JP2011151242A - Soiウェーハの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SOIウェーハに半導体素子を形成する前に当該SOIウェーハの転位欠陥に関する良否の判定を行うことが可能な検査方法を提供する。
【解決手段】SOIウェーハ1にSOIウェーハ1のスクライブ領域6aにおける表面から埋め込み酸化膜3まで到達する検査用トレンチ7・7・・・を形成し、検査用トレンチ7・7・・・にシリコンと異なる熱膨張係数を有する埋め込み材8・8・・・を埋め込み、SOIウェーハ1を所定の処理温度に到達するまで加熱し、SOIウェーハ1の表面のうち検査用トレンチ7・7・・・の周囲となる部分に現れた転位9・9・・・を検出し、検出された転位9・9・・・に基づいてSOIウェーハ1の良否を判定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、SOIウェーハの検査方法に関する。
より詳細には、SOIウェーハに半導体素子を形成する前に当該SOIウェーハの転位欠陥に関する良否の判定を行う技術に関する。
従来、半導体素子の浮遊容量を小さくすることにより半導体素子の高速度化および低消費電力化を達成する方法としては、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハを半導体素子の原材料(シリコン基板)に用いる方法が知られている。
SOIウェーハは絶縁膜が埋め込まれたシリコンウェーハである。一般的に、SOIウェーハはその表面から内部に向かって「表面部シリコン」、「絶縁膜(その多くは埋め込み酸化膜)」および「基板部シリコン」の三層構造を有し、表面部シリコンと基板部シリコンとが絶縁膜によって電気的に絶縁される。
そのため、SOIウェーハの表面部シリコンに形成された半導体素子の浮遊容量は、通常の(絶縁膜が埋め込まれていない)シリコンウェーハに形成された半導体素子の浮遊容量に比べて小さい。
また、SOIウェーハの表面から埋め込み酸化膜まで到達するトレンチ(溝)を形成し、当該トレンチの側壁に酸化膜(側壁酸化膜)を形成し、埋め込み酸化膜および側壁酸化膜により囲まれた部分に半導体素子を形成することにより、隣接する半導体素子の間を電気的に絶縁する(素子分離する)技術も知られている。
SOIウェーハの表面部シリコンに半導体素子を形成する工程には、SOIウェーハに熱処理を施す(加熱する)工程が含まれる。
また、SOIウェーハの埋め込み酸化膜および側壁酸化膜(いずれも通常は二酸化シリコン)と、SOIウェーハの表面部シリコン(通常は単結晶シリコン)との間では、熱膨張率が異なる。
そのため、SOIウェーハの表面部シリコンに半導体素子を形成する過程において、表面部シリコンとこれらの酸化膜との境界部、特に、トレンチの側壁と埋め込み酸化膜との境界部(エッジ)に熱応力が発生し、当該部分において転位が発生する場合がある。
上記メカニズムにより発生した転位は半導体素子のリーク電流、ひいては半導体素子の動作不良の原因となる。
上記「リーク電流に起因する半導体素子の動作不良」を低減するためには、半導体素子を形成する工程の諸パラメータを見直す(例えば、熱処理の温度を下げる、熱処理の時間を短縮する等)とともに、歪み(内部応力)が小さいSOIウェーハ、すなわち半導体素子を形成する過程で転位が発生しにくいSOIウェーハを用いて半導体素子を形成する、といった対策を要する。
従来、リーク電流による半導体素子の動作不良を検査する方法としては、SOIウェーハの表面部シリコンに半導体素子を形成し、形成された各半導体素子に通電し、各半導体素子の電気特性(電流、電圧等)を検査する工程を含む方法が知られている(以下、この方法を「従来検査方法」という)。
しかし、従来検査方法は、「SOIウェーハに半導体素子を形成する前にリーク電流による半導体素子の動作不良の有無を確認することができない」、言い換えれば「実際にSOIウェーハに半導体素子を形成した後でしかリーク電流による半導体素子の動作不良の有無を確認することができない」、という問題を有する。
上記の問題から派生して、工業的にSOIウェーハに半導体素子を形成する場合には以下の問題が発生する。
第一に、製品たる半導体素子が確実に動作することを保証するためには、出荷前の検査においてリーク電流による動作不良が有ると判定されたSOIウェーハを廃棄処分しなければならないので、当該SOIウェーハに半導体素子を形成するために使われた労力、エネルギー、材料および時間が無駄になる。
例えば、半導体ウェーハにNチャンネル型MOSデバイスを形成する工程の一例は、表面酸化、窒化膜成長、フォトリソグラフィ(一回目;フォトレジスト塗布、プリベーク、目合わせ露光、現像、外観チェック、ポストベーク(焼き締め)、選択エッチングまたは成膜・リフトオフ、レジスト剥離(アッシング)を含む)、洗浄、フィールド酸化膜形成、全面エッチング、ゲート酸化、ポリシリコン膜成長、フォトリソグラフィ(二回目)、不純物導入(ドーピング)、層間膜形成、フォトリソグラフィ(三回目)、アルミ膜形成、フォトリソグラフィ(四回目)、保護膜形成、フォトリソグラフィ(五回目)、という一連の工程を含み、多大な労力、エネルギー、材料および時間を要する。
第二に、SOIウェーハを受け取ってからリーク電流による動作不良の有無を確認するまでに要する時間が長くなる(この時間は、少なくともSOIウェーハに半導体素子を形成するのに要する時間よりは長い)。
その結果、「半導体素子を形成する過程で転位が発生し易いSOIウェーハ(内部応力が大きいSOIウェーハ)」を半導体素子を形成する工程に連続して投入した場合、リーク電流による動作不良が確認された時点で既に大量のSOIウェーハが半導体素子を形成する工程に投入され、結果として当該大量のSOIウェーハが廃棄処分される事態も起こり得る(製品として出荷することができない)。
従来検査方法の他、リーク電流による半導体素子の動作不良を検査する方法としては特許文献1に記載の方法が知られている。
