JP2008147840A - 音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 最適な音場を形成することが可能な、新規かつ改良された音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】 所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換部140と;音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成部130と;を含むことを特徴とする、音声信号生成装置115が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】 所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換部140と;音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成部130と;を含むことを特徴とする、音声信号生成装置115が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラムに関する。
臨場感のある音を再生するために、複数のスピーカを用いて多チャンネルの音声信号を再生するステレオ再生システムが広く知られている。例えば、5.1チャンネルサラウンドシステムは、5つのスピーカと1つのサブウーファースピーカを用いて音の再生を行う。ITU−R BS775(International Telecommunication Union Radiocommunications Sector)の規定に従ってスピーカを配置し、それぞれのチャンネルに対応するスピーカから異なる音波が出力され、それを受聴者が耳にすることによって、受聴者は臨場感のある音を楽しむことができる。
5.1チャンネルサラウンドシステムのようなステレオ再生システムは、所定の受聴位置においては、目的となる音像定位を得ることができる。しかし、このようなステレオ再生システムは、目的となる音像定位を得られる範囲が狭いため、所定の受聴位置以外の場所においては、受聴者が耳にする再生音が、所定の受聴位置で耳にする再生音と比較して大きく異なってしまう。
そこで、本来の音源が存在した音場そのものを、空間に物理的に再現することを目的とするマルチチャンネルオーディオシステムがある。マルチチャンネルオーディオシステムは、音場合成技術である波面合成技術を用いるものであり、複数のスピーカからなるアレイスピーカから音波が出力される。出力される音波は、干渉のない波となって受聴者に伝わる。その音波を受聴者が耳にすることによって、受聴者は臨場感のある音を楽しむことができる。
図9は、音源からの波面を模式的に表している説明図である。図9の(a)は1つの音源(スピーカ)から音声を出力する際の波面を模式的に表し、図9の(b)はマルチチャンネルオーディオシステムで音声を出力する際の波面を模式的に表している。図9の(b)に示したように、個々のスピーカから放射される音声のタイミングとレベルを制御することにより、あたかも1つの音源から音声が発せられているかのような波面を生成することができる。
また、マルチチャンネルオーディオシステムは仮想的に音源を配置し、その配置した音源から音が発せられているものとするように波面を合成することで、受聴者はあたかもその場所から音が発せられているかのように臨場感のある音を楽しむことができる。
このようなマルチチャンネルオーディオシステムは、ステレオ再生システムに比べて目的となる音像定位を得られる範囲が広い。そのため、広い室内において、より多くの受聴者が臨場感のある音を楽しむことができる。
図10は、波面合成によって2つの音源からの波面を再現する場合について説明する説明図である。図10に示したように、波面合成技術を用いることによって音場の任意の位置から発せられる波面を、アレイスピーカから発する音声によって再現することができる。
波面合成技術を用いれば、上述のように音場の任意の位置から発せられる波面を再現することができるため、受聴者はより臨場感のある音場を楽しむことができる。図11は、ステレオ方式とマルチチャンネルオーディオシステムとによる受聴イメージの違いについて説明する説明図である。図11の(a)はステレオ方式による5つの音源の受聴イメージを示しており、図11の(b)はマルチチャンネルオーディオシステムによる5つの音源の受聴イメージを示している。
図11の(a)に示したように、ステレオ方式によれば、受聴者が左右のスピーカSPL、SPRの中央に位置した場合でなければ所望の音場を再現することができず、しかも音像を左右のスピーカSPL、SPR間のライン上に配置されたものとしてしか音像を得ることができなかった。一方、図11の(b)に示したように、マルチチャンネルオーディオシステムによれば、m個のスピーカSP1、SP2・・・SPmから発せられる音声によって形成される音場は、ステレオ方式の場合よりも広い範囲で所望の音場を再現することができ、さらに、音源を奥行き方向も含めた任意の位置に配置し、音像もそのように知覚させることができる。従って、モニタMOで表示する映像に合わせて音源を任意の位置に配置することで、受聴者はより臨場感のある音場を楽しむことができる。
マルチチャンネルオーディオシステムを用いて音を再生する際には、再生音の基となる音源データに、仮想的に音源を配置する位置情報と、想定しているシステムの構成、例えばアレイスピーカを構成するスピーカの数や想定する受聴者の受聴位置の情報を予め含めておく。そして、マルチチャンネルオーディオシステムにおいて音源データに含まれるそれらの情報に基づいて音の再生を行うことで、臨場感のある音を表現することができる(特許文献1参照)。
しかし、マルチチャンネルオーディオシステムにおいては、必ずしも想定しているシステムで音声が再生されるとは限らない。システムによってはアレイスピーカを構成するスピーカの数や、想定する受聴者の受聴位置が異なっている。そのような異なるシステムで音を再生すると、映像や音声(以下、映像や音声を総称して「コンテンツ」とも称する)を制作した制作者の想定通りに音が再生されず、臨場感のある音を再現できないという問題があった。
