JP2011145002A - 不要弾処理システム、及び不要弾処理方法 - Google Patents

不要弾処理システム、及び不要弾処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性を確保しつつ小形軽量化を図り、設置作業も容易に行える爆発物処理システム及び方法を提供する。
【解決手段】耐爆容器本体51内の位置決め治具250に処理対象物200をセットし、耐爆容器本体51を位置決め治具260にセットして加熱チャンバ蓋20の取付ガイド27に固定プレート70をセットし、取付ガイド28に耐爆容器蓋部60をセットする。この加熱チャンバ蓋20を加熱チャンバ本体11に蓋ロック装置30により密閉状態で固着する。その後この加熱チャンバ内の空気を真空ポンプで抜き、加熱ヒータ40により加熱して処理対象物200を燃焼させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、不要弾の爆発を封じ込め、かつ抑制する不要弾処理システム及び方法に関し、例えば毒ガス弾をも安全に処理することができる不要弾処理システム及び方法に関するものである。
不要になった弾薬等の爆発物を処理する装置として、例えば特許文献1や特許文献2の装置があったが、何れも大きなもので、設置場所も限られていた。特許文献1には、底部開口部を有する球状の封じ込め容器が開示されており、爆薬を保持する加工物を昇降手段を通じて底部開口部から挿入して、加工物を所定の爆破位置に位置決めして、電気的に爆発させていた。
また、特許文献2には、トレーラーで運搬可能とした車輪付きの二重壁式鋼製爆発チャンバが記載されている。しかし、図面からも明らかなように、特許文献1以上の大型で、トレーラーも新幹線の車両を運搬するような非常に大型のもので、とても通常の道路を走行できるとは思えないようなものである。そして、使用に先立ってチャンバ内に粒状の衝撃減衰シリカ砂を入れ、頂部の開放扉より破壊すべき弾薬類を入れ、シリカ砂の上に載った状態にする構成であった。
そして、冷却用の水を入れた容器を弾薬類の周りに配置して加熱し、火薬を燃焼させる。燃焼がすむと再び頂部より次に処理する弾薬等を投入する。このように連続的な処理が可能に構成されていた。
米国特許公報第4085883号公報 特表2002−542444号公報
しかしながら、特許文献1は、雷管を使用して弾薬などを文字通り爆発させるのであり、十分な耐衝撃性能を確保する必要があり、装置も大型かつ肉厚の厚い構造が避けられず、また重量も重く、人里離れた窪地などに設置することを前提としたものであった。
特許文献2は、弾薬の連続処理が可能で処理能力はあるが、やはり非常に大型であり、設置及び撤収に共に1週間程度が必要であり、機動性に問題があった。更に、よほど大量に処理するのでないととても使い切れるものではなかった。特に処理するべき弾薬などがさほど多くない場合には使いにくいものであった。
更に、これらの装置は通常爆弾等を処理する場合に対応するのみで、毒ガス弾など処理に際して有害物質を発生するような不要弾を処理すると、有害物質が周囲に拡散してしまうため、この種の不要弾を処理することはできなかった。
本発明は、上記した課題を解決すると共に、有害物質を発生するおそれのある不要弾であっても、安全性を確保しつつ小形軽量化を図り、設置作業も容易に行える不要弾処理システム及び方法を提供することを目的とする。また、移動も容易であることから、処理が必要な不要弾などの発生場所に本実施の形態例装置を設置して処理することができ、特定の処理を行う場所に有害物質が充填された弾薬などの危険物を搬送などする必要がなくなり、安全性も大きく向上する。
係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
すなわち、処理対象の爆発物を収納する 耐爆容器と、該耐爆容器を取り巻き且つ該耐爆容器から離間した外側チャンバとからなる爆発物処理システムであって、更に、前記外側チャンバ周囲に配設されたチャンバ加熱手段と、前記外側チャンバ内を負圧状態にする吸引手段とを備え、前記耐爆容器は、処理対象の爆発物を収納する片側が開放された開口部を有する本体と、前記処理対象を処理するときに発生する加圧ガスが前記開口部から前記外側チャンバに直接到達することがないように前記耐爆容器本体の前記開口部をカバーする耐爆容器蓋とを備え、前記外側チャンバは、一方端部に配設された気体を排出する排出口と、基部に開放された開口部を有する前記耐爆容器を収納する外側チャンバ本体と、前記外側チャンバ本体部の前記開口部を密閉するとともに前記耐爆容器を位置決め係止可能な取付プレートを有する外側チャンバ蓋とを備え、処理対象物の処理前に前記吸引手段により前記外側チャンバ内の気体を吸引して負圧状態にし、外側チャンバ内の気体量を軽減してから前記チャンバ加熱手段により前記外側チャンバを加熱して前記耐爆容器に収納された爆発物を燃焼させて処理することを特徴とする。
そして例えば、更に、前記処理対象の爆発物を前記耐爆容器内の中空位置に位置決め保持する爆発物保持手段を備え、前記爆発物保持手段で前記爆発物を保持して前記耐爆容器に収納することを特徴とする。
また例えば、前記外側チャンバ蓋は、前記外側チャンバ基部の開口部を閉接する開口部閉接部と、耐爆容器を外側チャンバ本体内の略中央部に位置決め保持するために外側チャンバ内に延出する取付プレートとを備え、前記耐爆容器を前記爆発物を収納し前記取付プレート上に固定した状態で前記外側チャンバを密閉することを特徴とする。
あるいは、前記吸引手段は真空ポンプであり、前記真空ポンプで前記外側チャンバ内の気体を排出してから前記処理対象の爆発物を処理することを特徴とする。
さらに例えば、前記耐爆容器本体はほぼ円筒形状であり、前記耐爆容器蓋は前記耐爆容器本体の開口部より大径の略円筒形状で、開口部端部が前記耐爆容器開口部端部より前記耐爆容器本体基部になるように位置決めされることを特徴とする。
