JP2011144166A - 飲料用水 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ヒトが日常的に飲用することにより、体臭、殊に、高齢臭の生成を効果的に抑制することのできる飲料用水を提供することを課題とする。
【解決手段】
カルシウムイオン濃度が250ng/ml以上2,500ng/ml未満、カルシウムイオン以外のミネラルイオンから選ばれる1種又は2種以上のミネラルイオン濃度のいずれかが10ng/ml以上600ng/ml未満となるように人為的に含有せしめてなる飲料用水を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
男性ボランティア6人(年齢35乃至64歳)に以下の手順で被験水を飲用させ、体臭生成に及ぼす影響を調べた。試験系としては、各ボランティアに起床後(午前6時)から就寝前(午後11時)の間、試験水として、後述する実施例1の飲料用水を蒸留水にて3倍希釈(体積比)した試験水400mlを、食事をするときを避けて、一日当たり、3乃至4回に分けて略等量ずつ飲用させる手順で、7日間に亘って飲用させた以外は、各ボランティアには各自、通常どおりの生活をさせた。試験開始後、6日目に、予め準備しておいた、新品の木綿の肌着を蒸留水にて3回濯ぎのみをして乾燥させておいたもの(図1に示す肌着5)を各ボランティアに1枚ずつ配布し、これを当日の午後9時頃に入浴した後に、体に制汗剤等の化粧料は一切使用せずに着用させ、翌日の試験開始後7日目には、過度の汗をかくような運動はしないよう指示し、当日の午後5時(肌着着用時間は約20時間)に各ボランティアから肌着をそれぞれ回収し、各肌着に含まれる揮発性アルデヒド量を下記手順で測定した。対照として、上記試験終了後、約1ヶ月間の間隔をおいて、上記飲料用水に代えて、蒸留水を用いた以外は試験系の場合と同様にして試験を行い、各ボランティアから回収した各肌着に含まれる揮発性アルデヒド量を試験系と同様の手順で測定した。なお、対照試験を上記試験終了後、約1ヶ月間の間隔をおいて行ったのは、上記試験で飲用した試験水の影響を極力回避するために一定の期間を設けたもので、仮に少なからずその影響があったとしても、対照試験を上記試験後に行えば、試験系における結果が過大評価されることを回避できると考えたからである。
LpDNPHカートリッジ』、製品番号LpDNPH S10L、スペルコ株式会社販売)に送り込むとともに、配管2により再度密閉容器に戻して気体を1時間循環させることにより、着用後の肌着5に含まれる揮発性アルデヒドを該カートリッジ中のDNPH(ジニトロフェニルヒドラジン)と反応させて、揮発性アルデヒドをDNPH誘導体として安定化し、該カートリッジに捕集した。その後、該カートリッジを取り外し、これに2mlのアセトニトリルを通液し、該カートリッジから溶出液を回収し、各溶出液中に含まれる揮発性アルデヒドを下記手順で分析した。
<実験2:体臭生成抑制試験>
実験1において高齢臭の主要な原因物質である不飽和アルデヒド(2−ヘキセナール、2−オクテナール及び2−ノネナール)の生成量が最も多かった男性ボランティア(No.2の被験者)を被験者として、実験1と同様の手順で、各種試験水を飲用させ、高齢臭の主要な原因物質である不飽和アルデヒドの生成抑制に及ぼす影響を調べた。すなわち、後述する実施例7で調製した飲料用水(試験水1)、実施例8で調製した飲料用水(試験水2)、実施例1で調製した飲料用水を蒸留水で11倍希釈して得た飲料用水(試験水3)、市販のミネラルウォーターである『コントレックス』(Contrex)(試験水4)、及び、予め、実質的にミネラルを含まない蒸留水と塩化カルシウム二水和物のみを用いた以外は、実施例1に示す本発明の飲料用水の調製方法に準じて調製したカルシウムイオン濃度が250ng/mlの飲料用水(試験水5)を用いて試験をした。試験水1乃至5を用いての各試験は、約1カ月の間隔を隔てて行った。その理由は、実験1で述べたと同様の理由である。また、試験水1乃至5を用いての各試験においては、それぞれの対照として蒸留水を飲用させる試験を同様に行なった。試験水1乃至5のミネラルイオン濃度は、後述する実施例1に示す『マルチ CCD−ICP発光分析装置』(スペクトロ社製)を用いる誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)により分析し、それらは、表2に示すとおりのものであった。本試験においては、高齢臭の主要な原因物質である不飽和アルデヒド(2−ヘキセナール、2−オクテナール及び2−ノネナール)のみを分析した。その結果を表3に示す。なお、表3中、括弧内の数値は、試験水1乃至5を用いての各試験系において、実験1と同様、対照として蒸留水を飲用させて試験したときの数値を表す。