特許文献1に記載の方法は、半導体ウェーハに半導体素子を形成するときに半導体素子に電気的に接続されている回路素子用電極パッドおよび当該回路素子用電極パッドおよび半導体素子に対して絶縁されている検査用電極パッドを併せて形成し、回路素子用電極パッドおよび検査用電極パッドの間に電圧を印加する前後の抵抗値、容量値、耐圧およびリーク電流等を測定することにより、リーク電流の発生の有無(リーク電流による動作不良の有無)を検査する工程を含む。
しかし、特許文献1に記載の方法も従来検査方法と同様、SOIウェーハに半導体素子を形成する前にリーク電流による半導体素子の動作不良の有無を確認することができないという問題を有する。
上記方法の他、半導体ウェーハ内部の結晶欠陥(転位)を検出する方法としては特許文献2に記載の方法が知られている。
特許文献2に記載の方法は、半導体ウェーハのスクライブ領域に半導体素子の素子構造の少なくとも一部を形成し、半導体ウェーハに半導体素子を形成する一連の工程の途中あるいは半導体素子を形成した後に光の散乱を利用して半導体ウェーハを構成するシリコン単結晶内の結晶欠陥を計測する工程を含む。
しかし、特許文献2に記載の方法を半導体ウェーハに半導体素子を形成する前に当該半導体ウェーハの転位を検出する用途に転用した場合、半導体ウェーハのスクライブ領域にのみ半導体素子の素子構造の少なくとも一部を形成する工程を別途要するので、検査のために多大な労力、エネルギー、材料および時間を要する。
その他、目的は異なるが、SOIウェーハの表面から絶縁膜(埋め込み酸化膜)までの深さ(すなわち、表面部シリコンの厚さ)を測定する方法としては特許文献3に記載の方法が知られており、半導体基板の表面の酸素濃度を測定する方法としては特許文献4に記載の方法が知られている。
特許文献3に記載の方法は、SOIウェーハの表面から絶縁膜(埋め込み酸化膜)まで到達するトレンチを形成し、当該トレンチの傍らにトレンチの側壁面からの距離が異なる複数のpn接合領域を形成するとともにこれら複数のpn接合領域に対して酸化膜により分離されたオーミック接合領域を形成し、各pn接合領域とオーミック接合領域との間に逆バイアス電圧を印加することにより各pn接合領域に対応する逆方向電流を測定する工程を含む。
しかし、特許文献3に記載の方法は、pn接合領域およびオーミック接合領域を形成する工程を具備するため、SOIウェーハに半導体素子を形成する前に多大な労力、エネルギー、材料および時間を要する。
また、従来検査方法、特許文献1に記載の方法および特許文献3に記載の方法の如く、リーク電流の測定を通じて転位の有無を検出する場合、その検出精度を上げるために半導体ウェーハの表面からの深さがマイクロメートルオーダーとなる深いpn接合を有する半導体素子を形成する必要があり、ひいては多大な労力、エネルギー、材料および時間を要する。
特許文献4に記載の方法は、半導体基板の表面に圧痕を付け、当該半導体基板に熱処理を施して半導体基板の表面に転位を発生させ、圧痕から転位までの距離を測定することにより半導体基板の表面の酸素濃度を測定する工程を含む。
特許文献4に記載の方法は、半導体基板の表面の酸素濃度が上昇することにより転位の移動距離が短くなる性質を利用し、予め実験的に求められた「半導体基板の表面の酸素濃度と転位の移動距離との関係」と圧痕から転位までの距離とを比較することにより、半導体基板の表面の酸素濃度を測定する。
しかし、特許文献4に記載の方法において半導体基板の表面に発生する転位は機械的な外力(圧痕)に起因するものであり、SOIウェーハの埋め込み酸化膜の熱膨張率とSOIウェーハの表面部シリコンの熱膨張率との差(熱ストレス)に起因して発生する転位とはその発生のメカニズムが大きく異なる。
従って、「SOIウェーハに半導体素子を形成した場合にリーク電流の原因となる転位が発生するか否かを検査する」という目的を達成するために特許文献4に記載の方法を安易に転用することはできない。
特開2008−235485号公報 特開平7−297248号公報 特開平5−41434号公報 特開平9−199558号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、SOIウェーハに半導体素子を形成する前に当該SOIウェーハの転位欠陥に関する良否の判定を行うこと、である。
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
SOIウェーハに前記SOIウェーハの非素子領域における表面から埋め込み酸化膜まで到達する検査用穴を形成し、
前記検査用穴にシリコンと異なる熱膨張係数を有する埋め込み材を埋め込み、
前記SOIウェーハを所定の処理温度に到達するまで加熱し、
前記SOIウェーハの表面のうち前記検査用穴の周囲となる部分に現れた転位を検出し、
検出された転位に基づいて前記SOIウェーハの良否を判定するものである。
請求項2においては、
前記SOIウェーハの表面のうち少なくとも前記検査用穴の周囲となる部分をエッチングすることにより前記検査用穴の周囲となる部分のうち転位に対応する部分に窪みを形成し、当該窪みを検出することにより前記転位を検出するものである。
請求項3においては、
前記検査用穴は、
前記SOIウェーハの表面に平行な方向に延びた溝である。
請求項4においては、
前記溝が平行かつ間隔を空けて複数形成され、
前記複数の溝は、
前記SOIウェーハの表面から埋め込み酸化膜までを構成する単結晶シリコンの滑り面と前記SOIウェーハの表面との交線方向に延び、
前記複数の溝のうち隣り合うものの間隔は、
前記溝の側壁面と前記埋め込み酸化膜の表面との交線を成すエッジから前記SOIウェーハの表面において前記検査用穴の周囲となる部分に現れた転位までの前記SOIウェーハの表面に平行な方向における距離である検出距離Lの二倍である。
請求項5においては、
前記検出距離Lは、
前記検査用穴の周囲の領域に現れた転位を検出するときの前記SOIウェーハの表面から埋め込み酸化膜までの部分を構成するシリコンの厚さDおよび当該シリコンの表面と前記転位の滑り面との成す角度θを用いて以下の数1で表されるものである。
Figure 2011151242
請求項6においては、
前記溝の幅は、
前記SOIウェーハの素子領域に形成される素子分離用のトレンチの幅と同じ、または、前記SOIウェーハの素子領域に形成される素子分離用のトレンチの幅よりも大きいものである。
