JP2011153367A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の技術では、良好な表面性状と加工性を両立することが困難であったSi含有鋼において、めっき/母材界面の形状を制御することで、耐パウダリング性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【解決手段】鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を備える合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。この鋼板は、C:0.03〜0.20%,Mn:0.03〜3.0%,Si:0.1〜2.5%,sol.S:0.01%以下,P:0.1%以下,Al:1.0%以下,N:0.01%以下を含有する鋼板において、Biを0.0001〜0.05%含有させることで、合金化溶融亜鉛めっき層と母材界面から、鋼板側の深さ方向に亜鉛および亜鉛−鉄合金の侵入深さが10μm以下に制御することが可能となり、耐パウダリング性,めっき密着性,表面性状が飛躍的に向上する。
【選択図】なし

Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関し、具体的には、耐パウダリング性、めっき密着性、表面性状に優れる高強度の溶融亜鉛めっき鋼板、特に、自動車の車体のようにプレス成形、その中でも、複雑な成形が必要となる用途に好適な高強度の溶融亜鉛めっき鋼板と、その製造方法とに関する。
近年、自動車の燃費向上が地球環境保護のために求められる。高強度鋼板、特に、防錆性を考慮した部材では高強度溶融亜鉛めっき鋼板へのニーズが、車体の軽量化および乗員の安全性確保のために、高まっている。
自動車用部材に供される鋼板は、高強度であるだけでは不十分であり、プレス成形性や耐食性等といった各種性能を満足する必要がある。しかし、MnやSiの酸化皮膜が、Si、MnさらにはAlを高強度化のために多量に含有する高強度鋼板の焼鈍過程で、この高強度鋼板の表面に形成され、これにより、亜鉛の濡れ性が低下して不めっきが生じやすい。不めっきが生じない場合にも、MnやSiの酸化皮膜が合金化のための加熱時の母材からの鉄の拡散の障壁となり、合金化が著しく困難になるとともに、MnやSiの酸化皮膜が鋼板上に均一に形成されない場合には、合金化反応が遅く進行する部分と合金化反応が早く進行する部分とが部分的に形成されるために、合金化処理ムラがもたらされ、表面性状の確保が非常に困難になる。
また、MnやSiを多量に含有する溶鋼の凝固過程では、局所的な化学組成の変動が凝固偏析により生じ、その変動に対応した不均一組織が形成され、曲げ加工時に加工部の表面に目視でも観察される顕著な凹凸が出現する。この凹凸は、不均一変形を助長して母材割れを誘発するので、曲げ性そのものが劣化する。また、割れに至らない場合であっても、加工部に存在する顕著な凹凸が、部品に要求される衝突特性を劣化させたり、加工時にはこの凹凸に応力が集中することによって、合金化溶融亜鉛めっき皮膜の割れや剥離が発生し易くなり、加工時のめっき剥がれに対する抵抗性(耐パウダリング性)が劣化し、めっき剥離片による加工後の外観損傷及び加工劣化が発生する。
このため、Si、Mn、Alを多量に含む高強度鋼板に、耐パウダリング性およびめっき密着性に優れる均一な合金化溶融亜鉛皮膜(本明細書では「GA皮膜」ともいう)を形成することは、非常に困難であった。
Si、Mn、Al等の易酸化元素を多量に含む高強度鋼板にGA皮膜を形成する方法として、例えば、特許文献1には、高SiおよびMn鋼において、予め、Fe系のプレめっきを行ってから合金化溶融亜鉛めっきを行うことによって高強度の合金化溶融めっき鋼板を製造する発明が開示されている。また、特許文献2には、焼鈍により易酸化性元素を表面に濃化させた後に酸洗し、この酸化物を除去した後に溶融亜鉛めっきを行う発明が開示されている。さらに、特許文献3には、焼鈍前の鋼板表面に硫黄化合物を塗布した後に合金化溶融亜鉛めっきを行うことにより、合金化ムラを抑制する発明が開示されている。
しかしながら、これらの発明は、いずれも、合金化溶融亜鉛めっきを行う前に特別な処理を行うものであるため、この特別な処理を行う設備を溶融亜鉛めっきライン前に新たに設置する必要があり、製造コストの上昇を招くため、実用上あまり好ましいとは言えない。また、これらの発明に基づいても、鋼板表面に均一に易酸化物を形成することは技術的に困難であり、GA化処理時の部分的な速度差に起因する方法としては、充分ではない。
一方、易酸化元素を多量に含有する高強度鋼板の合金化処理方法として、例えば、特許文献4には、焼鈍時の前酸化炉で積極的に鋼板の表面を酸化させた後に焼鈍して溶融亜鉛めっきを行う発明が開示されている。さらには、特許文献5には、熱間圧延の巻取り温度を高温に設定して鋼板表面の近傍に積極的に易酸化元素を内部酸化させることにより、溶融亜鉛めっきの密着性の改善を図る発明が開示されている。このように、熱間圧延時の巻取り温度の制御、焼鈍炉内の雰囲気制御等によって易酸化性元素に対応する発明も、GA化の促進方法の一つとしてよく取られている。
これらの発明は、特別な装置を設ける必要もなく、GA化を確保できるという意味では、有効な手段であるものの、鋼板表層の近傍に安定かつ均一な内部酸化層を、非常に不安定なヒートサイクルのみで制御して形成するために、充分な効果を発揮することが非常に困難である。また、これらの発明は、全て、鋼板表面を積極的に酸化させるものであるため、鋼板の表面の粒界酸化が進行して結晶粒界への亜鉛の侵入が顕著になり、結晶粒界の脆化が起こり易くなって、加工時に、素地鋼板とめっき界面のみならず、素地鋼板に亜鉛が侵入した粒界に沿って表層の鋼板結晶粒ごと剥離するという現象が発生する。このため、めっきの剥離が発生し易くなり、良好なパウダリング性を確保することが極めて困難になる。
本発明者らは、特許文献6により、焼鈍炉内の雰囲気を細かく制御することによって、母材結晶の粒界酸化を抑制しながら、耐穴広げ性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する発明を開示した。特許文献6には、焼鈍炉内の粒界酸化を抑制することが加工性を確保するために重要であることを開示している。
