JP2011146629A - デジタル回路部への供給電圧を決定する方法、デジタル回路部への供給電圧を設定する方法、電子機器及び供給電圧決定装置 - Google Patents

デジタル回路部への供給電圧を決定する方法、デジタル回路部への供給電圧を設定する方法、電子機器及び供給電圧決定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一般的なデジタル回路において消費電力を削減させることを可能とする新たな手法を提案すること。
【解決手段】携帯型電話機100のプロセッサーであるホストCPU130は、規定の入力テスト信号をデジタル回路部であるGPS受信部110に印加し、当該入力テスト信号に応答するGPS受信部110からの出力信号に基づいて、GPS受信部110の動作を検査する。また、GPS用可変電圧部190に電圧指示信号を出力することでGPS受信部110に供給する検査用電圧を変更する。そして、GPS受信部110の検査と、検査用電圧の変更とを繰り返し実行して、GPS受信部110への供給電圧を決定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、デジタル回路部への供給電圧を決定する方法、デジタル回路部への供給電圧を設定する方法、電子機器及び供給電圧決定装置に関する。
消費電力の削減に関する技術として、例えば特許文献1には、記憶装置の一種であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)において、リフレッシュ動作に係る周波数であるリフレッシュ動作周波数を最適化することで、消費電力を削減する技術が開示されている。
特開平11−88127号公報
確かに、特許文献1に開示されている技術のように、DRAMのリフレッシュ動作周波数を低減させることにより、DRAMの消費電力を削減することが可能ではある。DRAMだからこそ、リフレッシュ動作周波数を低減させるという発想が生まれたわけである。しかし、DRAM以外の一般的なデジタル回路において、リフレッシュ動作周波数なる周波数は存在しない。
本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、一般的なデジタル回路において消費電力を削減させることを可能とする新たな手法を提案することにある。
デジタル回路部に供給する電圧は、当該デジタル回路部の設計時に規定されるのが通常であり、その規定電圧を下回る電圧下では、当該デジタル回路部の動作は保証されない。しかし、デジタル回路部の量産時のばらつきと設計マージンを考えると、実際には設計時の規定電圧よりも低い電圧でデジタル回路部が動作可能な場合があり得る。動作電圧を低下させることができれば、消費電力を低減させることができる。
そこで、第1の形態は、デジタル回路部への供給電圧を決定する方法であって、規定の入力テスト信号を前記デジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答する前記デジタル回路部からの出力信号に基づいて、前記デジタル回路部の動作を検査することと、前記デジタル回路部への供給電圧を変更することと、前記検査と、前記供給電圧の変更とを繰り返して、前記デジタル回路部への供給電圧を決定することと、を含む方法である。
また、他の形態として、デジタル回路部と、前記デジタル回路部への供給電圧を設定変更可能な可変電圧部と、制御部と、を備え、前記制御部は、規定の入力テスト信号を前記デジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答する前記デジタル回路部からの出力信号に基づいて、前記デジタル回路部の動作を検査することと、前記可変電圧部を制御して前記デジタル回路部への供給電圧を変更することと、前記検査と、前記供給電圧の変更とを繰り返して、前記デジタル回路部への供給電圧を設定することと、を実行する、電子機器を構成してもよい。
さらに、他の形態として、規定の入力テスト信号をデジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答する前記デジタル回路部からの出力信号に基づいて、前記デジタル回路部の動作を検査する動作検査部と、前記デジタル回路部への供給電圧を設定変更可能な可変電圧部と、前記可変電圧部に供給電圧を変更させることと、前記動作検査部に検査を実行させることとを繰り返して、前記デジタル回路部への供給電圧を決定する制御部と、を備えたデジタル回路部への供給電圧決定装置を構成することも可能である。
この第1の形態等によれば、規定の入力テスト信号をデジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答するデジタル回路部からの出力信号に基づいて、デジタル回路部の動作を検査する。他方、デジタル回路部への供給電圧を変更する。このデジタル回路部の検査と、供給電圧の変更とを繰り返して、デジタル回路部への供給電圧を決定する。デジタル回路部への供給電圧を変更しながら、デジタル回路部が適切に動作するかを検査することで、デジタル回路部が正常に動作する電圧まで供給電圧を低減させることが可能となり、消費電力の削減が実現される。
また、第2の形態として、デジタル回路部を備えた電子機器が、所定のタイミングで第1の形態の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法を構成してもよい。
この第2の形態によれば、デジタル回路部を備えた電子機器が、デジタル回路部の消費電力削減のための最適な供給電圧を所定のタイミングで設定することができる。
また、第3の形態として、デジタル回路部を備えた電子機器が、定期的に第1の形態の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法を構成してもよい。
この第3の形態によれば、デジタル回路部を備えた電子機器が、デジタル回路部の消費電力削減のための最適な供給電圧を定期的に設定することができる。
また、第4の形態として、デジタル回路部を備えた電子機器が、電源ON時に第1の形態の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法を構成してもよい。
