JP2011145541A - 再生装置、楽音信号出力装置、再生システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1楽音信号に同期して再生すべき曲データ(例えば、MIDIデータ)の内容を指示する透かし情報が重畳された第2楽音信号を楽音信号取得部211が取得すると、第1再生部212は、第2楽音信号(例えば、透かし情報の周波数成分を除去した後の第2楽音信号)を再生する。復号部213は、取得された第2楽音信号から透かし情報を復号する。読出部214は、第1再生部212により再生される第2楽曲信号に同期して再生すべき曲データを読み出す。第2再生部215は、第1再生部212により再生される第2楽曲信号に同期して再生する曲データの内容を、復号された透かし情報に含まれるタイムコードに基づいて特定し、特定した内容を再生する。
【選択図】図9
Description
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、楽音信号から得られる情報に基づいて、その楽音信号に曲データを同期して再生することを可能にする。
本発明に係る再生システムは、上記構成の楽音信号出力装置と、上記いずかの構成の再生装置とを備えることを特徴とする。
図1は、この実施形態の再生システム1の構成を示すブロック図である。
再生システム1は、楽音信号出力装置10と自動演奏装置20とを備える。楽音信号出力装置10と自動演奏装置20とはオーディオケーブル100によって接続されている。楽音信号出力装置10は、本発明の楽音信号出力装置の一例に相当し、オーディオケーブル100を介して自動演奏装置20に対して楽音信号を出力する。自動演奏装置20は、本発明の再生装置の一例に相当し、ここでは自動演奏機能を有している電子ピアノである。なお、この明細書において、「楽音信号」は、楽音の波形を表すアナログ形式の波形信号である。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部12に記憶されたプログラムを実行して、楽音信号出力装置10の各部を制御する。記憶部12は、例えばハードディスク装置を備えた記憶手段である。記憶部12は、制御部11が動作するためのプログラムを記憶するとともに、オーディオファイルが記憶されているオーディオファイル記憶領域121を有している。操作部13は、例えばキーボードやマウスなどであり、利用者によって操作が行われると、その操作内容に応じた操作信号を制御部11へ出力する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイを備える表示手段であり、各種の情報を表示する。出力インタフェース15は、本発明の出力手段の一例に相当し、オーディオケーブル100が接続される出力端子である。出力インタフェース15は、制御部11から供給される楽音信号を、オーディオケーブル100を介して接続される自動演奏装置20に出力するものである。
オーディオファイルAudは、SongIDとオーディオデータとの各情報を対応付けたものである。オーディオデータは、或る楽曲の楽器演奏や歌唱などによって発生する音が時系列的に規定されたデータである。オーディオデータは、例えば、音を表すアナログ形式の波形信号が特定のサンプリング周波数(例えば、44.1kHz)に従って標本化された後、量子化されたデジタルデータを表す。SongIDは、オーディオファイル記憶領域121に記憶される各オーディオファイルを一意に識別する識別情報である。
制御部21は、制御部11と同等の構成のほかシーケンサ(ここでは、MIDIシーケンサ)としての機能を実現するための構成を有している。制御部21のCPUは、ROMや記憶部23に記憶されたプログラムを実行して自動演奏装置20の各部を制御する。入力インタフェース22は、オーディオケーブル100が接続される入力端子である。入力インタフェース22には、楽音信号出力装置10から供給される楽音信号が入力される。記憶部23は、例えばハードディスク装置を備えた記憶手段であり、制御部21が動作するためのプログラムを記憶するとともに、MIDIファイルが記憶されているMIDIファイル記憶領域231を有している。スピーカ24は、制御部21により再生される楽音信号や、本発明の曲データの一例に相当するMIDIデータに応じて放音する放音手段に相当するものである。演奏操作部25は、演奏者の演奏操作を受け付けるものであり、複数の鍵を有するピアノ鍵盤などの演奏操作子や、演奏操作を検知するセンサ、演奏者の操作がなくとも各鍵を押下させるための駆動回路などを有している。演奏操作部25は、演奏者による演奏操作を受け付けると、その演奏操作をセンサによって検出し、検出した内容を示す演奏情報を制御部21に出力する。楽音信号生成部26は、音源回路やDSP(Digital Signal Processor)を備え、制御部21から供給される演奏情報に従って音声処理を行い、演奏情報に応じた楽音信号を生成して制御部21に出力する。制御部21は、その楽音信号をスピーカ24に出力して、楽音信号に応じた楽音を放音させる。
