JP6631005B2 - 情報送信装置、音響通信システムおよび音響透かし重畳方法 - Google Patents

情報送信装置、音響通信システムおよび音響透かし重畳方法 Download PDF

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Description

この発明は、音響を用いてデジタル情報を送信する情報送信装置、音響通信システムおよび音響透かし重畳方法に関する。
空気振動である音響を用いてデジタル情報を伝送する技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1には、以下の内容が記載されている。情報送信装置は、デジタルデータであるデータ符号を擬似ノイズ信号などの拡散符号を用いてオーディオ周波数帯域に拡散し、この信号をスピーカから放音する。情報受信装置は、情報送信装置によって放音された音声を収音し、整合フィルタで同期を検出することでデータ符号を復調する。
国際公開パンフレット WO2010/016589
また、特許文献1には、情報送信装置が、拡散されたデータ符号を楽曲等の音響信号とミキシングして放音することも記載されている。これを用いて楽曲に関する情報(たとえば著作権情報、楽譜情報または歌詞情報など)をデータ符号で送信することが考えられる。このようにすれば、そのとき放音されている楽曲に関する情報を情報受信装置に表示させることができ、且つ、データ符号が楽曲の音声にマスクされて(元々非可聴音域ではあるものの)気づかれにくいという利点がある。しかしながら、その楽曲およびデータ符号の放音にスピーカを用いているために、楽曲が放音されている趣が薄れてしまうという欠点があり、さらにスピーカから放音されない楽音(生の楽音)にはデータ符号をうまく重畳できないという欠点があった。
そこで、この発明は、スピーカを用いなくてもデジタル情報を送信することができる情報送信装置、音響通信システムおよび音響透かし重畳方法を提供することを目的とする。
この発明の情報送信装置は、デジタル情報をエンコードして非可聴帯域の情報音声を生成する情報音声生成部と、共鳴部を有する楽器に取り付けられる加振部と、を備える。情報音声発生部が発生した情報音声は加振部に供給され、加振部はこの情報音声で楽器の共鳴部または振動部を振動させて楽器の生の演奏音を情報音声に重畳する。これにより、楽器から情報音声が重畳された演奏音が放音される。
上記情報送信装置において、楽器の演奏操作または演奏による発音を検出するピックアップをさらに設け、情報音声生成部が、ピックアップが楽器の演奏操作または演奏による発音を検出したことに応じて情報音声を生成するようにしてもよい。
この発明の情報送信システムは、複数の楽器に対して上記情報送信装置をそれぞれ設け、各情報送信装置の情報音声生成部が、それぞれ異なる情報音声をそれぞれ異なる周波数帯域で生成することを特徴とする。
この発明の音響透かし重畳方法は、アコースティックな楽器に上記情報送信装置を設け、この楽器の演奏音に非可聴周波数帯域の音響信号にエンコードされた情報音声を重畳して放音させることを特徴とする。
この発明によれば、加振部が楽器を共鳴させて情報音声が放音されるため、スピーカを用いる必要がなくなる。また、情報音声が放音されていることに気づかれにくい。
この発明の実施形態である情報送信装置を含む音響通信システムのブロック図 情報送信装置のエンコード部のブロック図 情報送信装置の加振部の外観図 加振部の内部構造図 情報送信装置の変形例を示す図 情報送信装置の変形例を示す図 情報送信装置の変形例を示す図 情報送信装置の変形例を示す図 情報送信システムの構成例を示す図
図面を参照してこの発明の実施形態である情報送信装置について説明する。図1は、情報送信装置1、および、情報受信装置2からなる音響通信システムを示す図である。この音響通信システムは、空気中を伝搬する音響を用いてデータ符号Dを送受信する。
