JP2011153837A - 電気機械変換デバイスおよびそれの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストパフォーマンスの向上を図りつつ、小型化を達成できる電気機械変換デバイスを提供する。
【解決手段】構造体基板2に圧電素子4および信号処理回路5を設ける。圧電素子4の第1・第2圧接電極41、42と、信号処理回路5の第3・第4圧接電極51、52と、を所定間隔Sを設けて分離した状態で対向配置する。保護基板6の接合側表面に、第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52に跨るように第1・第2導体パターン71、72を設ける。そして、圧電素子4の分極処理後に構造体基板2と保護基板6とを接合し、それぞれの電極どうしを短絡し、圧電素子4と信号処理回路5とを電気的に接続する。これにより、信号処理回路5の保護回路を不要とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子の信号を信号処理回路を介して出力する電気機械変換デバイスおよびそれの製造方法に関する。
従来、圧電素子を搭載した電気機械変換デバイスとしては、たとえば、特許文献1に開示された加速度センサがある。この加速度センサは、シリコン基板にエッチングにより形成した可動部となるカンチレバーに圧電素子を接合してあり、加速度入力により撓み変形するカンチレバーの歪量を圧電素子の電圧変化で検出して、その出力を信号処理回路で処理して取り出すようになっている。
特開平6−180326号公報
しかしながら、圧電素子は、たとえば、カンチレバーを成すセラミックス焼結体に半導体などの単結晶材料を接合して形成される。このような圧電セラミックス素子の振動子は、共振点で容量性のインピーダンスを持っているため、電力を有効に供給するためには高電圧を印加して分極処理する必要がある。
このように圧電素子を分極処理する場合、予め圧電素子に信号処理回路が接続されていると、その信号処理回路の回路素子が破損されるため、圧電素子と信号処理回路とを接続した状態で分極処理するためには、信号処理回路に保護回路を設けることが余儀なくされる。このことは、保護回路を設けたことによりコストが嵩むとともに、デバイスが大型化してしまうことになる。
そこで、本発明は、コストパフォーマンスの向上を図りつつ、小型化を達成できる電気機械変換デバイスおよびそれの製造方法を提供するものである。
請求項1の発明にあっては、それぞれの対向面で接合可能な2つの基板を有し、一方の基板に、物理力で変位する可動部と、当該可動部に設けられる圧電素子と、基板表面に設けられる圧電素子側電極と、前記圧電素子と絶縁状態で実装される信号処理回路と、基板表面に設けられ前記圧電素子側電極と分離した信号処理回路側電極と、を備えるとともに、他方の基板に、前記圧電素子側電極と前記信号処理回路側電極とに対応した部位に跨って設けられ、前記2つの基板を前記圧電素子の分極処理後に接合した際に、前記圧電素子側電極と前記信号処理回路側電極とを短絡する導電体を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明にあっては、それぞれの対向面で接合可能な2つの基板を有し、一方の基板に、物理力で変位する可動部と、当該可動部に設けられる圧電素子と、基板表面に設けられる圧電素子側電極と、を備えるとともに、他方の基板に、前記圧電素子の信号処理回路と、前記圧電素子側電極に対応した部位に設けられ、前記2つの基板を前記圧電素子の分極処理後に接合した際に、前記圧電素子側電極に短絡する信号処理回路側電極と、を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明にあっては、基板に、物理力で変位する可動部を設けるとともに、当該可動部に圧電素子を設け、かつ、当該圧電素子と絶縁状態で信号処理回路を実装し、これら圧電素子と信号処理回路とを絶縁した状態で当該圧電素子を分極処理した後、前記圧電素子と前記信号処理回路とを導電体を介して短絡することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、2つの基板のうち、一方の基板に設けられた圧電素子側電極と信号処理回路側電極とが分離しており、それら両電極は、2つの基板を圧電素子の分極処理後に接合した際に、他方の基板に設けられた導電体を介して短絡される。したがって、高電圧を印加する分極処理を実行する際には信号処理回路が圧電素子に接続されていないため、それら両者間の絶縁状態を確保して分極処理時の高電圧が信号処理回路に印加されてしまうのを防止できる。これにより、信号処理回路を高電圧から保護するための保護回路が不要となり、コストパフォーマンスの向上を図りつつデバイスの小型化を達成できる。
