JP2011154115A - 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011154115A
JP2011154115A JP2010014583A JP2010014583A JP2011154115A JP 2011154115 A JP2011154115 A JP 2011154115A JP 2010014583 A JP2010014583 A JP 2010014583A JP 2010014583 A JP2010014583 A JP 2010014583A JP 2011154115 A JP2011154115 A JP 2011154115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
scanned
beams
scanning direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010014583A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahisa Narisei
隆久 成清
Nobuhiro Shirai
伸弘 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2010014583A priority Critical patent/JP2011154115A/ja
Publication of JP2011154115A publication Critical patent/JP2011154115A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】光源からの複数の光ビームを光偏向器により主走査方向に偏向走査して被走査体における被走査面での副走査方向における異なる位置に照射するマルチビーム光学走査装置であって、簡単な構成でありながら、前記被走査面の主走査方向における走査位置での光量が不均一となる光量ムラを軽減できる光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】マルチビーム光学走査装置300は、複数の光ビームL1,L2による被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布γ1,γ2を各光ビームL1,L2間で平均化した平均光量分布γaveに基づき設定された主走査方向Xにおける光透過率分布δを示す光量補正用光学フィルタ360,370を備え、光量補正用光学フィルタ360,370は、光源311と被走査体21との間の光路上に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタル複写機やプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用できる光学走査装置及び画像形成装置に関する。
デジタル複写機やプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用できる光学走査装置は、従来からデジタル複写機やプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載され、これらの画像形成装置における光書き込み手段として広く利用されている。
かかる光学走査装置を備えた画像形成装置においては、例えば、電子写真方式の画像形成プロセスにより画像形成する場合、被走査体として作用する像担持体(例えば感光体等)の表面を帯電させ、その帯電域を画像情報に基づいて、光学走査装置において光源からの光ビームを変調させながら光偏光器における回転多面鏡(ポリゴンミラーともいう)に照射することにより像担持体の表面に対して主走査方向に走査して静電潜像を形成し(書き込み)、現像剤を用いて該静電潜像を現像してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写体や記録シート等の被転写体に転写し、該被転写体が中間転写体のときはさらに記録シートに転写し定着させ、該被転写体が記録シートのときはそのまま定着させる。
光学走査装置は、回転軸の周りに回転軸方向に沿って配置された複数の反射面を有する回転多面鏡に向かって光源から光ビームを照射し、該光源から回転多面鏡の反射面へ入射する入射ビームを回転多面鏡の反射面で反射(出射)させ、回転多面鏡の反射面で反射させた出射ビームによって被走査体における被走査面を走査する。
光学走査装置の光学系としては、大別して、光源からの光ビームを回転多面鏡の反射面の一部分のみに照射するアンダーフィル光学系と、光源からの光ビームを回転多面鏡の反射面の回転方向における幅よりも広く形成して回転多面鏡の反射面に照射するオーバーフィル光学系との2種類のものが知られている。
このうち、オーバーフィル光学系を備えた光学走査装置では、入射ビームを、被走査面に垂直であり、かつ、出射ビームの主走査方向に垂直な仮想垂直面に対して平行な状態で回転多面鏡の反射面に入射(平行入射)させる平行入射方式のもの(例えば特許文献1参照)と、入射ビームを、被走査面に垂直であり、かつ、出射ビームの主走査方向に垂直な方向に沿った仮想垂直面に対して角度を持たせた状態で反射面に入射(斜め入射)させる斜め入射方式のものとがある。
このような従来の光学走査装置では、回転多面鏡の反射面の反射特性や光学系の光学特性等により、光ビームによる被走査面での主走査方向における光量が不均一となる光量ムラが発生するという不都合がある。
かかる不都合について、光学系としてオーバーフィル光学系を備えた光学走査装置を例にとって以下に説明する。
図10は、平行入射方式のオーバーフィル光学系301aを備えた従来の光学走査装置を示す概略構成図である。
図10に示す光学走査装置は、光源311d、コリメータレンズ312d、凹レンズ313d、開口板314d、シリンドリカルレンズ315d、折り返しミラー316d、回転多面鏡320dを有する光偏光器319d、fθレンズ331d、シリンドリカルレンズ332d及び像担持体等の被走査体21を備えている。
図10に示す光学走査装置では、光源311dからの光ビームLを回転多面鏡320dの反射面320aの回転方向(図示例では時計方向Z)における幅よりも広く形成した入射ビームLiを回転多面鏡320dの反射面320aに入射させ、反射面320aで反射させた出射ビームLoによって被走査体21における被走査面21aを走査する。この場合、入射ビームLiは、被走査面21aに垂直であり、かつ、出射ビームLoの主走査方向Xに垂直な仮想垂直面αに対して平行な状態で回転多面鏡320dの反射面320aに入射している。
図11は、光源311dから回転多面鏡320dの反射面320aに入射する入射ビームLiの幅方向Hの距離に対する光量(光強度)分布β0の一例を示すグラフである。
図11に示すように、光源311dから回転多面鏡320dの反射面320aへ入射する入射ビームLiは、幅方向Hの中心Cで光強度が最も強く、幅方向Hの中心Cから両外側にいくに従って次第に減少する正規分布(ガウス分布)を示している。
図10に示すようなオーバーフィル光学系301aを備えた光学走査装置において、図11に示すような入射ビームLiを回転多面鏡320dの反射面320aに入射すると、反射面320aで出射した出射ビームLoによって被走査面21aを走査するときに、被走査面21aの主走査方向Xにおける何れの走査位置でも光量を均一にする必要があるにも拘わらず、不均一となってしまう。
図12は、図10に示す光学走査装置において、被走査体21の被走査面21aでの主走査方向Xの距離に対する光量(光強度)分布γの一例を示すグラフである。
図12に示すように、被走査面21aでの出射ビームLoの走査領域Rにおいては、出射ビームLoが回転多面鏡320dの反射面320aから仮想垂直面αを基準にした主走査方向Xの上流側に出射されるときには(γa参照)、出射ビームLoが仮想垂直面αに平行になる走査位置R0に近づくに従って光量(光強度)が次第に増加する傾向を示す。また、出射ビームLoが回転多面鏡320dの反射面320aから仮想垂直面αに平行に出射されるときには(γb参照)、走査位置R0で光量(光強度)が最も強くなっている。また、出射ビームLoが回転多面鏡320dの反射面320aから仮想垂直面αを基準にした主走査方向Xの下流側に出射されるときには(γc参照)、走査位置R0から離れるに従って光量(光強度)が次第に減少する傾向を示す。
すなわち、被走査面21aでの主走査方向Xにおける光量分布γは、山形形状となっている。
なお、これらのことは、回転多面鏡320dが逆方向(図示例では反時計方向)に回転する場合でも同様である。
この点に関し、特許文献2には、オーバーフィルド走査光学系において、光源からの光を透過する回折光学素子として、像面(被走査面)での主走査方向における山形形状の光量分布に対し、ほぼ逆形状の光透過率分布を示す光学フィルタを用いた例が開示されている。こうすることで、光ビームによる被走査面での光量の不均一を補正することが可能となる。
特開2003−287694号公報 特開2003−322816号公報 特開2002−162586号公報
ところで、画像形成(印刷)される画像の高解像度化や印刷速度の高速化が要求される場合のように、光源からの複数の光ビームを光偏向器により主走査方向に偏向走査して被走査体における被走査面での副走査方向における異なる位置に照射するマルチビーム光学走査装置が使用されることもある。
このような従来のマルチビーム光学走査装置では、複数の光ビームを用いるために、回転多面鏡の反射面の反射特性や光学系の光学特性等に加えて、光源の出力特性等により、通常は複数の光ビームによる被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布が互いに異なる。このため、次のような不都合がある。
図13は、図10に示す光学走査装置をマルチビーム光学走査装置とした場合において回転多面鏡320dの反射面320aで反射させた第1及び第2出射ビームLo1,Lo2によって像担持体21における被走査面21aの走査状態及び回転多面鏡320dからの第1及び第2出射ビームLo1,Lo2をオーバーフィル光学系301aにより被走査面21aに集光させた光スポット(SP1a,SP1b),(SP2a,SP2b)を示す模式図である。図13(a)は、被走査面21aに面する位置から像担持体21を視た図を示しており、図13(b)は、被走査面21aに沿った方向から像担持体21を視た図を示している。なお、図13(b)の矢印Bは、像担持体21の回転方向(すなわち副走査方向)を示している。
