JP2011151904A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定常状態時であっても蓄電素子の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキを低減できる蓄電装置の提供。
【解決手段】複数の蓄電素子11の両端にそれぞれ接続された電圧検出回路19とバランス回路21と、電圧検出回路19とバランス回路21に接続された制御回路27とを備え、制御回路27は、各蓄電素子11の両端電圧Viから平均電圧Va、バラツキE、最大電圧Vmaxおよび最小電圧Vminを求め、各両端電圧Viに対する3つの電圧準拠重み付け相関関係KVmax、KVa、KVminから電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧Vbvを求め、各両端電圧Viが電圧準拠目標電圧Vbvになるようにバランス回路21を制御するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、直列接続された複数の蓄電素子に電力を蓄える蓄電装置に関するものである。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車等の省燃費車両(以下、車両という)が開発されている。これらの車両は駆動の一部、または全部をモータにより行うため、その分の排気ガスを低減でき地球環境保護にも貢献する。
このような車両は、前記モータにより車両駆動を行うために、二次電池等の蓄電素子を複数個直列に接続した蓄電装置を有している。この蓄電装置は、複数の蓄電素子の製造バラツキや容量バラツキに起因して、使用過程において各蓄電素子の両端電圧バラツキが発生する。その結果、特定の蓄電素子に対して過充電や過放電がなされる可能性がある。
そこで、前記両端電圧バラツキを低減するために、各蓄電素子の両端にバイパス回路を備えた充電装置が、例えば特許文献1に提案されている。図11はこの充電装置のブロック回路図である。
組電池101は蓄電素子である複数の各電池101a〜101nが直列に接続された構成を有する。各電池101a〜101nには、それぞれ抵抗102a〜102nとトランジスタ103a〜103nの直列回路で構成されるバイパス回路が並列に接続されている。さらに、各電池101a〜101nには、それぞれ各電池101a〜101nの端子電圧を検出する電圧センサ104a〜104nが並列に接続されている。トランジスタ103a〜103nと電圧センサ104a〜104nはそれぞれ制御装置105に接続されている。また、組電池101は充電回路107によって充電が行われる。
次に、このような充電装置の動作を説明する。まず、充電回路107によって組電池101が充電されている時に制御装置105は電圧センサ104a〜104nから各電池101a〜101nの電圧を検出する。次に、前記電圧の最小電圧を求め、各電池101a〜101nの電圧との差を求める。この差が所定値以上であれば、その電池のトランジスタをオンにすることで前記バイパス回路をオンにする。その結果、電圧の高い電池への充電が前記バイパス回路により抑制される。また、前記差が所定値以下であれば、その電池の前記バイパス回路をオフにする。その結果、電圧の低い電池への充電が重点的に行われる。これらより、全体の電圧バラツキを低減することができる。
特許第3279071号公報
上記の充電装置によると、バイパス回路のオンオフにより確かに電圧バラツキが低減されるのであるが、各電池101a〜101nの電圧の内、最小電圧との差から前記バイパス回路のオンオフを制御している。従って、このようなバイパス回路を利用して、充電時ではなく定常状態時(例えば満充電時など充放電を行っていない時)に電圧バラツキを抑制するために前記バイパス回路のオンオフ制御を繰り返すと、前記最小電圧に合わせるように動作するので、電圧バラツキは低減されるものの各電池101a〜101nの電圧が低くなり、自己放電により前記最小電圧が経時的に低下すると過放電に至る可能性があるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、定常状態時であっても蓄電素子の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキを低減できる蓄電装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄電装置は、直列接続された複数の蓄電素子と、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子のそれぞれの両端電圧(Vi、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する電圧検出回路と、前記蓄電素子のそれぞれと電気的に接続され、前記両端電圧(Vi)を調整するバランス回路と、前記電圧検出回路と前記バランス回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記両端電圧(Vi)から平均電圧(Va)、最大電圧(Vmax)および最小電圧(Vmin)を求め、前記各両端電圧(Vi)または前記平均電圧(Va)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係を用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧(Vbv)を求め、前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)が前記電圧準拠目標電圧(Vbv)になるように前記バランス回路を制御するようにしたものである。
また、本発明の蓄電装置は、直列接続された複数の蓄電素子と、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子のそれぞれの両端電圧(Vi、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する電圧検出回路と、前記蓄電素子のそれぞれと電気的に接続され、前記両端電圧(Vi)を調整するバランス回路と、前記電圧検出回路と前記バランス回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記両端電圧(Vi)から平均電圧(Va)、バラツキ(E)、最大電圧(Vmax)および最小電圧(Vmin)を求め、前記バラツキ(E)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係を用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧(Vbe)を求め、前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)が前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)になるように前記バランス回路を制御するようにしたものである。
また、本発明の蓄電装置は、直列接続された複数の蓄電素子と、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子のそれぞれの両端電圧(Vi、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する電圧検出回路と、前記蓄電素子のそれぞれと電気的に接続され、前記両端電圧(Vi)を調整するバランス回路と、前記電圧検出回路と前記バランス回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記両端電圧(Vi)から平均電圧(Va)、バラツキ(E)、最大電圧(Vmax)および最小電圧(Vmin)を求め、前記各両端電圧(Vi)または前記平均電圧(Va)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係を用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧(Vbv)を求めるとともに、前記バラツキ(E)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係を用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧(Vbe)を求め、前記電圧準拠目標電圧(Vbv)と前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)から最終目標電圧(Vb)を求め、前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)が前記最終目標電圧(Vb)になるように前記バランス回路を制御するようにしたものである。
本発明によれば、両端電圧(Vi)を調整する際の目標となる電圧、すなわち電圧準拠目標電圧(Vbv)、バラツキ準拠目標電圧(Vbe)、または最終目標電圧(Vb)を決定するために、最小電圧(Vmin)に限らず最大電圧(Vmax)や平均電圧(Va)の重み付けによる寄与度を加味しているので、前記寄与度によっては前記目標となる電圧が最小電圧(Vmin)より高くなるよう決定される場合がある。ゆえに、最小電圧(Vmin)側に合わせる従来の制御と比較して、定常状態時であっても蓄電素子の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキを低減できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1における蓄電装置のブロック回路図 本発明の実施の形態1における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係図、(c)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態1における蓄電装置のバラツキEに対する各種バラツキ準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係図、(b)は平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係図、(c)は最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態1における蓄電装置のバランス動作を行うフローチャート 本発明の実施の形態4における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態5における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態6における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態7における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態8における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図 本発明の実施の形態9における蓄電装置のバランス動作を行うフローチャート 従来の充電装置のブロック回路図
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における蓄電装置のブロック回路図である。図2は本発明の実施の形態1における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係図、(c)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。図3は本発明の実施の形態1における蓄電装置のバラツキEに対する各種バラツキ準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係図、(b)は平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係図、(c)は最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。図4は、本発明の実施の形態1における蓄電装置のバランス動作を行うフローチャートである。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線を、それぞれ示す。また、図2において横軸は両端電圧を、縦軸は電圧重み係数を、それぞれ示す。また、図3において横軸はバラツキの絶対値を、縦軸はバラツキ重み係数を、それぞれ示す。
図1において、蓄電素子11は複数個が直列に接続されている。ここで、蓄電素子11には電気化学キャパシタを用いている。前記電気化学キャパシタは正常に充放電するための電圧範囲が決まっており、本実施の形態1では下限電圧が2V、上限電圧が4Vの電気化学キャパシタを用いた。従って、蓄電素子11の両端電圧Vi(i=1〜n、nは蓄電素子11の直列個数)は2Vから4Vまでの範囲となるように充放電を行う必要がある。なお、図1の構成では蓄電素子11がn個直列に接続されているが、これは直並列接続構成としてもよい。この場合は回路構成上、並列接続された蓄電素子11が1個の蓄電素子11と等価であるので、前記直並列接続構成であっても後述する動作は同じである。
各蓄電素子11には、その温度Ti(i=1〜n、nは蓄電素子11の直列個数)を検出する複数の温度センサ12が設けられている。ここで、温度センサ12としては温度Tiに対する感度が高いサーミスタを用いた。これらの温度センサ12はそれぞれ蓄電素子11の表面に貼付されている。これにより、各蓄電素子11の温度Tiをより速く正確に検出できる。なお、温度センサ12は蓄電素子11の表面に貼付する構成に限らず、蓄電素子11の近傍に配する構成や蓄電素子11の中に内蔵する構成でもよい。さらに、温度センサ12としては前記サーミスタに限らず、熱電対や白金測温体、焦電センサなど温度Tiを電気信号に変換できるものであればよい。
直列接続された複数の蓄電素子11の全体に対し、電流検出回路13が直列に接続されている。これにより、蓄電素子11の充放電に伴う電流Iを検出することができる。本実施の形態1では電流検出回路13としてシャント抵抗器と差動増幅回路(いずれも図示せず)の組み合わせからなる構成のものを用いたが、これに限定されるものではなく、ホール素子等による磁気的検出構成のものを用いてもよい。
複数の蓄電素子11と電流検出回路13からなる電力系の直列回路の両端には、正極端子15と負極端子17が接続されている。これらの端子は充放電回路を介して車両の発電機、モータ、電装品等(いずれも図示せず)に電気的に接続される。これにより、例えば前記発電機が回生電力を発生した時には、前記充放電回路により前記回生電力を蓄電素子11に充電し、蓄えた前記回生電力を前記モータや電装品に放電する動作を繰り返すことで、前記車両の省燃費化が図れる。
蓄電素子11の両端には、それぞれ電圧検出回路19が電気的に並列接続されている。これにより、各蓄電素子11の両端電圧Viが検出される。なお、電圧検出回路19は、蓄電素子11の両端にそれぞれ設ける構成に限定されるものではなく、各蓄電素子11の両端にスイッチ(図示せず)を設け、前記スイッチの切替により1つの電圧検出回路19で両端電圧Viを順次検出するようにしてもよい。さらに、蓄電素子11に高電圧が印加される場合は前記スイッチと電圧検出回路19の間にフライングキャパシタ(図示せず)を設ける構成としてもよい。
また、各蓄電素子11には、それぞれバランス回路21が電気的に並列接続されている。バランス回路21は図11で説明したバイパス回路と同等の構成を有する。すなわち、バランス回路21は抵抗器23とスイッチ素子25の直列回路からなる。従って、スイッチ素子25をオンにすると、そのスイッチ素子25を有するバランス回路21と並列接続された蓄電素子11から抵抗器23に電流が流れ、両端電圧Viを下げる方向に調整することができる。これにより、各蓄電素子11の両端電圧Viにおけるバラツキを低減することが可能となる。なお、スイッチ素子25には外部からオンオフ制御が可能な電界効果トランジスタ(FET)を用いている。また、バランス回路21の構成は抵抗器23とスイッチ素子25の直列回路構成に限定されるものではなく、インダクタやトランス(いずれも図示せず)、あるいは前記フライングキャパシタを用いて蓄電素子11の電力転送を行うことで両端電圧Viを調整する構成としてもよい。