予め、RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない超純水(以下、「超純水」と言う。)1t(1,000kg)に、食品添加物としての塩化カルシウム二水和物(富田製薬販売)5.87g、塩化マグネシウム六水和物(富田製薬販売)3.63g、塩化カリウム0.39g、塩化ナトリウム0.11g、及びグルコン酸第一鉄(富田製薬販売)0.54gを、添加し、室温で均一に攪拌混合し、溶液Aを得た。別途、食品添加物としてのマンガン酵母(マンガン含有量5.03%、マグロウ社販売)約3.9gを超純水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Bを得た。また、食品添加物としての亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、マグロウ社販売)約3.7gを超純水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Cを得た。次いで、溶液Aの全量に溶液Bを100g及び溶液Cを111g添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを5L容のポリエチレン容器に無菌的に充填し、本発明の飲料用水(pH6)を得た。
予め蒸留装置を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない蒸留水(以下、「蒸留水」と言う。)1t(1,000kg)に、食品添加物としての塩化カルシウム二水和物(富田製薬販売)4.39g、塩化マグネシウム六水和物(富田製薬販売)2.53g、塩化カリウム0.29g、塩化ナトリウム0.39g、及びグルコン酸第一鉄(富田製薬販売)0.65gを、添加し、室温で均一に攪拌混合し、溶液Aを得た。別途、食品添加物としてのマンガン酵母(マンガン含有量5.03%、マグロウ社販売)約3gを蒸留水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Bを得た。また、食品添加物としての亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、マグロウ社販売)約3gを蒸留水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を孔径0.22μmの膜を用いて濾過し、溶液Cを得た。次いで、溶液Aの全量に溶液Bを100g及び溶液Cを111g添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを300ml容ペットボトルに無菌的に充填して本発明の飲料用水(pH6)を得た。
実施例1で得た本発明の飲料用水を、実施例2で用いたと同じ蒸留水で2倍又は3倍希釈(体積比)して均一に攪拌混合し、これに予め、『トレハ(登録商標)』(トレハロース、純度98%以上、株式会社林原商事販売)を蒸留水中で再結晶化させて得た純度99.9%以上のトレハロースを用いて、トレハロース濃度が0.3%(w/w)となるように添加し、室温で均一に攪拌混合して、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これらをそれぞれ500ml容のペットボトルに無菌的に充填し、2種類の本発明の飲料用水(pH4.5乃至5.5)を得た。
予め、イオン交換器を用いて水道水を脱塩処理して得た、実質的にミネラルを含まない脱イオン水(以下、「脱イオン水」と言う。)1t(1,000kg)に、食品添加物としての塩化カルシウム二水和物(富田製薬販売)3.68g、塩化マグネシウム六水和物(富田製薬販売)2.40g、塩化カリウム0.28g、塩化ナトリウム0.45g、グルコン酸第一鉄(富田製薬販売)0.45g、及びグルコン酸銅(富田製薬販売)0.36gを、添加し、室温で均一に攪拌混合し、溶液Aを得た。別途、食品添加物としての亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、マグロウ社販売)約4gを、脱イオン水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Bを得た。また、食品添加物としてのマンガン酵母(マンガン含有量5.03%、マグロウ社販売)約4gを脱イオン水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Cを得た。次いで、溶液Aの全量に溶液Bを50g及び溶液Cを50g添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを500ml容のペットボトルに無菌的に充填し、本発明の飲料用水(pH6.7)を得た。