また、図14は、図10に示す光学走査装置をマルチビーム光学走査装置とした場合において第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査体21の被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布γ1,γ2の一例を示すグラフである。
このマルチビーム光学走査装置では、図14に示すように、被走査面21aでの主走査方向Xにおける光量分布γ1,γ2が各出射ビームLo1,Lo2間で互いに異なる。例えば、図14に示す例では、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aでの光量分布γ1,γ2が交差している。
このように複数の光ビームを用いると、特許文献2の如く光学フィルタを用いる場合に、光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布を如何なる分布にするかが問題となる。
例えば、光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が複数の光ビームのうち何れか一つの光ビームに対して補正するように設定されてしまうと、該一つの光ビームによる被走査面21aでの光量分布が均一になったとしても、残りの光ビームによる被走査面21aでの光量分布の補正度合いが低下する。
図15は、図10に示す光学走査装置をマルチビーム光学走査装置とした場合において光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が第1出射ビームLo1に対して補正するように設定されている場合での第1出射ビームLo1による被走査面21aでの光量分布γ1の一例と第2出射ビームLo2による被走査面21aでの光量分布γ2の一例とを示すグラフである。
図15に示すように、光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が第1出射ビームLo1に対して補正するように設定されている場合には、第1出射ビームLo1による被走査面21aでの光量分布γ1は均一な分布を示しているのに対して、第2出射ビームLo2による被走査面21aでの光量分布γ2は、均一性が低下している。
このように、光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が複数の光ビームのうち何れか一つの光ビームに対して補正するように設定されている場合には、残りの光ビームによる被走査面での光量分布の均一性が低下し、被走査面上での光量の不均一による濃度ムラが発生し、良好な画像を得ることができないという課題がある。
このような課題は、斜め入射方式のオーバーフィル光学系を備えた光学走査装置の場合に特に問題となる。
図16は、図10に示す光学走査装置を斜め入射方式のオーバーフィル光学系のマルチビーム光学走査装置とした場合において第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査体21の被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布γ1,γ2の一例を示すグラフである。
図16に示すように、第1出射ビームLo1による反射面320aでの主走査方向Xにおける光量分布γ1と、第2出射ビームLo2による反射面320aでの主走査方向Xにおける光量分布γ2とではさらに異なった分布になりやすい。
図17は、図10に示す光学走査装置を斜め入射方式のオーバーフィル光学系のマルチビーム光学走査装置とした場合において光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が第1出射ビームLo1に対して補正するように設定されている場合での第1出射ビームLo1による被走査面21aでの光量分布γ1の一例と第2出射ビームLo2による被走査面21aでの光量分布γ2の一例とを示すグラフである。
図17に示すように、光学フィルタの光透過率分布が複数の光ビームのうち何れか一つ光ビーム(図17の例では第1出射ビームLo1)に対して補正するように設定されている場合には、残りの光ビーム(図17の例では第2出射ビームLo2)による被走査面21aでの光量分布γ2における走査領域Rの最大の光量と最小の光量との光量差Ls2は、図15に示す平行入射方式のオーバーフィル光学系の光学走査装置における光量分布γ2における走査領域Rの最大の光量と最小の光量との光量差Ls1に比べて大きくなる傾向がある。
マルチビーム走査型画像形成装置を記載した特許文献3には、あらかじめ設定入力された補正値に基づいて、同期検知信号センサに入射する時の各ビームの強度が概略等しくなるように補正することで、複数のビームの強度の差異による画質劣化を防止することが開示されている。
しかしながら、特許文献3に記載のマルチビーム走査型画像形成装置では、複数のビームの強度の差異による画質劣化を防止できるものの、補正値に基づき各ビームの強度が概略等しくなるように補正するので、光量分布の変化に合わせて光源の発光量を制御する必要があり、それだけ制御構成が複雑化する。
そこで、本発明は、光源からの複数の光ビームを光偏向器により主走査方向に偏向走査して被走査体における被走査面での副走査方向における異なる位置に照射する光学走査装置であって、簡単な構成でありながら、前記被走査面の主走査方向における走査位置での光量が不均一となる光量ムラを軽減できる光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、光源からの複数の光ビームを光偏向器により主走査方向に偏向走査して被走査体における被走査面での副走査方向における異なる位置に照射する光学走査装置であって、前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布を各光ビーム間で平均化した平均光量分布に基づき設定された主走査方向における光透過率分布を示す光量補正用光学フィルタを備え、前記光量補正用光学フィルタは、前記光源と前記被走査体との間の光路上に設けられていることを特徴とする光学走査装置を提供する。また、本発明は、前記本発明に係る光学走査装置を備えていることを特徴とする画像形成装置も提供する。
本発明に光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置によれば、前記光量補正用光学フィルタが前記光源と前記被走査体との間の光路上に設けられているので、構成が簡単である。しかも、前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向における光量分布がたとえ互いに異なっていても、前記光源と前記被走査体との間の光路上に設けられている前記光量補正用光学フィルタが前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布を各光ビーム間で平均化した平均光量分布に基づき設定された前記光透過率分布を示すので、前記被走査面の主走査方向における走査位置での光量が不均一となる光量ムラを軽減でき、これにより良好が画像を得ることが可能となる。
本発明において、前記平均光量分布の具体的態様としては、前記複数の光ビームによる前記被走査面の主走査方向における走査位置での光量の値に対して各光ビーム間で平均値をとった平均光量値の主走査方向における光量分布を例示できる。
この態様では、前記平均光量値を主走査方向における前記平均光量分布とするので、簡単にかつ容易に前記平均光量分布を求めることができる。
本発明において、前記光偏向器及び前記光量補正用光学フィルタが設けられる筐体を備えていてもよい。また、前記光量補正用光学フィルタは、光透過性部材の片側に対して蒸着法によって遮光性材料が成膜されたものであってもよい。この場合、前記光透過性部材の蒸着面が前記筐体の内側に位置するように前記筐体に設けられていることが好ましい。
この態様では、前記光量補正用光学フィルタの前記蒸着面が前記筐体の内側に位置しているので、前記筐体の外側から前記光量補正用光学フィルタを清掃したとしても、清掃の際の擦れによる前記蒸着面の剥がれを回避でき、これにより前記蒸着面の剥がれによる光量ムラの発生を防止することが可能となる。
本発明において、形成される画像の印刷速度を高速化するという観点から、前記複数の光ビームは、同時に走査されることによりそれぞれ1ラインを構成してもよい。また、形成される画像を高解像度化するという観点から、前記複数の光ビームは、同時に走査されることにより該複数の光ビームで1ラインを構成してもよい。
ここで、1ラインとは、1本の走査線のことである。従って、前記複数の光ビームが同時に走査されることによりそれぞれ1ラインを構成する場合には、前記複数の光ビームによる1回の走査がそれぞれ複数の走査線に対応し、前記複数の光ビームが同時に走査されることにより該複数の光ビームで1ラインを構成する場合には、前記複数の光ビームによる1回の走査が1本の走査線に対応する。
ところで、前記複数の光ビームが同時に走査されることによりそれぞれ1ラインを構成する場合には、前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向における光量分布が互いに異なっていると、隣り合う光ビーム間(隣り合うライン間)では画像データが互いに異なる場合があるため、前記光量ムラによる濃度ムラが目立ちやすい。
これに対して、前記複数の光ビームが同時に走査されることにより該複数の光ビームで1ラインを構成する場合には、前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向における光量分布がたとえ互いに異なっていても、隣り合う光ビーム間(1ライン内)では同じ画像データであるため、前記光量ムラによる濃度ムラが目立ち難くすることができる。
本発明において、前記光源からの光ビームを前記被走査面に光スポットとして集光する走査結像光学系を備え、前記光偏向器は、回転多面鏡を有し、前記走査結像光学系は、前記光源からの複数の光ビームを前記回転多面鏡の反射面の回転方向における幅よりも広く形成した入射ビームを前記反射面に入射させ、前記反射面で反射させた出射ビームによって前記被走査面を走査するオーバーフィル光学系を構成し、前記入射ビームを、前記被走査面に垂直であり、かつ、前記出射ビームの主走査方向に垂直な方向に沿った仮想垂直面に対して角度を持たせた状態で前記反射面に入射させるように構成されている態様を例示できる。
