JP2011145238A - X線分析用表示処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4以上の多数の元素の中から相解析を行う3元素を簡便に且つ的確に選択できるようにする。
【解決手段】分析者により指定された6元素をx、y、z軸の原点を中心とする+x、+y、+z、−x、−y、−zの各方向に割り当て、8個の象限の各空間に、分析した各微小領域の3元素のX線強度データをプロットした3次元散布図(XYZ表示)を表示部の画面上に表示させる。3次元散布図上で分析者が任意の位置をクリック操作すると、その位置に応じた3元素が選択され、3次元散布図は、選択された3元素の3元散布図を底面としそれに直交する方向に3元素の強度和をとった三角柱状のグラフ(トライアングル表示)に変更される。同時に、相解析画面には選択された3元素の3元散布図が表示され、該散布図を用いて相解析が可能となる。これにより、簡便な操作で6元素中の任意の3元素の組み合わせを選択することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、電子線プローブマイクロアナライザ、走査電子顕微鏡、蛍光X線分析装置等、電子線やX線などを励起線として試料から放出されるX線を検出するX線分析装置において、マッピング分析の結果を表示するための表示処理装置に関する。
電子線プローブマイクロアナライザ(以下、「EPMA」と称す)では、マッピング分析を行うことにより、試料上の2次元領域内の微小領域毎に含有元素の種類と量とを調べることができる。マッピング分析で得られた結果を解析する際には、2元素又は3元素についての特性X線強度の散布図を作成し、その図上でのプロット点の分布から、試料に含まれる化合物の種類や含有割合を確認する手法、即ち、相解析(相分析も同義)が頻繁に用いられる。
図11は一般的な2元散布図の表示例であり、横軸にAlの特性X線強度、縦軸にCaの特性X線強度を割り当てている。図上の1つのデータ点は試料上の或る1箇所の微小領域に対応している。ここでは、Al、Caの2元素の少なくともいずれか一方を含む化合物が複数含まれることで、2元散布図には、プロット点の密度が高い領域が複数現れている。
図12は3元散布図(3元系状態図とも呼ばれる)の表示例とその説明図である(特許文献1、非特許文献1など参照)。図12(b)に示すように、3元散布図は正三角形状のグラフの各辺をそれぞれ異なる元素の強度軸(A軸、B軸、C軸)に割り当てたもので、マッピング分析における或る微小領域のデータを対応する強度位置にプロットする。このプロット位置を一意に定めるためには、データ点毎に3元素の強度の合計を規格化する必要がある。そこで、3元素の強度の合計が100%になるように各元素の強度を規格化している。即ち、A軸、B軸、C軸の強度軸はそれぞれ0〜100%の範囲を表し、3元素の強度をそれぞれI1、I2、I3、3元素の強度の和をIsumとすると、データ点のプロット位置は(I1/Isum、I2/Isum、I3/Isum)である。
試料上の2次元領域内の各微小領域で得られたデータ点を3元散布図中に位置付けると、例えば図12(a)に示すようになる。図12(a)に示した3元散布図中で、1つのデータ点は試料上の或る1箇所の微小領域に対応している。ここでは、Al、Si、Caの3元素の少なくともいずれかを含む化合物が複数含まれることで、3元散布図には、プロット点の密度が高い領域が複数現れている。これらの領域における3元素の含有比率から、化合物を同定することができる。
多数の元素が試料に含まれる場合には、分析者はいずれの元素組み合わせについて相解析すべきかを判断する必要がある。そこで、図13に示したように、異なる2元素組み合わせに対する2元散布図をマトリクス状に一覧表示し、その中から分析者が一つを選択して解析できるようにした装置が従来知られている。例えば図13において矢印で示す1つの2元散布図をマウス等によりクリック操作する(つまりAlとCaとの2元素が選択される)と、図11に示したような詳細な2元散布図を別の画面に表示し、詳細な相解析が実施できるようになっている。