実施例2で得た飲料用水を、実施例4で用いたと同じ脱イオン水で3倍希釈(体積比)した後、予め、『AA2G(登録商標)』(L−アスコルビン酸2−グルコシド、純度98%以上、株式会社林原生物化学研究所販売)を水中で再結晶化して得たものを濃度0.2%(w/w)となるように添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを250ml容のペットボトルに無菌的に充填し、本発明の飲料用水(pH3.8)を得た。
実施例1で得た本発明の飲料用水を、実施例1で用いたと同じ超純水で2倍希釈(体積比)し、これに糖アルコールであるマルチトールを最終濃度が0.1質量%となるように添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、本発明の飲料用水(pH5.5)を得、これを2L容のペットボトルに無菌的に充填した。
予め、RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない超純水(以下、「超純水」と言う。)1t(1,000kg)に、食品添加物としての塩化カルシウム二水和物(富田製薬販売)5.87g、塩化マグネシウム六水和物(富田製薬販売)3.66g、塩化カリウム0.80g、塩化ナトリウム0.22g、及びグルコン酸第一鉄(富田製薬販売)3.27gを、添加し、室温で均一に攪拌混合し、溶液Aを得た。別途、食品添加物としてのマンガン酵母(マンガン含有量5.03%、マグロウ社販売)約19.7gを超純水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Bを得た。また、食品添加物としての亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、マグロウ社販売)約22.4gを超純水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Cを得た。次いで、溶液Aの全量に溶液Bを100g及び溶液Cを111g添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを5L容のポリエチレン容器に無菌的に充填し、本発明の飲料用水(pH6)を得た。
予め、RO膜を用いて水道水から調製した、実質的にミネラルを含まない超純水(以下、「超純水」と言う。)1t(1,000kg)に、食品添加物としての塩化カルシウム二水和物(富田製薬販売)0.59g、塩化マグネシウム六水和物(富田製薬販売)0.06g、塩化カリウム0.01g、塩化ナトリウム0.003g、及びグルコン酸第一鉄(富田製薬販売)0.05gを、添加し、室温で均一に攪拌混合し、溶液Aを得た。別途、食品添加物としてのマンガン酵母(マンガン含有量5.03%、マグロウ社販売)約0.3gを超純水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Bを得た。また、食品添加物としての亜鉛酵母(亜鉛含有量5.03%、マグロウ社販売)約0.4gを超純水200mlに加えて分散し、これを121℃で20分間オートクレーブした後、室温まで冷却し、1,500rpmで15分間遠心分離し、得られる上清を膜濾過し、溶液Cを得た。次いで、溶液Aの全量に溶液Bを100g及び溶液Cを111g添加し、室温で均一に攪拌混合し、膜濾過(0.22μm)して除菌し、これを5L容のポリエチレン容器に無菌的に充填し、本発明の飲料用水(pH6)を得た。
2 配管
3 エアポンプ
4 揮発性アルデヒド捕集カートリッジ
5 着用後の肌着
Claims (5)
- カルシウムイオン濃度が250ng/ml以上2,500ng/ml未満、カルシウムイオン以外のミネラルイオンから選ばれる1種又は2種以上のミネラルイオン濃度のいずれかが10ng/ml以上600ng/ml未満となるように人為的に含有せしめてなる飲料用水。
- カルシウムイオン以外のミネラルイオンが、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又は遷移金属のイオンであることを特徴とする請求項1に記載の飲料用水。
- 蒸留水、脱イオン水、及び超純水から選ばれる1種又は2種以上の実質的にミネラルを含まない水に、カルシウムとともに、カルシウム以外のミネラルと酵母エキスから選ばれる1種又は2種以上を人為的に添加する工程を経由して得られる請求項1又は2に記載の飲料用水。
- 25℃での電気伝導度が、3μS/cm以上100μS/cm未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の飲料用水。
- 体臭生成抑制のために用いられる水であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の飲料用水。
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