特開平5−331537号公報 特開平7−9055号公報 特開平11−50220号公報 特開平7−316762号公報 特開平9−316103号公報 特開平7−286253号公報 特開2002−146475号公報 特開2002−294397号公報
しかしながら、不めっきの防止やGAの処理ムラの防止という観点からは、特別な処理工程を設けず、安定した表面性状を確保するためには、従来技術では、易酸化元素の内部酸化を活用するしかない。しかし、内部酸化を促進させると、粒界酸化も不可避的に進行するため、溶融亜鉛めっきおよびその後のGA化処理において、Znの粒界への侵入が著しくなり、めっき/母材界面の粒界脆化が起こり易くなり、加工時における良好な耐パウダリング性およびめっき密着性の確保が非常に困難になる。
したがって、新たな処理工程を加えることなく、良好な表面性状を確保するとともに、良好なパウダリング性を確保できる技術は、未だ十分確立されたものとはいえないのが現状である。
本発明は、Si、Mn、Al等の易酸化性元素を多量に含有しながら、極めて良好な耐パウダリング性と、不めっきや合金化ムラ等のない優れた表面性状と有する高強度の合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、Mn、Si、Al等の易酸化元素を多量に含有する高強度鋼板の含有元素を鋭意検討した結果、この高強度鋼板に対する合金化溶融亜鉛めっき処理後のZn、およびZn−Fe合金の母材への侵入を抑制し、かつ、安定したGA処理性を確保するためには、Biを含有するとともに焼鈍時の雰囲気を制御することが有効であることを知見し、本発明を完成した。
Biを含有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板として、特許文献7には、P含有の極低炭素鋼板にSbやBi等を含有することによってめっきの濡れ性を向上するとともに、母材の結晶粒界へのPの偏析を防止して、P筋という、局部的なP偏析に起因する合金化ムラを防止する発明が開示されている。しかし、この発明は、Si含有量が低いため、Si含有量が高い鋼板におけるSi酸化物に起因した不めっきやGAムラの防止を十分に図ることはできない。
また、特許文献8には、Si含有量、Mn含有量およびAl含有量が高い高張力溶融亜鉛めっき鋼板にBiを含有することによって、めっきの濡れ性の防止と、めっきの密着性の向上とを図る発明が開示されている。しかしながら、後述するように、Biを含有することと焼鈍温度を規定することだけでは、耐パウダリング性と表面外観とを高いレベルで両立することはできない。また、Bi含有による、凝固偏析に起因する不均一組織の生成の抑制による曲げ割れ防止、及び、その改善によるめっきの密着性の向上の発現も期待されたものではない。
本発明は、Biを含有するだけでは、良好な耐パウダリング性を確保することは不可能であり、Biの含有とともに、焼鈍雰囲気を適正に保つこと、具体的には、再結晶温度域まで焼鈍露点を適正域に保つことにより、初めて、耐パウダリング性と表面性状とを高いレベルで両立することが可能となるという知見に基づくものである。Biの含有と、再結晶温度までの焼鈍露点を適正に保つこととの相乗効果によって耐パウダリング性および表面性状が高いレベルで両立する理由は、以下の通りと考えられる。
(a)易酸化性元素であるSi、Mn、Al等が鋼板表面に酸化物として膜状に濃化する。
(b)これと同時に表層にBi濃化層が形成し、過剰の母材粒界酸化が抑制される。
(c)溶融亜鉛めっき侵入時に、亜鉛浴へのBi濃化層の溶解とともに、表層の易酸化元素の膜状酸化物層が鋼板表層から剥がされる。
(d)不めっきおよび合金化処理時のFe拡散のバリアとなる酸化皮膜が鋼板表面から除去されるために、不めっきおよび合金化ムラが抑制される。
本発明は、この知見(a)〜(d)に基づいて完成したものであり、耐食性が重要な部位の素材として好適な成形性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法を提供するものである。
本発明は、C:0.03〜0.20%(本明細書では特に断りがない限り組成に関する「%」は「質量%」を意味する)、Mn:0.03〜3.0%、Si:0.1〜2.5%、S:0.01%以下、P:0.1%以下、sol.Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Bi:0.0001〜0.05%、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する鋼板に合金化溶融亜鉛めっき皮膜を形成した合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、めっき層と母材との界面から、鋼板側の深さ方向に亜鉛および亜鉛−Fe合金の侵入深さが10μm以下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
別の観点からは、本発明は、C:0.03〜0.20%、Mn:0.03〜3.0%、Si:0.1〜2.5%、S:0.01%以下、P:0.1%以下、sol.Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Bi:0.0001〜0.05%を含有する鋼板に、焼鈍、溶融亜鉛めっきおよび合金化処理を連続して行うことによって合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、焼鈍において再結晶温度まで加熱する際に、少なくとも650℃〜再結晶温度までの焼鈍炉内の露点が−25〜0℃で再結晶温度まで焼鈍することを特徴とする、上述した本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。この本発明に係る製造方法では、再結晶温度まで焼鈍した後、目付量が60g/m以下の溶融亜鉛めっき層を設け、直ちにGA炉で加熱して合金化皮膜を形成するにあたって、その合金化処理温度を650℃以下とすることが好ましい。
これらの本発明では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐パウダリング性、めっき密着性及び表面性状に優れるとともに高強度を有するものである。