情報送信装置1は、データ符号Dがエンコードされた電気信号を音響に変換する変換部として、一般的なスピーカに代えて、加振部12およびアコースティックな楽器13を用いている。アコースティックな楽器13は、何らかの手段によって発生された音響(空気振動)を共鳴させて大きな良い音にする共鳴部を有し、更に、アコースティックな楽器13の多くは、空気振動を発生させる振動部を有している。ギターの場合、共鳴部は胴であり、振動部は弦である。楽器13としてギターを用いた場合、加振部12は、胴などの共鳴部に取り付けられるのが好適である。加振部12の振動が胴の内部で共振し、音響となって外部に放音される。楽器13は、実際に演奏されない状態で置かれていてもよく、実際に演奏されている状態であってもよい。
情報受信装置2は、楽器13から放音された音響を収音してデータ符号Dを復号(デコード)する。情報受信装置2は、専用の装置であってもよいが、多機能電話機(スマートフォン)にアプリケーションソフトウェア(アプリ)をインストールして実現してもよい。
情報送信装置1から、音響を用いて伝送されるデータ符号Dの内容はどのようなものでもよい。楽曲無しでデータ符号Dが放音される場合、楽器演奏者のプロフィールに関する情報、楽器そのものの品番情報などの情報にすることができる。データ符号Dが楽曲とともに(楽曲とミキシングして)放音される場合、その楽曲に関する情報(例えば、著作権情報、曲名、楽譜情報、歌詞情報)などの情報とすることができる。放音される楽曲とともにその楽曲に関する情報が放音されれば、情報受信装置2でデータ符号Dを復調して、その情報を表示等することができる。なお、データ符号Dが上記の情報そのものであっても良く、データ符号Dが上記の情報を取得するための情報(URLなど)であってもよい。
情報送信装置1は、図1(A)に示すように、エンコード部10、アナログ回路部11および加振部12を有している。加振部12は、アコースティックな楽器13の胴などの共鳴部に取り付けられ、楽器(胴)13を振動させる。加振部12は楽器13の内部に設けられればよいが、外付けでもよい。また、情報送信装置1全体が楽器13の内部(例えば共鳴部)に収納されていてもよい。エンコード部10には、データ符号Dおよび音響信号Sが入力される。データ符号Dは上述したような内容のデジタル情報であり、情報送信装置1に接続されるまたは含まれるデータ記憶部(不図示)に記憶されているものであってもよく、情報送信装置1に接続されるまたは含まれるデータ取得部(不図示)によって取得(受信)されたものであってもよい。また、音響信号Sは、楽曲の再生音や宣伝広告のアナウンスなどが用いられ、データ符号Dと同様に、情報送信装置1に接続されるまたは含まれる音響信号記憶部(不図示)に記憶されているものであってもよく、情報送信装置1に接続されるまたは含まれる音響信号取得部(不図示)によって取得(受信)されたものであってもよい。エンコード部10は、データ符号Dをスペクトラム拡散を含むエンコード処理し、さらに、このエンコードされたデータ符号Dと音響信号Sとをミキシングする。エンコードされたデータ符号Dは、音響信号Sのほぼ非可聴な高音域に周波数シフトされているため、このミキシングによって音響信号Sの音質の劣化はわずかである。エンコード部10の構成および動作の詳細は後述する。このミキシングされたオーディオ信号はアナログ回路部11に入力される。
アナログ回路部11は、D/Aコンバータおよびオーディオアンプを含み、エンコード部10から入力されたデジタルのオーディオ信号をアナログ信号に変換し、増幅して加振部12に供給する。加振部12は、アナログ回路部11から入力された電気信号であるオーディオ信号(音響信号Sが無い場合はデータ信号)を物理的な振動に変換して、楽器13に伝達する。楽器13に伝達された振動は、楽器13で共鳴して音響として外部に放音される。放音されたオーディオ信号音は空間を伝搬して情報受信装置2のマイク22へ到達する。
情報受信装置2は、図1(B)に示すように、マイク22、アナログ回路部23、復調部21を有している。情報受信装置2は、専用の装置であってもよいが、アプリケーションソフトウェア(アプリ)がインストールされた多機能携帯電話(スマートフォン)で実現されてもよい。アナログ回路部23は、マイク22が収音したオーディオ信号を増幅するアンプ、オーディオ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを有している。復調部21は、収音したオーディオ信号に含まれている拡散符号を検出し、その拡散符号でスペクトラム拡散されているデータ符号Dを復調(デコード)する。復調部21が復調したデータ符号Dは情報処理部24に入力される。情報処理部24は、たとえば、復調されたデータ符号Dをそのまま表示するものでもよい。また、復調されたデータ符号DがURLである場合、情報処理部24は、インターネットブラウザであってもよい。情報処理部24は、復調されたデータ符号Dを用いて何らかの処理を行うものであれば何でもよい。
