JP2023079006A - 廃棄物の熱分解装置、及び廃棄物の熱分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機材料を含んだ廃棄物の分解作業を単純化することができる廃棄物の熱分解方法を提供する。【解決手段】廃棄物の熱分解方法は、無機材料を含んだ廃棄物を加熱、及び加圧下で処理する加熱加圧処理工程と、加熱加圧処理工程後に減圧し、廃棄物に含まれた液体成分を揮発させて廃棄物を粉砕すると共に、無機材料と無機材料以外の材料とを分離する分離工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物の熱分解装置、及び廃棄物の熱分解方法に関する。
廃棄物を熱分解し、炭化物や油分等の熱分解物を得て、熱分解物を再利用する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-237764号公報
従来技術では、廃棄物を加熱圧力容器に投入して熱分解を行っているが、処理効率を上げるため、裁断/粉砕してから加熱圧力容器に投入する必要があり、大型のタイヤや未加硫ゴム部材等は裁断/粉砕作業に手間が掛かっており、改善の余地があった。
本発明は上記事実を考慮し、無機材料を含んだ廃棄物の分解作業を単純化することができる廃棄物の熱分解装置、及び廃棄物の熱分解方法の提供を目的とする。
請求項1に記載の廃棄物の熱分解装置は、無機材料を含んだ廃棄物を密閉状態で収容可能な加熱圧力容器と、前記無機材料を含んだ廃棄物を加熱する加熱装置と、前記加熱圧力容器にガスを供給して前記加熱圧力容器内の圧力を高めることを可能とするガス供給装置と、前記加熱圧力容器に第1開閉バルブを介して接続され、前記加熱圧力容器で発生した熱分解ガスを冷却することで凝縮した液体成分を回収する液体成分回収装置と、前記液体成分回収装置に接続され、第2開閉バルブを有すると共に、前記液体成分回収装置で液体成分が回収された後の熱分解ガスを前記液体成分回収装置の外部に排気する排気部と、前記加熱装置、前記ガス供給装置、前記第1開閉バルブ、及び前記第2開閉バルブの作動を制御する制御装置と、を備えている。
請求項1に記載の廃棄物の熱分解装置において、加熱圧力容器は、無機材料を含んだ廃棄物を密閉状態で収容することができる。
加熱装置は、加熱圧力容器に収容した無機材料を含んだ廃棄物を加熱することができる。
ガス供給装置は、加熱圧力容器にガスを供給して加熱圧力容器内の圧力を高めることができる。
請求項1に記載の廃棄物の熱分解装置では、一例として、以下のようにして廃棄物を熱分解することができる。
加熱圧力容器を密閉し、ガスを充填して無機材料を含んだ廃棄物を加熱する。加熱する際の温度は、大気圧下で廃棄物から液体成分が離脱する温度以上の温度に設定し、圧力は、加熱の下で液体成分を揮発させない圧力に設定する。
これにより、無機材料以外の材料の内部に液体成分を閉じ込めた状態とし、かつ無機材料以外の材料を加熱劣化して脆くした状態にできる。
このような状態とした後、加熱圧力容器の圧力を一気に下げることで、無機材料以外の材料中の液体成分を急激に揮発させ、脆くなった無機材料以外の材料を揮発膨張力によって粉砕し、無機材料と無機材料以外の材料とを効率的に分離させることができる。
液体成分回収装置は、加熱圧力容器で発生した熱分解ガスを冷却することで凝縮した液体成分を回収することができる。
ここで、加熱圧力容器で発生した熱分解ガスを液体成分回収装置へ送るには、ガス供給装置からガスを加熱圧力容器に供給すると共に、第1開閉バルブを開くことで、加熱圧力容器の熱分解ガスを、ガス供給装置から供給されたガスで液体成分回収装置へ押し出す。これにより、ポンプ等を用いずに加熱圧力容器で発生した熱分解ガスを液体成分回収装置へ送ることができる。なお、加熱圧力容器にガスを供給して加熱圧力容器内の圧力を高める際には、第1開閉バルブは閉じておく。
排気部は、液体成分回収装置で液体成分を回収された後の熱分解ガスを液体成分回収装置の外部に排気することができる。
ここで、液体成分回収装置から排気部へ熱分解ガスを送るには、ガス供給装置からガスを加熱圧力容器に供給すると共に、第1開閉バルブ、及び第2開閉バルブを開くことで、液体成分回収装置内の液体成分を回収された後の熱分解ガスを、ガス供給装置から供給されたガスで液体成分回収装置の外部へ排気することができる。
