[第1の実施形態]
以下、本発明の画像読取装置を具体化した第1の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、電子写真方式のカラープリンタに本発明を適用したものである。
<複合機の全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合機10を示す斜視図である。図2は、図1における複合機10を前から後に向かう方向に見た断面図である。図1において、複合機10は、画像読取装置20、この画像読取装置20の上部に配置された自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)11、給紙トレイ12、排紙トレイ14、入力装置21、表示装置23等を備えている。なお、前後方向、左右方向、及び上下方向は、図1及び図2に矢印で示す方向である。
ADF11は、画像読取装置20に対して回動自在に設けられている。そのため、ADF11は、画像読取装置20の上面を開閉することができる。ADF11は、原稿が載置される給紙トレイ12と、原稿が排出される排紙トレイ14とを備えている。給紙トレイ12及び排紙トレイ14は、上下方向に二段に配設されている。具体的には、排紙トレイ14の上方に給紙トレイ12が配置されている。なお、本実施形態では、排紙トレイ14は、ADF11の上面に形成された凹部により構成されている。
ADF11は、給紙トレイ12から引き出した原稿をUターン搬送路16に沿って搬送し、排紙トレイ14へ排出する。給紙トレイ12は、複数枚の原稿を収容することができる。原稿検知センサ30は、原稿が給紙トレイ12に収容しているか否かを検知する。ADF11は、原稿検知センサ30が原稿を検知した状態で給紙トレイ12から1枚ずつ連続して原稿を取り出す。給紙トレイ12から取り出された原稿は、Uターン搬送路16に沿って排紙トレイ14へ向かう向きを「搬送向き」として、排紙トレイ14へ自動的に搬送される。このADF11は、イメージセンサ24を備えている。図2が示すように、このイメージセンサ24は、原稿が搬送路16に沿って搬送される際に、当該原稿の裏面である第1面に記録された画像を読み取る。このイメージセンサ24としては、典型的にはCIS(Contact Image Sensor) やCCD(Charge Coupled Device)が採用される。
画像読取装置20は、コンタクトガラス22を備えている。このコンタクトガラス22は、画像読取装置20の上面に配置されている。このコンタクトガラス22の下方に、イメージセンサ25が備えられている。このイメージセンサ25は、原稿がUターン搬送路16に沿って搬送される際に、原稿の表面である第2面に記録された画像を読み取る。このイメージセンサ25としても、典型的にはCISやCCDが採用される。本実施形態のADF11、イメージセンサ24、及び、イメージセンサ25は、本発明の両面原稿読取部の一例である。
画像読取装置20は、ADF11が適用可能なものであれば如何なる構成のものであってもよい。なお、本実施形態は、本発明が画像読取装置20及びこれに適用可能なADF11として実施される一例であるが、本発明は、トナーやインクなどの画像記録材を記録用紙に付着させて画像を記録する画像記録装置として実施されてもよい。
入力装置21は、タッチパネル、押しボタンスイッチ、スタートボタン、あるいはテンキーなどから構成される。表示装置23は、LCD等からなる。
複数の原稿は、積層された状態で給紙トレイ12上に載置される。このとき、原稿は、表面を上にして給紙トレイ12上に載置される。給紙トレイ12に原稿が載置された状態
で、入力装置21から読取動作開始指令が入力されると、原稿の画像が読み取り始められる。ADF11によって給紙トレイ12から取り出された原稿は、その裏面に記録された画像がイメージセンサ24により読み取られる。この原稿は、さらにUターン搬送路16に沿って送られ、湾曲搬送路27を通過する際に表裏反転される。そして、原稿の表面に記録された画像がイメージセンサ25によって読み取られる。その後、排紙トレイ14に排出された原稿は、表面を下にして排紙トレイ14上にスタックされる。
<両面原稿読取部>
第1の実施形態では、両面原稿読取部58が、ADF11、イメージセンサ24、及びイメージセンサ25の組み合わせに相当する。前述のように、イメージセンサ24はADF11に設けられている。このイメージセンサ24は、搬送ローラ32とピンチローラ33との間に配置され、第1搬送路26を臨む位置に配置されている。したがって、第1搬送路26に沿って搬送される原稿は、イメージセンサ24の近傍を通過する。この際に、当該原稿の裏面に記録された画像がイメージセンサ24によって読み取られる。また、イメージセンサ24の対向する位置に、第1白部材34が配置されている。この第1白部材34にコイルバネ35が設けられており、これにより、第1白部材34は、イメージセンサ24側へ弾性的に付勢されている。したがって、この第1白部材34は、第1搬送路26に沿って搬送される原稿をイメージセンサ24に押し付ける。その結果、イメージセンサ24による良好な画像読取が可能となる。
また、前述のように、イメージセンサ25は画像読取装置20側に設けられている。このイメージセンサ25は、スライド軸36に対してスライド自在に支持されている。スライド軸36は、画像読取装置20の筐体に固定されており、図2が示すように図中左右方向に延びている。すなわち、スライド軸36は、原稿の搬送向き及び反搬送向きに延びている。イメージセンサ25は、図示されていないモータを駆動源として、所要の駆動伝達機構を介してスライドするようになっている。この場合の駆動伝達機構とは、たとえばプーリー・ベルト機構が例示される。
画像読取装置20のコンタクトガラス22は、二分割されている。すなわち、コンタクトガラス22は、固定読取用ガラス37と移動読取用ガラス38とを有する。この移動読取用ガラス38がいわゆる「プラテンガラス」と称されるものであり、ADF11が使用されない場合に、1枚ずつ原稿が載置される。そして、イメージセンサ25がスライドされつつ原稿に記録された画像が読み取られる。
固定読取用ガラス37は、ADF11が使用される場合に、連続して原稿が通過するものである。この固定読取用ガラス37と移動読取用ガラス38との間に原稿離反部材39が設けられている。この原稿離反部材39は、第2搬送路28に進入して固定読取用ガラス37に接した原稿を当該固定読取用ガラス37からすくい上げる。これにより、原稿は、固定読取用ガラス37から離反して第2搬送路28に沿って送られる。
ADF11が使用される場合、イメージセンサ25は、所定の画像読取位置18に移動して停止される。イメージセンサ25が画像読取位置18に停止することにより、イメージセンサ25は、第2搬送路28を臨む位置に配置される。この画像読取位置18は、固定読取用ガラス37の端部であって、上記原稿離反部材39に沿う部位である。原稿は、固定読取用ガラス37の上記画像読取位置18に到達し、その後に原稿離反部材39により固定読取用ガラス37からすくい上げられる。原稿は、画像読取位置18を通過する際に開口42から露出する。すなわち、原稿の表面に記録された画像が開口42から露出する。画像読取位置18で待機するイメージセンサ25は、この露出した画像を読み取る。
画像読取位置18に対応する位置に第2白部材40が配置されている。具体的には、こ
の第2白部材40は、ADF11のアンダーガイド31に固定されている。第2白部材40は、画像読取位置18で待機するイメージセンサ25と対向する。この第2白部材40にコイルバネ41が設けられている。このため、第2白部材40は、イメージセンサ25側へ弾性的に付勢されている。第2搬送路28に沿って搬送される原稿の先端が第2白部材40に到達すると、原稿は、第2白部材40と固定読取用ガラス37との間に進入する。この第2白部材40は、原稿を固定読取用ガラス37に押し付ける。その結果、イメージセンサ25による良好な画像読取が可能となる。
<複合機の電気的構成>
図3は、第1の実施形態に係る複合機10の電気的構成を表すブロック図である。複合機10は、CPU50、各種メモリ領域を備えるRAM51、各種プログラムを記憶するROM52、バスライン53、入出力部57、記憶装置56、通信ネットワークに接続されて外部装置54との間でデータの送受信をする通信インタフェース55、及び受信した印刷制御データを一時格納する受信バッファメモリ61を備えて構成される。図3において、入出力部57はI/Oと図示され、外部装置54はPCと図示され、通信インタフェース55はI/Fと表示されている。入出力部57は、入力装置21、LCD等からなる表示装置23、及び印刷部59とそれぞれ接続されている。入力装置21は、タッチパネル、押しボタンスイッチ、スタートボタンあるいはテンキーなどから構成される。印刷部59は、インクジェット印字機構、レーザー印字機構、熱転写印字機構、あるいはドットインパクト式印字機構などの周知の機構からなる。入出力部57は、両面原稿の画像を読取可能な両面原稿読取部58、及び、公衆電話回線を通じて画像データを送受信するFAX部60とそれぞれ接続されている。両面原稿読取部58は、ADF11、イメージセンサ24、及び、イメージセンサ25などから構成されている。記憶装置56は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリや、ハードディスクで構成される。
(RAMのメモリ領域)
RAM51は、裏面画像メモリ領域AR11、及び、表面画像メモリ領域AR12を有する画像領域AR1を備える。裏面画像メモリ領域AR11は、イメージセンサ24により読み取られた原稿の画像を記憶する。表面画像メモリ領域AR12は、イメージセンサ25により読み取られた原稿の画像を記憶する。また、RAM51は、裏面基準黒データメモリ領域AR21、及び、表面基準黒データメモリ領域AR22を有する基準黒データ領域AR2を備える。裏面基準黒データメモリ領域AR21は、裏面の白紙の記録紙の黒データ量を記憶する。表面基準黒データメモリ領域AR22は、表面の白紙の記録紙の黒データ量を記憶する。
RAM51は、裏面黒データメモリ領域AR31、及び、表面黒データメモリ領域AR32を有する黒データ領域AR3を備える。裏面黒データメモリ領域AR31は、原稿の裏面の黒データ量を記憶する。表面黒データメモリ領域AR32は、原稿の表面の黒データ量を記憶する。
RAM51は、ページカウンタメモリ領域AR41、前回ページ数メモリ領域AR42、及び、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43を有するカウンタ値領域AR4を備える。ページカウンタメモリ領域AR41は、読み取った原稿の枚数を記憶する。前回ページ数メモリ領域AR42は、行われた読取ジョブの中で一番最後に行われた読取ジョブの1つ前の読取ジョブで読み取った原稿の枚数を記憶する。以降、行われた読取ジョブの中で一番最後に行われた読取ジョブを「今回の読取ジョブ」といい、行われた読取ジョブの中で一番最後に行われた読取ジョブの1つ前の読取ジョブを「前回の読取ジョブ」という。片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43は、白紙頁が原稿の同じ一方の面にある片面原稿の読取ジョブが連続して行われた回数を記憶する。「片面原稿」とは、白紙頁が原稿の一方の面にあり、他方の面に画像が形成されている原稿のことである。ま