図2を参照して、情報送信装置1のエンコード部10の構成例を説明する。なお、エンコード部10は、図2に示した構成に限定されない。図2に示すエンコード部10は、データ符号Dを拡散符号でスペクトラム拡散したのち、差動符号化およびアップサンプリングすることでロバスト性を向上させ、信号の周波数帯域を音響信号Sの可聴帯域と重ならない程度の高音域までシフトして音響信号Sと合成する。
図2(A)は、情報送信装置1のエンコード部10の構成例を示す図である。音響信号入力部31から入力された音響信号Sは、LPF32によって高音域がカットされる。LPF38で高域をカットされた音響信号Sはゲイン調整部33によって利得が調整される。利得が調整された音響信号Sは加算器34に入力される。
LPF32のカットオフ周波数は、聴感と変調信号に割り当てる帯域幅に基づいて決定される。LPF32のカットオフ周波数は、LPF32を通過させた音響信号の聴感評価および要求される変調信号の帯域幅等を考慮して決定される。なお、入力された音響信号が中低音帯域のみ周波数成分を有し、高音帯域に成分が存在しないような信号の場合には、LPF32を省略してもよい。
データ符号Dはデータ符号入力部35から入力される。拡散符号発生部36は拡散符号PNを発生する。拡散符号PNとしては、M系列等の一定の巡回周期を持つ擬似乱数符号列が用いられる。拡散符号PNは1チップが1クロックである。データ符号入力部35から入力されるデータ符号Dは、1シンボル周期が拡散符号PNの1巡回周期と一致するように周期が調整される。例えば、拡散符号PNが17チップ長であった場合、データ符号Dの1シンボル長は17クロックである。
乗算器37は、データ符号Dと拡散符号PNとを乗算する。この処理が、一般的にスペクトラム拡散と呼ばれる処理である。この拡散処理により、データ符号Dの各シンボルが、その値(1/0)に応じて正位相の拡散符号(PN)または逆位相の拡散符号(−PN)にエンコードされ、データ符号Dの周波数スペクトルが拡散される。
乗算器37により拡散符号PNでエンコードされたデータ符号D、すなわち、エンコード信号MD1は、差動符号化部38によって差動符号に変換される。差動符号化処理は、入力される符号(チップ)の値を、前チップからの変化を表す値に置き換える処理である。この差動符号化により、受信側(後で詳述)において、送信側に正確に同期したクロックが無くても、遅延検波を用いて高精度にシンボルを復調することができる。
図2(B)は差動符号化部38の例を示す図である。差動符号化部38は、エンコード信号MD1が一方の入力端子に入力されるXOR回路45と、XOR回路45の出力MD2を1チップ遅延してXOR回路45の他方の入力端子に戻す1チップ遅延回路46で構成されている。XOR回路45の出力MD2を1チップ遅延してフィードバックすることにより、XOR回路45は、入力されたエンコード信号MD1(T)とXOR回路45の1クロック前の出力MD2(T−1)との比較結果(正負変化の有無)を出力する。この出力された信号が、差動符号化されたエンコード信号MD2である。これにより、受信側において、連続する2チップを比較することによりエンコード信号MD1を復元することができる。
差動符号化されたエンコード信号MD2は、アップサンプリング部39に入力される。アップサンプリング部39は、入力された符号列をアップサンプリングする。すなわち、エンコード信号MD2の各チップ長をもとの長さの整数倍に(例えば8倍)に伸長する。拡散符号MD2をアップサンプリングすることにより、伝搬中にドップラ効果などによる波形の伸縮があっても、これを吸収して高精度に同期を検出する事が可能になる。