なお、液体成分とは、一例として、油、水を挙げることができるが、油、水以外の液体であってもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の廃棄物の熱分解装置において、前記加熱圧力容器には、内部の圧力を検出する圧力センサと、加熱圧力容器内の温度を検出する温度センサが設けられており、前記制御装置は、前記圧力センサからの圧力検知データと、前記温度センサからの温度検出データとに基いて、前記加熱装置、前記ガス供給装置、前記第1開閉バルブ、及び前記第2開閉バルブの作動を制御する。
請求項2に記載の廃棄物の熱分解装置では、圧力センサで加熱圧力容器の内部の圧力を検出することができ、温度センサで加熱圧力容器内の温度を検出することができる。
制御装置は、圧力センサからの圧力検知データと、温度センサからの温度検出データとに基いて、加熱装置、ガス供給装置、第1開閉バルブ、及び第2開閉バルブの作動を制御することができる。このため、無機材料を含んだ廃棄物を熱分解するのに最適な温度、及び圧力で、無機材料を含んだ廃棄物を処理することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の廃棄物の熱分解装置において、前記無機材料を含んだ廃棄物は、ゴムとスチールコードを含んで構成されたタイヤである。
請求項3に記載の廃棄物の熱分解装置では、無機材料を含んだ廃棄物であるタイヤを熱分解して、タイヤをゴムとスチールコードとに分離することができる。
請求項4に記載の廃棄物の熱分解方法は、無機材料を含んだ廃棄物を加熱、及び加圧下で処理する加熱加圧処理工程と、加熱加圧処理工程後に減圧し、前記廃棄物に含まれた液体成分を揮発させて前記廃棄物を粉砕すると共に、前記無機材料と前記無機材料以外の材料とを分離する分離工程と、を有する。
請求項4に記載の廃棄物の熱分解方法では、加熱加圧処理工程で無機材料を含んだ廃棄物を加熱、及び加圧下で処理する。
分離工程では、加熱加圧処理工程後に減圧することで、廃棄物に含まれた液体成分が揮発して膨張する際の揮発膨張力で廃棄物が粉砕され、無機材料を含んだ廃棄物が無機材料と無機材料以外の材料とに分離される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の廃棄物の熱分解方法において、前記加熱加圧処理工程において、前記無機材料を含んだ廃棄物を加熱する際の温度は、大気圧下で前記廃棄物から液体成分が離脱する温度以上の温度に設定され、前記加熱加圧処理工程において、前記無機材料を含んだ廃棄物を加圧する際の圧力は、前記加熱の下で前記液体成分を揮発させない圧力に設定されている。
請求項5に記載の廃棄物の熱分解方法では、加熱加圧処理工程において、無機材料を含んだ廃棄物を加熱する際の温度は、大気圧下で廃棄物から液体成分が離脱する温度以上の温度に設定され、加熱加圧処理工程において、無機材料を含んだ廃棄物を加圧する際の圧力は、加熱の下で液体成分を揮発させない圧力に設定されている。
このため、分離工程前に、無機材料以外の材料の内部に液体成分を閉じ込めた状態とし、かつ無機材料以外の材料を加熱劣化して脆くした状態にできる。
このような状態とした無機材料を含んだ廃棄物は、分離工程で、無機材料以外の材料中の液体成分が急激に揮発し、脆くなった無機材料以外の材料が揮発膨張力によって粉砕され、分離工程において無機材料と無機材料以外の材料とを効率的に分離させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の廃棄物の熱分解方法において、前記廃棄物を加熱する際の温度は、350℃以上、500℃以下の範囲内に設定されており、前記廃棄物を加圧する際の圧力は、0.15MPa以上、2.0MPa以下の範囲内に設定されている。
