JP2011148965A - 導電性部材用感圧式接着剤組成物、及びそれを用いてなる積層体 - Google Patents

導電性部材用感圧式接着剤組成物、及びそれを用いてなる積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】ITOをはじめとする透明導電膜や金属回路などの導電部材への腐食を引き起こさず、高温又は高温高湿条件下においても発泡や剥がれが生じず、良好な可塑剤耐性や良好な加工性を有し、さらには高い接着性を有する導電部材用感圧式接着剤組成物を提供。
【解決手段】ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、ポリアミノ化合物(c)を反応させてなる重量平均分子量(Mw)が、50,000〜200,000であるウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して、硬化剤(B)を0.1〜3重量部含む導電部材用感圧式接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性部材用感圧式接着剤組成物に関し、更に詳しくは、タッチパネル等に用いられる導電部材の接着に用いられる導電性部材用感圧式接着剤組成物、並びにそれを用いてなる導電部材用感圧式接着剤シート、積層体、及びタッチパネル用シートに関する。
液晶表示装置は、パソコンやテレビなど種々の製品で普及が進み、特に電子手帳、携帯電話等においては、益々小型化も進んで、いずれも電子機器の表示装置として広範に用いられている。このような液晶表示装置等には、その表示画面がタッチパネル用シートとして機能し、該表示画面上の所定箇所に操作者が指で触れて操作を指定するいわゆるタッチパネル用モジュールを備えたものがある。
タッチパネルの構成においてガラス基板又は透明樹脂基板と、ITOなどの透明導電膜や金属回路を始めとする導電部材とは、感圧式接着剤層により貼合される。このガラス基板又は透明樹脂基板/感圧式接着剤層/透明電極からなる積層体が、高温下、又は高温高湿条件下に置かれ、感圧式接着剤層と被着体との貼着界面に気泡が生じたり(発泡)、フィルムが被着体から浮き上がり、剥がれたりする。従って用いられる感圧式接着剤としては、過酷な環境下でも発泡、浮き・剥がれが生じないようにする試みが従来なされてきた。
又、上記感圧式接着層は剥離方向に強い力が加わった際に、剥離しない高い接着力が要求される。
これまで、上記感圧式接着層は、主にアクリル樹脂をベースとした感圧式接着剤が検討されてきた(特許文献1、2)。
しかし、アクリル樹脂をベースとした感圧式接着剤を使用した場合、前記導電部材との接着性を向上する為にベース樹脂に酸基を導入する必要があった。しかし導入された酸基は被着体である導電部材を腐食し、動作不良などを引き起こした。
又、ウレタンウレア樹脂をベースとする感圧式接着剤の各種用途への応用が検討されてきた。しかし、上記のような高い接着性の発現や導電部材への応用に関する検討はこれまでなされていなかった(特許文献3、4、5)。
特開2006−45315号公報 特開2008−120864号公報 特開2002−121256号公報 特開2002−38119号公報 特開2003−137963号公報
本発明の目的は、ITOをはじめとする透明導電膜や金属回路などの導電部材への腐食を引き起こさず、高温又は高温高湿条件下においても発泡や剥がれが生じず、良好な可塑剤耐性や良好な加工性を有し、さらには高い接着性を有する導電部材用感圧式接着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す感圧式接着剤組成物により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、第1の発明は、ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、ポリアミノ化合物(c)を反応させてなる重量平均分子量(Mw)が、50,000〜200,000であるウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して、
硬化剤(B)を0.1〜3重量部含む導電部材用感圧式接着剤組成物に関する。
又、第2の発明は、ポリイソシアネート(b)の使用量が、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中、8〜23重量%であり、ポリアミノ化合物(c)の使用量が、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中、0.5〜8重量%である第1の発明の導電部材用感圧式接着剤組成物に関する。
又、第3の発明は、ポリオール(a)が、ポリプロピレングリコール骨格を有するポリオールを含む第1又は第2の発明の導電部材用感圧式接着剤組成物に関する。
又、第4の発明は、硬化剤(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートビュレット体、及びキシリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体から選ばれる少なくとも1つである第1〜3いずれかの発明の導電性部材用感圧式接着剤組成物に関する。
又、第5の発明は、ウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、又はイミダゾール基を有するシランカップリング剤を0.1〜1.0重量部含む第1〜4いずれかの発明の導電部材用感圧式接着剤組成物に関する。
又、第6の発明は、第1〜5いずれかの発明の導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層をシート状基材の片面又は両面に形成してなる導電部材用感圧式接着性シートに関する。
又、第7の発明は、導電部材上に、第1〜5いずれかの発明の導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層が積層されてなる積層体に関する。
又、第8の発明は、導電部材が、透明導電膜又は金属回路である第7の発明の積層体に関する。
又、第9の発明は、第7又は第8の発明の積層体を有するタッチパネル用シートに関する。
本発明により、ITOをはじめとする透明導電膜や金属回路などの導電部材への腐食を引き起こさず、高温又は高温高湿条件下においても発泡や剥がれが生じず、良好な可塑剤耐性や良好な加工性を有し、さらには高い接着性を有する導電部材用感圧式接着剤組成物を提供することができた。
本発明に用いるウレタンウレア樹脂(A)について説明する。本発明のウレタンウレア樹脂(A)は、ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、ポリアミノ化合物(c)を反応させてなる重量平均分子量(Mw)が50,000〜200,000の樹脂である。
本発明に使用するポリオール(a)としては公知のものが使用でき、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、これらの共重合体、及びその他のグリコール類などが挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、公知のポリエーテルポリオールを用いることができる。例えば、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの重合体、共重合体、及びグラフト共重合体;
ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール若しくはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルポリオール類などの水酸基が2個以上のものを用いることができる。更にビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類を使用することができる。
ポリエステルポリオール類としては、公知のポリエステルポリオールを用いることができる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、多官能アルコール成分と二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールがある。多官能アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの2個の水酸基を有する化合物が挙げられ、更にグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3個以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。
