JP2011137682A - 電池異常検出回路、電池電源装置、及び電池電源システム。 - Google Patents

電池異常検出回路、電池電源装置、及び電池電源システム。 Download PDF

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Abstract

【課題】電池ブロックに含まれる一部の二次電池に温度の異常が生じた場合、異常が生じた二次電池の数を検出することができる電池異常検出回路、及びこれを備える電池電源装置と電池電源システムとを提供する。
【解決手段】複数の二次電池Bを含む電池ブロックBBにおける、各二次電池Bと対応して設けられ、対応する二次電池Bの温度に応じて開閉状態がそれぞれ変化する複数の感熱素子Xと、各感熱素子Xと並列に接続された複数の抵抗Rが、直列に接続された直列回路と、前記直列回路の抵抗値を検出する抵抗値検出部101と、抵抗値検出部101によって検出された抵抗値に基づいて、複数の二次電池Bのうち異常の生じている二次電池Bの数を推定し、異常電池数として取得する異常検出部102とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の二次電池が並列接続された電池ブロックの異常を検出する電池異常検出回路、及びこれを備える電池電源装置と電池電源システムとに関する。
従来より、二次電池を用いて負荷回路へ電力を供給する電池電源装置においては、負荷回路が必要とする出力電流量を確保する必要から、複数の二次電池を並列接続した電池ブロックが広く用いられている。このような電池電源装置においては、電池ブロックに含まれる二次電池のうち、いずれか一つでも温度異常が発生した場合に、その異常を検出したいというニーズがある。
そこで、各二次電池にPTC(Positive Temperature Coefficient)を取り付けて各PTCを直列に接続し、その複数直列されたPTCの抵抗値と、周囲温度から予測されるPTCの抵抗値とを比較することで異常の発生を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、各単電池のケースにPTCを取り付けて各PTCを直列に接続し、その複数直列されたPTCにおける電圧降下が所定レベルを超えると、異常が発生したと判定する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、熱可溶性の材料を用いて構成された長尺状の感熱体を、複数の電池に接触させるように配置し、いずれか一つでも電池が異常発熱して熱可溶性材料が溶融すると、感熱体の抵抗値が変化することで、異常の発生を検出する技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2002−75468号公報 特開平11−178202号公報 特開2008−251470号公報
しかしながら、特許文献1,2,3に記載の技術では、電池ブロック中のいずれかの二次電池で異常が生じたことは検出できるものの、複数の二次電池が高温異常になった場合、異常になった二次電池の数を検出することはできないという、不都合があった。
本発明の目的は、電池ブロックに含まれる一部の二次電池に温度の異常が生じた場合、異常が生じた二次電池の数を検出することができる電池異常検出回路、及びこれを備える電池電源装置と電池電源システムとを提供することである。
本発明に係る電池異常検出回路は、複数の二次電池を含む電池ブロックにおける、当該各二次電池と対応して設けられ、対応する二次電池の温度に応じて開閉状態がそれぞれ変化する複数の感熱素子と、前記各感熱素子と並列に接続された複数の抵抗が、直列に接続された直列回路と、前記直列回路の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち異常の生じている二次電池の数を推定し、異常電池数として取得する異常検出部とを備える。
この構成によれば、対応する二次電池の温度に応じて開閉状態がそれぞれ変化する複数の感熱素子が設けられている。そして、各感熱素子と並列に接続された複数の抵抗が直列に接続されて、直列回路が構成されている。そうすると、複数の二次電池のうちいずれかが異常となってその温度が変化すると、その二次電池と対応して設けられた感熱素子の開閉状態が変化する。
ここで、すべての感熱素子が開(オフ)状態であれば、前記直列回路の抵抗値は、各抵抗の抵抗値の合計値となる。そして、感熱素子が閉(オン)すれば、オンした感熱素子と並列に接続された抵抗は感熱素子によって短絡されるから、感熱素子がオンした数が増加するほど、直列回路の抵抗値は減少する。従って、異常検出部は、抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、異常の生じている二次電池の数を推定し、異常電池数として取得することによって、電池ブロックに含まれる一部の二次電池に温度の異常が生じた場合、異常が生じた二次電池の数を検出することができる。
また、前記各感熱素子は、対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオフする素子であり、前記複数の抵抗は、抵抗値が予め設定された設定抵抗値に設定されており、前記異常検出部は、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値を前記設定抵抗値で除算して得られた商を、前記異常の生じている二次電池の数として推定することが好ましい。
この構成によれば、二次電池が異常になってその温度が閾値温度を超えると、当該二次電池に対応する感熱素子がオフする結果、当該オフした感熱素子と並列接続されている抵抗の抵抗値である設定抵抗値だけ、前記直列回路の抵抗値が増加することになる。そこで、異常検出部は、抵抗値検出部によって検出された抵抗値を設定抵抗値で除算して得られた商を、異常の生じている二次電池の数として推定することができる。
また、前記各感熱素子は、対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオンする素子であり、前記複数の抵抗は、抵抗値が予め設定された設定抵抗値に設定されており、前記異常検出部は、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値を前記設定抵抗値で除算して得られた商を、前記複数の二次電池の個数から減算して得られた差を、前記異常の生じている二次電池の数として推定するようにしてもよい。