請求項7においては、
前記SOIウェーハの非素子領域は、
前記SOIウェーハのスクライブライン上の領域を含むものである。
本発明は、SOIウェーハに半導体素子を形成する前に当該SOIウェーハの転位欠陥に関する良否の判定を行うことが可能である、という効果を奏する。
(a)本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態に適用されるSOIウェーハの要部側面断面図、(b)本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態に適用されるSOIウェーハの平面模式図。 本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態を示すフロー図。 (a)検査用トレンチが形成されたSOIウェーハの要部側面断面図、(b)検査用トレンチが形成されたSOIウェーハの要部平面図。 (a)検査用トレンチに埋め込み材が埋め込まれたSOIウェーハの要部側面断面図、(b)検査用トレンチに埋め込み材が埋め込まれたSOIウェーハの要部平面図。 (a)熱処理が施されたSOIウェーハの要部側面断面図、(b)熱処理が施されたSOIウェーハの要部平面図。 (a)表面がエッチングされたSOIウェーハの要部側面断面図、(b)表面がエッチングされたSOIウェーハの要部平面図。
以下では、図1を用いて本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態が適用されるSOIウェーハ1について説明する。
図1の(a)に示す如く、本実施形態のSOIウェーハ1はその表面から内部に向かって表面部シリコン2、埋め込み酸化膜3、基板部シリコン4の各層からなる三層構造を有する。
本実施形態のSOIウェーハ1は表面部シリコン2および基板部シリコン4はいずれも単結晶シリコン(Si)からなり、埋め込み酸化膜3は二酸化シリコン(SiO)からなる。
表面部シリコン2および埋め込み酸化膜3の厚さは用途(形成される半導体素子)に応じて適宜選択される。本実施形態の表面部シリコン2の厚さ、すなわちSOIウェーハ1の表面(表面部シリコン2の表面)から埋め込み酸化膜3の表面(表面部シリコン2の裏面と当接する面)までの距離はD0である。
本実施形態のSOIウェーハ1は「SIMOX(Separation by IMplantation of OXygen)法」で製造されたものである。
「SIMOX法」は、シリコンウェーハの表面から酸素分子をイオン注入した後にシリコンウェーハを加熱することにより、シリコンウェーハを構成するシリコン原子とイオン注入された酸素分子とを反応させ、シリコンウェーハの表面から所定の深さとなる位置に埋め込み酸化膜(絶縁膜)を形成する方法である。
なお、本発明に係る「SOIウェーハ」はSIMOX法により製造されたものに限定されず、他の方法により製造されたSOIウェーハにも適用可能である。SOIウェーハの他の製造方法としては「張り合わせ法」が挙げられる。
図1の(b)に示す如く、SOIウェーハ1の表面(表面部シリコン2の表面)には、素子領域5・5・・・および非素子領域6が予め設定される。
素子領域5・5・・・は、SOIウェーハ1の表面のうち、本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態を適用した結果「良品である」と判定された場合には半導体素子を形成することが予定される部分である(図1の(b)において斜線が施されていない部分を参照)。本実施形態の素子領域5は平面視長方形状に設定される。
非素子領域6は、SOIウェーハ1の表面のうち、本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態を適用した結果に関わらず、製品となる半導体素子を形成しないことが予定される部分である。
本実施形態の非素子領域6はスクライブ領域6aおよび廃棄領域6b・6b・・・を含む。
スクライブ領域6aはスクライブライン上の領域、すなわち、SOIウェーハ1の素子領域5・5・・・にそれぞれ半導体素子を形成した場合、各半導体素子を切り離すための切り代となる部分である(図1の(b)において右上がりの斜線が施されている部分を参照)。
本実施形態のスクライブ領域6aは格子状(所定の間隔を空けて配置された所定の幅を有する複数の縦線と所定の間隔を空けて配置された所定の幅を有する複数の横線とが交差する形状)に設定される。スクライブ領域6aにより区画された部分に素子領域5・5・・・または廃棄領域6b・6b・・・が設定される。
廃棄領域6b・6b・・・は非素子領域6のうちスクライブ領域6aに含まれない部分である(図1の(b)において右下がりの斜線が施されている部分を参照)。
本実施形態の廃棄領域6b・6b・・・は、スクライブ領域6aにより区画された部分のうち、素子領域5・5・・・として設定することができなかった部分である。より具体的には、SOIウェーハ1の周縁部に位置するために平面視の形状が他の素子領域5・5・・・と同じ形状とならない部分である。
以下では便宜上、SOIウェーハ1の表面が表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの(001)面に対して平行であり、図1の(b)におけるスクライブ領域6aの縦線の長手方向が表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの[110]方向に対して平行であり、かつ図1の(b)におけるスクライブ領域6aの横線の長手方向が表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの[1−10]方向に対して平行である場合、について説明する。
図2に示す如く、本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態は、検査用穴形成工程S100、埋め込み工程S200、加熱工程S300、転位検出工程S400、および判定工程S500を含む。