これらの本発明では、鋼板がFeの一部に代えて、
(i)Ti:0.25%以下、Nb:0.25%以下およびV:0.25%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有すること、
(ii)Cr:1%以下およびMo:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種を含有すること、
(iii)Cu:1%以下およびNi:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種を含有すること、
(iv)Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有すること、
(v)B:0.01%以下を含有すること、
(vi)Sb:0.05%以下およびSn:0.05%以下の1種または2種を含有すること
の1種または2種以上を有することが好ましい。
これらの本発明では、合金化溶融めっき鋼板が、めっき目付量が60g/m以下であり、めっき層の合金化度が7〜16%であり、かつめっき層における任意の50mm以上離れた位置における合金化度のばらつきが、10点以上の標準偏差で1.5%以下であることが好ましい。
本発明により、Si、Mn、Al等の易酸化性元素を多量に含有する高強度鋼板において、きわめて良好な耐パウダリング性と、不めっきや合金化ムラ等のない表面性状の優れた高強度の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することが可能になる。
図1は、実施例におけるラボめっきサンプル作製方法の一例を示す説明図である。 耐パウダリング性評価方法を示す説明図である。 Bi含有鋼(表3におけるサンプルNo.4;本発明例)のめっき溶解後の光学顕微鏡での断面ミクロ観察(めっき/母材界面状況)を示す写真である。 Bi非含有鋼(表3におけるサンプルNo.13;比較例)のめっき溶解後の光学顕微鏡での断面ミクロ観察(めっき/母材界面状況)を示す写真である。
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板における母材である鋼板の化学組成、溶融亜鉛めっき鋼板、およびその製造条件を上記のように限定する理由を説明する。
(A)合金化溶融亜鉛めっき
本発明は、以下に述べる易酸化性元素を多量に含有する高強度の溶融亜鉛めっき鋼板の化学組成と操業条件とを特定の範囲に限定することによって、めっき層および母材の界面の形態を制御することができ、これにより、耐パウダリング性の確保とめっきの表面性状の両立を図ることができる。
めっき層および母材の界面の理想的な形態は、めっき層および鋼板の界面からの亜鉛および亜鉛−鉄合金の侵入深さが10μm以下であることである。この亜鉛の侵入は、母材の結晶粒界の酸化が起こった後に溶融亜鉛めっきを形成する際に、亜鉛が侵入し、その後のGA化過程において、合金化が進行したものである。したがって、易酸化性元素を大量に含有する鋼板では、表面性状を確保するためには酸化を進めることは必須となるので、前述のように、結晶粒界の酸化は、その程度にかかわらず、起こり得る。
一方、本発明者らは、以前、このような粒界酸化が鋼材の穴広げ性の劣化に影響することを開示しているが、穴広げ性以外にも、摺動が加わった場合にめっき剥離を誘発する耐パウダリング性に対しても大きな影響を及ぼすという新たな事実を見出した。そこで、耐パウダリング性に対して、めっき層および母材の剥離の形状に着目した結果、結晶粒界に沿って侵入していく亜鉛の深さが非常に大きな影響を及ぼすことが判明した。すなわち、亜鉛の侵入深さが10μm超になると、母材の結晶粒界への亜鉛侵入による結晶粒界の脆化と、その後の合金化の進行に伴う、侵入亜鉛の鉄拡散による体積膨張により、さらに母材の結晶粒の脆化が進行し、これにより、加工時にめっき層および母材の界面の近傍における母材の結晶粒毎剥離し、著しく耐パウダリング性が劣化する。したがって、めっき層および鋼板の界面からの亜鉛および亜鉛−鉄合金の侵入深さは、10μm以下とし、好ましくは6μm以下とする。
また、めっきの目付量は60g/m以下であることが好ましい。目付量が60g/m超であると、所定の合金化度を確保するために加熱後のFe拡散量を多くする必要が生じ、めっき層および母材の界面に脆い鉄−亜鉛合金層(Γ相)の形成量が多くなる。また、GA化の温度を上げる必要が生じるために、さらに脆い鉄−亜鉛合金層(Γ層)が形成し、これにより、良好な耐パウダリング性の確保が困難になる。したがって、めっきの目付量は、60g/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは50g/m以下である。
めっきの合金化度は、同様に、7%以上16%以下であることが好ましい。合金化度が7%未満であると、部分的に表面まで合金化が完了しないGAムラが発生し、16%超であると、脆い鉄−亜鉛層の厚みが大きくなるために耐パウダリング性の確保が困難になる。
さらに、本発明の前提となる易酸化元素を多量に含有する鋼板では、めっき浴に浸漬するまでの工程において、易酸化元素が鋼板の表面に酸化物として不可避的に存在するが、その存在状態は、部分的に不安定であるので、均一な合金化度を確保することが非常に困難になる。表面の酸化物が部分的に安定しない理由は、熱間圧延時の圧延や巻取り時に生成する酸化物がその後の酸洗工程においても安定化しないし、その後の焼鈍時においても、酸化皮膜の生成が安定化しないことが原因である。この理由は、表層に形成される酸化物の組成がその雰囲気や温度によって大きく変動するためであると解される。本発明者らは、易酸化元素を大量に含有する高張力鋼板のGA皮膜を詳細に調査した結果、上述した亜鉛、および、亜鉛−鉄合金の侵入量が大きい部分では、合金化の進行が著しく速くなり、局部的に合金化度が上昇するため、また、このような亜鉛,亜鉛−鉄合金の侵入は、母材結晶粒に沿って進行するために結晶粒界が脆化し、加工に伴い、母材結晶粒ごと剥離を起こすために、著しく耐パウダリング性が低下することを見出した。したがって、上記の目付量および合金化度の範囲であっても、局部的に合金化度のバラツキを抑制しなければ、耐パウダリング性は安定しない。
