に基づき補正し、更に、この補正後の複数の輝点の像の位置に基づいて角膜の形状の評価値を算出する。
この眼科装置によれば、双眼観察が可能な眼科装置において、対物光軸と観察光軸との変位に起因する角膜形状の評価値の誤差を自動的に補正することができるので、角膜形状の測定の正確性を向上させることが可能である。
1 眼科手術用顕微鏡(眼科装置)
13 投影像形成部
131 ヘッド部
131−i LED(群)
132 ヘッド接続部
133 アーム
134 落下防止部
15 対物レンズ
20 照明光学系
30 観察光学系
32 ビームスプリッタ
56 TVカメラ
60 制御部
61 LED制御部
70 記憶部
71 輝点像位置情報
72 光束像位置情報
80 演算処理部
81 輝点像位置情報生成部
82 光源特定部
83 輝点像選択部
84 装着方向変位算出部
85 輝点像対応部
86 輝点像位置補正部
87 評価値算出部
E 患者眼

Claims (11)

  1. 略円形状に配列された複数の輝点を被検眼の角膜に投影する投影手段と、前記複数の輝点が投影された状態の前記角膜を撮影する撮影手段とを備え、当該撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置に基づいて前記角膜の形状の評価値を算出する眼科装置であって、
    前記複数の輝点が投影された状態の無乱視角膜模型眼を前記撮影手段により撮影して得られた無乱視撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を示す輝点像位置情報を予め記憶する記憶手段と、
    前記複数の輝点が投影された状態の被検眼の角膜を前記撮影手段により撮影して得られた角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を、前記輝点像位置情報に基づき補正し、前記補正後の前記複数の輝点の像の位置に基づいて当該角膜の前記評価値を算出する演算手段と、
    を備えることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記輝点像位置情報には、前記無乱視撮影像中の前記複数の輝点の像の真円に対する変位が記録されており、
    前記演算手段は、
    前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像の位置を、前記変位を打ち消すように補正する補正手段を含み、
    前記補正後の前記像の位置に基づいて前記評価値を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記演算手段は、前記真円として、前記複数の輝点の像の位置に対する近似円を求める真円演算手段を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記真円演算手段は、前記複数の輝点の像の位置に最小二乗法を適用して前記近似円を求める、
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
  5. 前記投影手段は、
    前記複数の輝点を投影するための複数の光源が略円形状に設置され、かつ装置筺体に着脱可能な光源保持手段と、
    前記複数の光源のうちの特定の光源を制御して、他の光源と異なる点灯状態とする光源制御手段と、
    を含み、
    前記演算手段は、
    前記点灯状態に基づいて、前記複数の輝点の像のうち前記特定の光源に対応する像を選択する選択手段と、
    前記無乱視撮影像について前記選択された前記像の位置と、前記角膜撮影像について前記選択された前記像の位置とを比較して、前記無乱視撮影像の撮影時と前記角膜撮影像の撮影時との間における前記光源保持手段の装着方向の変位を求める装着方向変位算出手段と、
    前記求められた前記装着方向の変位に基づいて、前記輝点像位置情報にその位置を示す前記複数の輝点の像と、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像とを対応付ける輝点像対応手段と、
    を含み、
    前記対応付けの結果に基づいて前記評価値を算出する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼科装置。
  6. 前記投影手段は、
    前記複数の輝点を投影するための複数の光源が略円形状に設置され、かつ装置筺体に着脱可能な光源保持手段と、
    前記装置筺体に対する前記光源保持手段の装着方向を検出する検出手段と、
    を含み、
    前記演算手段は、前記無乱視撮影像の撮影時に前記検出された装着方向と、前記角膜撮影像の撮影時に前記検出された装着方向との間の変位を求める装着方向変位算出手段と、
    前記求められた前記装着方向の変位に基づいて、前記輝点像位置情報にその位置を示す前記複数の輝点の像と、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像とを対応付ける輝点像対応手段と、
    を含み、
    前記対応付けの結果に基づいて前記評価値を算出する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の眼科装置。
  7. 対物レンズと、
    前記対物レンズを介して照明光を前記被検眼に照射する照明光学系と、
    前記対物レンズを経由した前記被検眼による前記照明光の反射光を、ズームレンズ系を介して接眼レンズに導く観察光学系と、
    を備え、
    前記複数の光源は、前記対物レンズと前記被検眼との間において前記照明光の光路及び前記反射光の光路から外れた位置に配置され、
    前記演算手段は、
    前記被検眼の角膜の乱視軸方向を前記評価値として算出し、
    該算出された乱視軸方向に対応する位置に配置された光源を前記複数の光源のうちから特定する光源特定手段を含み、
    該特定された光源の点灯状態を変更する点灯状態変更手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の眼科装置。
  8. 前記観察光学系は、前記対物レンズを経由した前記反射光を左右の接眼レンズにそれぞれ導く左右の光学系を有し、
    前記左右の光学系のそれぞれの光軸は、前記対物レンズの光軸に対して変位しており、
    前記左右の光学系の一方は、前記反射光を前記接眼レンズに向かう光束と前記撮影手段に向かう光束とに分割するビームスプリッタを含み、
    前記記憶手段は、前記対物レンズに入射した略真円状の光束の前記撮影手段による撮影像に描写された前記光束の像の位置を示す光束像位置情報を予め記憶し、
    前記演算手段は、前記角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を、前記輝点像位置情報とともに前記光束像位置情報に基づき補正し、該補正後の前記複数の輝点の像の位置に基づいて前記評価値を算出する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の眼科装置。
  9. 前記光束像位置情報には、前記光束の像の真円に対する変位が記録されており、
    前記演算手段は、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像の位置を、該変位を打ち消すように補正する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の眼科装置。
  10. 対物レンズと、
    前記対物レンズを介して照明光を被検眼に照射する照明光学系と、
    前記対物レンズを経由した前記被検眼による前記照明光の反射光を、ズームレンズ系を介して左右の接眼レンズにそれぞれ導く左右の光学系を有する観察光学系と、
    略円形状に配列された複数の輝点を前記被検眼の角膜に投影する投影手段と、
    前記複数の輝点が投影された状態の前記角膜を撮影する撮影手段と、
    当該撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置に基づいて前記角膜の形状の評価値を算出する演算手段と、
    前記対物レンズに入射した略真円状の光束の前記撮影手段による撮影像に描写された前記光束の像の位置を示す光束像位置情報を予め記憶する記憶手段と、
    を備え、
    前記左右の光学系のそれぞれの光軸は、前記対物レンズの光軸に対して変位しており、
    前記左右の光学系の一方は、前記反射光を前記接眼レンズに向かう光束と前記撮影手段に向かう光束とに分割するビームスプリッタを含み、
    前記演算手段は、前記複数の輝点が投影された状態の被検眼の角膜を前記撮影手段により撮影して得られた角膜撮影像に描写された前記複数の輝点の像の位置を、前記光束像位置情報に基づき補正し、前記補正後の前記複数の輝点の像の位置に基づいて当該角膜の前記評価値を算出する、
    ことを特徴とする眼科装置。
  11. 前記光束像位置情報には、前記光束の像の真円に対する変位が記録されており、
    前記演算手段は、前記角膜撮影像中の前記複数の輝点の像の位置を、該変位を打ち消すように補正する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の眼科装置。
JP2010018889A 2010-01-29 2010-01-29 眼科装置 Active JP5566711B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010018889A JP5566711B2 (ja) 2010-01-29 2010-01-29 眼科装置
PCT/JP2010/007161 WO2011092785A1 (ja) 2010-01-29 2010-12-09 眼科装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010018889A JP5566711B2 (ja) 2010-01-29 2010-01-29 眼科装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011156059A true JP2011156059A (ja) 2011-08-18
JP5566711B2 JP5566711B2 (ja) 2014-08-06