この態様では、入射ビームが前記仮想垂直面に対して斜めから入射するので、前記被走査面での光量分布の最大の光量と最小の光量との光量差が大きくなりやすいため、当該光学走査装置において、前記平均光量分布に基づき設定された前記光量補正用光学フィルタを設けることが有利となる。
以上説明したように、本発明に係る光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置によると、前記光量補正用光学フィルタが前記光源と前記被走査体との間の光路上に設けられているので、構成が簡単である。しかも、前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向における光量分布がたとえ互いに異なっていても、前記光源と前記被走査体との間の光路上に設けられている前記光量補正用光学フィルタが前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布を各光ビーム間で平均化した平均光量分布に基づき設定されているので、前記複数の光ビームのうち何れか一つの光ビームに対して補正することなく、前記被走査面の主走査方向における走査位置での光量が不均一となる光量ムラを軽減でき、これにより良好が画像を得ることが可能となる。
本発明に係るマルチビーム光学走査装置の実施の形態を適用した画像形成装置を概略的に示す断面図である。 図1に示す画像形成装置におけるマルチビーム光学走査装置の概略構成を示す斜視図である。 図1及び図2に示すマルチビーム光学走査装置における光源の概略構成を示す模式図である。 図1に示す画像形成装置における制御部を中心に示すシステムブロック図である。 図1及び図2に示すマルチビーム光学走査装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。 図1及び図2に示すマルチビーム光学走査装置において、第1及び第2出射ビームによる感光体ドラムの被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布の一例を示すグラフである。 光量補正用光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布の一例を示すグラフである。 図7及び表2に示す光透過率分布の光量補正用光学フィルタによって補正された場合での第1出射ビームによる被走査面での光量分布の一例と第2出射ビームによる被走査面での光量分布の一例とを示すグラフである。 出射折り返しミラーと感光体ドラムとの間の光路上に設けられた光量補正用光学フィルタがマルチビーム光学走査装置の筐体における第1及び第2出射ビームの通過口に設けられている状態を示す概略断面図である。 平行入射方式のオーバーフィル光学系を備えた従来の光学走査装置を示す概略構成図である。 光源から回転多面鏡の反射面に入射する入射ビームの幅方向の距離に対する光量(光強度)分布の一例を示すグラフである。 図10に示す光学走査装置において、被走査体の被走査面での主走査方向の距離に対する光量(光強度)分布の一例を示すグラフである。 図10に示す光学走査装置をマルチビーム光学走査装置とした場合において回転多面鏡の反射面で反射させた第1及び第2出射ビームによって像担持体における被走査面の走査状態及び回転多面鏡からの第1及び第2出射ビームをオーバーフィル光学系により被走査面に集光させた光スポットを示す模式図であって、(a)は、被走査面に面する位置から像担持体を視た図であり、(b)は、被走査面に沿った方向から像担持体を視た図である。 図10に示す光学走査装置をマルチビーム光学走査装置とした場合において第1及び第2出射ビームによる被走査体の被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布の一例を示すグラフである。 図10に示す光学走査装置をマルチビーム光学走査装置とした場合において光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が第1出射ビームに対して補正するように設定されている場合での第1出射ビームによる被走査面での光量分布の一例と第2出射ビームによる被走査面での光量分布の一例とを示すグラフである。 図10に示す光学走査装置を斜め入射方式のオーバーフィル光学系のマルチビーム光学走査装置とした場合において第1及び第2出射ビームによる被走査体の被走査面での主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布の一例を示すグラフである。 図10に示す光学走査装置を斜め入射方式のオーバーフィル光学系のマルチビーム光学走査装置とした場合において光学フィルタの主走査方向Xにおける光透過率分布が第1出射ビームに対して補正するように設定されている場合での第1出射ビームによる被走査面での光量分布の一例と第2出射ビームによる被走査面での光量分布の一例とを示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
先ず、図1に示す画像形成装置100の全体の構成について説明する。図1に示す画像形成装置100は、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成プロセスによって画像を形成するものである。画像形成装置100は、被走査体として作用する像担持体(ここでは感光体ドラム)21と、感光体ドラム21の被走査面(表面)21aを帯電させるための帯電装置(ここでは帯電器)22と、感光体ドラム21上に静電潜像を形成するためのマルチビーム光学走査装置300と、静電潜像を現像剤によって現像して感光体ドラム21上にトナー像を形成するための現像装置(ここでは現像器)24と、感光体ドラム21上のトナー像を普通紙等の記録シートPに転写するための転写装置(ここでは転写ユニット)25と、記録シートP上の転写画像を記録シートPに定着するための定着装置(ここでは定着ユニット)27と、転写ユニット25によって転写されずに感光体ドラム21の表面に残った残留トナーを除去するためのクリーニング装置(ここではクリーナユニット)26と、画像形成装置100全体の動作を制御するための制御部50(図1では図示せず、後述する図4参照)とを備えている。
詳しくは、画像形成装置100は、原稿から読み取った画像データ、或いは、図示しない外部装置から受け取った画像データに基づいて記録シートPにモノクロ画像(単色又は黒色画像)を形成する電子写真方式のプリンタとされている。画像形成装置100は、原稿読取装置200、画像形成部103、シート搬送路40、シート反転排出路104及び給紙部105を備えている。
原稿読取装置200は、図示しない原稿を原稿搬送路Fに沿って搬送する自動原稿送り装置1と、搬送されてきた原稿又は位置決めされた原稿の画像を読み取る画像読取部10とを備えている。
画像読取部10は、自動原稿送り装置1にて搬送されてきた原稿を読み取るように構成されている。詳しくは、画像読取部10は、光源11、ミラー群12(ここでは第1〜第3ミラー12a,12b,12c)、レンズ13及びCCD(イメージセンサ)等の撮像素子14から構成される縮小光学系の読取手段であり、原稿走査部2に収容されている。
自動原稿送り装置1及び原稿走査部2は背面側において図示しないヒンジによって連結され、自動原稿送り装置1はヒンジの回動によって原稿走査部2に対して開閉可能となっている。そして、自動原稿送り装置1の下面は、原稿走査部2のプラテン板4上に載置された読み取り原稿を上から押さえる押さえ板28となっている。
原稿走査部2は、筐体3と、透明なガラス板からなるプラテン板4と、筐体3内に収容される画像読取部10とを備えている。
画像読取部10は、光源11及び第1ミラー12aを保持する光源ユニット15と、第2ミラー12b及び第3ミラー12cを保持するミラーユニット16と、レンズ13と、撮像素子14とを備えている。
自動原稿送り装置1は、原稿載置台5と、原稿載置台5に載置された原稿を1枚ずつ本体内部へ呼び込む呼び込みローラ6と、呼び込まれた原稿を原稿搬送路Fに沿って搬送する複数対の原稿搬送ローラ7と、給紙タイミングを調節するレジストローラ8と、画像読み取りを終えた原稿を排紙トレイ30へ排出する排紙ローラ9とを備えている。
自動原稿送り装置1では、原稿載置台5に載置された原稿は、原稿搬送路F中の原稿搬送ローラ7によってレジストローラ8まで搬送され、レジストローラ8に到達し一旦停止する。そして、一旦停止した原稿は、レジストローラ8が原稿搬送ローラ7と共に回転することで、原稿読取部10に搬送された後、原稿読取部10にて原稿の画像を読み取られ、排紙トレイ30に排出される。
原稿走査部2は、ユーザーが原稿をプラテン板4上に載置して原稿画像の読み取りを行う原稿固定方式による画像読み取りと、自動原稿送り装置1によって自動的に原稿を搬送しながら原稿画像を読み取る原稿移動方式による画像読み取りとの両方式に対応している。
原稿固定方式によって原稿画像を読み取る場合、図1に示される原稿固定方式に対応したホームポジションに位置している光源ユニット15は、原稿に対して光を照射しながら一定の速度で移動して原稿の画像を走査し、それと同時にミラーユニット16は光源ユニット15の移動速度の1/2の移動速度で移動する。
光源ユニット15の光源11から光照射された原稿からの反射光は、光源ユニット15に設けられた第1ミラー12aで反射したのち、ミラーユニット16の第2及び第3ミラー12b,12cによって180°光路変換され、第3ミラー12cから反射された光はレンズ13を介して撮像素子14に結像し、ここで原稿画像が読み取られて電気信号に変換される。
一方、原稿移動方式によって原稿画像を読み取る場合、光源ユニット15及びミラーユニット16は、ホームポジションに静止したまま、自動原稿送り装置1によってホームポジションの上部を通過するように搬送される原稿に対して光源11から光を照射して原稿画像を走査し、原稿の表面側から反射された光は、前述の原稿固定方式と同様に第1ミラー12aによって反射された後、ミラーユニット16の第2及び第3ミラー12b,12cによって180°光路変換され、レンズ13を介して撮像素子14に結像し、ここで原稿画像が読み取られて電気信号に変換される。