この第4の形態によれば、デジタル回路部を備えた電子機器が、デジタル回路部の消費電力削減のための最適な供給電圧を電源ON時に設定することができる。
また、第5の形態として、前記電子機器は、温度変化を検出するセンサーを更に備え、前記電子機器は、前記センサーの検出結果に応じたタイミングで、第1の形態の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法を構成してもよい。
この第5の形態によれば、温度変化を検出するセンサーの検出結果に応じたタイミング、例えば所定温度以上の温度変化が検出されたタイミングで、デジタル回路部の消費電力削減のための最適な供給電圧を設定することができる。
また、第6の形態として、第2〜第4の何れかの形態の方法であって、前記電子機器は、衛星信号を所定時間以上受信して位置算出演算を行う位置算出部を更に備え、前記デジタル回路部は、前記位置算出部において受信された衛星信号を記憶するためのメモリー部であり、前記検査することは、前記メモリー部への書き込みテストと、読み出しテストとを行って、動作誤差率が、前記位置算出演算に対する許容誤差条件を満たすか否かを検査することを含む、方法を構成してもよい。
この第6の形態によれば、位置算出部において受信された衛星信号を記憶するためのメモリー部に対する書き込みテストと読み出しテストとを行い、動作誤差率が位置算出演算に対する許容誤差条件を満たすか否かを検査することで、当該メモリー部への供給電圧を最適化することができる。
供給電圧決定システムのシステム構成の一例を示す図。 テスト用データのデータ構成の一例を示す図。 携帯型電話機の機能構成を示すブロック図。 メイン処理の流れを示すフローチャート。 GPS供給電圧設定処理の流れを示すフローチャート。 ベースバンド処理回路部の回路構成の一例を示す図。 ベースバンド処理の流れを示すフローチャート。 サンプリングメモリー供給電圧設定処理の流れを示すフローチャート。 サンプリングメモリー部の構成の説明図。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
1.原理
先ず、本実施形態における供給電圧設定の原理について説明する。
図1は、原理説明における供給電圧決定システム1のシステム構成の一例を示す図である。供給電圧決定システム1は、テスト回路部2と、デジタル回路部3とを備えて構成される。
テスト回路部2は、デジタル回路部3と接続可能に構成され、接続されたデジタル回路部3の検査を行って、デジタル回路部3への供給電圧を決定する検査回路である。テスト回路部2は、例えば、デジタル回路部3を製造する工場において、製造ラインの最終工程に設けられる。そして、製造されたデジタル回路部3が、それぞれ個別にテスト回路部2によって検査され、製造されたデジタル回路部3それぞれに対する最適な供給電圧が決定される。テスト回路部2は、デジタル回路部3への供給電圧を決定する供給電圧決定装置であるとも言える。
テスト回路部2は、例えば、電源部10と、可変電圧部20と、動作検査部30とを備えて構成される。電源部10は、供給電圧決定システム1の各部に対して電力の供給を行う電源回路である。電源部10は、例えば交流電源の出力電圧を均一化し、安定した電力を供給電圧決定システム1の各部に供給する安定化電源である。
可変電圧部20は、電源部10から供給される電源電圧を変圧する変圧器或いは電圧調整器である。可変電圧部20は、電源部10の電源電圧を制御部31から出力される電圧指示信号に応じた電圧に変圧して、デジタル回路部3に出力する。
動作検査部30は、デジタル回路部3の動作を検査する回路部であり、例えば、制御部31と、誤動作検出部33とを備えて構成される。動作検査部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーにより構成してもよいし、コンピューターとして構成してもよい。また、制御部31と誤動作検出部33とを別々のプロセッサーや別々のコンピューターで構成してもよい。
制御部31は、動作検査部30及び供給電圧決定システム1の各部を統括的に制御する制御装置である。制御部31は、デジタル回路部3の検査を行うための電圧(以下、「検査用電圧」と称す。)を設定する。そして、設定した検査用電圧でなる電力が可変電圧部20からデジタル回路部3に供給された状態で、規定の入力テスト信号をデジタル回路部3に印加し、当該入力テスト信号に応答するデジタル回路部3からの出力信号に基づいて、デジタル回路部3の動作を検査する。そして、検査結果に基づいて検査用電圧を変更し、上述したデジタル回路部3の動作の検査と、検査用電圧の変更とを繰り返し実行して、最終的なデジタル回路部3への供給電圧を決定する。
誤動作検出部33は、デジタル回路部3に接続され、デジタル回路部3の誤動作を検出する検出回路である。誤動作検出部33は、デジタル回路部3に印加されている入力テスト信号の識別情報を含む制御信号を制御部31から入力し、デジタル回路部3から出力される出力信号の適否を判定することで、デジタル回路部3の誤動作を検出する。
誤動作検出部33は、図2に示すように、制御部31がデジタル回路部3に出力する入力テスト信号に含まれる入力テスト値3311と、当該入力テスト値3311に対応するデジタル回路部3からの出力期待値3313とを対応付けたテスト用データ331を有している。そして、デジタル回路部3から出力された出力信号に含まれる出力値と、テスト用データ331に記憶されている出力期待値3313とを照合し、照合結果が不適合である場合に、デジタル回路部3が誤動作したものと判定する。そして、誤動作検出信号を制御部31に出力する。
デジタル回路部3の回路設計段階においてクリティカルパスが決まる。クリティカルパスとは、入力に対する出力がなされるまでの信号の伝送経路のうち、伝送遅延が最も大きい、或いは伝送遅延が所定以上の伝送経路のことである。誤動作検出部33は、デジタル回路部3のクリティカルパスを利用してデジタル回路部3の動作を検証する。