二塩基酸成分としては、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の脂肪族あるいは芳香族二塩基酸が挙げられる。
又、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン等のラクトン類等の環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオールも使用できる。
ポリカーボネートポリオール類とは、下記一般式[1]で示される構造を、その分子中に有するものであり、公知のポリカーボネートポリオールを使用することができる。
一般式[1]
−[−O−R1−O−CO−]m
(式中、R1は2価の有機残基、mは1以上の整数を表す。)
ポリカーボネートポリオールは、例えば、(1)グリコール又はビスフェノールと炭酸エステルとの反応、(2)グリコール又はビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる反応などで得られる。
(1)の製法で用いられる炭酸エステルとして具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
(1)及び(2)の製法で用いられるグリコール又はビスフェノールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類等も用いることができる。これらの化合物は1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
ポリカーボネートポリオールにおいて具体的には、クラレ株式会社のクラレポリオールCシリーズを用いることができる。そのなかでもPMHC−1050、PMHC−2050、C−1090、C−2090、C−1065N、C−2065N、C−1015N、C−2015Nは柔軟性があり、ウレタンウレア樹脂(A)の原料としてポリプロピレングリコール骨格を有するポリオールと好ましく併用することができる。
その他のグリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等の2個の水酸基を有する化合物が挙げられる。
更に、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグルコシド等の3個以上の水酸基を有する化合物も、ポリオール(a)として使用することができる。
更に、その他のグリコール類としては、少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールを使用することもできる。イオン性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、第1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム基、ホスホニウム基、及び第4級スルホニウム基などが挙げられる。
少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールは、本発明のウレタンウレア樹脂(A)を水性化したり、ウレタンプレポリマー合成時の反応速度を速めたりする点、更には、成膜性を向上させる等の点でも好適に使用されるが、一方、ウレタンウレア樹脂(A)にイオン性基が導入されることになり、特にイオン性基が酸基の場合、透明導電膜や金属回路を腐食するおそれがあるため必要以上は使用しない方が好ましく、全く使用しない方が特に好ましい。
例えば、少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールとしてカルボキシル基を有するポリオールを使用した場合、ウレタンウレア樹脂(A)にカルボキシル基を導入でき、このカルボキシル基を後述する硬化剤(C)との反応点として使用することができる。少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸の様な、ジオキシカルボン酸などが挙げられる。
感圧式接着剤層の透明性や接着力等の面でウレタンウレア樹脂(A)のポリオール(a)としては、ポリプロピレングリコール骨格を有するポリオールを使用することが好ましく、ポリオール(a)の合計100重量%中、ポリプロピレングリコール骨格を有するポリオールの使用量は、50〜100重量%が好ましく、100重量%がより好ましい。50重量%未満であると、接着性が不十分となる場合がある。
本発明に使用するポリオール(a)の数平均分子量は、好ましくは800〜4,000、更に好ましくは1,000〜3,000である。800未満であれば、樹脂中のウレタン及びウレア結合濃度の増加を招き、接着力を低下させる場合がある。4,000を超えると、感圧式接着剤に凝集力を付与するウレタン結合及びウレア結合の減少を招き感圧式接着剤の耐熱性を損なう場合がある。
上記記載のポリオール(a)は、感圧式接着剤組成物としての性能を満たすため、ウレタンウレア樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が0〜−80℃となるように適宜選択するのが好ましい。尚、ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めた値である。
本発明に用いられるポリイソシアネート(b)としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
又、一部上記ポリイソシアネート(b)のトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(別名:PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。尚、ポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、又はこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物もポリイソシアネート(b)として使用することができる。
本発明に用いられるポリイソシアネート(b)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、キシリレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の無黄変型、又は難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性の点から好ましい。
更に、上記記載のポリイソシアネート(b)として、感圧式接着剤組成物の透明性や反応性の制御の面でイソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)を使用するのが好ましい。
ポリイソシアネート(b)の使用量は、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中[ウレタンウレア樹脂(A)の合成に使用するポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、ポリアミノ化合物(c)、及び必要に応じて使用する反応停止剤(d)の合計100重量%中]、8〜23重量%の割合が好ましく、更に好ましくは10〜21重量%である。8重量%未満であると感圧式接着剤の凝集力が低下し、耐久性の付与が困難になる場合がある。又、23重量%を超えると樹脂の柔軟性が低下することから、十分な接着力を得ることが困難となる場合がある。
次に、本発明に使用するポリアミノ化合物(c)について説明する。本発明のポリアミノ化合物(c)は、2個以上のアミノ基を有する化合物であり、公知のものを使用できる。2個以上のアミノ基を有する化合物を使用することにより、感圧式接着剤の接着力を付与することができ、更に耐久性との両立が可能になる。
具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ポリアミン;
フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;
及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、末端に一級又は二級アミノ基を有するデンドリマー、両末端にプロポキシアミンを有し、下記一般式[2]で示されるポリオキシアルキレングリコールジアミン等も使用することができる。
一般式[2]
2N−CH2−CH2−CH2−O−(Cm2m−O)n−CH2−CH2−CH2−NH2
