JP2011146130A - スパークプラグ - Google Patents

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JP2011146130A JP2010003543A JP2010003543A JP2011146130A JP 2011146130 A JP2011146130 A JP 2011146130A JP 2010003543 A JP2010003543 A JP 2010003543A JP 2010003543 A JP2010003543 A JP 2010003543A JP 2011146130 A JP2011146130 A JP 2011146130A
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Abstract

【課題】耐フラッシュオーバー性を向上させて非正規放電の抑制を実現しつつ、耐熱性の向上を図る。
【解決手段】スパークプラグ1は、軸孔4を有する絶縁碍子2と、先端が絶縁碍子2の先端よりも先端側に位置する中心電極5と、主体金具3とを備える。中心電極5は、肩部52と、本体部53とを有し、外層5A及び内層5Bからなる。絶縁碍子2の先端部には、外周面と軸孔4とに連接されつつ後端側に向けて傾斜する先端面41が形成されており、絶縁碍子2の先端が、肩部52及び本体部53の境界よりも先端側に位置する。内層5Aの先端部は、肩部52及び本体部53の境界よりも先端側に位置する。絶縁碍子2及び中心電極5における所定の角度A1、角度A2、角度A3、角度A4、及び、角度A5について、A1>90°、A2<90°、A4>A5、及び、A3>A1を満たす。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、内燃機関(エンジン)等の燃焼装置に取付けられ、混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。
ところで、スパークプラグは、使用中の電極消耗によって火花放電間隙の大きさが拡大する。火花放電間隙の大きさが拡大すると、火花放電間隙にて火花放電するのに必要な放電電圧が上昇する。この放電電圧の上昇によって、火花放電間隙において正常な火花放電が発生することなく、中心電極から主体金具へと絶縁体表面を伝わって電流が流れてしまったり(いわゆる、フラッシュオーバーが生じてしまったり)、絶縁体の先端部と主体金具の先端部との間で飛火(フラッシュオーバーの一形態であり、いわゆる、横飛火)が生じてしまったりするおそれがある。
そこで、フラッシュオーバーといった火花放電間隙以外の位置での放電(非正規放電)を防止すべく、中心電極から主体金具へと至る経路上のうち絶縁体の表面に沿った距離(沿面距離)をより長くすることが考えられる。沿面距離を長くするための手法としては、脚長部をより長く構成したり、絶縁体先端部の外径を比較的大きくしたり、脚長部の表面に環状の溝を形成したり(例えば、特許文献1等参照)、脚長部の外周面に段差を設けたり(例えば、特許文献2等参照)する技術が提案されている。
特開平6−176848号公報 特開2001−143847号公報
しかしながら、上述した各手法によれば、非正規放電の発生を抑制できるものの、いずれの手法を採用した場合であっても、絶縁体の先端が過熱されてしまう(すなわち、耐熱性が不十分なものとなってしまう)おそれがある。そのため、過熱された先端部が着火源となってしまい、スパークプラグの点火前であるにも関わらず、混合気が着火してしまう、いわゆるプレイグニッションが生じてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、耐フラッシュオーバー性を向上させて非正規放電の抑制を実現できるとともに、耐熱性の向上を図ることができるスパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿通され、先端が前記絶縁体の先端よりも先端側に位置する中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられる筒状の主体金具とを備え、
前記中心電極が、
自身の先端部の後端から後端側に向けて拡径する肩部と、
前記肩部の後端から前記軸線に沿って後端側に向けて延びる本体部とを有するとともに、
前記中心電極は、外層、及び、当該外層の内部に設けられ、当該外層よりも良熱伝導性素材を含んでなる内層からなる多層構造をなすスパークプラグであって、
前記絶縁体の先端部には、当該絶縁体の外周面と前記軸孔とに連接されつつ後端側に向けて傾斜する先端面が形成されており、
前記絶縁体の先端が、前記中心電極の肩部及び本体部の境界よりも先端側に位置するとともに、
前記内層の先端部が、前記中心電極の肩部及び本体部の境界よりも前記軸線に沿って先端側に位置し、
前記軸線を含む断面において、
前記軸孔の外形線を先端側に向けて延ばした直線を直線L1とし、
前記絶縁体の先端部外側面の外形線を先端側に向けて延ばした直線を直線L2とし、
前記絶縁体の先端面の外形線を延長した直線を直線L3とし、
前記肩部の外形線と前記本体部の外形線とのなす角の二等分線を直線L4とし、
前記軸線に直交する直線を直線L5としたとき、