2元素の選択は上記のように従来簡便に行えるのに対し、図12に示したような3元散布図のための3元素を簡便に選択する方法は従来提案されていない。このため、分析者は、例えば2元散布図の比較やマッピングデータ一つ一つの比較を行いながら解析すべき元素を選定する必要があり、非効率的であるのみならず、分析者に或る程度の熟練や経験がないと適切な判断が行えないという問題がある。
特開平11−269584号公報
「EPMAによる相分析カラーマップ」、[平成21年12月9日検索]、株式会社ユービーイー科学分析センター、インターネット<URL : http://www.ube-ind.co.jp/usal/service/local/s268b.pdf>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、3元散布図を用いて3元素の相解析を行う場合に、多数の元素の中から解析すべき3元素を簡便に且つ的確に選定することが可能なX線分析用表示処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料上で励起線の照射位置を1次元的又は2次元的に移動させつつ励起線照射部位から放出されたX線を順次検出することにより、試料中の各元素のマッピング分析が可能なX線分析装置にあって、試料上の1次元領域又は2次元領域内の多数の微小領域からそれぞれ得られたデータを処理して表示部に表示するX線分析用表示処理装置であって、
a)指定された4以上の元素から任意に選択された3元素の絶対的な又は相対的な強度情報をそれぞれ軸とする2次元領域又は3次元空間に、微小領域毎に取得されたその3元素に対するX線強度データに基づくデータ点がプロットされてなる散布図を、複数の3元素組み合わせに対してそれぞれ作成し、それら散布図を関連付けて空間的に配置することで形成した3次元散布図を、表示画面上に3次元表示する3次元表示処理手段と、
b)表示画面に表示された3次元散布図上で分析者が任意の位置を指示するための位置指示手段と、
c)前記位置指示手段により3次元散布図上で指示された位置に対応した3元素の組み合わせを選択し、その3元素の3元散布図を表示画面上に表示する3元素選択手段と、
を備えることを特徴としている。
本発明の一態様は、前記3次元散布図が、互いに直交するx、y、zの3軸上で原点を中心に+x、+y、+z、−x、−y、−zの6方向にそれぞれ異なる元素の強度情報をとった3次元的なグラフであり、前記位置指示手段は前記グラフの8象限のいずれか1つを仮想的に指示するものである構成とすることができる。
即ち、この構成では、x、y、zの3軸から構成される3次元空間内に最大で6元素、8種類の3元素組み合わせのX線強度データがプロットされ、8個の3次元的な象限が異なる3元素組み合わせにそれぞれ対応する。位置指示手段によりグラフ上の任意の位置が指示されたとき、3元素選択手段は、その時点で表示画面上に表示されているグラフのx、y、z軸の位置と指定された点の位置とから選択された象限を推定し、3元素の組み合わせを決定する。そして、その3元素の3元散布図を3次元散布図と同一ウインドウ内又は別のウインドウ内に表示する。分析者はこの3元散布図を用い、その3元素の相解析を実行することができる。
3元素選択手段は指示された位置に応じて8象限のいずれか1つを選択するために、例えば、そのときの3次元散布図の視野方向(つまりは表示画面上の軸の位置)に応じて2次元的に表示された該3次元散布図中の領域を2以上に区分し、その区分領域と象限とを対応付けておく。そして、或る区分領域内が指示されたならば、その区分領域に対応した象限が指定されたものとみなすとよい。この場合、或る1つの視野方向においては手前側の象限に隠れてしまう向こう側の象限は選択ができないが、3次元散布図の視野方向を変えることにより全ての象限を選択することが可能である。