た、原稿の裏表の面に画像が形成されている原稿を「両面原稿」という。片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43は、例えば、全ての原稿の裏面に白紙頁があり、表面に画像が形成されている片面原稿を読み取る読取ジョブが連続して検出された回数を記憶する。
RAM51は、前回読取ジョブフラグメモリ領域AR51、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52、強制片面読取フラグメモリ領域AR53、ページ数変化フラグメモリ領域AR54、及び、実行機能変化フラグメモリ領域AR55を有するフラグ領域AR5を備える。前回読取ジョブフラグメモリ領域AR51は、前回の読取ジョブの原稿のうち表面が全て白紙頁であるか又は裏面が全て白紙頁であるかの情報を記憶する。原稿読取モードフラグメモリ領域AR52は、読取モードが片面読取りであるか又は両面読取りであるかの情報を記憶する。強制片面読取フラグメモリ領域AR53は、両面読取りから片面読取りに切り替えるか否か判定する情報を記憶する。ページ数変化フラグメモリ領域AR54は、前回の読取ジョブの原稿枚数と今回の読取ジョブの原稿枚数とが異なるか否かの情報を記憶する。実行機能変化フラグメモリ領域AR55は、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異なるか否かの情報を記憶する。
RAM51は、今回実行機能種類メモリ領域AR61、及び、前回実行機能種類メモリ領域AR62を有する実行機能種類領域AR6を備える。今回実行機能種類メモリ領域AR61は、今回の読取ジョブでユーザによって選択された機能を示す機能情報を記憶する。前回実行機能種類メモリ領域AR62は、前回の読取ジョブでユーザによって選択された機能を示す機能情報を記憶する。
(ROMのメモリ領域及び記憶プログラム)
ROM52は、白紙頁検出領域PR1、原稿白紙頁判定領域PR2、読取モード設定領域PR3、読取制御領域PR4、ジョブ数判定領域PR5、状態変更判定領域PR6、及び、実行機能変更判定領域PR7を備える。白紙頁検出領域PR1は、白紙頁検出プログラムを記憶する。原稿白紙頁判定領域PR2は、原稿白紙頁判定プログラムを記憶する。読取モード設定領域PR3は、読取モード設定プログラムを記憶する。読取制御領域PR4は、読取制御プログラムを記憶する。ジョブ数判定領域PR5は、ジョブ数判定プログラムを記憶する。状態変更判定領域PR6は、状態変更判定プログラムを記憶する。実行機能変更判定領域PR7は、実行機能変更判定プログラムを記憶する。
白紙頁検出プログラムは、イメージセンサ24、25によって読み取られた原稿が白紙頁であるか否かを検出するためのプログラムである。白紙頁検出プログラムが実行されると、表面画像メモリ領域AR12に記憶された画像データの中から黒データ量がカウントされ、この黒データ量のカウント値が表面黒データメモリ領域AR32に格納される。同様に、裏面画像メモリ領域AR11に記憶された画像データの中から黒データ量がカウントされ、この黒データ量のカウント値が裏面黒データメモリ領域AR31に格納される。次に表面黒データメモリ領域AR32と表面基準黒データメモリ領域AR22との黒データ量を比較して、原稿の表面が白紙頁であるか否かが判定される。同様に裏面黒データメモリ領域AR31と裏面基準黒データメモリ領域AR21との黒データ量を比較して、原稿の裏面が白紙頁であるか否かが判定される。
原稿白紙頁判定プログラムは、1つの読取ジョブにおいてイメージセンサ24、25によって読み取られた原稿の全てが片面原稿であるか否かを判定し、片面原稿である場合は、表面と裏面とのどちらが白紙頁であるかを判定するためのプログラムである。原稿白紙頁判定プログラムが実行され、読み取られた原稿の全ての表面に白紙頁がある場合、前回読取ジョブフラグメモリ領域AR51に記憶されている値が「1」となる。読み取られた原稿の全ての裏面に白紙頁がある場合、前回読取ジョブフラグメモリ領域AR51に記憶
されている値が「0」となる。なお初期値として前回読取ジョブフラグメモリ領域AR51に「0」が記憶されている。
読取モード設定プログラムは、読取動作が開始される前の初期設定でユーザによって入力装置21から両面読取モード又は片面読取モードの読取モードが指定される際に、その指定に従って読取モードを設定するためのプログラムである。読取モード設定プログラムが実行され、読取モードが両面読取モードに設定されると、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「1」となり、読取モードが片面読取モードに設定されると、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「0」となる。
読取制御プログラムは、両面読取モードが設定されている場合に、読取モードの設定は変更されずに、両面読取りから片面読取りに切り替えて読取動作を制御するためのプログラムである。本実施形態では、表面の片面読取りを行う場合、イメージセンサ24をオフ、イメージセンサ25をオンにして読み取りが制御される。同様に、裏面の片面読取りを行う場合、イメージセンサ24をオン、イメージセンサ25をオフにして読み取りが制御される。なお両面読取りから片面読取りに切り替える方法は、読取制御プログラムを実行させる方法と、読取モード設定プログラムにより両面読取モードから片面読取モードに切り替える方法とがある。本実施形態では、読取モードの設定は変更されずに、両面読取りから片面読取りに切り替える読取制御プログラムを実行させる方法が用いられる。
ジョブ数判定プログラムは、白紙頁が原稿の同じ一方の面にある片面原稿の読取ジョブが連続して行われた回数を計数し、その回数が所定回数以上であるか否かを判定するためのプログラムである。ジョブ数判定プログラムが実行されると、片面原稿の読取ジョブが原稿の同じ一方の面に連続して検出される毎に片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値がインクリメントされ、片面原稿の読取ジョブが原稿の同じ一方の面に連続して検出されないと片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「1」にリセットされ、全ての原稿が片面原稿の読取ジョブでなければ片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「0」にリセットされて記憶される。この片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値がRAM51に記憶されている所定の片面原稿判定値以上であると、白紙頁が原稿の同じ一方の面にある片面原稿の読取ジョブが連続して行われる傾向があると判定される。
状態変更判定プログラムは、前回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と今回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異なるか否かを判定するためのプログラムである。状態変更判定プログラムが実行されると、前回ページ数メモリ領域AR42に記憶されている値とページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値とが比較され、2つの値が異なる場合は前回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と今回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異なると判定される。2つの値が異ならない場合は前回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と今回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異ならないと判定される。前回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と今回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異なると判定されると、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」となる。前回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と今回の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異ならないと判定されると、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「0」となる。また、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」となった状態で、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が所定の片面原稿判定値に達すると、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」となる。強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」に設定された状態で次の読取ジョブが行われると、読取制御プログラムが実行され、両面読取りから片面読取りに切り替える読取制御が行われる。
実行機能変更判定プログラムは、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異なるか否かを判定するためのプログラムである。読取ジョブで実行される機能として、例えば、ファクシミリ機能、コピー機能、及び、PCスキャン機能等がある。今回の読取ジョブでファクシミリ機能が選択されると、実行機能種類領域AR6の今回実行機能種類メモリ領域AR61に選択されたファクシミリ機能を示す機能情報FDが記憶される。機能情報FDは、ユーザによってスタートボタンが押下されることにより読取ジョブ開始指令が出され、機能が実行される際に参照される。機能情報FDが参照されると、ファクシミリ機能が実行される。本実施形態では、ファクシミリ機能が実行されると、読み取った原稿の画像データが外部にファクシミリ送信される。また、今回の読取ジョブでコピー機能が選択されると、実行機能種類領域AR6の今回実行機能種類メモリ領域AR61に選択されたコピー機能を示す機能情報CDが記憶される。機能情報CDが参照されると、コピー機能が実行される。また、今回の読取ジョブでPCスキャン機能が選択されると、実行機能種類領域AR6の今回実行機能種類メモリ領域AR61に選択されたPCスキャン機能を示す機能情報SDが記憶される。機能情報SDが参照されると、PCスキャン機能が実行される。PCスキャン機能は、複合機10がPC54からの読み取り開始指示を受けて給紙トレイ12に載置された原稿が読み取られて実行される。前回実行機能種類メモリ領域AR62にも、同様に機能情報が、前回の読取ジョブでユーザによって選択された機能に応じて記憶される。