本発明における好適なGA皮膜の合金化度のバラツキとして、50mm以上離れた任意の位置における10点以上の合金化度のバラツキを、その標準偏差で1.5%以下に抑制する。標準偏差が1.5%超であると、前述の通り、局部的に亜鉛の侵入深さが大きい部分が存在することにより、安定的な耐パウダリング性を確保できない。もちろん、合金化度のバラツキが大きいために、局部的にパウダリング不良を発生し易くなるとともに、合金化ムラが発生しやすくなることを防ぐ意味からも、この標準偏差を1.5%以下に抑制する。
(B)鋼片または母材鋼板の化学組成
[C:0.03〜0.20%]
Cは,高張力を得るのに有効であり、C含有量が0.03%未満であると必要な高張力を得られない。C含有量が0.20%を超えると靱性や溶接性が低下する。そこで、本発明では、C含有量は0.03%以上0.20%以下とする。
[Mn:0.03〜3.0%、Si:0.1〜2.5%]
Siは,鋼板を高強度化し、かつフェライトを強化し、組織を均一化するのに有効である。Mnは、変態強化を促進して高強度化を図るのに有効である。一方、Si、Mnは、鉄よりも易酸化元素であるので、焼鈍中に表面に濃化して酸化物を形成し易い。その後の溶融亜鉛めっき工程において、これらの易酸化元素が表面に酸化物として存在すると、溶融めっきがはじくという不めっきが生じ易くなるとともに、易酸化元素が鋼板表面に存在すると、溶融亜鉛めっきの形成後に直ちに加熱処理するGA化工程において、母材からの鉄拡散の障壁になるために、GA化が極めて困難になるとともに、そのような易酸化元素が表面に不均一に生成すると、部分的に合金化度のバラツキが大きくなり、合金化ムラの発生原因となる。さらに、そのような合金化ムラを解消するために、GA化を進めると、局部的に合金化度の高い部分が存在する結果、パウダリング性の不良を起こすことにもなる。以上の理由により、Mn含有量は0.03%以上3.0%以下、Si含有量は0.1%以上2.5%以下とする。これらの範囲は、SiやMnの表面濃化や酸化物の形成量が多くなり、通常の操業条件ではGA化処理が困難になるため、本発明における効果がより奏される範囲である。
[S:0.01%以下]
Sは、鋼中でMnSとなって曲げ性を劣化させる。そこで、S含有量は0.01%以下とする。
[P:0.1%以下]
Pは,靱性を劣化させる好ましくない元素である。そこで、P含有量は0.1%以下とする。
[sol.Al:1.0%以下]
Alは、本来、溶鋼の脱酸剤として含有されるものであるが、Alも酸化し易い元素であり、焼鈍時にSiやMnと同様に酸化物を生成し易いため、GA化処理工程において、表面性状を向上させるためには極力減らすことが好ましい。しかし、高強度鋼板においては、その機械的性質の確保のためのオーステナイトの安定化のために、積極的に含有する場合もあり、多量の含有が望まれる場合がある。
本発明では、Si、Mnと同様に、易酸化元素であるAlが多量に含有される高強度鋼板における安定したGA化処理を確保するとともに、良好なパウダリング性を確保するために、sol.Al含有量は1.0%以下とする。sol.Al含有量が1.0%超であると、Si、Mnを多量に含有する場合には本発明においても、安定したGA化処理性の確保が困難になるとともに、GA化処理温度を極端に上げる必要が生じるために、良好な耐パウダリング性の確保が困難になる。また、sol.Al含有量の下限は特に規定するものではなく、通常のAl脱酸レベルである0.010〜0.1%はもとより、Al以外の脱酸剤の使用、もしくは、その併用で、0.010%未満でも本発明の効果は十分に得られる。
[N:0.01%以下]
Nは、連続鋳造中に窒化物を形成してスラブのひび割れの原因となるので、N含有量は低い方が好ましい。従って、N含有量は0.01%以下とする。
[Bi:0.0001〜0.05%]
Biは,本発明において最も重要な元素である。本発明におけるBiの効果は充分に解明された訳ではないが、以下の機構によると考えられる。金属Biは、その融点が亜鉛よりも低いために、溶融亜鉛めっき中に溶解し易いものであり、また、鋼板に対する溶融亜鉛めっきの濡れ性を向上させるといわれている。本発明では、このような特性を有するBiを含有することにより、めっきの濡れ性の向上を図るだけではなく、焼鈍工程中に表面に濃化することによって、表層の濃化したBiがめっき浴中に溶解することにより、表層に存在する易酸化元素を剥がし落すことが可能になり、めっき浴に浸漬した時の鋼板の表面状態を均質化することができる。その結果、不めっきを防止できるとともに、GA化時の鉄拡散の障壁になる酸化物が消失し、均質なGA化が可能となるので、安定したパウダリング性を確保できる。
また、Biを含有する鋼板にGA皮膜を形成した後のめっき層および母材の界面状態を観察した結果、Bi含有により、GA皮膜形成後、結晶粒界に侵入する亜鉛、および、亜鉛−鉄合金の深さが減少する傾向が認められ、その結果、耐パウダリング性が向上する傾向が認められた。Biの表面濃化が生じる分、Si、Mn、Al等の易酸化元素の結晶粒界へ濃化、および酸化が抑制されるため、その後の結晶粒界への亜鉛,亜鉛−鉄合金層の侵入が減少するためと考えられる。
さらに、Biは、溶鋼の凝固界面に濃化してデンドライト間隔を狭くし、凝固偏析を小さくする作用を有する。その結果、偏析部での曲げ割れを防止する効果もある。従って、加工時に母材の割れが防止される結果、母材割れ部を起点としためっき剥離が抑制されるために、耐パウダリング性の向上が期待される。
Bi含有量が0.0001%未満であると、上述したBiの効果が不十分であり、また0.05%を超えて含有すると、結晶粒界に存在するBiの溶融による粒界脆化が起こるとともに、亜鉛浴の浸漬時に粒界から溶融したBiに沿って、亜鉛が侵入してくるので、逆に、耐パウダリング性が低下する。そこで、Bi含有量は0.0001%以上0.05%以下とする。Bi含有量は、好ましくは0.0003%以上0.01%であり、さらに好ましくは0.0003%以上0.0050%以下である。
次に、任意元素を説明する。
[Ti:0.25%以下、Nb:0.25%以下およびV:0.25%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上]