(式中、mは2〜4の任意の整数、nは2〜50の任意の整数を示す。)
本発明に使用するポリアミノ化合物(c)としては、反応の制御の面から特に一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)にエチレン性不飽和化合物(c2)をマイケル付加反応させた化合物(c3)が好ましく、更にエチレン性不飽和化合物(c2)としては、ウレタンウレア樹脂(A)への架橋点導入の面から、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を使用するのが好ましい。
一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)としては、上記の2個以上のアミノ基を有する化合物を使用することができ、特にイソホロンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンは、マイケル付加反応の制御が容易であり、得られるマイケル付加反応させた化合物(c3)を使用して得られたウレタンウレア樹脂(A)の透明性が優れていることから好ましい。
エチレン性不飽和化合物(c2)のうち水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール、ダイセル化学工業製プラクセルFA、プラクセルFA2D、プラクセルFA3、プラクセルFA5、プラクセルFA10L、プラクセルFM1D、プラクセルFM2D、プラクセルFM3、プラクセルFM3X、プラクセルFM5、プラクセルFM5Lなどの水酸基を末端に有するポリエステル鎖を有する不飽和化合物、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基を末端に有するポリエーテル鎖を有する不飽和化合物が挙げられる。
上記化合物を単独で、もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができるが、特に後述する硬化剤(B)との反応性や、感圧式接着剤の光学特性などの面から4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用するのが好ましい。
又、エチレン性不飽和化合物(c2)のうち水酸基を有しないものを例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。極性の調節を目的とする場合には、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有アクリレート、又は対応するメタクリレートが挙げられる。レベリング性の調節等を目的とする場合には、炭素数6以上が好ましい。
更に、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類もしくはフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;
酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等のα−オレフィン類;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、又は、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有不飽和化合物類;
アミド基含有不飽和化合物、ジアルキルアミノ基含有不飽和化合物、四級アンモニウム塩基含有不飽和化合物などの窒素含有不飽和化合物類;
を併用することができる。
アミド基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基含有不飽和化合物としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。
又、四級アンモニウム塩基含有不飽和化合物は、上記ジアルキルアミノ基含有不飽和化合物を四級アンモニウム化せしめることにより得られる。対イオンとしてCl-、Br-、I-のハロゲンイオン又はQSO3 -(Q:炭素数1〜12アルキル基)を有する四級アンモニウム塩基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、及びトリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
更に、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキルアルキレン類等のパーフルオロアルキル基含有不飽和化合物;
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する不飽和化合物、及びその誘導体;
グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
酢酸アリル、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物;
シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレンなどのビニル化合物;
アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン等のエチニル化合物;
も併用することができる。
一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)と、エチレン性不飽和化合物(c2)とのマイケル付加反応では、一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)中のアミノ基の活性水素1モルと、エチレン性不飽和化合物(c2)中のエチレン性不飽和基1モルとが反応する。一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)中のアミノ基は、電子吸引性の基を持つ化合物のエチレン性不飽和基に容易にマイケル付加をするため、エチレン性不飽和化合物(c2)としては(メタ)アクリル系化合物が好ましく、特にアクリレート系化合物が、マイケル付加反応の効率の点から最も好ましい。
一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)にエチレン性不飽和化合物(c2)をマイケル付加反応させた化合物(c3)の合成方法としては、マイケル付加反応に関する公知方法をそのまま利用できる。エチレン性不飽和化合物(c2)が、(メタ)アクリル系化合物、特にアクリレート系化合物等である場合、必要に応じてアルコール等の触媒下に10〜100℃で反応が進行する。使用するエチレン性不飽和化合物(c2)の種類にも因るが40〜80℃の反応温度が好ましい。反応温度が高すぎるとエステルアミド交換反応が生じるため好ましくない。又、エチレン性不飽和化合物(c2)が電子吸引性基を持たない場合には金属触媒の存在で反応が可能になり、この場合、触媒存在下で加熱しながら60〜100℃で反応させると適度な反応速度になり好ましい。又、合成溶剤は使用してもしなくても良く、その種類は特に限定しないが、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、ベンゼン等の公知の溶剤を使用できる。溶剤を使用する場合の溶液濃度は好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。これより希薄な場合には反応が進行しにくいため好ましくない。又、反応時間としては、使用するエチレン性不飽和化合物(c2)の種類により異なるが、30分〜5時間で終了する。
一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)に付加させるエチレン性不飽和化合物(c2)の比率としては、マイケル付加反応させた化合物(c3)中に少なくとも2個の一級又は二級のアミノ基が残存するように、一級アミノ基を2個以上有する化合物(c1)が有する一級アミノ基1モルに対して、好ましくは0.1〜1.0モル、更に好ましくは0.2〜1.0モルの割合でエチレン性不飽和化合物(c2)中のエチレン性不飽和基を反応させることが好ましい。これより少ないとエチレン性不飽和化合物(c2)を導入した効果が得られない場合があり、更に保存安定性が低いことから好ましくない。これより多くても反応に寄与しない。