実行機能変更判定プログラムが実行されると、今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶された機能情報と前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶された機能情報とが比較される。今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶された機能情報と前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶された機能情報とが異なると判定された場合、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶される値が「1」に設定される。つまり、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異なると判定される。今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶された機能情報と前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶された機能情報とが異ならないと判定された場合、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶された値を記憶されている値のままに維持する。つまり、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異ならないと判定される。初期値として、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に「0」が記憶される。実行機能変化フラグメモリ領域AR55に「0」が記憶されている場合、これまでに行われた読取ジョブが複数のユーザによって行われていないと判定される。また、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に「1」が記憶されている場合、これまでに実行された読取ジョブが複数のユーザによって行われていると判定される。ユーザが異なれば、実行される読取ジョブの機能が異なる可能性が高いため、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶されている値によって、これまでに行われた読取ジョブが複数のユーザによって行われたか否かが判定できる。
<画像読取装置の動作例>
次に、複合機10の両面原稿読取部58の読取制御について、図7に示した読取パターン毎に、図4から図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。図4は、複合機10をスキャナとして機能する場合の両面原稿読取部58の読取制御について示しており、具体的には、ADF11にセットされた複数枚の原稿が両面原稿読取部58で読み取られる場合の両面原稿読取部58の読取制御について示している。図5は図4の読取制御のフローチャートの続きである。図6は、読取モード設定処理のフローチャートである。図7は、複数枚の片面原稿の読取ジョブが6回連続する場合の各読取パターンについて、本実施形態の読取制御動作を説明するための説明図である。図7に示した読取パターン1と読取パターン2とは、ユーザによって読取モードの設定入力が行われない場合の読取制御動作である。まず始めに図4から図6を参照して、ユーザによって読取モードの設定入力が行われる場合の読取制御動作について説明する。次に図7に示す2つの読取パターンについて説明する。
<片面読取モードの読み取り動作>
ここでは、ユーザによって読取モードが片面読取モードにされる設定入力が行われて、表面に画像が形成されて裏面が白紙頁である複数枚の片面原稿が読み取られる場合について説明する。複合機10に電源が投入され、原稿が給紙トレイに載置されると、各種設定値が初期値に設定される(S101)。ユーザによって原稿が給紙トレイ12に載置され、S201で読取モード設定プログラムが実行され、読取モード設定処理が行われる。図6に示す読取モード設定処理により読取モードが片面読取モードに設定されると(S202:Yes)、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「0」に設定される(S203)。読取モード設定処理(S201)が終わると読み取り開始指示を待ち受ける待ち状態となり、ユーザによってスタートボタンが押下されると、読み取り開始指示が出される状態になる(S102)。
読み取り開始指示が出されると(S102:Yes)、原稿読取枚数をカウントするページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値が初期値の「0」にリセットされる(S103)。本実施形態のS102は、本発明の読取ジョブ実行判定部の一例である。次にS104で給紙トレイに載置された原稿を片面読取りするか又は両面読取りするかが判定される。S104の判定では、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「0」に設定されていれば片面読取モードに設定されていると判定され(S104:Yes)、「1」に設定されていれば両面読取モードに設定されていると判定される(S104:No)。ここでは、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「0」に設定されている(S203)ため、載置された原稿を片面読取モードに設定されていると判定される(S104:Yes)。
片面読取モードに設定される読取モードの設定入力が行われたので、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「0」にリセットされる(S105)。片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値は、両面読取モードにおいて白紙頁が原稿の同じ一方の面にある片面原稿の読取ジョブが連続して検出された回数を計数するための値であるため、片面読取モードにおいては、「0」にリセットされる。
S106で1枚の原稿の表面が読み取られ、次に原稿があればS106が繰り返される(S107:Yes)。載置された全ての原稿が読み取られると(S107:No)、処理がS201に戻り、1つの片面原稿の読取ジョブが終了する。処理がS201に戻ると次の読取ジョブが行われるまでS201とS102とが繰り返される。次の読み取り開始指示が出されるまで読み取り開始指示を待ち受ける待ち状態となる。S102で読み取り開始指示がないと判定されると(S102:No)、読取ジョブの実行が終了したと判定される。本実施形態のS102は、本発明の読取ジョブ実行判定部の一例である。
<両面読取モードの両面原稿読取り動作>
次にユーザによって読取モードが両面読取モードにされる設定入力が行われ、原稿の両面が読み取られる場合について説明する。S201で読取モードの設定が行われ、ユーザによって両面読取モードに設定される(S204:Yes)。S205で原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「0」から「1」に設定される。S102で読み取り開始指示が出されると、ページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値が初期値の「0」にリセットされ(S103)、S104で原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「1」に設定されたことが確認され、両面読取りすると判定される(S104:No)。次にS301では、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」であるか又は「0」であるかが判定される。S301により、両面読取モードに設定されている状態で、両面読取りを片面読取りに切り替
える制御を行うか否かが判定される。強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「0」であれば両面読取りが行われ(S301:No)、「1」であれば片面読取りに切り替える制御が行われる(S301:Yes)。
強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「0」であるので、両面読取が行われ、読み取った原稿の枚数がカウントされる。S302でページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値が「0」に「1」を足して「1」にインクリメントされる。そしてS303で原稿の両面が読み取られる。読み取るとS304で次の原稿があるか確認され、給紙トレイに載置された全ての原稿が読み取られるまで、処理がS302からS304まで繰り返される。
全ての原稿が読み取られると(S304:No)、前回の読取ジョブの原稿枚数と今回の読取ジョブの原稿枚数とを比較してユーザが同一であるか否かを判定する処理が行われる。S305で前回の読取ジョブの原稿枚数が電源投入後で「0」に設定されている場合(S305:Yes)、初期値として今回読み取った原稿の枚数であるページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値が設定される(S306)。前回の読取ジョブの原稿枚数が「0」に設定されていない場合(S305:No)、処理がS307に進む。
S307では、前回の読取ジョブの原稿枚数と今回の読取ジョブの原稿枚数とが異なるか否かが判定される。前回の読取ジョブの原稿枚数と今回の読取ジョブの原稿枚数とが異なると判定されると(S307:Yes)、S308でページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「0」から「1」に設定され、また前回ページ数メモリ領域AR42に記憶されている値が今回の読取ジョブのページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値に更新される。今回の読取ジョブは、電源投入後のジョブであって前回の読取ジョブの原稿枚数と今回の読取ジョブの原稿枚数とが異ならないと判定され(S307:No)、処理がS401に進む。
図5に示すようにS401及びS402では白紙頁検出プログラムと原稿白紙頁判定プログラムとが実行される。白紙頁検出プログラムによって検出された白紙頁が読取ジョブの全ての原稿にあるか否かが判定される。白紙頁が読取ジョブの全ての原稿にある場合は、さらに、表面と裏面とのどちらが白紙頁であるかが原稿白紙頁判定プログラムにより判定される。今回のジョブは両面原稿を両面読取モードで読み取ったため、原稿の裏面も表面も白紙頁ではないと判定される。従ってS401で読み取った原稿の全ての裏面は白紙頁ではないと判定され(S401:No)、またS402で読み取った原稿の全ての表面は白紙頁ではないと判定され(S402:No)、処理がS403に進む。S403では、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「0」にリセットされる。今回の読取ジョブが片面原稿の読取ジョブではなく両面原稿の読取ジョブであったため、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「0」にリセットされる。処理がS403を終わるとS201に戻り、1つの読取ジョブが終了する。
