JP2011148240A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラテンローラ5が設けられた本体ユニット10と、記録ヘッド6が設けられた着脱ユニット11と、を備え、本体ユニットには、プラテンローラよりも記録紙の紙送り方向下流側に配設された壁部130と、該壁部の上端部に支持されたガイド部材131と、ガイド部材よりもプラテンローラの回転方向下流側に配設され、プラテンローラと壁部との間で、ガイド部材の対向面131bの隙間を通過した記録紙を滞留させる滞留空間Cを画成させるストッパ部132と、が設けられ、ストッパ部が、対向面の隙間を通過した記録紙をプラテンローラから離反させると共に、離反させた記録紙を滞留空間内に留まらせる爪部132aを有しているプリンタを提供する。
【選択図】図22
Description
このサーマルプリンタを代表とする各種のプリンタで使用される記録紙は、一般的に記録ヘッドとプラテンローラとの間で挟み込まれながら、該プラテンローラの回転によって下流側に紙送りされるようになっている。
このような紙ジャムが発生した場合には、印刷が途中で停止してしまうので、速やかに復旧させることが重要とされている。
この分離型のプリンタのうち、プラテンローラが着脱ユニットに設けられているタイプのプリンタにおいて紙ジャムが発生した場合には、本体ユニットから着脱ユニットを分離させることで、プラテンローラが露出すると共に、プラテンローラを駆動する駆動系も本体ユニットから切り離されてフリーな状態になる。従って、プラテンローラを自由に回転させることが可能であり、プラテンローラに巻き付いてしまった記録紙の解除を比較的容易に行い易い。従って、紙ジャムの復旧作業を速やかに行い易い。
従って、プラテンローラを自由に回転させることが難しく、プラテンローラに巻き付いてしまった記録紙を解除するのに手間がかかるものであった。
この記録装置は、給紙部から給紙される記録紙を検知する給紙センサと、排紙部に排出される記録紙を検知する排紙センサと、両センサの検知結果に基づいて、記録紙の紙ジャムを検知する検知手段と、を備えている。この記録装置によれば、センサを利用して紙ジャムを早期に検知できるので、プラテンローラへの記録紙の過度の巻き付きを防止することができる。
従って、プラテンローラが本体ユニットに設けられているタイプのプリンタであっても、紙ジャムを抑制することができ、記録紙を速やかに解除し易い。
特に、センサに故障や誤動作等の不具合が発生した場合には、紙ジャムを早期に検知することができず、結果的に紙ジャムが進んで記録紙が多量に巻き込まれ、多重の巻き付きを生じさせてしまう恐れがあった。
(1)本発明に係るプリンタは、記録紙を紙送りするプラテンローラが設けられた本体ユニットと、記録ヘッドが設けられ、前記本体ユニットに対して分離可能に組み合わされる着脱ユニットと、を備え、前記本体ユニットには、前記プラテンローラよりも前記記録紙の紙送り方向下流側に配設され、紙送り方向に直交する直交面に沿って延在した壁部と、該壁部の上端部に支持され、上面が紙送りされた前記記録紙を下流側にガイドするガイド面とされ、側面がプラテンローラの外周面に倣って湾曲すると共に外周面との間に隙間を開けて対向する対向面とされたガイド部材と、該ガイド部材よりも前記プラテンローラの回転方向下流側に配設され、プラテンローラと前記壁部との間で、前記対向面の隙間を通過した前記記録紙を滞留させる滞留空間を画成させるストッパ部と、が設けられ、前記ストッパ部が、前記対向面の隙間を通過した前記記録紙を前記プラテンローラから離反させると共に、離反させた記録紙を前記滞留空間内に留まらせる爪部を有していることを特徴とする。
この場合、記録紙はプラテンローラの回転に伴って徐々に巻き込まれていくので、ガイド部材の対向面とプラテンローラの外周面との間の隙間に引き込まれながらプラテンローラと共に回転方向下流側に移動する。ところが、ガイド部材よりもプラテンローラの回転方向下流側には、ストッパ部が配設されている。よって、上記引き込みによって対向面の隙間を通過した記録紙は、ガイド部材の爪部に接触して、それ以上回転方向下流側に移動することが規制される。そのため、記録紙は、このストッパ部の爪部によって回転するプラテンローラから強制的に離反される(引き離される)。