温度センサ12、電流検出回路13、電圧検出回路19およびスイッチ素子25は、それぞれ信号系配線で制御回路27と電気的に接続されている。これにより、制御回路27は温度センサ12から温度Ti(T1〜Tn)を、電流検出回路13から電流Iを、電圧検出回路19から両端電圧Vi(V1〜Vn)を、それぞれ読み込む。また、スイッチ素子25に対してオンオフ信号SWi(i=1〜n、nは蓄電素子11の直列個数)を出力することによりオンオフ制御を行う。これにより、バランス回路21の制御を行っている。さらに、制御回路27は前記車両側の外部制御回路(図示せず)とも信号系配線で接続されており、データ信号dataを送受信することで様々な情報のやり取りを行う。なお、制御回路27はマイクロコンピュータとメモリ等の周辺回路で構成されている。
次に、このような蓄電装置の動作について説明する。
前記蓄電装置の基本的な動作は、上述した通り前記回生電力の充電や、前記モータや電装品への放電を繰り返す動作を行うが、その過程で各蓄電素子11の両端電圧Viにバラツキが発生する。そこで、前記バラツキを低減するための特徴となる動作について、まず図2、図3より具体的数値を用いて原理的な説明を以下に行う。なお、ここで用いる具体的数値は一例であり、それに限定されるものではない。
最初に具体的数値を次のように定義する。任意の時刻におけるn個の各両端電圧ViはバラツキEを有するため、各両端電圧Viにおける最大電圧Vmax、最小電圧Vminおよび平均電圧Vaが存在する。ここでは、平均電圧Vaが3.8V、バラツキEが0.12V、最大電圧Vmaxが3.92V(=3.8V+0.12V)、最小電圧Vminが3.68V(=3.8V−0.12V)とする。なお、上記定義より明らかなように、本実施の形態1ではバラツキEが最大電圧Vmaxと最小電圧Vminとの差を2で除した値となる。従って、バラツキEは、E=(Vmax−Vmin)/2より求められる。
次に、最大電圧Vmax、最小電圧Vminおよび平均電圧Vaから図2(a)〜(c)に示した電圧準拠重み付け相関関係を用いて、ある両端電圧Viにおける電圧準拠目標電圧Vbvを求める。なお、図2(a)〜(c)は両端電圧Viに対して後述する電圧重み係数を求める相関関係であるので、これらの相関関係を電圧準拠重み付け相関関係と呼び、それに基いて得られる両端電圧Viの調整目標電圧を電圧準拠目標電圧Vbvと呼ぶ。
ここで、図2(a)〜(c)の詳細について説明する。図2(a)〜(c)の横軸は両端電圧Viを、縦軸は電圧重み係数を、それぞれ示す。図2(a)〜(c)中の太実線が電圧準拠重み付け相関関係に相当し、合計3つの相関関係からなる。まず、図2(a)の太実線が最大電圧Vmaxにおける両端電圧Viと電圧重み係数との電圧準拠重み付け相関関係(以下、最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxという)である。なお、最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxにおいて、両端電圧Viが2V以下では電圧重み係数が1、両端電圧Viが2Vから3Vまでは両端電圧Viの増加とともに電圧重み係数が直線的に小さくなり、両端電圧Viが3V以上では電圧重み係数は0となる。
次に、図2(b)の太実線が平均電圧Vaにおける両端電圧Viと電圧重み係数との電圧準拠重み付け相関関係(以下、平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaという)である。なお、平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaにおいて、両端電圧Viが2V以下または4V以上であれば電圧重み係数が0、両端電圧Viが2Vから3Vまでは両端電圧Viの増加とともに電圧重み係数が直線的に大きくなり、両端電圧Viが3Vで電圧重み係数が1となる。また、両端電圧Viが3Vから4Vまでは両端電圧Viの増加とともに電圧重み係数が直線的に小さくなる。
次に、図2(c)の太実線が最小電圧Vminにおける両端電圧Viと電圧重み係数との電圧準拠重み付け相関関係(以下、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminという)である。なお、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminにおいて、両端電圧Viが3V以下では電圧重み係数は0、両端電圧Viが3Vから4Vまでは両端電圧Viの増加とともに電圧重み係数が直線的に大きくなり、両端電圧Viが4V以上では電圧重み係数が1となる。
なお、図2(a)〜(c)で両端電圧Viが2Vから3Vまでの任意の電圧値について、最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxで得られる電圧重み係数と平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaで得られる電圧重み係数との和が常に1になるように電圧準拠重み付け相関関係を決定している。同様に、両端電圧Viが3Vから4Vまでの任意の電圧値について、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminで得られる電圧重み係数と平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaで得られる電圧重み係数との和が常に1になるように電圧準拠重み付け相関関係を決定している。すなわち、これらの電圧重み係数は後述する要因寄与度を求めるために、最終的に和が1になるように正規化して決定される。
これら3つの相関関係からなる電圧準拠重み付け相関関係は、蓄電素子11の使用環境下における充放電電圧範囲を基にして、あらかじめ決定され制御回路27に内蔵された前記メモリに記憶されている。
このような図2(a)〜(c)の電圧準拠重み付け相関関係を用いて、ある両端電圧Viにおける電圧準拠目標電圧Vbvを求める方法を説明する。今、両端電圧Viが3.9Vであるとする。この電圧値は3Vよりも高いので、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminと平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaから、それぞれの電圧重み係数を求める。具体的には、図2(c)における最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminより両端電圧Viが3.9Vの時の電圧重み係数が0.9と求まる。同様に、図2(b)における平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaより両端電圧Viが3.9Vの時の電圧重み係数が0.1と求まる。ここで、前者の電圧重み係数は後者の電圧重み係数よりも大きいので、前者を高電圧重み係数Vv1、後者を低電圧重み係数Vv2と呼ぶ。
こうして求めた高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2から電圧準拠目標電圧Vbvを、Vbv=Vmin×Vv1+Va×Vv2より計算する。ここで、Vmin=3.68V、Vv1=0.9、Va=3.8V、Vv2=0.1であるので、これらを代入してVbv=3.692Vと求まる。
次に、最大電圧Vmax、最小電圧Vminおよび平均電圧Vaから図3(a)〜(c)に示したバラツキ準拠重み付け相関関係を用いて、バラツキEにおけるバラツキ準拠目標電圧Vbeを求める。なお、図3(a)〜(c)はバラツキEに対して後述するバラツキ重み係数を求める相関関係であるので、この相関関係をバラツキ準拠重み付け相関関係と呼び、それに基いて得られる両端電圧Viの調整目標電圧をバラツキ準拠目標電圧Vbeと呼ぶ。
ここで、図3(a)〜(c)の詳細について説明する。図3(a)〜(c)の横軸はバラツキEを、縦軸はバラツキ重み係数を、それぞれ示す。図3(a)〜(c)中の太実線がバラツキ準拠重み付け相関関係に相当し、合計3つの相関関係からなる。まず、図3(a)の太実線が最大電圧VmaxにおけるバラツキEとバラツキ重み係数とのバラツキ準拠重み付け相関関係(以下、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxという)である。なお、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxにおいて、バラツキEが0.1V以下ではバラツキ重み係数が1、バラツキEが0.1Vから0.2VまではバラツキEの増加とともにバラツキ重み係数が直線的に小さくなり、バラツキEが0.2V以上ではバラツキ重み係数は0となる。
次に、図3(b)の太実線が平均電圧VaにおけるバラツキEとバラツキ重み係数とのバラツキ準拠重み付け相関関係(以下、平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaという)である。なお、平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaにおいて、バラツキEが0.1V以下または0.3V以上であればバラツキ重み係数が0、バラツキEが0.1Vから0.2VまではバラツキEの増加とともにバラツキ重み係数が直線的に大きくなり、バラツキEが0.2Vでバラツキ重み係数が1となる。また、バラツキEが0.2Vから0.3VまではバラツキEの増加とともにバラツキ重み係数が直線的に小さくなる。
次に、図3(c)の太実線が最小電圧VminにおけるバラツキEとバラツキ重み係数とのバラツキ準拠重み付け相関関係(以下、最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminという)である。なお、最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminにおいて、バラツキEが0.2V以下ではバラツキ重み係数は0、バラツキEが0.2Vから0.3VまではバラツキEの増加とともにバラツキ重み係数が直線的に大きくなり、バラツキEが0.3V以上ではバラツキ重み係数が1となる。
なお、図3(a)〜(c)でバラツキEが0.1Vから0.2Vまでの任意の絶対値について、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxで得られるバラツキ重み係数と平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaで得られるバラツキ重み係数との和が常に1になるようにバラツキ準拠重み付け相関関係を決定している。同様に、バラツキEが0.2Vから0.3Vまでの任意の絶対値について、最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminで得られるバラツキ重み係数と平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaで得られるバラツキ重み係数との和が常に1になるようにバラツキ準拠重み付け相関関係を決定している。なお、図3(a)〜(c)においても図2(a)〜(c)と同様に、これらのバラツキ重み係数は後述する割合を求めるために、最終的に和が1になるように正規化して決定される。
これら3つの相関関係からなるバラツキ準拠重み付け相関関係は、蓄電素子11の使用環境下における両端電圧Viのバラツキ範囲を基にして、あらかじめ決定され制御回路27に内蔵された前記メモリに記憶されている。
このような図3(a)〜(c)のバラツキ準拠重み付け相関関係を用いて、上記したバラツキE(=0.12V)におけるバラツキ準拠目標電圧Vbeを求める方法を説明する。上記したように、バラツキEは0.12Vであり、0.2Vよりも低いので、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxと平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaから、それぞれのバラツキ重み係数を求める。具体的には、図3(a)における最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxよりバラツキEが0.12Vの時のバラツキ重み係数が0.8と求まる。同様に、図3(b)における平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaよりバラツキEが0.12Vの時のバラツキ重み係数が0.2と求まる。ここで、前者のバラツキ重み係数は後者のバラツキ重み係数よりも大きいので、前者を高バラツキ重み係数Ve1、後者を低バラツキ重み係数Ve2と呼ぶ。
こうして求めた高バラツキ重み係数Ve1と低バラツキ重み係数Ve2からバラツキ準拠目標電圧Vbeを、Vbe=Vmax×Ve1+Va×Ve2より計算する。ここで、Vmax=3.92V、Ve1=0.8、Va=3.8V、Ve2=0.2であるので、これらを代入してVbe=3.896Vと求まる。
以上までの動作により、電圧準拠目標電圧Vbv(=3.692V)とバラツキ準拠目標電圧Vbe(=3.896V)が得られたので、次に両者から最終目標電圧Vbを求める。ここで、最終目標電圧Vbは、上記で計算した蓄電素子11(現在の両端電圧Vi=3.9V)の調整されるべき両端電圧を意味する。本実施の形態1では電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeを平均することで最終目標電圧Vbを計算する。ここでは、最終目標電圧Vbは3.794Vと決定される。
なお、最終目標電圧Vbは電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeとの平均値に限定されるものではなく、例えば蓄電装置が比較的安定した環境下(温度が一定で充放電頻度が少ない等)で使用される際のように、バラツキEがそれほど大きくならない場合は電圧準拠目標電圧Vbvの重み付けを大きく、バラツキ準拠目標電圧Vbeの重み付けを小さくするようにして最終目標電圧Vbを求めてもよい。また、電流Iが安定している時は前回の最終目標電圧Vbとも平均を求めたり、その際に前回値と今回値に別途定義した重み付けを行って平均化するようにしてもよい。これにより最終目標電圧Vbの安定化が図れるが、蓄電素子11の充放電中のように両端電圧Viが大きく変化する時には、かえって最終目標電圧Vbの精度が低下するので、どのタイミングで最終目標電圧Vbを求めるかに応じて、あらかじめ求め方を決定しておけばよい。また、例えば電流Iの値によって上記した求め方を切り替えるようにしてもよい。
ここで、求められた最終目標電圧Vb(=3.794V)を現在の両端電圧Vi(=3.9V)と比較すると、前者の方が低い。これは平均電圧Vaが3.8Vであったので、元々両端電圧Viが高い蓄電素子11であることになる。この場合は、この蓄電素子11に接続されたスイッチ素子25をオンとして両端電圧Viが最終目標電圧Vbになるように調整する。なお、制御回路27がスイッチ素子25をオンにした場合は、次回に両端電圧Viと最終目標電圧Vbを求めて、両端電圧Viが実質的に最終目標電圧Vbに至ればその蓄電素子11に接続されたスイッチ素子25をオフにするように制御する。これにより、スイッチ素子25がオンのままとなり蓄電素子11が過放電する可能性を低減している。ここで、両端電圧Viが実質的に最終目標電圧Vbに至るということは、電圧検出回路19の検出誤差や制御回路27の演算誤差等の全変動要因範囲内において、両端電圧Viが最終目標電圧Vbに至るという意味であると定義する。従って、以後の説明においてスイッチ素子25がオンになった場合は、次回以降で両端電圧Viが実質的に最終目標電圧Vbに至ればスイッチ素子25がオフになる動作を行うものとして述べる。
以上の動作を各蓄電素子11に対して順次繰り返すことにより、各蓄電素子11の両端電圧Viが最終目標電圧Vbになるように、すなわち本実施の形態1では両端電圧Viが最終目標電圧Vbより高い蓄電素子11に接続されたスイッチ素子25のみがオンになるようにバランス回路21が制御されるので、蓄電素子11の電圧バランスを取ることができる。