<読取パターン1の動作>
次に図7に示す読取パターン1の動作について説明する。読取パターン1の動作は、複数のユーザによって読取モードの設定入力が行われない読取ジョブが連続して行われる場合の読取制御動作である。読取パターン1の前提条件として、1番目の読取ジョブを今回の読取ジョブとした場合に、前回の読取ジョブのユーザによって両面読取モードの設定入力が行われた状態とする。また、前回の読取ジョブによって4枚の両面原稿が読み取られたとする。本実施形態の読取パターン1では、前回のユーザによって両面読取モードが設定されたままの状態で、複数のユーザによって1番目の読取ジョブから3番目の読取ジョブまでの3回の読取ジョブで読取モードの設定入力がされないで片面原稿を読み取るジョ
ブが連続して続くため、4番目の読取ジョブから自動的に両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われる。1番目から3番目までの連続する読取ジョブでは、原稿が表面に画像が形成された片面原稿であったことから、複合機で読取ジョブを実行する際の読取方法の傾向は、過去3回の片面原稿の傾向に従って片面読取りであると推測することができる。1台の複合機を特定の数人のユーザが共用することが多いことから、複合機で実行された過去の読取ジョブの読取方法の傾向に従って、その後の読取方法を決定することが可能である。本実施形態では、4番目の読取ジョブの読取方法は、それ以前に3回連続して読み取られた原稿は片面原稿であったことから、強制片面読取りに切り替えられる。
読取パターン1の動作について1番目の読取ジョブから順に説明する。1番目の読取ジョブが開始される直前は、前回の読取ジョブのユーザによって両面読取モードが設定された状態であるため、原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶されている値が「1」に設定され、S102で新しい読み取り開始指示を待ち受ける待ち状態である。また、前回の読取ジョブによって4枚の両面原稿が読み取られたので、前回ページ数メモリ領域AR42に記憶されている値が「4」に設定されている。図7に示す1番目の読取ジョブの詳細について説明する。1番目の読取ジョブは、裏面が白紙頁である4枚の片面原稿の表面が読み取られることを1人目のユーザUAが希望している。しかし、前回の読取ジョブのユーザによって両面読取モードが設定され、ユーザUAによって読取モードの設定入力が行われないため、片面原稿の読み取りを希望しているのにも関わらず原稿の両面が読み取られてしまう。ユーザUAによって4枚の片面原稿が給紙トレイ12に載置され、読取モードの設定入力が行われずに、入力装置21のスタートボタンが押下されて、1番目の読取ジョブの読み取り開始指示が出される(S102:Yes)。S303で原稿の両面が読み取られて、S401で白紙頁検出プログラムと原稿白紙頁判定プログラムとが実行される。S401で読み取った原稿の全ての裏面が白紙頁である(S401:Yes)ため、S404で前回の読取ジョブの全ての裏面は白紙頁であるか否かが判定される。前回の読取ジョブが両面原稿の読取ジョブであるため、前回の読取ジョブの全ての裏面は白紙頁でないと判定されて(S404:No)、処理がS409に進む。なお、S401で実行された原稿白紙頁判定プログラムにより、1番目の読取ジョブが片面原稿の読取ジョブであると判定できる。本実施形態のS401、及び、白紙頁検出プログラムを記憶する白紙頁検出領域PR1は、本発明の白紙頁検出部の一例である。また、本実施形態のS401、及び、原稿白紙頁判定プログラムを記憶する原稿白紙頁判定領域PR2は、本発明の原稿白紙頁判定部の一例である。
S409でジョブ数判定プログラムが実行され、今回の読取ジョブが片面原稿であったため片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「1」に設定される。また、前回読取ジョブフラグメモリ領域AR51に記憶されている値が「0」に設定される。この「0」は、今回実行された読取ジョブの全ての裏面が白紙頁であることを示す値である。処理がS409を終わるとS201に戻り、1番目の読取ジョブが終了する。
次に2人目のユーザUBによって2番目の読取ジョブが行われる。2番目の読取ジョブは裏面が白紙頁である5枚の片面原稿を読み取るジョブである。ユーザUBは原稿の表面が読み取られることを希望している。1番目の読取ジョブで設定された各種設定値が引き継がれ、ユーザUBによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。原稿が読み取り終わると(S304:No)、S307で状態変更判定プログラムが実行される。1番目の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と2番目の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異なるため、S308でページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「0」から「1」に設定される。またS308で前回ページ数メモリ領域AR42に記憶されている値「4」が今回のページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値「5」に更新される。ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶され
ている値が「1」に設定されることで、前回の1番目の読取ジョブのユーザと今回の2番目の読取ジョブのユーザとが異なり、複数のユーザによって読取ジョブが行われていると判定できる。これは、ユーザが異なれば、複数枚の原稿を読み取る読取ジョブの原稿枚数が異なる可能性が高いと考えられるためである。したがって、連続する読取ジョブの中に読取枚数の異なる読取ジョブがあれば、複数のユーザによって読取ジョブが行われたと判定できる。なお、本実施形態のS103、S302、S306、及び、S308は、本発明の読取枚数記憶部の一例である。
次にS401で全ての裏面が白紙頁であると判定され(S401:Yes)、S404で1番目の読取ジョブの全ての裏面が白紙頁であったことから前回の1番目の読取ジョブの全ての裏面が白紙頁であると判定されて、処理がS405に進む。
S405で、ジョブ数判定プログラムが実行され、1番目の読取ジョブと2番目の読取ジョブとで連続して裏面が白紙頁である片面原稿の読取ジョブが検出されたため、片面原稿読取ジョブカウンタに記憶されている値が「1」から「2」にインクリメントされ、処理がS406に進む。
S406では、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が片面原稿判定値以上であるか否かが判定される。片面原稿判定値が「3」に設定されているため、片面原稿読取ジョブカウンタモリ領域AR43に記憶されている値「2」が片面原稿判定値「3」以上でないと判定され(S406:No)、2番目の読取ジョブが終了する。
次に3人目のユーザUCによって3番目の読取ジョブが行われる。3番目の読取ジョブは裏面が白紙頁である4枚の片面原稿を読み取るジョブである。ユーザUCは原稿の表面が読み取られることを希望している。2番目の読取ジョブで設定された各種設定値が引き継がれ、ユーザUCによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。原稿が読み取り終わると(S304:No)、S307で状態変更判定プログラムが実行される。前回の2番目の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数と今回の3番目の読取ジョブで読み取られた原稿の枚数とが異なるため、S308でページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」に維持される。またS308で前回ページ数メモリ領域AR42に記憶されている値「5」が今回のページカウンタメモリ領域AR41に記憶されている値「4」に更新される。
次にS401で全ての裏面が白紙頁であると判定され(S401:Yes)、S404で2番目の読取ジョブの全ての裏面が白紙頁であったことから前回の2番目の読取ジョブの全ての裏面が白紙頁であると判定されて、処理がS405に進む。
S405で、ジョブ数判定プログラムが実行され、1番目の読取ジョブから3番目の読取ジョブまで連続して裏面が白紙頁である片面原稿の読取ジョブが検出されたため、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「2」から「3」にインクリメントされ、処理がS406に進む。
S406で片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「3」に設定されているため、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値「3」が片面原稿判定値「3」以上であると判定される(S406:Yes)。この判定により、片面原稿の読取ジョブが所定回数以上連続して行われているため、複合機10において片面原稿の読取ジョブが行われる傾向があると判定できる。本実施形態のS403、S409、S405、S406、及び、ジョブ数判定プログラムが記憶されているジョブ数判定領域PR5は、本発明のジョブ数判定部の一例である。
次にS407で、状態変更判定プログラムが実行される。S407では、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」であるか否かにより、連続する読取ジョブの中に原稿枚数が異なる読取ジョブがあったか否かが判定される。2番目の読取ジョブと3番目の読取ジョブとでページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」に設定されたため、連続する読取ジョブの中に原稿枚数が異なる読取ジョブがあったと判定され(S407:Yes)、S408に進む。なお、S407の判定により、複数のユーザによって読取ジョブが行われていると判定できる。本実施形態のS307、S308、S407、及び、状態変更判定プログラムが記憶されている状態変更判定領域PR6は、本発明の状態変更判定部の一例である。次にS408では、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「0」から「1」に設定されて、3番目の読取ジョブが終了する。
次に4人目のユーザUDによって4番目の読取ジョブが行われる。4番目の読取ジョブは裏面が白紙頁である6枚の片面原稿を読み取るジョブである。ユーザUDは原稿の表面が読み取られることを希望している。3番目の読取ジョブで設定された各種設定値が引き継がれ、ユーザUDによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。