具体的には、回路動作上、クリティカルパスを通ることとなる入力テスト信号をデジタル回路部3に印加して、この入力テスト信号に応答して出力された出力信号の適否を判定することで、デジタル回路部3の誤動作を検出する。デジタル回路において演算素子を繋ぐ各配線はHi電位或いはLow電位のどちらかをとる。伝送遅延の大きいクリティカルパスにおいては、電位の低下が問題となり得る。電源電圧を低減させて動作検証を行うのは、このためである。
なお、以上の検証は、1本のクリティカルパスについて行うこととしてもよいし、信号の伝送遅延が大きい順に複数本(上位複数本)のクリティカルパスについて検証を行うこととしてもよい。
デジタル回路部3は、デジタル信号処理用の回路部である。デジタル信号処理用の回路であれば、無線信号の受信回路、記憶回路、位相同期回路、各種演算回路等の任意の回路でよい。
テスト回路2の動作について具体的に説明する。最初に、制御部31は、デジタル回路部3の回路設計時に決められた規定電圧を検査用電圧に設定する。規定電圧は、例えばデジタル回路部3のデザインライブラリーを参照して決定することができる。例えば、デジタル回路部3の規定電圧が1.2Vであるとすると、制御部31は、最初に検査用電圧を1.2Vに設定し、1.2Vの電圧がデジタル回路部3に供給されるように制御する。
一方で、制御部31は、規定の入力テスト信号をデジタル回路部3に出力し、当該入力テスト信号に対応する出力信号がデジタル回路部3から出力されるか否かを誤動作検出部33に判定させることで、デジタル回路部3の動作を検査する。
誤動作検出部33が誤動作を検出せず、正常動作であった場合は、制御部31は、現在の検査用電圧でデジタル回路部3は正常に動作するものと判断する。そして、検査用電圧を変更する。より具体的には、検査用電圧を1.2Vから所定の電圧低減幅だけ低減させる。例えば、電圧低減幅を0.01Vとした場合は、検査用電圧を1.2Vから0.01V下げて1.19Vに変更し、1.19Vの検査用電圧がデジタル回路部3に供給されるように制御する。
そして、制御部31は、再び規定の入力テスト信号をデジタル回路部3に出力し、当該入力テスト信号に対応する出力信号がデジタル回路部3から出力されるか否かを誤動作検出部33に判定させる。以下、誤動作検出部33から誤動作検出信号を入力するまでの間、デジタル回路部3の動作の検査と、検査用電圧の変更とを繰り返し実行する。そして、誤動作検出部33から誤動作検出信号を入力すると、その時点における検査用電圧に基づいて、デジタル回路部3への最終的な供給電圧を決定する。
最終的な供給電圧の決定は、種々の手法が考えられる。例えば、誤動作検出部33により誤動作が検出される1ステップ前の検査用電圧を、最終的な供給電圧に決定することとしてもよい。具体的には、検査用電圧を1.2V→1.19V→1.18V→・・・と下げていったところ、1.08Vの検査用電圧において誤動作が検出されたとする。この場合は、誤動作が検出された1.08Vの検査用電圧の1つ前の検査用電圧である1.09Vを最終的な供給電圧に決定する。
また、誤動作が検出される1ステップ前の検査用電圧を「基準検査用電圧」とし、電圧低減幅をより狭い幅に変更して、再びデジタル回路部3の動作の検査と検査用電圧の変更とを実行して最終的な供給電圧を決定してもよい。例えば、上記の例では、基準検査用電圧を1.09Vとし、電圧低減幅を0.001Vに変更する。そして、検査用電圧を1.09V→1.089V→1.088V→・・・といったように0.001Vずつ下げていく。そして、例えば1.083Vにおいて誤動作を検出したとすると、その1ステップ前の1.084Vを最終的な供給電圧に決定する。すなわち、電圧低減幅を徐々に狭くして、最適な供給電圧を絞り込んでいくことになる。
なお、誤動作が検出される1ステップ前の検査用電圧を基準検査用電圧とするのではなく、誤動作を検出したときの検査用電圧を基準検査用電圧とし、基準検査用電圧から所定の電圧上昇幅ずつ検査用電圧を上昇させていくことで供給電圧の絞り込みを行ってもよい。すなわち、上記の例では、誤動作を検出したときの検査用電圧である1.08Vを基準検査用電圧とし、例えば電圧上昇幅を0.001Vとする。そして、検査用電圧を1.08V→1.081V→1.082V→・・・といったように0.001Vずつ上昇させていき、誤動作が検出されなくなった時点における検査用電圧を最終的な供給電圧に決定する。
2.実施例
次に、GPS(Global Positioning System)を利用した位置算出演算を行って位置を算出する位置算出装置を具備した電子機器の一種である携帯型電話機に本発明を適用した場合の実施例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施例が以下の実施例に限定されるわけでないことは勿論である。
2−1.第1実施例
(1)機能構成
図3は、本実施例における携帯型電話機100の機能構成を示すブロック図である。携帯型電話機100は、GPSアンテナ105と、GPS受信部110と、ホストCPU(Central Processing Unit)130と、操作部140と、表示部150と、温度センサー160と、携帯電話用アンテナ165と、携帯電話用無線通信回路部170と、記憶部180と、GPS用可変電圧部190と、不図示の電源部とを備えて構成される。
GPSアンテナ105は、GPS衛星から発信されているGPS衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号を受信するアンテナであり、受信信号をGPS受信部110に出力する。GPS衛星信号は、拡散符号の一種であるCA(Coarse and Acquisition)コードによって、スペクトラム拡散方式として知られるCDMA(Code Division Multiple Access)方式によって変調された1.57542[GHz]の通信信号である。CAコードは、コード長1023チップを1PNフレームとする繰返し周期1msの擬似ランダム雑音符号であり、GPS衛星毎に異なるものである。
GPS受信部110は、GPSアンテナ105から出力された信号に基づいて携帯型電話機100の位置を計測する位置算出回路であり、いわゆるGPS受信装置に相当する機能ブロックである。GPS受信部110は、RF(Radio Frequency)受信回路部111と、ベースバンド処理回路部120とを備えて構成される。なお、RF受信回路部111と、ベースバンド処理回路部120とは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。