下記の角度A1、角度A2、角度A3、角度A4、及び、角度A5がそれぞれ次の式(1)、式(2)、式(3)、及び、式(4)を満たすことを特徴とする。
A1>90°…(1)
A2<90°…(2)
A4>A5…(3)
A3>A1…(4)
角度A1:直線L1と直線L3とがなす角のうち絶縁体が存在する側の角度
角度A2:直線L2と直線L3とがなす角のうち絶縁体が存在する側の角度
角度A3:前記肩部の外形線と前記本体部の外形線とのなす角の角度
角度A4:直線L3と直線L5とがなす角のうち鋭角の角度
角度A5:直線L4と直線L5とがなす角のうち鋭角の角度
上記構成1によれば、絶縁体はA1>90°及びA2<90°を満たしており、絶縁体の先端面が、絶縁体の先端部外側面から軸孔側に向けて軸線方向後端側に傾斜する形状とされている。従って、絶縁体の沿面距離を比較的長くすることができる。
さらに、肩部と本体部との境界部分において火花放電が生じる際には、電界強度の最も高くなる直線L4方向に向かって放電が生じやすいところ、上記構成1によれば、絶縁体の先端が前記境界部分よりも軸線方向先端側に位置するとともに、A4>A5を満たすように、すなわち、前記境界部分において火花放電が最も生じやすい方向よりも絶縁体の先端面がより傾斜するように構成されている。このため、絶縁体の先端面によって主体金具側への飛火をより確実に阻害することができ、前記境界部分と主体金具との間で直接的に放電が生じてしまうことをより確実に防止できる。その結果、前記沿面距離を比較的長くできることと相俟って、耐フラッシュオーバー性が向上して、非正規放電の発生を効果的に防止することができる。
尚、上述の通り、絶縁体の先端面を軸線方向後端側へと傾斜する形状とすることで、沿面距離を長くすることができるが、A1を過度に大きくした場合(換言すれば、A2を過度に小さくした場合)には、絶縁体の先端部の体積が減少してしまうとともに、絶縁体の先端部分のうち特に外側部が軸線方向先端側へと過度に突き出した形状となってしまう。そのため、絶縁体先端部が過熱されやすくなってしまい、耐熱性の低下や欠け等の破損が生じてしまうおそれがある。
この点、上記構成1によれば、A3>A1を満たすように構成されているため、A1が過大なものとなってしまうことを防止でき、その結果、前記絶縁体の先端外側部が軸線方向先端側へと過度に突出してしまうことを抑制できる。これにより、耐熱性の向上や絶縁体の破損防止を図ることができる。
尚、A3の値によることなく単にA1の値を小さくすることで、絶縁体の先端外側部の突出を抑制することも考えられる。但し、この場合において、A3>A1を満たさないものとすれば、角度A3が非常に小さくなってしまうため、電圧が印加された際に肩部と本体部との境界部分において放電が生じやすくなってしまう。つまり、A3>A1を満たさないこととすると、耐熱性及び耐フラッシュオーバー性の少なくとも一方において十分な性能を確保できないおそれがある。換言すれば、A3>A1を満たすことで、耐熱性及び耐フラッシュオーバー性の双方において十分な性能を確保することができる。
また、上記構成1によれば、熱伝導性に優れる内層の先端部が、前記肩部及び本体部の境界よりも軸線方向先端側に位置している。そのため、先端外側部が軸線方向先端側へとやや突き出した形で構成される本構成の絶縁体においても、その先端部の熱を効率よく引くことができる。これにより、耐熱性の更なる向上を図ることができる。
尚、肩部と本体部との境界部分における放電を抑制するためには、A3の値を比較的大きくすることが好ましい。従って、A3≧130°とすることが好ましく、A3≧140°とすることがより好ましい。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記軸線を含む断面において、
前記肩部及び前記本体部の境界点をX1とし、前記直線L1及び前記直線L3の交点をX2としたとき、前記境界点X1と前記境界点X2との間の最短距離が0.2mm以上であることを特徴とする。
上記構成2によれば、肩部及び本体部の境界部分と絶縁体との間に0.2mm以上と十分に大きなクリアランスが形成されているため、前記境界部分と絶縁体との間を絶縁破壊するために必要な電圧をより高くすることができる。従って、前記境界部分と絶縁体との間における放電をより確実に防止することができ、ひいては非正規放電をより一層確実に防止することができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記中心電極の側面に対して先端面が対向する接地電極を備え、
前記軸線及び前記接地電極の先端面の中心を含む断面において、
前記直線L3が、前記接地電極の先端面の外形線のうち当該先端面の中心よりも軸線方向先端側に位置する線分に交差することを特徴とする。
上記構成3によれば、スパークプラグは中心電極の側面に対して先端面が対向する接地電極を備えており、前記軸線及び接地電極の先端面の中心を含む断面において、直線L3が、接地電極の先端面の中心よりも軸線方向先端側を通過するように構成されている。ここで、中心電極と接地電極との間で絶縁体の先端面を沿った放電が生じる際には、電界強度の比較的高い接地電極の先端部の角部と中心電極との間で放電が生じやすいところ、上記構成3によれば、前記接地電極の先端部の角部のうち軸線方向先端側に位置する部位と中心電極との間で放電が生じやすくなる。すなわち、燃焼室の中心により接近した位置にて火花が生じやすくなるとともに、接地電極による火炎の成長阻害が生じにくくなる。その結果、着火性の向上を図ることができる。