例えば、コンテンツ制作者が16個のスピーカからなるアレイスピーカで音声を出力することを想定して作られたコンテンツを、12個のスピーカからなるアレイスピーカを有するシステムで再生した場合に、スピーカ4個分の音声が出力されないおそれがある。
想定しているシステムでしか臨場感を再現できないのであれば、互換性が非常に悪くなってしまう。従って、どのような構成のマルチチャンネルオーディオシステムであっても、コンテンツ制作者の想定通りまたは想定したものに近い、臨場感のある音が再現される必要がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、マルチチャンネルオーディオシステムがどのような構成を有していても最適な音場を形成することが可能な、新規かつ改良された音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴者位置を含む想定受聴領域に再生するための音声信号を生成する音声信号生成装置であって、所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換部と;音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成部と;を含むことを特徴とする、音声信号生成装置が提供される。
かかる構成によれば、変換部は所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成し、音声信号生成部は、音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する。その結果、n個の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約することで、音声信号生成装置の構成がコンテンツ制作者の想定する構成と異なっている場合であっても、コンテンツ制作者の想定通りのまたは想定したものに近い音場を空間内に再生するための音声信号を生成することができる。
上記音声信号生成装置は、音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する音場情報抽出部をさらに含んでいてもよい。かかる構成によれば、音場情報抽出部は音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する。その結果、入力される音声データから音場を再生するための音声情報および音源位置情報を抽出することができる。
変換部は、n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換してもよく、n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換してもよい。かかる構成によれば、変換部は、複数の仮想音源を所定の範囲の中央に配置するように変換し、または複数の仮想音源を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換する。その結果、仮想音源を集約しても違和感のない音場を再生することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴者位置を含む想定受聴領域に再生する音場再生装置であって:所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換部と;音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成部と;mチャネルの音声信号を波面合成し、mチャネルの音声を出力することで、想定受聴者位置を含む想定受聴領域に音場を再生する音声出力部と;を含むことを特徴とする、音場再生装置が提供される。
かかる構成によれば、変換部は所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成し、音声信号生成部は、音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成し、音声出力部はmチャネルの音声信号を波面合成し、mチャネルの音声を出力することで、想定受聴者位置を含む想定受聴領域に音場を再生する。その結果、n個の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約することで、音声信号生成装置の構成がコンテンツ制作者の想定する構成と異なっている場合であっても、コンテンツ制作者の想定通りのまたは想定したものに近い音場を空間内に再生するための音声信号を生成し、生成した音声信号に基づく音声を出力することによって、コンテンツ制作者の想定通りのまたは想定したものに近い音場を空間内に再生ことができる。
上記音場再生装置は、音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する音場情報抽出部をさらに含んでいてもよい。かかる構成によれば、音場情報抽出部は音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する。その結果、入力される音声データから音場を再生するための音声情報および音源位置情報を抽出することができる。
変換部は、n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換してもよく、n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換してもよい。かかる構成によれば、変換部は、複数の仮想音源を所定の範囲の中央に配置するように変換し、または複数の仮想音源を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換する。その結果、仮想音源を集約しても違和感のない音場を再生することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴者位置を含む想定受聴領域に再生するための音声信号を生成する音声信号生成方法であって:所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換ステップと;音声情報および音源位置情報と、変換ステップで生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成ステップと;を含むことを特徴とする、音声信号生成方法が提供される。