以上の構造を有するMIDIファイル記憶領域231は、本発明の曲データ記憶手段の一例に相当するものである。
[楽音信号出力装置10]
楽音信号出力装置10によって実現される機能について説明する。
図6は、楽音信号出力装置10の制御部11が実現する機能的構成を示す機能ブロック図である。制御部11は、再生時刻特定部111、透かし情報生成部112、前処理部113、及び重畳部114に相当する機能を実現する。なお、後述する透かし情報が重畳される前の楽音信号であり、制御部11が実現する各機能において処理対象となる楽音信号のことを、以下では「第1楽音信号」と称する。なお、制御部11は、利用者により操作部13が操作されて指定されたオーディオファイルAudをオーディオファイル記憶領域121から読み出し、そこに含まれるオーディオデータを基に第1楽音信号を生成する。
透かし情報生成部112は、第1楽音信号に重畳されることとなる透かし情報を生成する。ここでの透かし情報は、SongIDと、再生時刻(つまり、再生位置)を示す位置情報(以下、「タイムコード」という。)とを含むビット列である。なお、透かし情報生成部112は、オーディオファイルAudからSongIDを特定し得る。
前処理部113は、例えばLPF(Low Pass Filter)を備えており、第1楽音信号に前処理を施す。具体的には、前処理部113は、前処理としてLPFを用いたフィルタリング処理を第1楽音信号に施し、第1楽音信号の周波数成分のうち透かし情報が重畳されることとなる帯域に含まれる周波数成分を遮断する。すなわち、このLPFは、遮断周波数をf0とする特性を持つものである。
なお、オーディオデータが複数チャネルからなる場合には、重畳部114は少なくとも1チャネルの第1楽音信号に透かし情報を重畳して第2楽音信号を生成すればよい。
出力インタフェース15は、重畳部114により透かし情報が重畳された楽音信号である第2楽音信号を、自動演奏装置20の制御部21によって取得されるように出力する。制御部11は、或る処理単位毎に供給される第1楽音信号に対して上記各機能により実現される処理を繰り返し行って、自動演奏装置20に出力するための第2楽音信号を生成する。
図8に示すように、第2楽音信号にはあっては、図中矢印で示す各区間にそれぞれ対応する再生時刻を示すタイムコードと、SongIDとを含む透かし情報が重畳されている。ここでは、1つのオーディオファイルAudから生成される第2楽音信号は1つの楽曲に対応するので、SongIDはすべて「001」と共通している。また、タイムコードが示す再生時刻は時系列的に順番に「0:01」、「0:02」、・・・とされており、ここでは1秒刻みで定められている。
次に、自動演奏装置20によって実現される機能について説明する。
図9は、自動演奏装置20の制御部21が実現する機能的構成を示す機能ブロック図である。制御部21はプログラムを実行することにより、楽音信号取得部211、第1再生部212、復号部213、読出部214、及び第2再生部215に相当する各機能を実現する。
楽音信号取得部211は、楽音信号出力装置10により出力された第2楽音信号を入力インタフェース22から取得する。すなわち、楽音信号取得部211は、本発明の取得手段の一例に相当する。
なお、可聴域外に透かし情報の周波数成分が含まれる場合や、透かし情報の周波数成分の音圧レベルが低い場合などには、透かし情報に相当する音声に対する聴感上の影響が少ないため、上記フィルタリング処理を省略してもよい。つまり、第1再生部212は、楽音信号取得部211により取得された第2楽音信号をそのまま再生してもよい。
読出部214は、復号部213により復号された透かし情報に基づいてSongIDを特定し、特定したSongIDに対応付けられたMIDIデータを、MIDIファイル記憶領域231から読み出す。すなわち、読出部214は、本発明の読出手段の一例に相当する。