そのため、本体ユニットから着脱ユニットを分離させた後、プラテンローラを仮に自由に回転させることが困難であっても、プラテンローラへの記録紙の巻き付きがないうえ、巻き込み量も抑制されているので、容易に記録紙を引っ張り出して速やかに解除させることができる。
特に、従来のように各種センサを用いることなく、ストッパ部等の簡便な構成で記録紙の解除を速やかに行えるので、構成の簡略化及び低コスト化を図り易い。また、センサと違って誤動作等もないので、記録紙の解除の信頼性を高めることができる。
従って、記録紙の過度の巻き込みをより確実に防止することができ、記録紙の解除をより確実にすることができる。
本実施形態のサーマルプリンタは、図1及び図2に示すように、ロール紙Rから引き出された記録紙Pに印刷を行った後、該記録紙Pを適宜切断してチケットやレシート等として利用することができる、いわゆるクラムシェル型のプリンタである。
このサーマルプリンタは、ケーシング2と、このケーシング2に対して開閉可能に設けられた開閉扉3と、カッター機構4と、プラテンローラ5と、サーマルヘッド(記録ヘッド)6と、で主に構成されている。
また、本実施形態では、図1に示す状態において、紙面に対して左側を前方、右側を後方、上側を上方、下側を下方とする。そして、記録紙Pは前後方向L1に紙送りされるものとする。また、前後方向L1及び上下方向L2に対して直交する方向を左右方向L3とする。
また、図1に示すように、開閉扉3を閉めたときに、開閉扉3の先端とケーシング2との間に若干の隙間が空くように設計されている。そして、この隙間を利用して、ケーシング2の内部から紙送りされた記録紙Pが引き出されるようになっている。つまり、この隙間は、記録紙Pの排出口2cとして機能する。
一方、着脱ユニット11は、開閉扉3の先端側の内面に設けられている。そのため、着脱ユニット11は開閉扉3の開閉動作に伴って移動して、本体ユニット10に組み合わされたり、本体ユニット10から分離したりするようになっている。
なお、図1及び図2では、固定刃9及びサーマルヘッド6を代表として図示している。
はじめに、着脱ユニット11は、上述したように開閉扉3の開閉動作に伴ってヒンジ部7を中心として回転移動するが、本体ユニット10に組み合わされる直前や本体ユニット10から分離された直後には、可動刃8のスライド方向(上下方向L2)に沿って本体ユニット10に対して接近離間するようになっている。
本実施形態の着脱ユニット11は、図6から図9に示すように、サーマルヘッド6と、サーマルヘッド6を支持するヘッド支持フレーム15と、サーマルヘッド6に対して記録紙Pの搬送方向下流側に配置された固定刃9と、この固定刃9を保持する固定刃ホルダ16と、この固定刃ホルダ16を移動可能に支持するホルダ支持フレーム(ホルダ支持部材)17と、ホルダ支持フレーム17の後方側を覆う固定刃ホルダカバー18と、ホルダ支持フレーム17の前方側を覆うラッチカバー(ラッチ部材)19と、このラッチカバー19をさらに覆う解除カバー(解除部材)20と、を備えている。
この固定刃9は、図1、図2及び図9に示すように、開閉扉3が閉じて本体ユニット10に着脱ユニット11が装着されたときに、刃先9aが下方を向いて記録紙Pの紙面に対向するように固定刃ホルダ16に保持されている。
具体的に固定刃ホルダ16は、図9、図11から図13に示すように、固定刃9の刃幅方向に沿って延在し、固定刃9が載置固定される載置面16aが形成されたホルダ本体16bと、このホルダ本体16bの左右両端側から後方に向けて突出した脚部16cと、で一体的に形成されている。
支持枠30は、ホルダ本体16bの上面側に重ね合わされる枠状のプレートであって、天壁部30aと、この天壁部30aの左右両側から下方に向けて屈曲された側面パネル30bと、天壁部30aの前方から下方に向けて屈曲された前面パネル30cと、で構成されている。
ところで、前方天壁部30Aには、直交方向(前後方向L1)に沿って縦長に形成された案内開口35がボス25に対向する位置に形成されている。また、この案内開口35を挟んで左右方向L3に並ぶようにストッパ用開口部36が形成されている。そして、上記案内開口35内にボス25が挿通され、ストッパ用開口部36内にストッパ爪26が挿通されるように、固定刃ホルダ16が重ね合わされている。
なお、上述した固定ネジ38、ワッシャ37及びカラー39は、案内開口35に挿通され、支持枠30と固定刃ホルダ16を連結する連結部材31として機能する。