一方で、前記断面において、直線L3は接地電極の先端面と交差するように構成されている。すなわち、接地電極の先端面が、軸線方向先端側に向けてある程度突き出した状態で配置されている。これにより、上述の着火性の向上効果がより一層確実に奏されることとなる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記軸線を含む断面において、
前記直線L4が、前記絶縁体の先端面の外形線と交差することを特徴とする。
上記構成4によれば、肩部及び本体部の境界部分において最も火花放電が生じやすい方向である直線L4上に絶縁体の先端面が位置している。従って、絶縁体の先端面により中心電極から主体金具側への飛火をより一層確実に阻害することができ、前記境界部分と主体金具との間における直接的に放電をより効果的に抑制することができる。その結果、非正規放電を一層確実に防止することができ、一層優れた耐フラッシュオーバー性を実現することができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 絶縁碍子の先端部及び中心電極の先端部の構成を示す部分拡大断面模式図である。 (a)は、サンプル1の概略構成を示す部分拡大断面模式図であり、(b)は、サンプル2の概略構成を示す部分拡大断面模式図である。 (a)は、サンプル3の概略構成を示す部分拡大断面模式図であり、(b)は、サンプル4の概略構成を示す部分拡大断面模式図である。 (a)は、サンプル5の概略構成を示す部分拡大断面模式図であり、(b)は、サンプル6の概略構成を示す部分拡大断面模式図である。 (a)は、サンプル7の概略構成を示す部分拡大断面模式図であり、(b)は、サンプル8の概略構成を示す部分拡大断面模式図である。 耐フラッシュオーバー評価試験の結果を示すグラフである。 耐熱性評価試験の結果を示すグラフである。 (a)は、サンプルAの概略構成を示す部分拡大断面模式図であり、(b)は、サンプルBの概略構成を示す部分拡大断面模式図である。 (a)は、サンプルCの概略構成を示す部分拡大断面模式図であり、(b)は、サンプルDの概略構成を示す部分拡大断面模式図である。 耐熱性評価試験の結果を示すグラフである。 別の実施形態における、絶縁碍子の先端部等の構成を示す部分拡大断面模式図である。 別の実施形態における、スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 別の実施形態における、スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、絶縁碍子2の先端から突出している。また、中心電極5は、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bと、前記Ni合金よりも熱伝導性の高い銅、銅合金又は純Niからなる内層5Aとを備えている。さらに、前記中心電極5の先端部51には、貴金属合金(例えば、イリジウム合金)により形成された円柱状の貴金属チップ31が接合されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。尚、本実施形態においては、スパークプラグ1の小型化を図るべく、主体金具3が小径化されている。そのため、前記ねじ部15のねじ径がM12以下(例えば、M10以下)とされている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との間の空間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、それぞれNi合金により形成されるとともに、中間部分が曲げ返された平行電極27Aと、補助電極(本発明の接地電極に相当する)27B,27Cとが接合されている。
平行電極27Aは、先端部側面が前記貴金属チップ31の先端面と対向するように配置されている。そして、平行電極27Aと貴金属チップ31との間の間隙において、軸線CL1方向にほぼ沿った方向で気中放電が行われるようになっている。
また、前記補助電極27B,27Cは、それぞれの先端面が前記軸線CL1を挟んで対向するように配置されており、補助電極27B,27Cの先端面はそれぞれ中心電極5の側面に対して対向している。これにより、前記中心電極5の側面と補助電極27B,27Cとの間で、絶縁碍子2の表面を這うようにして火花放電が行われるようになっている。
すなわち、本実施形態におけるスパークプラグ1は、中心電極5及び平行電極27A間で火花放電が行われる、いわゆる平行電極型のプラグとしての機能と、中心電極5及び補助電極27B,27C間で火花放電が行われる、いわゆるセミ沿面放電型のプラグとしての機能とを兼ね備えた、いわゆるハイブリッド型のプラグである。
さて、図2は、本実施形態における絶縁碍子2の構成等を説明するための拡大断面模式図である。但し、断面図において一般的に付されるハッチングを説明の便宜上省略してある(図3〜図6、図9,10,12においても同様)。