第2再生部215が再生時刻を特定すると、MIDIデータのうちこの再生時刻に対応するイベントを特定する。例えば再生時刻が「0:04」である場合に同期して再生すべき曲データ内容が、図中実線矢印で示すイベントE3であるとする。この場合、第2再生部215は、イベントE3を表すイベントデータに基づいてMIDIデータを再生する。ところで、例えば復号部213、読出部214及び第2再生部215において実行される処理には或る処理時間を要する。よって、その処理時間(例えば、100ms)をあらかじめ見込んでおき、第2再生部215は透かし情報から特定した再生時刻よりもその処理時間だけ先のイベントデータに基づいてMIDIデータを再生するとよい。また、第2再生部215が再生時刻「0:04」を特定したときに、図中点線矢印で示すようにイベントE1を表すイベントデータに基づいてMIDIデータを再生している場合のように、MIDIデータと第2楽音信号との再生タイミングが意図するものからずれている場合には、第2再生部215は、イベントE1,E2を省略したり、テンポを早くしたりする(デルタタイムを短くする)などして、同期再生が実現されるようにするとよい。
以上のように、再生システム1によれば、楽音信号から得られる情報に基づいて、その楽音信号と曲データとを同期再生することができる。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、楽音信号出力装置10は、SongIDとタイムコードとを含む透かし情報を第1楽音信号に重畳していた。これに代えて、楽音信号出力装置10は、透かし情報としてMIDIデータを第1楽音信号に重畳するようにしてもよい。この場合も透かし情報は、第1楽音信号に同期して再生すべきMIDIデータの内容を指示する情報である。この変形例の構成においては、上述した実施形態の自動演奏装置20が記憶していたMIDIファイルを楽音信号出力装置10が記憶すればよく、自動演奏装置20はそれを記憶していなくてもよい。
この構成によれば、同期再生すべきMIDIデータを楽音信号出力装置10側で指定することができるため、新たなMIDIファイルを自動演奏装置20に記憶させなくてもよい。一方で、この構成の場合、透かし情報のデータ量が実施形態の構成よりも大きくなり得るので、透かし情報の重畳やその復号に要する処理時間が実施形態の場合よりも長くなるいことが考えられる。しかしながら、この場合も、それらの処理に要する処理時間をあらかじめ見込んで第2再生部215が再生時刻を特定することにより、同期再生は実施形態と同じように実現される。
上述した実施形態では、楽音信号出力装置10と自動演奏装置20とがオーディオケーブル100によって接続されていたが、以下に説明する再生システム1aの構成としてもよい。
図11は、再生システム1aの構成を示すブロック図である。再生システム1aは、楽音信号出力装置10aと自動演奏装置20aとにより構成される。なお、図11においては、制御部11,21を除く、図示するもの以外の構成については、楽音信号出力装置10aは楽音信号出力装置10と同等の構成を有し、自動演奏装置20aは自動演奏装置20と同等の構成を有している。
楽音信号出力装置10aは、出力インタフェース15に代えて、例えば自装置に着脱自在なスピーカ16を備える。スピーカ16は、制御部11から供給される楽音信号に応じて放音する放音手段に相当する。一方、自動演奏装置20aは、入力インタフェース22に代えて、例えば自装置に着脱自在なマイクロホン27を備える。マイクロホン27は、収音し、収音した音声を表す音声信号を制御部21に出力する収音手段に相当するものである。また、スピーカ16によって放音された音がマイクロホン27によって収音されるように、楽音信号出力装置10aと自動演奏装置20aとは或る程度近接して設置される。
楽音信号出力装置10bは、第2楽音信号を送信出力する機能を持つ送信機であり、例えば放送局の送信機である。自動演奏装置20bは、楽音信号出力装置10bにより送信出力された第2楽音信号を受信する機能を持つ受信機であり、例えば放送局により放送された音声を聴く利用者により所有される。楽音信号出力装置10bは、出力インタフェース15に代えて送信部17を備える。送信部17は、制御部11から供給される第2楽音信号に応じて搬送波を表す搬送波信号を変調して送信用信号を生成し、これを送信出力する。自動演奏装置20bは、入力インタフェース22に代えて受信部28を備える。受信部28は、楽音信号出力装置10bにより送信された送信用信号を受信すると、これを復調することによって第2楽音信号を取り出し、制御部21に出力する。制御部21は、この第2楽音信号から実施形態と同等の手法により透かし情報を復号し、同期再生を実現する。その他の処理は実施形態で説明したものと同じであり、この構成であっても実施形態の場合と同等の効果を奏する。