請求項2の発明によれば、2つの基板のうち、一方の基板に圧電素子側電極が設けられ、かつ、他方の基板に信号処理回路側電極が設けられており、それら両電極は、2つの基板を圧電素子の分極処理後に接合した際に相互に短絡される。したがって、高電圧を印加する分極処理を実行する際には信号処理回路が圧電素子に接続されていないため、それら両者間の絶縁状態を確保して分極処理時の高電圧が信号処理回路に印加されてしまうのを防止できる。これにより、信号処理回路を高電圧から保護するための保護回路が不要となり、コストパフォーマンスの向上を図りつつデバイスの小型化を達成できる。
請求項3の発明によれば、電気機械変換デバイスを製造するにあたって、基板の可動部に設けた圧電素子と基板に実装した信号処理回路とを絶縁状態としてあり、圧電素子を分極処理した後にそれら圧電素子と信号処理回路とが導電体を介して短絡される。したがって、本製造方法で製造された電気機械変換デバイスは、高電圧を印加する分極処理を実行する際には、圧電素子と信号処理回路との間の絶縁状態を確保して分極処理時の高電圧が信号処理回路に印加されてしまうのを防止できる。これにより、信号処理回路を高電圧から保護するための保護回路が不要となり、コストパフォーマンスの向上およびデバイスの小型化を図りつつ生産能率を向上することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電気機械変換デバイスを示し、(a)は他方の基板の対向面側から見た模式的な底面図、(b)は一方の基板の対向面側から見た模式的な平面図である。 図2は、図1(b)中のA−A線に沿った模式的な要部拡大断面図である。 図3は、図1(b)中のB−B線に沿った模式的な側断面図で、(a)は2つの基板を接合する前の状態、(b)は2つの基板を接合した状態である。 は、図1に示す電気機械変換デバイスの製造工程をフローチャート形式で示す説明図である。 図5は、カンチレバーの撓み変形に伴う圧電素子の動作を模式的に示す要部拡大断面図である。 図6は、圧電素子の作動に伴う機能をフローチャート形式で示す説明図である。 図7は、本発明の第2の実施形態にかかる電気機械変換デバイスを示し、(a)は他方の基板の対向面側から見た模式的な底面図、(b)は一方の基板の対向面側から見た模式的な平面図である。 図8は、図7(b)中のC−C線に沿った模式的な側断面図で、(a)は2つの基板を接合する前の状態、(b)は2つの基板を接合した状態である。 図9は、本発明の第3の実施形態にかかる電気機械変換デバイスを示し、(a)は他方の基板の対向面側から見た模式的な底面図、(b)は一方の基板の対向面側から見た模式的な平面図である。 図10は、図9(b)中のD−D線に沿った模式的な要部拡大断面図である。 図11は、図9(b)中のE−E線に沿った模式的な側断面図で、(a)は2つの基板を接合する前の状態、(b)は2つの基板を接合した状態である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1から図6は、本発明にかかる電気機械変換デバイスの第1の実施形態を示し、本実施形態では物理量センサとしての加速度センサ1に例をとって説明するものとする。
図1に示すように、本実施形態の加速度センサ1は、シリコンで形成される構造体基板2(図1(b)参照)に、入力される加速度で変位する可動部としてのカンチレバー3が形成されている。カンチレバー3は、図3に示すように、構造体基板2にエッチング法などによって、カンチレバー3の周囲にコ字状の切除部31を設けることにより片持ち梁状に形成される。カンチレバー3は、基部側に薄肉のビーム部32が形成されるとともに、自由端部となる先端側に厚肉の錘部33が形成され、加速度の入力時に錘部33がビーム部32の撓み変形を伴って変位するようになっている。
カンチレバー3のビーム部32には、図2に示すように圧電素子4が設けられ、ビーム部32の撓み変形に伴って圧電素子4で電圧が発生される。圧電素子4は、PZTなどの高誘電率材料が圧電材料として一般的に利用されるが、圧電材料はこれ以外にも、たとえば、AIN、ZnOおよびF−BARなどの圧電特性を有する材料を用いて形成することができる。