また本発明の別の態様は、前記3次元散布図が、三角錐の4つの頂点にそれぞれ異なる元素を割り当て、4つの面にそれぞれ異なる3元散布図を配置した3次元的なグラフであり、前記位置指示手段は4つの面のうちの1つを指示するものである構成とすることができる。即ち、この構成では、三角錐の各面上にのみ3元素組み合わせのX線強度データが存在するから、2次元的に表示された3次元散布図の各面のいずれかを指定することで4種の3元素組み合わせのいずれかを指定することができる。
本発明に係るX線分析用表示処理装置によれば、複数の3元素組み合わせのX線強度情報、つまり3次元散布図を表示画面上に表示させた状態で、分析者が適当な3元素を簡便に選択することができる。即ち、従来、2元素選択で行っていたような視覚的な分析結果の確認を網羅的に行いながらの元素組み合わせの選択を3元素でも行うことができるようになる。それにより、相解析のための3元素の選択を行うのに、分析者の経験や熟練に頼る要素が減り、より的確な解析を効率的に進めることができる。また、マウス(又は他のポインティングデバイス)のクリック操作等、簡単な操作で3元素の選択が可能であるため、適切でない選択を行った際の再選択なども容易に行える。
本発明の一実施例である表示処理装置を用いたEPMAの要部の構成図。 本実施例のEPMAで表示される元素選択画面の一例を示す図。 本実施例のEPMAで表示される相解析画面の一例を示す図。 本実施例のEPMAで表示されるXYZ表示画面の一例を示す図。 本実施例のEPMAで表示されるトライアングル表示画面の一例を示す図。 本実施例のEPMAで表示されるピラミッド表示画面の一例を示す図。 XYZ表示グラフの説明図。 トライアングル表示グラフの説明図。 ピラミッド表示グラフの説明図。 本実施例のEPMAにおける表示画面上での3元素選択の手順と画面遷移の説明図。 一般的な2元散布図の表示例を示す図。 一般的な3元散布図の表示例(a)及びその説明図(b)。 従来の2元素選択のための2元散布図のマトリクス状一覧表示の一例を示す図。
本発明に係る表示処理装置を用いたEPMAの一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例によるEPMAの概略構成図である。
図1において、電子線照射部1は電子銃2や図示しない偏向コイル等を含み、微小径の電子線を試料ステージ4上に載置された試料3に照射する。電子線を受けて、試料3の表面から元素に特有の波長を有する特性X線が放出される。この特性X線は分光結晶5で波長分散され、特定の波長の回折X線がX線検出器6で検出される。例えば試料3上の電子線照射位置と分光結晶5とX線検出器6とは常にローランド円上に位置しており、図示しない駆動機構により分光結晶5は直線的に移動しつつ傾斜され、この移動に連動してX線検出器6は回動される。これにより、ブラックの回折条件を満たすように、つまり分光結晶5に対する特性X線の入射角と回折X線の出射角とが等しい状態が維持されつつ分析対象のX線の波長走査が達成される。X線検出器6によるX線強度の検出信号はデータ処理部9に入力され、データ処理部9は、波長走査に応じたX線スペクトルを作成する。
試料ステージ4は試料ステージ駆動部7によりx軸、y軸の二軸方向に移動可能であり、この移動により試料3上での電子線照射位置は走査される。分析制御部8は試料3に対する分析を実行するために、試料ステージ駆動部7、分光結晶5やX線検出器6を移動させる駆動機構、データ処理部9などの動作を制御する。中央制御部10には、分析者(オペレータ)が指示を与えるためのキーボードやマウス(又はそれ以外のポインティングデバイス)を含む操作部12や、分析者に分析結果等の情報を提供する表示部13が接続され、分析条件の設定などを行うとともに分析結果などを出力する機能を有する。通常、中央制御部10、分析制御部8、及びデータ処理部9の全て又は一部は、パーソナルコンピュータ(PC)により構成され、PCにインストールされた専用の制御/処理ソフトウエアを実行することでそれぞれの機能が達成される。