以下では、検査用穴形成工程S100の詳細について説明する。
図3の(a)および(b)に示す如く、検査用穴形成工程S100において、SOIウェーハ1のスクライブ領域6a(本実施形態では、格子状のスクライブ領域6aのうち、縦線と横線とが交差する部分)には検査用トレンチ7・7・7・7が形成される。
検査用トレンチ7・7・7・7は本発明に係る検査用穴の実施の一形態である。
図3の(a)に示す如く、検査用トレンチ7・7・7・7はSOIウェーハ1の表面に開口しており、SOIウェーハ1の表面から埋め込み酸化膜3の表面まで到達する。
図3の(b)に示す如く、本実施形態の検査用トレンチ7・7・7・7はいずれもSOIウェーハ1の表面に平行な方向である[110]方向に延びた形状を有する溝である。
検査用トレンチ7・7・7・7は底面、一対の側壁面および一対の側端面を有する。
検査用トレンチ7の底面は検査用トレンチ7の底を成す面である。本実施形態では、検査用トレンチ7の底面は実質的には埋め込み酸化膜3の表面であり、表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの(001)面に対して平行である。
検査用トレンチ7の一対の側壁面は検査用トレンチ7の四つの周面のうち、検査用トレンチ7の長手方向([110]方向)に延びた面である。本実施形態では、検査用トレンチ7の一対の側壁面は表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの(1−10)面に対して平行である。
検査用トレンチ7の一対の側端面は検査用トレンチ7の四つの周面のうち、一対の側壁面を繋ぐ面である。本実施形態では、検査用トレンチ7の一対の側端面は表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの(110)面に対して平行である。
図3の(a)に示す如く、本実施形態の検査用トレンチ7の一対の側壁面はSOIウェーハ1の表面に対して垂直である。
本実施形態の検査用トレンチ7・7・7はドライエッチングにより形成されるが、本発明に係る検査用穴を形成する方法はこれに限定されず、他の方法(例えば、ウェットエッチング)により形成しても良い。
検査用穴形成工程S100が終了したら、埋め込み工程S200に移行する。
以下では、埋め込み工程S200の詳細について説明する。
図4の(a)および(b)に示す如く、埋め込み工程S200において、検査用トレンチ7・7・7・7にはそれぞれ埋め込み材8・8・8・8が埋め込まれる。
埋め込み材8はSOIウェーハ1の表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンと異なる熱膨張係数(単結晶シリコンの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数または小さい熱膨張係数)を有する材料で構成される。本実施形態の埋め込み材8は二酸化シリコンからなる。
埋め込み工程S200が終了したら、加熱工程S300に移行する。
以下では、加熱工程S300の詳細について説明する。
加熱工程S300において、SOIウェーハ1は熱処理に施される。より具体的には、SOIウェーハ1はアルゴンガス雰囲気の加熱炉(不図示)に収容され、加熱される。加熱炉に収容されたSOIウェーハ1は、所定の処理温度に到達するまで昇温され、所定の処理温度で所定の処理時間保持され、その後室温まで冷却される。
図5の(a)に示す如く、加熱工程S300において熱処理が施された後のSOIウェーハ1には、埋め込み材8を構成する材料の熱膨張係数と表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの熱膨張係数との差、および埋め込み酸化膜3を構成する二酸化シリコンの熱膨張係数と表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの熱膨張係数との差に起因する熱ストレスにより、転位9・9・・・が発生している。
なお、図5の(a)では便宜上、転位9・9・・・を太い点線で表しているが、実際には加熱工程S300において熱処理が施された時点では転位9・9・・・を目視することはできない。
転位9の起点は、検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジ、および検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジである。
加熱工程S300では、「埋め込み材8と表面部シリコン2との境界面(検査用トレンチ7の側壁面)において当該境界面に平行な方向に作用する熱ストレス」および「埋め込み酸化膜3と表面部シリコン2との境界面において当該境界面に平行な方向に作用する熱ストレス」が発生する。
上記二種類の熱ストレスは、いずれも表面部シリコン2のうち検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジの近傍となる部分、および検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジの近傍となる部分に作用する。
従って、表面部シリコン2のうち検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジの近傍となる部分、および検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジの近傍となる部分に表面部シリコン2の他の部分よりも熱ストレスが集中し易い。
なお、図5の(a)では、厳密には検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジを起点とする転位9・9・・・は図示されていない。
図5の(a)に示す如く、転位9・9・・・は、表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの滑り面に沿って進展し、SOIウェーハ1の表面(表面部シリコン2の表面)まで到達する。