こうして変換された電気信号は画像データとしてデジタル信号に変換された後、マイクロコンピュータ56等を含む制御部50の制御により各種の画像処理を施されてから、画像形成部103に出力される。
画像形成部103は、画像データに基づいて画像を記録シートPに記録するものであって、既述の感光体ドラム21、帯電器22、マルチビーム光学走査装置300、現像器24、転写ユニット25、クリーナユニット26及び定着ユニット27を備えている。
帯電器22は、感光体ドラム21の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、本実施の形態では、チャージャー型のものとされている。なお、帯電器22は、感光体ドラム21に接触するローラ型やブラシ型のものであってもよい。
マルチビーム光学走査装置300は、本実施の形態では、レーザスキャニングユニット(LSU)とされている。マルチビーム光学走査装置300は、入力された画像データに応じて形成された複数のレーザビームによって、所定方向(図中矢印B方向)に回転した状態で帯電器22にて均一に帯電された感光体ドラム21の表面を偏向走査することで、感光体ドラム21の表面に入力画像データに応じた静電潜像を形成する(書き込む)ものである。なお、マルチビーム光学走査装置300については、のちほど詳しく説明する。
現像器24は、トナーを感光体ドラム21の表面に供給して、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像(顕像化)し、トナー像(可視像とも称する)を感光体ドラム21の表面に形成するものである。
転写ユニット25は、本実施の形態では、転写ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33及び弾性導電性ローラ34を備えている。転写ベルト31は、これらのローラ32〜34及び他のローラに張架されている。
転写ベルト31は、これらのローラの回転によって表面が移動することで、その表面に載せられた記録シートPを搬送するようになっている。転写ベルト31は、所定の抵抗値(例えば、1×109Ω/cm〜1×1013Ω/cm)を有している。
弾性導電性ローラ34は、転写ベルト31を介して感光体ドラム21の表面に押圧されている。これにより、転写ベルト31上の記録シートPを感光体ドラム21の表面に押し付けることができる。
弾性導電性ローラ34には、感光体ドラム21の表面のトナー像の電荷とは逆極性の転写電界が印加される。この逆極性の転写電界により感光体ドラム21の表面のトナー像を転写ベルト31上の記録シートPに転写することができる。例えば、トナー像がマイナス極性の電荷を帯びている場合は、弾性導電性ローラ34に印加される転写電界の極性がプラス極性とされる。この転写ユニット25では、弾性導電性ローラ34が弾性を有することによって、感光体ドラム21と転写ベルト31が線接触でなく、所定の幅(転写ニップと称される)を有する面接触となる。これにより、搬送される記録シートPへの転写効率の向上させることができる。
転写ベルト31の搬送方向において転写領域の下流側には、感光体ドラム21との接触部を通過する際に印加された電圧により帯電した記録シートPを除電し、次工程への搬送をスムーズに行うための除電ローラ51が配置されている。除電ローラ51は、転写ベルト31の背面(記録シートPの搬送面とは反対側の面)に接触配置されている。
また、転写ユニット25には、転写ベルト31上のトナーを除去するベルトクリーニングユニット54及び転写ベルト31の除電を行う除電機構55が配置されている。除電機構55は、転写ベルト31を接地する手法、若しくは転写ベルト31に対して積極的に前記転写電界の極性とは逆極性を印加する手法がある。
クリーナユニット26は、現像、転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去して回収するクリーニングブレード26Aを有するものである。
定着ユニット27は、記録シートPを加熱及び加圧して、記録シートP上のトナー像を加熱定着させるものである。詳しくは、定着ユニット27は、加熱ローラ35及び加圧ローラ36を備えている。加熱ローラ35の外周面には、記録シート剥離爪64、ローラ表面温度検出部材(例えばサーミスター)65及びローラ表面クリーニング部材66が配置されている。加熱ローラ35内側には、加熱ローラ35表面を所定温度(定着温度:概ね160〜200℃)に加熱するための熱源67が設けられている。また、加熱ローラ35に対して加圧ローラ36が所定の荷重で圧接されるように、加圧ローラ36の両端に図示しない荷重バネ等の圧接部材が配置されている。加圧ローラ36の外周面には加熱ローラ35の外周面と同様に、記録シート剥離爪64、ローラ表面クリーニング部材66が配置されている。
定着ユニット27は、加熱ローラ35と加圧ローラ36間の圧接部(定着ニップ部と称される)に記録シートPが搬送されてくると、加熱ローラ35からの熱と加熱ローラ35及び加圧ローラ36の圧接力とによって記録シートP上の未定着トナー像が加熱溶融され加圧されるようになっている。これにより、トナー像を記録シートP上に定着することができる。
シート搬送路40は、給紙部105における複数の給紙トレイ60,…から画像形成部103へ記録シートPを導くものである。詳しくは、シート搬送路40には、記録シートPを搬送するための複数対の搬送ローラ41と、一対のレジストローラ42とが設けられている。一対のレジストローラ42は、複数対の搬送ローラ41からの記録シートPを感光体ドラム21上の静電潜像と同期をとって搬送するものである。一対のレジストローラ42は、シート搬送方向(図中A方向)において感光体ドラム21より上流側かつ複数対の搬送ローラ41より下流側に配置されている。具体的には、一対のレジストローラ42は、感光体ドラム21のシート搬送方向Aにおける上流側近傍に配置されている。
シート搬送路40において、複数対の搬送ローラ41は、記録シートPを給紙トレイ60,…から給紙機構70を介して受け取り、記録シートPの先端がレジストローラ42に達するまで記録シートPを搬送するようになっている。すなわち、複数対の搬送ローラ41は、一時的に停止しているレジストローラ42に記録シートPの先端が達して当接し、記録シートPが撓むまで記録シートPを搬送するようになっている。この撓んだ記録シートPの弾性力により、記録シートPの先端部をレジストローラ42に対して平行に揃えることが可能となる。レジストローラ42は、この後、回転駆動されることにより、記録シートPを画像形成部103の転写ユニット25へ搬送するようになっている。
シート反転排出路104は、搬送経路43及び反転搬送経路44a,44bを備えている。シート反転排出路104には、複数の分岐爪45及び一対の排紙ローラ46が設けられている。
シート反転排出路104は、画像形成部103にて画像形成された記録シートPを排紙ローラ46により搬送経路43を通じて排紙トレイ47へと搬送するようになっている。また、シート反転排出路104は、記録シートPの裏面にも画像形成する場合は、複数の分岐爪45がそれぞれ選択的に切り替えられることで、記録シートPを搬送経路43から反転搬送経路44bへと導き入れて、記録シートPの搬送を一旦停止させるようになっている。さらに、シート反転排出路104は、各分岐爪45が選択的に再度切り替えられることで、該記録シートPを反転搬送経路44bから反転搬送経路44aへと導き入れるようになっている。これにより、記録シートPは、表裏が反転されて、反転搬送経路44a及びシート搬送路40を通じてレジストローラ42へ戻され、裏面にも画像が形成される。
給紙部105は、複数の給紙トレイ60,…と、それに対応して設けられた複数の給紙機構70とを備えている。各給紙トレイ60は、複数枚の記録シートPを蓄積しておくためのものであり、画像形成装置100の下部に設けられている。
画像形成装置100は、高速画像形成処理を目的としているため、各給紙トレイ60は、例えばA4、A3やB4等の定型サイズの記録シートPを500〜1500枚収容可能な容積が確保されている。
また、画像形成装置100の側面には、同種又は異なる複数種の記録シートPを多量に収容可能な大容量給紙カセット(LCC)52、及び、主として不定型サイズ及び/又は少量の記録シートPを供給するための手差しトレイ53が設けられている。
排紙トレイ47は、手差しトレイ53とは反対側の側面に配置されている。画像形成装置100は、排紙トレイ47に代えて、排紙記録シートの後処理装置(例えば、ステープル、パンチ処理等の後処理装置)や、複数段の排紙トレイをオプションとして配置することも可能な構成となっている。
なお、シート搬送路40は、各給紙トレイ60から画像形成部103に記録シートPを搬送する搬送路を共有するため、1つの主搬送路40aと、複数の給紙トレイ60,…から主搬送路40aにそれぞれ記録シートPを搬送するための複数の副搬送路40b,…とを有している。即ち、主搬送路40aは、複数の給紙トレイ60,…からの記録シートPが対応する副搬送路40bを介して導かれるように構成されている。
画像形成装置100では、複数の給紙トレイ60の中から選択された印字要求に適合する記録シートPは、シート搬送路40中の搬送ローラ41によってレジストローラ42まで搬送され、レジストローラ42に到達し一旦停止する。そして、一旦停止した記録シートPは、感光体ドラム21上に形成されたトナー像と同期するタイミングでレジストローラ42が搬送ローラ41と共に回転することで、転写ユニット25に搬送され、感光体ドラム21上のトナー像が転写された後、定着ユニット27へ導かれ、転写されたトナー像が固着され、さらに、排紙トレイ47に排出される。
[マルチビーム光学走査装置]
次に、本発明の実施形態に係るマルチビーム光学走査装置300について、図1から図3を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す画像形成装置100におけるマルチビーム光学走査装置300の概略構成を示す斜視図である。図3は、図1及び図2に示すマルチビーム光学走査装置300における光源311の概略構成を示す模式図である。
図2に示すマルチビーム光学走査装置300は、光源311からの複数の光ビーム(ここでは第1及び第2レーザビーム)L1,L2を共通の(単一の)光偏向器319により主走査方向(図中矢印X方向)に偏向走査して被走査体として作用する感光体ドラム21における被走査面(表面)21aでの副走査方向B(感光体ドラム21の回転方向)における異なる位置に照射するように構成されている。