このEPMAにおいてマッピング分析を行う際には、分析制御部8の制御の下に、試料3上の任意の(分析者により指定された)2次元領域内で電子線照射位置を走査しつつ特性X線の検出を繰り返すことにより、その2次元領域内に設定された微小領域毎にX線スペクトルを作成する。各種元素はそれぞれ特有の波長(エネルギー)の特性X線を放出するから、X線スペクトル上で特定波長のピークを検出し、そのピーク強度を求めることにより、特定の元素の強度(濃度)が得られる。これにより、2次元領域内の微小領域毎に、含有元素の強度データを取得することができ、それがデータ処理部9内のデータ保存部90に格納される。
中央制御部10にその機能の一部として含まれる表示処理部11は、分析者による操作部12の操作に応じて、データ保存部90に格納されている強度データを利用して特徴的な3次元の散布図などを作成し、表示部13の画面上に表示する。以下、分析者が相解析を実行する際に、表示処理部11を中心に行われる描画処理について詳述する。
分析者が相解析を行うために操作部12で所定の操作を行うと、表示処理部11は、図3に示すような相解析画面(ウインドウ)20を表示部13の画面上に表示する。相解析画面20には、状態図(平衡状態図、相図)のグラフ表示領域21と2元又は3元散布図のグラフ表示領域22とが設けられている。但し、図3は後述するような処理が行われた後の画面を示す図であり、上記のように相解析画面が開かれた初期状態ではグラフ表示領域21、22には何も表示されないか、デフォルトで定められたグラフなどが表示されるだけである。
この相解析画面20上で分析者が[3次元表示]アイコン23をマウス等によりクリック操作すると、この指示を受けた表示処理部11は、図2に示す元素選択画面(ウインドウ)30を相解析画面20の上に重ねて(又は別の位置に)表示する。この例では、表示する元素を最大6元素まで指定することができるようになっている。具体的には、6個の元素選択ボタン31をマウス等でクリックすることにより、予め用意された複数の元素の中から任意の元素を選択する。図2は、Al、Ca、Si、C、Cu、Feの6種の元素が選択された状態である。選択された順序が後述する表示の際の優先順位となる。
元素選択の操作を終えた後に分析者がマウス等により「OK」ボタン32をクリックすると、表示処理部11は選択された元素を確定させ、元素選択画面30を閉じ、その代わりに図4に示すような3次元散布図画面(ウインドウ)40を新たに開いて相解析画面20の上に重ねて表示する。
3次元散布図画面40にはグラフ表示領域41が設けられており、この領域41に3次元散布図(グラフ)が表示される。3次元散布図には、XYZ表示、トライアングル表示、ピラミッド表示の3種のグラフがあり、これらはグラフ表示領域41上部のグラフスタイル選択枠内に設けられた、[XYZ]ボタン42、[トライアングル]ボタン43、及び[ピラミッド]ボタン44をマウス等でクリック操作することにより、択一的に選択可能である。選択されたグラフスタイルのボタン42、43、44は他とは異なる表示色となる。図4はXYZ表示グラフが選択された状態であり、元素選択画面30で「OK」ボタン32がクリック操作されたあとに開かれる3次元散布図画面40では、自動的にXYZ表示となるように設定されている。
図7はXYZ表示グラフの簡単な説明図である。XYZ表示グラフは、3次元空間内で互いに直交するx、y、zの各軸について原点を始点とする+x、+y、+z、−x、−y、−zの6方向に、元素選択画面30で選択された最大6個の元素の優先順位に従ってそれぞれ元素の強度をとったグラフである。図4の例では、+x、+y、+z、−x、−y、−zの各方向にそれぞれ、Al、Ca、Si、C、Cu、Feの各元素の強度が対応付けられている。x、y、zの3軸によって、3次元空間は8個の3次元的な象限に区分される。各象限は上記6元素のうちのいずれかの3つの元素の強度軸から成る空間である。図7では+x、+y、+zで囲まれる第1象限を模式的に直方体で示している。