また例えば、前記耐爆容器は、一方端部に配設された所定圧力で気体を排出するためのオリフィスと、基部に開放された開口部とを有する耐爆容器本体と、前記耐爆容器本体の前記開口部を気密状態に密閉する耐爆容器蓋とを備えることを特徴とする。
さらに例えば、前記外側チャンバの開口部間に所定容量の気密性を有するバッファタンクが配設されていることを特徴とする。あるいは、前記外側チャンバよりの排気気体を高温燃焼可能な高温燃焼部を備えることを特徴とする。
または、処理対象の爆発物を収納する片側が開放された開口部を有する本体と前記処理対象を処理するときに発生する加圧ガスが前記開口部から前記外側チャンバに直接到達することがないように前記耐爆容器本体の前記開口部をカバーする耐爆容器蓋とを備える耐爆容器と、該耐爆容器を取り巻き且つ該耐爆容器から離間した一方端部に配設された気体を排出する排出口と基部に開放された開口部を有する前記耐爆容器を収納する外側チャンバ本体と前記外側チャンバ本体部の前記開口部を密閉するとともに前記耐爆容器を位置決め係止可能な取付プレートを備える外側チャンバ蓋とを備える外側チャンバと、前記外側チャンバ周囲に配設されたチャンバ加熱手段と、前記外側チャンバ内を負圧状態にする吸引手段とを備える爆発物処理システムにおける爆発物処理方法であって、前記耐爆容器内に爆発物を収納して前記耐爆容器蓋で前記耐爆容器本体をカバーし、密前記耐爆容器を前記外側チャンバ蓋の取付プレートに位置決め係止して前記外側チャンバ本体と蓋とで前記外側チャンバを密閉し、その後前記吸引手段により前記外側チャンバ内の気体を吸引して負圧状態にし、外側チャンバ内の気体量を軽減してから前記外側チャンバを加熱して前記爆発物を燃焼させる爆発物処理方法であることを特徴とする。
そして例えば、更に前記爆発物処理システムは前記高温燃焼可能な燃焼部と前記外側チャンバの開口部間に所定容量の気密性を有するバッファタンクを備え、前記吸引手段により前記バッファタンク内も含めて減圧してから前記外側チャンバを加熱して爆発物の処理を行う爆発物処理方法であることを特徴とする。
また例えば、前記外側チャンバよりの排気気体を更に高温で燃焼させてから排気気体中の有害物質を分解させ、無害化する爆発物処理方法であることを特徴とする。
本発明によれば、種々の不要弾を高い安全性を確保しつつ無害化処理することができ、かつ処理システム全体も小型化することができ、移動及び設置も容易な爆発物処理システム及び爆発物処理方法が提供できる。
あるいは、チャンバ内を減圧して内部の気体量を減らしてから爆発物を処理する様に制御すれば、爆発後に処理する気体量を全体として減少させることができ、爆発後の気体の処理に関する構成を小型化することができる。
本発明に係る第1の実施の形態例の爆発物処理システムの中心的な構成である爆破チャンバアッセンブリの構成を示す断面模式図である。 本実施の形態例システムの全体構成を説明するための図である。
本実施の形態例システムの爆発物処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る第2の実施の形態例の爆発物処理システムの爆破チャンバアッセンブリの構成を示す断面模式図である。 図4に示す爆破チャンバアッセンブリに処理対象爆発物を収納する手順を説明するための図である。
1 爆破チャンバアッセンブリ
11 加熱チャンバ
12 加熱チャンバガス出口
13 センサ配設部
20 加熱チャンバ蓋
21 油圧シリンダー
22 空気流入口
25 取付プレート
27,28 取付ガイド
30 加熱チャンバ蓋ロック装置
35 高温ガスケット
40 加熱ヒータ
51 耐爆容器本体
60 耐爆容器蓋
70 固定プレート
80 加熱チャンバ蓋移動レール
110,120 固定脚
200 処理対象物
250,260 位置決め治具
500 電力コントローラ
505 加熱ヒータ供給電源
506 加熱ヒータ駆動電源
510 温度センサ
558 遮断弁
600 バッファタンク
650 真空ポンプ
550、610 流量制御弁
570,620,630,635,640、670,770,820,870 パイプ
700 高温燃焼器
750 加熱ヒータ
800 排ガス処理装置
850 排水処理装置
805 活性炭フィルター
810 排気ブロワー
854 廃棄物
1015 取付ボルト本体側貫通孔
1020 加熱チャンバ蓋
1021 蓋側貫通孔
1022 プラグ
1025 取付プレート
1027,1028 固定台
1030 加熱チャンバ蓋取付ボルト
1035 高温ガスケット
1051 耐爆チャンバ
1052,1053 取付ガイド
1059 オリフィス
1060 耐爆チャンバ蓋
1065 耐爆チャンバ蓋取付ボルト
1070 固定バンド
1090 リード線
1240 成形火薬
1250,1260 位置決め治具
以下、図面を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する構成要素の相対配置、数値等に何ら限定されるものではなく、特に特定的な記載がない限り本発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨ではない。
〔第1の実施の形態例〕
本発明に係る一実施の形態例は、安全かつ確実に爆薬や砲弾等の不活性化処理が行える爆発物処理システムであり、特に小形軽量化が可能であるため、移動や設置を容易に行うことができる。このため、処理するために爆発物を遠方まで運搬することなく、処理したい爆発物がある場所に本実施の形態例システムを容易に運搬、設置して爆発物及び爆発物に充填されている有毒化学物質を処理することが可能である。