4番目の読取ジョブが開始されると、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」であるため(S301:Yes)、S601に進む。読取モードは、両面読取モードに設定されている状態である。S601で、読取制御プログラムが実行される。S601では、裏面が白紙頁の片面読取りを行うか否かが判定される。裏面が白紙頁の片面読取りを行うか否かは、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」に設定された際に、読取ジョブの白紙頁が裏面にあったか否かによって判定される。3番目の読取ジョブが強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」に設定され、裏面が白紙頁である読取ジョブであったため、S601で裏面が白紙頁の片面読取りを行うと判定される(S601:Yes)。
4番目の読取ジョブは、S106で表面原稿が読み取られる。6枚全ての原稿が読み取られると(S107:No)、4番目の読取ジョブが終了する。本実施形態のS301、S601、S106、及び、読取制御プログラムが記憶されている読取制御領域PR4は、本発明の読取制御部の一例である。
1番目の読取ジョブから4番目の読取ジョブにおいて、読取パターン1の動作では、複数のユーザによって片面原稿を読み取るジョブが3回以上連続して続いたので、読取モードの設定が両面読取モードに設定されていても4番目の読取ジョブで両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われた。複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われる傾向があると判定されたことから自動的に両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われるため、ユーザによって読取モードの設定入力がされなくても、ユーザの希望する片面読取りを行うことができる。
次に5人目のユーザUEによって5番目の読取ジョブが行われる。5番目の読取ジョブは裏面が白紙頁である5枚の片面原稿を読み取るジョブである。ユーザUEは原稿の表面が読み取られることを希望している。4番目の読取ジョブで設定された各種設定値が引き継がれ、ユーザUEによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。
5番目の読取ジョブが開始されると、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」であるため(S301:Yes)、S601に進む。強制片面読取り
フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「0」になるまで、読取ジョブが開始されるとS601に進むようになっている。つまり読取モード設定処理で読取モードの設定入力が行われるまで読取モードが両面読取モードに設定されていても自動で片面読取りを行うように制御される。
5番目の読取ジョブの読取モードは、両面読取モードに設定されている状態である。S601で、読取制御プログラムが実行されて、裏面が白紙頁の片面読取りを行うか否かが判定される。強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶されている値が「1」に設定された4番目の読取ジョブは、裏面が白紙頁である読取ジョブであったため、S601で裏面が白紙頁の片面読取りを行うと判定される(S601:Yes)。5番目の読取ジョブは、S106で表面原稿が読み取られる。5枚全ての原稿が読み取られると(S107:No)、5番目の読取ジョブが終了する。
次に6人目のユーザUFによって6番目の読取ジョブが行われる。6番目の読取ジョブは3枚の両面原稿を読み取るジョブである。ユーザUFは原稿の両面が読み取られることを希望している。これまでの1番目から5番目までの読取ジョブは、読取モードの設定入力がされずに片面原稿を読み取るジョブであったが、6番目の読取ジョブでは、読取モードの設定入力がされて両面原稿を読み取るジョブが行われる場合について説明する。一般には、ユーザが読取モードを設定して読み取り作業を行うが、特定の数人のユーザが頻繁に使用する複合機については、特定の各ユーザが読取モードの設定入力を行わずに読み取り作業を開始する場合には、前回の読取ジョブでの読取方法の傾向を受け入れたと考えることができる。しかし、特定の各ユーザが、使い慣れた読取方法とは異なる読取方法で読取作業を行う場合には、作業前に設定入力を行う必要があり、その設定入力を行わなかった場合には、特別に希望した読取方法と異なる使い慣れた読取方法が実行される。この場合だけは、作業ミスが発生する。
ユーザUFによって読取モードの設定入力が行われるため、前回の読取ジョブである5番目の読取ジョブで設定された各種設定値が引き継がれずにリセットされる。S201で読取モード設定処理が開始され、ユーザUFによって両面読取モードの設定入力が行われると(S204:No)、S205で原稿読取モードフラグメモリ領域AR52に記憶された値が「1」に設定され、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「0」に設定される。6番目の読取ジョブが行われることで、自動的に両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われず、通常の設定された読取モードの読み取りが行われる。
次に、本実施形態の効果について特許文献1に記載の従来技術と比較して説明する。特許文献1に記載の従来技術における制御では、ユーザによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始された場合、読取モードを両面読取モードに自動的に設定する。1枚目の原稿を両面読取りした後に、読み取った原稿が両面原稿であるか又は片面原稿であるかが判定される。片面原稿であると判定されると、2枚目以降の原稿を両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われる。両面原稿であると判定されると、2枚目以降の原稿が両面読取りされる。しかし、片面原稿であると判定された後に、次の読取ジョブが行われると、片面読取りに切り替える制御は継続されず、再度1枚目の原稿を両面読取りし、読み取った原稿が両面原稿であるか又は片面原稿であるかが判定される。つまり、従来技術における制御では、新しい読取ジョブが行われる毎に載置された原稿が両面原稿であるか又は片面原稿であるかを判定する処理が毎回行われ、片面原稿を両面読取りしてユーザの意図しない白紙頁を読み取る処理が行われたり、その読み取りの処理に余計な時間がかかる問題があった。
従来技術における制御に対し、本発明の制御では、複数のユーザによって片面原稿の読
取ジョブが連続して行われる傾向があると判定されることにより、両面読取モードに設定されている状態でユーザによって読取モードの設定入力が行われなくても、両面読取りから片面読取りに切り替えて読取ジョブが行われる。これにより、ユーザが読取モードの設定状態を認識しなくとも、自動的にユーザが希望する読取ジョブが判定されて読取ジョブ毎の読取処理にかかる時間を短縮することができる。
<読取パターン2の動作>
次に図7に示す読取パターン2の動作について説明する。読取パターン2の動作は、読取パターン1の動作と同様に、複数のユーザによって読取モードの設定入力が行われない読取ジョブが連続して行われる場合の読取制御動作である。読取パターン2の前提条件として、1番目の読取ジョブを今回の読取ジョブとした場合に、前回の読取ジョブのユーザによって両面読取モードの設定入力が行われた状態とする。また、前回の読取ジョブによって4枚の両面原稿が読み取られたとする。本実施形態の読取パターン2では、前回のユーザによって両面読取モードが設定されたままの状態で、同じユーザによって1番目の読取ジョブから3番目の読取ジョブまでの3回の読取ジョブで読取モードの設定入力がされないで片面原稿を読み取るジョブが連続して続くが、複数のユーザによって読取ジョブが行われていないため、4番目の読取ジョブでは自動的に両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われない。この4番目の読取ジョブで切り替えない理由は、ユーザUAと異なる1人のユーザUBの読取方法だけでは、それ以降の他のユーザの読取方法の傾向が推測できないためである。複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが連続する傾向があれば、次の読取ジョブで読取モードの設定入力がされない場合、片面原稿の読取ジョブであると判定できる。4番目の読取ジョブで他のユーザUBによって片面原稿の読取ジョブが行われるため、5番目の読取ジョブから自動的に両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われる。読取パターン2の読取動作では、全て表面が白紙頁の片面原稿の読み取りが行われる。
まず始めに、1人目のユーザUAによって1番目の読取ジョブが行われる。この1番目の読取ジョブを今回の読取ジョブとすると、1番目の読取ジョブの1つ前に実行された読取ジョブが前回の読取ジョブとなる。前回の読取ジョブのユーザによって読取モードが両面読取モードに設定されている状態(S104:No)で、今回の1番目の読取ジョブが行われる。また、前回の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と今回の1番目の読取ジョブで読み取る原稿の枚数とが同じ場合を想定しているので、片面原稿の読取ジョブが連続している場合に、複数のユーザによって読取ジョブが行われたと判定される。
1番目の読取ジョブがユーザUAによって読取モードの設定入力が行われずに、ユーザUAによってスタートボタンが押下され、開始される(S102:Yes)。ユーザが希望している読取ジョブは表面が白紙頁の片面原稿の読み取りである。ユーザUAは原稿の裏面が読み取られることを希望しているが、読取モードが両面読取モードに設定されているため、両面読取りが行われる。給紙トレイ12に載置された4枚の原稿が読み取られると(S304:No)、前回の読取ジョブがあると判定され(S305:Yes)、前回の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と今回の1番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数とが異ならないと判定される(S307:No)。したがって、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶された値は「0」に維持される。
次にS401で、白紙頁検出プログラムと原稿白紙頁判定プログラムとが実行される。1番目の読取ジョブは全ての表面が白紙頁の片面原稿であるので、全ての裏面が白紙頁でないと判定され(S401:No)、次のS402で全ての表面が白紙頁であると判定されると(S402:Yes)、処理がS501に進む。
S501では、前回の読取ジョブの全ての表面が白紙頁であったか否かが判定される。
前回の読取ジョブは、両面原稿の読取ジョブであったため、前回の読取ジョブの全ての表面が白紙頁であったと判定され(S501:No)、処理がS503に進む。S503では、ジョブ数判定プログラムが実行され、片面原稿の読取ジョブが行われたので、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」に設定される。S503により、今回の読取ジョブが片面原稿の読取ジョブであると判定できる。また今回の読取ジョブで読み取られた原稿の全ての表面に白紙頁があるので、前回読取ジョブフラグ領域AR51に記憶された値が「1」に設定されて、1番目の読取ジョブが終了する。