したがって、XYZ表示グラフの空間内には、最大6元素で、それら元素の中で任意の3元素を抽出した8個の3元素組合せのデータが表示される。1個のデータ点は、マッピング分析で得られた試料3上の或る1点(微小領域)における3元素の強度(又は濃度)を表す。例えば図7で示した第1象限に位置するデータ点は、試料3上の或る1点における+x、+y、+zに対応付けられた3元素の強度を表す。全てのデータ点は象限毎に相違する色とされており、データ点がいずれの象限に存在するか、即ち、いずれの3元素組み合わせで表されるかの視認が容易である。
XYZ表示グラフに限らず、グラフ表示領域41内に表示される3次元グラフは、縦方向スライダ45及び横方向スライダ46の操作により回転可能である。即ち、縦方向スライダ45を上下に動かすとz軸が−90°〜90°の範囲で傾くようにグラフ全体が回転し、横方向スライダ46を左右に動かすとグラフ全体がz軸の周りを360°回転する。これによって、任意の視野方向(角度)から見たグラフを描出することができるから、例えば図4に示したグラフにおいて裏側に隠れている、例えばSi、C、Cuの3元素の強度データも容易に確認することができる。また、拡大ボタン47、縮小ボタン48をクリック操作することで、グラフを拡大又は縮小することもできる。
図4の状態で分析者が[トライアングル]ボタン43をクリック操作すると、表示処理部11は、グラフ表示領域41内に表示されるグラフを、図5に示すようなトライアングル表示に切り替える。図8はトライアングル表示グラフの簡単な説明図である。図8に示すように、トライアングル表示は、図12(a)に示したような通常の平面的な3元散布図に対し、その平面に直交する方向に、規格化していない3元素の強度の合計値を示す軸(図8(b)のD軸)を追加することで3次元化したものである。即ち、このグラフは、図8(b)に示すように、通常の3元散布図を底面とする三角柱形状となり、その三角柱形状の空間内にデータ点が位置する。3つの元素(ここではE1、E2、E3)は最大6元素の中で上記優先順位に従って選ばれるが、その選択を切り替えることも可能であって、6元素の中の任意の3元素についてトライアングル表示を行うことができる。
底面の3つの強度軸(A軸、B軸、C軸)はそれぞれ0〜100%の強度割合を示す。したがって、データ点のプロット位置を底面に投影すると、その投影された点の位置は(I1/Isum、I2/Isum、I3/Isum)となる。一方、データ点の高さPは3元素の強度の和Isum(=I1+I2+I3)である。即ち、通常の平面的な3元散布図では元素強度の絶対値は表現されなかったのに対し、ここで表示される3次元3元散布図では、3元素の強度の和(絶対値)が表現される。通常の3元散布図では、3個の元素の含有比率が同一であって強度の和が相違する、つまり絶対量が相違するデータ点は同じ位置にプロットされて区別ができない。それに対し、このトライアングル表示では、3個の元素の含有比率が同一であっても強度の和が相違すれば、データ点は異なる高さPの位置にプロットされるため、視覚的に明瞭に区別可能である。
図4又は図5の状態で分析者が[ピラミッド]ボタン44をクリック操作すると、表示処理部11は、グラフ表示領域41内に表示されるグラフを、図6に示すようなピラミッド表示に切り替える。図9はピラミッド表示グラフの簡単な説明図である。ピラミッド表示は、最大6元素の中で上記優先順位に従った4つの元素(ここではE1、E2、E3、E4)を正三角錐の各頂点に割り当て、その正三角錐の4つの面それぞれに、通常の平面的な3元散布図を表示したものである。したがって、このグラフでは、データ点は正三角錐を構成する4つの平面上にのみ存在し、その内部空間には存在しない。