アップサンプリング処理されたエンコード信号MD3は、LPF40に入力される。LPF40は、ベースバンド信号の帯域を制限し、チップ間干渉を抑制しつつベースバンド信号の帯域を制限するフィルタでありナイキストフィルタと呼ばれるものである。ナイキストフィルタは、インパルス応答がシンボル・レートでリングする(0を通過する)特性を有するフィルタであり、一般的にコサイン・ロールオフ・フィルタと呼ばれるFIRフィルタで構成される。
LPF40によって帯域制限、波形整形されたエンコード信号MD4は乗算器42においてキャリア(搬送波)信号と乗算され、高音域へ周波数シフトされる。キャリア信号発生部41が発生するキャリア信号の周波数は任意であるが、周波数シフトされた拡散符号の帯域がLPF32のカットオフ周波数以上で、スピーカ、マイク等の音響機器の可動周波数帯域、および、信号圧縮を含むデジタル信号処理部(CODEC)の符号化周波数帯域の範囲に納まるように設定する。
乗算器42によって高音域へ周波数シフトされた、すなわちキャリア信号によって偏重されたエンコード信号MD5は、ゲイン調整部43によってゲイン調整される。ゲイン調整されたエンコード信号MD6は加算器34で音響信号Sとミキシング(加算合成)される。このミキシング信号MDSは、オーディオ帯域の信号である。ミキシング信号MDSがアナログ回路部11に入力される。アナログ回路部11でD/A変換されたミキシング信号MDSは、加振部12に供給される。
次に、図3、図4を参照して加振部12の構造を説明する。図3は、加振部12の外観を説明する図である。この図においては、ヨーク保持部52の主要な構造を見やすくするため、ヨーク保持部52の筐体524(図4参照)を省略し、その内部構造を図示している。振動部51は、楽器13に当接する上面が塞がれた円筒状の接続部材511およびボイスコイル512を有する。接続部材511は、ポリイミド等の樹脂あるいはアルミ素材の金属などの軽い素材で形成され、上面に樹脂等のキャップが取り付けられている。ヨーク保持部52は、磁石522、および、磁石522を挟みこむヨーク521、523を有する。ヨーク521、523は、例えば、軟鉄などの軟磁性材料により形成され、接続部材511に比べて非常に重くなっている。また、振動部51とヨーク保持部52とは、空間により隔てられている。
図4は、図3に示す加振部50を接続部材511の中心を通る鉛直面で切断した断面を水平方向から見た断面図である。図4においては、図3において記載を省略した筐体524も記載している。また、図4においては、加振部12および楽器13の位置関係を示すため、楽器13を破線で示している。振動部51は、接続部材511およびボイスコイル512を有している。ボイスコイル512は、ヨーク521、523および磁石522により形成された磁路(破線矢印)のうち、ヨーク521とヨーク523との間に形成される空間を通過する磁路上に位置するように配置されている。加振部50に入力される駆動信号は、ボイスコイル512に入力される。上記のように形成されている磁路における磁力を受けて、ボイスコイル512は、入力される駆動信号が示す波形に応じて接続部材511が図における上下方向に振動するように駆動力を発生させる。このとき、ヨーク保持部52は、支持部55によって支持されて、その位置が固定されているため、ボイスコイル512が発生させた駆動力は、ほとんどが接続部材511の振動のための推力として用いられる。
接続部材511の上面と楽器13とは接着剤、両面テープなどにより接着され、接続部材511が楽器13に固定されている。なお、接続部材511の上面と楽器13とは、接着により互いに接続される場合に限らず、ネジ止めなどにより接続されていてもよい。これにより、楽器13は、接続部材511が上方に移動した場合には上方に押され、接続部材511が下方に移動した場合には、接続部材511が離れるのではなく、接続部材511により下方に引っ張られることになる。楽器13がギターであって、加振部12がギター13の胴に固定されている場合、接続部材511における振動は、ギター13の胴全体を振動させ、これにより、ギター13の弦も共鳴して振動する。
以上の構成により、スピーカを用いずアコースティックな楽器13を振動させることでデータ符号Dを音響として送信(放音)することができる。なお、上の実施形態では、データ符号D(エンコード信号MD6)が、楽曲などの音響信号Sとミキシングされ、ミキシングされたオーディオ信号が加振部12から出力される。