無機材料を含んだ廃棄物を加熱する際の温度を350℃以上、500℃以下の範囲内に設定し、加圧する際の圧力を0.15MPa以上、2.0MPa以下の範囲内に設定することで、加熱加圧処理工程において、無機材料以外の材料を加熱劣化させ、かつ無機材料以外の材料に含まれる液体成分を無機材料以外の材料の中に閉じ込めておくことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4~請求項6の何れか1項に記載の廃棄物の熱分解方法において、前記分離工程の後に、前記無機材料を含んでいない前記材料の塊を粉砕する工程が設けられている。
請求項7に記載の廃棄物の熱分解方法では、分離工程の後で、無機材料を含んでいない材料の塊を粉砕する工程が設けられているため、塊の無い無機材料以外の材料を得ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項4~請求項7の何れか1項に記載の廃棄物の熱分解方法において、前記無機材料を含んだ廃棄物は、ゴムとスチールコードを含んで構成されたタイヤである。
請求項8に記載の廃棄物の熱分解方法では、タイヤを熱分解して、ゴムとスチールコードとを分離することができる。
以上説明したように本発明の廃棄物の熱分解装置、及び廃棄物の熱分解方法によれば、無機材料を含んだ廃棄物の分解作業を単純化することができる。
本発明の一実施形態に係る熱分解装置の構成を示す配管図である。
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る熱分解装置10について説明する。
図1に示すように、熱分解装置10は、無機材料を含んだ廃棄物の一例としてのタイヤ12を、密閉状態で収容可能な加熱圧力容器14を備えている。加熱圧力容器14は、分解していない複数のタイヤ12を収容可能な容器本体14Aと、容器本体14Aの開口部を塞ぐ開閉可能な蓋14Bを備えている。容器本体14Aは、収容したタイヤ12を加熱する加熱装置の一例としての加熱用ヒータ16を備えている。加熱圧力容器14には、容器内部の圧力を検知する圧力センサ18と、容器内部の温度を検知する温度センサ20が取り付けられている。
ここで、無機材料を含んだ廃棄物の一例としてタイヤ12を上げたが、無機材料を含んだ廃棄物とは、無機材料と、無機材料以外の材料、一例として高分子化合物とを含んで構成されているものである。
なお、高分子化合物は、高分子系化合物と言い換えることができる。また、高分子化合物としては、一例として、炭素を含む有機物を挙げることができる。
無機材料としては、一例として、スチール等の金属材料を挙げることができる。
加熱圧力容器14の容器本体14Aには、ガス供給装置22からのガスを加熱圧力容器14内に導入するための配管23が接続されている。ガス供給装置22は、ガスタンク24、圧力調整バルブ26、開閉バルブ28等を含んで構成されている。本実施形態では、ガスタンク24に窒素ガスが高圧(>大気圧)で充填されている。
加熱圧力容器14は、配管30、第1サイクロン32、及び配管34を介して真空容器36に接続されている。配管30の途中には、開閉バルブ38が設けられている。
第1サイクロン32は、加熱圧力容器14から排出された油分を含んだ熱分解ガスが導入されると、熱分解ガスから油分が分離され除去される。第1サイクロン32を通過した熱分解ガスは、配管34を介して真空容器36へ送られ、第1サイクロン32で分離された油は、配管42を介して油回収容器44に送られる。なお、配管34の途中には開閉バルブ40が設けられており、配管42の途中には、開閉バルブ46が設けられている。
なお、開閉バルブ38、及び開閉バルブ40は、本発明の第1開閉バルブの一例である。
真空容器36には、冷却装置48が設けられており、真空容器36の内部に導入した熱分解ガスを冷却することができる。真空容器36、及び冷却装置48は、本発明の液体成分回収装置の一例である。
なお、真空容器36の底部には、容器内で凝縮された油を油回収容器44に排出するための配管50が接続されている。なお、配管50の途中には、開閉バルブ52が設けられている。
真空容器36には、配管54を介して真空ポンプ56に接続され、配管58を介して第2サイクロン60が接続されている。なお、配管54の途中には開閉バルブ62が設けられ、配管58の途中には開閉バルブ64が設けられている。