本実施形態においては、図2に示すように、中心電極5は、前記貴金属チップ31が接合された先端部51から後端側に向けて拡径する肩部52と、当該肩部52から前記軸線CL1に沿って後端側に向けて延びる本体部53とを有している。加えて、本体部53の後端側には、後端側に向けて拡径するテーパ部54が設けられている。
また、前記絶縁碍子2の先端面41は、軸線CL1を含む断面において、絶縁碍子2の先端部外側面42から前記軸孔4に向けて軸線CL1方向後端側へと傾斜するテーパ状をなしている。さらに、前記絶縁碍子2の先端面41と先端部外側面42とは湾曲面部43によって連接されており、前記先端面41と軸孔4との間には面取り部44が形成されている。
併せて、前記絶縁碍子2の先端は、前記中心電極5の肩部52及び本体部53の境界よりも軸線CL1に沿って先端側に位置している一方で、中心電極5の先端部51及び肩部52の境界よりも軸線CL1に沿って後端側に位置している。さらに、中心電極5の内層5Aの先端部が、前記肩部52及び本体部53の境界よりも軸線CL1に沿って先端側に位置している。
また、上述の通り、絶縁碍子2の先端面41が、先端部外側面42から軸孔4に向けて後端側へと傾斜するテーパ状をなしていることから、軸線CL1を含む断面において、直線L1と直線L3とがなす角のうち絶縁碍子2が存在する側の角度をA1(°)とし、直線L2と直線L3とがなす角のうち絶縁碍子2が存在する側の角度をA2(°)としたとき、A1>90°、及び、A2<90°を満たすものとなっている。
加えて、軸線CL1を含む断面において、肩部52の外形線と本体部53の外形線とのなす角のうち中心電極5側に存在する角度をA3(°)とし、直線L3と直線L5とがなす角のうち鋭角の角度をA4(°)とし、直線L4と直線L5とがなす角のうち鋭角の角度をA5(°)としたとき、A4>A5、及び、A3>A1を満たすように、絶縁碍子2及び中心電極5の形状が設定されている。
尚、「直線L1」とあるのは、軸線CL1を含む断面において、軸孔4の外形線を先端側に向けて延ばした直線をいい、「直線L2」とあるのは、軸線CL1を含む断面において、絶縁碍子2の先端部外側面42の外形線を先端側に向けて延ばした直線をいう。加えて、「直線L3」とあるのは、軸線CL1を含む断面において、絶縁碍子2の先端面41の外形線を延長した直線をいい、「直線L4」とあるのは、軸線CL1を含む断面において、肩部52の外形線と本体部53の外形線とのなす角A3の二等分線をいう。さらに、「直線L5」とあるのは、軸線CL1に直交する直線をいう。
また、前記直線L1,L2,L3は、前記先端面41に連接して形成された湾曲面部43や面取り部44を考慮することなく、略直線状に形成された軸孔4、先端面41、及び、先端部外側面42の外形線に基づいて設定される。
加えて、本実施形態においては、中心電極5にテーパ部54を形成することで、本体部53と軸孔4との間に、ある程度の大きさの間隙が形成されている。詳述すると、軸線CL1を含む断面において、肩部52と本体部53との境界点をX1とし、直線L1と直線L3との交点をX2としたとき、境界点X1と境界点X2との間の最短距離が0.2mm以上(より好ましくは、0.25mm以上)とされている。
さらに、軸線CL1及び補助電極27B(27C)の先端面の中心CPを含む断面において、前記直線L3が、補助電極27B(27C)の先端面の外形線のうち当該先端面の中心CPよりも軸線CL1方向先端側に位置する線分と交差するように補助電極27B,27Cの先端位置が設定されている。
また、肩部52と本体部53との境界部分において放電が頻繁に生じてしまうことを防止すべく、前記角度A3は極力大きなもの(例えば、135°以上。より好ましくは、140°以上)とされている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、絶縁碍子2はA1>90°及びA2<90°を満たしており、絶縁碍子2の先端面41が、先端部外側面42から軸孔4側に向けて軸線CL1方向後端側に傾斜する形状とされている。従って、絶縁碍子2の沿面距離を比較的長くすることができる。
さらに、肩部52と本体部53との境界部分において火花放電が生じる際には、電界強度の最も高くなる直線L4方向に向かって放電が生じやすいところ、本実施形態によれば、絶縁碍子2の先端が前記境界部分よりも軸線CL1方向先端側に位置するとともに、A4>A5を満たすように、すなわち、前記境界部分において火花放電が最も生じやすい方向よりも絶縁碍子2の先端面41がより傾斜して構成されている。このため、絶縁碍子2の先端面41によって主体金具3側への飛火をより確実に阻害することができ、前記境界部分と主体金具3との間で直接的に放電が生じてしまうことをより確実に防止できる。その結果、前記沿面距離を比較的長くできることと相俟って、耐フラッシュオーバー性が向上して、非正規放電の発生を効果的に防止することができる。
さらに、A3>A1を満たすように構成されているため、A1が過大なものとなってしまうことを防止できる。これにより、絶縁碍子2の先端外側部が軸線CL1方向先端側へと過度に突出してしまうことを抑制でき、耐熱性の向上や絶縁碍子2の破損防止を図ることができる。