圧電素子4の機能としては、図5(a)に示すように初期状態にあるカンチレバー3は、同図(b)および(c)に示すように加速度が入力されてビーム部32に歪が生ずると、圧電素子4に圧縮応力((b)参照)や引張応力((c)参照)が発生して分極状態が変化される。このことは、図6に示すように、加速度(または衝撃や振動)などの物理量がカンチレバー3に印加されると(ステップS1)、圧電素子4の分極状態が変化し(ステップS2)、これにより圧電素子4に電界(電荷)が発生する(ステップS3)。発生した電荷は、電圧に変換されることになり(ステップS4)、ひいては、入力される加速度に応じた電圧が圧電素子4から出力されることになる。
圧電素子4で発生した電圧変化は、構造体基板2の非変形部に実装される信号処理回路5に出力されて、この信号処理回路5で処理された電気信号を取り出すことにより、入力された加速度が検知できるようになっている。信号処理回路5は、FETなどを用いたインピーダンス変換回路や信号増幅回路として構成することができる。
そして、圧電素子4や信号処理回路5を設けた構造体基板2の表面は、シリコンやガラスなどで形成される保護基板6(図1(a)参照)で覆われる。つまり、本実施形態の加速度センサ1は、少なくとも構造体基板2と保護基板6の2つの基板を備えており、それら構造体基板2および保護基板6は、互いに対向する接合面2a、6aで接合可能となっている。このとき、図1(b)、(a)に示すように、構造体基板2および保護基板6の周縁部に接合用媒体パターン2b、6bが設けられ、それら媒体パターン2b、6bによって構造体基板2と保護基板6とが相互に接合される。なお、接合はSi直接接合や陽極接合などの媒体を用いない接合であってもよいのであるが、本実施形態のように圧接部と同じ構造である媒体(Au、Au−Snなど)を用いた方が位置決めし易くなる(Au−Au接合やAu−Sn接合)。
圧電素子4には、信号処理回路5側に向かって一対の圧電素子側電極としての第1圧接電極41および第2圧接電極42が延び、それら圧接電極41、42がカンチレバー3の変形の影響を受けない部分に設けられる。一方、信号処理回路5には、圧電素子4側に向かって一対の信号処理回路側電極としての第3圧接電極51および第2圧接電極52が設けられる。各圧接電極41、42、51、52は、基板表面工程で構造体基板2の接合側表面に露出した状態で設けられており、第1圧接電極41と第3圧接電極51は、所定間隔Sを設けて分離した状態で対向配置されているとともに、第2圧接電極42と第4圧接電極52は、同様に所定間隔Sを設けて分離した状態で対向配置されている。このとき、信号処理回路5には、上述した第3・第4圧接電極51、52を設けた側とは反対側に3本の第1・第2・第3信号取出し電極53、54、55が基板表面工程によって設けられるようになっている。
ここで、本実施形態では、圧電素子4と信号処理回路5とを、その圧電素子4の分極処理後に設置される導電体としての第1導体パターン71および第2導体パターン72を介して短絡するようになっている。すなわち、保護基板6の接合側表面には、構造体基板2に設けた第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52にそれぞれ対応した部位に、第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52にそれぞれ跨るようにして、上述した第1導体パターン71および第2導体パターン72が設けられている。それら第1導体パターン71および第2導体パターン72は、構造体基板2の基板表面工程以外で形成されるものである。第1導体パターン71および第2導体パターン72は、保護基板6の表面に金属膜をパターン化して形成したものである。
構造体基板2と保護基板6とは、圧電素子4に高電圧を印加して行う分極処理の後に接合される。図3(a)は、保護基板6を構造体基板2に接合しようとする状態を示し、同図(b)は、保護基板6が構造体基板2に接合された状態を示す。
そして、それら2つの基板2、6の接合によって、第1導体パターン71が第1圧接電極41と第3圧接電極51とに圧接してそれら両電極41、51を短絡するとともに、第2導体パターン72が第2圧接電極42と第4圧接電極52とに圧接してそれら両電極42、52を短絡するようになっている。従って、圧電素子4と信号処理回路5とは、圧電素子4の分極処理の後に電気的に接続されることになる。