なお、本実施の形態1においては、バランス回路21が両端電圧Viを下げる方向にしか調整できないため、両端電圧Viが最終目標電圧Vbよりも低い場合はスイッチ素子25がオフのままの状態となる。この場合は、蓄電素子11が充電される際に両端電圧Viが上がるので、その結果として両端電圧Viが最終目標電圧Vbよりも高くなればスイッチ素子25をオンにすることになる。従って、スイッチ素子25をオフのままにする状態であっても、蓄電素子11の両端電圧Viが最終目標電圧Vbになるように制御していることになる。このことから、以後の説明ではスイッチ素子25をオフのままにする状態も蓄電素子11の両端電圧Viが最終目標電圧Vbになるように制御しているとして説明する。
上記した動作により決定された最終目標電圧Vbによる電圧バランス動作は、従来のように各両端電圧Viの中で低い電圧に合わせようとする動作とは異なる。すなわち、本実施の形態1において、例えば両端電圧Viが3.7V、バラツキEが0.12Vであれば、図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)より最終目標電圧Vbは3.806Vと決定され、現在の両端電圧Viより最終目標電圧Vbの方が高くなる場合も発生する。これは以下の理由による。
まず、上記で説明した両端電圧Viが3.7Vの場合、電圧準拠目標電圧Vbvは図2(b)、(c)より現在の両端電圧Viに対して平均電圧Vaと最小電圧Vminをそれぞれ重み付けして決定される。これは、現在の両端電圧Viが3.7Vであり最小電圧Vmin(=3.68V)よりは高いので、従来のように最小電圧Vminに合わせようとする要因が存在する。一方で、現在の両端電圧Vi(=3.7V)は平均電圧Va(=3.8V)とも近く、平均電圧Vaに合わせることで現状よりバラツキEが低減される方向とすることができるので、平均電圧Vaに合わせようとする要因も存在する。そして、これらの要因寄与度は現在の両端電圧Viに対して最小電圧Vmin側には大きく、平均電圧Va側には小さくなる。この要因寄与度の大小を数値化したものが電圧準拠重み付け相関関係である。ここで図2(c)より、最小電圧Vmin側の高電圧重み係数Vv1は0.7、図2(b)より、平均電圧Vaの低電圧重み係数Vv2は0.3であるので、現在の両端電圧Vi(=3.7V)に対して、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度は70%、平均電圧Va側に合わせる要因寄与度は30%ということになる。このように最小電圧Vminと平均電圧Vaの重み付けをして電圧準拠目標電圧Vbvを求めている。具体的には電圧準拠目標電圧Vbvが3.716Vとなるので、現在の両端電圧Viのみから前記要因寄与度を考慮すると現在の両端電圧Vi(=3.7V)よりも僅かに高い電圧準拠目標電圧Vbvとなり、これ以上放電して両端電圧Viを下げなくてもよいということになる。その結果、不要な放電を行って蓄電素子11が過放電に至る可能性を低減することができる。
次に、バラツキ準拠目標電圧Vbeは図3(a)、(b)よりバラツキEに対して最大電圧Vmaxと平均電圧Vaをそれぞれ重み付けして決定される。ここで、バラツキEは0.12Vであり比較的小さい値を有する。従って、複数の蓄電素子11における両端電圧Viはそれ程ばらついていない状態である。ゆえに、各蓄電素子11の両端電圧Viは平均電圧Vaが3.8Vであり、かつバラツキEが小さいので、過放電に至っているものはほとんどないことになる。この場合は、従来の最小電圧Vminに合わせるように制御する必要性は低く、むしろ最大電圧Vmax側や平均電圧Va側にバラツキ準拠目標電圧Vbeを設定して現状を維持する制御を行う方が望ましい。具体的には、バラツキEが0.12Vであるのでバラツキ準拠目標電圧Vbeを最大電圧Vmax側に設定する割合を大きくしてバランス回路21による放電を極力起こさないようにする。すなわち、図3(a)のバラツキ準拠重み付け相関関係より最大電圧Vmaxに対するバラツキ重み係数が0.8であるので、前記割合は80%となる。但し、バラツキEは0.1V以下ではないので、若干のバラツキが存在する。従って、両端電圧Viが高い方にばらついている蓄電素子11について平均電圧Va側になるように設定する割合を持たせている。この割合は、図3(b)より平均電圧Vaに対するバラツキ重み係数が0.2であるので、20%となる。このように最大電圧Vmaxと平均電圧Vaの重み付けをしてバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めている。上記したようにバラツキ準拠目標電圧Vbeは3.896Vであったので、これも現在の両端電圧Vi(=3.7V)より高い値となる。従って、バラツキEのみを考慮した場合、バラツキ準拠目標電圧Vbeは現在の両端電圧Vi(=3.7V)はもちろん、平均電圧Va(=3.8V)よりも高くなり、複数の蓄電素子11の中でも最大電圧Vmaxに近い両端電圧Viを有するもの(例えば前記した両端電圧Viが3.9Vの蓄電素子11)だけがバランス回路21で放電され、その他の大部分は放電されず現状を維持する制御となることがわかる。このように、バラツキEが小さいほどバラツキ準拠目標電圧Vbeは最大電圧Vmaxに近い値に設定されるので、不要な放電を行って蓄電素子11が過放電に至る可能性を低減することができる。但し、実際には以下に述べるように電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeの両方の値を考慮して求められる最終目標電圧Vbによりバランス回路21の制御が行われる。
ここで、これまで述べたように、電圧準拠目標電圧Vbvの値(両端電圧Viが3.9Vの場合、Vbv=3.692V)とバラツキ準拠目標電圧Vbeの値(=3.896V)は異なる。これは、前者が任意の蓄電素子11の現在の両端電圧Viを基に決定されるのに対し、後者は全蓄電素子11から得られるバラツキEに基いて決定されるためである。従って、現在の両端電圧Viに対する最終目標電圧Vbへの寄与度と、バラツキEに対する最終目標電圧Vbへの寄与度を考慮する必要があるが、ここでは上記したように両寄与度が均等であるとした。これは、両端電圧ViとバラツキEのいずれも状況によって変化するので、寄与度を互いに変えると、かえって正しい最終目標電圧Vbから外れる可能性があるためである。従って、最終目標電圧Vbは電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeを平均して求めている。なお、本実施の形態1のように車両用としての蓄電装置であれば温度等の環境や充放電頻度の多さなどから両端電圧ViとバラツキEのいずれもが変化する可能性が大きいが、例えば前記蓄電装置を非常用バックアップ電源等のように環境が穏やかで充放電頻度も少なく、各両端電圧Viがそれ程ばらつかない場合は、バラツキEに対する最終目標電圧Vbへの寄与度を小さくするようにしてもよい。
以上のようにして、両端電圧Viが比較的大きく(3.9V)、バラツキEが比較的小さい(0.12V)場合(以下、事例1という)について説明したが、同様にして両端電圧Viが比較的小さくバラツキEも比較的小さい場合(以下、事例2という)、両端電圧Viが比較的小さくバラツキEが比較的大きい場合(以下、事例3という)、両端電圧Viが比較的大きくバラツキEも比較的大きい場合(以下、事例4)の3通りについて具体的に数値を定義して以下説明する。
まず事例2として、ある蓄電素子11の両端電圧Viが2.2V、全蓄電素子11の平均電圧Vaが2.3V、バラツキEが0.12Vであったとする。従って、最大電圧VmaxはVmax=Va+E=2.3+0.12=2.42V、最小電圧VminはVmin=Va−E=2.3−0.12=2.18Vとなる。これらの数値を用いて、まず図2(a)〜(c)より電圧重み係数を求める。
今、両端電圧Viは2.2Vであるので、最大電圧Vmaxと平均電圧Vaに基く2つの電圧重み係数が得られる。すなわち、図2(a)より最大電圧Vmaxに対しては電圧重み係数が0.8、図2(b)より平均電圧Vaに対しては電圧重み係数が0.2となる。従って、前者が高電圧重み係数Vv1、後者が低電圧重み係数Vv2となる。これらから電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Vmax×Vv1+Va×Vv2より、Vbv=2.396Vとなる。ここで、上記した事例1の電圧準拠目標電圧Vbvを求める式と事例2の式が異なることに注意が必要である。すなわち、事例1の式はVbv=Vmin×Vv1+Va×Vv2であり、第1項の高電圧重み係数Vv1に乗じる値が最小電圧Vminとなるが、事例2の式は第1項で高電圧重み係数Vv1に乗じる値が最大電圧Vmaxとなる。これは次の理由による。
事例2では両端電圧Viが比較的低いので、その蓄電素子11が過放電に至る可能性が高い。従って、両端電圧Viが低くなるほど過放電の可能性を低減させるために電圧準拠目標電圧Vbvを高くするように決定する。具体的には、高電圧重み係数Vv1に最大電圧Vmaxを乗じている。但し、両端電圧Vi(=2.2V)は平均電圧Va(=2.3V)に比較的近い値であるため、その寄与度も考慮して、最大電圧Vmax側の寄与度を80%、平均電圧Va側の寄与度を20%としていることになる。このようにして従来のように最小電圧Vminに合わせようとする制御ではなく、最大電圧Vmax側に合わせる要因を有するように電圧準拠目標電圧Vbvを決定している。その結果、得られた電圧準拠目標電圧Vbvは2.396Vとなり、両端電圧Vi(=2.2V)より高くなる。従って、バランス回路21は両端電圧Viを下げる方向にしか調整できないので、電圧準拠目標電圧Vbvの方が高い場合はバランス回路21が動作しない要因が大きくなる。ゆえに、ほぼ現状の電圧を維持する方向となり蓄電素子11の過放電の可能性を低減できる。
一方、バラツキ準拠目標電圧VbeはバラツキEが事例1と同じ0.12Vであるので、図3(a)より高バラツキ重み係数Ve1が0.8、図3(b)より低バラツキ重み係数Ve2が0.2となる。従って、バラツキ準拠目標電圧Vbeは事例1と同じ式、すなわちVbe=Vmax×Ve1+Va×Ve2に各数値を代入して、Vbe=2.396Vとなる。なお、事例2においても、バラツキEが0.12Vであり比較的小さい値を有するので、複数の蓄電素子11における両端電圧Viはそれ程ばらついていない状態である。従って、事例1と同様にいずれかの蓄電素子11が過放電に至っている可能性は低い。よって、事例2でも従来の最小電圧Vminに合わせるように制御する必要性は低く、最大電圧Vmax側や平均電圧Va側にバラツキ準拠目標電圧Vbeを設定して現状を維持する制御を行う方が望ましい。このことから、事例1と同じ式でバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めている。
ここまでで求めた電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeから、最終目標電圧Vbは両者を平均して2.396Vとなる。この値は現在の両端電圧Vi(=2.2V)と比較すると、前者の方が高い。従って、制御回路27はこの蓄電素子11に接続されたバランス回路21のスイッチ素子25をオフにするようオンオフ信号SWiを出力する。これにより、バランス回路21による放電が行われないので、両端電圧Viを維持する制御となる。
以上の動作を各蓄電素子11に対して順次繰り返すことにより、全ての蓄電素子11の電圧バランスを取っている。
次に事例3として、ある蓄電素子11の両端電圧Viが2.2V(事例2と同じ)、全蓄電素子11の平均電圧Vaが2.3V(事例2と同じ)、バラツキEが0.26Vであったとする。すなわち、事例2に対してバラツキEが大きいとする。これらより、最大電圧VmaxはVmax=Va+E=2.3+0.26=2.56V、最小電圧VminはVmin=Va−E=2.3−0.26=2.04Vとなる。これらの数値を用いて、まず図2(a)〜(c)より電圧重み係数を求めるが、両端電圧Viが事例2と同じであるので、最大電圧Vmaxに対しては高電圧重み係数Vv1が0.8、平均電圧Vaに対しては低電圧重み係数が0.2となる。これらから電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Vmax×Vv1+Va×Vv2(事例2と同じ式)より、Vbv=2.508Vとなる。ここで、同じ両端電圧Viであるにもかかわらず事例2の電圧準拠目標電圧Vbvと事例3の電圧準拠目標電圧Vbvの値が異なることに注意が必要である。すなわち、事例2ではVbv=2.396Vであり、事例3の値より小さい。これは事例3の方がバラツキEが大きく、最大電圧Vmaxや最小電圧Vminが事例2と異なるためである。そして、事例3では最小電圧Vminが事例2のそれに比べて小さく過放電に至る可能性が高くなる。従って、最大電圧Vmaxも事例2より大きくなるので、最大電圧Vmaxを用いて電圧準拠目標電圧Vbvを計算することにより事例2の電圧準拠目標電圧Vbvより大きく決定している。その結果、電圧準拠目標電圧Vbv(=2.508V)は現在の両端電圧Vi(=2.2V)より高くなるので、現状の電圧を維持する電圧準拠目標電圧Vbvとなる。ゆえに、バランス回路21による不要な放電を行って蓄電素子11が過放電に至る可能性を低減する方向の電圧準拠目標電圧Vbvとなる。
一方、バラツキ準拠目標電圧VbeについてはバラツキEが0.26Vで比較的大きい。この場合は、図3(c)より最小電圧Vminに対するバラツキ重み係数が0.6、図3(b)より平均電圧Vaに対するバラツキ重み係数が0.4となる。ここで、両者の大小関係から、前者が高バラツキ重み係数Ve1、後者が低バラツキ重み係数Ve2となる。これらからバラツキ準拠目標電圧Vbeは、Vbe=Vmin×Ve1+Va×Ve2より、Vbe=2.144Vとなる。ここで、上記した事例1のバラツキ準拠目標電圧Vbeを求める式と事例3の式が異なることに注意が必要である。すなわち、事例1の式はVbe=Vmax×Ve1+Va×Ve2であり、第1項の高バラツキ重み係数Ve1に乗じる値が最大電圧Vmaxとなるが、事例3の式は第1項で高バラツキ重み係数Ve1に乗じる値が最小電圧Vminとなる。これは次の理由による。
事例3ではバラツキEが大きいので、このまま蓄電素子11への充放電を繰り返すと、さらにバラツキEが拡大する可能性が高い。従って、バラツキEを低減させるために、従来と同様に最小電圧Vminに合わせるような電圧バランス動作を行うようバラツキ準拠目標電圧Vbeを決定する。すなわち、バラツキEが大きくなるほどバラツキ準拠目標電圧Vbeを低くするように決定する。具体的には、高バラツキ重み係数Ve1に最小電圧Vminを乗じている。但し、バラツキEが0.3Vを超えるほど大きくばらついてはいないので、平均電圧Va側への設定も考慮して、最小電圧Vmin側の寄与度を60%、平均電圧Va側の寄与度を40%としている。従って、平均電圧Va側の寄与度を考慮しつつも従来と同様に最小電圧Vminに合わせるようバラツキ準拠目標電圧Vbeが決定される。その結果、得られたバラツキ準拠目標電圧Vbeは2.144Vとなり、現在の両端電圧Vi(=2.2V)はもちろん、平均電圧Va(=2.3V)と比べても低い値となる。ゆえに、バラツキEが大きいと最小電圧Vmin側に合わせる方向の電圧バランス動作になるようなバラツキ準拠目標電圧Vbeとなることがわかる。
ここまでで求めた電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeから、最終目標電圧Vbは両者を平均して2.326Vとなる。この値は現在の両端電圧Vi(=2.2V)と比較すると、前者の方が高い。従って、制御回路27はこの蓄電素子11に接続されたバランス回路21のスイッチ素子25をオフにするようオンオフ信号SWiを出力する。このように、電圧準拠目標電圧Vbvは2.508Vであり現在の両端電圧Vi(=2.2V)より高い値として現状の電圧維持を行う方向の設定となるが、バラツキEは大きいのでバラツキ準拠目標電圧Vbeは2.144Vとなり、現在の両端電圧Viより小さくなる。この際、電圧準拠目標電圧Vbvと現在の両端電圧Viとの差が、バラツキ準拠目標電圧Vbeと現在の両端電圧Viとの差よりも大きくなるので、最終目標電圧Vbは電圧準拠目標電圧Vbvによる制御方向、すなわち現在の両端電圧Viを維持する動作が優位となる。
以上の動作を各蓄電素子11に対して順次繰り返すことにより、全ての蓄電素子11の電圧バランスを取っている。