この際、図8に示すように、ストッパ爪26がストッパ用開口部36に接触して、固定刃ホルダ16の過度の前方移動を規制するようになっている。そのため、固定刃9が、支持枠30の前面パネル30cに接触しないようになっている。
このシャフト45の両端部は、それぞれ固定刃ホルダカバー18の側壁部18aよりさらに左右方向L3の外方に突出した状態となっている。
シャフト46は、支持枠30の側面パネル30b及びラッチカバー19の側壁部19aを通して該支持枠30を左右方向L3に貫くように挿通されており、その両端部がラッチカバー19の側壁部19aよりさらに左右方向L3の外方に突出した状態となっている。そして、このシャフト46の両端部に円筒状のブッシュ47が被嵌されている。
この解除カバー20は、左右両側が下方に向けて屈曲されたC型状のカバーであり、ラッチカバー19及び支持枠30の前面パネル30cを上方から覆うと共に、側壁部20aが固定刃ホルダカバー18の側壁部18aの外方から被さるように配設されている。この際、解除カバー20は、上述したシャフト45を介して固定刃ホルダカバー18に連結されていると共に、シャフト45を中心として回転可能とされている。
特にラッチカバー19は、コイルバネ52によって固定刃ホルダカバー18側に常時引っ張られているので、湾曲凹部20b内にロックピン51が確実に嵌り込んでいると共に、該ロックピン51が爪部20cを下方側に押圧している。従って、解除カバー20は、ロックピン51からの力を受けて、常時支持枠30の前面パネル30cを覆う前方側に回転するように付勢されている。
すると、解除カバー20の側壁部20aに形成された爪部20cがロックピン51を上方に押し上げて、該ロックピン51をコイルバネ52による付勢方向とは逆方向である前方側に回転移動させるようになっている。
次に、本体ユニット10について説明する。
本体ユニット10は、図3から図5及び図14に示すように、可動刃8と、プラテンローラ5と、これらを支持する本体フレーム60と、で主に構成されている。なお、図14は、本体ユニット10の斜視図である。
本体フレーム60は、金属や樹脂等によって箱型状に形成されたフレームであって、上面60aが記録紙Pの通過面となっている。記録紙Pは、この通過面である上面60a側に印字面とは反対側の面を向けた状態で、紙送りされるようになっている。
また、本体フレーム60の前壁部60b及び側壁部60cには、それぞれ前方カバー61a及び側方カバー61bが着脱自在に取り付けられている。なお、側壁部60cは、本体フレーム60の内側に凹んだ位置に形成されており、この側壁部60cと側方カバー61bとの間に、各構成品を収納することができる収納空間Eが確保されている。
この一対の対向壁62には、本体ユニット10に対して着脱ユニット11を分離可能に組み合わせるための複数の凹部が形成されている。即ち、前方側から後方側に向かって順に、第1の凹部65、第2の凹部66及び第3の凹部67がそれぞれ形成されている。
なお、本体ユニット10に着脱ユニット11を組み合わせた際、対向壁62の内側に解除カバー20の側壁部20aが位置するように本体ユニット10がサイズ設計されている。
第2の凹部66は、係合ピン50が第1の凹部65内に嵌め込まれた後に、ロックピン51が離脱可能に嵌め込まれる凹部であって、第1の凹部65の開口途中から後方に向けて斜めに開口するように形成されている。
なお、図15は、本体ユニット10と着脱ユニット11が組み合わされた状態を側方から見た図である。
なお、図16は、図15に示す状態から解除カバー20を後方側に回転させて、爪部20cによりロックピン51を上方に押し上げた状態を示す図である。図17は、図16に示す状態からさらにロックピン51を上方に押し上げた状態を示す図である。
従って、着脱ユニット11が本体ユニット10に装着されている際に、係合ピン50の軸線を中心にロックピン51が回転させて第2の凹部66内から離脱させようとする外力が着脱ユニット11の全体に作用したとしても、補助ピン53が第3の凹部67の内周縁の一部に接触するので、着脱ユニット11の動きを規制する。
従って、意図しないときに、ロックピン51が第2の凹部66内から離脱しないようになっており、着脱ユニット11の装着時における信頼性を高めることができると共に、着脱ユニット11のがたつき等を抑え易い。
なお、図18は、図10に示す状態から可動刃9をスライドさせた状態を示す図である。