かかる構成によれば、変換ステップは所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成し、音声信号生成ステップは、音声情報および音源位置情報と、変換ステップで生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する。その結果、n個の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約することで、音声信号生成装置の構成がコンテンツ制作者の想定する構成と異なっている場合であっても、コンテンツ制作者の想定通りのまたは想定したものに近い音場を空間内に再生するための音声信号を生成することができる。
上記音声信号生成方法は、音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する音場情報抽出ステップをさらに含んでいてもよい。かかる構成によれば、音場情報抽出ステップは音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する。その結果、入力される音声データから音場を再生するための音声情報および音源位置情報を抽出することができる。
変換ステップは、n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換してもよく、n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換してもよい。かかる構成によれば、変換ステップは、複数の仮想音源を所定の範囲の中央に配置するように変換し、または複数の仮想音源を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換する。その結果、仮想音源を集約しても違和感のない音場を再生することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴者位置を含む想定受聴領域に再生するための音声信号を生成するコンピュータプログラムであって、コンピュータに:所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換ステップと;音声情報および音源位置情報と、変換部で生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成ステップと;を含む処理を実行させるための、コンピュータプログラムが提供される。
かかる構成によれば、変換ステップは所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために音声情報および音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成し、音声信号生成ステップは、音声情報および音源位置情報と、変換ステップで生成した集約音声情報および集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する。その結果、n個の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約することで、音声信号生成装置の構成がコンテンツ制作者の想定する構成と異なっている場合であっても、コンテンツ制作者の想定通りのまたは想定したものに近い音場を空間内に再生するための音声信号を生成することができる。
上記コンピュータプログラムは、音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する音場情報抽出ステップをさらに含んでいてもよい。かかる構成によれば、音場情報抽出ステップは音声データから音声情報および音源位置情報を抽出する。その結果、入力される音声データから音場を再生するための音声情報および音源位置情報を抽出することができる。
変換ステップは、n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換してもよく、n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換してもよい。かかる構成によれば、変換ステップは、複数の仮想音源を所定の範囲の中央に配置するように変換し、または複数の仮想音源を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換する。その結果、仮想音源を集約しても違和感のない音場を再生することができる。
以上説明したように本発明によれば、オーディオシステムがどのような構成を有していても最適な音場を形成することが可能な、新規かつ改良された音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の構成について説明する。
まず、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の構成について説明する。
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置10は、光ディスク再生装置110と、逆多重化部114と、音声信号生成装置115と、アンプ150と、アレイスピーカ160と、字幕データ抽出部170と、字幕データ再生部172と、映像データ抽出部180と、映像再生部182と、字幕スーパーインポーズ部190と、表示部192と、を含んで構成される。そして、音声信号生成装置115は、音場情報抽出部120と、音声信号生成部130と、変換部140と、を含んで構成される。
光ディスク再生装置110は、光ディスク(図示せず)から信号を読み込むものである。逆多重化部114は、光ディスク再生装置110で読み取った信号に対して逆多重化処理を施し、映像データや音声データを抽出するものである。本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク再生装置で読み込む光ディスクは、CD−ROM、DVD−ROM、その他の数百メガバイト以上の大容量を有する光ディスクである。