本実施の形態では、光学走査装置として、斜め入射方式のオーバーフィル光学系301を備えたマルチビーム光学走査装置300を例にとって説明する。
すなわち、マルチビーム光学走査装置300は、光源311からの第1及び第2レーザビームL1,L2を光偏向器319における回転多面鏡320の反射面321の回転方向(図中矢印時計方向Z)における幅よりも広く形成した第1及び第2入射ビームLi1,Li2を回転多面鏡320の反射面321に入射させ、回転多面鏡320の反射面321で反射(出射)させた第1及び第2出射ビームLo1,Lo2によって感光体ドラム21における被走査面21aを走査する斜め入射方式のオーバーフィル光学系301を備えている。詳しくは、マルチビーム光学走査装置300は、光源311と、光偏向器319と、オーバーフィル光学系301と、これら光源311、光偏向器319及びオーバーフィル光学系301を収容する筐体300a(図1参照)とを備えていている。
ここでは、光源311から回転多面鏡320までの光路を入射光路と称し、回転多面鏡320から感光体ドラム21までの光路を出射光路と称する。また、入射光路上に配置されている光学部品の総称を入射光学系310と称し、出射光路上に配置されている光学部品の総称を出射光学系330と称する。入射光学系310及び出射光学系330によって、走査結像光学系としてオーバーフィル光学系301を構成している。
図3に示すように、光源311は、例えば、レーザダイオード等の二つの半導体レーザ素子LD1,LD2を備えている。二つの半導体レーザ素子LD1,LD2は、互いに近接して配置されている。すなわち、光源311は、二つの半導体レーザ素子LD1,LD2で半導体レーザアレイを構成している。
光源311は、書込制御部400(後述する図4参照)の指示の下、画像データに応じて第1及び第2レーザビームL1,L2を射出するものである。
なお、本実施の形態では、形成される画像の印刷速度の高速化が要求される場合には、光源311は、画像形成装置100の図示しない操作部からの入力操作に基づく書込制御部400からの指示の下、第1及び第2レーザビームL1,L2が同時に走査されることによりそれぞれ1ラインを構成する速度優先制御が行われる。また、形成される画像の高解像度化が要求される場合には、光源311は、画像形成装置100の図示しない操作部からの入力操作に基づく書込制御部400からの指示の下、第1及び第2レーザビームL1,L2が同時に走査されることにより第1及び第2レーザビームL1,L2で1ラインを構成する解像度優先制御が行われる。これらの速度優先制御と解像度優先制御とは選択的に切り替え可能とされている。
光源311は、主走査方向X(回転多面鏡320によって第1及び第2出射ビームLo1,Lo2を偏向走査する方向)に対応する方向における拡がり角が副走査方向B(感光体ドラム21の回転方向)に対応する方向における拡がり角よりも大きい拡散光である円錐状の発散光束を出射する。
入射光学系310は、光源311から射出された第1及び第2レーザビームL1,L2を回転多面鏡320に導くように、かつ、第1及び第2レーザビームL1,L2の断面形状が回転多面鏡320の反射面321の回転方向Zにおける幅よりも広い幅の矩形状となるように形成するようになっている。
入射光学系310において、入射光路における光の進行方向の上流側から下流側に向けて、コリメータレンズ312と、アパーチャ314と、第1シリンドリカルレンズ315と、入射折り返しミラー316とがこの順に配設されている。
コリメータレンズ312は、光源311から拡散するように射出された円錐状の第1及び第2レーザビームL1,L2を平行状のものに整形する。アパーチャ314は、ここでは、平面視で略中央部に主走査方向に対応する方向に長い矩形状の開口314aが形成された板状部材(開口板)とされている。第1及び第2レーザビームL1,L2における光軸に垂直な断面が円形状から矩形状になるように第1及び第2レーザビームL1,L2を整形する。第1シリンドリカルレンズ315及び入射折り返しミラー316は、回転多面鏡320の反射面321に対して第1及び第2レーザビームL1,L2を集束させる。こうして、第1及び第2入射ビームLi1,Li2が回転多面鏡320に入射される。なお、入射ビームとは、回転多面鏡320に向かって入射されるレーザビームをいう。
オーバーフィル光学系301は、オーバーフィル方式を採用したものであるため、入射光学系310の各光学部品は、回転多面鏡320に集束される第1及び第2入射ビームLi1,Li2の各スポットの面積が回転多面鏡320における一つの反射面321の面積よりも大きくなるように設計されている。
そして、入射光学系310は、第1及び第2入射ビームLi1,Li2を、感光体ドラム21の被走査面21aに垂直であり、かつ、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の主走査方向Xに垂直な仮想垂直面αに対して角度θを持たせた状態で(ここでは出射光学系330の外側から)回転多面鏡320の反射面321に入射(以下、「斜め入射」という)させるようになっている。主走査方向Xは、感光体ドラム21の回転軸と平行な方向である。
ここで、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の主走査方向Xに垂直な仮想垂直面αとは、回転多面鏡320によって走査される第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が形成する仮想走査平面βに垂直な面をいう。なお、図2において、符号Raは、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が回転多面鏡320によって偏向走査される主走査方向Xの全範囲である最大走査範囲を示している。
回転多面鏡320は、回転軸の周りに回転軸方向に沿って配置された複数(ここでは12個)の反射面321を有する回転体である。回転多面鏡320は、書込制御部400(図4参照)からの指示命令によって駆動する駆動モータ等の回転駆動部322(図4参照)によって回転駆動されるようになっている。回転多面鏡320は、回転駆動部322によって、ここでは回転方向Zに回転駆動されることで、入射折り返しミラー316で反射された第1及び第2入射ビームLi1,Li2を反射面321にて主走査方向Xに偏向走査する。こうして、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が回転多面鏡320から出射される。なお、出射ビームとは、回転多面鏡320の反射面321で反射されたレーザビームをいう。
出射光学系330は、回転多面鏡320の反射面321により反射された第1及び第2出射ビームLo1,Lo2を回転多面鏡320から感光体ドラム21に導くように、かつ、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が感光体ドラム21上を照射した際に、ビームスポット(Pr1,Pr2),(Pc1,Pc2),(Pf1,Pf2)が所定の大きさとなり、感光体ドラム21上を等速度で走査するようになっている。
出射光学系330において、出射光路における光の進行方向の上流側から下流側に向けて、2組のレンズ331a,331bで構成されたfθレンズ331と、第2シリンドリカルレンズ332と、出射折り返しミラー333とがこの順で配設されている。
fθレンズ331(331a,331b)は、回転多面鏡320の偏向走査によって、主走査方向Xの両端部を通過する第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の光路長と、主走査方向Xの中央部を通過する第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の光路長との相違に起因して生じる画像の歪みを補正する。第2シリンドリカルレンズ332は、第1シリンドリカルレンズ315との相互作用によって、回転多面鏡320の面倒れを補正する。出射折り返しミラー333は、ガラス板にアルミニウム蒸着を施して形成されている。出射折り返しミラー333は、第2シリンドリカルレンズ332を通過してきた第1及び第2出射ビームLo1,Lo2を反射して被走査面21aへ導く。
なお、本実施の形態では、第2シリンドリカルレンズ332及び出射折返しミラー333をそれぞれ独立して設けているが、第2シリンドリカルレンズ332及び出射折返しミラー333に代えて、第2シリンドリカルレンズ332と出射折り返しミラー333との双方の機能を有するシリンドリカルミラーを設けてもよい。
ところで、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2は、被走査面21aを主走査方向Xに定期的に走査するが、感光体ドラム21は矢印B方向に回転しているため、感光体ドラム21上の副走査方向Bも走査することができる。
マルチビーム光学走査装置300においては、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が感光体ドラム21を主走査方向Xに走査する毎に、ライン(解像度優先制御の場合には1ライン、速度優先制御の場合には2ライン)の走査開始位置STが同一となるように、走査開始位置STをライン毎に同期させる必要がある。
この同期を取るための信号として、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2によって被走査面21aに静電潜像を書き込むための有効な走査範囲Wの外側で第1及び第2出射ビームLo1,Lo2(以下、ここでいう第1及び第2出射ビームLo1,Lo2を同期検出ビームLd1,Ld2という)を検出している。
本実施の形態では、マルチビーム光学走査装置300は、被走査面21aへの走査終了側で第1及び第2出射ビームLd1,Ld2を検知するビーム検知部340をさらに備えている。
ビーム検知部340は、同期検出ビームLd1,Ld2の有無を検知するビーム検知(BD)センサ341と、走査範囲Wの外側(ここでは走査終了側)に位置する同期検出ビームLd1,Ld2をBDセンサ341に導く同期ビーム折り返しミラー342とを含んでいる。同期ビーム折り返しミラー342は、凹反射面を有している。