第2サイクロン60は、真空容器36から排出された熱分解ガス中に含まれる油分を分離し、油分が除去された熱分解ガスは配管66を介して焼却炉68へ送られ、油は配管70を介して油回収容器44に送られる。なお、油回収容器44の底部には、ドレンコック44Aが取り付けられており、ドレンコック44Aを開とすることで、油回収容器44に溜まった油を排出することができる。
焼却炉68には、点火装置としての点火用バーナ72が設けられており、焼却炉68の内部で可燃性のガスを燃焼させることができる。可燃性のガスの燃焼によって生成された排気ガスは、大気に放出することができる。
なお、配管58、第2サイクロン60、開閉バルブ64、配管66、及び焼却炉68は、本発明の排気部の一例である。また、開閉バルブ64は、本発明の第2開閉バルブの一例である。
熱分解装置10は、装置各部、一例として、加熱用ヒータ16、圧力調整バルブ26、開閉バルブ28、開閉バルブ38、開閉バルブ40、開閉バルブ46、冷却装置48、開閉バルブ52、真空ポンプ56、開閉バルブ62、開閉バルブ64、点火用バーナ72等を制御可能な制御装置74を備えている。
また、制御装置74には、圧力センサ18、温度センサ20が接続されており、制御装置74は、圧力センサ18からの圧力測定データ、及び温度センサ20からの温度測定データ、及び予め設定された制御フローに基づいて上記装置各部を制御することができる。
(タイヤの熱分解処理)
次に、本実施形態の熱分解装置10を用いたタイヤ12の熱分解処理の手順の一例を説明する。
(1)タイヤの投入工程
加熱圧力容器14の蓋14Bを開け、容器内にタイヤ12を投入する。なお、容器内には、裁断していないタイヤ12を投入することができるが、必要に応じてタイヤ12を2~3分割して投入してもよい。
熱分解処理を行うタイヤ12は、少なくともゴムとスチールとを含んで構成されたタイヤであり、タイヤの種類は問わない。タイヤ12で使用されるスチールとは、一例として、ビードコア、スチールベルト等である。
(2)窒素ガス充填工程
加熱圧力容器14の蓋14Bを閉めて内部を密閉し、開閉バルブ38、開閉バルブ40、開閉バルブ64を開けると共に、ガス供給装置22から窒素ガスを供給し、加熱圧力容器14の空気を窒素ガスに置換する。加熱圧力容器14の空気は、供給された窒素ガスで押し出され、該空気は、配管30、第1サイクロン32、配管34、真空容器36、配管58、第2サイクロン60.配管66、焼却炉68を介して大気に放出される。
加熱圧力容器14の空気を窒素ガスで置換するのは、加熱圧力容器14の酸素を除去し、後の工程で、容器内部で可燃物を酸化(燃焼も含む)させないためである。
所定時間が経過して、加熱圧力容器14の内部の空気を窒素ガスに置換した後、下流側の開閉バルブ38を閉じ、ガス供給装置22から高圧の窒素ガスを供給して加熱圧力容器14の内部の圧力を大気圧よりも大きい所定の圧力まで高める。
ここで、所定の圧力とは、本実施形態では2.0MPaである。
制御装置74は、圧力センサ18で加熱圧力容器14の内部の圧力を検知し、内部の圧力所定の圧力になったと判断した場合に、ガス供給装置22の開閉バルブ28を閉じ、加熱圧力容器14の内部を密閉する。
(3)タイヤの加熱、加圧工程
加熱圧力容器14の密閉が完了した後、制御装置74は、加熱用ヒータ16に通電を行い、容器内のタイヤ12を加熱する。制御装置74は、温度センサ20で容器内の温度を測定し、容器内の温度が所定の温度となるように、加熱用ヒータ16の通電を制御する。
ここで、所定の温度とは、本実施形態では500℃である。
このように、上記の高圧、高温の条件下でタイヤ12を加熱することで、タイヤ12のゴムを熱劣化させ、脆くすることができる。また、上記の高圧、高温の条件下では、ゴム中の油分は加熱されるが、油分は脆くなったゴムの内部に揮発せずに閉じ込められた状態となる。
(4) タイヤ12の加熱中に、制御装置74は、開閉バルブ40、開閉バルブ46、開閉バルブ52、及び開閉バルブ64を閉じて真空容器36を密閉した後、開閉バルブ62を開とし、真空ポンプ56を作動させ、真空容器36の内部を負圧(<大気圧)にする。
そして、真空容器36の内部を負圧(<大気圧)とした後、真空ポンプ56を停止すると共に、開閉バルブ62を閉とし、真空容器36の負圧状態を維持する。また、これと共に、冷却装置48で真空容器36を所定の温度に冷却する。