RF受信回路部111は、RF信号の受信回路である。回路構成としては、例えば、GPSアンテナ105から出力されたRF信号をA/D変換器でデジタル信号に変換し、デジタル信号を処理する受信回路を構成してもよい。また、GPSアンテナ105から出力されたRF信号をアナログ信号のまま信号処理し、最終的にA/D変換することでデジタル信号をベースバンド処理回路部120に出力することとしてもよい。
後者の場合には、例えば、次のようにRF受信回路部111を構成することができる。すなわち、所定の発振信号を分周或いは逓倍することで、RF信号乗算用の発振信号を生成する。そして、生成した発振信号を、GPSアンテナ105から出力されたRF信号に乗算することで、RF信号を中間周波数の信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と称す。)にダウンコンバートし、IF信号を増幅等した後、A/D変換器でデジタル信号に変換して、ベースバンド処理回路部120に出力する。
ベースバンド処理回路部120は、RF受信回路部111から出力されたデジタル化された受信信号に対して相関演算処理等を行ってGPS衛星信号を捕捉・抽出する回路部である。ベースバンド処理回路部120は、捕捉したGPS衛星信号を復調して衛星軌道データや時刻データ等を取り出すとともに、衛星軌道データや時刻データ等に基づいて、所定の位置算出演算を行って携帯型電話機100の位置(位置座標)を算出し、ホストCPU130に出力する。
第1実施例において、RF受信回路部111をデジタル信号処理回路で構成するならば、このRF受信回路部111とベースバンド処理回路部120とを含むGPS受信部110全体が、図1のデジタル回路部3に相当する。また、RF受信回路部111をRF信号(アナログ信号)のまま信号処理する回路部で構成するならば、ベースバンド処理回路部120のみが、図1のデジタル回路部3に相当する。
以下の説明においては、前者のGPS受信部110が図1のデジタル回路部3に相当することとして説明する。但し、後者のベースバンド処理回路部120のみをデジタル回路部3に相当するものとして構成することも勿論可能である。その場合には、以下説明における「GPS受信部110」を、適宜「ベースバンド処理回路部120」に置き換えればよい。
ホストCPU130は、記憶部180に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って携帯型電話機100の各部を統括的に制御するプロセッサーである。ホストCPU130は、ベースバンド処理回路部120から出力された位置座標をもとに、表示部150に現在位置を指し示した地図を表示させたり、各種のアプリケーション処理に利用する。
特に、本実施例では、ホストCPU130は、所定の実行タイミングでGPS受信部110の供給電圧を設定する処理を実行することで、消費電力の削減の観点からGPS受信部110への供給電圧を最適化する処理を行う。ホストCPU130が、図1の動作検査部30に相当する。
操作部140は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、押下されたキーやボタンの信号をホストCPU130に出力する。この操作部140の操作により、通話要求やメール送受信要求、位置算出要求等の各種指示入力がなされる。
表示部150は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、ホストCPU130から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部150には、位置表示画面や時刻情報等が表示される。
温度センサー160は、外界の温度を検出する接触式又は非接触式のセンサーであり、検出した温度をホストCPU130に出力する。
携帯電話用アンテナ165は、携帯型電話機100の通信サービス事業者が設置した無線基地局との間で携帯電話用無線信号の送受信を行うアンテナである。
携帯電話用無線通信回路部170は、RF変換回路、ベースバンド処理回路等によって構成される携帯電話の通信回路部であり、携帯電話用無線信号の変調・復調等を行うことで、通話やメールの送受信等を実現する。
記憶部180は、ホストCPU130が携帯型電話機100を制御するためのシステムプログラムや、供給電圧設定機能等を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶する記憶装置である。
GPS用可変電圧部190は、ホストCPU130から出力される電圧指示信号に従って不図示の電源部の電源電圧を変圧して、GPS受信部110に供給する変圧器或いは電圧調整器であり、図1の可変電圧部20に相当する。
(2)データ構成
図3に示すように、記憶部180には、ホストCPU130により読み出され、メイン処理(図4参照)として実行されるメインプログラム181と、テスト用データ183と、設定供給電圧185とが記憶される。また、メインプログラム181には、GPS供給電圧設定処理(図5参照)として実行されるGPS供給電圧設定プログラム1811がサブルーチンとして含まれている。
メイン処理では、ホストCPU130は、携帯型電話機100の本来的な機能である通話やメールの送受信のための処理を行う他、携帯型電話機100の電源投入時や定期的な実行タイミング、温度センサー160により温度変化が検出されたタイミング等において、GPS受信部110への供給電圧を設定する処理を行う。
また、GPS供給電圧設定処理とは、ホストCPU130が、原理で説明した手法に従って、GPS受信部110の検査と検査用電圧の変更とを繰り返し実行し、検査結果に基づいてGPS受信部110への供給電圧を決定する処理である。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