図5は、情報送信装置1の変形例を示す図である。この情報送信装置1は、音響信号Sをミキシングせずに、データ符号D(エンコード信号MD6)のみを加振部12から出力する。この場合、アコースティックな楽器13は、実際に演奏されていることが好適である。図5において、エンコード部10は、データ符号Dを拡散符号PNでスペクトラム拡散したのち、差動符号化、アップサンプリングおよび周波数シフトしたエンコード信号MD6を、アナログ回路部11に出力する。アナログ回路部11は、エンコード信号MD6をD/A変換且つ増幅して加振部12に出力する。加振部12はエンコード信号MD6によって振動し、エンコード信号MD6は、楽器13から音響として放音されるが、ほぼ非可聴帯域に周波数シフトされているため、殆どユーザの耳には聞こえない。平行して楽器13が演奏されると、楽器13の内部で、楽器13の楽音とエンコード信号MD6とが物理的な振動としてミキシングされて放音される。
図6は、情報送信装置1のさらなる変形例を示す図である。この情報送信装置1は、図1に示した構成に加えて、ピックアップ14および制御部15を備えている。ピックアップ14は、楽器13の演奏音すなわちアコースティックな発音を検出する。制御部15は、ピックアップ14による演奏音の検出に応じてエンコード部10にエンコード信号MD6の生成・出力を指示する。ピックアップ14による演奏音の検出は、演奏音の音高すなわちメロディーを検出してもよく、演奏されているか(楽音が発音されているか)否かのみを検出してもよい。制御部15は、実際の楽器13の演奏に同期してデータ符号D(エンコード信号MD6)を出力する。たとえば、楽譜や歌詞を表示するための情報(データ符号D)を演奏の進行に同期して切り換え出力することにより、受信装置2に演奏の進行に同期して楽譜や歌詞を表示させることができる。また、演奏音が発音されているときのみデータ符号Dを生成・出力させるようにしてもよい。
図7は、情報送信装置1が設けられる楽器13の変形例を示す図である。上に示した実施形態では、アコースティックな楽器13は、ギターであったが、この変形例ではピアノが用いられている。楽器13がグランドピアノである場合、加振部12は、ピアノ13の胴、反響板のいずれに取り付けられてもよい。また、加振部12が、弦が懸架されるフレームに取り付けられていてもよい。
なお、図7の情報送信装置1は、データ符号Dに音響信号Sをミキシングしていないが、音響信号Sをミキシングする構成であってもよい。また、ピアノの場合にも図6に示す例と同じように、演奏音から操作鍵盤の音高、操作速度等を検出し、この音高データ、速度データ等をデータ符号Dとしてエンコード部10に入力してもよい。これにより、楽器13の演奏音に乗せて楽器の操作情報を放音することができる。また、ピアノ13が録音機能付自動演奏ピアノ(ディスクラビア(商標))であれば、演奏操作を直接検出することも可能である。
図8は、情報送信装置1を電子楽器16に設けた例を示す図である。電子楽器16は、鍵盤160を有し、音源回路(トーン・ジェネレータ)161、オーディオ回路162およびスピーカ163を内蔵している。この実施形態の情報送信装置1は、エンコード部10を備え、エンコード信号MD6を生成するが、このエンコード信号MD6を電子楽器16のオーディオ回路162およびスピーカ163を用いて放音する。音源回路161は、鍵盤160の演奏操作または自動演奏に応じて楽音を生成する。この楽音は、エンコード信号MD6とミキシングして放音される。このミキシングは、エンコード部10で行われてもよく、電子楽器16のオーディオ回路162で行われてもよい。
また、電子楽器16が演奏情報(MIDI情報など)を出力する機器の場合は鍵盤160の操作で音源回路161の発音指示をするとともに、演奏情報をデータ符号Dとして、音源回路の生成楽音に乗畳することで、演奏音、出力音毎にその音に対応した情報を発音、送信することが可能となる。
図9(A)は、情報送信装置1および楽器13をそれぞれ複数用いたアンサンブル構成の情報送信システムを示す図である。この実施形態では、楽器13−1はピアノであり、楽器13−2はギターであり、楽器13−3は電子楽器である。そして、それぞれの楽器13−1〜3に対して、情報送信装置1−1〜3が設けられている。3つの情報通信装置1−1〜3のエンコード部10はほぼ同じ構成でよいが、拡散符号発生部36が発生する拡散符号PNはそれぞれ異なる符号系列であることが好適であり、キャリア信号発生部41が発生するキャリア信号の周波数、すなわち、周波数シフト量がそれぞれ異なっていることが好適である。