以下、図1乃至図3を参照して本実施の形態例の爆発物処理システムの詳細構成を説明する。図1は本発明に係る第1の実施の形態例の爆発物処理システムの中心的な構成である爆破チャンバアッセンブリの構成を示す断面模式図、図2は図1に示す爆破チャンバアッセンブリに処理対象爆発物を収納する手順を説明するための図、図3は本実施の形態例の全体構成を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態例の図面においては、アッセンブリの各構成が把握容易なように略中央部の断面構成を模式的に示している。まず図1を参照して本実施の形態例の爆破チャンバアッセンブリの詳細構成を説明する。図1の右側は、耐爆容器本体51を取付プレート25に載置した状態を示し、左側に加熱チャンバ11内に耐爆容器本体51を位置決め収納した状態を示している。
図1において、上部に示すのが加熱チャンバ蓋20を加熱チャンバ11に固着するための蓋ロック装置の詳細構成を示しており、蓋ロック装置が加熱チャンバ11の開口部の周囲に一定間隔で配設されている。例えば4〜8箇所程度設ければよい。下部ではこの蓋ロック装置は不図示としている。
本実施の形態例の爆破チャンバアッセンブリは、外側の加熱チャンバ11と加熱チャンバ蓋20とで構成される加熱チャンバと、加熱チャンバ内部の略中央部に位置決めされる耐爆容器本体51と耐爆容器蓋部60とで構成される耐爆容器とから構成されている。
本実施の形態例では加熱チャンバ11は断面形状中空略砲弾型で基部が全面開口され、中に物等を収納する際に障害にならない構造となっている。又、耐爆容器本体51及び耐爆容器蓋部60とは断面半円状に両端部が狭まった構造であり、圧力が一方向に集中しない構造としている。
このようにチャンバを二重にすることにより、爆発の際の圧力を分散させることができ、外側の加熱チャンバ11の直径を例えば700mm〜800mm、内側の耐爆容器本体51の直径を例えば400mm〜500mm程度の大きさに抑えることができる。
加熱チャンバ11は急激な圧力上昇に対する耐性を備えており、加熱チャンバ蓋20で密閉すると先端部を除いてガス漏れがない構造となる。12は処理対象物200が耐爆容器本体51内で燃焼した際に下流側に排出する加熱チャンバガス出口である。
13は加熱チャンバ内の温度を測定する温度センサを配設するためのセンサ配設部、20は加熱チャンバ11基部の開口部を気密状態に閉接する加熱チャンバ蓋であり、22は燃焼ガスが下流に排出された後に加熱チャンバ11内を清掃するための空気流入口である。
上部に示す21は加熱チャンバ蓋ロック装置30を駆動する油圧シリンダー、30は加熱チャンバ蓋20を気密状態に固定するための基部開口部の外周部に所定間隔で配設されたロック装置である。
25は加熱チャンバ蓋20の下部より延出する耐爆容器本体51を位置決め載置するための取付プレートであり、耐爆容器本体51を加熱チャンバ11内の略中央部に位置決めする位置決め治具260、耐爆容器本体51を固定する固定プレート70、固定プレート70及び耐爆容器蓋60を固定する取付ガイド(固定溝)27,28が配設されている。なお、耐爆容器本体51及び耐爆容器蓋60は半円状であり、両端部が狭まっている。
30は加熱チャンバ蓋ロック装置、35は高耐熱性を備えた高温ガスケットであり、例えばカンプロファイルガスケットなどが適用できる。高温ガスケット35を挟んで加熱チャンバ蓋ロック装置30でロックして固定することで、加熱チャンバ蓋20と加熱チャンバ11とを強固な密閉状態にすることができ、簡単な操作で急激な圧力上昇があっても絶え得る耐圧特性、気密特性を有し、ガス漏れ等がない構造としている。
40は加熱チャンバ11の外周の略中央部(耐爆容器本体51の固定位置外側)の外周面に巻回された加熱ヒータであり、加熱チャンバ11を外側から加熱し、耐爆容器本体51内に収納した処理対象物である処理対象物200を燃焼させるために用いられる。
通常の火薬は、一般的に240℃程度の温度になると自然発火する。このため、加熱ヒータで加熱チャンバ11を例えば400℃程度の温度に加熱すると、耐爆容器本体51内に収納されている対象爆発物の火薬は10分から20分程度でこの自然発火温度に到達し、自然発火をすることになる。
なお、この加熱ヒータ40の温度は以上の例に限定されるものではなく、更に高温に制御し、処理速度を早くしても良く、又逆に更に自然発火温度以上で上記加熱温度より低温度に制御して、処理開始から燃焼までの時間を十分確保するようにしてもよい。
この場合においても、火薬の燃焼であるため、常温で爆発する場合のような強い爆発力は発生しない。この結果、耐爆容器の耐圧を低く抑えることが可能となる。
更に、この後加熱ヒータ40により加熱チャンバ11内の温度を上げることにより、チャンバ内部に残存している固形物の無害化処理を行う。この場合には加熱ヒータ40により約550℃程度に昇温することが望ましい。
更に、51は加熱ヒータ40で加熱した高温時に内蔵される処理対象物200の急激な燃焼(爆燃)に十分耐え得る強度を備える例えば円筒形状の耐爆容器であり、処理対象物200のみならず不図示であるが汚染土等バラ材を収納して処理することも可能に構成されている。
次に耐爆容器本体51と耐爆容器蓋60についてその詳細を説明する。27,28は加熱チャンバ蓋20に取り付けられた取付プレート25上にある取付ガイドであり、耐爆容器蓋60と耐爆容器を固定する固定プレート70の位置決めと固定を行うものである。また、耐爆容器は位置決め治具260により加熱チャンバ11の中心位置に固定される。
耐爆容器本体51の基部は耐爆容器蓋60の方向に開放され、処理対象物200の出し入れが容易なように構成されている。
60は耐爆容器本体51の開口部をカバーする耐爆容器蓋であり、耐爆容器本体51の方向に解放され、爆発の衝撃が加熱チャンバに直接伝搬しない構造となっている。