テスト用データ183は、ホストCPU130がGPS受信部110の検査に使用するためのデータであり、そのデータ構成例は図2に示したテスト用データ331と同様である。また、設定供給電圧185は、GPS供給電圧設定処理で設定されたGPS受信部110への供給電圧である。
(3)処理の流れ
図4は、記憶部180に記憶されているメインプログラム181がホストCPU130により読み出されて実行されることで、携帯型電話機100において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。メイン処理は、ホストCPU130が、操作部140を介してユーザーにより電源投入指示操作がなされたことを検出した場合に実行を開始する処理である。
最初に、ホストCPU130は、記憶部180に記憶されているGPS供給電圧設定プログラム1811を読み出して実行することで、GPS供給電圧設定処理を行う(ステップA1)。すなわち、ホストCPU130は、携帯型電話機100の電源ON時にGPS供給電圧設定処理を実行して、GPS受信部110への供給電圧を設定する。
図5は、GPS供給電圧設定処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、ホストCPU130は、検査用電圧を初期設定する(ステップB1)。すなわち、GPS受信部110の規定電圧として予め定められた電圧を検査用電圧として設定する。
次いで、ホストCPU130は、現在の検査用電圧の指示信号をGPS用可変電圧部190に出力する(ステップB3)。そして、ホストCPU130は、記憶部180のテスト用データ183に記憶されている入力テスト値を含む入力テスト信号を、GPS受信部110に印加する(ステップB5)。
その後、ホストCPU130は、GPS受信部110から出力される出力信号に基づいて、GPS受信部110の誤動作を検出する(ステップB7)。そして、誤動作を検出しなかった場合は(ステップB7;No)、検査用電圧を変更する(ステップB9)。具体的には、現在の検査用電圧から、予め定められた電圧低減幅だけ検査用電圧を低減させる。そして、ホストCPU130は、ステップB3に戻る。
一方、ステップB7において誤動作を検出したと判定した場合は(ステップB7;Yes)、ホストCPU130は、現在の検査用電圧に基づいてGPS受信部110への供給電圧を決定し、記憶部180の設定供給電圧185を更新する(ステップB11)。そして、ホストCPU130は、GPS供給電圧設定処理を終了する。
なお、このステップB1〜B11の処理は、上述した原理で説明したように、電圧低減幅を徐々に狭くして、最適な供給電圧を絞り込むようにして供給電圧を決定する処理としてもよい。
図4のメイン処理に戻って、ステップA1の後、ホストCPU130は、操作部140を介してユーザーによりなされた指示操作を判定し(ステップA3)、指示操作が通話指示操作であると判定した場合は(ステップA3;通話指示操作)、通話処理を行う(ステップA5)。具体的には、携帯電話用無線通信回路部170に基地局との間の基地局通信を行わせ、携帯型電話機100と他機との間の通話を実現する。
また、ステップA3において指示操作がメール送受信指示操作であると判定した場合は(ステップA3;メール送受信指示操作)、ホストCPU130は、メール送受信処理を行う(ステップA7)。具体的には、携帯電話用無線通信回路部170に基地局通信を行わせ、携帯型電話機100と他機との間のメールの送受信を実現する。
また、ステップA3において指示操作が位置算出指示操作であると判定した場合は(ステップA3;位置算出指示操作)、ホストCPU130は、記憶部180に記憶されているGPS供給電圧設定プログラム1811を読み出して実行することで、GPS供給電圧設定処理を行う(ステップA9)。すなわち、ホストCPU130は、位置算出時にGPS供給電圧設定処理を実行して、GPS受信部110への供給電圧を設定する。
そして、ホストCPU130は、GPS位置算出処理を行う(ステップA11)。具体的には、ベースバンド処理回路部120から出力される衛星軌道データや時刻データ等に基づいて、携帯型電話機100とGPS衛星間の擬似距離を算出する。そして、算出した擬似距離を利用して、例えば最小二乗法やカルマンフィルターを用いた公知の位置算出演算を行って位置を算出する。なお、位置算出演算の詳細については従来公知であるため、ここでは説明を省略する。
ステップA5、A7、A11の何れかの処理を行った後、ホストCPU130は、供給電圧設定の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップA13)。具体的には、最後にGPS供給電圧設定処理を行ってから、供給電圧設定を行う時間間隔として予め定められた時間間隔(例えば1時間)が経過したか否かを判定する。
そして、実行タイミングであると判定した場合は(ステップA13;Yes)、ホストCPU130は、記憶部180に記憶されているGPS供給電圧設定プログラム1811を読み出して実行することで、GPS供給電圧設定処理を行う(ステップA15)。すなわち、ホストCPU130は、定期的にGPS供給電圧設定処理を実行して、GPS受信部110への供給電圧を設定する。実行タイミングではないと判定した場合は(ステップA13;No)、ホストCPU130は、ステップA17へと処理を移行する。
その後、ホストCPU130は、予め定められた温度変化条件が成立したか否かを判定する(ステップA17)。具体的には、温度センサー160により今回検出された温度と前回検出された温度との温度差が所定の閾値温度差(例えば5℃)を超えている場合に、温度変化条件が成立したと判定する。
そして、温度変化条件が成立したと判定した場合は(ステップA17;Yes)、ホストCPU130は、記憶部180に記憶されているGPS供給電圧設定プログラム1811を読み出して実行することで、GPS供給電圧設定処理を行う(ステップA19)。すなわち、ホストCPU130は、一定以上の温度変化があった場合にGPS供給電圧設定処理を実行して、GPS受信部110への供給電圧を設定する。温度変化条件が成立しなかったと判定した場合は(ステップA17;No)、ホストCPU130は、ステップA21へと処理を移行する。