図9(B)に示すように、ヒトの可聴周波数の上限は15kHz〜20kHz程度である。この情報通信システムでは、ヒトの可聴周波数帯域を0(20)〜15kHzとし、15〜24kHzを情報伝送帯域としている。なお、24kHzは、エンコード部10などのデジタル信号処理部の上限周波数(サンプリング周波数の1/2)である。この情報伝送帯域に、3つのチャンネルが設定され、情報処理装置1−1〜3は、エンコード信号MD6がそれぞれチャンネル1〜3の帯域にシフトされるようキャリア周波数が設定されている。これにより、各楽器13−1〜3に設けられた情報送信装置1−1〜3から送信されたデータ符号Dをそれぞれ別々に受信且つ復調することが可能になる。また、受信側ではどのチャンネルのデータ符号Dであるかにより、どの楽器13−1〜3から送信されたデータ符号Dであるかを判別することができる。
このように、複数の楽器からそれぞれ別々のデータ符号Dをキャリア周波数を変えて送信することにより、情報受信装置2では、各パート別の楽譜を表示したり、ジャムセッションの場合に各楽器の演奏者情報を別々に表示したりすることが可能になる。
以上の実施形態では、データ符号Dは、音響信号Sまたは楽器13の演奏音に関連した何らかの情報を、情報受信装置2に積極的に表示させるための情報であったが、逆に、聴いている者に気づかれずに、音響信号Sまたは楽器13の演奏音に著作権等の情報を埋め込む「透かし情報」としてこのデータ符号Dを用いてもよい。例えば、演奏の日付、場所などの情報をデータ符号Dとして入れておけばよい。デジタルで処理される音声信号に透かし情報を埋め込む技術は従来より多数提案されているが、アコースティックに空気振動として発生される楽器の演奏音に透かし情報を埋め込む技術は従来なく、これには、楽器13に加振部12を取り付ける本発明の形態が好適である。また、楽器13そのものに加振部12を設けなくても、楽器13が演奏される空間に透かし情報としてデータ符号D(エンコード信号MD6)を放音しておくことでも楽器13の演奏音に透かし情報を重畳することが可能である。これにより、後に収録音を再生し、情報受信装置2を用いれば、その音がどの日付でどの場所で発生したものか、収録されたものか、を知ることができる。
また、上述の実施形態では楽器の共鳴部に加振部12を取り付けたが、楽器13以外でも振動して共鳴する物(例えば、机、壁、フライパン、人の骨格等)であれば加振部12を取り付けて、データ符号D(エンコード信号MD6)を放音することが可能である。
1 情報送信装置
10 エンコード部
12 加振部
13 楽器

Claims (4)

  1. デジタル情報をエンコードして非可聴周波数帯域の情報音声を生成する情報音声生成部と、
    共鳴部を有する楽器に取り付けられる加振部と、
    を備え、
    前記情報音声は、前記加振部に供給され、
    前記加振部は、前記楽器の共鳴部または振動部を振動させて前記楽器の生の演奏音に前記情報音声を重畳し、
    前記楽器から前記情報音声が重畳された演奏音を放音する
    情報送信装置。
  2. 前記楽器の演奏操作または演奏による発音を検出するピックアップをさらに設け、
    前記情報音声生成部は、前記ピックアップが前記楽器の演奏操作または演奏による発音を検出したことに応じて前記情報音声を生成する
    請求項1に記載の情報送信装置。
  3. 複数の楽器に対して、請求項1または請求項2に記載の情報送信装置をそれぞれ設け、
    各情報送信装置の情報音声生成部は、それぞれ異なる情報音声を、それぞれ異なる周波数帯域で生成する
    情報送信システム。
  4. アコースティックな楽器に、請求項1または請求項2に記載の情報送信装置を設け、
    該楽器の演奏音に、非可聴周波数帯域の音響信号にエンコードされた前記情報音声を重畳して放音させる
    音響透かし重畳方法。
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