このラック81は、図3及び図4に示すように、可動刃用モータ(図20参照)95に連結された駆動歯車82の回転に伴って、可動刃ホルダ80を上下方向L2に直線的に往復移動させる役割を担っている。また、図19に示すように、このラック81が取り付けられた可動刃ホルダ80と本体フレーム60の底壁部と間には、コイルバネ(付勢部材)83が取り付けられており、可動刃8を固定刃9から引き離す下方向に引っ張っている。これにより、可動刃ホルダ80には、常時下向きの力が加わっている。
この可動刃用歯車輪列機構90は、図3に示すように本体ユニット10に着脱ユニット11が組み合わされたときに、駆動歯車82とラック81とを連結させて駆動歯車82の回転力をラック81に伝達すると共に、図4に示すように着脱ユニット11が分離されたときに駆動歯車82とラック81との連結を切り離す役割を担っている。
以下、構成を詳細に説明する。
なお、図20は、図4に示す本体ユニット11の側面図であって、第1歯車91を取り外した状態を示す図である。図21は、図3に示す本体ユニット11の側面図であって、第1歯車91を取り外した状態を示す図である。
この揺動プレート96は、平面視略半円形状に形成されていると共に、上部側の一部が外方に突出した鉤状の係止片96aとなっている。また、揺動プレート96には、係止片96aの根元付近に第1歯車91を軸支する軸芯96bが駆動歯車82に隣接するように立設されていると共に、下部側に後述するコイルバネ(付勢部材)98の一端側を固定する固定ピン96cが立設されている。
ここで、第2歯車92に近接した側壁部60c上には固定ピン97が立設されており、この固定ピン97と揺動プレート96の上記固定ピン96cとの間にコイルバネ98が取り付けられている。このコイルバネ98は、図20に示すように第1歯車91が第2歯車92から離間する後方側に揺動プレート96を回転させるように付勢している。従って、揺動プレート96に外力を与えない限り、第1歯車91と第2歯車92とは連結が切り離されるようになっている。
なお、揺動プレート96には、駆動歯車82を保護する平面視三日月状の保護カバー99が形成されている。
この点、以下に詳細に説明する。
なお、図22は、本体ユニット10の内部構造を示す断面図である。
本実施形態のストッパ部132は、プラテンローラ5の外周面に向かうにしたがって漸次先鋭化する楔形状とされており、壁部130側に傾斜面が向くように固定されている。ストッパ部132の先端部は、ガイド部材131の対向面131bを通過してきた記録紙Pをプラテンローラ5から強制的に引き離して離反させると共に、離反させた記録紙Pを滞留空間C内に留まらせる爪部132aとして機能する。この点は、後に再度説明する。
そして、このように構成されたストッパ部132は、図23に示すように、プラテンローラ5の横幅方向(左右方向L3)に沿って複数配設されている。なお、図23は、本体ユニット10の内部を底壁部側から見た斜視図である。
まず、図2に示すように、開閉扉3を開けた状態でロール紙Rを投入口2aからケーシング2内に投入する。この際、予め記録紙Pをケーシング2の外側に、ある程度の長さだけ引き出しておく。そして、引き出した記録紙Pをケーシング2の外側に引き出した状態のまま、開閉扉3を閉めロック機構により開閉扉3をロックする。すると、これと同時に着脱ユニット11が本体ユニット10に装着されて、両ユニット10、11が組み合わさった状態となる。
これにより、記録紙Pは、図1に示すように、プラテンローラ5とサーマルヘッド6との間に挟まれた状態になると共に、排出口2cからケーシング2の外側に引き出された状態となる。
この際、開閉扉3を押し下げる力の反力が、傾斜部を介してロックピン51を上方に押し上げるように作用する。そして、この反力がロックピン51を介してラッチカバー19に伝達されるため、該ラッチカバー19は係合ピン50の軸線を中心として前方側に回転する。つまり、ラッチカバー19は、係合ピン50の軸線を中心に前方側に回転しながら、開閉扉3の閉動作に伴って下方に移動する。
また、図1及び図19に示すように、この時点でサーマルヘッド6とプラテンローラ5とを記録紙Pを挟んで対向配置させることができる。この際、ヘッド支持フレーム15がコイルバネ41によってプラテンローラ5側に付勢されているので、サーマルヘッド6を所定の圧接力でプラテンローラ5に接触させることができる。更に、固定刃9の刃先9aと可動刃8の刃先8aとを、記録紙Pを挟んで向かい合わせることができる。