次いで、ホストCPU130は、操作部140を介してユーザーにより電源切断指示操作がなされたか否かを判定し(ステップA21)、なされなかったと判定した場合は(ステップA21;No)、ステップA3に戻る。また、電源切断指示操作がなされたと判定した場合は(ステップA21;Yes)、メイン処理を終了する。
(4)作用効果
携帯型電話機100のプロセッサーであるホストCPU130は、規定の入力テスト信号をデジタル回路部に相当するGPS受信部110に印加し、当該入力テスト信号に応答するGPS受信部110からの出力信号に基づいて、GPS受信部110の動作を検査する。また、GPS用可変電圧部190に電圧指示信号を出力することでGPS受信部110に供給する検査用電圧を変更する。そして、GPS受信部110の検査と、検査用電圧の変更とを繰り返し実行して、GPS受信部110への供給電圧を決定する。
GPS受信部110は、例えば1チップとして製造されて携帯型電話機100に搭載されるが、量産時のばらつきにより、GPS受信部110の規定電圧が供給電圧の最適値であるとは限らない。しかし、本実施例では、携帯型電話機100の制御装置であるホストCPU130が、GPS受信部110への供給電圧を変更しながらGPS受信部110の検査(テスト)を行う。そのため、GPS受信部110の量産時のばらつきに関わらず、消費電力削減の観点から最適な供給電圧が設定されることになる。
また、ホストCPU130は、携帯型電話機100の電源ON時や定期的なタイミングで供給電圧設定処理を行うため、携帯型電話機100が起動している間は常時最適な供給電圧をGPS受信部110に供給することができる。さらに、ホストCPU130は、一定以上の温度変化が検出された場合にも供給電圧設定処理を行うため、外界の温度変化によってGPS受信部110の特性が変化した場合であっても、常に最適な供給電圧がGPS受信部110に供給されることとなる。
なお、上記の実施例において、ベースバンド処理回路部120のみをデジタル回路部として構成する場合には、入力テスト信号を印加するのはベースバンド処理回路部120となる。
2−2.第2実施例
第2実施例は、第1実施例の携帯型電話機100において、ベースバンド処理回路部120内に設けられる受信信号を格納するためのメモリー部を、図1のデジタル回路部3に相当する回路部とした場合の実施例である。
(1)機能構成
図6は、第2実施例におけるベースバンド処理回路部120の回路構成の一例を示す図である。ベースバンド処理回路部120には、サンプリングメモリー部121と、相関処理部122と、レプリカ信号発生部123と、CPU124と、記憶部125と、サンプリングメモリー用可変電圧部129とを備えて構成される。
サンプリングメモリー部121は、RF受信回路部111のA/D変換器によりデジタル信号に変換された受信信号が、所定のサンプリング時間間隔でサンプリングされて格納されるメモリー部である。このサンプリングメモリー部121が、図1のデジタル回路部3に相当する。
図9は、サンプリングメモリー部121の構成を説明するための図である。サンプリングメモリー部121は、アドレス(番地)によって特定される複数の格納領域を有して構成されている。各格納領域は、所定数のビット値を格納可能に構成されており、RF受信回路部111から出力されるデジタル受信信号が時系列に格納されていく。
サンプリングメモリー部121は、複数回分の位置算出演算に用いられる受信信号のサンプリングデータ群を格納可能なサイズで構成されている。GPS衛星信号の拡散符号であるCAコードは、チップレートを1.023[MHz]とする符号列である。サンプリングメモリー部121に格納されるデジタル受信信号は、サンプリング定理に従って、CAコードのチップレートの2倍の周波数である2.046[MHz]以上の周波数で受信信号をサンプリングした信号である。従って、1回分の位置算出演算と言っても、それに用いられるデータ数は膨大となる。
一方、デジタル受信信号には、信号成分だけでなく、ノイズ成分も含まれている。CPU124は、デジタル受信信号にノイズが含まれていることを見越して位置算出演算を行う。例えば、より多くのGPS衛星からの信号を用いて位置算出演算を行ったり、1回の位置算出演算に掛ける時間を長時間としたりすることで、ノイズが含まれていても高精度な測位を可能としている。
このことは、サンプリングメモリー部121の動作電圧を一層低下させ得る余地を生む。すなわち、CPU124にとっては、ある程度のノイズが含まれていても位置算出演算が可能であるため、サンプリングメモリー部121へのデータ書き込み/読み出しにある程度のエラー(例えば、記憶容量1KB当たり所定ビット数以下のエラー。以下、「動作誤差率」として説明する。)が発生したとしても、ノイズと見なせる。サンプリングメモリー部121の動作電圧を低下させるほど、データの書き込み/読み出しの動作誤差率が上昇するため、CPU124が正しく位置算出演算できる範囲において、動作電圧をできる限り下げることができれば、消費電力を低減させることができる。
そこで、本実施例では、サンプリングメモリー部121へのテストデータの書き込みテスト及び読み出しテストを実行して、サンプリングメモリー部121の動作誤差率を算出する。そして、算出した動作誤差率に基づいて、サンプリングメモリー部121への供給電圧を設定する。
相関処理部122は、サンプリングメモリー部121に格納された受信信号と、レプリカ信号発生部123から入力したレプリカ信号との相関処理を行う回路部である。相関処理部122は、レプリカ信号の位相を変化させながら受信信号とレプリカ信号との相関を計算し、その相関値をCPU124に出力する。
レプリカ信号発生部123は、GPS衛星信号のCAコードの拡散符号レプリカ(レプリカ信号)を生成する回路部である。レプリカ信号発生部123は、CPU124から出力されるCAコード指示信号(捕捉対象衛星の指示信号)に従ったレプリカ信号を生成して、相関処理部122に出力する。
CPU124は、記憶部125に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってベースバンド処理回路部120の各部を統括的に制御するプロセッサーである。CPU124は、各捕捉対象衛星について、相関処理部122から出力される相関値に基づいてコード位相を検出する処理を行う。そして、検出したコード位相を用いて当該捕捉対象衛星と携帯型電話機100間の擬似距離を算出し、算出した擬似距離を利用した位置算出計算を行って、携帯型電話機100の位置を算出する。