ポリアミノ化合物(c)の使用量は、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中[ウレタンウレア樹脂(A)の合成に使用するポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、アミノ化合物(c)、及び必要に応じて使用する反応停止剤(d)の合計100重量%中]、0.5〜8重量%の割合が好ましく、更に好ましくは2〜5重量%である。0.5重量%未満であると凝集力が低下し、耐久性の付与が困難になる場合がある。又、8重量%を超えると樹脂の柔軟性が低下することから十分な接着性を得ることが困難になる場合がある。
本発明のウレタンウレア樹脂(A)は、末端がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーと、ポリアミノ化合物(c)とを反応してなるが、更に必要に応じて反応停止剤(d)としてモノアミノ化合物を反応させることができる。
ウレタンウレア樹脂(A)を合成する際、分子量を制御したり、ウレタンウレア樹脂(A)末端の未反応で残るイソシアネート基と反応して樹脂の反応活性を安定化させたりする目的で反応停止剤(d)を使用することができる。
本発明に用いる反応停止剤(d)としては、例えば、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソノニルアミン等のジアルキルアミン類の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の水酸基を有するモノアミン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン類、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド等のヒドラジド類、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン等の三級アミノ基と一級アミノ基を有する化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有するモノアミノ化合物を用いることができる。更に、一級又は二級アミノ基を1個だけ有するアミノ化合物も反応停止剤として用いることができる。
上記の反応停止剤(d)の中でも2−アミノ−2−メチル−プロパノールなどのように水酸基を有するモノアミン化合物は、末端が水酸基である保存安定性に優れたウレタンウレア樹脂を得ることができる。更に末端が水酸基であるウレタンウレア樹脂は、この水酸基を後述する硬化剤(B)との反応点として使用することができることから好ましい。尚、水酸基を有するモノアミンの場合、アミノ基と水酸基との両方が、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基と反応可能であるが、アミノ基の反応性の方が高く、優先的にイソシアネート基と反応する。
上記の反応停止剤(d)は、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中[ウレタンウレア樹脂(A)の合成に使用するポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、ポリアミノ化合物(c)、及び必要に応じて使用する反応停止剤(d)の合計100重量%中]0.05重量%〜2重量%が好ましく、0.05重量%未満であると樹脂の反応安定性を損なう場合があり、2重量%を超えると樹脂の重量平均分子量(Mw)が低くなり耐久性を損なう場合がある。
更に、この様にして得られたウレタンウレア樹脂(A)の水酸基に環状エステル化合物及び/又は環状エーテル化合物を開環付加して変性することができる。
本発明に用いるウレタンウレア樹脂(A)の製造方法は、まず、ポリオール(a)と、ポリイソシアネート(b)とを反応させて、少なくとも1つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを作製する。次に、得られたウレタンプレポリマーとポリアミノ化合物(c)と必要に応じて反応停止剤(d)とを反応させてウレタンウレア樹脂(A)を作製することができる。
ウレタンプレポリマーの合成時には、公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
三級アミン系化合物としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられ、場合によっては単独、もしくは併用することもできる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としてはジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、ジオクチル錫ジラウリレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジオクチル錫ジラウリレート(別名:DOTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。
上記三級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、場合によっては単独でも使用できるが、併用することもでき、特にポリオール成分としてポリエステルジオール類とポリエーテルジオール類を併用する場合においては、ジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫を併用することにより安定に均一なウレタンプレポリマーが得られるので好ましい。
ウレタンプレポリマーを合成するときに用いる有機金属化合物触媒は、ウレタンプレポリマーが、ポリアミノ化合物(c)と反応するとき、反応を著しく促進する。イソシアネート基とアミノ基との反応は、元来、非常に早いが、有機金属化合物触媒の存在下では、更に反応が促進され、制御が困難になる場合がある。このとき、キレート化合物が存在していると、この有機金属化合物触媒とキレートを形成し、触媒能が調整され、ポリアミノ化合物(c)との反応を制御しやすくする。
当該キレート化合物としては、アセチルアセトン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、エチレンジアミン四酢酸(別名:EDTA)のようなポリアミノオキシ酸、クエン酸のようなオキシカルボン酸、縮合リン酸等が挙げられる。キレート化合物の中では、アセチルアセトンが有機溶媒に可溶であり、揮発性を有して必要で有れば除去することが容易であり好ましい。
又、当該キレート化合物は、反応後もウレタンウレア樹脂(A)中に残留する。本発明のウレタンウレア樹脂(A)を含む導電部材用感圧式接着剤組成物は、硬化剤(B)を含有するが、このとき、キレート化合物は、ウレタンウレア樹脂(A)と硬化剤(B)との反応速度をも調整し、結果的に保存安定性の優れた導電部材用感圧式接着剤組成物を与えることができる。
本発明のウレタンプレポリマーの合成時には公知の溶剤が好適に使用される。溶剤の使用は反応制御を容易にする役割を果たす。斯かる目的で使用される溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。ウレタンウレア樹脂(A)の溶解性、溶剤の沸点、ポリアミノ化合物(c)の溶解性等の点から特に酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン又はこれらの混合溶剤が好ましい。又、溶剤を使用した場合のウレタンプレポリマー反応系内の濃度は、樹脂固形分が好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは60〜90重量%であり、濃度が低すぎると反応性が低下しすぎることから好ましくない。
本発明においてウレタンプレポリマーを合成するウレタン化反応は、種々の方法が可能であるが以下の2つの方法に大別される。[i]ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)、更に溶剤、及び触媒とを全量仕込む方法。[ii]ポリオール(a)と溶剤とをフラスコに仕込み、ポリイソシアネート(b)を滴下した後、必要に応じて触媒を添加する方法。反応を精密に制御する場合は[ii]が好ましい。ウレタンプレポリマーを得る反応の温度は120℃以下が好ましい。更に好ましくは50〜110℃である。120℃より高くなると反応速度の制御が困難になり、所定の重量平均分子量と構造を有するウレタンプレポリマーが得られなくなる。ウレタン化反応は、触媒の存在下、50〜110℃で1〜20時間行うのが好ましい。
ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)との配合比は、化合物の反応性、3価以上の化合物の存在比、得られた樹脂の用途などで大きく左右される。ウレタンプレポリマーが少なくとも1個のイソシアネート基を有するためには、ポリオール(a)中の水酸基の1モルに対して、ポリイソシアネート(b)中のイソシアネート基が1モルより多くなることが必要であり、好ましくは1.01〜4.00モル、更に好ましくは1.10〜2.00モルの範囲内が適当である。
又、上記のようにして得られたイソシアネート基含有化合物であるウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と、ポリアミノ化合物(c)が有する一級又は二級のアミノ基とのウレア化反応は、以下の2つの方法に大別される。[iii]ウレタンプレポリマーをフラスコに仕込み、ポリアミノ化合物(c)を滴下する方法。[iv]ポリアミノ化合物(c)をフラスコに仕込み、ウレタンプレポリマーを滴下する方法。反応に問題がなければ、操作が容易な[iii]の方法が好ましい。本発明のウレア化反応の温度は、100℃以下が好ましい。更に好ましくは70℃以下である。70℃でも反応速度は大きく、制御できない場合は、50℃以下が更に好ましい。100℃より高くなると反応速度の制御が困難であり、所定の重量平均分子量と構造を有するウレタンウレア樹脂(A)を得ることは難しい。又、ポリアミノ化合物(c)の合成溶剤としてアルコール系溶剤を用いた場合には、ポリアミノ化合物(c)を滴下する際に反応系内の温度を50℃以下、更には40℃以下にしておくことが好ましい。
反応停止剤(d)の使用量は、ポリアミノ化合物(c)と混合添加する場合と、単独で最後に添加する場合により異なるが、混合添加する場合にはウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1モルに対して、反応停止剤(d)中のアミノ基が、好ましくは0.5モル以下、更に好ましくは、0.3モル以下になる量を使用するのが望ましく、単独で最後に添加する場合には最終的に存在するイソシアネート基1モルに対して0.5〜3.0モルであり、特にウレタンウレア樹脂(A)の安定化を目的とした場合には1〜3.0モルが好ましい。この範囲外では成膜性が低下したり、変着色したりする等の悪影響が見られる場合がある。
反応の終点は、滴定に因るイソシアネート%測定、IR測定によるイソシアネートピークの消失により判断する。
カルボキシル基や三級アミノ基を有するウレタンウレア樹脂(A)は、水に分散もしくは溶解せしめるためイオン化することもできる。
ウレタンウレア樹脂(A)の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で50,000〜200,000である必要がある。好ましくは、80,000〜150,000である。重量平均分子量が50,000未満であると感圧接着剤としての耐久性と光学機能維持特性とのバランスが悪化する。又、200,000を超えると接着力が低下したり粘度が高すぎ扱いにくくなったりする。
又、得られたウレタンウレア樹脂(A)の溶液粘度は特に制限はなく、樹脂の用途により選択されるが、好ましくは、固形分50重量%で3000〜25000mPa・s(25℃)である。粘度が高すぎると塗工加工が困難になる可能性があり、又、低すぎると十分な分子量の樹脂ができていない場合がある。
次に、硬化剤(B)について説明する。本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物は、上記ウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対し、硬化剤(B)を0.1〜3重量部含有することを特徴とする。前記ウレタンウレア樹脂(A)中に存在する反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。従って、本発明に用いられる硬化剤(B)の有する官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アルコキシシリル基、メチロール基、アジリジン基、カルボジイミド基等が挙げられる。硬化剤(B)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、高分子量ポリカルボジイミド類、N−メチロール基含有化合物、多官能アジリジン化合物、金属キレートなどが挙げられるが、これらの中でも、硬化剤として作用するために、ウレタンウレア樹脂(A)の水酸基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。特にポリイソシアネート化合物は、架橋反応後の接着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を分子内に複数有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、及びこれらポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体、更にはこれらポリイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物は、エポキシ基を分子内に複数有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。多官能エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
高分子量ポリカルボジイミド類としては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、03、05、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
多官能アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
金属キレートとしては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム及びジルコニウムなどの多価金属と、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルとの配位化合物などが挙げられる。
上記硬化剤(B)は、単独又は併用して使用できる。上記硬化剤(B)としては、反応性やポットライフの点からポリイソシアネート化合物が好ましく、更に感圧式接着剤層の光学特性さらには耐発泡剥れ性等から特にヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートビュレット体、又はキシリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体が好ましい。
本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物は、ウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して、上記硬化剤(B)を0.1〜3重量部含有することを特徴とする。特に0.2〜1.5重量部含有することがより好ましい。3重量部を越えると導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層の架橋構造が密になり、感圧式接着剤層のタックが低下傾向となり、被着体に対する接着性が低下する。又、0.1重量部未満では、十分な架橋構造が得られないため、凝集力が低下し、耐熱性、耐湿熱性が低下する。ウレタンウレア樹脂(A)の反応性官能基と上記硬化剤(B)中の官能基との反応により、樹脂組成物が三次元架橋し、各種基材や被着体との密着性を確保するだけでなく、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができるため、導電部材用として好ましく使用することができる。
本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物は、耐湿熱性の向上を目的として、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤は本発明の感圧式接着剤層中で特に傾斜構造を形成しやすく、接着剤層表面に偏在化し、耐湿熱特性の向上や接着力の向上に特に効果を発揮すると考えられる。
シランカップリング剤としては公知のものを使用できる。例えば、γ−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基とアルコキシ基とを有するシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン;