この場合には、まずプラテン用モータを駆動させて、プラテンローラ5を回転させる。これにより、プラテンローラ5とサーマルヘッド6との間に挟まれた記録紙Pが前方に紙送りされると同時に、載置台2b上に載置されたロール紙Rが回転する。
また、これと同時にサーマルヘッド6を作動させる。これにより、多数の発熱素子が適宜熱を発する。これにより、紙送りされた記録紙Pに対して、各種の文字や図形等を明瞭に印刷することができる。その後、プラテンローラ5によってさらに紙送りされた記録紙Pは、ガイド部材131のガイド面131aでガイドされながらスムーズに下流側に案内された後、固定刃9と可動刃8との間を通過する。
更に、係合ピン50及びロックピン51に加え、補助ピン53が第3の凹部67内に嵌っているので、着脱ユニット11を本体ユニット10に対して前後方向L1の2箇所で固定でき、より強固に組み合わせることができる。そのため、着脱ユニット11に何らかの外力が加わったとしても、がたつき等が生じ難い。この点においても、安定した印刷を行える。
この場合には、可動刃用モータ95を駆動させて駆動歯車82を回転させる。すると、図3に示すようにこの回転力は、第1歯車91及び第2歯車92を介して第3歯車93に伝わり、該第3歯車93を回転させる。これにより、第3歯車93に噛合されているラック81を直線移動させることができる。従って、ラック81と一体的となった可動刃ホルダ80を介して、図10及び図19に示す状態から図9及び図18に示す状態に移行するように、可動刃8を固定刃9に向かう上方にスライドさせることができる。
この際、可動刃8は、平面視略V字型に形成されているので、左右の2点で固定刃9に接する。よって、可動刃8のスライドに伴って、記録紙Pを左右の両側から中央に向かって切断することができ。記録紙Pを偏りなく良好に切断することができる。その結果、切断した記録紙Pをレシートやチケット等として使用することができる。
その結果、切れ始めから切れ終わりまで、常に最適な切断角θを保ったまま切断を行うことができ、記録紙Pに切れ残り等の切断不良が生じる可能性が低く、良好な切断を安定して行うことができる。
なお、図24は、可動刃8と固定刃ホルダ16に保持された固定刃9との動きを、可動刃8のスライドの進行具合に伴ってどのように変化するかを説明するための簡略図である。
従って、より確実に記録紙Pを左右両側から切断することができ、切断不良をより生じ難くさせることができる。
しかしながら、本実施形態の場合には、固定刃9と可動刃8とのセット位置にずれが生じてしまったとしても、上述したように固定刃9が固定ネジ38を中心に刃幅方向に自在に揺動するので、左右2点の接触ポイントの圧接力をバランス良く均等にすることができる。従って、上記不具合が発生する可能性を低くすることができる。
この場合には、可動刃8が固定刃9に乗り上がった状態(被さった状態)となっているが、本実施形態では、着脱ユニット11を本体ユニット10に対して可動刃8のスライド方向(上下方向L2)に沿って接近離間させることが可能とされている。よって、可動刃8がスライド途中で停止したとしても、本体ユニット10から着脱ユニット11を分離させることができ、可動刃8上を滑らすように固定刃9を引き抜くことができる。
まず、ロック機構を解除した後、ヒンジ部7を中心として開閉扉3を後方に回転させるように開動作させる。すると、図16及び図17に示すように、開閉扉3の内面に取り付けられている解除カバー20が開閉扉3の開動作に伴って、補助ピン53の軸線を中心として後方側に回転しはじめる。そのため、解除カバー20は、爪部20cを介してロックピン51を上方に押し上げる。
すると、この力はロックピン51を介してラッチカバー19に伝わるので、該ラッチカバー19は係合ピン50の軸線を中心としてコイルバネ52に抗する力で前方側に回転する。従って、ロックピン51は、ラッチカバー19の回転に伴って第2の凹部66内から離脱する。これにより、係合ピン50及び補助ピン53は、共に第1の凹部65及び第3の凹部67の開口方向に沿って移動可能な状態となる。
このように、可動刃8がスライド途中で停止した場合であっても、従来のものとは異なり、可動刃8と固定刃9とを容易に分離させることができる。そして、開閉扉3を大きく開けた後に、紙ジャム等の各種不具合の復旧作業を直ちに行うことができる。