次に事例4として、ある蓄電素子11の両端電圧Viが3.9V(事例1と同じ)、全蓄電素子11の平均電圧Vaが3.8V(事例1と同じ)、バラツキEが0.26V(事例3と同じ)であったとする。すなわち、事例3に対して両端電圧Viと平均電圧Vaが大きいとする。これらより、最大電圧VmaxはVmax=Va+E=3.8+0.26=4.06V、最小電圧VminはVmin=Va−E=3.8−0.26=3.54Vとなる。これらの数値を用いて、まず図2(a)〜(c)より電圧重み係数を求めるが、両端電圧Viが事例1と同じであるので、最小電圧Vminに対しては高電圧重み係数Vv1が0.9、平均電圧Vaに対しては低電圧重み係数が0.1となる。これらから電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Vmin×Vv1+Va×Vv2(事例1と同じ式)より、Vbv=3.566Vとなる。ここで、同じ両端電圧Viであるにもかかわらず事例1の電圧準拠目標電圧Vbvと事例4の電圧準拠目標電圧Vbvの値が異なることに注意が必要である。すなわち、事例1ではVbv=3.692Vであり、事例4の値より大きい。これは事例4の方がバラツキEが大きく、最大電圧Vmaxや最小電圧Vminが事例1と異なるためである。従って、事例4では最小電圧Vminが事例1に比べて小さくなるので、最小電圧Vminを用いて電圧準拠目標電圧Vbvを計算することにより事例1の電圧準拠目標電圧Vbvより小さく決定している。その結果、電圧準拠目標電圧Vbv(=3.566V)は現在の両端電圧Vi(=3.9V)より低くなるので、最小電圧Vmin側に合わせる方向の電圧バランス動作になるような電圧準拠目標電圧Vbvとなる。
一方、バラツキ準拠目標電圧VbeについてはバラツキEが0.26Vで事例3と同じである。従って、図3(c)より最小電圧Vminに対する高バラツキ重み係数Ve1が0.6、図3(b)より平均電圧Vaに対する低バラツキ重み係数Ve2が0.4となる。これらからバラツキ準拠目標電圧Vbeは、Vbe=Vmin×Ve1+Va×Ve2より、Vbe=3.644Vとなる。このような計算は事例3で説明した通りバラツキEを低減させるために行っている。従って、従来と同様に最小電圧Vminに合わせるような電圧バランス動作を行うようバラツキ準拠目標電圧Vbeを決定する。こうして得られたバラツキ準拠目標電圧Vbe(=3.644V)は、現在の両端電圧Vi(=3.9V)や平均電圧Va(=3.8V)より低い値となる。ゆえに、事例3と同様に、バラツキEが大きいと最小電圧Vmin側に合わせる方向の電圧バランス動作になるようなバラツキ準拠目標電圧Vbeとなることがわかる。
ここまでで求めた電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeから、最終目標電圧Vbは両者を平均して3.605Vとなる。この値は現在の両端電圧Vi(=3.9V)と比較すると、前者の方が低い。従って、制御回路27はこの蓄電素子11に接続されたバランス回路21のスイッチ素子25をオンにするようオンオフ信号SWiを出力する。その結果、抵抗器23により蓄電素子11の両端電圧Viを最終目標電圧Vbまで下げることができる。このように、事例4では平均電圧Vaが高くバラツキEも大きいので、電圧準拠目標電圧Vbvを3.566V、バラツキ準拠目標電圧Vbeを3.644Vと、いずれも平均電圧Va(=3.8V)より低い値とすることで、現状の電圧維持を行う方向よりも最小電圧Vmin側に電圧バランスを取る方向の設定を行う。これは、事例3で述べたようにバラツキEが大きいと最小電圧Vmin側に合わせる方向の電圧バランス動作になるようなバラツキ準拠目標電圧Vbeとすることに加え、平均電圧Vaが高いので両端電圧Viの過放電に至るまでの下げ代が確保できるので、電圧準拠目標電圧Vbvについても最小電圧Vmin側に電圧バランスを取る方向の設定としている。
以上の動作を各蓄電素子11に対して順次繰り返すことにより、全ての蓄電素子11の電圧バランスを取っている。
これまでに述べた事例1から事例4までで得られた最終目標電圧Vbをまとめると以下のようになる。
事例1:両端電圧Vi、平均電圧Vaが比較的大きく、バラツキEが比較的小さい場合・・・Vb=3.794V
事例2:両端電圧Vi、平均電圧Vaが比較的小さく、バラツキEが比較的小さい場合・・・Vb=2.396V
事例3:両端電圧Vi、平均電圧Vaが比較的小さく、バラツキEが比較的大きい場合・・・Vb=2.326V
事例4:両端電圧Vi、平均電圧Vaが比較的大きく、バラツキEが比較的大きい場合・・・Vb=3.605V
これらの内、事例1と事例4、および事例2と事例3を組み合わせて比較すると、いずれの組み合わせも両端電圧Viや平均電圧Vaが同じであればバラツキEが大きいほど最終目標電圧Vbが小さくなることがわかる。これは、バラツキEが大きいほど、以後の充放電過程でバラツキEが拡大する可能性が大きくなるので、電圧バランス動作を優先する方向、すなわち最小電圧Vmin側に合わせる方向に最終目標電圧Vbを決定し、バラツキEが小さいほど電圧バランスは取れているので、むしろ蓄電素子11が過放電に至らないように最大電圧Vmax側に合わせる方向に最終目標電圧Vbを決定していることを意味する。また、両端電圧Viについては、図2(a)〜(c)より両端電圧Viが大きいほど両端電圧Viの過放電に至るまでの下げ代が確保できるので、電圧バランス動作を優先する方向、すなわち最小電圧Vmin側に合わせる方向に最終目標電圧Vbを決定し、両端電圧Viが小さいほど蓄電素子11が過放電に至らないように最大電圧Vmax側に合わせる方向に最終目標電圧Vbを決定する。そして、これらの決定の基準となるものが図2(a)〜(c)に示した電圧準拠重み付け相関関係と図3(a)〜(c)に示したバラツキ準拠重み付け相関関係である。
これらのことから、電圧準拠重み付け相関関係とバラツキ準拠重み付け相関関係を基に最終目標電圧Vbを決定することで、蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バランスを取る動作が行えるので、電圧バラツキを低減することが可能となる。
なお、事例1から事例4では、図2(a)〜(c)において両端電圧Viが3.9Vまたは2.2Vの場合について説明したが、例えば両端電圧Viが2.6Vであれば、図2(a)より最大電圧Vmaxに対する電圧重み付け係数が0.4、図2(b)より平均電圧Vaに対する電圧重み付け係数が0.6となり、両端電圧Viが2.2Vの場合と比べ大小関係が逆転する。この場合は、高電圧重み係数Vv1が平均電圧Vaに対する電圧重み付け係数に、低電圧重み係数Vv2が最大電圧Vmaxに対する電圧重み付け係数に、それぞれ該当する。従って、電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Va×Vv1+Vmax×Vv2より求められる。この式を両端電圧Viが2.2Vの場合と比較すると、この時の電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Vmax×Vv1+Va×Vv2となり、最大電圧Vmaxと平均電圧Vaが入れ替わった式になる。このようにして電圧準拠目標電圧Vbvを求めることで、両端電圧Viが変化しうる範囲の中心値(ここでは3V)に近い場合は、平均電圧Va側に電圧バランスを取る方向の割合を多く設定している。
同様に、両端電圧Viが例えば3.3Vであった場合は、図2(c)より最小電圧Vminに対する電圧重み付け係数が0.3、図2(b)より平均電圧Vaに対する電圧重み付け係数が0.7となり、両端電圧Viが3.9Vの場合と比べ大小関係が逆転する。この場合は、高電圧重み係数Vv1が平均電圧Vaに対する電圧重み付け係数に、低電圧重み係数Vv2が最小電圧Vminに対する電圧重み付け係数に、それぞれ該当する。従って、電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Va×Vv1+Vmin×Vv2より求められる。この式を両端電圧Viが3.9Vの場合と比較すると、この時の電圧準拠目標電圧Vbvは、Vbv=Vmin×Vv1+Va×Vv2となり、最小電圧Vminと平均電圧Vaが入れ替わった式になる。この場合も両端電圧Viが変化しうる範囲の前記中心値(3V)に近い場合に相当するので、電圧準拠目標電圧Vbvについて平均電圧Va側に電圧バランスを取る方向の割合を多く設定している。
これらをまとめると、電圧準拠目標電圧Vbvは両端電圧Viの値によって次の4つの式の内いずれかにより求められる。
1)両端電圧Viが2.5V未満の場合
Vbv=Vmax×Vv1+Va×Vv2 (1)
2)両端電圧Viが2.5V以上3V未満の場合
Vbv=Va×Vv1+Vmax×Vv2 (2)
3)両端電圧Viが3V以上3.5V未満の場合
Vbv=Va×Vv1+Vmin×Vv2 (3)
4)両端電圧Viが3.5V以上の場合
Vbv=Vmin×Vv1+Va×Vv2 (4)
同様にして、図3(a)〜(c)よりバラツキ準拠目標電圧VbeもバラツキEによって次の4つの式の内いずれかにより求められる。
1)バラツキEが0.15V未満の場合
Vbe=Vmax×Ve1+Va×Ve2 (5)
2)バラツキEが0.15V以上0.2V未満の場合
Vbe=Va×Ve1+Vmax×Ve2 (6)
3)バラツキEが0.2V以上0.25V未満の場合
Vbe=Va×Ve1+Vmin×Ve2 (7)
4)バラツキEが0.25V以上の場合
Vbv=Vmin×Ve1+Va×Ve2 (8)
これら(5)〜(8)式の場合もバラツキEが変化しうる範囲の中心値(ここでは0.2V)に近い場合は、バラツキ準拠目標電圧Vbeについても平均電圧Va側に電圧バランスを取る方向の割合を多く設定している。
このように、両端電圧ViやバラツキEが、それぞれ変化しうる範囲の中心値に近い場合は平均電圧Va側に電圧バランスを取る方向となるので、最終目標電圧Vbとしては平均電圧Vaより高い両端電圧Viを有する蓄電素子11に接続されたスイッチ素子25がオンになるように制御される割合が大きくなるように決定される。その結果、各両端電圧ViのバラツキEが低減されるとともに、両端電圧Viが平均電圧Vaより低い蓄電素子11についてはスイッチ素子25がオフのままで放電を行わないものの割合が大きくなるので、不要な放電を避け過放電に至る可能性を低減している。
以上までで説明した本実施の形態1による蓄電装置の特徴となるバランス動作について、図4のフローチャートを用いて以下にまとめる。
制御回路27は蓄電装置の使用期間中、定期的(例えば1秒毎)にバランス動作を行うために図4のフローチャートに示すサブルーチンを実行する。なお、図4に示すサブルーチンは制御回路27の前記マイクロコンピュータにより実行される図示しないメインルーチンからジャンプすることにより実行される。
図4のサブルーチンが実行されると、まず制御回路27は電流検出回路13から全蓄電素子11に流れる電流Iを読み込む(ステップ番号S11)。次に、電流Iが実質的に0Aであるか否かを判断する(S13)。ここで、電流Iが実質的に0Aであるということは、電流検出回路13の検出誤差や制御回路27の読み込み誤差、演算誤差等を含む誤差範囲内で電流Iが0Aであると定義する。
もし、電流Iが実質的に0Aでなければ(S13のNo)、蓄電素子11は充電、または放電が行われている。この電流Iが流れている状態では、経時的に両端電圧Viが変化する上、その値に蓄電素子11の内部抵抗値による電圧降下分の誤差が含まれてしまうため、両端電圧Viを精度よく検出できない。その結果、電圧バラツキの低減精度も不十分となる可能性がある。そこで、S13でNoの場合はバランス動作を行わずにメインルーチンへ戻る。
一方、電流Iが実質的に0Aであれば(S13のYes)、バランス動作を行うことができるので、次に制御回路27は各電圧検出回路19から各両端電圧Viを読み込む(S15)。ここで、添字iは直列接続された蓄電素子11の番号を意味し、iの範囲は1〜nで、nは蓄電素子11の直列個数を示す。
次に、制御回路27は各温度センサ12から温度Tiを読み込む。ここで、添字iの意味は上記した通りである。その後、制御回路27はそれぞれの蓄電素子11の温度Tiにより各両端電圧Viを温度補正する(以上、S16)。ここで、温度補正方法について述べる。蓄電素子11は温度Tiが変化することにより、その内部抵抗値や容量値が変化する。その結果、両端電圧Viは温度特性を有する。そこで、温度Tiを変えた時の両端電圧Viの変化をあらかじめ測定して、両者の相関関係(以下、既定温度相関関係という)を前記メモリに記憶しておく。温度補正時には、まず各温度Tiを平均し、その値を基準温度Tsとする。次に、現在の温度Tiにおける両端電圧Viが基準温度Tsではどのような値になるかを既定温度相関関係から求める。次に、求めた値を両端電圧Viとして更新する。このような動作により、両端電圧Viの温度補正ができるので、最終目標電圧Vbの精度を向上することが可能となる。なお、基準温度Tsは各温度Tiの平均値に限定されるものではなく、中央値等を用いてもよい。
次に、制御回路27は温度補正後の各両端電圧Viから、平均電圧Va、最大電圧Vmax、および最小電圧Vminを求める(S17)。その後、制御回路27はバラツキEを最大電圧Vmaxと最小電圧Vminから、E=(Vmax−Vmin)/2より求める(S19)。なお、S15からS19の動作において、両端電圧Vi、温度Ti、基準温度Ts、平均電圧Va、最大電圧Vmax、最小電圧VminおよびバラツキEは、全てこれらの英字で表される変数(制御回路27に内蔵された前記メモリからなる)に代入される。
次に、制御回路27は前記メモリの一部である変数iに数値の1を代入する(S21)。ここで、このような動作を図4では「i=1」と記載する。すなわち、図4においてこのような記載があれば、判断以外の動作において右辺の数値や計算結果を左辺の変数に代入すると定義する。また、変数iは上記した添字iと同じ意味を有する。従って、両端電圧Viの添字iは変数iであるので、S21の動作の結果、変数iが1となれば、両端電圧Viは1番目の蓄電素子11の両端電圧V1を意味する。以下の動作説明における表記は上記のように定義する。
次に、制御回路27は図2(a)〜(c)に示す電圧準拠重み付け相関関係を用いて、i番目の蓄電素子11における両端電圧Viに対する高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2とを求める(S23)。これらの求め方は既に述べた通りである。
次に、制御回路27は上記した(1)式〜(4)式のうちのいずれかから電圧準拠目標電圧Vbvを計算する。そのために、まず両端電圧Viが2.5V未満であるか否かを判断する(S25)。もし、両端電圧Viが2.5V未満であれば(S25のYes)、(1)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求め(S27)、後述するS39にジャンプする。
一方、両端電圧Viが2.5V未満でなければ(S25のNo)、制御回路27は両端電圧Viが2.5V以上3V未満であるか否かを判断する(S29)。もし、両端電圧Viが2.5V以上3V未満であれば(S29のYes)、(2)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求め(S31)、後述するS39にジャンプする。
一方、両端電圧Viが2.5V以上3V未満でなければ(S29のNo)、制御回路27は両端電圧Viが3.5V以上であるか否かを判断する(S33)。もし、両端電圧Viが3.5V以上であれば(S33のYes)、(4)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求め(S35)、後述するS39にジャンプする。
一方、両端電圧Viが3.5V以上でなければ(S33のNo)、両端電圧Viは3V以上3.5V未満であるので、(3)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求める(S37)。
以上に説明したS25からS37までの動作により、両端電圧Viから電圧準拠目標電圧Vbvを求めることができたので、次にバラツキEより上記した(5)式〜(8)式のうちのいずれかを用いてバラツキ準拠目標電圧Vbeを求める。すなわち、まず制御回路27は図3(a)〜(c)に示すバラツキ準拠重み付け相関関係を用いて、S19で求めたバラツキEに対する高バラツキ重み係数Ve1と低バラツキ重み係数Ve2とを求める(S39)。これらの求め方は既に述べた通りである。
次に、制御回路27はバラツキEが0.15V未満であるか否かを判断する(S41)。もし、バラツキEが0.15V未満であれば(S41のYes)、(5)式によりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求め(S43)、後述するS55にジャンプする。