本実施形態の場合、表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの結晶構造はダイヤモンド構造であり、単結晶シリコンの滑り面は{111}面である。また、検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジの長手方向は単結晶シリコンの(1−10)面と(001)面との交線である[110]方向に平行である。また、検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジの長手方向は単結晶シリコンの(110)面と(001)面との交線である[1−10]方向に平行である。
従って、検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジを起点として発生した転位9・9・・・は、表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの{111}面のうち、[110]方向に平行な面である(−111)面または(1−11)面を滑り面として進展する。
また、検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジを起点として発生した転位9・9・・・は、表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの{111}面のうち、[1−10]方向に平行な面である(111)面または(−1−11)面を滑り面として進展する。
加熱工程S300における「熱処理の諸パラメータ」、すなわち加熱工程S300における「所定の処理温度」、「所定の処理時間」、「熱処理を開始してから所定の処理温度に到達するまでの昇温速度」および「所定の処理温度から室温まで冷却するときの冷却速度」は、SOIウェーハの直径、SOIウェーハの厚さ(表面部シリコン、埋め込み酸化膜、基板部シリコンのそれぞれの厚さを含む)、検査用穴の形状、埋め込み材を構成する材料(当該材料の熱膨張係数)等の種々のパラメータに応じて適宜選択される。
また、加熱工程S300における「熱処理の諸パラメータ」は、複数のSOIウェーハ1・1・・・を用いた実験により、予め設定される。
より詳細には、本実施形態では以下の(a)および(b)の条件が満たされるように加熱工程S300における「熱処理の諸パラメータ」が定められる。
(a)「半導体素子を形成する過程で転位が発生し、その結果としてリーク電流が発生するようなSOIウェーハ1」を所定の処理温度に到達するまで昇温し、所定の処理温度で所定の処理時間保持し、その後室温まで冷却した場合には、埋め込み材8と表面部シリコン2との熱膨張係数差、および埋め込み酸化膜3と表面部シリコン2との熱膨張係数差に起因する熱ストレスによりSOIウェーハ1に転位9・9・・・が発生する。
(b)「半導体素子を形成する過程で転位が発生せず、その結果としてリーク電流が発生しないようなSOIウェーハ1」を所定の処理温度に到達するまで昇温し、所定の処理温度で所定の処理時間保持し、その後室温まで冷却した場合には、埋め込み材8と表面部シリコン2との熱膨張係数差、および埋め込み酸化膜3と表面部シリコン2との熱膨張係数差に起因する熱ストレスによりSOIウェーハ1に転位9・9・・・が発生しない。
本実施形態の場合、所定の処理温度は1000℃以上1200℃以下の温度であり、所定の処理時間は1時間以上2時間以下である。
また、埋め込み材8を構成する材料の熱膨張係数と表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの熱膨張係数との差、および埋め込み酸化膜3を構成する二酸化シリコンの熱膨張係数と表面部シリコン2を構成する単結晶シリコンの熱膨張係数との差に起因してSOIウェーハ1の内部に発生する熱ストレスを大きくし、ひいては転位9・9・・・の発生を促進するためには、検査用トレンチ7の幅T(ひいては、埋め込み材8の幅T)を大きくすることが望ましい。
本実施形態では検査用トレンチ7の幅T(図3の(a)参照)を数マイクロメートルに設定している。
加熱工程S300が終了したら、転位検出工程S400に移行する。
以下では、転位検出工程S400の詳細について説明する。
本実施形態では、転位検出工程S400において、以下の(1)から(9)の手順でSOIウェーハ1の表面のうち検査用トレンチ7・7・7・7の周囲となる部分に現れた転位9・9・・・を検出する。
(1)SOIウェーハ1の表面にフォトレジストが塗布される。
本実施形態のフォトレジストは、SOIウェーハ1の表面に塗布された時点では所定の波長の光を照射することにより変質する感光性有機物質とバインダー(有機溶剤)との混合物である。
(2)SOIウェーハ1にプリベークが施される。
「プリベーク」は、フォトレジストに含まれるバインダーを除去してフォトレジストに含まれる感光性有機物質とSOIウェーハ1との密着性を向上する目的で行われる熱処理である。
本実施形態では、SOIウェーハ1を80℃から100℃までの温度に加熱することによりプリベークを施す。
(3)SOIウェーハ1の表面のうち「検査用トレンチ7・7・7・7が形成されている部分およびその周囲となる部分」に所定の波長の光が照射(目合わせ露光)される。
SOIウェーハ1の表面に塗布されたフォトレジストのうち、所定の波長の光が照射された部分は変質する。
(4)SOIウェーハ1が現像液に浸漬される。
SOIウェーハ1の表面に塗布されたフォトレジストのうち、所定の波長の光が照射された部分(変質した部分)は現像液に溶解し、所定の波長の光が照射されなかった部分(変質しなかった部分)は現像液に溶解しない。
従って、SOIウェーハ1の表面のうち「検査用トレンチ7・7・7・7が形成されている部分およびその周囲となる部分」は露出し、それ以外の部分はフォトレジストにより被覆された状態となる。
現像液の具体例としては、TMAH(Tetra−methyl−ammonium−hydroxyde)が挙げられる。
(5)SOIウェーハ1がリンス液で濯がれる。
リンス液で濯がれることにより、SOIウェーハ1の表面に残留している現像液が除去される。リンス液の具体例としては超純水(SOIウェーハ1の表面を汚染しない程度の純度を有する水)が挙げられる。