印刷中、紙送りされた記録紙Pが何らかの理由でプラテンローラ5に巻き込まれてしまった場合には、図25に示すように、記録紙Pはプラテンローラ5と共に回転して徐々に巻き込まれてしまう。そのため、記録紙Pは、ガイド部材131の対向面131bとプラテンローラ5の外周面との間の隙間に引き込まれながら、プラテンローラ5と共に回転方向下流側に移動していく。
なお、図25は、プラテンローラ5に巻き込まれた記録紙Pの状態を経時的に示した流れ図である。但し、可動刃8がスライドして固定刃9に重なっている状態で図示している。
そのため、本体ユニット10から着脱ユニットを分離させた後、プラテンローラ5を仮に自由に回転させることが困難であっても、プラテンローラ5への記録紙Pの巻き付きがないうえ、巻き込み量も抑制されているので、容易に記録紙Pを引っ張り出して速やかに解除させることができる。
まず、第1の凹部65内への係合ピン50の嵌め込み/離脱と、係合ピン50に対するロックピン51の相対的な移動による第2の凹部66内の嵌め込み/離脱と、を行うだけの簡単な操作で着脱ユニット11の着脱操作をスムーズに行える。従って、本体ユニット10と着脱ユニット11とを速やかに組み合わせたり、両ユニット10、11を速やかに分離して組み合わせを解除したりすることができる。
また、外方に大きく突出していた従来のロックレバーを利用したものとは異なり、着脱ユニット11にはプラテン軸Cに平行な方向に向けて僅かに突出した係合ピン50、ロックピン51及び補助ピン53が形成されているである。従って、着脱ユニット11の着脱操作に指先がこれらに干渉し難く、従来よりも安全性に優れている。
更に、可動刃8の刃先8aに対する固定刃9の刃先9aの角度を常に最適な切断角θに維持することができるうえ、固定刃9を刃幅方向に自由に揺動させて可動刃8の動きに追従させることができるカッター機構4を備えているので、切断不良が生じる可能性が低く、記録紙Pを良好に切断することができる。その結果、切断性能の信頼性が向上したサーマルプリンタ1とすることができる。また、切断後の記録紙Pの品質も高めることができる。
特に、本実施形態では、ストッパ部132の爪部132aとプラテンローラ5の外周面との隙間が、ガイド部材131の対向面131bとプラテンローラ5の外周面との隙間と同じ或いは小さい隙間に設定されている。よって、プラテンローラ5による巻き込みによって、ガイド部材131の対向面131bを通過した記録紙Pは、爪部132aの隙間を通過し難く、該爪部132aに接触してプラテンローラ5から離反し易い。従って、記録紙Pの過度の巻き込みをより確実に防止することができ、記録紙Pの解除をより確実にすることができる。
加えて、ストッパ部132がプラテンローラ5の横幅方向(左右方向L3)に沿って複数配設されているので、巻き込んでしまった記録紙Pを横幅方向に亘って均等且つ同じタイミングでプラテンローラ5から離反させることができる。よって、この点においても、速やかな記録紙Pの解除に繋げることができる。
また、上記実施形態では、ロール紙Rを投入して単に載置台2b上に置くドロップイン方式のサーマルプリンタ1としたが、この方式ではなく、ケーシング2の内部にロール紙Rを軸支(回転可能に支持)する軸支機構を設けた軸支式のサーマルプリンタとしても構わない。
なお、ケーシング2や開閉扉3は必須な構成ではなく設けなくても構わない。即ち、本体ユニット10と着脱ユニット11とだけで構成されていても、プリンタとして十分に機能する。
また、上記実施形態では、ストッパ部132を楔形状としたが、この形状に限定されるものではない。例えば、図27に示すように、先端が平坦な突起状の爪部132aを有する形状にしても構わない。更に、このように構成した場合において、図28に示すように爪部132aの先だけを傾斜させても構わないし、図29に示すように、爪部132aの先端を平坦に維持したまま該爪部132aの側面が滑らかに湾曲するように形成しても構わない。
従って、記録紙Pが仮に爪部132aの隙間に入り込んで通過しようとしても、湾曲部132bによって記録紙Pの入り込みを効果的に規制することができる。従って、記録紙Pをより確実にプラテンローラ5から離反させることができ、より好ましい。
但し、上記実施形態のようにラッチカバー19を回転させるだけの簡便な構成で、ロックピン51を係合ピン50に対して相対移動させることができるので構成の簡略化及び部品点数の削減化を図ることができる。