一方、バラツキEが0.15V未満でなければ(S41のNo)、制御回路27はバラツキEが0.15V以上0.2V未満であるか否かを判断する(S45)。もし、バラツキEが0.15V以上0.2V未満であれば(S45のYes)、(6)式によりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求め(S47)、後述するS55にジャンプする。
一方、バラツキEが0.15V以上0.2V未満でなければ(S45のNo)、制御回路27はバラツキEが0.25V以上であるか否かを判断する(S49)。もし、バラツキEが0.25V以上であれば(S49のYes)、(8)式によりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求め(S51)、後述するS55にジャンプする。
一方、バラツキEが0.25V以上でなければ(S49のNo)、バラツキEは0.2V以上0.25V未満であるので、(7)式によりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求める(S53)。
以上に説明したS39からS53までの動作により、バラツキEからバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めることができたので、次に制御回路27は最終目標電圧Vbを、Vb=(Vbv+Vbe)/2より求める(S55)。
次に、制御回路27は両端電圧Viと最終目標電圧Vbを比較する(S57)。もし、両端電圧Viが最終目標電圧Vbより高ければ(S57のYes)、制御回路27は両端電圧Viを最終目標電圧Vbに近づけるために、両端電圧Viを有する蓄電素子11に接続されたi番目のスイッチ素子25をオンにするようにオンオフ信号SWiを出力する(S59)。これにより、スイッチ素子25がオンになることでバランス回路21が動作し、i番目の蓄電素子11が放電される。その後、後述するS63にジャンプする。
一方、両端電圧Viが最終目標電圧Vbより高くなければ(S57のNo)、両端電圧Viが実質的に最終目標電圧Vbに至っているか、または両端電圧Viが最終目標電圧Vbより低い状態である。この場合は、両端電圧Viを有する蓄電素子11をこれ以上放電する必要がないので、制御回路27はその蓄電素子11に接続されたスイッチ素子25をオフにするようにオンオフ信号SWiを出力する(S61)。これにより、i番目のスイッチ素子25がオフになりバランス回路21の動作が停止するので、そのスイッチ素子25に接続された蓄電素子11はバランス回路21による放電が中止される。
以上の動作でi番目の蓄電素子11に対する前記バランス動作が行われたので、次に制御回路27は変数iに1を加えて変数iを更新する(S63)。次に、変数iがn+1(nは蓄電素子11の直列個数)と等しいか否かを判断する(S65)。もし等しくなければ(S65のNo)、最後(n番目)の蓄電素子11まで前記バランス動作が行われていないのでS23に戻り、以降の蓄電素子11の前記バランス動作を繰り返す。
一方、変数iがn+1と等しければ(S65のYes)、全ての蓄電素子11の前記バランス動作が行われたので、図4のサブルーチンを終了し、前記メインルーチンに戻る。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
(実施の形態2)
本実施の形態2における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。すなわち、本実施の形態2における特徴はその動作にあるので、ここでは実施の形態1と異なる動作について説明する。
実施の形態1では、電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeから最終目標電圧Vbを求めて、両端電圧Viが最終目標電圧Vbになるようにバランス回路21を制御している。これに対し、本実施の形態2では最終目標電圧Vbに替わって電圧準拠目標電圧Vbvを用い、両端電圧Viが電圧準拠目標電圧Vbvになるようにバランス回路21を制御する。この場合、目標電圧に対しバラツキEの寄与がなくなるものの、図2(a)〜(c)に基いて両端電圧Viが低ければ最大電圧Vmax側に、高ければ最小電圧Vmin側に、それぞれ電圧準拠目標電圧Vbvを決定しているので、両端電圧Viが低い時は過放電を避ける割合が増えるように、高い時はバランス動作を行う割合が増えるように制御されることになる。従って、電圧準拠目標電圧Vbvによる電圧バランス動作を行うことによっても、蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。なお、電圧準拠目標電圧Vbvにより電圧バランスを取る際は、図4の動作においてS19、S39〜S55が不要となり、S57の「Vi」が「Vbv」に替わる。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
(実施の形態3)
本実施の形態3における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。すなわち、本実施の形態3における特徴はその動作にあるので、ここでは実施の形態1と異なる動作について説明する。
実施の形態1では、電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeから最終目標電圧Vbを求めて、両端電圧Viが最終目標電圧Vbになるようにバランス回路21を制御している。これに対し、本実施の形態3では最終目標電圧Vbに替わってバラツキ準拠目標電圧Vbeを用い、両端電圧Viがバラツキ準拠目標電圧Vbeになるようにバランス回路21を制御する。この場合、目標電圧に対し電圧準拠目標電圧Vbvの寄与がなくなるものの、図3(a)〜(c)に基いてバラツキEが小さければ最大電圧Vmax側に、大きければ最小電圧Vmin側に、それぞれバラツキ準拠目標電圧Vbeを決定しているので、バラツキEが小さい時は過放電を避ける割合が増えるように、大きい時はバランス動作を行う割合が増えるように制御されることになる。従って、バランス準拠目標電圧Vbeによる電圧バランス動作を行っても、蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。なお、バランス準拠目標電圧Vbeにより電圧バランスを取る際は、図4の動作においてS23〜S37とS55が不要となり、S57の「Vi」が「Vbe」に替わる。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
(実施の形態4)
図5は本発明の実施の形態4における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。なお、本実施の形態4における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。すなわち、本実施の形態4における特徴はその動作にあるので、ここでは実施の形態1と異なる動作について説明する。
実施の形態1では、図2(a)〜(c)に示すように、合計3つの相関関係、すなわち最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmax、平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVa、および最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminから高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求めている。これに対し、本実施の形態4では図5(a)、(b)に示すように、最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxと平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaの2つの相関関係から高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求める。従って、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminを用いていない。
この場合、実施の形態1で述べたように、前記2つの相関関係から求められる電圧重み係数の和は1となるように正規化されるので、図5(a)、(b)は図2(a)、(c)とは異なる点に注意が必要である。すなわち、正規化するために、図5(a)、(b)とも横軸の両端電圧Viが3Vのときに電圧重み係数が0.5を通る直線の相関関係としている。これら2つの相関関係を用いて電圧準拠目標電圧Vbvを求めると、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度がないので、電圧準拠目標電圧Vbvが最低でも平均電圧Vaに決定されることになる。その結果、両端電圧Viの電圧バランスを取るまでに時間がかかる可能性があるものの、実施の形態1に比べ過放電に至る可能性をさらに低減できる。
このような本実施の形態4の特徴となる動作をまとめると、制御回路27は各両端電圧Viに対する、平均電圧Vaの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxを用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧Vbvを求めている。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
なお、上記した図5(a)、(b)に示す最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxおよび平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaと同様にして、図3のバラツキEに対するバラツキ重み係数の相関関係にも適用できる。すなわち、実施の形態1では、図3(a)〜(c)に示す最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmax、平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVa、および最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminから高バラツキ重み係数Ve1と低バラツキ重み係数Ve2を求めているが、これは最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminを用いずに、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxと平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaの2つの相関関係を用いてもよい。この場合、前記2つの相関関係は図5(a)、(b)の横軸を両端電圧ViからバラツキEに替えるとともに、図5の両端電圧Viが2VのところをバラツキEが0.1V、両端電圧Viが3VのところをバラツキEが0.2V、両端電圧Viが4VのところをバラツキEが0.3Vとすればよい。その結果、バラツキEが0.2Vのときに電圧重み係数が0.5を通る直線の相関関係となるので、平均電圧Vaのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化される。
このように2つの相関関係を用いてバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めた場合も、上記した電圧準拠目標電圧Vbvと同様に、両端電圧Viの電圧バランスを取るまでに時間がかかる可能性があるものの、実施の形態1に比べ過放電に至る可能性をさらに低減できるという効果が得られる。
このような動作をまとめると、制御回路27はバラツキEに対する、平均電圧Vaのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxを用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めている。
(実施の形態5)
図6は本発明の実施の形態5における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。なお、本実施の形態5における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態5の特徴は、実施の形態4の図5(b)に示した平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaに替って、図6(b)に示すように最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminを用いた点である。従って、図5(a)と図6(a)は同じ図である。ゆえに、本実施の形態5では図6(a)、(b)に示すように、最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxと最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminの2つの相関関係から高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求める。
この場合、実施の形態1で述べたように、前記2つの相関関係から求められる電圧重み係数の和は1となるように正規化されるので、図6(a)、(b)とも横軸の両端電圧Viが3Vのときに電圧重み係数が0.5を通る直線の相関関係としている。これら2つの相関関係を用いて電圧準拠目標電圧Vbvを求めると、平均電圧Vaによる要因寄与度がないので、両端電圧Viが少し変化すると電圧準拠目標電圧Vbvが大きく変動する傾向となり、細かい電圧準拠目標電圧Vbvの決定が不十分となる可能性があるものの、最大電圧Vmax側と最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度は存在するため、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度により両端電圧Viのバランスを取りつつ最大電圧Vmax側に合わせる要因寄与度により過放電の可能性を低減することができる。
このような本実施の形態5の特徴となる動作をまとめると、制御回路27は各両端電圧Viに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxを用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧Vbvを求めている。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
なお、実施の形態4で説明したように、上記した図6(a)、(b)に示す最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxおよび最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminと同様にして、図3のバラツキEに対するバラツキ重み係数の相関関係にも適用できる。すなわち、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxと最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminの2つの相関関係を用いてもよい。この場合、前記2つの相関関係は図6(a)、(b)の横軸を両端電圧ViからバラツキEに替えればよい。なお、横軸のスケールは実施の形態4と同様に変更される。これにより、バラツキEが0.2Vのときに電圧重み係数が0.5を通る直線の相関関係となるので、最小電圧Vminのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化される。