(6)SOIウェーハ1にポストベークが施される。
「ポストベーク」は、リンス液を除去するとともにフォトレジストとSOIウェーハ1との密着性を向上する目的で行われる熱処理である。
本実施形態ではSOIウェーハ1を100℃から200℃までの温度に加熱する(焼き締める)ことによりポストベークが施される。
(7)SOIウェーハ1にエッチングが施される。
本実施形態ではSOIウェーハ1をフッ硝酸(フッ化水素および硝酸の水溶液)に浸漬することにより、SOIウェーハ1の表面のうち「検査用トレンチ7・7・7・7が形成されている部分およびその周囲となる部分」をエッチングする。
本実施形態では、エッチング後の「検査用トレンチ7・7・7・7が形成されている部分およびその周囲となる部分」の厚さがD(<D0)となるようにエッチングの諸条件(フッ硝酸の組成、フッ硝酸の温度、SOIウェーハ1をフッ硝酸に浸漬する時間等)が適宜設定される。
このとき、検査用トレンチ7・7・7・7の周囲となる部分のうち、転位9・9・・・に対応する部分(転位9・9・・・の転位線とSOIウェーハ1の表面との交点となる部分)は転位に対応しない部分(転位線とSOIウェーハ1の表面との交点となる部分の周囲の部分)よりもエッチングレートが大きい(優先的にエッチングされる)ので、転位に対応する部分には窪み9a・9a・・・が形成される(図6参照)。
なお、本実施形態ではSOIウェーハ1にフッ硝酸によるウェットエッチングを施したが、他の方法でSOIウェーハにエッチングを施しても良い。SOIウェーハにエッチングを施す他の方法の例としては、ドライエッチング(反応性の気体、イオン、ラジカルを用いたエッチング)が挙げられる。
本実施形態の検査用トレンチ7の一対の側壁面はSOIウェーハ1の表面に対して垂直である。従って、「エッチング後における検査用トレンチ7の側壁面と埋め込み酸化膜3の表面との交線を成すエッジ(検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジ)からSOIウェーハ1の表面において検査用トレンチ7の周囲となる部分に現れた転位までのSOIウェーハ1の表面に平行な方向における距離(検出距離)L」は、「エッチング後における検査用トレンチ7の側壁面とSOIウェーハ1の表面との境界を成すエッジ(検査用トレンチ7の開口部側のエッジ)からSOIウェーハ1の表面において検査用トレンチ7の周囲となる部分に現れた転位までの距離」に等しい。
検出距離Lは、エッチング後の「検査用トレンチ7・7・7・7が形成されている部分およびその周囲となる部分」の厚さDおよびSOIウェーハ1の表面と転位9・9・・・の滑り面との成す角度θ(図5の(a)参照)を用いて、以下の数1で表される。
Figure 2011151242
なお、本実施形態では、SOIウェーハ1の表面は(001)面であり、転位9・9・・・の滑り面は(−111)面、(1−11)面、(111)面または(−1−11)面であるため、tanθ=2(1/2)である。
検出距離Lを把握しておくことは、転位9・9・・・を検出する上で重要である。
これは、エッチング後のSOIウェーハ1の表面には、検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジあるいは検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジを起点として発生した転位9・9・・・に対応する窪み9a・9a・・・だけでなく、他の要因により発生した転位に対応する窪みも形成されることによる。
検出距離Lを把握しておくことにより、(偶然にも他の要因により検査用トレンチ7から検出距離Lだけ離れた位置に形成される窪みを除いて)検査用トレンチ7の一対の側壁面と底面との境界を成すエッジあるいは検査用トレンチ7の一対の側端面と底面との境界を成すエッジを起点として発生した転位9・9・・・に対応する窪み9a・9a・・・と、他の要因により発生した転位に対応する窪みと、を区別して検出することが可能である。
図6の(a)に示す如く、本実施形態では、隣り合う検査用トレンチ7・7の間隔(より厳密には、隣り合う検査用トレンチ7・7の対向する側壁面の間の距離)が検出距離Lの二倍(=2×L)となるように設定されるため、隣り合う検査用トレンチ7・7で挟まれる部分に形成される窪み9a・9aは重複し、互いに連結する。
上記連結した窪みは、隣り合う検査用トレンチ7・7で挟まれる部分以外の部分に単独で形成される(他の窪みと連結しない)窪み9aよりもサイズが大きく、検出し易い。
このように、隣り合う検査用トレンチ7・7の間隔を検出距離Lの二倍に設定することにより転位9・9・・・の検出能(検出感度)を向上することが可能である。これは特に、諸条件(SOIウェーハの寸法、検査用穴の寸法、熱処理条件、エッチング条件等)の制約により単独で形成される窪み9aを検出しにくい場合に有効である。
(8)SOIウェーハ1の表面からフォトレジストを除去する。
本実施形態ではSOIウェーハ1をアセトン等の有機溶剤に浸漬することによりフォトレジストを溶解し、フォトレジストを除去する。なお、SOIウェーハの表面からフォトレジストを除去する他の方法としてはアッシング(フォトレジストをオゾンあるいはプラズマを用いて灰化することにより除去する方法)が挙げられる。
(9)作業者がSOIウェーハ1の表面を光学顕微鏡で観察することにより、窪み9a・9a・・・(の有無)を検出する。窪み9a・9a・・・(の有無)を検出することは、実質的には転位9・9・・・(の有無)を検出することに等しい。
SOIウェーハの表面の窪み、ひいては転位を検出する他の方法としては、SOIウェーハの表面を撮像し、撮像により得られた画像に基づいて窪みを検出する方法が挙げられる。
撮像により得られた画像に基づいて窪みを検出する方法としては、撮像により得られた画像に適宜画像処理(例えば、二値化処理)を施すことにより窪みとそれ以外の部分を色分けし、窪み(転位)に対応する色の斑点の数(実質的には、転位の数)を数える方法が挙げられる。
転位検出工程S400が終了したら、判定工程S500に移行する。