又、70は耐爆容器本体51が処理対象物200を処理するときの急激な加熱燃焼時にも動かないよう取付ガイド27に固定する耐爆容器本体51の背面に密着するように成形された固定プレートであり、耐爆容器蓋60からの衝撃波の加熱チャンバ11への影響を防止するものである。
80は耐爆容器本体51を加熱チャンバ蓋20の取付プレート25に搭載した状態で加熱チャンバ11内に出し入れするための加熱チャンバ蓋移動レールである。110,120は加熱チャンバ11を位置決め固定する固定脚である。
200は処理するべき爆薬などの処理対象物である。250は処理対象物200を耐爆容器本体51内の略中央部に位置決めするための位置決め治具である。
位置決め治具250,260は、爆発物を位置決め保持するものであるため、爆発物が燃焼蒸発などする場合には、非常な高圧高温化に置かれることになる。このことから、位置決め治具250,260は繰り返し使用できる強固な材料で構成する場合に限られるものではなく、一回のみ使用した後は爆発物と共に破砕されたり燃焼してしまうものであってもよい。一回のみ使用する場合には、例えば木材で構成することが望ましい。木材で構成することにより、燃焼時においても有毒ガスなどが発生することがなく、残存物も無害なものとできる。
次に図2を参照して本実施の形態例の爆発物処理システムの全体構成を説明する。下部右側に示すのが図1に示す爆破チャンバアッセンブリである。
図2において、500は加熱ヒータ40の加熱制御を司る電力コントローラであり、加熱チャンバ11内部温度を処理対象物が燃焼する所定温度になるように加熱ヒータの通電制御を行う。本実施の形態例装置では例えば加熱チャンバ11の内部温度を240℃〜550℃程度の温度となるように制御する。
505は加熱ヒータ40への加熱電力を供給する供給電源であり、例えば汎用の商用200V電源などとすることができる。506は加熱ヒータ駆動電源、510は加熱チャンバ11内の温度を検知可能な温度センサである。電力コントローラ500は温度センサ510の検出温度を監視し、加熱ヒータ40への通電時間を制御している。
550は加熱チャンバ11内に外気を送り込み加熱チャンバ11内を冷却するか否かを制御するための流量制御弁、570、620、630、635、640、670,770,820,870はパイプである。
558は加熱チャンバ11及びバッファタンク600内の気体を排出して低圧状態にするか否かを制御するための遮断弁、600は加熱チャンバガス出口12より排出される加熱ガス(排出ガス)の圧力を逓減するためのバッファタンク、650は加熱チャンバ11及びバッファタンク600内を低圧化(真空化)するための真空ポンプである。
610はバッファタンク600からの燃焼空気を遮断するか否か、遮断しない場合に流れ出す流量を規定量に制御する流量制御弁である。700は高温燃焼器、750は高温燃焼器700の外周部に配設された加熱ヒータである。高温燃焼器700は、加熱ヒータ750により内部を加熱し、有害物質などが完全延焼する温度に上昇させる。
800は高温燃焼器700よりの排ガス中に含まれる有害物質を除去するための排ガス処理装置、850は排ガス処理装置800から出る重金属類を含む排水より重金属類を分離固形化して廃棄物854として処理可能とする排水処理装置、805は活性炭フィルター、810は排気ブロワーである。排ガス処理装置800からの加熱ガスは活性炭フィルター805の後に設置された排気ブロワー810で吸引され大気へ排出される。
処理対象物200の燃焼により発生した燃焼空気は、流量制御弁610で所定流量で排出するように制御され、パイプ670を介して高温燃焼器700に送り込まれる。高温燃焼器700は、加熱ヒータ750により加熱されているため、有害物質などが完全燃焼する。
高温燃焼器700よりの燃焼空気はパイプ770を介して排ガス処理装置800に送られ、排気ガス中に含まれる危険物質(例えばヒ素や重金属類等)が分離され、分離された排ガス処理装置800よりの分離物(排水)はパイプ820を介して排水処理装置850に送られ、排水処理装置850で送られてきた排水に含まれる重金属類などの有害物質を分離固形化する。排ガス処理装置800よりの燃焼空気は活性炭フィルター805で残留物質が除去され排気ブロワー810を経由して大気に排出される。
次に図3を参照して本実施の形態例システムの爆発物処理手順を説明する。図3は本実施の形態例システムの爆発物処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1で、図1の右側に示されているように、耐爆容器本体51内に位置決め治具250を収納し、その上に処理対象物200を載置する。
続いてステップS3で処理対象物200を収納した耐爆容器本体51を、加熱チャンバ蓋20の取付プレート25上に位置決めされた位置決め治具260により設置し、取付プレート25の取付ガイド27に固定プレート70と共に固定する。
次にステップS5で耐爆容器本体51の開口部が耐爆容器蓋60の中に収まるように、取付ガイド28に固定プレート70を設置し、取付プレート25に固定する。
そしてステップS7でこの耐爆容器本体51が載置された加熱チャンバ蓋20を加熱チャンバ蓋移動レール80に載置して加熱チャンバ11位置まで搬送する。
そして図1の左に示すように、加熱チャンバ蓋20を加熱チャンバの外周部高温ガスケット35を介して加熱チャンバ蓋ロック装置30により締結して加熱チャンバ11と加熱チャンバ蓋20とを密閉状態で固着する。
これにより爆発物を処理すべき爆破チャンバアッセンブリ1への装着が終わり、処理対象物を処理する準備が整うことになる。
以上で爆発物を処理する準備ができたため、爆発物処理シーケンスを開始する。このシーケンスは、順次操作者が起動していくことで進行させても、不図示の全体制御を司るシーケンス制御部によって自動的に行われるものであってもよい。あるいは、図2に示す電力コントローラ500が以下に説明する処理制御のほか、本実施の形態例の全体制御を司るものであってもよい。