音場情報抽出部120は、逆多重化部114で抽出した音声データから、仮想音源を形成するための音声情報および音源位置情報を抽出するものである。音声情報には、各仮想音源の種類や出力レベル、音の持続時間等の情報を含めることができる。音声信号生成部130は、音場情報抽出部120で抽出した音声情報および音源位置情報から、波面合成によって仮想音源を形成するための音声信号を生成するものである。
変換部140は、音場再生装置10の環境が、音場情報抽出部120で抽出した音声情報および音源位置情報に含まれる、予め想定された再生条件を満たさないものである場合に、再生条件を満たすように音声情報や音源位置情報の変換を行うものである。音場再生装置10の環境が再生条件を満たさない場合とは、例えばアレイスピーカ160を構成するスピーカの数がコンテンツに含まれる音声を出力するために必要なスピーカの数と合わない場合や、音場再生装置10の再生能力が、コンテンツ制作者が想定した再生能力より劣っている場合、コンテンツ制作者が想定する受聴者の位置が音場再生装置10の想定受聴者位置と異なっている場合などを指す。音声情報や音源位置情報の変換方法については後に詳述する。
アンプ150は、音声信号生成部130で生成された音声信号を、アレイスピーカ160での再生のために増幅するものである。アレイスピーカ160は、本発明の音声出力部の一例であり、m個のスピーカユニット(図示せず)から音声を出力するものである。アレイスピーカ160から出力される音声は、波面合成されて干渉のない波面を形成する。また、アレイスピーカ160からは面合成によって音声を出力することで、空間上に仮想的に音源を配し、その音源から音声が発せられているような音場を再生することができる。
字幕データ抽出部170は、逆多重化部114で逆多重化した信号から字幕データを抽出する。字幕データ再生部172は、字幕データ抽出部170で抽出した字幕データの再生を行う。映像データ抽出部180は、逆多重化部114で逆多重化した信号から映像データを抽出する。映像再生部182は、映像データ抽出部180で抽出した映像データの再生を行う。字幕スーパーインポーズ部190は、映像データに字幕データを重ね合わせる処理を行う。表示部192は、字幕データが重ね合わされた映像データを表示する。
以上、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の動作について説明する。
光ディスク再生装置110に光ディスクが挿入されると、光ディスク再生装置110で光ディスクから信号を読み取る。読み取った信号データは逆多重化部114に送られ、逆多重化処理が行われて複数の信号となる。逆多重化部114で逆多重化された信号は、音場情報抽出部120、字幕データ抽出部170および映像データ抽出部180に送られる。そして音場情報抽出部120では、アレイスピーカ160から音声を再生することで再現する音場に関する情報の抽出を行い、字幕データ抽出部170では字幕データの抽出を行い、映像データ抽出部180は映像データの抽出を行う。
音場情報抽出部120で抽出する音場に関する情報とは、例えば波面合成によって仮想音源を形成する際の仮想音源の位置情報や、仮想音源が出力する音声に関する音声情報などが含まれる。音場情報抽出部120で抽出した情報は音声信号生成部130に送られ、音声信号生成部130において波面合成によって仮想音源を形成するための音声信号が生成される。
ここで、音声信号を生成する際に、コンテンツ制作者が想定した音場に関する条件と、音場再生装置10が有する条件が異なる場合には、コンテンツ制作者が想定した条件に一致する、またはなるべく近くなるように、変換部140において音声信号の変換処理を行う。音声信号の変換処理を含めた音声信号生成方法については後述する。
音声信号生成部130で生成された音声信号は、アンプ150に送られる。アンプ150に送られた音声信号は、アンプ150において増幅処理が行われ、アレイスピーカ160に送られる。アレイスピーカ160は、アンプ150から送られた音声信号を基に音声を出力する。アレイスピーカ160から出力される音声は、波面合成によって干渉の無い波面が形成され、受聴者は、あたかも空間内に音源が仮想的に配されているような音声を楽しむことができる。
また、字幕データ抽出部170で抽出した字幕データは、字幕データ再生部172に送られて字幕の再生が行われ、映像データ抽出部180で抽出した映像データは、映像再生部182で映像の再生が行われる。そして、字幕スーパーインポーズ部190において映像に字幕データが重ね合わされ、表示部192に字幕データが重ね合わされた映像が表示される。もちろん、字幕データが存在しないコンテンツであれば、字幕データを重ね合わせずに映像を表示してもよい。
以上、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の動作について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる音声信号生成方法について説明する。
光ディスク再生装置110で読み込む光ディスクには、少なくとも複数の音源の位置情報と音声情報とが音声データとして多重化されて記録されている。図2は、本発明の第1の実施形態にかかる音声データの構成例について説明する説明図である。図2に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる音声データは、1つの波面合成データセル31、32・・・という単位で、音場を再生するためのデータが含まれている。音場再生装置10は、光ディスク再生装置110でセルを順次読み込むことで映像や音声を再生する。
第1波面合成データセル31は、標準再生配置条件情報310と、音源数312と、音源1情報ヘッダ314aと、音源1データ314bと、・・・、音源n情報ヘッダ316aと、音源nデータ316bと、を含んで構成される。
標準再生配置条件情報310には、例えばアレイスピーカの条件や、想定する受聴者位置等が含まれる。アレイスピーカの条件には、例えばアレイスピーカを構成するスピーカの数や、スピーカ間の間隔等が含まれる。音源数312には音源の数が含まれる。例えば音源の数が3つであれば「3」という値が含まれる。
各音源のヘッダには、音源ID、音源位置とその更新情報、音源の指向特性とその更新情報、音源のレベル、音源の開始時刻と終了時刻、音源のデータ種別等が含まれる。音源IDは、それぞれの音源を識別するIDコードである。例えば、次に再生するセルである第2波面合成データセル32に、同じ音源IDが含まれていたら、それは続きのデータであることを示している。また、音源が移動したり、向きを変えたりするときは、その変化するタイミングの時刻や、変化する量、方向などをデータに含めることで、音源の変化を表すことができる。