このように2つの相関関係を用いてバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めた場合も、上記した電圧準拠目標電圧Vbvと同様に、細かいバラツキ準拠目標電圧Vbeの決定が不十分となる可能性があるものの、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度により両端電圧Viのバランスを取りつつ最大電圧Vmax側に合わせる要因寄与度により過放電の可能性を低減することができるという効果が得られる。
このような動作をまとめると、制御回路27はバラツキEに対する、最小電圧Vminのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxを用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求めている。
(実施の形態6)
図7は本発明の実施の形態6における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。なお、本実施の形態6における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態6の特徴は、実施の形態5の図6(a)、(b)にそれぞれ示した2つの電圧準拠重み付け相関関係において、両端電圧Viが2Vから4Vまでは両端電圧Viに対し直線関係を有するように決められていたが、これを曲線関係とした点である。前記曲線関係は、図7(a)においては両端電圧Viに対して上に凸の曲線関係を、図7(b)においては両端電圧Viに対して下に凸の曲線関係を、それぞれ有する。この場合も、両端電圧Viに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化されている。
図7(a)、(b)に示す2つの相関関係より、最大電圧Vmax側に合わせる要因寄与度の方が最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度よりも多いことがわかる。従って、本実施の形態6では最大電圧Vmax側に合わせる動作の割合が大きくなるので、実施の形態5に比べて電圧バランスを取る動作を抑制することで過放電に至る可能性をさらに低減することができる。このことから、本実施の形態6においては、蓄電素子11の両端電圧Viが下限(2V)近くで使用される仕様であり、そのバラツキEが小さい特性を有する、例えば安定環境下にある非常用の蓄電装置(温度等の環境が安定で充放電頻度も少ないのでバラツキEが小さい傾向にある)に対する制御に適用できる。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の電圧バラツキを低減しつつ主に過放電可能性の低減が可能な蓄電装置を実現できる。
なお、図7(a)、(b)を1つのグラフに記載した際の最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxと最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminとの交点は、図6(a)、(b)における両端電圧Vi=3Vの点とは異なり、3Vより高くなる。従って、その交点における両端電圧Viの値を境に高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を入れ替えることにより電圧準拠目標電圧Vbvを求める。
また、図7(a)、(b)の横軸をバラツキEに替えることにより、バラツキ重み係数を図7に示す曲線関係から得るようにしてもよい。この場合も蓄電素子11が過放電に至る可能性をさらに低減することができる。この際、バラツキ準拠目標電圧Vbeも上記した電圧準拠目標電圧Vbvと同様に、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxと最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminとの交点におけるバラツキEの値を境に高バラツキ重み係数Ve1と低バラツキ重み係数Ve2を入れ替える。
(実施の形態7)
図8は本発明の実施の形態7における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。なお、本実施の形態7における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態7の特徴は、実施の形態6の図7(a)、(b)にそれぞれ示した2つの電圧準拠重み付け相関関係において、両端電圧Viが2Vから4Vまでの曲線関係を逆にした点である。すなわち、前記曲線関係は、図8(a)においては両端電圧Viに対して下に凸の曲線関係を、図8(b)においては両端電圧Viに対して上に凸の曲線関係を、それぞれ有する。この場合も、両端電圧Viに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化されている。
図8(a)、(b)に示す2つの相関関係より、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度の方が最大電圧Vmax側に合わせる要因寄与度よりも多いことがわかる。従って、本実施の形態7では最小電圧Vmin側に合わせる動作の割合が大きくなるので、実施の形態5、6に比べて過放電を抑制する動作を低減することで電圧バランスを取る動作を積極的に行うことができる。このことから、本実施の形態7においては、蓄電素子11の両端電圧Viが上限(4V)近くで使用されるとともに、そのバラツキEが大きい特性を有する、例えば車両用の蓄電装置(高エネルギを得るために高電圧側で使用し、充放電頻度が多いのでバラツキEが大きくなりやすい)に対する制御に適用できる。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ主に電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
なお、図8(a)、(b)を1つのグラフに記載した際の最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxと最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminとの交点は、図6(a)、(b)における両端電圧Vi=3Vの点とは異なり、3Vより低くなる。従って、その交点における両端電圧Viの値を境に高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を入れ替えることにより電圧準拠目標電圧Vbvを求める。
また、図8(a)、(b)の横軸をバラツキEに替えることにより、バラツキ重み係数を図8に示す曲線関係から得るようにしてもよい。この場合も蓄電素子11の電圧バランスを取る動作を積極的に行うことができる。この際、バラツキ準拠目標電圧Vbeも上記した電圧準拠目標電圧Vbvと同様に、最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxと最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminとの交点におけるバラツキEの値を境に高バラツキ重み係数Ve1と低バラツキ重み係数Ve2を入れ替える。
(実施の形態8)
図9は本発明の実施の形態8における蓄電装置の両端電圧Viに対する各種電圧準拠重み付け相関関係図であり、(a)は最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係図、(b)は最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係図をそれぞれ示す。なお、本実施の形態8における蓄電装置の構成と主な動作は、それぞれ実施の形態1の図1、図4と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態8の特徴は、両端電圧Viが2Vから4Vまでにおいて、実施の形態6の図7(a)、(b)にそれぞれ示した2つの電圧準拠重み付け相関関係と、実施の形態7の図8(a)、(b)にそれぞれ示した2つの電圧準拠重み付け相関関係とを合成した点である。すなわち、前記曲線関係は、図9(a)においては両端電圧Viが2Vから3Vまでは両端電圧Viに対して上に凸の曲線関係を、両端電圧Viが3Vから4Vまでは両端電圧Viに対して下に凸の曲線関係を、それぞれ有する。また、図9(b)においては両端電圧Viが2Vから3Vまでは両端電圧Viに対して下に凸の曲線関係を、両端電圧Viが3Vから4Vまでは両端電圧Viに対して上に凸の曲線関係を、それぞれ有する。そして、図9(a)、(b)ともに両端電圧Viが3Vのときに電圧重み係数が0.5となる。また、図9の場合も両端電圧Viに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化されている。
図9(a)、(b)に示す2つの相関関係より、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度と最大電圧Vmax側に合わせる要因寄与度が、いずれも図6(a)、(b)に示す直線関係に比べ多いことがわかる。従って、本実施の形態8では両端電圧Viが小さいときは実施の形態6と同様に最大電圧Vmax側に合わせる動作の割合が大きくなるので、電圧バランスを取る動作を抑制することで過放電に至る可能性をさらに低減することができるとともに、両端電圧Viが大きいときは実施の形態7と同様に過放電を抑制する動作を低減することで電圧バランスを取る動作を積極的に行うことができる。従って、図6(a)、(b)に示す直線関係に対し、図9(a)、(b)の曲線関係とすることで、両端電圧Viに応じた過放電を抑制する動作と電圧バランスを取る動作にメリハリをつけることができる。その結果、蓄電素子11の両端電圧Viが下限(2V)近くから上限(4V)近くまでフルに使用されるとともに、そのバラツキEが大きい特性を有する、例えば車両の高効率化を目的とした蓄電装置(回生等による充放電電力を効率的に利用し、かつ充放電頻度が多いのでバラツキEが大きくなりやすい)に対する制御に適用できる。これにより、両端電圧Viが下限(2V)に近づくと、早い段階から過放電抑制動作の割合を増やし、上限(4V)に近づくと、早い段階からバラツキEを低減するための電圧バランスを取る動作の割合を増やすことができる。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
なお、図9(a)、(b)の横軸をバラツキEに替えることにより、バラツキ重み係数を図9に示す曲線関係から得るようにしてもよい。この場合も蓄電素子11の電圧バランスを取る動作を積極的に行うことができる。
また、実施の形態6〜8では、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxにおける両端電圧Viに対する曲線関係について説明したが、これらは実施の形態4と同様に、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminに替わって平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaとしてもよい。この場合、最小電圧Vmin側に合わせる要因寄与度が平均電圧Va側に合わせる要因寄与度に替わるので、過放電に至る可能性をさらに低減できる。なお、前記曲線関係におけるバラツキEとの相関関係においても、実施の形態6〜8では、最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxについて説明したが、これらは実施の形態4と同様に、最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminに替わって平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaとしてもよい。この場合の効果も上記した通り、過放電に至る可能性をさらに低減できることとなる。
また、実施の形態6〜8では、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxにおける両端電圧Viに対する2つの曲線関係について説明したが、これを実施の形態1の図2における3つの相関関係に適用してもよい。すなわち、前記2つの曲線関係に加え、平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaも曲線関係とし、合計3つの曲線関係を用いて電圧重み係数を求めるようにしてもよい。この場合は図2における3つの直線関係に比べ、早い段階からよりメリハリのある動作を行うことが可能となる。同様に、実施の形態1の図3におけるバラツキEに対するバラツキ重み係数との相関関係についても最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxに加え、平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaも曲線関係とし、合計3つの曲線関係を用いてバラツキ重み係数を求めるようにしてもよい。この場合の効果も上記した電圧重み係数の効果と同じである。
また、実施の形態6〜8で述べた前記曲線関係の曲線形状は蓄電装置の仕様や使用環境等に応じて適宜決定すればよい。
また、実施の形態1〜8において電圧重み係数やバラツキ重み係数を求める方法を述べたが、これらは一例であり、電圧バランスを取るまでに必要とする時間や、電圧準拠目標電圧Vbvまたはバラツキ準拠目標電圧Vbeの決定細かさ等の蓄電装置が必要とする仕様に応じてどのように組み合わせてもよい。なお、上記までで説明した組み合わせの項目は次の通りである。
(1)重み付け相関関係を電圧準拠重み付け相関関係のみとするか(実施の形態2)、バラツキ準拠重み付け相関関係のみとするか(実施の形態3)、または両者を用いるか(実施の形態1)
(2)重み付け相関関係を2種類とするか(実施の形態4〜8)、または3種類とするか(実施の形態1)
(3)電圧準拠重み付け相関関係が2種類の場合、最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxを用いるか(実施の形態5〜8)、または平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxを用いるか(実施の形態4)
(4)バラツキ準拠重み付け相関関係が2種類の場合、最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxを用いるか(実施の形態5〜8)、または平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxを用いるか(実施の形態4)
(5)重み付け相関関係を直線関係とするか(実施の形態1〜5)曲線関係とするか(実施の形態6〜8)
また、実施の形態1〜8においては、必ず最大電圧Vmax側に合わせる要因寄与度が存在するようにしている。これは、電圧準拠目標電圧Vbvの場合、もし最大電圧Vmax側がなければ電圧準拠目標電圧Vbvが最小電圧Vmin側の要因寄与度と平均電圧Va側の要因寄与度によってのみ決定されるので、最大電圧Vmax側の要因寄与度がない分、電圧準拠目標電圧Vbvが小さくなる。その結果、バランス回路21のスイッチ素子25がオンになる要因が増大し、両端電圧Viが低い方に調整されるので、過放電に至る可能性が大きくなる。従って、スイッチ素子25を積極的にオフにする要因の大きい最大電圧Vmax側への要因寄与度が必ず存在するようにしている。なお、バラツキ準拠目標電圧Vbeの場合も同上の理由で最大電圧Vmax側への要因寄与度が必ず存在するようにしている。
(実施の形態9)
図10は、本発明の実施の形態9における蓄電装置のバランス動作を行うフローチャートである。なお、本実施の形態9における蓄電装置の構成は、実施の形態1の図1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態9の特徴となる部分はバランス動作であり、実施の形態1とは以下の点が相違する。
A)バラツキEとして標準偏差を用いた。
B)それに伴い、最大電圧Vmaxと最小電圧Vminを標準偏差から求めた。
C)高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を平均電圧Vaから求めた。
D)それに伴い、最終目標電圧Vbは両端電圧Vi毎に求めるのではなく、平均電圧Vaに対する値のみとした。