まずステップS9に示すように爆破に先だって流量制御弁550を閉接し、加熱チャンバ11内に外気が流入するのを防止する。同時に流量制御弁610を閉接して加熱チャンバ11及びバッファタンク600内の気体などが不用意に外部に排出されることを防止する。
次にステップS11において、遮断弁558を開放して真空ポンプ650を起動して加熱チャンバ11及びバッファタンク600内(上流側)の空気を排気する。その後所定圧力まで減圧後に流量制御弁550を閉接すると共に真空ポンプ650を自動停止させる。
そしてステップS13において、電力コントローラ500は加熱ヒータ40に通電して加熱チャンバ11への加熱を開始させ、例えば上述したように加熱チャンバ11が400℃程度の温度に保たれるように制御する。同時に高温燃焼器700周囲に配設されている加熱ヒータ750にも通電して高温燃焼器700への加熱を開始する。
続くステップS15で処理対象物200の燃焼、蒸発がおきるのを監視する。処理対象物200の燃焼、蒸発がおきると例えば温度センサ510の検出温度が上昇したり、加熱チャンバ11及びバッファタンク600内に圧力変化が生じる。これらのいずれか、又は全てが検知されるとステップS15よりステップS17に進み、排気ブロワー810を稼働させるとともに流量制御弁610を開放し所定流量での排気を開始する。
そしてステップS19において、電力コントローラ500は加熱ヒータ40の設定加熱温度を上げ(例えば550℃)、残っている固形物の無害化処理をする。同時に燃焼ガス、蒸発物を高温燃焼器700で高温燃焼することにより無害化し、更に排ガス処理装置800に送る。この場合においても、予め真空ポンプ650で加熱チャンバ11及びバッファタンク600内の空気を排出しているため、処理する必要のある排ガスの量を最低量に抑えることができ、排ガス処理のための構成をコンパクト化することができる。
排ガス処理装置800では、更に燃焼されなかった有害物質の除去処理が行われ、排ガス処理装置800よりの燃焼空気は活性炭フィルター805で残留物質が除去され排気ブロワー810を経由して安全な排気ガスが大気に排出される。なお、この時、加熱チャンバ内の圧力が略大気圧程度に低下した後に流量制御弁550を制御して、僅かずつ外気が加熱チャンバ内に流入するように制御することが望ましい。この場合であっても、排気ブロワー810が加熱チャンバ内の気体を排気しているため、加熱チャンバ内の気体が流量制御弁550から外部に排出されることがない。
続くステップS21で加熱チャンバ11内の燃焼ガス、蒸発物の排気が完了するのを監視する。例えば、予め定めた時間が経過すると排気完了とすることなどが考えられる。蒸発物の排気が完了するとステップS21よりステップS23に進み、電力コントローラ500は加熱ヒータ40(及び加熱ヒータ750)への通電を停止してチャンバの温度を低下させる。
同時に、ステップS25において、流量制御弁550を全開にして大量の外気を加熱チャンバ内に流入させて加熱チャンバ内の温度を低下させる。
続くステップS27で温度センサ510の検出温度によりチャンバ内が低温化するのを監視する。チャンバ内の温度が低温化、例えば100℃台に下がったらステップS27よりステップS29に進み、加熱チャンバ蓋ロック装置30を外して加熱チャンバ蓋20を開け、耐爆容器本体51を載置した状態のまま後方に移動する。
続くステップS31で加熱チャンバ内の残留物(無害化した固形物)を取り出し廃棄する。
以上の処理を繰り返すことにより安全かつ確実に有毒ガスなどを排出するおそれのある爆発物等の処理対象物200を処理できる。例えば耐爆容器51あるいは加熱チャンバ蓋を2組あるいはそれ以上用意する事により、上記作業中に別の耐爆容器に予め爆発物を組み込んでおき、処理済みの加熱チャンバ蓋を引き出した後、新たに処理対象物が組み込まれた加熱チャンバ蓋を加熱チャンバに取り付ける作業を繰り返すことにより、処理効率を上げることができる。例えば一方をレール上に乗せておき、処理済みの耐爆容器(加熱チャンバ蓋)を手前で取り外し、レール上に載せておいた新たな耐爆容器(加熱チャンバ蓋)をレールに沿って移動させ、加熱チャンバにセットすればよい。
以上説明したように、チャンバ全体を小型化すると共に、排ガス処理を含めた全体のシステム構成もコンパクトに構成でき、少量の危険爆発物の処理に適するものとできる。この結果、低コストで製造できる。
さらに爆発物のみを処理する場合に限定されるものではなく、毒ガス弾や汚染土を収納しても、周囲を汚染などすることなく無害化することができ、広い応用範囲とできる。又、処理後の残材が加熱チャンバ内に残存物として残るため、簡単に取り出すことができ、処置が容易となる。
更に爆発物を処理する前に真空ポンプ650でチャンバ内を減圧状態としているため、全体のガス流量を減らすことが出来、排ガス処理装置800を小型化できると共に、ガス流量が減るため使用エネルギーを減らすことができる。
更に、汚れも少なく、自動化がより容易となった。燃焼(爆発)後ガスが放出された後の破片、固形物残渣は周囲に拡散することなく耐爆容器内に残っており、耐爆容器毎に取り出し、破棄することが容易に行える。
〔第2の実施の形態例〕
以上の説明した第1の実施の形態例は、加熱チャンバ内の耐爆容器を包むように蓋部が配設された構造について説明したが、加熱チャンバ内壁に直接処理対象物200から燃焼ガス圧力が加わらないような構成であれば図1の例に限定されるものではなく、例えば加熱チャンバ内の耐爆容器を密閉構造にしてその中に処理対象物を収納する構成であってもよい。この構造とすることにより、加熱チャンバの内壁に加わる圧力を第1の実施の形態例に比して軽減することができ、更なるコスト減あるいは軽量化が実現する。