次に1人目のユーザUAと同じユーザUAによって2番目の読取ジョブが実行される。ユーザUAは、例えば、1番目の読取ジョブとは異なる宛先に1番目の読取ジョブと同じ原稿をファクシミリ送信するために1番目の読取ジョブで読み取った原稿を再度給紙トレイ12に載置する。ユーザUAによって読取モードの設定入力が行われずに、スタートボタンが押下されて両面読取りの読み取り動作が開始される(S102:Yes)。
2番目の読取ジョブの原稿枚数が1番目の読取ジョブの原稿枚数と同じであるため、S307で前回の1番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と今回の2番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数とが異ならないと判定される(S307:No)。ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶された値が「0」に維持されるため、前回の1番目の読取ジョブのユーザと今回の2番目の読取ジョブのユーザとが同じであると判定できる。したがって、複数のユーザによって読取ジョブが行われていないと判定できる。
また全ての表面が白紙頁である片面原稿であるため、全ての裏面は白紙頁でないと判定され(S401:No)、全ての表面は白紙頁であると判定され(S402:Yes)、処理がS501に進む。S501で、1番目の読取ジョブの全ての表面が白紙頁であったため、前回の読取ジョブの全ての表面は白紙頁であると判定され(S501:Yes)、処理がS502に進む。
次にS502では、ジョブ数判定プログラムが実行される。片面原稿の読取ジョブが1番目の読取ジョブと2番目の読取ジョブとで2回連続で行われたため、S502で片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」だけインクリメントされる。したがって、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」から「2」に設定される。次に片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値「2」と片面原稿判定値「3」とが比較され、片面原稿の読取ジョブが3回以上連続していないと判定されて(S406:No)、2番目の読取ジョブが終了される。
次に2番目の読取ジョブのユーザUAと同じユーザUAによって3番目の読取ジョブが実行される。ユーザUAは、例えば、1番目の読取ジョブとは異なる宛先に1番目の読取ジョブと同じ原稿をファクシミリ送信するために1番目の読取ジョブで読み取った原稿を再度給紙トレイ12に載置する。ユーザUAによって読取モードの設定入力が行われずに、スタートボタンが押下され、両面読取りの読み取り動作が開始される(S102:Yes)。
3番目の読取ジョブの原稿枚数が2番目の読取ジョブの原稿枚数と同じであるため、S307で前回の2番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と今回の3番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数とが異ならないと判定される(S307:No)。ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶された値が「0」に維持され、前回の読取ジョブのユーザと今回の読取ジョブのユーザとが同じ可能性が高いため、複数のユーザによって読取ジョブが行われていないと判定される。
また全ての表面が白紙頁である片面原稿であるため、全ての裏面は白紙頁でないと判定
され(S401:No)、全ての表面は白紙頁であると判定され(S402:Yes)、処理がS501に進む。S501で、2番目の読取ジョブの全ての表面が白紙頁であったため、前回の読取ジョブの全ての表面は白紙頁であると判定され(S501:Yes)、処理がS502に進む。
次にS502では、ジョブ数判定プログラムが実行される。片面原稿の読取ジョブが1番目の読取ジョブから3番目の読取ジョブまで計3回連続で行われたため、S502で片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」だけインクリメントされる。したがって、片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「2」から「3」に設定される。次に片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値と片面原稿判定値とが比較され、片面原稿の読取ジョブが3回以上連続していると判定されて(S406:Yes)、処理がS407に移動する。
次にS407では、前回の2番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と今回の3番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数とが異なるか否かが判定される。2番目の読取ジョブと3番目の読取ジョブとが同じ原稿の枚数であるため、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」でなく「0」であり、前回の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と今回の読取ジョブで読み取った原稿の枚数とが異ならないと判定され(S407:No)、3番目の読取ジョブが終了する。
3番目の読取ジョブが終了した時点で片面原稿の読取ジョブが所定回数以上連続しているのにも関わらず、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「0」であるため、次の4番目の読取ジョブでの読み取りが両面読取りから片面読取りに切り替えられる制御が行われない。つまり、片面原稿の読み取りジョブが所定回数以上連続している状態でもページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶されている値が「1」にならないと、複数のユーザで片面原稿の読取ジョブが行われていないと判定され、片面読取りに切り替える制御が行われない。これは、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが連続する傾向があると判定できないためである。
次に2人目のユーザUBによって4番目の読取ジョブが行われる。4番目の読取ジョブは、全ての表面が白紙頁の片面原稿を5枚読み取るジョブである。ユーザUBは原稿の裏面が読み取られることを希望している。読み取りの設定状態は、3番目の読取ジョブで設定された各種設定値が引き継がれ、ユーザUBによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。
4番目の読取ジョブは読取モードの設定が両面読取モードのままであるため、給紙トレイ12に載置された原稿が片面原稿であっても両面読取りされる(S303)。4番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数と3番目の読取ジョブで読み取った原稿の枚数とが異なるため、複数のユーザによって読取ジョブが行われていると判定される(S307:Yes)。S308でページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶された値が「0」から「1」に設定される。また4番目の読取ジョブで読み取った原稿の全ての表面が白紙頁であるため、片面原稿の読取ジョブが1番目の読取ジョブから4番目の読取ジョブまで計4回連続していると記憶される(S502)。片面原稿の読取ジョブが連続して所定回数の3回以上行われているため、片面原稿の読取ジョブが連続する傾向があると判定できる(S406:Yes)。本実施形態のS502、503、S406、及び、ジョブ数判定プログラムが記憶されているジョブ数判定領域PR5は、本発明のジョブ数判定部の一例である。
片面原稿の読取ジョブが連続する傾向があると判定された状態で、ページ数変化フラグメモリ領域AR54に記憶された値が「1」に設定されているため、複数のユーザによっ
て片面原稿の読取ジョブが連続して行われる傾向があると判定される(S407:Yes)。次に、S408で強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「0」から「1」に設定され、4番目の読取ジョブが終了する。
次に3人目のユーザUCによって5番目の読取ジョブが行われる。5番目の読取ジョブは、全ての表面が白紙頁の片面原稿を4枚読み取るジョブである。ユーザUCは原稿の裏面が読み取られることを希望している。読み取りの設定状態は、4番目の読取ジョブの設定が引き継がれ、ユーザUCによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。
5番目の読取ジョブが開始された時点で、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「1」に設定されているため、S301で読取モードが両面読取モードに設定されていても読み取りが両面読取りから片面読取りに切り替わる制御が行われる強制片面読取りが行われると判定される(S301:Yes)。
次にS601で、裏面が白紙頁である片面読取りを行わないと判定されると(S601:No)、S602で裏面原稿が読み取られ、給紙トレイ12に載置された原稿が全て読み取られるまでS602が繰り返される(S603:Yes)。給紙トレイ12に載置された4枚の原稿が全て読み取られると(S603:No)、5番目の読取ジョブが終了する。本実施形態のS301、S601、S602、及び、読取制御プログラムが記憶されている読取制御領域PR4は、本発明の読取制御部の一例である。
次に4人目のユーザUDによって6番目の読取ジョブが行われる。6番目の読取ジョブは、全ての表面が白紙頁の片面原稿を6枚読み取るジョブである。ユーザUDは、原稿の裏面が読み取られることを希望している。読み取りの設定状態は、5番目の読取ジョブの設定が引き継がれ、ユーザUDによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される。
6番目の読取ジョブが開始された時点で、6番目の読取ジョブも5番目の読取ジョブと同様に、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「1」に設定されているため、S301で読取モードが両面読取モードに設定されている状態であっても、読み取りを両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われると判定される(S301:Yes)。
次にS601で、裏面が白紙頁である片面読取りを行わないと判定されると(S601:No)、S602で裏面原稿が読み取られ、給紙トレイ12に載置された全ての原稿が読み取られるまでS602が繰り返される(S603:Yes)。給紙トレイ12に載置された6枚の原稿が全て読み取られると(S603:No)、6番目の読取ジョブが終了する。