音源のレベルには、レベルの単位種別(dB/リニア)とその値が含まれる。また、音源データ種別には、出力する音源の種別、例えばPCM(Pulse Code Modulation)、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)。MP3(MPEG−1 Audio Layer−3)、AAC(Advanced Audio Coding)などが含まれる。
音場再生装置10は、光ディスクからこのようなセルに格納されたデータを順次読み取り、波面合成によってアレイスピーカ160から音声を出力することで、空間内に仮想音源からなる音場を再現する。
図3は、インテンシティステレオ方式と波面合成方式とにおいて、受聴者が音源を知覚する位置の違いについて説明する説明図である。図3の(a)は、インテンシティステレオ方式による受聴者の音源知覚位置について説明するものであり、図3の(b)は、波面合成方式による受聴者の音源知覚位置について説明するものである。
図3に示したように、インテンシティステレオ方式では、受聴者が左右のスピーカの中央位置に入る時のみ、コンテンツ制作者が意図した位置に音像を知覚することができる。一方、波面合成方式では、受聴者の位置がアレイスピーカの中心線上で無くても、コンテンツ制作者が意図した位置に音像を知覚することができる。
しかしながら、波面合成によって仮想音源を形成するには、アレイスピーカ160を構成するスピーカの数だけ波面合成を行うための畳み込み演算を行わなければならない。従って、再現する音源の数が増えれば増えるほど、演算量も増えていくことになる。
しかし、音場再生装置の構成が、コンテンツを制作したコンテンツ制作者が想定する構成とは異なる場合が十分考えられる。音場再生装置10の構成によっては、光ディスクで読み取った音声データに基づいて音場を再生するだけの演算能力が十分でない場合や、アレイスピーカ160を構成するスピーカの数が合わない場合がある。このような場合で無理に音場を再生しようとすると、コンテンツ制作者の想定通りの音場が再生されないおそれがある。また、音源情報の中には直接音とその反射音のように関連性のある音源が存在することがある。このように、関連性のある複数の音源を1つにまとめることによって、演算量を少なくすることができる。
そこで、本発明の第1の実施形態においては、音場再生装置の構成がコンテンツ制作者の想定とは異なる場合に、仮想音源を集約することでコンテンツ制作者の想定に近い音場を再現する音場再生装置について説明する。
波面合成による音場生成では、受聴者からの見開き角度が3度程度に仮想音源が配置されている場合に、音像を分離して知覚できることが分かっている。そのため、受聴者からの見開き角度が3度程度に接近した位置に仮想音源を配置したコンテンツを制作することができる。しかし、仮想音源の数の増加に伴って演算量が多くなり、演算処理が不可能である場合には、音声信号を生成する際に、n個の仮想音源をn−1個以下の仮想音源に集約する処理を行うことで、コンテンツ制作者の想定に近い音場を再現する。
例えば、受聴者からみて複数の仮想音源の見開き角度が8度以内であれば、それらの仮想音源を1または2以上の仮想音源にまとめる処理を行う。
ここで、受聴者からアレイスピーカに向かう方向(以後「奥行き方向」とも称する)の音源位置弁別能力Δr[m]は、受聴者から音源までの距離rが3m程度までの場合は0.15r程度であり、受聴者から音源までの距離rが3〜15m程度の場合は0.25r程度であることが知られている(イェンス・ブラウエルト他「空間音響」鹿島出版会、pp.116〜117)。つまり、複数の仮想音源をまとめる際の奥行き方向の距離を音源位置弁別能力程度とすると、奥行き方向の距離は受聴者から仮想音源までの距離rに依存することとなり、rに掛かる係数も3m付近を境に変化する。本実施形態においては、簡単化するために、奥行き方向の距離を0.2rとして仮想音源を集約する処理について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理の一例について説明する説明図である。図4では、仮想音源Aと、仮想音源Bとを1つの仮想音源に集約する場合を示している。
図4に示した例においては、仮想音源Aと仮想音源Bとが、想定受聴者位置から見て8度程度離れており、奥行き方向には0.2r程度離れている。よって、仮想音源Aと仮想音源Bを1つの仮想音源に集約することで、音場再生装置10が音場を再生するだけの演算能力を有していない場合でも、空間上に音場を再生することが可能となる。
図5は、本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理の一例について説明する流れ図である。以下、図5を用いて本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理について説明する。
光ディスクから音声データを読み込むと、音声信号生成部130において、読み込んだ音声データを再生できるだけの演算能力を音場再生装置10が有しているかどうかを判断する(ステップS110)。読み込んだ音声データを再生できるだけの演算能力を音場再生装置10が有していない場合には、読み込んだ音声データを再生するために仮想音源の集約処理を変換部140で行う。
仮想音源を集約する際には、まず2つの仮想音源間の見開き角度が8度以内であり、奥行き方向でΔr(=0.2r)以内に入っている仮想音源の選出を行う(ステップS120)。ここで選出された仮想音源が変換部140での集約処理の対象となる。
仮想音源を選出すると、次に選出した仮想音源の加算を行う(ステップS130)。選出した仮想音源を加算することで集約仮想音源が生成され、複数の仮想音源を1つの仮想音源に集約して出力することができる。
仮想音源の加算を行うと、次に加算した仮想音源の配置位置を決定する。本実施形態においては、選出した仮想音源間の中央に、2つの仮想音源を加算して生成した集約仮想音源を配置する(ステップS140)。そして、このようにして配置した集約仮想音源と、その他の仮想音源とを波面合成を行う(ステップS150)。