併せて、本実施形態によれば、熱伝導性に優れる内層5Aの先端部が、肩部52及び本体部53の境界よりも軸線CL1方向先端側に位置している。そのため、先端外側部が軸線CL1方向先端側へとやや突き出した形で構成される前記絶縁碍子2においても、その先端部の熱を効率よく引くことができる。これにより、耐熱性の更なる向上を図ることができる。
また、肩部52及び本体部53の境界部分と絶縁碍子2との間に0.2mm以上と十分に大きなクリアランスが形成されているため、前記境界部分と絶縁碍子2との間を絶縁破壊するために必要な電圧をより高くすることができる。従って、前記境界部分と絶縁碍子2との間における放電をより確実に防止することができ、ひいては非正規放電をより一層確実に防止することができる。
さらに、本実施形態においては、軸線CL1及び接地電極27の先端面の中心CPを含む断面において、直線L3が、接地電極27の先端面の外形線のうち前記中心CPよりも軸線CL1方向先端側に位置する線分と交差するように構成されている。従って、中心電極5及び接地電極27間で放電が生じる際には、中心電極5と接地電極27の先端角部のうち軸線CL1方向先端側に位置する部位との間で放電が生じやすくなる。つまり、燃焼室の中心により接近した位置にて火花が生じやすくなるとともに、接地電極27による火炎の成長阻害が生じにくくなる。そのため、着火性の向上を図ることができる。
尚、本実施形態のように、ねじ部15のねじ径がM12以下と小径化された主体金具3は、絶縁碍子2との間の距離が比較的小さなものとなるため、非正規放電の発生がより懸念されるところであるが、上述の構成を満たすことによって、非正規放電をより確実に防止することができる。換言すれば、上記構成は、ねじ部15のねじ径がM12以下と小径化された主体金具3を備えてなるスパークプラグにおいて特に有意である。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、実施例に相当するサンプル1,2、及び、比較例に相当するサンプル3〜6について、耐フラッシュオーバー評価試験を行った。耐フラッシュオーバー評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルについて中心電極と補助電極(接地電極)との間の間隙の大きさを種々変更したものを複数用意するとともに、サンプルを排気量0.66L、3気筒エンジンに取付けた上で、エンジンを全開状態(=3500rpm)にて動作させた。そして、中心電極と主体金具との間で非正規放電が生じた際の前記間隙の大きさの増大量(非正規放電開始ギャップ増大量)を各サンプルごとに特定した。尚、非正規放電開始ギャップ増大量が大きいほど、非正規放電が発生しにくく、耐フラッシュオーバー性の面で優れることを意味する。
また、サンプル1〜6を、それぞれ次のように構成した。すなわち、サンプル1については、図3(a)に示すように、角度A1を115°、角度A2を65°、角度A3を139.5°、角度A4を25°、角度A5を20.25°にそれぞれ設定するとともに、中心電極の内層の先端部が肩部及び本体部の境界よりも軸線方向先端側に位置し、かつ、境界点X1,X2間の最短距離が0.25mmとなるように構成した。また、サンプル2については、図3(b)に示すように、角度A1〜A5の値及び前記内層の先端部の配置位置をそれぞれサンプル1と同一とした一方で、前記境界点X1,X2間の最短距離を0.19mmとした。すなわち、両サンプルともに、A1>90°、A2<90°、A4>A5、及び、A3>A1を満たすとともに、内層の先端部が前記肩部及び本体部の境界よりも軸線方向先端側に位置するように構成した。
一方で、サンプル3については、図4(a)に示すように、角度A1を90°、角度A2を90°、角度A3を139.5°、角度A4を0°、角度A5を20.25°にそれぞれ設定し、A1>90°及びA2<90°等を満たさないものとした。また、サンプル4については、図4(b)に示すように、角度A1を110°、角度A2を70°、角度A3を139.5°、角度A4を20°、角度A5を20.25°にそれぞれ設定し、A4>A5を満たさないものとした。また、サンプル5については、図5(a)に示すように、角度A1を139.5°、角度A2を40.5°、角度A3を139.5°、角度A4を49.5°、角度A5を20.25にそれぞれ設定し、A3>A1を満たさないものとした。また、サンプル6については、図5(b)に示すように、角度A1〜A5をそれぞれサンプル5と同一の値とする一方で、絶縁碍子の先端面と先端部外側面とを連結する湾曲面部の曲率半径を大きくし、絶縁碍子の先端がサンプル1,2における絶縁碍子の先端と軸線方向に沿った同位置に配置されるように設定した。尚、サンプル3〜6は、内層の先端部が前記肩部及び本体部の境界よりも軸線に沿って先端側に位置するように構成した。
さらに、前記サンプル1〜3及びサンプル5、並びに、比較例に相当するサンプル7,8について、JIS D1606の規定に基づく耐熱性評価試験(プレイグニッション試験)を行った。耐熱性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを排気量1.6L、4気筒DOHCエンジンに取付けた上で、エンジンを全開状態(=5500rpm)にて動作させつつ、点火時期を正規の点火時期から徐々に進角させていき、サンプルに印加されるイオン電流の波形に基づいてプレイグニッションが発生した点火時期(プレイグニッション発生進角)を特定した。尚、プレイグニッション発生進角が大きいほど、プレイグニッションが発生しにくい、すなわち耐熱性に優れることを意味する。