Ti、Nb、Vは、再結晶を遅らせて結晶粒を微細化させるので、必要に応じて含有する任意元素である。しかし、この効果は、Ti含有量が0.25%を超え、Nb含有量が0.25%を超え、V含有量が0.25%を超えると、飽和してコスト的に不利となる。そのため、Ti含有量は0.25%以下、Nb含有量は0.25%以下、V含有量は0.25%以下とする。例えば、980MPa以上の引張強度をより安定的に確保するためには、Ti、Nb、Vの何れかの元素の含有量は0.003%以上であることが好ましい。
[Cr:1%以下およびMo:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種]
Cr及びMoは、何れもMnと同様にオ−ステナイトを安定化することで変態強化を促進する働きがあり、鋼板の高強度化に有効であるので、必要に応じて含有する任意元素である。しかし、Cr、Moも易酸化元素であるので、多量の含有は好ましくない。Cr含有量が1%を超え、Mo含有量が1%を超えると、加工性が低下するとともに、安定した耐パウダリング性および表面性状を確保することが困難となる。そこで、Cr含有量は1%以下、Mo含有量は1%以下とする。
[Cu:1%以下およびNi:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種]
Cu及びNiは、腐食抑制効果があり、表面に濃化して水素の侵入を抑え、遅れ破壊を抑制する働きがあるので、必要に応じて含有する任意元素である。しかし、何れもその含有量が1%を超えるとこの効果は飽和しコスト的に不利となる。そこで、Cu含有量もNi含有量も1%以である。
[Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上]
Ca、Mg、REM、Zrは、いずれも、介在物制御、特に、介在物の微細分散化に寄与し、曲げ性をさらに向上させるため、必要性に応じて含有する任意元素である。しかし、過剰に含有すると表面性状を劣化させるため、それぞれの含有量は0.01%以下とする。上記効果をより確実に得るためには、いずれかの元素の含有量は好ましくは0.001%以上である。
[B:0.01%以下]
Bは、粒界からの核生成を抑え、焼き入れ性を高めて高強度化に寄与するので、必要に応じて含有する任意元素である。B含有量が0.01%越であると効果が飽和するので、B含有量は0.01%以下である。この効果をより確実に得るためには、B含有量は好ましくは0.0005%以上である。
[Sb:0.05%以下およびSn:0.05%以下の1種または2種]
Sb、Snは、溶融亜鉛浴中に溶け出すことが期待できるので、Biと同様の効果が期待される任意元素である。ただし、Biと同様に、素地鋼板中への偏析による粒界脆化が懸念されるので、それぞれの含有量は0.05%以下である。Sb、Snは、複合して含有する場合には、Sb、SnおよびBiの合計含有量が0.05%超にならないようにすることが好ましい。
上記以外の残部は、Feおよび不純物である。
本発明は、耐パウダリング性とGA化処理性の安定化による表面性状の向上を目的とするので、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に限定したが、表面性状の確保と言う意味では、純亜鉛浴で皮膜を形成する溶融亜鉛めっき鋼板、あるいは、Alを55%含有する浴で皮膜を形成する亜鉛−アルミ合金化溶融亜鉛めっき鋼板等の、他の溶融亜鉛系めっき鋼板においても、本発明は充分に適用される。また、めっき層は鋼板の両面に施されていてもよいし、片面に施されていてもよい。
(C)製造条件
本発明において、好適なGA皮膜構造を確保するための溶融亜鉛めっきラインの操業条件を説明する。
上述した化学組成を有する鋼板に、焼鈍、溶融亜鉛めっきおよび合金化処理を連続して行うことによって高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。
溶融亜鉛めっきラインは、焼鈍後、めっき浴に浸漬し、GA炉で直ちに合金化処理を行うことで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するが、本発明における上述した好適なGA皮膜を確保する上において重要なのは、焼鈍炉内の雰囲気の制御と、GA化の温度である。具体的には、焼鈍において再結晶温度まで加熱する際に、少なくとも650℃〜再結晶温度までの焼鈍炉内の露点が−25〜0℃で再結晶温度まで焼鈍する。
焼鈍雰囲気は、鋼板を加熱し、焼鈍する際に、少なくとも650℃から再結晶温度までの加熱時の焼鈍露点を−25℃以上0℃以下にする。焼鈍炉内の露点をこの温度域とすることにより、易酸化元素を多量に含有し、かつ、Biを含有した鋼板において、亜鉛の母材粒界へ侵入を防止し、安定したGA化処理が確保できる。
このように焼鈍炉内の雰囲気を制御することによって、亜鉛の侵入を防止し、安定したGA化処理が確保できる理由は、以下の通りと考えられる。表層に濃化してきた易酸化元素酸化物が、軟化し表面に排出される結果、これらの酸化物が膜状に形成され、その下層の清浄性が高まるとともに、それ以降の粒界酸化が抑制され、亜鉛の侵入起点となる粒界酸化の進行が抑制される。その際に、Bi含有鋼においては、前述のように、これらの表層に形成した膜状の酸化物が、溶融亜鉛めっき浴中に浸漬した際に、Bi濃化層の溶解とともに、膜状の酸化物が剥離する結果、鋼板表面は清浄性の高い状態になり、その後の合金化が均一に進行するためである。
一方、この温度域未満では、易酸化元素の酸化は起こるものの、酸化物の軟化は発生せす、鋼板表面に膜状の酸化物として存在せず、結晶粒界への酸化が進行するために、亜鉛の侵入量も増大するとともに、Bi濃化層の鋼板表面溶解が生じた後にも、結晶粒界を起点として酸化物が残存するために、GA化処理が低下し、合金化ムラが発生し易くなるともに、鋼板内の合金化度のバラツキが大きくなる。
また、この温度超では、膜状酸化物の形成は起こるので、本発明の効果は維持できるが、過度の表面酸化が粒界酸化を促進させるので、好ましくなく、また、露点の上昇は、酸化物の形成を促進させる結果、焼鈍炉内のハースロール等のロールに酸化物が擬着し、ロール疵等の押込み欠陥による表面性状の低下を招く。したがって、機械的性質が確保できる再結晶温度までの温度域の露点を高めればよい。