かかる構成を備えたビーム検知部340では、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が回転多面鏡320により偏向走査されることでfθレンズ331を通過して走査範囲Wの外側(ここでは走査終了側)に移行した同期検出ビームLd1,Ld2を同期ビーム折り返しミラー342で折り返してBDセンサ341にて同期検出ビームLd1,Ld2の有無を検知する。
次にマルチビーム光学走査装置300において、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の被走査面21aへの主走査方向Xの偏向走査について説明する。
マルチビーム光学走査装置300では、被走査面21aに静電潜像が書き込まれるにあたって、書込制御部400からの画像データに応じて変調制御された光源311から拡散光である発散光束が出射される。
光源311から拡散して出射した第1及び第2レーザビームL1,L2は、図2に示すように、コリメータレンズ312によって、副走査方向Bに対応する方向には略平行にされ、主走査方向Xに対応する方向に緩く発散する発散光とされた略平行ビームに変換されて、次の開口板314へと導かれ、開口板314の開口314aの主走査方向Xに対応する方向の幅より広い範囲にわたって照射される。
すなわち、コリメータレンズ312により略平行ビームとされた第1及び第2レーザビームL1,L2は、装置内の迷光を防止するために、開口板314の略中央部に設けられた開口314aによって、回転多面鏡320の近傍での主走査方向X及び副走査方向Bに対応する方向のビーム幅が制限される。
開口板314を通過してシリンドリカルレンズ315に入射した第1及び第2レーザビームL1,L2は、シリンドリカルレンズ315により副走査方向Bに対応する方向においてのみ回転多面鏡320の反射面321又はその近傍で収束され、主走査方向Xに対応する方向に細長い線状のレーザビームに形成される。次に、シリンドリカルレンズ315を通過して入射折り返しミラー316にて反射された第1及び第2入射ビームLi1,Li2が回転多面鏡320に導かれる。
ここで、オーバーフィル光学系301は、オーバーフィル方式を採用したものであるため、第1及び第2入射ビームLi1,Li2は、回転多面鏡320の走査対象の反射面321に対して、それに隣接する両側の反射面321の全部又は一部を含むように照射される。
そして、第1及び第2入射ビームLi1,Li2は、仮想垂直面αに対して角度θを有する状態で回転多面鏡320の反射面321に入射している。
第1及び第2出射ビームLo1,Lo2は、回転多面鏡320の反射面321で反射される際に、仮想走査平面βに平行な方向では略平行なビームのままで、仮想走査平面βに垂直な方向では拡散ビームとなって、fθレンズ331に向かう。
fθレンズ331を通過した第1及び第2出射ビームLo1,Lo2は、仮想走査平面βに平行な方向では、被走査面21aで収束するように収束ビームとされ、仮想走査平面βに垂直な方向では、拡散ビームのままである。その後、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2は、第2シリンドリカルレンズ332に向かう。第2シリンドリカルレンズ332を通過した第1及び第2出射ビームLo1,Lo2は、仮想走査平面βに平行な方向では、収束ビームのままであり、仮想走査平面βに垂直な方向では、感光体ドラム21上で収束するような収束ビームに変えられ、出射折り返しミラー333により折り返されて、感光体ドラム21に至る。
以上のようにして、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2は、感光体ドラム21上に所定の大きさのビームスポット(Pr1,Pr2),(Pc1,Pc2),(Pf1,Pf2)を結ぶことになる。第1及び第2出射ビームLo1,Lo2のうちの同期検出ビームLd1,Ld2は、同期ビーム折り返しミラー342により、BDセンサ341の受光面に向かう収束ビームに変えられる。なお、fθレンズ331は、前述した役割の他に、回転多面鏡320の等角速度運動により等角速度で移動する第1及び第2出射ビームLo1,Lo2が感光体ドラム21上にビームスポット(Pr1,Pr2),(Pc1,Pc2),(Pf1,Pf2)を形成しつつ主走査方向Xにおいて等線速度で移動するように変換する役割も担っている。
図4は、図1に示す画像形成装置100における制御部50を中心に示すシステムブロック図である。
制御部50は、例えば、マイクロコンピュータ等の処理装置56及び記憶部57を備えている。記憶部57は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び不揮発性メモリを含んでいる。
ROMは、マイクロコンピュータ56が実行する処理の手順である制御プログラムを格納するものである。RAMは、作業用のワークエリアを提供するものである。不揮発性メモリは、制御に必要なデータをバックアップして保持したり、各種データを保持したりしておくものである。
なお、制御部50は、入力系に接続された各種センサやスイッチなどの部材からの入力信号を入力する回路であって入力バッファやA/D変換回路を含む入力回路と、出力系に接続されたモータやソレノイド、ランプなどを駆動するドライバを含む出力回路とを備えている。制御部50は、入力回路からの入力信号に基づき、出力回路から出力される出力信号のタイミング制御を行うようになっている。
制御部50は、画像形成装置100に設けられた画像メモリ68(68a,68b)、入力部69、原稿読取部10及びマルチビーム光学走査装置300に接続されている。制御部50は、原稿画像の原稿読取部10による読み取り動作を制御する。制御部50は、入力部69からの印刷データのラスタ画像データをページ毎に画像メモリ68aに記憶し、或いは/さらに、原稿画像を読み取って原稿画像データを生成する原稿読取部10からの原稿画像データを画像メモリ68bにてページ毎に記憶する。制御部50は、帯電された感光体ドラム21の被走査面21aへのマルチビーム光学走査装置300による書き込み動作を制御する。
マルチビーム光学走査装置300は、制御部50、回転多面体320を回転駆動する回転駆動部322、及び光源311に接続された書込制御部400をさらに備えている。マルチビーム光学走査装置300による感光体ドラム21への書き込みは、制御部50から指示命令を受けた書込制御部400によって行われる。
(光量補正用光学フィルタについて)
本実施の形態のマルチビーム光学走査装置300では、図2に示すように、回転多面体320と感光体ドラム21との間(ここではfθレンズ331と第2シリンドリカルレンズ332との間)の光路において光ビームが通過するように光量補正用光学フィルタ360が設けられている。
光量補正用光学フィルタ360は、通過する光の光量を低減させるものであるので、BDセンサ341への同期検出ビームLd1,Ld2を遮らないように配置されることが好ましい。
光量補正用光学フィルタ360は、ここでは、fθレンズ331と第2シリンドリカルレンズ332との間の光路上に配置されているが、BDセンサ341への同期検出ビームLd1,Ld2を遮らないようにできる位置ならば、回転多面鏡320と感光体ドラム21との間の光路上の何れの位置に配置されていてもよい。例えば、回転多面鏡320とfθレンズ331との間の光路上に光量補正用光学フィルタ360を配置する場合のように、回転多面鏡320に近づくほど、光量補正用光学フィルタ360の長さを短くできるものの、走査範囲Wと最大走査範囲Raとの間の距離が小さくなり、光量補正用光学フィルタ360が同期検出ビームLd1,Ld2にかかりやすくなるため、光量補正用光学フィルタ360の配置位置の精度が要求される。また、出射折り返しミラー333と感光体ドラム21との間の光路上に光量補正用光学フィルタ360を配置する場合では、光量補正用光学フィルタ360の長さを長くする必要があるものの、同期検出ビームLd1,Ld2を考慮しなくてもよい。
本実施の形態のマルチビーム光学走査装置300において、光量補正用光学フィルタ360に代えて或いは加えて、光源311と回転多面鏡320との間(ここでは第1シリンドリカルレンズ315と入射折り返しミラー316との間)の光路上に光量補正用光学フィルタ370(図5参照)が設けられていてもよい。
図5は、図1及び図2に示すマルチビーム光学走査装置300の他の例の概略構成を示す斜視図である。
図5に示すマルチビーム光学走査装置300では、光量補正用光学フィルタ370は、通過する光の光量を低減させるものであるので、BDセンサ341への同期検出ビームLd1,Ld2を遮らないように配置されることが好ましい。
光量補正用光学フィルタ370は、ここでは、第1シリンドリカルレンズ315と入射折り返しミラー316との間の光路上に配置されているが、BDセンサ341への同期検出ビームLd1,Ld2を遮らないようにできる位置ならば、光源311と回転多面鏡320との間の光路上の何れの位置に配置されていてもよい。
ところで、マルチビーム光学走査装置300では、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布が互いに異なることがあるため、光量補正用光学フィルタ360,370の主走査方向Xにおける光透過率分布を如何なる分布にするかが問題となる。
この点、本実施の形態では、光源311と感光体ドラム21との間の光路上に設けられた光量補正用光学フィルタを次のように構成している。なお、以下では、回転多面体320と感光体ドラム21との間の光路上に設けられた光量補正用光学フィルタ360について説明するが、光源311と回転多面体320との間の光路上に設けられた光量補正用光学フィルタ370についても同様に考えることができる。
図6は、図1及び図2に示すマルチビーム光学走査装置300において、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による感光体ドラム21の被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布γ1,γ2の一例を示すグラフである。なお、図6において、縦軸の光量比は、出射ビームLoが仮想垂直面αに平行になる走査位置R0の光量を基準(100%)とした比率を百分率で示している。このことは、後述する表1、図8及び表3についても同様である。
図7は、光量補正用光学フィルタ360の主走査方向Xにおける光透過率分布δの一例を示すグラフである。
光量補正用光学フィルタ360は、ここでは、透明性部材として高光透過ガラスを用い、板厚が1.0mm、長さが276mm、幅が16mmのものとされている。なお、透明性部材としては、高光透過ガラスに限定されるものではなく、安価なガラス(いわゆる青板ガラス)を用いてもよいし、透明性樹脂材料を用いてもよい。