また、サンプル7,8を、それぞれ次のように構成した。すなわち、サンプル7については、図6(a)に示すように、角度A1〜A5をそれぞれサンプル1と同一の値とする一方で、前記中心電極の内層の先端が、肩部及び本体部の境界と軸線方向に沿った同位置に配置されるように設定した。また、サンプル8については、図6(b)に示すように、サンプル7と同様に、角度A1〜A5をそれぞれサンプル1と同一の値とする一方で、前記内層の先端が、肩部及び本体部の境界から軸線に沿って1.0mm後端側に配置されるように設定した。
図7に、耐フラッシュオーバー評価試験の試験結果を示し、図8に、耐熱性評価試験の結果を示す。
図7及び図8に示すように、A1>90°及びA2<90°等を満たさないサンプル3は、耐熱性の面では優れていたものの、非正規放電開始ギャップ増大量が非常に小さくなってしまい、非正規放電が非常に発生しやすいことが明らかとなった。これは、絶縁碍子の先端面が軸線と直交する方向に延びていたため、絶縁碍子の沿面距離を十分に確保できなかったためであると考えられる。
また、A4>A5を満たさないサンプル4についても、非正規放電開始ギャップ増大量が小さくなってしまい、非正規放電が発生しやすいことが分かった。これは、肩部と本体部との境界部分において火花放電が生じる際には、電界強度の最も高くなる直線L4方向に向かって放電が生じやすいところ、前記境界部分において火花放電が最も生じやすい方向よりも絶縁体の先端面がより緩やかな傾斜であったため、前記境界部分における放電が絶縁碍子の先端面に阻害されることなく、主体金具へと至りやすくなってしまったためであると考えられる。
さらに、A3>A1を満たさないサンプル5については、絶縁碍子の沿面距離を十分に確保することができ、耐フラッシュオーバー性に優れていたものの、耐熱性が不十分となってしまうことが明らかとなった。これは、絶縁碍子の先端部の体積が減少するとともに、絶縁碍子の先端外側部が軸線方向先端側に過度に突き出してしまったため、絶縁碍子の先端部が過熱されてしまったためであると考えられる。
尚、本試験においては、角度A3を一定とした上で、角度A1を変更することにより、サンプル5がA3>A1を満たさないものとなっていたが、角度A3を小さくすることによりA3>A1を満たさないものとした場合には、次の問題が生じることが確認された。すなわち、肩部と本体部とのなす角度がより小さなものとなるため、電圧が印加された際に両者の境界部分において放電が生じやすくなり、その結果、非正規放電が発生しやすくなってしまった。つまり、A3>A1を満たさない場合には、耐熱性及び耐フラッシュオーバー性の少なくとも一方において十分な性能を確保することができないおそれがあるといえる。
また、角度A1〜A5等についてはサンプル5と同様の構成とした一方で、湾曲面部の曲率半径を大きくし、絶縁碍子の先端部の体積減少等を図ったサンプル6は、非正規放電が発生しやすく、耐フラッシュオーバー性にやや劣ることが分かった。これは、沿面距離が比較的短くなってしまったことや、湾曲面部の曲率半径が大きいため、放電が絶縁碍子の表面を這いやすくなってしまったことに起因すると考えられる。
加えて、前記内層の先端位置を、肩部及び本体部の境界に対して軸線に沿って同位置又は後端側に配置したサンプル7,8は、耐熱性に劣ることが確認された。これは、絶縁碍子の先端部と熱伝導性に優れた内層との距離が比較的大きかったため、絶縁碍子の先端部の熱を主体金具側へと十分に引くことができなかったためであると考えられる。
以上の比較例に相当するサンプル3〜8に対して、実施例に相当するサンプル1,2は、耐フラッシュオーバー性及び耐熱性の双方において優れた性能を有することが明らかとなった。これは、次の(1)〜(4)の要因が相乗的に作用したためであると考えられる。すなわち、
(1)A1>90°及びA2<90°を満たし、絶縁碍子の先端面をその外側部から軸孔側に向けて軸線方向後端側に傾斜させたことで、沿面距離を十分に確保できたこと。
(2)A4>A5を満たし、前記境界部分において火花放電が最も飛びやすい方向の角度よりも、絶縁碍子の先端面の角度を大きくしたことで、前記境界部分における放電が絶縁碍子の先端面に阻害される形となり、境界部分と主体金具との間における非正規放電をより確実に防止できたこと。
(3)A3>A1を満たすことで、絶縁碍子の先端面を傾斜させたことに伴う絶縁碍子の先端部の体積減少や前記境界部分における放電を抑制できたこと。
(4)内層の先端位置を肩部及び本体部の境界から軸線に沿って先端側に配置したことで、上述のように先端外側部が軸線方向先端側へとやや突き出して形成された絶縁碍子においても、その先端部の熱を効率よく引くことができたこと。
という各要因が相乗的に作用したことによると考えられる。
また特に、境界点X1,X2間の最短距離を0.2mm以上としたサンプル1は、非正規放電がより一層発生しにくくなり、耐フラッシュオーバー性に極めて優れることが明らかとなった。これは、前記境界部分と絶縁碍子との間を絶縁破壊するために必要な電圧をより高くすることができたためであると考えられる。従って、非正規放電をより確実に防止し、耐フラッシュオーバー性の更なる向上を図るという観点から、境界点X1,X2間の最短距離を0.2mm以上とすることがより好ましいといえる。