このように、所定の範囲内に位置する仮想音源を集約して集約仮想音源を生成することで、音場再生装置が十分な処理能力を有していない場合でも、波面合成によって空間内に仮想音源を生成することが可能となり、受聴者は、音場再生装置から発せられる臨場感のある音声を楽しむことができる。
以上、本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理について説明した。なお、図4および図5に示した集約処理の一例では、2つの仮想音源を1つの仮想音源に集約する処理について説明したが、集約するパターンはかかる例に限られず、集約仮想音源の配置位置も、仮想音源間の中央以外に配置してもよい。また、集約処理は一度だけでなく、音場再生装置が有する処理能力で音場を再生することができるようになるまで繰り返し行うようにしてもよい。
さて、図4および図5では、所定の範囲内に存在する2つの仮想音源を集約して集約仮想音源を生成し、仮想音源間の中間点(中央)に集約仮想音源を配置する場合について説明したが、続いて、別の集約仮想音源の生成方法について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理の別の例について説明する説明図である。図6では、仮想音源Aと、仮想音源Bと、仮想音源Cとを1つの仮想音源に集約する場合について示している。
図6に示した例においては、仮想音源A、仮想音源Bおよび仮想音源Cが、想定受聴者位置から見て8度程度以内に配置されており、さらに奥行き方向には0.2r程度以内に配置されている。ここで、仮想音源Aの出力レベルが一番大きい音源であるとすると、出力レベルの一番大きい仮想音源Aが配置されている場所に、残りの仮想音源Bおよび仮想音源Cを集約することで、音場再生装置10が音場を再生するだけの演算能力を有していない場合でも、空間上に音場を再生することが可能となる。
図7は、本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理の別の例について説明する流れ図である。以下、図7を用いて本発明の第1の実施形態にかかる仮想音源の集約処理について説明する。
光ディスクから音声データを読み込むと、音声信号生成部130において、読み込んだ音声データを再生できるだけの演算能力を音場再生装置10が有しているかどうかを判断する(ステップS210)。読み込んだ音声データを再生できるだけの演算能力を音場再生装置10が有していない場合には、読み込んだ音声データを再生するために仮想音源の集約処理を変換部140で行う。
仮想音源を集約する際には、まず音源の出力レベルが周囲の仮想音源よりも大きい仮想音源を中心として、最も離れている2つの仮想音源間の見開き角度が8度以内であり、奥行き方向でΔr(=0.2r)以内に入っている仮想音源の選出を行う(ステップS220)。ここで選出された仮想音源が変換部140での集約処理の対象となる。
仮想音源を選出すると、次に選出した仮想音源の加算を行う(ステップS230)。選出した仮想音源を加算することで集約仮想音源が生成され、複数の仮想音源を1つの仮想音源に集約して出力することができる。
仮想音源の加算を行うと、次に加算した仮想音源の配置位置を決定する。ここでは、選出した仮想音源の中で最も出力レベルの大きい仮想音源位置に、3つの仮想音源の出力レベルを加算するようにして生成した集約仮想音源を配置する(ステップS240)。そして、このようにして配置した集約仮想音源と、その他の仮想音源とでアレイスピーカ160から波面合成を行って音声を出力する(ステップS250)。
このように、所定の範囲内に位置する仮想音源を集約して集約仮想音源を生成することで、音場再生装置が十分な処理能力を有していない場合でも、波面合成によって空間内に仮想音源を生成することが可能となり、受聴者は、音場再生装置から発せられる臨場感のある音声を楽しむことができる。なお、図6および図7に示した集約処理の例においても、図4および図5で示した集約処理の例と同様に、集約処理は一度だけでなく、音場再生装置が有する処理能力で音場を再生することができるようになるまで繰り返し行うようにしてもよい。
以上、本発明の第1の実施形態にかかる音声信号生成方法について説明した。なお、本実施形態においては、仮想音源を集約する際の基準となる見開き角度を8度としたが、本発明はこれに限られない。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、音場再生装置の構成がコンテンツ制作者の想定とは異なる場合に、仮想音源を集約することでコンテンツ制作者の想定に近い音場を再現することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、光ディスクから音源データを読み込んで、読み込んだ音源データが音場再生装置の条件と合致しない場合に、所定の範囲内に含まれる仮想音源を集約することでコンテンツ制作者の想定に近い音場を再現することができる音場再生装置について説明した。
本発明の第1の実施形態では、光ディスクから音源データを読み込んで、読み込んだ音源データが音場再生装置の条件と合致しない場合に、所定の範囲内に含まれる仮想音源を集約することでコンテンツ制作者の想定に近い音場を再現することができる音場再生装置について説明した。
しかし、音源データの提供は光ディスクからに限られない。本発明の第2の実施形態では、インターネットなどのネットワークから音源データを受信して音場を再現する音場再生装置において本発明を適用した場合について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態にかかる音場再生装置について説明する説明図である。以下、図8を用いて本発明の第2の実施形態にかかる音場再生装置について説明する。
図8に示したように、本発明の第2の実施形態にかかる音場再生装置20は、データ受信部210と、受信データ復号部212と、逆多重化部214と、アンプ250と、アレイスピーカ260と、字幕データ抽出部270と、字幕データ再生部272と、映像データ抽出部280と、映像再生部282と、字幕スーパーインポーズ部290と、表示部292と、を含んで構成される。そして、音声信号生成装置215は、音場情報抽出部220と、音声信号生成部230と、変換部240と、を含んで構成される。