所定の温度とは、真空容器36に導入したガスの油分を凝縮可能とする温度のことである。
(5) 制御装置74は、予め設定した時間が経過し、タイヤ12の加熱が終了した後、加熱用ヒータ16の通電を停止し、開閉バルブ38、及び開閉バルブ40を開とし、加熱圧力容器14の中の熱分解ガスを真空容器36に一気に逃がし、加熱圧力容器14の圧力を一気に低下させる。
これにより、脆くなったゴム中の油分を急激に揮発させて膨張させ、脆くなっているゴムを揮発膨張力で容易に粉砕することができ、スチールとゴムとを簡単かつ効率的に分離することができる。
その後、開閉バルブ64を開とすると共に、ガス供給装置22から高圧の窒素ガスを加熱圧力容器14に供給し、加熱圧力容器14の内部に残存する油分を含んだガスを真空容器36側へ押し出す。
(6)油分除去(その1)
加熱圧力容器14から排出された油分を含んだ熱分解ガスは、真空容器36に至る前に、第1サイクロン32で油分がある程度除去され、油分がある程度除去された熱分解ガスが真空容器36に導入される。
なお、第1サイクロン32で除去された油は、開閉バルブ46を開けて油回収容器44へ排出することができる。
(7)油分除去(その2)
真空容器36は冷却装置48で冷却されているので、真空容器36の内部を熱分解ガスが通過すると、熱分解ガスが冷却されて熱分解ガス中の油分が凝縮され、熱分解ガス中から油分がさらに除去される。
なお、真空容器36で除去された油は、開閉バルブ52を開けて油回収容器44へ排出することができる。
(8)油分除去(その3)
真空容器36を通過した熱分解ガスは、その後、第2サイクロン60を通過することで更に油分が分離される。
なお、第2サイクロン60で除去された油は、配管70を介して油回収容器44へ排出することができる。
(9)ガス燃焼排気
第2サイクロン60から排出された熱分解ガスには、可燃性のガスが含まれていることがある。この場合、ガスが焼却炉68を通過する際に点火用バーナ72で可燃性ガスに点火を行い、可燃性のガスを焼却炉68で燃焼(焼却)させることが好ましい。
なお、可燃性のガスを燃焼させた後の排ガスは、焼却炉68から大気に放出することができる。
(10) 加熱圧力容器14が冷え、ガス供給装置22から加熱圧力容器14への窒素ガスの供給を停止して、蓋14Bを開け、加熱圧力容器14から互いに分離したスチールとゴムを取り出すことができる。
なお、スチールを除去したゴムにおいて、塊が残っていた場合には、粉砕工程を追加して、粉砕工程で塊を細かく粉砕してもよい。
本実施形態では、加熱圧力容器14に処理するタイヤ12を裁断せずに投入すればよいため、処理するタイヤ12を加熱圧力容器14に投入する前の分解作業を必要としない。
なお、加熱圧力容器14の内部で、ゴムを粉砕して分離した後、加熱を続けることで、ゴムを炭化させることも可能である。また、タイヤ12に含まれる有機繊維なども、ゴムと共に炭化させることができる。
このように分離した炭化物、スチール、及びガスから回収した油は、適宜リサイクルすることができる。なお、炭化物(カーボン)、及びスチールは、タイヤの原料、その他の原料として利用することができる。
また、加熱圧力容器14の中では、ゴムとスチールとが分離されており、加熱圧力容器14の中にタイヤ12を裁断せずに投入しているので、網状のスチールベルトやスチールのビードコアが環状の形状をほぼ保っている。したがって、これらをクレーンのフックなどに引っ掛けて容易にすくい上げることができる。
なお、スチールベルトやスチールのビードコアは、磁石を用いて取り出すこともできる。
また、タイヤ12を裁断しないので、スチールの粉塵などが発生せず、また、加熱圧力容器14の中に細かく裁断されたスチールや鉄粉が残ることもない。
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記施形態では、熱分解装置10を用いてタイヤ12を熱分解したが、熱分解装置10は、無機材料を含んだ高分子系化合物であれば、タイヤ12と同様に熱分解することができる。