次いで、サンプルA,B,C,Dについて、着火性評価試験を行った。着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを排気量1.5L、4気筒エンジンに取付けた上で、エンジンをアイドリング状態(=1200rpm)にて動作させた。そして、空燃比を変更しながら、各空燃比ごとにエンジントルクの変動率を測定した。尚、エンジントルクの変動率が小さいほど、着火性に優れることを意味する。
また、各サンプルA,B,C,Dを、それぞれ次のように構成した。すなわち、サンプルAについては、図9(a)に示すように、絶縁碍子や中心電極の構成を上述のサンプル1と同様とした上で、軸線及び補助電極の先端面の中心を含む断面において、直線L3が、補助電極の先端面の外形線のうち当該先端面の中心よりも軸線方向先端側に位置する線分と交差するように補助電極を配置した。
一方で、サンプルBについては、図9(b)に示すように、絶縁碍子や中心電極の構成を上述のサンプル3と同様とした上で、絶縁碍子の先端面の延長線上に補助電極の先端面の中心が位置するように構成した。また、サンプルCについては、図10(a)に示すように、絶縁碍子等を上述のサンプル1と同様の構成とした上で、補助電極の先端位置を軸線方向後端側にずらすことで、直線L3と補助電極の先端面とが交差しないように構成した。さらに、サンプルDについては、図10(b)に示すように、絶縁碍子等を上述のサンプル1と同様の構成とした上で、補助電極の先端位置を軸線方向先端側にずらすことで、軸線及び補助電極の先端面の中心を含む断面において、直線L3が、補助電極の先端面の外形線のうち当該先端面の中心よりも軸線方向後端側に位置する線分と交差するように構成した。
尚、着火性評価試験では、補助電極の先端位置による着火性への影響を正確に把握するため、サンプルA,B,C,Dは平行電極を設けることなく、中心電極から補助電極のみへの飛火となるようにして試験を行った。
図11に、着火性評価試験の試験結果を示す。
図11に示すように、サンプルB,C,Dは、空燃比を大きくする(燃料を薄くする)に従ってエンジントルクの変動率が大きくなってしまい、着火性が不十分となってしまうことが明らかとなった。これは、中心電極の肩部及び本体部の境界部分と補助電極との間で火花放電が生じた際に、燃焼室の中心からより離間した位置にて火花が生じてしまったり、補助電極によって火炎の成長が阻害されてしまったりしたためであると考えられる。
これに対して、サンプルAは、空燃比を大きくし、燃焼状態が不安定となりやすい条件下においても、エンジントルクの変動率が比較的小さく、着火性に優れることが明らかとなった。これは、中心電極の肩部及び本体部の境界部分と、補助電極の先端角部のうち軸線方向先端側に位置する部位との間で火花放電が生じやすくなったこと、すなわち燃焼室の中心により接近した位置にて火花が生じやすくなり、また、補助電極による火炎の成長阻害が生じにくくなったことに起因すると考えられる。
以上、当該試験の結果を勘案して、着火性の向上を図るべく、軸線及び補助電極(接地電極)の先端面の中心を含む断面において、直線L3が、接地電極の先端面の外形線のうち当該先端面の中心よりも軸線方向先端側に位置する線分と交差するように構成することが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態においては特に記載していないが、図12に示すように、軸線CL1を含む断面において、前記直線L4が、絶縁碍子2の先端面41の外形線と交差するように中心電極5や絶縁碍子2を構成することとしてもよい。この場合には、絶縁碍子2の先端面41によって主体金具3側への飛火をより一層確実に阻害することができ、肩部52及び本体部53の境界部分と主体金具3との間における直接的に放電をより効果的に抑制することができる。その結果、一層優れた耐フラッシュオーバー性を実現することができる。
(b)上記実施形態におけるスパークプラグ1は、平行電極27A、及び、補助電極27B,27Cを備えてなる、いわゆるハイブリッド型のものであるが、本発明の技術思想を適用可能なスパークプラグの構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図13に示すように、先端部側面が中心電極5(貴金属チップ31)の先端面に対向する接地電極37を備えてなる、いわゆる平行電極型のスパークプラグ1Aに本発明の技術思想を適用することとしてもよい。また、図14に示すように、先端面が中心電極5(貴金属チップ31)の側面に対向する一対の接地電極47A,47Bを備えてなる、いわゆるセミ沿面放電型のスパークプラグ1Bに本発明の技術思想を適用することとしてもよい。尚、セミ沿面放電型のスパークプラグ1Bにおける接地電極の数は2本に限定されるものではなく、1本又は3本以上であってもよい。
(c)上記実施形態では、境界点X1,X2間の最短距離が0.2mm以上とされているが、境界点X1,X2間の最短距離を0.2mm未満としてもよい。
(d)上記実施形態では、中心電極5にテーパ部54が形成されているが、テーパ部54を形成することなく中心電極5を構成することとしてもよい。