このようにして構成される加速度センサ1の製造は、一方の構造体基板2にカンチレバー3を形成するとともに、そのカンチレバー3に圧電素子4を設け、かつ、その圧電素子4と離隔して信号処理回路5を実装する。次いで、圧電素子4の第1・第2圧接電極41、42と、信号処理回路5の第3・第4圧接電極51、52と、を分離した状態で基板表面工程によりパターン形成する。一方、上記基板表面工程以外の工程によって、他方の保護基板6に第1導体パターン71および第2導体パターン72を設けておく。その後、圧電素子4を信号処理回路5と絶縁した状態でその圧電素子4に高電圧を印加して分極処理した後、保護基板6を構造体基板2に接合するようになっている。これにより、第1導体パターン71および第2導体パターン72を介して第1圧接電極41と第3圧接電極51とが短絡されるとともに、第2圧接電極42と第4圧接電極52とが短絡され、圧電素子4と信号処理回路5とが接続される。
つまり、加速度センサ1の製造方法の本実施形態における主要部分は、図4に示すように、第1の工程P1で第1〜第4圧接電極41、42、51、52をパターン形成し、第2の工程P2で圧電素子4を分極処理し、第3の工程P3で2つの基板2、6を接合して圧電素子4と信号処理回路5とを短絡する。その後は、第4の工程P4でダイシングを行った後、第5の工程P5でパッケージングして製品出荷することになる。
以上説明した第1の実施形態の加速度センサ1によれば、少なくとも構造体基板2と保護基板6との2つの基板を設けてあり、それら2つの基板のうち、一方の構造体基板2に設けた圧電素子4側の第1圧接電極41および第2圧接電極42と、信号処理回路5側の第3圧接電極51および第4圧接電極52と、が分離しており、それら対向する第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52は、2つの基板を圧電素子4の分極処理後に接合した際に、他方の保護基板6に設けた第1導体パターン71および第2導体パターン72を介して短絡される。したがって、高電圧を印加する分極処理を実行する際には信号処理回路5が圧電素子4に接続されていないため、それら両者間の絶縁状態を確保して分極処理時の高電圧が信号処理回路5に印加されてしまうのを確実に防止できる。これにより、信号処理回路5を分極処理時の高電圧から保護するための保護回路が不要となり、コストパフォーマンスの向上を図りつつ加速度センサ1の小型化を達成できる。さらに、このように構成された加速度センサ1は信号処理一体構造となるため、ノイズなどの影響を受けにくくなり、精度の高い加速度センサ1を提供することができる。
さらに、本実施形態の加速度センサ1の製造方法では、構造体基板2に、圧電素子4および信号処理回路5を、第1・第2圧接電極41、42と第3・第4圧接電極51、52とを分離した状態で設け、そして、圧電素子4を分極処理した後に、第1導体パターン71および第2導体パターン72を設けた保護基板6を構造体基板2に接合するようになっている。これにより、第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52が第1導体パターン71および第2導体パターン72を介してそれぞれ短絡され、圧電素子4と信号処理回路5とが電気的に接続されることになる。
したがって、圧電素子4を分極処理した後に圧電素子4と信号処理回路5とを電気的に接続(短絡)するには、本来の製造過程で行われる保護基板6を構造体基板2に接合するのみでよい。このため、保護基板6に第1導体パターン71および第2導体パターン72を設ける以外に余分な工程を不要として、分極処理時の高電圧が信号処理回路5に印加されるのを防止できる。これにより、コストパフォーマンスの向上および加速度センサ1の小型化を図りつつ加速度センサ1の生産能率を向上することができる。
ところで、本実施形態では、第1・第2圧接電極41、42と第3・第4圧接電極51、52とを分離した状態で設けて、圧電素子4の分極処理後に、第1導体パターン71および第2導体パターン72を介して第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52をそれぞれ短絡させてある。しかし、これに限ることなく第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52のいずれか一方の組を予め基板表面工程で接続しておき、分極処理後に他方の組を、第1導体パターン71および第2導体パターン72のいずれか一方で短絡させるようにしてもよい。この場合は、第1導体パターン71および第2導体パターン72のいずれか一方のみを保護基板6に設ければよく、部品点数の削減を図ることができる。