光量補正用光学フィルタ360は、主走査方向Xにおける光透過率分布δ(図7参照)が第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布γ1,γ2(図6参照)を各出射ビームLo1,Lo2間で平均化した単一の平均光量分布γave(図6参照)に基づき(具体的には被走査面21aでの主走査方向Xにおける光量分布が均一になるように)設定されている。
ここで、平均光量分布は、同一タイプのマルチビーム光学走査装置毎に平均化されていてもよいが、同一タイプのマルチビーム光学走査装置であれば、似通った傾向を示すことから、共通のものとして平均化されていてもよい。例えば、実験等により予め基準となる平均光量分布を求めておき、この基準となる平均光量分布に基づき光量補正用光学フィルタを設定してもよい。
具体的には、平均光量分布は、1台又は複数台のサンプル機の各マルチビーム光学走査装置における複数の光ビームに対する各光量分布の実験データから平均化のための平均化計算法によって直接平均光量値を求め、これを主走査方向Xにおける光量分布としてもよい。
平均化計算法としては、代表的には、単純移動平均、加重移動平均及び指数移動平均等の平均計算法や、最小2乗法等による近似計算法を用いることができる。
また、平均光量分布は、複数台のサンプル機の各マルチビーム光学走査装置における複数の光ビームに対する各光量分布の実験データから前記平均化計算法によって一旦各光ビームに対する光量を平均化し、この平均化した各光ビームに対する光量の値に対してさらに各光ビーム間で平均値をとった平均光量値を求め、これを主走査方向Xにおける光量分布としてもよい。或いは、平均光量分布は、1台のサンプル機のマルチビーム光学走査装置における複数の光ビームに対する光量分布の実験データから各光ビーム間で平均値をとった平均光量値を求め、これを主走査方向Xにおける光量分布としてもよい。
本実施の形態では、以下の表1に示すように、平均光量分布γaveは、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aの主走査方向Xにおける走査位置での光量の値に対して各出射ビームLo1,Lo2間で平均値をとった平均光量値[(γ1+γ2)/2]の主走査方向Xにおける光量分布とされている。
Figure 2011154115
そして、図7に示す光透過率分布δは、図6及び表1に示す平均光量分布γaveから、被走査面21aでの主走査方向Xにおける光量分布が均一になるように設定されている。
すなわち、光量補正用光学フィルタ360の主走査方向Xの各位置における光透過率は、
(各位置の光透過率)=(基準位置の光透過率)/(各走査位置における平均光量比)
の式で求めることができる。
例えば、光透過率を光量補正用光学フィルタ360の基準位置(ここでは走査位置R0に対応する位置)で0.62にする場合、被走査面21aでの走査位置が[−150mm]で平均光量比は0.659であるから該走査位置[−150mm]に対応する光量補正用光学フィルタ360の位置[−120mm]の光透過率は0.62/0.659=0.94(=94%)となる。また、被走査面21aでの走査位置が[−125mm]で平均光量比は0.728であるから該走査位置[−125mm]に対応する光量補正用光学フィルタ360の位置[−100mm]の光透過率は0.62/0.728=0.85(=85%)となる。同様に計算すると、以下の表2に示すようになる。
Figure 2011154115
図8は、図7及び表2に示す光透過率分布δの光量補正用光学フィルタ360によって補正された場合での第1出射ビームLo1による被走査面21aでの光量分布γ1の一例と第2出射ビームLo2による被走査面21aでの光量分布γ2の一例とを示すグラフであり、以下の表3はその値を示している。
Figure 2011154115
光量補正用光学フィルタ360,370としては、光透過性部材に対して蒸着法によって遮光性材料を成膜したものを例示できる。
この場合、平均光量分布γaveに基づく光透過率分布になるように蒸着法によって光量補正用光学フィルタ360,370を形成することができる。
例えば、本発明に係る光学走査装置に適用できる光量補正用光学フィルタが、ガラス板等の光透過性部材に対して蒸着法によって遮光性材料を成膜したものである場合において、平均光量分布γaveに基づき光量補正用光学フィルタを形成する場合、前記光透過性部材へのコーティング蒸着時に前記遮光性材料に対して前記光透過性部材を覆うマスク部を平均光量分布γaveに応じた速度で、すなわち、光量が小さい場合には速い速度(薄い膜厚)で、逆に光量が大きい場合には遅い速度(厚い膜厚)で連続的に移動させつつ成膜することができる。
前記蒸着法としては、例えば、電子ビーム法、加熱抵抗法、スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法などを挙げることができる。但し、それに限定されるものではない。
前記遮光性材料としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化亜鉛(ZrO2)、硫化亜鉛(ZnS)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化アルミニウム(Al23)などを挙げることができる。但し、それに限定されるものではない。
ところで、光量補正用光学フィルタ360は、マルチビーム光学走査装置300の筐体300aに設けられた第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の通過口300d(図9参照)に設けられていてもよい。
図9は、出射折り返しミラー333と感光体ドラム21との間の光路上に設けられた光量補正用光学フィルタ360がマルチビーム光学走査装置300の筐体300aにおける第1及び第2出射ビームLo1,Lo2の通過口300dに設けられている状態を示す概略断面図である。
このように光量補正用光学フィルタ360が筐体300aの通過口300dに設けられていると、光量補正用光学フィルタ360における筐体300aの外側の面360bは外部に露出していることが多い。そうすると、光量補正用光学フィルタ360における筐体の外側の面360bに埃が付着しやすい。そのため、光量補正用光学フィルタ360における筐体の外側の面360bを清掃することが多い。
かかる観点から、光量補正用光学フィルタ360が光透過性部材361の片側に対して蒸着法によって遮光性材料362が成膜されたものである場合には、光量補正用光学フィルタ360は、光透過性部材361の蒸着面360aが筐体300aの内側に位置するように筐体300aに設けられていることが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態のマルチビーム光学走査装置300によれば、光量補正用光学フィルタ360,370が光源311と感光体ドラム21との間の光路上に設けられているので、構成が簡単である。しかも、図6に示すように、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aでの主走査方向Xにおける光量分布がたとえ互いに異なっていても、光源311と感光体ドラム21との間の光路上に設けられている光量補正用光学フィルタ360,370が、図7に示すように、第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aでの主走査方向Xにおけるそれぞれの光量分布を各出射ビームLo1,Lo2間で平均化した単一の平均光量分布に基づき設定された光透過率分布δを示すので、被走査面21aの主走査方向Xにおける走査位置での光量が不均一となる光量ムラを軽減でき、これにより良好が画像を得ることが可能となる。
また、本実施の形態では、平均光量分布γaveが第1及び第2出射ビームLo1,Lo2による被走査面21aの主走査方向Xにおける走査位置での光量の値に対して各出射ビームLo1,Lo2間で平均値をとった平均光量値の主走査方向における光量分布とされているので、簡単にかつ容易に平均光量分布γaveを求めることができる。
また、図9に示すように、光量補正用光学フィルタ360が光透過性部材361の片側に対して蒸着法によって遮光性材料362が成膜されたものである場合であって、光量補正用光学フィルタ360は、光透過性部材361の蒸着面360aが筐体300aの内側に位置するように筐体300aに設けられている場合には、光透過性部材361の蒸着面360aとは反対側の蒸着が施されていない反対面360bが筐体300aの外側に位置しているので、筐体300aの外側から光量補正用光学フィルタ360を清掃したとしても、清掃の際の擦れによる蒸着面360aの剥がれを回避でき、これにより蒸着面360aの剥がれによる光量ムラの発生を防止することが可能となる。
また、本実施の形態において、第1及び第2レーザビームL1,L2が同時に走査されることにより第1及び第2レーザビームL1,L2で1ラインを構成する場合には第1及び第2レーザビームL1,L2による被走査面21aでの主走査方向Xにおける光量分布がたとえ互いに異なっていても、隣り合う光ビーム間(1ライン内)では同じ画像データであるため、光量ムラによる濃度ムラが目立ち難くすることができる。
また、本実施の形態では、光源311からの第1及び第2レーザビームL1,L2を被走査面21aに光スポット(Pr1,Pr2),(Pc1,Pc2),(Pf1,Pf2)として集光する走査結像光学系は、オーバーフィル光学系301を構成し、第1及び第2入射ビームLi1,Li2が仮想垂直面αに対して斜めから入射するので、被走査面21aでの光量分布の最大の光量と最小の光量との光量差が大きくなりやすいため、マルチビーム光学走査装置300において、平均光量分布γaveに基づき設定された光量補正用光学フィルタ360,370を設けることが有利となる。
なお、本実施の形態では、光学走査装置として、斜め入射方式のオーバーフィル光学系301を備えたものとしたが、平行入射方式のオーバーフィル光学系を備えたものとしてもよい。また、オーバーフィル光学系に代えて、アンダーフィル光学系を備えたものとしてもよい。
また、本実施の形態では、マルチビーム光学走査装置300を光源311からの二つのレーザビームL1,L2を偏向走査するものとしたが、3つ以上のレーザビームを偏向走査するものであってもよい。