めっきの目付量は、上述した理由により、60g/m以下であることが好ましい。
次に、このような焼鈍条件で、溶融亜鉛めっき皮膜を形成した後に行われるGA化であるが、本発明の目付量および合金化度を確保できる際のGA化温度は650℃以下であることが望ましい。この理由は、650℃超では硬質のΓ相が厚く形成され、耐パウダリング性が劣化するためである。そのGA化の下限温度としては、本発明の合金化度が確保できる範囲内であれば、特に規定しないが、例えば残留オーステナイト鋼では、その合金化溶融亜鉛めっき化する際に、GA温度が高いとオーステナイトが分解するために延性が低下するという問題もあり、高強度鋼板の機械的性質を確保する上でもGA化温度は低い程好ましい。
なお、多量の易酸化元素を含有した高張力鋼板においては、本来、GA化が起こりにくく、必然的にGA化温度を上げる必要があるが、本発明では、Bi含有と焼鈍露点の適正化により、亜鉛浴浸漬時に鋼板表面の清浄性が安定的に確保できる結果、GA化の温度を低下することができるために、より安定して、良好な耐パウダリング性が確保できるという利点もある。
本発明における、上述した以外の好ましい製造条件は、特に規定するものではないが、本発明の骨子である著しい結晶粒界への亜鉛の侵入を抑制するという観点からは、熱間圧延時の粒界酸化も懸念されるので、熱間圧延後の巻取り温度は650℃以下であることが好ましい。巻取り温度が650℃超であると、コイルに巻き取った後に、熱間圧延の段階での母材結晶粒界への粒界酸化が進行し、酸洗後、あるいは、その後の冷間圧延後も、この粒界酸化部が残存し、亜鉛の侵入起点となるためである。
このようにして、本発明により、従来の技術では製造することが困難であった、極めて優れた耐パウダリング性と、不めっきやGAムラのない優れた表面性状と、めっき密着性とを有する高強度の高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することが可能になる。
実施例を参照しながら、本発明におけるBi含有の効果を、その製造方法と併せて説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼を実験炉で溶製し、厚みが40mmのスラブを作製した。
次に、このスラブに表2に示す条件で熱間圧延を行って、その後この熱延鋼板を酸洗し、さらに50%の圧延率で冷間圧延を行い、板厚が1.2mmの冷延鋼板とした。熱間圧延の巻取り温度は、その温度の炉に30分間以上装入し、20℃/時にて300℃以下まで炉冷シミュレーションすることにより、設定した。
得られた冷延鋼板から溶融めっきシミュレーターに供するための試験材(幅:220mm×長さ:120mm)を採取し、連続溶融亜鉛めっき設備におけるヒートパターンに相当する焼鈍、めっきおよび合金化処理を行った。具体的には、表3に示す条件で焼鈍後、460℃まで冷却し、溶融した亜鉛浴に浸漬してめっきを行い、その後、塩浴にて550℃に所定時間浸漬することにより合金化処理を行った。
その際、焼鈍露点の影響を確認するために、この実施例におけるラボめっきサンプル作製方法の一例を示す説明図である図1にグラフで示すように、予め、露点=−60℃のN−10体積%Hガスで炉内をパージし、焼温開始とともに、所定の高露点ガスに切り替え、板温が650℃に達した時に、炉内の露点が所定の高露点ガスでパージされるようにした。その後、板温が再結晶温度以上として860℃に達した時点で、初期の低露点ガスに切替え、めっき浴に浸漬する板温が460℃までには、炉内の露点が−60℃に達したことを確認の上、溶融亜鉛めっき浴(浴Al濃度=0.10%)に浸漬し、片面当たり40〜90g/mになるように、亜鉛目付量を調整した後、そのまま冷却した。
このようにして得られた溶融亜鉛めっき板について、その表面性状を確認のため、目視で不めっきの発生有無を確認の上、その後、500℃の塩浴中に30秒間浸漬し、合金化処理を行った後、皮膜のパウダリング性、めっき/母材界面状況、板内での目付量および合金化度バラツキを測定した。
本実施例における合金化溶融亜鉛めっき鋼板の評価方法を説明する。
[めっき外観評価方法]
めっき外観は、不めっきの状態を溶融亜鉛めっき鋼板の段階での目視評価により評価した。具体的には、全く不めっきの発生していないものを評価‘○’,最大径で、0.5mm以下の不めっきが発生している場合を評価‘△’,最大径で0.5mm以上の不めっきが板内で1か所でも存在している場合を評価‘×’として、評点が△以上を合格とした。溶融亜鉛めっき鋼板の状態での不めっきの面積を最大径で0.5mm以上を不合格としたのは、0.5mm未満であれば、GA後は、実質不めっきが目視上で認識できないとともに、亜鉛の犠牲防食距離から判断して、著しく防錆性が低下しないためである。
[パウダリング性評価方法]
本発明においては、より厳しいパウダリング性の評価方法として、従来の圧縮変形に伴う素地鋼板の変形に、合金化溶融亜鉛めっき皮膜が追随できないために発生するいわゆる曲げ曲げ戻しによるめっき皮膜の剥離でのパウダリングではなく、実際の加工を考慮した円筒深絞り成形によるめっき皮膜の剥離をパウダリング性として評価した。すなわち、実際の加工では、めっき皮膜は、圧縮変形とともに、金型との接触に伴う摺動を受けることから、従来の圧縮変形のみのパウダリング性では不十分であり、摺動によるめっき剥離も考慮する必要性がある。特に、本発明における対象鋼種となる高張力鋼では、素材の強度が高いために加工時に受ける面圧も高くなり、これにより摺動抵抗も高いので、摺動によるめっき剥離の発生がより問題となる。
図2に示す条件(円筒絞り条件ブランク直径:90mm、絞り高さ:30mm、潤滑油:一般防錆油(Nox−Rust550HN;パーカー興産))により深絞り成形を行い、その側壁部にテープを貼付してから剥離し、この剥離の前後の重量差より、耐パウダリング性を評価した。評価基準は下記の通り定めた。
×:パウダリング剥離量>100mg/P(不合格)
△:パウダリング剥離量=50〜100mg/P(合格)
○:パウダリング剥離量<50mg/P(合格)
自動車向けの合金化溶融亜鉛めっき鋼板のうち、実績のある内装用途での軟鋼ベースでは、パウダリング性不良が発生する場合があるのは、この評価で100mg/P超であるので、合格は100mg/P以下とし、より好ましくは50mg/P未満とした。