ここで、逆多重化部214と、音場情報抽出部220と、音声信号生成部230と、変換部240と、アンプ250と、アレイスピーカ260と、字幕データ抽出部270と、字幕データ再生部272と、映像データ抽出部280と、映像再生部282と、字幕スーパーインポーズ部290と、表示部292と、は本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の各部と同一の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
データ受信部210は、インターネットなどのネットワークを介してデータの受信を行うものであり、本実施形態にかかるデータ受信部210は、外部から映像データや音声データが含まれるコンテンツの受信を行う機能を有する。
受信データ復号部212は、データ受信部210で受信したデータの復号処理を行うものである。ネットワークを介して送信されるコンテンツは、安全性を高めるためにデータの暗号化が施されている場合がある。そのような場合にはデータの復号処理を行うことで、音場再生装置20は受信したデータの処理を行うことができる。
以上、本発明の第2の実施形態にかかる音場再生装置の構成について説明した。次に、本発明の第2の実施形態にかかる音場再生装置の動作について説明する。
まず、データ受信部210がネットワーク経由で映像データや音声データが含まれるコンテンツを受信する。ネットワーク経由で送られてくるコンテンツは暗号化が施されている場合があり、その場合には受信データ復号部212で受信したコンテンツの復号化処理を行う。
復号化されたコンテンツは、逆多重化部214に送られて逆多重化処理が行われる。以後の処理は、本発明の第1の実施形態にかかる音場再生装置の動作と同一であるため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の第2の実施形態にかかる音場再生装置の動作について説明した。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、ネットワーク経由でコンテンツが送信されてきた場合に、音場再生装置の構成がコンテンツ制作者の想定とは異なる場合であっても、仮想音源を集約することでコンテンツ制作者の想定に近い音場を再現することができる。
なお、上述した処理は、音場再生装置または音声信号生成装置の内部に記憶部を設け、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを順次呼び出して実行されるようにしてもよい。記憶部として、各種のROM(Read Only Memory)を用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では音声信号生成装置115、215に音場情報抽出部120、220が含まれるように構成したが、本発明はこれに限られない。例えば、逆多重化部114,214で逆多重化を行って音源位置情報および音声情報を直接得ることができる場合には、音場情報抽出部を用いずに直接音声信号生成部130、230に音源位置情報および音声情報を入力してもよい。
10、20 音場再生装置
110 光ディスク再生装置
114、214 逆多重化部
115、215 音声信号生成装置
120、220 音場情報抽出部
130、230 音声信号生成部
140、240 変換部
150、250 アンプ
160、260 アレイスピーカ
170、270 字幕データ抽出部
172、272 字幕データ再生部
180、280 映像データ抽出部
182、282 映像再生部
190、290 字幕スーパーインポーズ部
192、292 表示部
212 受信データ復号部
110 光ディスク再生装置
114、214 逆多重化部
115、215 音声信号生成装置
120、220 音場情報抽出部
130、230 音声信号生成部
140、240 変換部
150、250 アンプ
160、260 アレイスピーカ
170、270 字幕データ抽出部
172、272 字幕データ再生部
180、280 映像データ抽出部
182、282 映像再生部
190、290 字幕スーパーインポーズ部
192、292 表示部
212 受信データ復号部
Claims (16)
- 音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴領域に再生するための音声信号を生成する音声信号生成装置であって:
所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために前記音声情報および前記音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換部と;
前記音声情報および前記音源位置情報と、前記変換部で生成した前記集約音声情報および前記集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成部と;
を含むことを特徴とする、音声信号生成装置。 - 前記音声データから前記音声情報および前記音源位置情報を抽出する音場情報抽出部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の音声信号生成装置。
- 前記変換部は、前記n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換することを特徴とする、請求項1に記載の音声信号生成装置。
- 前記変換部は、前記n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換することを特徴とする、請求項1に記載の音声信号生成装置。
- 音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴領域に再生する音場再生装置であって:
所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために前記音声情報および前記音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換部と;
前記音声情報および前記音源位置情報と、前記変換部で生成した前記集約音声情報および前記集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成部と;