5−ヘキセニルトリメトキシシラン、9−デセニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのアミノアルキル基とアルコキシ基とを有するシラン;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトメチルフェニルエチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有する化合物;
IS−1000、IA−100A、IM−1000、SP−10(日鉱金属株式会社製)などのイミダゾール基を有する化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、ジフェニルジメトキシシラン、1, 3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ビニルトリス( 2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのいずれか1種以上を単独もしくは混合して使用することができる。
上記シランカップリング剤の中でも耐熱・耐湿熱特性の向上の面から、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、又は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又はイミダゾール基を有するシランカップリング剤を使用するのが好ましい。特に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランまたはIM−1000を使用した場合、加工性・耐可塑剤性・耐熱・耐湿熱性が格段に向上することができ、更に導電部材に対して特に高い接着力を有する感圧式接着剤組成物を得ることができる。
上記シランカップリング剤は、ウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して0.1〜1.0重量部使用するのが好ましく、0.1重量部未満では十分な耐湿熱特性や接着力向上効果が得られない場合がある。又、1.0重量部を超える量を使用してもそれ以上の効果を得られないばかりか、かえって接着力が低下する場合がある。
本発明に関わる導電部材用感圧接着剤組成物には、必要に応じて、他の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂を併用することもできる。更に、用途に応じて、有機・無機の顔料、フィラー、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、光安定剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の導電部材とは、導電性を有する部材であれば特に限定されず、ITOやATOなどの透明導電膜、金属蒸着フィルム、金属粒子により形成された導電金属回路などが挙げられる。
本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物を使用して、感圧式接着剤層とシート状基材とからなる積層製品(以下、「導電部材用感圧式接着性シート」という。)を得ることができる。例えば、種々のシート状基材の片面、又は両面に本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥・硬化することによって導電部材用感圧式接着シートを得ることができる。導電部材用感圧式接着シートを構成する感圧式接着剤層は、「感圧式」であるから室温程度でタックを有する。導電部材用感圧式接着剤組成物を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒や、水を更に添加して、粘度を調整することもできるし、導電部材用感圧式接着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。ただし、水やアルコール等は多量に添加するとウレタンウレア樹脂(A)と硬化剤(B)との反応阻害を引き起こす可能性があるため注意が必要である。
シート状基材としては、セロハン、各種プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴムびき布、樹脂含浸布、ガラス板、金属板、木材、偏光板などの光学フィルム等の平坦な形状のものが挙げられる。又、各種基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。更に表面を剥離処理したものや帯電防止処理したものを用いることもできる。
各種プラスチックシートとしては、各種プラスチックフィルムともいわれ、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂、シクロオレフィン系樹脂のフィルム等が挙げられる。
常法に従って適当な方法で上記シート状基材に導電部材用感圧式接着剤組成物を塗工した後、導電部材用感圧式接着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、液状媒体を除去したり、導電部材用感圧式接着剤組成物が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある接着剤層を冷却して固化したりして、シート状基材の上に接着剤層を形成することができる。感圧式接着剤層の厚さは、0.1μm〜250μmであることが好ましく、20μm〜200μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、250μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物をシート状基材に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては接着剤組成物の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
本発明の積層体は、PETフィルムやガラスなどを初めとする透明光学部材またはITOなどの透明導電膜や金属回路等の導電部材に、上記本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層が積層されたものである。特に耐腐食性の観点から、ITOなどの透明導電膜や金属回路等の導電部材上に導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層が積層されている場合に有効である。感圧式接着剤層の他の面には、剥離処理されたシート状基材を積層することができる。
本発明の積層体は、例えば、(ア)剥離処理されたシート状基材の剥離処理面に導電部材用感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、PETフィルムやガラスなどを初めとする透明光学部材またはシート状の導電部材を感圧式接着剤層の表面に積層したり[転写塗工]、(イ)PETフィルムやガラスなどを初めとする透明光学部材またはシート状の導電部材に導電部材用感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、感圧式接着剤層の表面に剥離処理されたシート状基材の剥離処理面を積層したり[ダイレクト塗工]することによって得ることができる。
例えば、「剥離処理されたシート/感圧式接着層/透明光学部材」という構成の積層体から感圧式接着剤層の表面を覆っていた剥離処理されたシート状基材を剥がし、感圧式接着剤層をシート状の導電部材(ITOなどの透明導電膜や金属回路等の導電部材)に貼着することによって、「透明光学部材/感圧式接着剤層/導電部材」という構成のタッチパネル用シートを得ることができる。又、「剥離処理されたシート/感圧式接着層/シート状の導電部材(ITOなどの透明導電膜や金属回路等の導電部材)」という構成の積層体から感圧式接着剤層の表面を覆っていた剥離処理されたシート状基材を剥がし、感圧式接着剤層を透明光学部材に貼着することによって、「透明光学部材/感圧式接着剤層/導電部材」という構成のタッチパネル用シートを得ることができる。
又、本発明の導電部材用感圧式接着性シート又は積層体の用途は特に限定されないが、上記タッチパネルの他に、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、電極周辺部材等各種エレクトロニクス関連の部材やプロテクトフィルム用途にも適応できる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、実施例における「部」及び「%」は、特にことわらない限り「重量部」及び「重量%」を表す。
合成例4〜25で得られた各樹脂の重量平均分子量(Mw)を以下の方法に従って求めた。