E)各蓄電素子11の両端電圧Viが最終目標電圧Vbに対する既定電圧幅Vkの範囲内であれば、前記バランス回路の動作を停止するようにした。
上記以外の動作は実施の形態1と同じである。また、図2の電圧準拠重み付け相関関係と図3のバラツキ準拠重み付け相関関係も実施の形態1と同じである。従って、以下には上記した前記バランス動作の相違点を中心に図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図10のフローチャートにおいて図4と同じ動作を行う部分には同じステップ番号を付して詳細な説明を省略する。また、図10のフローチャートも図4と同様にメインルーチンから定期的に実行されるサブルーチンとして示している。
図10において、S11からS16は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。S16で各両端電圧Viを温度補正した後、制御回路27は各両端電圧Viから平均電圧Vaを求めるとともに、各両端電圧Viに基いて標準偏差を計算する。そして、この標準偏差をバラツキEとして前記メモリに記憶する(以上S70)。
このようにバラツキEを標準偏差から求めることにより、次のような特長が得られる。すなわち、各両端電圧Viが比較的揃っている場合は、実施の形態1のようにしてバラツキEを求めても最終目標電圧Vbの精度がそれ程低下することはないが、例えば各両端電圧Viのうち1つの値だけが他の値と離れている場合では、本実施の形態9で述べたように標準偏差の値をバラツキEとすることで、バラツキEを基に求められる最終目標電圧Vbの精度が低下する可能性を抑制できる。
次に、制御回路27はバラツキEを用いて最大電圧Vmaxと最小電圧Vminを求める(S71)。最大電圧Vmaxは、Vmax=Va+Eより、最小電圧Vminは、Vmin=Va−Eより、それぞれ求められる。ここでも最大電圧Vmaxと最小電圧Vminが標準偏差の値であるバラツキEを用いて求められているので、図2から求められる電圧準拠目標電圧Vbvや図3から求められるバラツキ準拠目標電圧Vbeの精度低下可能性を低減できる。従って、これらから求められる最終目標電圧Vbの精度低下可能性も低減できる。
次に、制御回路27は電圧準拠重み付け相関関係(図2)から平均電圧Vaに対する高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2とを求める(S73)。ここで、図4のS23では両端電圧Viに対して高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求めているが、S73では平均電圧Vaに対して高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求めている点が異なる。従って、図2において横軸が両端電圧Viとなっているが、本実施の形態9では横軸を平均電圧Vaとして高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求めればよい。
次に、制御回路27は上記した(1)式〜(4)式のうちのいずれかから電圧準拠目標電圧Vbvを計算するのであるが、上記したように本実施の形態9では両端電圧Viに替わって平均電圧Vaから高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を求めているので、(1)式〜(4)式のうち、どの式から電圧準拠目標電圧Vbvを計算するかを判断する際に、両端電圧Viに替わって平均電圧Vaの値に応じて判断する。
具体的には、まず平均電圧Vaが2.5V未満であるか否かを判断する(S75)。もし、平均電圧Vaが2.5V未満であれば(S75のYes)、(1)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求め(S77)、S39にジャンプする。
一方、平均電圧Vaが2.5V未満でなければ(S75のNo)、制御回路27は平均電圧Vaが2.5V以上3V未満であるか否かを判断する(S79)。もし、平均電圧Vaが2.5V以上3V未満であれば(S79のYes)、(2)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求め(S81)、S39にジャンプする。
一方、平均電圧Vaが2.5V以上3V未満でなければ(S79のNo)、制御回路27は平均電圧Vaが3.5V以上であるか否かを判断する(S83)。もし、平均電圧Vaが3.5V以上であれば(S83のYes)、(4)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求め(S85)、S39にジャンプする。
一方、平均電圧Vaが3.5V以上でなければ(S83のNo)、平均電圧Vaは3V以上3.5V未満であるので、(3)式により電圧準拠目標電圧Vbvを求める(S87)。
以上に説明したS75からS87までの動作により、平均電圧Vaから電圧準拠目標電圧Vbvを求めることができたので、次に制御回路27はバラツキEより上記した(5)式〜(8)式のうちのいずれかを用いてバラツキ準拠目標電圧Vbeを求め、最終目標電圧Vbを計算する動作を行う。ここで、本実施の形態9ではバラツキEとして標準偏差を用いているが、前記動作については実施の形態1のS39からS55の動作と同じになる。従って、前記動作については図10において図4と同じステップ番号を付して説明を省略する。
次に、制御回路27はS55で求められた最終目標電圧Vbを基に各スイッチ素子25のオンオフ動作を行うことで、各蓄電素子11のバランス動作を行う。具体的には、まず制御回路27は変数iに1を代入する(S89)。次に、i番目の蓄電素子11における両端電圧Viと最終目標電圧Vbとの差の絶対値が既定電圧幅Vk以内であるか否かを判断する(S91)。もし、前記絶対値が既定電圧幅Vk以内であれば(S91のYes)、両端電圧Viは既定電圧幅Vk以内で最終目標電圧Vbに近い状態であるので、制御回路27はi番目のスイッチ素子25をオフにすることでバランス回路21の動作を停止するように制御する(S93)。その結果、i番目の蓄電素子11のバランス回路21による放電が止まり、最終目標電圧Vb近傍の両端電圧Viを維持する。その後、後述するS99にジャンプする。
一方、前記絶対値が既定電圧幅Vk以内でなければ(S91のNo)、両端電圧Viは最終目標電圧Vbより既定電圧幅Vk以上に大きいか小さい状態である。そこで、いずれの状態であるかを判断するために、両端電圧Viと最終目標電圧Vbを比較する(S95)。もし、両端電圧Viが最終目標電圧Vbより高ければ(S95のYes)、両端電圧Viは最終目標電圧Vbより既定電圧幅Vk以上に大きい状態であるので、制御回路27は両端電圧Viを最終目標電圧Vbに近づけるようにバランス回路21を制御する。具体的には、両端電圧Viを有する蓄電素子11に接続されたi番目のスイッチ素子25をオンにするようにオンオフ信号SWiを出力する(S97)。これにより、スイッチ素子25がオンになり、i番目の蓄電素子11が放電される。その後、後述するS99にジャンプする。
一方、両端電圧Viが最終目標電圧Vbより高くなければ(S95のNo)、両端電圧Viは最終目標電圧Vbより既定電圧幅Vk以上に小さい状態である。従って、バランス回路21は両端電圧Viを下げる方向にしか調整できないので、既に両端電圧Viが最終目標電圧Vbより小さい場合は蓄電素子11がこれ以上放電しないように制御回路27はバランス回路21の動作を停止するように制御する。すなわち、上記したS93にジャンプする。
以上に述べたバランス回路21に対する制御をまとめると次のようになる。両端電圧Viと最終目標電圧Vbとの差の絶対値が既定電圧幅Vkより大きく(|Vi−Vb|≦Vk)、かつ両端電圧Viが最終目標電圧Vbより高ければ(Vi>Vb)、スイッチ素子25をオンにしてバランス回路21を動作させ、それ以外の時はスイッチ素子25をオフにしてバランス回路21を停止させる。従って、前記絶対値が既定電圧幅Vk以内である限り、バランス回路21は停止した状態を維持することになる。このような動作により、特に各蓄電素子11の充放電が行われず各々の両端電圧Viが安定している場合(例えば前記非常用バックアップ電源等のように蓄電素子11がほぼ満充電の状態を常時維持する用途)では、既定電圧幅Vkの分だけスイッチ素子25のオン動作とオフ動作にヒステリシスを持たせることができる。その結果、両端電圧Viと最終目標電圧Vbが極めて近い場合におけるスイッチ素子25のオンオフ動作の繰り返し、すなわちチャタリングの発生可能性を低減できる。従って、前記チャタリングによる不要な放電を抑制することができ、蓄電素子11が過放電に至る可能性を低減できる。なお、実施の形態1で述べたように蓄電装置を車両に適用する際は、使用中の充放電頻度が高いため、上記のようなチャタリングを起こす可能性が低い場合がある。従って、このような場合であれば既定電圧幅Vkによる前記ヒステリシスを持たせない動作としてもよい。また、既定電圧幅Vkは前記チャタリングを起こさないよう、あらかじめ実測により求め前記メモリに記憶している。本実施の形態9では既定電圧幅Vkを0.05Vとした。
以上の動作でi番目の蓄電素子11に対する前記バランス動作が行われたので、次にS93またはS97の動作の後、制御回路27は変数iに1を加えて変数iを更新する(S99)。次に、変数iがn+1と等しいか否かを判断する(S101)。もし等しくなければ(S101のNo)、最後(n番目)の蓄電素子11まで前記バランス動作が行われていないのでS91に戻り、以降の蓄電素子11の前記バランス動作を繰り返す。
一方、変数iがn+1と等しければ(S101のYes)、全ての蓄電素子11の前記バランス動作が行われたので、図10のサブルーチンを終了し、前記メインルーチンに戻る。
このように、本実施の形態9では最終目標電圧Vbを両端電圧Vi毎に求めるのではなく、平均電圧Vaに対してのみとしたので、最終目標電圧Vbを計算する期間が短くなる。但し、実施の形態1のように両端電圧Vi毎に最終目標電圧Vbを求める方が高精度化できるので、必要な精度や制御装置27の演算能力などに応じて適宜どちらの方法で最終目標電圧Vbを求めるかを選択すればよい。
以上の構成、動作により、定常状態時であっても蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキの低減が可能な蓄電装置を実現できる。
なお、本実施の形態9では実施の形態1〜8と相違する動作として、バラツキEとして標準偏差を用い、高電圧重み係数Vv1と低電圧重み係数Vv2を平均電圧Vaから求めることにより最終目標電圧Vbを平均電圧Vaに対する値のみとし、両端電圧Viと最終目標電圧Vbとの差の絶対値が既定電圧幅Vk以内であればバランス回路21を停止する動作を同時に実施しているが、これらは実施の形態1〜8の動作に対して必要に応じ個々に実施してもよいし、任意の組み合わせで実施してもよい。
従って、実施の形態8でまとめた電圧重み係数やバラツキ重み係数を求める方法の組み合わせとして下記の6番目の項目が追加される。
(6)電圧準拠重み付け相関関係を用いる場合、両端電圧Viに対する電圧重み係数を求めるか(実施の形態1〜8)、または平均電圧Vaに対する電圧重み係数を求めるか(実施の形態9)
これにより、蓄電装置の要求仕様等に応じて上記6つの項目から最適となる組み合わせを適宜選択して電圧重み係数やバラツキ重み係数を求めればよい。
また、本実施の形態9において、実施の形態2で述べた電圧準拠目標電圧Vbvのみにより電圧バランスを取る際は、図10の動作においてS39〜S55が不要になるとともに、S91とS95の「Vi」が「Vbv」に替わる。
また、本実施の形態9において、実施の形態3で述べたバランス準拠目標電圧Vbeのみにより電圧バランスを取る際は、図10の動作においてS73〜S87とS55が不要になるとともに、S91とS95の「Vi」が「Vbe」に替わる。
ここで、実施の形態1〜9に述べた制御回路27による電圧準拠目標電圧Vbvとバラツキ準拠目標電圧Vbeの求め方を以下にまとめる。
まず、電圧準拠目標電圧Vbvについて、制御回路27は、両端電圧Viから平均電圧Va、最大電圧Vmaxおよび最小電圧Vminを求め、各両端電圧Viまたは平均電圧Vaに対する最小電圧Vminまたは平均電圧Vaの少なくとも1つと最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係を用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧Vbvを求める。ここで、電圧重み係数は、下記1)から6)までのいずれか1つを適用して求められる。
1)各両端電圧Viに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxの適用
2)各両端電圧Viに対する、平均電圧Vaの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxの適用
3)各両端電圧Viに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と平均電圧Vaの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVmin、平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxの適用
4)平均電圧Vaに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVminおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxの適用
5)平均電圧Vaに対する、平均電圧Vaの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxの適用
6)平均電圧Vaに対する、最小電圧Vminの電圧重み係数と平均電圧Vaの電圧重み係数と最大電圧Vmaxの電圧重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminの電圧準拠重み付け相関関係KVmin、平均電圧Vaの電圧準拠重み付け相関関係KVaおよび最大電圧Vmaxの電圧準拠重み付け相関関係KVmaxの適用
次に、バラツキ準拠目標電圧Vbeについて、制御回路27は、両端電圧Viから平均電圧Va、バラツキE、最大電圧Vmaxおよび最小電圧Vminを求め、バラツキEに対する最小電圧Vminまたは平均電圧Vaの少なくとも1つと最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係を用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧Vbeを求める。ここで、バラツキ重み係数は、下記7)から9)までのいずれか1つを適用して求められる。
7)バラツキEに対する、最小電圧Vminのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVminおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxの適用
8)バラツキEに対する、平均電圧Vaのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxの適用
9)バラツキEに対する、最小電圧Vminのバラツキ重み係数と平均電圧Vaのバラツキ重み係数と最大電圧Vmaxのバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された最小電圧Vminのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmin、平均電圧Vaのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVaおよび最大電圧Vmaxのバラツキ準拠重み付け相関関係KEVmaxの適用
なお、最終目標電圧Vbは、上記1)から6)までのいずれか1つを適用して求められた電圧重み係数より得られた電圧準拠目標電圧Vbvと、上記7)から9)までのいずれか1つを適用して求められたバラツキ重み係数より得られたバラツキ準拠目標電圧Vbeから求められる。