6番目の読取ジョブ以降の読取ジョブについて、ユーザによって読取モードの設定入力が行われない限り、読取モードが両面読取モードに設定されていても両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われる。片面読取りに切り替える理由は、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが連続して行われる傾向があると判定されているためである。特定の数人のユーザが頻繁に使用する複合機については、特定の各ユーザが読取モードの設定入力を行わずに読み取り作業を開始する場合には、前回の読取ジョブでの読取方法の傾向を受け入れたと考えることができる。したがって、特定の各ユーザによって読取モードの設定入力が行われずに読取ジョブが開始される場合は、使い慣れた片面原稿の読取ジョブが開始される可能性が高く、自動的に両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われることにより、片面原稿を両面読取りしてユーザの意図しない白紙頁が読み取られ
ることが軽減される。また、白紙頁等のユーザの意図しない画像がメモリに記憶されたり、ユーザの意図しない画像の読み取り処理に余計な時間がかかることが軽減される。両面読取りから片面読取りに切り替える制御により、読み取った原稿が両面原稿であるか片面原稿であるかの判定を行う処理を行わずに読取ジョブを行うことができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、連続する片面原稿の読取ジョブの中で複数のユーザによって読取ジョブが行われたと判定される条件が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、連続する片面原稿の読取ジョブの中で原稿の枚数が異なることを片面読取りに切り替える制御の条件としている。これに対し第2の実施形態では、連続する片面原稿の読取ジョブの中で実行された機能が異なることを片面読取りに切り替える制御の条件にしている。第1の実施形態と共通する処理には、同じ符号をつけて説明を省略する。第2の実施形態では、行われた読取ジョブの中で実行された機能が異なる場合、複数のユーザによって複合機が使用される傾向があると判定される。複数のユーザによって共用される複合機において、1人の同じユーザによって複数の異なる機能がそれぞれ実行される複数の読取ジョブが連続して行われる可能性が低く、異なる機能が実行される読取ジョブが連続して行われる場合、複数の異なるユーザによって複合機が使用される可能性が高いと考える。第2の実施形態では、複数の異なる機能が実行される複数の読取ジョブが連続して行われ、複数のユーザによって複合機が使用されている場合に、片面原稿の読取ジョブが連続して行われると、両面読取りから片面読取りに切り替える制御が行われる。
<読取パターン3の動作>
第2の実施形態について、図8から図11を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態における両面原稿読取部58の読取制御のフローチャートその1である。図9は、本発明の第2の実施形態における両面原稿読取部58の読取制御のフローチャートその2である。図10は、本発明の第2の実施形態における読取モード設定処理のフローチャートである。図11は、第2の実施形態における1番目から5番目までの連続する読取ジョブを実行する場合の読取制御動作を説明するための説明図である。図11に示す読取パターン3は、第2の実施形態における一連の読取制御動作であるので、図11に示す読取パターン3について図8から図11を用いて説明する。
複合機10の電源が投入されると、図8に示すフローチャートの読取制御が開始される。S701では、読取制御に用いる各設定値が初期値に設定される。今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶される値が「0」に設定される。また、前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶される値が「0」に設定される。また、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶される値が「0」に設定される。
次にS201では、読取モード設定処理が行われる。また、第1の実施形態と同様に1つの読取ジョブが終了すると処理がS201とS202とを繰り返すことで読取モードの設定入力、実行する機能の選択入力、及び、読み取り開始指示を待ち受ける待ち状態となる。
まず始めに、図11に示すように1人目のユーザUAによって1番目の読取ジョブが行われる。1番目の読取ジョブは、全ての裏面が白紙頁である片面原稿をファクシミリ送信するジョブである。ユーザUAによって片面読取り又は両面読取りを選択する読取モードの設定入力が行われずに、実行される機能としてファクシミリ機能が入力装置21を介して選択され、スタートボタンが押下されて読み取り開始指示がされる。S201で読取モードの設定入力がされず(S202:No、S204:No)、S702で実行機能が選択されたか否かが判定される。ユーザUAによって入力装置21を介してファクシミリ機能が選択されると(S702:Yes)、処理がS703に進む。
S703では、選択された機能がファクシミリ機能であるか否かが判定される。ユーザUAによってファクシミリ機能が選択されたので、選択された機能がファクシミリ機能であると判定され(S703:Yes)、S704で今回実行機能種類メモリ領域AR61にユーザUAによって選択されたファクシミリ機能を示す機能情報FDが記憶され、S201の読取モード設定処理が終了する。
次に読取ジョブの読み取りが開始され(S102:Yes)、1番目の読取ジョブが両面読取りされる(S303)。読取モードが初期状態で両面読取モードに設定されているため、複合機10の電源が投入された後に、読取モードの設定入力で片面読取モードが設定されないと、両面読取モードに設定された状態になる。読み取りが終了すると(S304:No)、処理がS901に進む。S901では、選択された機能が実行される。今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶された機能情報が参照されて、機能情報FDが示すファクシミリ機能が実行される。1番目の読取ジョブはユーザUAによってファクシミリ機能が選択されたので、読み取った原稿がファクシミリ送信される。ファクシミリ送信では、FAX部60で公衆電話回線を通じて読み取った原稿の画像データが送信される。
次にS801で、前回の読取ジョブで実行された機能があるか否かが判定される。ここでは、1番目の読取ジョブの前の読取ジョブでは実行された機能がないものとする。したがって、前回の読取ジョブで実行された機能がないと判定され(S801:No)、処理がS802に進む。S802で、前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶されている機能情報が今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶されている機能情報FDに設定される。
次にS803で、実行機能変更判定プログラムが実行されて、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異なるか否かが判定される。前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶されている機能情報FDと今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶されている機能情報FDとが同じであるため、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異ならないと判定される(S803:No)。
1番目の読取ジョブが片面原稿の読取ジョブであったので片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」に設定されて(S409)、1番目の読取ジョブが終了する。
続いてユーザUAによって2番目の読取ジョブが行われる。2番目の読取ジョブは、1番目の読取ジョブと同様に、全ての裏面が白紙頁である片面原稿をファクシミリ送信するジョブである。ユーザUAによって1番目の読取ジョブとは異なる宛先に原稿がファクシミリ送信される。ユーザUAは、1番目の読取ジョブで読み取った原稿を再度給紙トレイ12に載置する。ユーザUAによって片面読取り又は両面読取りを選択する読取モードの設定入力が行われずに、実行される機能としてファクシミリ機能が入力装置21を介して選択され、スタートボタンが押下されて読み取り開始指示がされる。S201で読取モードの設定入力がされず(S202:No、S204:No)、ユーザUAによって入力装置21を介してファクシミリ機能が選択されると(S702:Yes)、処理がS703に進む。
S703で、選択された機能がファクシミリ機能であると判定され(S703:Yes)、S704で今回実行機能種類メモリ領域AR61にユーザUAによって選択されたファクシミリ機能を示す機能情報FDが記憶され、S201の読取モード設定処理が終了する。
次に読取ジョブの読み取りが開始され(S102:Yes)、2番目の読取ジョブが両面読取りされる(S303)。S303が開始される時点で、読取モードが両面読取モードに設定された状態である。読み取りが終了すると(S304:No)、処理がS901に進む。S901では、読み取った原稿がファクシミリ送信される。
次にS801で、前回の読取ジョブで実行された機能があると判定され(S801:Yes)、処理がS803に進む。次にS803で、前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶されている機能情報FDと今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶されている機能情報FDとが両方とも同じであるため、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異ならないと判定される(S803:No)。
2番目の読取ジョブが片面原稿の読取ジョブであり、1番目と2番目の読取ジョブで片面原稿の読取ジョブが連続したので片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」インクリメントされて「1」から「2」に設定されて(S405)、2番目の読取ジョブが終了する。なお、片面原稿判定値は第1の実施形態と同じ「3」に設定されている。したがってS406では、片面原稿の読取ジョブが連続して所定回数以上行われていないと判定される(S406:No)。
続いてユーザUAによって3番目の読取ジョブが行われる。3番目の読取ジョブは、2番目の読取ジョブと同様に、全ての裏面が白紙頁である片面原稿をファクシミリ送信するジョブである。ユーザUAによって2番目の読取ジョブとは異なる宛先に原稿がファクシミリ送信される。ユーザUAは、2番目の読取ジョブで読み取った原稿を再度給紙トレイ12に載置する。ユーザUAによって片面読取り又は両面読取りを選択する読取モードの設定入力が行われずに、実行される機能としてファクシミリ機能が入力装置21を介して選択され、スタートボタンが押下されて読み取り開始指示がされる。S201で読取モードの設定入力がされず(S202:No、S204:No)、ユーザUAによって入力装置21を介してファクシミリ機能が選択されると(S702:Yes)、処理がS703に進む。