例えば、このような往復移動機構の一例としては、駆動歯車82の回転に伴って回転する回転カムと、この回転カムの回転によって可動刃ホルダ80を直線的に往復移動させる一般的に周知とされた機構と、を採用して構成しても構わない。
着脱ユニット11が組み合わされたときに駆動歯車82とラック81が連結され、着脱ユニット11が分離されたときに駆動歯車82とラック81との連結が切り離されるように可動刃用歯車輪列機構90が構成されていれば、どのように設計しても構わない。
入力歯車111及び出力歯車112は、それぞれ内歯車111a、112aを相手側に向けた状態で共通の軸芯113に軸支されている。この際、入力歯車111は、軸芯113に沿ってスライド移動可能とされている。また、軸芯113には、両歯車111、112の間に介在されるようにコイルバネ114が外嵌されており、両歯車111、112を離間させるように付勢している。そして、入力歯車111は、着脱ユニット11の装着によって移動するリンクボタン115により出力歯車112側にスライドし、自身の内歯車111aを出力歯車112の内歯車112aに噛合させるようになっている。
入力歯車121、出力歯車122及び中間歯車123は共に傘歯車とされており、入力歯車121及び出力歯車122をそれぞれ軸支する軸芯124の間に位置するように中間歯車123用の軸芯125が設けられている。この際、中間歯車123は、軸芯125に沿ってスライド移動可能とされている。また、中間歯車123は、入力歯車121及び出力歯車122から離間するようにコイルバネ126によって付勢されている。そして、中間歯車123は、着脱ユニット11の装着によって移動するリンクボタン127によりコイルバネ126に抗するようにスライドし、入力歯車121及び出力歯車122の両方に噛合されるようになっている。
P…記録紙
1…サーマルプリンタ(プリンタ)
5…プラテンローラ
6…記録ヘッド
10…本体ユニット
11…着脱ユニット
130…壁部
131…ガイド部材
131a…ガイド部材のガイド面
131b…ガイド部材の対向面
132…ストッパ部
132a…ストッパ部の爪部
132b…ストッパ部の湾曲部
Claims (5)
- 記録紙を紙送りするプラテンローラが設けられた本体ユニットと、
記録ヘッドが設けられ、前記本体ユニットに対して分離可能に組み合わされる着脱ユニットと、を備え、
前記本体ユニットには、
前記プラテンローラよりも前記記録紙の紙送り方向下流側に配設され、紙送り方向に直交する直交面に沿って延在した壁部と、
該壁部の上端部に支持され、上面が紙送りされた前記記録紙を下流側にガイドするガイド面とされ、側面がプラテンローラの外周面に倣って湾曲すると共に外周面との間に隙間を開けて対向する対向面とされたガイド部材と、
該ガイド部材よりも前記プラテンローラの回転方向下流側に配設され、プラテンローラと前記壁部との間で、前記対向面の隙間を通過した前記記録紙を滞留させる滞留空間を画成させるストッパ部と、が設けられ、
前記ストッパ部は、前記対向面の隙間を通過した前記記録紙を前記プラテンローラから離反させると共に、離反させた記録紙を前記滞留空間内に留まらせる爪部を有していることを特徴とするプリンタ。 - 請求項1に記載のプリンタにおいて、
前記ストッパ部は、前記対向面の隙間と同じ或いは小さい隙間を開けて、前記プラテンローラの外周面に前記爪部が近接するように配設されていることを特徴とするプリンタ。 - 請求項2に記載のプリンタにおいて、
前記ストッパ部は、前記爪部から前記プラテンローラの外周面に沿いながら回転方向下流側に向けて延在した湾曲部を有し、
該湾曲部は、前記爪部の隙間と同じ間隔の隙間を維持したまま前記プラテンローラの外周面に近接していることを特徴とするプリンタ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のプリンタにおいて、
前記ストッパ部は、前記プラテンローラの横幅に沿って複数配設されていることを特徴とするプリンタ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のプリンタにおいて、
前記ストッパ部は、前記プラテンローラの横幅に亘って形成されていることを特徴とするプリンタ。
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