<重量平均分子量(Mw)測定>
Mwの測定は、東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
[アミノ化合物の合成]
合成例1
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにイソホロンジアミン(IPDA)25.0部、トルエン25.0部を仕込み。4−ヒドロキシブチルアクリレート 19.1部、ブチルアクリレート 18.8部を室温で滴下した。滴下終了後、80℃で2時間反応させた後、トルエン37.9部を加えた。更に酢酸エチルを加え固形分を50%に調整したものを化合物(1)溶液とした。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにイソホロンジアミン(IPDA)40.0部、トルエン40.0部を仕込み。4−ヒドロキシブチルアクリレート 67.8部を室温で滴下した。滴下終了後、80℃で2時間反応させた後、トルエン67.8部を加えた。更に酢酸エチルを加え固形分を50%に調整したものを化合物(2)溶液とした。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにイソホロンジアミン(IPDA)30.0部、トルエン30.0部を仕込み。2−ヒドロキシエチルアクリレート 18.4部、エチルアクリレート 17.6部を室温で滴下した。滴下終了後、80℃で2時間反応させた後、トルエン36.0部を加えた。更に酢酸エチルを加え固形分を50%に調整したものを化合物(3)溶液とした。
[ウレタンウレア樹脂の合成]
合成例4
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにサンニックスPP−2000(2官能ポリプロピレングリコール、三洋化成工業株式会社製)790部、イソホロンジイソシアネート110部、トルエン225部、触媒としてジオクチル錫ジラウレート0.075部を仕込み、100℃まで徐々に昇温して、2時間反応を行った。40℃まで冷却し、酢酸エチル787部、アセチルアセトン2.5部を加えた後、化合物(1)溶液48.7部を1時間で滴下し、更に1時間熟成した。滴定でイソシアネート基残量を確認した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール2.3部及び酢酸エチル100部を加えて、IRチャートのNCO特性吸収(2,270cm-1)が消失していることを確認し反応を終了した。このウレタンウレア樹脂(A−1)の重量平均分子量Mwは115,000であった。
[ウレタンウレア樹脂の合成]
合成例5〜21
表1に示す配合に従って合成例4と同様の方法でウレタンウレア樹脂(A−2)〜(A−18)を得た。
Figure 2011148965
表1中の略号は、それぞれ以下のものを示す。
PP600:サンニックスPP−600(2官能ポリプロピレングリコール、三洋化成工業株式会社製、数平均分子量:587)
PP1000:サンニックスPP−1000(2官能ポリプロピレングリコール、三洋化成工業株式会社製、数平均分子量:1020)
PP2000:サンニックスPP−2000(2官能ポリプロピレングリコール、三洋化成工業株式会社製、数平均分子量:1996)
PP3000:サンニックスPP−3000(2官能ポリプロピレングリコール、三洋化成工業株式会社製、数平均分子量:3032)
PP4000:サンニックスPP−4000(2官能ポリプロピレングリコール、三洋化成工業株式会社製、数平均分子量:4007)
PE−62:ニューポールPE−62(プロピレングリコールとエチレングリコールの共重合体、三洋化成工業株式会社製、数平均分子量:2550)
PTMG:PTMG−3000(2官能ポリテトラメチレングリコール、保土ヶ谷化学工業製、数平均分子量:2921)
P−2010:クラレポリオールP−2010(2官能ポリエステルポリオール、株式会社クラレ製、数平均分子量:1962)
C−2090:クラレポリオールC−2090(2官能ポリカーボネートポリオール、株式会社クラレ製、数平均分子量:2011)
IPDI:イソホロンジイソシアネート
HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
DOTDL:ジオクチル錫ジラウレート
DBTDL:ジブチル錫ジラウレート
IPDA:イソホロンジアミン
AMP:2−アミノ−2−メチル−プロパノール
[ウレタン樹脂の合成]
合成例22
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにポリエステルポリオールP−1010(2官能ポリエステルポリオール、クラレ株式会社製)68部、ポリエーテルポリオールG−3000B(3官能のポリオール、旭電化株式会社製)265部、トルエン125部、触媒として2−エチルヘキサン酸鉄0.03部、ナフテン酸鉛0.04部を仕込み、液が十分均一になった後に、ヘキサメチレンジイソシアネート(住友バイエル株式会社製)24部を1時間で滴下して、90℃で3時間反応を行った。IRチャートのNCO特性吸収(2,270cm-1)が消失していることを確認し反応を終了した。トルエン115部を加えウレタン樹脂(A−19)を得た。このウレタン樹脂(A−19)の重量平均分子量Mwは50,000であった。
[アクリル樹脂の合成]
合成例23
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにブチルアクリレート98.5部、アクリル酸1.5部、酢酸エチル150部を仕込み、窒素置換下で70℃まで加熱し、アゾビスイソブチロニトリル0.15部を添加し重合を開始した。重合開始後3時間後から1時間おきに5時間後までそれぞれアゾビスイソブチロニトリル0.15部を添加し、更に2時間重合を行った。その後、酢酸エチル150部を追加して重合を終了させ、アクリル樹脂(A−20)を得た。このアクリル樹脂(A−20)の重量平均分子量は790,000であった。
[アクリル樹脂の合成]
合成例24
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにブチルアクリレート97.7部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.5部、酢酸エチル150部を仕込み、窒素置換下で70℃まで加熱し、アゾビスイソブチロニトリル0.15部を添加し重合を開始した。重合開始後3時間後から1時間おきに5時間後までそれぞれアゾビスイソブチロニトリル0.15部を添加し、更に2時間重合を行った。その後、酢酸エチル150部を追加して重合を終了させ、アクリル樹脂(A−21)を得た。このアクリル樹脂(A−21)の重量平均分子量は840,000であった。
[アクリル樹脂の合成]
合成例25
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにブチルアクリレート89.9部、アクリル酸10.0部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1部、酢酸エチル63部、アセトン100部を仕込み、窒素置換下で65℃まで加熱し、アゾビスイソブチロニトリル0.03部を添加し重合を開始した。重合開始後6時間後アゾビスイソブチロニトリル0.2部を添加し、更に6時間重合を行った。その後、酢酸エチル45部を追加して重合を終了させ、アクリル樹脂(A−22)を得た。このアクリル樹脂(A−22)の重量平均分子量は910,000であった。
実施例1〜23
合成例4〜19で得られた樹脂(A−1)〜(A−16)の固形分100部に対し、硬化剤、シランカップリング剤を表2に従って配合して導電部材用感圧式接着剤組成物を得た。
比較例1〜9
合成例4、20〜25で得られた樹脂(A−1)、(A−17)〜(A−22)の固形分100部に対し、硬化剤、金属不活性剤、シランカップリング剤を表3に従って配合して導電部材用感圧式接着剤組成物を得た。
上記感圧式接着剤組成物を剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが50μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、感圧式接着剤層を形成した。乾燥後、感圧式接着剤層に、100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を貼り合せた。次いで、得られた積層体を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、接着剤層の反応を進行させ、導電部材用感圧式接着性シートを得た。