CPU124は、捕捉対象衛星のCAコード(捕捉対象衛星のPRN番号)を指示するためのCAコード指示信号をレプリカ信号発生部123に出力し、捕捉対象衛星のレプリカ信号をレプリカ信号発生部123に生成させる。また、CPU124は、上述した原理に従って、サンプリングメモリー部121の検査と、サンプリングメモリー121への供給電圧の変更とを繰り返し実行して、サンプリングメモリー部121への供給電圧の最適化を行う。このCPU124が、図1の動作検査部30に相当する。
記憶部125は、ROMやフラッシュROM、RAM等の記憶装置によって構成され、CPU124がベースバンド処理回路部120を制御するためのシステムプログラムや、位置算出機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。また、CPU124により実行されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
サンプリングメモリー用可変電圧部129は、CPU124から出力される電圧指示信号に従って不図示の電源部の電源電圧を変圧して、サンプリングメモリー部121に供給する変圧器或いは電圧調整器であり、図1の可変電圧部20に相当する。
(2)データ構成
図6に示すように、ベースバンド処理回路部120の記憶部125には、CPU124により読み出され、ベースバンド処理(図7参照)として実行されるベースバンド処理プログラム126と、書き込み用データ127と、設定供給電圧128とが記憶される。また、ベースバンド処理プログラム126には、サンプリングメモリー供給電圧設定処理(図8参照)として実行されるサンプリングメモリー供給電圧設定プログラム1261がサブルーチンとして含まれている。
書き込み用データ127は、サンプリングメモリー部121の書き込みテスト用のデータであり、サンプリングメモリー部121に書き込むデータが記憶されている。本実施例では、CPU124は、サンプリングメモリー部121の各格納領域の各ビット値を“0”に初期化した後、各格納領域の各ビット値を“1”にする書き込みテストを実行する。
設定供給電圧128は、サンプリングメモリー供給電圧設定処理により設定されたサンプリングメモリー部121への供給電圧である。
(3)処理の流れ
図7は、記憶部125に記憶されているベースバンド処理プログラム126がCPU124により読み出されて実行されることで、ベースバンド処理回路部120において実行されるベースバンド処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU124は、記憶部125に記憶されているサンプリングメモリー供給電圧設定プログラム1261を読み出して実行することで、サンプリングメモリー供給電圧設定処理を行う(ステップC1)。
図8は、サンプリングメモリー供給電圧設定処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU124は、検査用電圧を初期設定する(ステップD1)。具体的には、サンプリングメモリー部121への供給電圧として予め定められた規定電圧を検査用電圧として設定する。
次いで、CPU124は、検査用電圧の指示信号をサンプリングメモリー用可変電圧部129に出力する(ステップD3)。そして、CPU124は、サンプリングメモリー部121への書き込みテストを実行する(ステップD5)。具体的には、各格納領域の各ビット値を“0”に初期化した後、各ビット値を“1”とする書き込み処理を行う。
書き込みテストを実行したら、CPU124は、サンプリングメモリー部121からの読み出しテストを実行する(ステップD7)。具体的には、サンプリングメモリー部121の各格納領域に格納されているビット値を読み出す処理を行う。
そして、CPU124は、書き込みテスト及び読み出しテストの実行結果に基づいて、サンプリングメモリー部121の動作誤差率を算出する(ステップD9)。すなわち、各格納領域から読み出したビット値のうち、書き込みテストにおいて書き込んだビット値と値が一致しない格納領域数を計算する。そして、計算した格納領域数の全格納領域数に対する割合を計算して、サンプリングメモリー部121の動作誤差率とする。
次いで、CPU124は、ステップD9で算出した動作誤差率が、位置算出演算に対して影響を与えない許容誤差条件として予め定められた動作許容誤差条件を満たすか否かを判定する(ステップD11)。動作許容誤差条件は、例えば動作誤差率が所定の閾値誤差率未満であることとして定めておくことができる。閾値誤差率を「5%」とした場合は、動作誤差率が5%未満であれば、動作許容誤差条件を満たすことになる。
動作許容誤差条件を満たすと判定した場合は(ステップD11;Yes)、CPU124は、検査用電圧を変更して(ステップD13)、ステップD3に戻る。また、動作許容誤差条件を満たさないと判定した場合は(ステップD11;No)、CPU124は、サンプリングメモリー部121への供給電圧を決定し、記憶部125の設定供給電圧128を更新する(ステップD15)。そして、CPU124は、サンプリングメモリー供給電圧設定処理を終了する。
なお、このステップD1〜D15の処理は、上述した原理で説明したように、電圧低減幅を徐々に狭くして、最適な供給電圧を絞り込むようにして供給電圧を決定する処理としてもよい。
図7のベースバンド処理に戻って、サンプリングメモリー供給電圧設定処理を行った後、CPU124は、GPS位置算出処理を行う(ステップC3)。具体的には、捕捉したGPS衛星信号に含まれる衛星軌道データ及び時刻データに基づいて、携帯型電話機100と捕捉衛星間の擬似距離を算出する。そして、例えば最小二乗法やカルマンフィルターを用いた公知の位置算出演算を行って位置を算出する。そして、CPU124は、ベースバンド処理を終了する。
(4)作用効果