前記mチャネルの音声信号を波面合成し、mチャネルの音声を出力することで、前記想定受聴領域に音場を再生する音声出力部と;
を含むことを特徴とする、音場再生装置。 - 前記音声データから前記音声情報および前記音源位置情報を抽出する音場情報抽出部をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の音場再生装置。
- 前記変換部は、前記n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換することを特徴とする、請求項5に記載の音場再生装置。
- 前記変換部は、前記n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換することを特徴とする、請求項5に記載の音場再生装置。
- 音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴領域に再生するための音声信号を生成する音声信号生成方法であって:
所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために前記音声情報および前記音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換ステップと;
前記音声情報および前記音源位置情報と、前記変換ステップで生成した前記集約音声情報および前記集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成ステップと;
を含むことを特徴とする、音声信号生成方法。 - 前記音声データから前記音声情報および前記音源位置情報を抽出する音場情報抽出ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の音声信号生成方法。
- 前記変換ステップは、前記n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換することを特徴とする、請求項9に記載の音声信号生成方法。
- 前記変換ステップは、前記n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換することを特徴とする、請求項9に記載の音声信号生成方法。
- 音声情報および音源位置情報が含まれる音声データを入力し、アレイ状に配されたm個のスピーカからなるアレイスピーカから音声を出力することで、仮想空間内に配された仮想音源からなる音場を現実空間の想定受聴領域に再生するための音声信号を生成するコンピュータプログラムであって、コンピュータに:
所定の範囲内に存在するn個(nは2以上の整数)の仮想音源群をn−1個以下の仮想音源群に集約するために前記音声情報および前記音源位置情報を変換して集約音声情報および集約音源位置情報を生成する変換ステップと;
前記音声情報および前記音源位置情報と、前記変換ステップで生成した前記集約音声情報および前記集約音源位置情報を用いて、波面合成によって仮想音源を形成するためのmチャネルの音声信号を生成する音声信号生成ステップと;
を含む処理を実行させるための、コンピュータプログラム。 - 前記音声データから前記音声情報および前記音源位置情報を抽出する音場情報抽出ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
- 前記変換ステップは、前記n個の仮想音源群を前記所定の範囲の中央に集約するように変換することを特徴とする、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
- 前記変換ステップは、前記n個の仮想音源群を一番出力レベルの大きい音源に集約するように変換することを特徴とする、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006330574A JP2008147840A (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | 音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラム |
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JP2006330574A Withdrawn JP2008147840A (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | 音声信号生成装置、音場再生装置、音声信号生成方法およびコンピュータプログラム |
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JP (1) | JP2008147840A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020053791A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | ソニー株式会社 | 情報処理装置、および情報処理方法、プログラム、情報処理システム |
CN112970269A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-06-15 | 索尼集团公司 | 信号处理设备、方法和程序 |
-
2006
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020053791A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | ソニー株式会社 | 情報処理装置、および情報処理方法、プログラム、情報処理システム |
US11546713B2 (en) | 2018-09-26 | 2023-01-03 | Sony Corporation | Information processing device, information processing method, program, and information processing system |
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