<接着力の評価方法>
上記感圧式接着シートを幅25mmに裁断し、剥離フィルムを剥がし、露出した感圧式接着層を厚さ100μmのPETフィルム、ポリカーボネート(PC)板、ガラス板、ITO透明導電膜を有するPETフィルムに23℃−50%RHにて貼着し、JIS Z 0237に準じてロール圧着した後、50℃雰囲気下で0.5MPaの圧力をかけ15分保持して試験片を得た。圧着24時間後、23℃−50%RH雰囲気下で剥離試験器にて、180度ピール、引っ張り速度300mm/分で、感圧式接着剤シートを各被着体から剥離し、接着力を測定した。
評価基準は以下のとおりである。
6:「接着力が35N/25mm以上である。」
5:「接着力が35N/25mm未満、25N/25mm以上である。」
4:「接着力が25N/25mm未満、15N/25mm以上である。」
3:「接着力が15N/25mm未満、5N/25mm以上である。」
2:「接着力が5N/25mm未満、1N/25mm以上である。」
1:「接着力が1N/25mm未満である。」
<耐熱・耐湿熱性の評価方法>
耐熱・耐湿熱性の評価として、上記感圧式接着性シートを幅100mm×長さ100mmに裁断し、剥離フィルムを剥離して、ガラス板に貼り合わせて固定し、50℃雰囲気下で0.5MPaの圧力をかけ20分間保持してPETフィルム/感圧式接着剤層/ガラス板の層構造を有する試験片を作製した。80℃ 相対湿度0%(耐熱性)、又は、60℃ 相対湿度95%(耐湿熱性)で500時間放置した後の浮きハガレ、発泡を目視で観察した。耐熱・耐湿熱性について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価をおこなった。
○:「浮きハガレ・発泡が全く認められず、実用上全く問題なし。」
△:「若干浮きハガレ・発泡が認められるが、実用上問題がない。」
×:「全面的に浮きハガレ・発泡があり、実用不可である。」
<耐発泡剥がれ性の評価方法>
耐発泡剥がれ性の評価として、上記感圧式接着性シートを、幅100mm×長さ100mmに裁断し、剥離フィルムを剥離して、ポリカーボネート(PC)板に貼り合わせて固定し、50℃雰囲気下で0.5MPaの圧力をかけ20分間保持してPETフィルム/感圧式接着剤層/PC板の層構造を有する試験片を作製した。上記試験片を80℃のオーブン中で24時間熱処理(耐熱性試験)を行った。この耐熱性試験後、サンプル片の接着界面(感圧式接着剤層とPC板との界面)を目視にて観察し、「気泡」や「浮き」が全く見られなかったものを「○」、「気泡」や「浮き」が僅かに認められるものを「△」、「気泡」や「浮き」が著しく認められるものを「×」と判断した。
<腐食性の評価方法>
腐食性の評価として、膜厚5μmのITO透明導電膜を有するPETフィルム(幅40mm、長さ160mm)のITO透明導電膜上に、幅40mm、長さ100mmに裁断した上記感圧式接着性シートを、剥離フィルムを剥離して貼り合わせて固定し、50℃雰囲気下で0.5MPaの圧力をかけ、20分間保持してPETフィルム/感圧式接着剤層/ITOフィルムの層構造を有する試験片(タッチパネル用シート)を作製した。この試験片の両端に電極をつなぎ初期の電気抵抗値を測定[三菱化学(株)製、Laresta−GP MCP−T600]した。更に試験片を85℃ 相対湿度90%で500時間放置した後、前記同様に経時後の電気抵抗値を測定した。電気抵抗変化率(経時後の電気抵抗値/初期の電気抵抗値)が、1.2未満のものを「○」、1.2以上1.5未満のものを「△」、1.5以上のものを「×」とした。更に、ITO透明導電膜に代えてAg粉フィラー入り導電性ペーストを用いた金属回路に対する腐食性の評価を同様に行った。
<耐可塑剤性の評価方法>
耐可塑剤性の評価として、上記感圧式接着性シートを幅100mm×長さ100mmに裁断し、剥離フィルムを剥離して、ポリカーボネート(PC)板に貼り合わせて固定し、50℃雰囲気下で0.5MPaの圧力をかけ20分間保持してPETフィルム/感圧式接着剤層/PC板の層構造を有する試験片を作製した。この試験片を可塑剤(オレイン酸)に浸漬し取り出した後、更に試験片を85℃ 相対湿度90%で24時間放置した後のサンプル片の接着界面(感圧式接着剤層とPC板との界面)を目視にて観察し、5(浮きや剥がれが全く観測されない)〜1(著しく浮きや剥がれが観測される)の評価基準で評価した。
<加工性の評価方法>
加工性の評価として、上記感圧式接着性シートを、幅100mm×長さ100mmに裁断し、40℃ 60Kg/cmで1時間プレスした際の接着剤層のはみ出しの様子を5(接着剤層のはみ出しが観測されない)〜1(著しく接着剤層のはみ出しが観測される)の評価基準で評価した。
Figure 2011148965
Figure 2011148965
表2、表3中の略号は、それぞれ以下のものを示す。
B−1:ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体
B−2:ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート体
B−3:ヘキサメチレンジイソシアネートビュレット体
B−4:キシリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体
B−5:トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体
B−6:エポキシ系硬化剤(テトラッドX、三菱ガス化学株式会社製)
C−1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
C−2:3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
C−3:IM−1000(イミダゾール基含有シランカップリング剤、日鉱金属株式会社製)
BTZM:金属不活性剤(共同薬品株式会社製)
ITO/PET:ITO透明導電膜を有するPETフィルム
表2の実施例1〜23に示すように、本発明の導電部材用感圧式接着剤組成物は、高い接着力、耐熱性、耐湿熱性、可塑剤耐性、加工性を有しているとともに、ITO透明導電膜や金属回路に対して優れた耐腐食性を有していることがわかった。一方、表3の比較例1〜9は、それぞれの物性のバランスがとれておらず、特に腐食性に問題を生じるものが多く見られた。

Claims (9)

  1. ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、ポリアミノ化合物(c)を反応させてなる重量平均分子量(Mw)が、50,000〜200,000であるウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して、
    硬化剤(B)を0.1〜3重量部含む導電部材用感圧式接着剤組成物。
  2. ポリイソシアネート(b)の使用量が、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中、8〜23重量%であり、ポリアミノ化合物(c)の使用量が、ウレタンウレア樹脂(A)100重量%中、0.5〜8重量%である請求項1記載の導電部材用感圧式接着剤組成物。
  3. ポリオール(a)が、ポリプロピレングリコール骨格を有するポリオールを含む請求項1又は2記載の導電部材用感圧式接着剤組成物。
  4. 硬化剤(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートビュレット体、及びキシリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜3いずれか記載の導電性部材用感圧式接着剤組成物。
  5. ウレタンウレア樹脂(A)100重量部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、又はイミダゾール基を有するシランカップリング剤を0.1〜1.0重量部含む請求項1〜4いずれか記載の導電部材用感圧式接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層をシート状基材の片面又は両面に形成してなる導電部材用感圧式接着性シート。
  7. 導電部材上に、請求項1〜5いずれか記載の導電部材用感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層が積層されてなる積層体。
  8. 導電部材が、透明導電膜又は金属回路である請求項7記載の積層体。
  9. 請求項7又は8記載の積層体を有するタッチパネル用シート。
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