S703で、選択された機能がファクシミリ機能であると判定され(S703:Yes)、S704で今回実行機能種類メモリ領域AR61にユーザUAによって選択されたファクシミリ機能を示す機能情報FDが記憶され、S201の読取モード設定処理が終了する。
次に読取ジョブの読み取りが開始され(S102:Yes)、3番目の読取ジョブが両面読取りされる(S303)。S303が開始される時点で、読取モードが両面読取モードに設定された状態である。読み取りが終了すると(S304:No)、処理がS901に進む。S901では、読み取った原稿がファクシミリ送信される。
次にS801で、前回の読取ジョブで実行された機能があると判定され(S801:Yes)、処理がS803に進む。次にS803で、前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶されている機能情報FDと今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶されている機能情報FDとが両方とも同じであるため、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異ならないと判定される(S803:No)。
3番目の読取ジョブが片面原稿の読取ジョブであり、1番目から3番目の読取ジョブで片面原稿の読取ジョブが連続したので片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶された値が「1」インクリメントされて「2」から「3」に設定される(S405)。次にS406では、片面原稿の読取ジョブが連続して所定回数以上行われていると判定
され(S406:Yes)、処理がS805に進む。
次にS805では、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われているか否かが判定される。複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われているか否かの判定は、これまで行われた読取ジョブの中で異なる機能が実行されたか否かにより行われる。つまり、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶された値が「1」であれば、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われていると判定され、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶された値が「0」であれば、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われていないと判定される。3番目の読取ジョブまでに異なる機能が実行されていないため、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われていないと判定され(S805:No)、3番目の読取ジョブが終了する。
次に2人目のユーザUBによって4番目の読取ジョブが行われる。4番目の読取ジョブは、全ての裏面が白紙頁である片面原稿をコピーするジョブである。S201の読取モード設定処理において、ユーザUBによって読取モードの設定入力がされずに(S202:No、S204:No)、入力装置21を介してコピー機能が選択されて、4番目の読取ジョブが開始される。コピー機能が選択されると(S705:Yes)、S706で今回実行機能種類メモリ領域AR61にユーザUBによって選択されたコピー機能を示す機能情報CDが記憶される。
次に4番目の読取ジョブの原稿が両面読取りされて(S303)、S901では、読み取った原稿がコピーされる。次にS803では、前回の読取ジョブで実行された機能と今回の読取ジョブで実行された機能とが異なると判定される(S803:Yes)。前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶されている機能情報FDと今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶されている機能情報CDとが異なるためである。
次にS804では、前回実行機能種類メモリ領域AR62に記憶される機能情報FDが今回実行機能種類メモリ領域AR61に記憶された機能情報CDに設定される。つまり機能情報FDが機能情報CDに更新される。また、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶された値が「0」から「1」に設定される。つまり、これまでの連続する読取ジョブの中で異なる機能が実行されたと判定できる。
次に1番目から4番目の読取ジョブまで片面原稿の読取ジョブが連続したため、S502で片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が「3」から「4」に設定される。片面原稿読取ジョブカウンタメモリ領域AR43に記憶されている値が片面原稿判定値の「3」以上の値であるため(S406:Yes)、処理がS805に進む。
次にS805で、実行機能変化フラグメモリ領域AR55に記憶された値が「1」であるため、複数のユーザによって片面原稿の読取ジョブが行われていると判定され(S805:Yes)、処理がS408に進む。S408で、強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「1」に設定されるため、次の読取ジョブからユーザによって読取モードの設定入力がされるまで両面読取りを片面読取りに切り替える制御が行われる。S408が行われると、4番目の読取ジョブが終了する。本実施形態のS803、S804、S805、及び、実行機能変更判定プログラムが記憶されている実行機能変更判定領域PR7は、本発明の実行機能変更判定部の一例である。
次に3人目のユーザUCによって5番目の読取ジョブが行われる。5番目の読取ジョブは、全ての裏面が白紙頁である片面原稿をPCスキャンするジョブである。S201の読取モード設定処理において、ユーザUCによって読取モードの設定入力がされずに(S2
02:No、S204:No)、PC54を介してPCスキャン機能が選択されて、5番目の読取ジョブが開始される。PCスキャン機能が選択されると(S707:Yes)、S708で今回実行機能種類メモリ領域AR62にユーザUCによって選択されたPCスキャン機能を示す機能情報SDが記憶される。本実施形態のS702からS708、及び、入力装置21は、本発明の実行機能選択部の一例である。
4番目の読取ジョブで強制片面読取フラグメモリ領域AR53に記憶された値が「1」に設定されたため、5番目の読取ジョブが開始されると(S102:Yes)、S301で両面読取りを片面読取りに切り替える制御を行うと判定される(S301:Yes)。S301の判定により、読取モードが両面読取モードに設定されていても両面読取りが片面読取りに切り替えられて、5番目の読取ジョブが行われる。
S106で、表面の原稿だけが読み取られ、5番目の読取ジョブの全ての原稿が読み取られると(S107:No)、処理がS901に進む。S901では、読み取った原稿の画像データがPC54に送られて、5番目の読取ジョブが終了する。
5番目の読取ジョブが終了して以降の読取ジョブは、ユーザによって読取モードの設定入力がされるまでS301で両面読取りを片面読取りに切り替える制御を行うと判定され(S301:Yes)、両面読取りが片面読取りに切り替えられて読取ジョブが行われる。したがって、複数のユーザによって読取ジョブが実行されているときに、片面読取りまたは両面読取りのいずれの読取方法を実行するのかについて先の読取ジョブまでの原稿の読取方法の傾向から、次の読取ジョブを実行するユーザの希望する読取方法を推測して自動的に設定することができる。また、複数のユーザによって読取ジョブが実行されているときに、各ユーザの希望する読取方法で読み取ることができる。また、ユーザが読取りの設定状態を認識しなくとも自動的にユーザが希望している読取方法が判断されて読取ジョブ毎の読取処理にかかる時間が短縮される。
[変形例]
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
本実施形態では、原稿白紙頁判定プログラムは、読み取った原稿の一方の面が全て白紙頁である場合に、表面又は裏面が白紙頁である片面原稿であると判定したが、読み取った原稿の一方の面が原稿の全枚数ではないが1枚以上白紙頁である場合に、表面又は裏面が白紙頁である片面原稿であると判定してもよい。
第1の実施形態では、複数のユーザによって読取ジョブが実行されているときを1つの条件に、両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行ったが、単独のユーザによって読取ジョブが実行されている場合でも両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行ってもよい。この場合単独のユーザによって使用される複合機においては、1人の同じユーザによって原稿枚数の異なる読取ジョブが実行され、読取モードの設定入力が行われないで片面原稿の読取ジョブが連続して行われる場合、ユーザが片面読取りを希望していると推測できる。
第2の実施形態では、複数のユーザによって読取ジョブが実行されているときを1つの条件に、両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行ったが、単独のユーザによって読取ジョブが実行されている場合でも両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行ってもよい。この場合単独のユーザによって使用される複合機においては、1人の同じユーザによって複数の機能が実行され、読取モードの設定入力が行われないで片面原稿の読取ジョブが連続して行われる場合、ユーザが片面読取りを希望していると推測できる。
本実施形態では、片面原稿の読取ジョブが連続して行われた回数を計数し、その回数が所定回数以上であることを1つの条件に、両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行ったが、たとえば、10回の読取ジョブの中で5回以上片面原稿の読取ジョブが行われた場合でも両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行ってもよい。つまり、連続して片面原稿の読取ジョブが行われるときだけでなく、ユーザの使用頻度に応じて読み取りを切り替えてもよい。
本実施形態では、読取モードが両面読取モードの設定状態で両面読取りから片面読取りに切り替える制御を行って片面原稿を読み取ったが、読取モードの設定自体を自動的に両面読取モードから片面読取モードに切り替えて片面原稿を読み取ってもよい。
第1の実施形態の複合機10は印刷機能、画像読取機能、ファクシミリ機能の3つの機能を備えているが、このうち少なくとも画像読取機能があればよく、印刷機能とファクシミリ機能とは必ずしも必要ではない。