図6の例は、Al、Ca、Si、Cという4元素を正三角錐の頂点に割り当てたもので、Al、Ca、Siの3元散布図は裏側に隠れて見えない状態である。このピラミッド表示のグラフも上述したように縦方向スライダ45及び横方向スライダ46の操作により回転可能であるから、その操作によりAl、Ca、Siの3元散布図も確認することができる。
以上のように、本実施例のEPMAでは、多元素を含む試料のマッピング分析の結果を様々な形式の3次元散布図を用いて確認することができる。
分析者が相解析を行うには、適切な3元素を選択して詳細な3元散布図を相解析画面20のグラフ表示領域22に表示させる必要がある。そこで、本実施例のEPMAは、分析者が上述したような3次元散布図を視認しながら相解析の対象とする3元素を容易に選択することができる機能を備えている。この機能を概略的に説明すると、図4に示したXYZ表示のグラフ及び図6に示したピラミッド表示のグラフにおいて、任意の位置をマウス等でクリック操作すると、その位置に対応付けられた3元素が自動的に選択され、3次元散布図画面40はその3元素に対応したトライアングル表示に切り替わり、一方、相解析画面20のグラフ表示領域22にはその3元素に対応した平面的な3元散布図が表示されるというものである。
図10により一例を説明する。いま、図10(a)に示すように、図4に示したのと同様のXYZ表示のグラフが3次元散布図画面40に表示されているものとする。分析者は上述したようなグラフの回転機能などを利用して様々な方向からデータ点の分布を確認する。そして、相解析する3元素の組み合わせを決めたならば、その3元素に応じた象限を典型的に示す位置をクリック操作する。クリック操作された位置と選択される象限(つまりは3元素の組み合わせ)との対応関係は所定の計算アルゴリズムにより定められている。例えば図10の例の場合、点線Pよりも上方の領域内の任意の位置がクリック操作されると、E1、E2、E3の3元素組み合わせが選択され、点線Pよりも下方の領域内の任意の位置がクリック操作されると、E1、E2、E6の3元素組み合わせが選択される。この場合には、それ以外の3元素組み合わせは選択できない。
一方、例えばY軸が紙面に直交する(元素E2が手前側で元素E5が向こう側)ようにグラフが回転された状態では、x軸及びz軸で区画される4つの領域内の任意の位置をそれぞれクリック操作することで、E1、E2、E3の3元素組み合わせ、E2、E3、E4の3元素組み合わせ、E2、E4、E6の3元素組み合わせ、E1、E2、E6の3元素組み合わせ、の4種の3元素組み合わせが選択可能である。このようにグラフの回転位置によって最大4種の3元素組み合わせの選択が可能であり、グラフを適宜回転させることで8種類の全ての3元素組み合わせの選択が可能である。
図10の例において、E1、E2、E3の3元素組み合わせが選択されると、3次元散布図画面40のグラフ表示領域41中のグラフはE1、E2、E3の3元素に対応したトライアングル表示に切り替わる。図10(b)に示すように、このときの初期的なトライアングル表示は、強度軸(図8(b)中のD軸が画面(図では紙面)に直交する状態であり、見かけ上は平面的な3元散布図と同じである。もちろん、スライダ45、46による回転操作により、図5に示したように任意の方向から見たグラフにすることができる。
一方、同時に相解析画面20のグラフ表示領域22中にもE1、E2、E3の3元素に対応した平面的な3元散布図が表示される。図3はこの3元散布図が表示された状態を示したものである。これにより、相解析画面20において分析者がE1、E2、E3の3元素(図3の例ではAl、Ca、Si)の相解析を行うことができる。相解析では例えば、散布図上でクラスター(データ点の集合)などを指定し、元素同士が特定の関係を持つ領域毎に色分けした分布図(マッピング)を求めることができる。