ベースバンド処理回路部120において、CPU124は、GPS衛星信号の受信信号のサンプリングデータを格納するサンプリングメモリー部121への入力テスト信号の書き込みテスト及び読み出しテストを実行する。そして、サンプリングメモリー部121の動作誤差率を算出し、動作誤差率が位置算出演算に対する許容誤差条件として予め定められた動作許容誤差条件を満たすか否かを判定することにより、サンプリングメモリー部121を検査する。そして、その検査結果に基づいて、サンプリングメモリー部121への供給電圧を決定する。
本実施例では、GPS受信部110のプロセッサーであるCPU124が、サンプリングメモリー部121をデジタル回路部として、サンプリングメモリー部121の検査及び供給電圧の決定を行う。サンプリングメモリー部121の動作誤差率がCPU124の位置算出演算に影響を及ぼさない範囲内であれば、サンプリングメモリー部121への供給電圧を下げても問題はない。そのため、位置算出演算に影響を与えない範囲で供給電圧を低減させることで、消費電力の削減を実現することができる。
3.変形例
3−1.デジタル回路部
上述した実施例では、GPS受信部や、GPS受信部に設けられるサンプリングメモリー部をデジタル回路部の一例として説明したが、デジタル信号処理を行う回路部であれば、他の任意のデジタル回路部に本発明を適用可能である。
3−2.電子機器
上述した実施例では、電子機器の一種である携帯型電話機に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な電子機器はこれに限られるわけではない。例えば、カーナビゲーション装置や携帯型ナビゲーション装置、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、腕時計といった他の電子機器についても同様に適用することが可能である。
3−3.衛星位置算出システム
また、上述した実施形態では、衛星位置算出システムとしてGPSを例に挙げて説明したが、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO等の他の衛星位置算出システムであってもよい。
1 供給電圧決定システム、 2 テスト回路部、 3 デジタル回路部、 10 電源部、 20 可変電圧部、 30 動作検査部、 31 制御部、 33 誤動作検出部、 100 携帯型電話機、 105 GPSアンテナ、 110 GPS受信部、 111 RF受信回路部、 120 ベースバンド処理回路部、 121 サンプリングメモリー部、 122 相関処理部、 123 レプリカ信号発生部、 124 CPU、 125 記憶部、 129 サンプリングメモリー用可変電圧部、 130 ホストCPU、 140 操作部、 150 表示部、 160 温度センサー、 165 携帯電話用アンテナ、 170 携帯電話用無線通信回路部、 180 記憶部、 190 GPS用可変電圧部

Claims (8)

  1. デジタル回路部への供給電圧を決定する方法であって、
    規定の入力テスト信号を前記デジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答する前記デジタル回路部からの出力信号に基づいて、前記デジタル回路部の動作を検査することと、
    前記デジタル回路部への供給電圧を変更することと、
    前記検査と、前記供給電圧の変更とを繰り返して、前記デジタル回路部への供給電圧を決定することと、
    を含む方法。
  2. デジタル回路部を備えた電子機器が、所定のタイミングで請求項1に記載の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法。
  3. デジタル回路部を備えた電子機器が、定期的に請求項1に記載の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法。
  4. デジタル回路部を備えた電子機器が、電源ON時に請求項1に記載の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法。
  5. 前記電子機器は、温度変化を検出するセンサーを更に備え、
    前記電子機器は、前記センサーの検出結果に応じたタイミングで、請求項1に記載の方法を実行して、当該デジタル回路部への供給電圧を設定する方法。
  6. 前記電子機器は、衛星信号を所定時間以上受信して位置算出演算を行う位置算出部を更に備え、
    前記デジタル回路部は、前記位置算出部において受信された衛星信号を記憶するためのメモリー部であり、
    前記検査することは、前記メモリー部への書き込みテストと、読み出しテストとを行って、動作誤差率が、前記位置算出演算に対する許容誤差条件を満たすか否かを検査することを含む、
    請求項2〜4の何れか一項に記載の方法。
  7. デジタル回路部と、
    前記デジタル回路部への供給電圧を設定変更可能な可変電圧部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    規定の入力テスト信号を前記デジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答する前記デジタル回路部からの出力信号に基づいて、前記デジタル回路部の動作を検査することと、
    前記可変電圧部を制御して前記デジタル回路部への供給電圧を変更することと、
    前記検査と、前記供給電圧の変更とを繰り返して、前記デジタル回路部への供給電圧を設定することと、
    を実行する、
    電子機器。
  8. 規定の入力テスト信号をデジタル回路部に印加し、当該入力テスト信号に応答する前記デジタル回路部からの出力信号に基づいて、前記デジタル回路部の動作を検査する動作検査部と、
    前記デジタル回路部への供給電圧を設定変更可能な可変電圧部と、
    前記可変電圧部に供給電圧を変更させることと、前記動作検査部に検査を実行させることとを繰り返して、前記デジタル回路部への供給電圧を決定する制御部と、
    を備えたデジタル回路部への供給電圧決定装置。
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