以下では、判定工程S500の詳細について説明する。
判定工程S500において、検出された転位9・9・・・に基づいてSOIウェーハ1の良否が判定される。
本実施形態では、作業者がSOIウェーハ1の表面を光学顕微鏡で観察した結果、窪み9a、ひいては転位9が一つでも検出された(視認された)場合には「SOIウェーハ1は不良品である(SOIウェーハ1に半導体素子を形成した場合、リーク電流が発生する)」と判定し、窪み9a、ひいては転位9が一つも検出されない(視認されない)場合には「SOIウェーハ1は良品である(SOIウェーハ1に半導体素子を形成した場合、リーク電流が発生しない)」と判定する。
本実施形態では窪み9a、ひいては転位9の有無によりSOIウェーハ1の良否を判定するが、本発明はこれに限定されない。
例えば、SOIウェーハの表面に形成される窪みの個数(検出数)を計数し、予め設定された転位の数(設定数)と比較することによりSOIウェーハの良否を判定しても良い((検出数)≧(設定数)の場合は不良品、(検出数)<(設定数)の場合は良品と判定しても良い)。
「予め設定された転位の数(設定数)」は、予め実験等により求められる。より具体的には、実験において複数のSOIウェーハについて光学顕微鏡で観察された転位の数(検出数)と半導体ウェーハを形成した場合のリーク電流の発生の有無との関係を調べることにより求められる。
この場合、(a)「半導体素子を形成する過程で転位が発生し、その結果としてリーク電流が発生するようなSOIウェーハ」を所定の処理温度に到達するまで昇温し、所定の処理温度で所定の処理時間保持し、その後室温まで冷却した場合には、埋め込み材と表面部シリコンとの熱膨張係数差、および埋め込み酸化膜と表面部シリコンとの熱膨張係数差に起因する熱ストレスによりSOIウェーハに設定数以上の本数の転位が発生し、(b)「半導体素子を形成する過程で転位が発生せず、その結果としてリーク電流が発生しないようなSOIウェーハ」を所定の処理温度に到達するまで昇温し、所定の処理温度で所定の処理時間保持し、その後室温まで冷却した場合には、埋め込み材と表面部シリコンとの熱膨張係数差、および埋め込み酸化膜と表面部シリコンとの熱膨張係数差に起因する熱ストレスによりSOIウェーハに設定数以上の本数の転位が発生しないように、SOIウェーハを加熱するときの「熱処理の諸パラメータ」が設定される。
本実施形態では作業者がSOIウェーハの良否を判定したが、本発明はこれに限定されず、コンピュータがSOIウェーハの良否を判定しても良い。コンピュータがSOIウェーハの良否を判定する場合、当該コンピュータにSOIウェーハの良否を判定するためのプログラムがインストールされる。
SOIウェーハの良否を判定するためのプログラムには、コンピュータが取得したSOIウェーハの表面の画像に適宜画像処理(二値化処理等)を施し、画像処理が施された画像から窪み(ひいては、転位)の有無を検出し、窪みが有る場合には当該SOIウェーハが不良品であると判定し、窪みが無い場合には当該SOIウェーハが良品であると判定し、判定結果を記憶し、判定結果を外部に出力する(画面に表示する、あるいはプリントアウトする)機能が含まれる。
なお、コンピュータがSOIウェーハの良否を判定する場合にも、SOIウェーハの表面に形成される窪みの個数(検出数)を計数し、予め設定された転位の数(設定数)と比較することによりSOIウェーハの良否を判定することが可能である。
以上の如く、本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態は、
SOIウェーハ1にSOIウェーハ1のスクライブ領域6aにおける表面から埋め込み酸化膜3まで到達する検査用トレンチ7・7・・・を形成し、
検査用トレンチ7・7・・・にシリコンと異なる熱膨張係数を有する埋め込み材8・8・・・を埋め込み、
SOIウェーハ1を所定の処理温度に到達するまで加熱し、
SOIウェーハ1の表面のうち検査用トレンチ7・7・・・の周囲となる部分に現れた転位9・9・・・を検出し、
検出された転位9・9・・・に基づいてSOIウェーハ1の良否を判定する。
このように構成することにより、SOIウェーハ1に半導体素子を形成する前にSOIウェーハ1の転位欠陥に関する良否の判定を行うことが可能である。
また、本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態は、
SOIウェーハ1の表面のうち「検査用トレンチ7・7・7・7が形成されている部分およびその周囲となる部分」のみをエッチングすることにより検査用トレンチ7・7・7・7の周囲となる部分のうち転位に対応する部分に窪み9a・9a・・・を形成し、
窪み9a・9a・・・を検出することにより転位9・9・・・を検出する。
このように構成することにより、転位9・9・・・の検出に必要な最低限の部分のみをエッチングすることとなるので、素子領域5がエッチングされることはない。また、ウェットエッチングの場合におけるエッチング液の劣化を最小限とすることが可能である。
なお、素子領域がされることおよびエッチング液が劣化することについて特に考慮しなくても良い場合には、SOIウェーハ1の表面全体をエッチングしても良い。すなわち、SOIウェーハ1の表面のうち少なくとも検査用トレンチ7・7・7・7の周囲となる部分をエッチングすれば良い。
また、本発明に係るSOIウェーハの検査方法の実施の一形態は、
SOIウェーハ1の表面に平行な方向に延びた溝である検査用トレンチ7・7・7・7を検査用穴とし、
複数の(本実施形態では、四つの)検査用トレンチ7・7・7・7が平行かつ間隔を空けて形成され、
複数の検査用トレンチ7・7・7・7は、
SOIウェーハ1の表面から埋め込み酸化膜3までを構成する単結晶シリコンの滑り面とSOIウェーハ1の表面との交線方向に延び、
複数の検査用トレンチ7・7・7・7のうち隣り合うものの間隔は、
検査用トレンチ7の側壁面と埋め込み酸化膜3の表面との交線を成すエッジからSOIウェーハ1の表面において検査用トレンチ7の周囲となる部分に現れた転位9までのSOIウェーハ1の表面に平行な方向における距離である検出距離Lの二倍である。