(e)上記実施形態における中心電極5は、内層5A及び外層5Bからなる2層構造とされているが、3層構造或いは4層以上の多層構造をなしていてもよい。従って、例えば、外層5Bの内側に銅合金或いは純銅で構成された中間層を設けるとともに、当該中間層の内側に純ニッケルで構成された最内層を設けることとしてもよい。尚、中心電極5が3層構造以上をなす場合には、外層5Bの内側に位置し、当該外層5Bよりも良熱伝導性金属を含んでなる複数の層が内層5Aに相当する。例えば、上述した中間層及び最内層を設ける構成を採用した場合、中間層及び最内層が内層5Aに相当することとなる。
(f)上記実施形態においては、中心電極5の先端部に貴金属チップ31が接合されているが、貴金属チップ31を設けないこととしてもよい。
(g)上記実施形態において、ねじ部15のねじ径はM12以下とされているが、ねじ部15のねじ径はこれに限定されるものではない。従って、ねじ部15のねじ径をM12以上としてもよい。
(h)上記実施形態では、主体金具3の先端部26の先端面に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。また、主体金具3の先端部26の側面に接地電極27を接合することとしてもよい。
(i)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1,1A,1B…スパークプラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、5A…内層、5B…外層、27A…平行電極、27B,27C…補助電極(接地電極)、41…(絶縁碍子の)先端面、42…(絶縁碍子の)先端部外側面、51…(中心電極の)先端部、52…肩部、53…本体部、CL1…軸線。

Claims (4)

  1. 軸線に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿通され、先端が前記絶縁体の先端よりも先端側に位置する中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられる筒状の主体金具とを備え、
    前記中心電極が、
    自身の先端部の後端から後端側に向けて拡径する肩部と、
    前記肩部の後端から前記軸線に沿って後端側に向けて延びる本体部とを有するとともに、
    前記中心電極は、外層、及び、当該外層の内部に設けられ、当該外層よりも良熱伝導性素材を含んでなる内層からなる多層構造をなすスパークプラグであって、
    前記絶縁体の先端部には、当該絶縁体の外周面と前記軸孔とに連接されつつ後端側に向けて傾斜する先端面が形成されており、
    前記絶縁体の先端が、前記中心電極の肩部及び本体部の境界よりも先端側に位置するとともに、
    前記内層の先端部が、前記中心電極の肩部及び本体部の境界よりも前記軸線に沿って先端側に位置し、
    前記軸線を含む断面において、
    前記軸孔の外形線を先端側に向けて延ばした直線を直線L1とし、
    前記絶縁体の先端部外側面の外形線を先端側に向けて延ばした直線を直線L2とし、
    前記絶縁体の先端面の外形線を延長した直線を直線L3とし、
    前記肩部の外形線と前記本体部の外形線とのなす角の二等分線を直線L4とし、
    前記軸線に直交する直線を直線L5としたとき、
    下記の角度A1、角度A2、角度A3、角度A4、及び、角度A5がそれぞれ次の式(1)、式(2)、式(3)、及び、式(4)を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
    A1>90°…(1)
    A2<90°…(2)
    A4>A5…(3)
    A3>A1…(4)
    角度A1:直線L1と直線L3とがなす角のうち絶縁体が存在する側の角度
    角度A2:直線L2と直線L3とがなす角のうち絶縁体が存在する側の角度
    角度A3:前記肩部の外形線と前記本体部の外形線とのなす角の角度
    角度A4:直線L3と直線L5とがなす角のうち鋭角の角度
    角度A5:直線L4と直線L5とがなす角のうち鋭角の角度
  2. 前記軸線を含む断面において、
    前記肩部及び前記本体部の境界点をX1とし、前記直線L1及び前記直線L3の交点をX2としたとき、前記境界点X1と前記境界点X2との間の最短距離が0.2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記中心電極の側面に対して先端面が対向する接地電極を備え、
    前記軸線及び前記接地電極の先端面の中心を含む断面において、
    前記直線L3が、前記接地電極の先端面の外形線のうち当該先端面の中心よりも軸線方向先端側に位置する線分に交差することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記軸線を含む断面において、
    前記直線L4が、前記絶縁体の先端面の外形線と交差することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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