21 感光体(被走査体の一例)
21a 被走査面
100 画像形成装置
300 マルチビーム光学走査装置
300a 筐体
301 オーバーフィル光学系
310 入射光学系
311 光源
319 光偏向器
320 回転多面鏡
321 反射面
330 出射光学系
340 ビーム検知部
360 光量補正用光学フィルタ
360a 蒸着面
361 光透過性部材
362 遮光性材料
370 光量補正用光学フィルタ
L1 第1レーザビーム
L2 第2レーザビーム
Li1 第1入射ビーム
Li2 第2入射ビーム
Lo1 第1出射ビーム
Lo2 第2出射ビーム
X 主走査方向(感光体の回転方向)
B 副走査方向
Z 回転方向
α 仮想垂直面
δ 光透過率分布
γ1 第1出射ビームによる光量分布
γ2 第2出射ビームによる光量分布
γave 平均光量分布
θ 角度

Claims (6)

  1. 光源からの複数の光ビームを光偏向器により主走査方向に偏向走査して被走査体における被走査面での副走査方向における異なる位置に照射する光学走査装置であって、
    前記複数の光ビームによる前記被走査面での主走査方向におけるそれぞれの光量分布を各光ビーム間で平均化した平均光量分布に基づき設定された主走査方向における光透過率分布を示す光量補正用光学フィルタを備え、
    前記光量補正用光学フィルタは、前記光源と前記被走査体との間の光路上に設けられていることを特徴とする光学走査装置。
  2. 請求項1に記載の光学走査装置であって、
    前記平均光量分布は、前記複数の光ビームによる前記被走査面の主走査方向における走査位置での光量の値に対して各光ビーム間で平均値をとった平均光量値の主走査方向における光量分布であることを特徴とする光学走査装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学走査装置であって、
    前記光偏向器及び前記光量補正用光学フィルタを収納する筐体を備え、
    前記光量補正用光学フィルタは、光透過性部材の片側に対して蒸着法によって遮光性材料が成膜されたものであり、前記光透過性部材の蒸着面が前記筐体の内側に位置するように前記筐体に設けられていることを特徴とする光学走査装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の光学走査装置であって、
    前記複数の光ビームは、同時に走査されることにより該複数の光ビームで1ラインを構成することを特徴とする光学走査装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の光学走査装置であって、
    前記光源からの光ビームを前記被走査面に光スポットとして集光する走査結像光学系を備え、
    前記光偏向器は、回転多面鏡を有し、
    前記走査結像光学系は、前記光源からの複数の光ビームを前記回転多面鏡の反射面の回転方向における幅よりも広く形成した入射ビームを前記反射面に入射させ、前記反射面で反射させた出射ビームによって前記被走査面を走査するオーバーフィル光学系を構成し、
    前記入射ビームを、前記被走査面に垂直であり、かつ、前記出射ビームの主走査方向に垂直な方向に沿った仮想垂直面に対して角度を持たせた状態で前記反射面に入射させるように構成されていることを特徴とする光学走査装置。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか一つに記載の光学走査装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
JP2010014583A 2010-01-26 2010-01-26 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置 Pending JP2011154115A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010014583A JP2011154115A (ja) 2010-01-26 2010-01-26 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010014583A JP2011154115A (ja) 2010-01-26 2010-01-26 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011154115A true JP2011154115A (ja) 2011-08-11

Family

ID=44540152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010014583A Pending JP2011154115A (ja) 2010-01-26 2010-01-26 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011154115A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020020970A (ja) * 2018-08-01 2020-02-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置
US11550237B2 (en) 2019-10-11 2023-01-10 Canon Kabushiki Kaisha Scanning optical system and image forming apparatus
JP7574019B2 (ja) 2019-10-11 2024-10-28 キヤノン株式会社 光走査光学系および画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020020970A (ja) * 2018-08-01 2020-02-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置
JP7103039B2 (ja) 2018-08-01 2022-07-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置
US11550237B2 (en) 2019-10-11 2023-01-10 Canon Kabushiki Kaisha Scanning optical system and image forming apparatus
US12019379B2 (en) 2019-10-11 2024-06-25 Canon Kabushiki Kaisha Scanning optical system and image forming apparatus
JP7574019B2 (ja) 2019-10-11 2024-10-28 キヤノン株式会社 光走査光学系および画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4943493B2 (ja) 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2002328323A (ja) 光走査装置
US7446794B2 (en) Image forming apparatus
US6636253B2 (en) Light scanning apparatus
JP2001201708A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP3564026B2 (ja) 光走査装置及びマルチビーム光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2011154115A (ja) 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP4430143B2 (ja) 光学装置
US8385781B2 (en) Image reading device and image forming apparatus including the same
US20070171486A1 (en) Image reading apparatus and image forming machine provided with the same
US11108930B2 (en) Image reading unit and image reading apparatus
US10901337B1 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
JP2006106735A (ja) 光走査装置
JP2011118134A (ja) 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2011090188A (ja) 光走査装置及びこれを用いる画像形成装置
US7274499B2 (en) Scanning optical apparatus and image forming apparatus using the same
JP2021092662A (ja) 光走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP4794717B2 (ja) 光走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置
US12061424B1 (en) Image reading device with light noise reduction characteristics
JP5877818B2 (ja) 光走査装置、及び画像形成装置
JP4975138B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2007233137A (ja) 光走査装置およびそれを備える画像形成装置
JP2010281869A (ja) 光ビーム走査光学系及び光学走査装置並びに画像形成装置
JP2024117272A (ja) 光走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP5079060B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置