この構成によれば、自動演奏装置20bを所有する利用者は、自身の自動演奏装置20bを用いて遠隔地にある楽音信号出力装置10bにより出力された楽音信号が表す楽音と同期演奏(同期再生)を楽しむことができる。一方、自動演奏装置20bを所有しない利用者であっても、楽音の聴取上の悪影響は少ない。
上述した実施形態において楽音信号出力装置10が透かし情報を重畳するための構成を以下のように変形してもよい。例えばM系列、Gold系列を用いた擬似ノイズ信号を用いた方法を採用してもよい。この場合、重畳部114は擬似ノイズ信号を発生し、これを透かし情報に基づいて位相変調する。一方、復号部213は、重畳部114と同じ擬似ノイズ信号を生成し、第2楽音信号との相関を求める。第2楽音信号に重畳される擬似ノイズ信号として自己相関性の非常に高い信号が用いられた場合に、その第2楽音信号と擬似ノイズ信号との相関を求めると、急峻なピークの現れる波形が抽出される。この波形が透かし情報を示しており、復号部213はこの波形を抽出して透かし情報を復号することができる。また、この擬似ノイズ信号を用いてスペクトラム拡散を行うようにしてもよいし、直交周波数分割多重方式(OFDM変調:Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)の採用により透かし情報を重畳してもよい。後者の場合、制御部11は、第1楽音信号の周波数成分のうち高周波数側の一部の帯域を除去した後、OFDM変調した透かし情報を元の第1楽音信号の周波数分布に合わせてその帯域に重畳する。この重畳の態様であっても、楽音信号出力装置10は第1楽音信号の周波数成分よりも高周波数の帯域に透かし情報を重畳しており、上述の実施形態の構成と同等の効果を奏する。
上述した実施形態において、前処理部113に相当する機能を省略してもよい。例えば、周波数f0以上よりも周波数の高い帯域に楽音信号の周波数成分が含まれない場合や、透かし情報の周波数成分に対して楽音信号の周波数成分の音圧レベルがかなり小さい場合には、この前処理を省略しても聴感上の影響がほとんどないし、透かし情報の復号における悪影響はほとんど生じないと考えられるからである。
Claims (5)
- 第1楽音信号に同期して再生すべき曲データの内容を指示する透かし情報がその第1楽音信号の周波数成分よりも高い帯域に重畳された第2楽音信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された第2楽音信号を再生する第1再生手段と、
前記取得された第2楽音信号から前記透かし情報を復号する復号手段と、
前記第1再生手段により再生される第2楽音信号に同期して再生すべき前記内容を復号された前記透かし情報に基づいて特定し、特定した内容を再生する第2再生手段と
を備えることを特徴とする再生装置。 - 前記透かし情報は、曲データを識別する曲識別情報と、その曲データの再生すべき位置を示す位置情報とを含み、
前記曲識別情報とその曲識別情報により識別される曲データとを対応付けて記憶する曲データ記憶手段から、前記復号手段により復号された透かし情報に含まれる曲識別情報に対応付けられた曲データを読み出す読出手段を備え、
前記第2再生手段は、前記読出手段により読み出された曲データの前記透かし情報に含まれる位置情報が示す位置の内容を再生する
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。 - 第1楽音信号に同期して再生すべき曲データの内容を指示する透かし情報をその第1楽音信号の周波数成分よりも高い帯域に重畳する重畳手段と、
前記重畳手段により透かし情報が重畳された第2楽音信号を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする楽音信号出力装置。 - 請求項3に記載の楽音信号出力装置と、
請求項1又は2に記載の再生装置と
を備えることを特徴とする再生システム。 - コンピュータを、
第1楽音信号に同期して再生すべき曲データの内容を指示する透かし情報がその第1楽音信号の周波数成分よりも高い帯域に重畳された第2楽音信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された第2楽音信号を再生する第1再生手段と、
前記取得された第2楽音信号から前記透かし情報を復号する復号手段と、
前記第1再生手段により再生される第2楽音信号に同期して再生すべき前記内容を復号された前記透かし情報に基づいて特定し、特定した内容を再生する第2再生手段
として機能させるためのプログラム。
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