このように構成することにより、エッチング後に検査用トレンチ7の周囲となる部分に形成される窪み9a・9aが連結し、より大きな窪みとして検出されるので、転位9・9・・・の検出能(検出感度)を向上することが可能である。
本発明の検査用穴がSOIウェーハの表面に平行な方向に延びた溝である場合、当該溝の幅をSOIウェーハの素子領域に形成される素子分離用のトレンチの幅と同じ、または、SOIウェーハの素子領域に形成される素子分離用のトレンチの幅よりも大きく設定することが可能である。
このように設定した場合、実際にSOIウェーハの素子領域に素子分離用のトレンチを形成したときの状況をより正確に反映して転位の発生の有無(リーク電流の発生の有無)を判定することが可能であり、判定精度が向上する。
なお、本発明に係る検査用穴の平面視形状(ウェーハの表面に垂直な方向から見たときの形状)は本実施形態の検査用トレンチ7・7・7の如くSOIウェーハ1の表面に平行な所定の方向に延びた形状(溝状)に限定されず、平面視で等方的な形状(例えば、円形、四角形、正三角形等)でも良い。
この場合、複数の検査用穴を検出距離の二倍となる間隔で並べて配置することにより、エッチング後に形成される窪みを連結させ、ひいては転位の検出精度を向上することが可能である。
本実施形態では埋め込み材8は二酸化シリコンからなるが、本発明に係る埋め込み材を構成する材料はこれに限定されない。本発明に係る埋め込み材の他の具体例としては、シリコンの窒化物が挙げられる。
ただし、埋め込み材8を構成する材料からは、加熱工程300において変質することにより実質的に転位を発生させることができなくなるような材料は除かれる。
埋め込み材が実質的に転位を発生させることができなくなるような変質の具体例としては、埋め込み材が加熱により液化する、埋め込み材が加熱により気化する、埋め込み材が加熱により軟化する(SOIウェーハの表面部シリコンを構成する単結晶シリコンよりも小さい熱応力で塑性変形する)、埋め込み材が加熱により脆化する(自身が破壊されることにより歪みを緩和する)、等が挙げられる。
本実施形態では化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)により埋め込み材8を検査用トレンチ7・7・7・7の内部に形成する(埋め込む)が、本発明はこれに限定されず、他の方法で検査用穴に埋め込み材を埋め込んでも良い。検査用穴に埋め込み材を埋め込む他の方法の具体例としては、物理気相成長(PVD;Physical Vapor Deposition)が挙げられる。
本実施形態では加熱工程300において加熱し、等温で保持し、その後冷却するというヒートパターンを採用しているが、本発明はこれに限定されず、実質的にSOIウェーハに転位を発生させることが可能であれば他のヒートパターンを採用しても良い。
1 SOIウェーハ
2 表面部シリコン
3 埋め込み酸化膜
4 基板部シリコン
5 素子領域
6 非素子領域
6a スクライブ領域
6b 廃棄領域
7 検査用トレンチ(検査用穴)
8 埋め込み材
9 転位
9a 窪み

Claims (7)

  1. SOIウェーハに前記SOIウェーハの非素子領域における表面から埋め込み酸化膜まで到達する検査用穴を形成し、
    前記検査用穴にシリコンと異なる熱膨張係数を有する埋め込み材を埋め込み、
    前記SOIウェーハを所定の処理温度に到達するまで加熱し、
    前記SOIウェーハの表面のうち前記検査用穴の周囲となる部分に現れた転位を検出し、
    検出された転位に基づいて前記SOIウェーハの良否を判定する、
    SOIウェーハの検査方法。
  2. 前記SOIウェーハの表面のうち少なくとも前記検査用穴の周囲となる部分をエッチングすることにより前記検査用穴の周囲となる部分のうち転位に対応する部分に窪みを形成し、
    当該窪みを検出することにより前記転位を検出する、
    請求項1に記載のSOIウェーハの検査方法。
  3. 前記検査用穴は、
    前記SOIウェーハの表面に平行な方向に延びた溝である、
    請求項1または請求項2に記載のSOIウェーハの検査方法。
  4. 前記溝が平行かつ間隔を空けて複数形成され、
    前記複数の溝は、
    前記SOIウェーハの表面から埋め込み酸化膜までを構成する単結晶シリコンの滑り面と前記SOIウェーハの表面との交線方向に延び、
    前記複数の溝のうち隣り合うものの間隔は、
    前記溝の側壁面と前記埋め込み酸化膜の表面との交線を成すエッジから前記SOIウェーハの表面において前記検査用穴の周囲となる部分に現れた転位までの前記SOIウェーハの表面に平行な方向における距離である検出距離Lの二倍である、
    請求項3に記載のSOIウェーハの検査方法。
  5. 前記検出距離Lは、
    前記検査用穴の周囲の領域に現れた転位を検出するときの前記SOIウェーハの表面から埋め込み酸化膜までの部分を構成するシリコンの厚さDおよび当該シリコンの表面と前記転位の滑り面との成す角度θを用いて以下の数1で表される、
    請求項4に記載のSOIウェーハの検査方法。
    Figure 2011151242
  6. 前記溝の幅は、
    前記SOIウェーハの素子領域に形成される素子分離用のトレンチの幅と同じ、または、前記SOIウェーハの素子領域に形成される素子分離用のトレンチの幅よりも大きい、
    請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載のSOIウェーハの検査方法。
  7. 前記SOIウェーハの非素子領域は、
    前記SOIウェーハのスクライブライン上の領域を含む、
    請求項1から請求項6までに記載のSOIウェーハの検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112067402A (zh) * 2020-09-23 2020-12-11 广东省科学院半导体研究所 一种位错缺陷分析方法

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