Family

ID=44318798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010018889A Active JP5566711B2 (ja) 2010-01-29 2010-01-29 眼科装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5566711B2 (ja)
WO (1) WO2011092785A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012010798A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Nidek Co Ltd 眼科装置
JP2016220860A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 株式会社ニデック 眼科測定装置
JP2018122137A (ja) * 2018-04-09 2018-08-09 株式会社トーメーコーポレーション 前眼部3次元画像処理装置、プログラムおよび前眼部3次元画像処理方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013039148A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Topcon Corp 眼科手術用顕微鏡
JP2013046649A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Topcon Corp 眼科手術用顕微鏡

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62290436A (ja) * 1986-06-09 1987-12-17 キヤノン株式会社 眼科用実体顕微鏡
JP2007215956A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Tomey Corporation ケラトメータ
JP2008011983A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Ehime Univ 眼科装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6257535A (ja) * 1985-09-06 1987-03-13 キヤノン株式会社 角膜形状測定装置
JPH0779797B2 (ja) * 1989-07-28 1995-08-30 キヤノン株式会社 ケラトメータ
JP4653576B2 (ja) * 2005-07-01 2011-03-16 株式会社ニデック 眼屈折力測定装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62290436A (ja) * 1986-06-09 1987-12-17 キヤノン株式会社 眼科用実体顕微鏡
JP2007215956A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Tomey Corporation ケラトメータ
JP2008011983A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Ehime Univ 眼科装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012010798A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Nidek Co Ltd 眼科装置
JP2016220860A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 株式会社ニデック 眼科測定装置
JP2018122137A (ja) * 2018-04-09 2018-08-09 株式会社トーメーコーポレーション 前眼部3次元画像処理装置、プログラムおよび前眼部3次元画像処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5566711B2 (ja) 2014-08-06
WO2011092785A1 (ja) 2011-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5388765B2 (ja) 眼底カメラ
JP5371638B2 (ja) 眼科撮影装置及びその方法
WO2014091992A1 (ja) 眼科装置
WO2011030509A1 (ja) 眼科手術用顕微鏡
JP2012196324A (ja) 眼底撮影装置
JP5566711B2 (ja) 眼科装置
JP2016185192A (ja) 眼科装置及び眼科装置の制御方法
JP6173169B2 (ja) 眼科装置及び眼科装置の制御方法
JP5491142B2 (ja) 眼科手術用顕微鏡
JP5435698B2 (ja) 眼底カメラ
JP2016158721A (ja) 眼科装置
US20130050645A1 (en) Microscope for ophthalmologic surgery
JP5772101B2 (ja) 眼底撮影装置
JP6003234B2 (ja) 眼底撮影装置
JP2023171595A (ja) 眼科装置
JP2013244363A (ja) 眼底撮影装置
JP2013039148A (ja) 眼科手術用顕微鏡
JP2010082281A (ja) 眼底カメラ
JP2013027536A (ja) 眼科手術用顕微鏡
JP5631450B2 (ja) 眼科装置及び眼科装置の制御方法
JP2012223428A (ja) 眼科装置
JP2013027615A (ja) 眼科手術用顕微鏡
JP5807701B2 (ja) 眼底撮影装置
JP5787060B2 (ja) 眼底撮影装置
JP2018051340A (ja) 眼科装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5566711

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250