[めっき/母材界面状態]
本発明における良好なパウダリング性,めっき密着性が発現するために、めっき層および母材の界面状態を制御する。詳しくは、母材中に侵入する合金化溶融亜鉛めっき皮膜の侵入深さを10μm以下とするが、この評価方法を説明する。
上述したようにして作成した合金化溶融亜鉛めっき鋼板のサンプル(有効面積100mm×150mm)を、50mm×50mmの大きさに6分割し、その小片の任意の箇所(6か所)を採取し、その断面観察から、素地鋼板に侵入する合金化溶融亜鉛めっき皮膜の深さをミクロ観察により測定した。その際のミクロ観察時の測定倍率は500倍であり、1視野あたりの長さは200μmであり、その中で最大の侵入深さを1視野での代表値とし、5か所の平均値で評価した。
この際のミクロ観察の方法は、めっき皮膜を、インヒビターを添加した塩酸液でめっき皮膜のみを溶解し、その後、ノーエッチで表面状態を光学顕微鏡で測定する方法、もしくは、EPMAによりZnのマッピング像から、母材への侵入深さを直接観察する方法のいずれでもよいが、その観察倍率としては、1000倍以下で判断した。
観察倍率を1000倍以下としたのは、亜鉛、もしくは亜鉛合金は、おもに母材の結晶粒界に沿って母材へ侵入していくが、観察倍率が1000倍以下であれば、亜鉛の侵入の痕跡が明確化できるとともに、そのような比較的低倍率でも明確にできるほどの亜鉛の侵入が存在していると、母材結晶粒界が脆化しており、加工時にそこを起点に割れが生じていくために、耐パウダリング性の低下起点になるため、耐パウダリング性の良否が予想し易いためである。
図3は、Bi含有鋼(表3におけるサンプルNo.4;本発明例)のめっき溶解後の光学顕微鏡での断面ミクロ観察(めっき/母材界面状況)を示す写真であり、図4は、Bi非含有鋼(表3におけるサンプルNo.13;比較例)のめっき溶解後の光学顕微鏡での断面ミクロ観察(めっき/母材界面状況)を示す写真である。
[付着量、合金化度バラツキ]
本発明では、このような亜鉛の侵入状態をよりマクロ的に発現する可能性としては、合金化度のバラツキとして現れてくる。すなわち、局部的な合金化の進行または遅延が、めっき/母材界面の不連続性として現れてくるためである。
そこで、本実施例での同一めっき条件のラボサンプル3枚を準備し、これらを有効面積100mm×150mmに切断した後、さらに、50mm×50mmの小片に切断(6枚/Pで、合計18枚)し、インヒビターを添加した10%塩酸液によりめっき皮膜のみを溶解し、溶解液を原子吸光法により、Zn量、Fe量およびAl量を測定し、片面当たりの目付量と合金化度を算出した。その際、各サンプルでの目付量、合金化度は、この18枚の平均値を代表目付量、合金化度として表記するとともに、その際の合金化度のバラツキの標準偏差を求めた。めっき条件とその評価結果を表3に列記する。
表3に示すように、Bi含有鋼では、No.1〜6に示すように、再結晶までの焼鈍露点が高くなると、同一合金化条件でも素地鋼板への亜鉛合金めっきの侵入量が大きくなるが、めっき外観と耐パウダリング性を両立するためには、その露点が、−25℃以上0℃以下の間で両立可能であり、その際のめっき侵入深さとしては、8μm以下であることが判る。また、耐パウダリング性を確保する上でのめっき侵入深さとしては、No.8に示すように、10μm以下であることが必要である。より好ましい耐パウダリング性を得るためには、No.7に示すように6μm以下が必要であることが判る。また、No.16に示すように、再結晶完了後も高露点焼鈍を続けると、めっき外観とともに耐パウダリング性も低下することから、露点を高めることは再結晶温度までであることが重要であることも判る。
一方、No.8、9に示すように、GA温度は650℃以下であることが判る。No.9、10に示すように、代表目付量が60g/m以上、合金化度が16%以上になると、耐パウダリング性の確保が困難になることが判る。
また、Biを含有しない鋼板を同一条件でめっきすると、例えば、No.4、5とNo.13、14との比較より、素地鋼板へのめっきの侵入が、Biを含有しない鋼板の方が大きくなり、耐パウダリング性の確保が困難であることが判る。特に、高露点での焼鈍により、著しくめっきの侵入量が大きくなり、安定したパウダリング性の確保が困難であることが判る。
また、合金化度の標準偏差では、例えば、No.1、2に示すように、不めっきが発生するような条件下においては、標準偏差が高く、一方、No.8、9に示すように、標準偏差が1.5%を超えると、不めっきが発生しない条件下でもめっきの侵入量が大きくなり、耐パウダリング性の劣化が生じることが判る。
さらに、No.11、16に示すように、熱間圧延の巻取り温度が高いと、同一めっき条件でもめっきの侵入量が大きくなる。これは、熱間圧延時の巻取り段階での酸化物の形成が顕著になり、その後の酸洗でこの酸化物が溶解し、その後の冷間圧延段階において予め、かさぶた状になっている上に、焼鈍時の粒界酸化物の形成が加わるため結果、亜鉛浴に侵入時に、著しくめっきが素地鋼板に侵入するためであり、良好な耐パウダリング性の確保が期待できないことが判る。
次に、本発明における素地鋼板の化学組成の影響を、実施例を用いて説明する。
表4に示す化学組成を有する鋼を実験炉で溶製し、厚みが40mmのスラブを作製した。さらに、表4に示す条件で熱間圧延を施し、その後酸洗を施し、さらに冷間圧延を施すことによって、板厚が1.2mmの冷延鋼板とした。
熱間圧延の巻取り温度は、その温度の炉に30分間以上装入し、20℃/時にて300℃以下まで炉冷シミュレーションとした。
得られた冷延鋼板から溶融めっきシミュレーターに供するための試験材(幅:220mm×長手:120mmL)を採取し、連続溶融亜鉛めっき設備におけるヒートパターンに相当する焼鈍、めっきおよび合金化処理を行った。その際の焼鈍、めっき条件は、図1に示すように、焼鈍温度は860℃とし、その保持時間を60秒間とし、その後、460℃まで冷却し、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して、目付量を50g/mを目標として溶融亜鉛めっき鋼板を作成し、表面外観の観察を行った。なお、焼鈍中の雰囲気は、板温が650℃の時点で高露点ガス(露点=−10℃)に切替え、再結晶温度(=860℃)の時点で、低露点ガス(−60℃)に切替えた。