[第2実施形態]
図7および図8は、本発明にかかる電気機械変換デバイスの第2の実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、本実施形態にあっても加速度センサ1Aに例をとって電気機械変換デバイスを説明するものとする。
図7に示すように、本実施形態の加速度センサ1Aは、第1の実施形態と同様に少なくとも構造体基板2と保護基板6との2つの基板を有し、これら構造体基板2および保護基板6は、互いに対向する接合面2a、6aで接合可能となっている。
ここで、本実施形態が第1の実施形態と主に異なる点は、圧電素子4を一方の構造体基板2のカンチレバー3に設ける(図2参照)ものの、信号処理回路5は他方の保護基板6に設けるようになっている。
構造体基板2の接合面2aには、圧電素子4から構造体基板2のカンチレバー3の変形の影響を受けない部分に向かって一対の圧電素子側電極としての第1圧接電極41および第2圧接電極42が設けられている。一方、保護基板6の接合面6aには、信号処理回路5から上記第1・第2圧接電極41、42に対応した部位に向かって、信号処理回路側電極としての一対の第3導体パターン56および第4導体パターン57が設けられている。これら第3・第4導体パターン56、57は、圧電素子4の分極処理した後に圧電素子4と信号処理回路5とを短絡する導電体としても機能する。それら第1・第2圧接電極41、42および第3・第4導体パターン56、57は、それぞれの基板2、6の接合面に露出して設けられている。
また、構造体基板2の接合面2aには、第1・第2圧接電極41、42とは分離して3本の第4・第5・第6信号取出し電極58、59、60が設けられるとともに、保護基板6の接合面6aには、信号処理回路5から各信号取出し電極58、59、60にそれぞれ対応した部位に向かって3本の第5・第6・第7導体パターン61、62、63が設けられている。
そして、構造体基板2と保護基板6とは、図8に示すように、圧電素子4に高電圧を印加して行う分極処理の後に接合するようになっている。図8(a)は、保護基板6を構造体基板2に接合しようとする状態を示し、同図(b)は、保護基板6が構造体基板2に接合された状態を示す。
そして、それら2つの基板2、6の接合によって、第1圧接電極41と第3導体パターン56とが圧接して短絡されるとともに、第2圧接電極42と第4導体パターン57とが圧接して短絡されることにより、圧電素子4と信号処理回路5とが電気的に接続されるようになっている。また、これと同時に第5・第6・第7導体パターン61、62、63が第4・第5・第6信号取出し電極58、59、60に圧接して短絡し、信号処理回路5で処理された信号が外部に取り出されるようになっている。
以上説明した第2の実施形態の加速度センサ1Aによれば、一方の構造体基板2に圧電素子4から延びる第1・第2圧接電極41、42が設けられ、かつ、他方の保護基板6に信号処理回路5から延びる第3・第4導体パターン56、57が設けられており、それら第1・第2圧接電極41、42と第3・第4導体パターン56、57とは、圧電素子4の分極処理後に両方の基板2、6を接合した際に相互に短絡される。したがって、高電圧を印加する分極処理を実行する際には信号処理回路5が圧電素子4に接続されていないため、それら両者間の絶縁状態を確保して分極処理時の高電圧が信号処理回路5に印加されてしまうのを防止できる。これにより、信号処理回路5を高電圧から保護するための保護回路が不要となり、コストパフォーマンスの向上を図りつつデバイスの小型化を達成できる。
また、このように構成された加速度センサ1Aは、第1の実施形態と同様に、信号処理一体構造となるためノイズなどの影響を受けにくくなり、精度の高い加速度センサ1Aを提供することができる。
[第3実施形態]
図9から図11は、本発明にかかる電気機械変換デバイスの第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付すとともに、物理量センサとしての加速度センサ1Bに例をとって説明するものとする。