また、実施の形態1〜9では、バランス回路21として抵抗器23とスイッチ素子25の直列回路からなる構成を用いたが、これは上記した通り前記トランス等で電力転送する構成としてもよい。この場合、バランス回路21は両端電圧Viを上げる方向にも調整することができるので、両端電圧Viが最終目標電圧Vbより低い場合は両端電圧Viを上げる制御を行えばよい。これにより、回路構成は複雑になるものの、両端電圧Viを上下に調整できるので、両端電圧Viが素早く最終目標電圧Vbになるように制御することが可能となる。
また、実施の形態1〜9では、図4や図10のS11とS13の動作に示すように、制御回路27は電流検出回路13で検出された電流Iが実質的に0の時に最終目標電圧Vbを求めて蓄電素子11の前記バランス動作を行っているが、これは電流Iを検出しない動作としてもよい。この場合は電流Iの値にかかわらず蓄電素子11の充放電中にも前記バランス動作を行うので、早期に電圧バラツキを低減することが可能となる。但し、この場合は各蓄電素子11の内部抵抗値による両端電圧Viの変動が発生するので、電圧バラツキ低減に対する精度は低下する。従って、必要な精度と電圧バラツキ期間に応じて、電流Iが実質的に0の時にのみ前記バランス動作を行うか、または電流Iの値にかかわらず前記バランス動作を行うかを適宜選択すればよい。なお、後者の場合は電流検出回路13を特に設けなくてもよい。
また、バラツキEとして、実施の形態1〜8では両端電圧Viにおける最大電圧Vmaxと最小電圧Vminとの差を2で除した値を、実施の形態9では両端電圧Viの標準偏差を、それぞれ用いているが、これらは一例であり、例えば各両端電圧Viと平均電圧Vaとの差をバラツキEとしてもよい。このようなバラツキEを用いても実施の形態1〜9と同様に、蓄電素子11の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキを低減することが可能となる。
また、実施の形態1〜9では、各蓄電素子11に温度センサ12を配する構成としたが、これは例えば前記非常用バックアップ電源のように環境温度変化や充放電頻度が少なく蓄電素子11の温度Tiが比較的安定している場合は温度センサ12を設けない構成としてもよい。この場合は、図4や図10の両端電圧Viに対する温度補正動作(S16)が不要となる。
また、実施の形態1〜9では、蓄電素子11として電気化学キャパシタを用いたが、これは電気二重層キャパシタ等の他のキャパシタや二次電池であってもよい。
本発明にかかる蓄電装置は定常状態時であっても蓄電素子の過放電可能性を低減しつつ電圧バラツキを低減できるので、特に充放電頻度の高い車両用の蓄電装置等として有用である。
11 蓄電素子
12 温度センサ
13 電流検出回路
19 電圧検出回路
21 バランス回路
23 抵抗器
25 スイッチ素子
27 制御回路

Claims (14)

  1. 直列接続された複数の蓄電素子と、
    前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子のそれぞれの両端電圧(Vi、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する電圧検出回路と、
    前記蓄電素子のそれぞれと電気的に接続され、前記両端電圧(Vi)を調整するバランス回路と、
    前記電圧検出回路と前記バランス回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記両端電圧(Vi)から平均電圧(Va)、最大電圧(Vmax)および最小電圧(Vmin)を求め、
    前記各両端電圧(Vi)または前記平均電圧(Va)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係を用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧(Vbv)を求め、
    前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)が前記電圧準拠目標電圧(Vbv)になるように前記バランス回路を制御するようにした蓄電装置。
  2. 前記電圧重み係数は、
    1)前記各両端電圧(Vi)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    2)前記各両端電圧(Vi)に対する、前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    3)前記各両端電圧(Vi)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)、前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    4)前記平均電圧(Va)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    5)前記平均電圧(Va)に対する、前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    6)前記平均電圧(Va)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)、前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    の、上記1)から6)までのいずれか1つを適用して求められる請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 複数の前記蓄電素子の全体に対し直列に接続されるとともに、前記制御回路に電気的に接続された電流検出回路を備え、
    前記制御回路は、前記電流検出回路で検出された電流(I)が実質的に0の時に前記電圧準拠目標電圧(Vbv)を求めて前記バランス回路を制御するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
  4. 前記制御回路は、前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)と前記電圧準拠目標電圧(Vbv)との差の絶対値が既定電圧幅(Vk)以内であれば、前記バランス回路の動作を停止するように制御する請求項1に記載の蓄電装置。
  5. 直列接続された複数の蓄電素子と、
    前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子のそれぞれの両端電圧(Vi、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する電圧検出回路と、
    前記蓄電素子のそれぞれと電気的に接続され、前記両端電圧(Vi)を調整するバランス回路と、
    前記電圧検出回路と前記バランス回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記両端電圧(Vi)から平均電圧(Va)、バラツキ(E)、最大電圧(Vmax)および最小電圧(Vmin)を求め、
    前記バラツキ(E)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係を用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧(Vbe)を求め、
    前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)が前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)になるように前記バランス回路を制御するようにした蓄電装置。
  6. 前記バラツキ重み係数は、
    1)前記バラツキ(E)に対する、前記最小電圧(Vmin)のバラツキ重み係数と前記最大電圧(Vmax)のバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmin)および前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmax)の適用、
    2)前記バラツキ(E)に対する、前記平均電圧(Va)のバラツキ重み係数と前記最大電圧(Vmax)のバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された前記平均電圧(Va)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVa)および前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmax)の適用、
    3)前記バラツキ(E)に対する、前記最小電圧(Vmin)のバラツキ重み係数と前記平均電圧(Va)のバラツキ重み係数と前記最大電圧(Vmax)のバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmin)、前記平均電圧(Va)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVa)および前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmax)の適用、
    の、上記1)から3)までのいずれか1つを適用して求められる請求項5に記載の蓄電装置。
  7. 複数の前記蓄電素子の全体に対し直列に接続されるとともに、前記制御回路に電気的に接続された電流検出回路を備え、
    前記制御回路は、前記電流検出回路で検出された電流(I)が実質的に0の時に前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)を求めて前記バランス回路を制御するようにした請求項5に記載の蓄電装置。
  8. 前記制御回路は、前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)と前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)との差の絶対値が既定電圧幅(Vk)以内であれば、前記バランス回路の動作を停止するように制御する請求項5に記載の蓄電装置。
  9. 直列接続された複数の蓄電素子と、
    前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子のそれぞれの両端電圧(Vi、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する電圧検出回路と、
    前記蓄電素子のそれぞれと電気的に接続され、前記両端電圧(Vi)を調整するバランス回路と、
    前記電圧検出回路と前記バランス回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記両端電圧(Vi)から平均電圧(Va)、バラツキ(E)、最大電圧(Vmax)および最小電圧(Vmin)を求め、
    前記各両端電圧(Vi)または前記平均電圧(Va)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係を用いて電圧重み係数を求めることにより電圧準拠目標電圧(Vbv)を求めるとともに、
    前記バラツキ(E)に対する前記最小電圧(Vmin)または前記平均電圧(Va)の少なくとも1つと前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係を用いてバラツキ重み係数を求めることによりバラツキ準拠目標電圧(Vbe)を求め、
    前記電圧準拠目標電圧(Vbv)と前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)から最終目標電圧(Vb)を求め、
    前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)が前記最終目標電圧(Vb)になるように前記バランス回路を制御するようにした蓄電装置。
  10. 前記電圧重み係数は、
    1)前記各両端電圧(Vi)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    2)前記各両端電圧(Vi)に対する、前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    3)前記各両端電圧(Vi)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)、前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    4)前記平均電圧(Va)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    5)前記平均電圧(Va)に対する、前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    6)前記平均電圧(Va)に対する、前記最小電圧(Vmin)の電圧重み係数と前記平均電圧(Va)の電圧重み係数と前記最大電圧(Vmax)の電圧重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmin)、前記平均電圧(Va)の電圧準拠重み付け相関関係(KVa)および前記最大電圧(Vmax)の電圧準拠重み付け相関関係(KVmax)の適用、
    の、上記1)から6)までのいずれか1つを適用して求められ、
    前記バラツキ重み係数は、
    7)前記バラツキ(E)に対する、前記最小電圧(Vmin)のバラツキ重み係数と前記最大電圧(Vmax)のバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmin)および前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmax)の適用、
    8)前記バラツキ(E)に対する、前記平均電圧(Va)のバラツキ重み係数と前記最大電圧(Vmax)のバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された前記平均電圧(Va)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVa)および前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmax)の適用、
    9)前記バラツキ(E)に対する、前記最小電圧(Vmin)のバラツキ重み係数と前記平均電圧(Va)のバラツキ重み係数と前記最大電圧(Vmax)のバラツキ重み係数との和が1となるように正規化された前記最小電圧(Vmin)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmin)、前記平均電圧(Va)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVa)および前記最大電圧(Vmax)のバラツキ準拠重み付け相関関係(KEVmax)の適用、
    の、上記7)から9)までのいずれか1つを適用して求められる請求項9に記載の蓄電装置。
  11. 前記制御回路は、前記電圧準拠目標電圧(Vbv)と前記バラツキ準拠目標電圧(Vbe)を平均して前記最終目標電圧(Vb)を求めるようにした請求項9に記載の蓄電装置。
  12. 複数の前記蓄電素子の全体に対し直列に接続されるとともに、前記制御回路に電気的に接続された電流検出回路を備え、
    前記制御回路は、前記電流検出回路で検出された電流(I)が実質的に0の時に前記最終目標電圧(Vb)を求めて前記バランス回路を制御するようにした請求項9に記載の蓄電装置。
  13. 前記制御回路は、前記各蓄電素子の前記両端電圧(Vi)と前記最終目標電圧(Vb)との差の絶対値が既定電圧幅(Vk)以内であれば、前記バランス回路の動作を停止するように制御する請求項9に記載の蓄電装置。
  14. 前記制御回路に電気的に接続され、前記各蓄電素子の温度(Ti、i=1〜n、nは前記蓄電素子の直列個数)を検出する複数の温度センサを備え、
    前記制御回路は、前記温度(Ti)と前記両端電圧(Vi)との既定温度相関関係により、前記温度センサで検出した前記各温度(Ti)で前記各両端電圧(Vi)を補正するようにした請求項1、5、または9のいずれかに記載の蓄電装置。
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