無機材料を含んだ廃棄物(高分子系化合物)としては、一例として、芯金を含んだゴムクローラ、スチールコードを含んだゴムベルト、スチールコードを含んだゴムホース、ゴム被覆した電線等を挙げることができるが、他のものであってもよい。
無機材料としては、スチールに限らず、銅、真鍮等、スチール以外の金属材料であってもよい。
ゴム以外の高分子系化合物としては、一例として、ポリエステル、ナイロン等の合成樹脂を挙げることができる。
なお、上記実施形態では、加熱圧力容器14の内部の圧力を2.0MPaとし、容器内の温度を500℃としてタイヤ12の処理を行ったが、圧力、及び温度はこれに限らない。ゴムを熱劣化させる条件としては、圧力を0.15MPa以上、2.0MPa以下の範囲内、温度を350℃以上、500℃以下の範囲内とすることができる。
10…熱分解装置、14…加熱加圧容器、16…加熱用ヒータ(加熱装置)、18…圧力センサ、20…温度センサ、22…ガス供給装置、36…真空容器(液体成分回収装置)、38…開閉バルブ(第1開閉バルブ)、40…開閉バルブ(第1開閉バルブ)、48…冷却装置(液体成分回収装置)、58…配管(排気部)、60…第2サイクロン(排気部)、64…開閉バルブ(第2開閉バルブ、排気部)、66…配管(排気部)、68…燃焼炉(排気部)、74…制御装置

Claims (8)

  1. 無機材料を含んだ廃棄物を密閉状態で収容可能な加熱圧力容器と、
    前記無機材料を含んだ廃棄物を加熱する加熱装置と、
    前記加熱圧力容器にガスを供給して前記加熱圧力容器内の圧力を高めることを可能とするガス供給装置と、
    前記加熱圧力容器に第1開閉バルブを介して接続され、前記加熱圧力容器で発生した熱分解ガスを冷却することで凝縮した液体成分を回収する液体成分回収装置と、
    前記液体成分回収装置に接続され、第2開閉バルブを有すると共に、前記液体成分回収装置で液体成分が回収された後の熱分解ガスを前記液体成分回収装置の外部に排気する排気部と、
    前記加熱装置、前記ガス供給装置、前記第1開閉バルブ、及び前記第2開閉バルブの作動を制御する制御装置と、
    を備えた廃棄物の熱分解装置。
  2. 前記加熱圧力容器には、内部の圧力を検出する圧力センサと、加熱圧力容器内の温度を検出する温度センサが設けられており、
    前記制御装置は、前記圧力センサからの圧力検知データと、前記温度センサからの温度検出データとに基いて、前記加熱装置、前記ガス供給装置、前記第1開閉バルブ、及び前記第2開閉バルブの作動を制御する、
    請求項1に記載の廃棄物の熱分解装置。
  3. 前記無機材料を含んだ廃棄物は、ゴムとスチールコードを含んで構成されたタイヤである、
    請求項1または請求項2に記載の廃棄物の熱分解装置。
  4. 無機材料を含んだ廃棄物を加熱、及び加圧下で処理する加熱加圧処理工程と、
    加熱加圧処理工程後に減圧し、前記廃棄物に含まれた液体成分を揮発させて前記廃棄物を粉砕すると共に、前記無機材料と前記無機材料以外の材料とを分離する分離工程と、
    を有する廃棄物の熱分解方法。
  5. 前記加熱加圧処理工程において、前記無機材料を含んだ廃棄物を加熱する際の温度は、大気圧下で前記廃棄物から液体成分が離脱する温度以上の温度に設定され、
    前記加熱加圧処理工程において、前記無機材料を含んだ廃棄物を加圧する際の圧力は、前記加熱の下で前記液体成分を揮発させない圧力に設定されている、
    請求項4に記載の廃棄物の熱分解方法。
  6. 前記廃棄物を加熱する際の温度は、350℃以上、500℃以下の範囲内に設定されており、前記廃棄物を加圧する際の圧力は、0.15MPa以上、2.0MPa以下の範囲内に設定されている、
    請求項5に記載の廃棄物の熱分解方法。
  7. 前記分離工程の後に、前記無機材料を含んでいない前記材料の塊を粉砕する工程が設けられている、
    請求項4~請求項6の何れか1項に記載の廃棄物の熱分解方法。
  8. 前記無機材料を含んだ廃棄物は、ゴムとスチールコードを含んで構成されたタイヤである、
    請求項4~請求項7の何れか1項に記載の廃棄物の熱分解方法。
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