図9に示すように、本実施形態の加速度センサ1Bは、シリコンで形成される構造体基板2(図9(b)参照)に、入力される加速度で変位する可動部としてのカンチレバー3が形成されている。カンチレバー3は、図11に示すように、構造体基板2にエッチング法などによって、カンチレバー3の周囲にコ字状の切除部31を設けることにより片持ち梁状に形成される。そして、それの基部に薄肉のビーム部32が形成されるとともに、自由端部となる先端側に厚肉の錘部33が形成され、加速度の入力時に錘部33がビーム部32の撓み変形を伴って変位するようになっている。
カンチレバー3のビーム部32には、図10に示すように圧電素子4が設けられ、ビーム部32の撓み変形に伴って圧電素子4で電圧が発生される。圧電素子4は、PZTなどの高誘電率材料が圧電材料として一般的に利用されるが、これ以外にも、たとえば、AINやZnOなどの圧電特性を有する材料を用いて形成することができる。
圧電素子4で発生した電圧変化は、構造体基板2の非変形部に実装される信号処理回路5に出力されて、この信号処理回路5で処理された電気信号を取り出すことにより、入力された加速度を検知することができる。信号処理回路5は、FETなどを用いたインピーダンス変換回路や信号増幅回路として構成することができる。
そして、圧電素子4や信号処理回路5を設けた構造体基板2の表面は、シリコンやガラスなどで形成される保護基板6(図9(a)参照)で覆われる。つまり、本実施形態の加速度センサ1Bは、少なくとも構造体基板2と保護基板6の2つの基板を備えており、それら構造体基板2および保護基板6は、互いに対向する接合面2a、6aで接合可能となっている。このとき、図9(b)、(a)に示すように、構造体基板2および保護基板6の周縁部に接合用媒体パターン2a、6aが設けられ、それら媒体パターン2a、6aによって構造体基板2と保護基板6とが相互に接合される。なお、接合はSi直接接合や陽極接合などの媒体を用いない接合であってもよいのであるが、本実施形態のように圧接部と同じ構造である媒体(Au、Au−Snなど)を用いた方が位置決めし易くなる(Au−Au接合やAu−Sn接合)。
圧電素子4には、信号処理回路5側に向かって一対の圧電素子側電極としての第1圧接電極41および第2圧接電極42が延び、それらがカンチレバー3の変形の影響を受けない部分に設けられる。一方、信号処理回路5には、圧電素子4側に向かって一対の信号処理回路側電極としての第3圧接電極51および第2圧接電極52が設けられている。各圧接電極41、42、51、52は、基板表面工程で構造体基板2の接合側表面に露出した状態で設けられており、第1圧接電極41と第3圧接電極51は、所定間隔Sを設けて分離した状態で対向配置されているとともに、第2圧接電極42と第4圧接電極52は、同様に所定間隔Sを設けて分離した状態で対向配置されている。このとき、信号処理回路5には、上述した第3・第4圧接電極51、52を設けた側とは反対側に3本の第1・第2・第3信号取出し電極53、54、55が設けられている。
ここで、本実施形態では、図9(b)および図11に示すように、第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52を、圧電素子4の分極処理後に設置される導電体としての第1ボンディングワイヤ81および第2ボンディングワイヤ82を介して接続するようになっている。これにより、圧電素子4と信号処理回路5とは、圧電素子4の分極処理の後に電気的に接続されることになる。
そして、構造体基板2と保護基板6とは、上述した第1ボンディングワイヤ81および第2ボンディングワイヤ82が施された後に接合される。つまり、圧電素子4に高電圧を印加して分極処理を行った後、第1ボンディングワイヤ81および第2ボンディングワイヤ82を施し、その後に構造体基板2と保護基板6とが接合されることになる。図11(a)は、保護基板6を構造体基板2に接合しようとする状態を示し、同図(b)は、保護基板6が構造体基板2に接合された状態を示す。
以上説明した第3の実施形態の加速度センサ1Bによれば、圧電素子4と信号処理回路5とが、その圧電素子4の分極処理後に施される第1ボンディングワイヤ81および第2ボンディングワイヤ82を介して接続される。したがって、高電圧を印加する分極処理を実行する際には、信号処理回路5が圧電素子4に接続されていないため、それら両者間の絶縁状態を確保して分極処理時の高電圧が信号処理回路5に印加されるのを確実に防止できる。