加熱チャンバ内の耐爆容器を密閉構造にしてその中に処理対象物を収納する本発明に係る第2の実施の形態例を図4及び図5を参照して以下に説明する。図4及び図5において、上述した図1と同様構成には同一番号を附し、詳細説明を省略する。
図4は本発明に係る第2の実施の形態例の爆発物処理システムの爆破チャンバアッセンブリの構成を示す断面模式図、図5は図4に示す爆破チャンバアッセンブリに処理対象爆発物を収納する手順を説明するための図である。
第2の実施の形態例の図面においても、アッセンブリの各構成が把握容易なように略中央部の断面構成を模式的に示している。まず図4を参照して第2の実施の形態例の爆破チャンバアッセンブリの詳細構成を説明する。
図4において、1は第2の実施の形態例の爆破チャンバアッセンブリである。爆破チャンバアッセンブリ1は、外側チャンバ本体1011と外側チャンバ蓋1020とで構成される加熱チャンバと、加熱チャンバ内部の略中央部に位置決めされる内側チャンバ本体1051と内側チャンバ蓋1060とで構成される第2の実施の形態例の耐爆容器である耐爆チャンバとから構成されている。
第2の実施の形態例においても、加熱チャンバの基本構成は上述した第1の実施の形態例と同様であり、耐爆容器の構造が異なり、その関係で加熱チャンバへの取り付け機構が異なっている。第2の実施の形態例では耐爆容器が密閉式のチャンバとすることで、加熱チャンバに係る圧力をより軽減している。
このようにチャンバを二重にすることにより、爆発の際の圧力を分散させることができ、外側の加熱チャンバ1011の直径を例えば700mm〜800mm、内側の耐爆チャンバ1051の直径を例えば400mm〜500mm程度の大きさに抑えることができる。
以下、主に第1の実施の形態例と異なる部分を具体的に説明する。
1015は加熱チャンバ蓋1020を気密状態に固定するための基部開口部の外周凸部に所定間隔で配設された取付ボルト本体側貫通孔である。
1020は加熱チャンバ11基部の開口部を気密状態に閉接する加熱チャンバ蓋であり、1021は取付ボルト本体側貫通孔1015に連通するように配設された蓋側貫通孔、1022は加熱チャンバ蓋1020に配設された成形火薬を使用する場合に使用するリード線を通すためのプラグであり、リード線を通す必要のない場合にはメクラプラグとなり、良好な気密性が保てる構成としている。なお、通常は成形火薬を使用する必要がなく、メクラプラグとなっている場合がほとんどである。
1025は加熱チャンバ蓋1020の下部より延出する耐爆チャンバ1051を位置決め載置するための取付プレートであり、耐爆チャンバ1051を加熱チャンバ11内の略中央部に位置決め固定する固定バンド1070を固定する固定台1027,1028が配設されている。
1030は加熱チャンバ蓋取付ボルト、1035は高耐熱性を備えた高温ガスケットであり、例えばカンプロファイルガスケットなどが適用できる。高温ガスケット1035を挟んで取付ボルト本体側貫通孔1015、蓋側貫通孔1021に加熱チャンバ蓋取付ボルト1030を貫通させて固定することで、加熱チャンバ蓋1020と加熱チャンバ11とを強固な密閉状態にすることができ、急激な圧力上昇があっても絶え得る耐圧特性、気密特性を有し、ガス漏れ等がない構造となっている。
更に、1051は加熱ヒータ40で加熱した高温時に内蔵される処理対象物200の急激な燃焼(爆破)に十分耐え得る強度を備える耐爆チャンバであり、処理対象物200のみならず不図示であるが汚染土等を収納しても処理可能に構成されている。
次に耐爆チャンバ1051についてその詳細を説明する。1052,1053は取付ガイドであり、耐爆チャンバ1051の外周部に配設された固定バンド1070を取り付ける場合にガイド板としての役割と、固定台1027,1028上に載置する場合に載置ガイド板として機能する。取付ガイド1052,1053は、少なくとも耐爆チャンバ1051の上部と下部に配設されている。取付ガイド1052,1053は、耐爆チャンバ1051の外周全面に配設されていてもよい。
1059は耐爆チャンバ1051内で急激な燃焼が起きた時に発生する圧力を所定圧力で排出するオリフィス(絞り弁)であり、高圧ガスを少しずつ加熱チャンバ11内に逃し、加熱チャンバ11内が急激に高圧になることを防いでいる。耐爆チャンバ1051の基部も加熱チャンバ11同様開放され、処理対象物200の出し入れが容易なように構成されている。
1060は耐爆チャンバ1051の開口部を気密状態に閉接する耐爆チャンバ蓋であり、加熱チャンバ蓋1020と同様のプラグ1022が配設されている。耐爆チャンバ1051と耐爆チャンバ蓋1060も加熱チャンバ11と加熱チャンバ蓋1020と同様に、基部の外周凸部に耐爆チャンバ1051の取付ボルト貫通孔に連通するように耐爆チャンバ蓋1060の外周部に配設された取付ボルト貫通孔を位置決めして連通状態として耐爆チャンバ蓋取付ボルト1065を貫通させて固定することで、該耐爆チャンバ1051と耐爆チャンバ蓋1060とを強固な密閉状態にすることができる。
又、1070は耐爆チャンバ1051が処理対象物200を処理するときの急激な加熱燃焼時にも動かないよう固定台1027,1028に固定する固定バンドであり、耐爆チャンバ1051の取付ガイド1052,1053を固定台1027,1028間に位置決め載置し、固定バンド1070を巻回して固定する。
1090は成形火薬1240を爆発させるための起爆信号を供給するリード線である。1240は必要な場合に処理対象物200を切断して破壊力の軽減を行うための成形火薬である。処理対象物200が爆発時の破壊力の大きな爆発物であるような場合に本装置で処理するため、かかる破壊力の大きな爆発物を切断し、切断した爆発物の周囲に例えば棒状の成形火薬を取り付けることにより、小型化した装置でも大きな爆発物を安全に処理することが可能となる。