また、図6に示したようなピラミッド表示グラフが3次元散布図画面40に表示されている場合には、そのグラフ上の4面の3元散布図内の任意の位置をクリックすると、その3元散布図に対応した3元素が選択され、上記と同様に、トライアングル表示への切り替え及び相解析画面20における3元散布図の表示が実行される。なお、ピラミッド表示の場合にはもともと4元素の強度しかグラフに反映されないから、元素選択画面30において5元素以上を選択した場合には、その優先順位を変更することで、ピラミッド表示に反映される4元素を変更させながら適切な3元素を見つければよい。
以上のように本実施例のEMPAでは、分析者が複数の3元素の散布図を一画面上で確認しながら、相解析に適切な3元素を簡便に選択することができる。これにより、従来、十分な経験や複合的な判断が必要であった3元素の選択の作業を、簡単に且つ的確に行うことが可能である。また、マウス等によるクリック操作だけで3元素の選択が可能であるため、例えば誤った元素を選択してしまった場合でも、トライアングル表示からXYZ表示又はピラミッド表示に戻って、別の元素組み合わせを簡単に選択し直すことができる。これにより、相解析を効率よく行うことができる。
なお、上記実施例はEPMAを例に挙げて説明したが、励起線は電子線に限らず、X線、イオン線など他の励起線を用いて試料上のマッピング分析が可能な様々なX線分析装置に適用することができる。
1…電子線照射部
2…電子銃
3…試料
4…試料ステージ
5…分光結晶
6…X線検出器
7…試料ステージ駆動部
8…分析制御部
9…データ処理部
90…データ保存部
10…中央制御部
11…表示処理部
12…操作部
13…表示部
20…相解析画面
21、22…グラフ表示領域
23…[3次元表示]アイコン
30…元素選択画面
31…元素選択ボタン
32…「OK」ボタン
40…3次元散布図画面
41…グラフ表示領域
42…[XYZ]ボタン
43…[トライアングル]ボタン
44…[ピラミッド]ボタン
45…縦方向スライダ
46…横方向スライダ
47…拡大ボタン
48…縮小ボタン

Claims (3)

  1. 試料上で励起線の照射位置を1次元的又は2次元的に移動させつつ励起線照射部位から放出されたX線を順次検出することにより、試料中の各元素のマッピング分析が可能なX線分析装置にあって、試料上の1次元領域又は2次元領域内の多数の微小領域からそれぞれ得られたデータを処理して表示部に表示するX線分析用表示処理装置であって、
    a)指定された4以上の元素から任意に選択された3元素の絶対的な又は相対的な強度情報をそれぞれ軸とする2次元領域又は3次元空間に、微小領域毎に取得されたその3元素に対するX線強度データに基づくデータ点がプロットされてなる散布図を、複数の3元素組み合わせに対してそれぞれ作成し、それら散布図を関連付けて空間的に配置することで形成した3次元散布図を、表示画面上に3次元表示する3次元表示処理手段と、
    b)表示画面に表示された3次元散布図上で分析者が任意の位置を指示するための位置指示手段と、
    c)前記位置指示手段により3次元散布図上で指示された位置に対応した3元素の組み合わせを選択し、その3元素の3元散布図を表示画面上に表示する3元素選択手段と、
    を備えることを特徴とするX線分析用表示処理装置。
  2. 請求項1に記載のX線分析用表示処理装置であって、
    前記3次元散布図は、互いに直交するx、y、zの3軸上で原点を中心に+x、+y、+z、−x、−y、−zの6方向にそれぞれ異なる元素の強度情報をとった3次元的なグラフであり、前記位置指示手段は前記グラフの8象限のいずれか1つを仮想的に指示するものであることを特徴とするX線分析用表示処理装置。
  3. 請求項1に記載のX線分析用表示処理装置であって、
    前記3次元散布図は、三角錐の4つの頂点にそれぞれ異なる元素を割り当て、4つの面にそれぞれ異なる3元散布図を配置した3次元的なグラフであり、前記位置指示手段は4つの面のうちの1つを指示するものであることを特徴とするX線分析用表示処理装置。
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