これにより、信号処理回路5を分極処理時の高電圧から保護するための保護回路が不要となり、コストパフォーマンスの向上を図りつつ加速度センサ1Bの小型化を達成できる。さらに、このように構成された加速度センサ1Bは、信号処理一体構造となるためノイズなどの影響を受けにくくなり、精度の高い加速度センサ1Bを提供することができる。
また、本実施形態では、分極処理後に圧電素子4と信号処理回路5とを接続する導電体としてボンディングワイヤ81、82を用いたことにより、導電体としての部品コストを低減して、より安価な加速度センサ1Bを提供することができる。
ところで、本実施形態では、第1・第2圧接電極41、42と第3・第4圧接電極51、52とを分離した状態で設けて、圧電素子4の分極処理後に、第1圧接電極41と第3圧接電極51とを第1ボンディングワイヤ81で接続するとともに、第2圧接電極42と第4圧接電極52とを第2ボンディングワイヤ82で接続してある。しかし、これに限ることなく第1圧接電極41と第3圧接電極51および第2圧接電極42と第4圧接電極52のいずれか一方の組を予め基板表面工程で接続しておき、分極処理後に他方の組を、第1ボンディングワイヤ81および第2ボンディングワイヤ82のいずれか一方で接続するようにしてもよい。この場合は、第1ボンディングワイヤ81および第2ボンディングワイヤ82のいずれか一方のみを施せばよく、部品点数の削減を図ることができる。
以上説明した本発明の電気機械変換デバイスは、第1から第3実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。たとえば、前記各実施形態では電気機械変換デバイスを加速度センサに例をとって説明したが、これに限ることなく圧電素子の結晶の分極を利用して電気エネルギーと機械エネルギーの変換を行うことができる装置、たとえば、振動センサや環境振動による発電デバイスなどにあっても本発明を適用することができる。
1、1A、1B 加速度センサ(電気機械変換デバイス)
2 構造体基板(一方の基板)
2a 対向面
3 カンチレバー(可動部)
4 圧電素子
41 第1圧接電極(圧電素子側電極)
42 第2圧接電極(圧電素子側電極)
5 信号処理回路
51 第3圧接電極(信号処理回路側電極)
52 第4圧接電極(信号処理回路側電極)
56 第3導体パターン(信号処理回路側電極)
57 第4導体パターン(信号処理回路側電極)
6 保護基板(他方の基板)
6a 対向面
71 第1導電パターン(導電体)
72 第2導電パターン(導電体)
81 第1ボンディングワイヤ(導電体)
82 第2ボンディングワイヤ(導電体)

Claims (3)

  1. それぞれの対向面で接合可能な2つの基板を有し、
    一方の基板に、物理力で変位する可動部と、当該可動部に設けられる圧電素子と、基板表面に設けられる圧電素子側電極と、前記圧電素子と絶縁状態で実装される信号処理回路と、基板表面に設けられ前記圧電素子側電極と分離した信号処理回路側電極と、を備えるとともに、
    他方の基板に、前記圧電素子側電極と前記信号処理回路側電極とに対応した部位に跨って設けられ、前記2つの基板を前記圧電素子の分極処理後に接合した際に、前記圧電素子側電極と前記信号処理回路側電極とを短絡する導電体を備えたことを特徴とする電気機械変換デバイス。
  2. それぞれの対向面で接合可能な2つの基板を有し、
    一方の基板に、物理力で変位する可動部と、当該可動部に設けられる圧電素子と、基板表面に設けられる圧電素子側電極と、を備えるとともに、
    他方の基板に、前記圧電素子の信号処理回路と、前記圧電素子側電極に対応した部位に設けられ、前記2つの基板を前記圧電素子の分極処理後に接合した際に前記圧電素子側電極に短絡する信号処理回路側電極と、を備えたことを特徴とする電気機械変換デバイス。
  3. 基板に、物理力で変位する可動部を設けるとともに、当該可動部に圧電素子を設け、かつ、当該圧電素子と絶縁状態で信号処理回路を実装し、これら圧電素子と信号処理回路とを絶縁した状態で当該圧電素子を分極処理した後、前記圧電素子と前記信号処理回路とを導電体を介して短絡することを特徴とする電気機械変換デバイスの製造方法。
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JP2014226948A (ja) * 2013-05-17 2014-12-08 パナソニック株式会社 タイヤセンサシステム

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