次に、作成した溶融亜鉛めっき鋼板を500〜630℃の塩浴に30秒間浸漬し、合金化処理を実施した後、直ちに急冷し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作成した。
そのサンプルを、実施例1と同様に、耐パウダリング性評価、めっきおよび母材の界面観察、目付量測定および合金化度バラツキを行った。なお、合否判定基準も、実施例1と同様である。
合金化条件およびその調査結果を表5に示す。
本発明における素地鋼板中の最重要成分は、易酸化性元素であるSi、Alと界面制御効果あるBiであるので、それらの元素の関係を説明する。
No.1〜6に示すように、Bi含有の有無にかかわらず、鋼中Si含有量が0.10%未満であれば、本発明のような高露点焼鈍を実施すると、合金化処理性が進みすぎて、良好な耐パウダリング性を確保することが困難であることが判る。No.15に示すように、鋼中sol.Al含有量が1.0%超であると、高露点の焼鈍でも、良好なめっき外観を確保することが困難であるとともに、耐パウダリング性の確保もできない。一方、Bi含有の有無の効果は、例えば、No.30、31、あるいはNo.18、19、さらにはNo.20、21に示すように、Bi含有により、めっきの素地鋼板への侵入が抑制され、耐パウダリング性が確保できることが判る。
かかる結果から、表面性状の確保、GA処理性の困難な鋼中Si含有量が0.10%以上で、sol.Al含有量が1.0%以下であれば、再結晶温度域まで高露点での焼鈍を実施し、その後の露点を低下させることで、安定した表面性状が得られるとともに、優れた耐パウダリング性の確保が可能である。

Claims (10)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.20%、Mn:0.03〜3.0%、Si:0.1〜2.5%、S:0.01%以下、P:0.1%以下、sol.Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Bi:0.0001〜0.05%、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する鋼板に合金化溶融亜鉛めっき皮膜を形成した合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、めっき層と母材との界面から、鋼板側の深さ方向に亜鉛および亜鉛−Fe合金の侵入深さが10μm以下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記鋼板が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.25%以下、Nb:0.25%以下およびV:0.25%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有する請求項1に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記鋼板が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1%以下およびMo:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種を含有する請求項1または請求項2に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 前記鋼板が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1%以下およびNi:1%以下からなる群から選ばれた1種または2種を含有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 前記鋼板が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  6. 前記鋼板が、前記Feの一部に代えて、B:0.01質量%以下を含有する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  7. 前記鋼板が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Sb:0.05%以下およびSn:0.05%以下の1種または2種を含有する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  8. 前記合金化溶融めっき鋼板は、めっき目付量が60g/m以下であり、めっき層の合金化度が7〜16質量%であり、かつめっき層における任意の50mm以上離れた位置における合金化度のばらつきが、10点以上の標準偏差で1.5%以下であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  9. 質量%で、C:0.03〜0.20%、Mn:0.03〜3.0%、Si:0.1〜2.5%、S:0.01%以下、P:0.1%以下、sol.Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Bi:0.0001〜0.05%を含有する鋼板に、焼鈍、溶融亜鉛めっきおよび合金化処理を連続して行うことによって合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、前記焼鈍において再結晶温度まで加熱する際に、少なくとも650℃〜再結晶温度までの焼鈍炉内の露点が−25〜0℃で再結晶温度まで焼鈍することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  10. 前記再結晶温度まで焼鈍した後、目付量を60g/m以下の溶融亜鉛めっき層を設け、直ちにGA炉で加熱して合金化皮膜を形成するにあたって、その合金化処理温度を650℃以下とすることを特徴とする請求項9に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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