例えば、初めに爆発物の切断させる部分に成形火薬1240、雷管(不図示)、リード線1090を取り付け、耐爆チャンバ1051内に装着する。このときリード線1090は図4に示すように外部に取り出しておく。このリード線に電源を接続し、加熱する前にリード線に爆破信号を送り成形火薬を爆破し爆発物を切断、破壊する。その後加熱ヒータ40を用いて加熱チャンバ11を加熱する通常の処理方法を行う。
1250,1260は処理対象物200を耐爆チャンバ1051内の略中央部に位置決めするための位置決め治具であり、外側部分がほぼ耐爆チャンバ1051の内壁内に遊嵌し、中央部に向かって延出するバーは、処理対象物200の大きさの変化に対応可能に延出するバーの長さを調整可能に構成されており、ちょうど耐爆チャンバ1051内の中央部に処理対象物200がくるように調整される。なお、調整などを行うのではなく、処理対象物が限られている場合には処理対象物毎に個別仕様のものとしてもよい。この場合には面倒な調整作業が不要となる。
位置決め治具1250,1260は、爆発物を位置決め保持するものであるため、爆発物が燃焼蒸発などする場合には、非常な高圧高温化に置かれることになる。このことから、位置決め治具1250,1260は繰り返し使用できる強固な材料で構成する場合に限られるものではなく、一回のみ使用した後は爆発物と共に破砕されたり燃焼してしまうものであってもよい。この場合には、500℃〜600℃程度以上の耐熱性を有する例えば木材で成形することが望ましい。
更に、爆発物は以上のようにして耐爆チャンバ1051内に収納される場合に限定されるものではなく、耐爆チャンバ内に爆発物載置台を収納し、この載置台上に爆発物を載置して密閉してもよい。この場合であっても、周囲からの輻射熱により爆発物を加熱して燃焼させることができる。
次に、以上の構成を備える爆破チャンバアッセンブリ1の組み込み(アッセンブリ内に処理対象物200の収納)及び取り出し(処理が終了した処理対象物200の取り出し)動作を図5を参照して以下に説明する。
図5において、右上に位置決め治具1250,1260に処理対象物200をセットした状態、左上に処理対象物200と位置決め治具1250,1260とを耐爆チャンバ1051内に収納して密閉した状態を示し、右下にこの状態の耐爆チャンバ1051を取付プレート1025に載置した状態を示し、左下に加熱チャンバ11内に耐爆チャンバ1051を位置決め収納した状態を示している。
まず、図5の右上に示すように、位置決め治具1250,1260に処理対象物200をセットし、必要な場合には成形火薬1240を処理対象物に取り付ける。位置決め治具1250,1260は、耐爆チャンバ1051の内壁径よりやや小径の円形外周部と、該外周部より中央部に延出する所定数(例えば4本)のバー、とから構成されており、中央部に処理対象物200を係止させた状態に保持する。
この状態の処理対象物を図5の左上に示すように、その後耐爆チャンバ蓋1060を耐爆チャンバ1051の外周凸部の取付ボルト用の貫通孔と耐爆チャンバ蓋1060の取付ボルト用の貫通孔とが連通するように位置決めして耐爆チャンバ蓋取付ボルト1065により締結して耐爆チャンバ1051と耐爆チャンバ蓋1060とを密閉状態で固着する。
続いて内部の処理対象物200を収納した図5の左上に示す耐爆チャンバを、図5の右下に示すように、加熱チャンバ蓋1020の取付プレート1025の固定台1027,1028の間に取付ガイド1052,1053がくるように位置決めして耐爆チャンバ1051を載置する。そして、固定バンド1070で耐爆チャンバ1051を加熱チャンバ蓋1020の取付プレート1025に位置決め状態で固定する。
耐爆チャンバ1051を位置決め固定した加熱チャンバ蓋1020を加熱チャンバ蓋移動レール80に載置して加熱チャンバ11位置まで搬送する。
そして図2の左下部に示すように、耐爆チャンバが載置された加熱チャンバ蓋1020を加熱チャンバの外周凸部の取付ボルト本体側貫通孔1015と加熱チャンバ蓋1020の蓋側貫通孔1021とが連通するように位置決めして高温ガスケット1035を介して加熱チャンバ蓋取付ボルト1030により締結して加熱チャンバ11と加熱チャンバ蓋1020とを密閉状態で固着する。
これにより爆発物を処理すべき爆破チャンバアッセンブリ1への装着が終わり、処理の準備が整うことになる。
第2の実施の形態例においても、爆破チャンバアッセンブリ1以外の爆発物処理システムの全体構成は上記した第1の実施の形態例と全く同様の構成で処理対象物を処理できる。
以上説明したように第2の実施の形態例によれば、耐爆チャンバとその外側に強度がある加熱チャンバがあり、2重構造であるため、従来の1つのチャンバ内で処理する場合に比し、より安全性が高いものと出来る。
このため、更に全体の構成をよりコンパクトなものと出来、通常の荷物自動車の荷台に載置することのできる程度に小型化した爆発物処理システムが提供できる。
更に、爆発物に棒状の成形火薬を取り付け、任意の形状に切断することにより、爆発時の破壊力の大きい爆発物の処理を行う場合においても、加熱燃焼時における破壊力を減らし小型化装置でも大きな爆発物を安全に処理することが可能となる。
爆発時の破壊力の大きい爆発物の処理を行う場合には、初めに爆発物の切断部分に成形火薬、雷管、リード線を取り付け、耐爆容器内に装着、このときリード線は外部に取り出しておく。
そして、これを加熱チャンバに取り付け、蓋を取り付ける。このときもリード線は外部に引き出す。このリード線に電源をつなぎ、加熱する前にリード線に爆破信号を送り成形火薬を爆破して爆発物を切断、破壊する。その後加熱ヒータに通電して加熱する加熱燃焼処理を通常の方法と同じに行う。
これにより、爆発時の破壊力の大きい爆発物であっても、高い安全性を確保しながら処理することが可能となる。更に、第2の実施の形態例の耐爆容器は、機械的な可動部分が極めてすくないため、極めて安全性の高い、保守の容易なものと出来る。さらに従来のように、チャンバを保護するためチャンバ内に鉄片等緩衝材等を入れる必要がなく、汚染土のような細かい物質は処理が難しかったが、本実施の形態例によればチャンバ内に緩衝材が不要であるため、細かい物質の処理も容易に行える。残存物質の取り出し時も後面が全面開放状態となるため、極めて簡単に取り出せる。

Claims (11)

  1. 処理対象の爆発物を収納する 耐爆容器と、該耐爆容器を取り巻き且つ該耐爆容器から離間した外側チャンバとからなる爆発物処理システムであって、
    更に、前記外側チャンバ周囲に配設されたチャンバ加熱手段と、
    前記外側チャンバ内を負圧状態にする吸引手段とを備え、
    前記耐爆容器は、処理対象の爆発物を収納する片側が開放された開口部を有する本体と、前記処理対象を処理するときに発生する加圧ガスが前記開口部から前記外側チャンバに直接到達することがないように前記耐爆容器本体の前記開口部をカバーする耐爆容器蓋とを備え、
    前記外側チャンバは、一方端部に配設された気体を排出する排出口と、基部に開放された開口部を有する前記耐爆容器を収納する外側チャンバ本体と、前記外側チャンバ本体部の前記開口部を密閉するとともに前記耐爆容器を位置決め係止可能な取付プレートを有する外側チャンバ蓋とを備え、
    処理対象物の処理前に前記吸引手段により前記外側チャンバ内の気体を吸引して負圧状態にし、外側チャンバ内の気体量を軽減してから前記チャンバ加熱手段により前記外側チャンバを加熱して前記耐爆容器に収納された爆発物を燃焼させて処理することを特徴とする爆発物処理システム。
  2. 更に、前記処理対象の爆発物を前記耐爆容器内の中空位置に位置決め保持する爆発物保持手段を備え、前記爆発物保持手段で前記爆発物を保持して前記耐爆容器に収納することを特徴とする請求項1記載の爆発物処理システム。
  3. 前記外側チャンバ蓋は、前記外側チャンバ基部の開口部を閉接する開口部閉接部と、耐爆容器を外側チャンバ本体内の略中央部に位置決め保持するために外側チャンバ内に延出する取付プレートとを備え、
    前記耐爆容器を前記爆発物を収納し前記取付プレート上に固定した状態で前記外側チャンバを密閉することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の爆発物処理システム。
  4. 前記吸引手段は真空ポンプであり、前記真空ポンプで前記外側チャンバ内の気体を排出してから前記処理対象の爆発物を処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の爆発物処理システム。
  5. 前記耐爆容器本体はほぼ円筒形状であり、前記耐爆容器蓋は前記耐爆容器本体の開口部より大径の略円筒形状で、開口部端部が前記耐爆容器開口部端部より前記耐爆容器本体基部になるように位置決めされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の爆発物処理システム。
  6. 前記耐爆容器は、一方端部に配設された所定圧力で気体を排出するためのオリフィスと、基部に開放された開口部とを有する耐爆容器本体と、前記耐爆容器本体の前記開口部を気密状態に密閉する耐爆容器蓋とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の爆発物処理システム。
  7. 前記外側チャンバの開口部間に所定容量の気密性を有するバッファタンクが配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の爆発物処理システム。
  8. 前記外側チャンバよりの排気気体を高温燃焼可能な高温燃焼部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の爆発物処理システム。
  9. 処理対象の爆発物を収納する片側が開放された開口部を有する本体と前記処理対象を処理するときに発生する加圧ガスが前記開口部から前記外側チャンバに直接到達することがないように前記耐爆容器本体の前記開口部をカバーする耐爆容器蓋とを備える耐爆容器と、該耐爆容器を取り巻き且つ該耐爆容器から離間した一方端部に配設された気体を排出する排出口と基部に開放された開口部を有する前記耐爆容器を収納する外側チャンバ本体と前記外側チャンバ本体部の前記開口部を密閉するとともに前記耐爆容器を位置決め係止可能な取付プレートを備える外側チャンバ蓋とを備える外側チャンバと、前記外側チャンバ周囲に配設されたチャンバ加熱手段と、前記外側チャンバ内を負圧状態にする吸引手段とを備える爆発物処理システムにおける爆発物処理方法であって、
    前記耐爆容器内に爆発物を収納して前記耐爆容器蓋で前記耐爆容器本体をカバーし、密前記耐爆容器を前記外側チャンバ蓋の取付プレートに位置決め係止して前記外側チャンバ本体と蓋とで前記外側チャンバを密閉し、その後前記吸引手段により前記外側チャンバ内の気体を吸引して負圧状態にし、外側チャンバ内の気体量を軽減してから前記外側チャンバを加熱して前記爆発物を燃焼させることを特徴とする爆発物処理方法。
  10. 更に前記爆発物処理システムは前記高温燃焼可能な燃焼部と前記外側チャンバの開口部間に所定容量の気密性を有するバッファタンクを備え、
    前記吸引手段により前記バッファタンク内も含めて減圧してから前記外側チャンバを加熱して爆発物の処理を行うことを特徴とする請求項9記載の爆発物処理方法。
  11. 前記外側チャンバよりの排気気体を更に高温で燃焼させてから排気気体中の有害物質を分解させ、無害化することを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれかに記載の爆発物処理方法。
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