この構成によれば、二次電池が異常になってその温度が閾値温度を超えると、当該二次電池に対応する感熱素子がオンする結果、当該オンした感熱素子と並列接続されている抵抗の抵抗値である設定抵抗値だけ、前記直列回路の抵抗値が減少することになる。そこで、異常検出部は、抵抗値検出部によって検出された抵抗値を設定抵抗値で除算して得られた商を、二次電池の個数から減算して得られた差を、前記異常の生じている二次電池の数として推定することができる。
そして、前記直列回路の抵抗値を検出するためには、抵抗値検出部は、当該直列回路に抵抗値検出用の電流を流すことで生じる電圧に基づき、抵抗値を取得する必要がある。ここで、上述のように、二次電池が異常になって閾値温度を超えたとき作動してオフする素子を、感熱素子として用いた場合には、正常時には感熱素子がオンしているから感熱素子に流れる電流が増加し、消費電流が増加するおそれがある。しかしながらこの構成によれば、二次電池が異常になって閾値温度を超えたとき作動してオンする素子を、感熱素子として用いているから、正常時には感熱素子がオフしていることとなり、感熱素子には電流が流れない。従って、抵抗値検出用の消費電流を減少させることが容易である。
また、前記閾値温度として、前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、前記各感熱素子は、前記開閉状態が変化すると、変化前の状態には戻らない非復帰型の感熱素子であることが好ましい。
閾値温度として、二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されている場合、二次電池の温度が閾値温度を超えて対応する感熱素子が作動しても、その後に永続的な故障が生じて二次電池に電流が流れなくなり、温度が閾値温度に満たなくなる場合がある。このような場合に、もし仮に復帰型の感熱素子が用いられていると、感熱素子が非作動状態に復帰して、永続的な故障が生じた二次電池の存在が前記直列回路の抵抗値に反映されなくなる。そのため、このような二次電池の存在が、異常電池数に反映されなくなるおそれがある。
しかしながらこの構成によれば、各感熱素子として非復帰型の感熱素子が用いられているので、二次電池の温度が閾値温度を超えて感熱素子が作動した後、永続的な故障が生じて二次電池に電流が流れなくなり、温度が閾値温度に満たなくなった場合であっても、感熱素子は作動状態のまま維持されるので、永続的な故障が生じた二次電池の存在が異常電池数に反映されなくなるおそれが低減される。
また、前記閾値温度として、前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、前記各感熱素子は、一度前記開閉状態が変化しても、再び変化前の状態に復帰可能な復帰型の感熱素子であり、前記異常検出部は、前記推定された異常の生じている二次電池の数が減少した場合、減少前の異常電池数を維持するようにしてもよい。
この構成によれば、復帰型の感熱素子が用いられているので、二次電池の温度が閾値温度を超えて対応する感熱素子が作動した後に永続的な故障が生じて二次電池に電流が流れなくなり、温度が閾値温度に満たなくなると、感熱素子が非作動状態に復帰して、前記直列回路の抵抗値によって示される異常電池数が見かけ上減少するおそれがある。しかしながら、異常検出部は、直列回路の抵抗値に基づき推定される異常の生じている二次電池の数が減少した場合、減少前の異常電池数が維持されるので、永続的な故障が生じて温度が低下した二次電池が、異常電池数に含まれなくなるおそれが低減される。
また、前記複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値が設定されており、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち異常の生じている二次電池を推定し、当該推定された二次電池を異常電池として特定する異常電池特定部をさらに備え、前記異常検出部は、前記異常電池特定部によって異常電池として特定される二次電池の数を、前記異常電池数として取得することが好ましい。
この構成によれば、複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値が設定されているので、前記直列回路に含まれるどの抵抗が、閉(オン)した感熱素子に短絡されるかによって、短絡されずに残った抵抗の組み合わせに応じて、当該直列回路の抵抗値が異なる。ここで、各抵抗が各感熱素子によって短絡されるか否かは、各感熱素子に対応する二次電池の温度に応じて決まるから、温度が異常になった二次電池がどの二次電池であるかに応じて、直列回路の抵抗値が異なる値となる。従って、異常電池特定部は、抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、異常の生じている二次電池を推定し、当該推定された二次電池を異常電池として特定することができる。そして、異常検出部は、異常電池特定部によって異常電池として特定される二次電池の数を、異常電池数として取得することができる。
また、aを任意の定数、公比rを2以上の整数、jを正の整数とした場合に、j番目の項が下記の式(A)で表される等比数列の、各項の値が前記各抵抗の抵抗値として設定されていることが好ましい。
arj−1 ・・・ (A)
この構成によれば、複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値を設定することができる。
また、前記直列回路の抵抗値と異常の生じている二次電池を特定する情報とを対応付ける抵抗値情報を予め記憶する記憶部をさらに備え、前記異常電池特定部は、前記記憶部に記憶されている抵抗値情報によって、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と対応付けられた二次電池を、前記異常の生じている二次電池として推定することが好ましい。
この構成によれば、直列回路の抵抗値と異常の生じている二次電池を特定する情報とを対応付ける抵抗値情報が、記憶部に予め記憶されているので、異常電池特定部は、記憶部に記憶されている抵抗値情報によって、抵抗値検出部によって検出された抵抗値と対応付けられた二次電池を、異常の生じている二次電池として推定することで、容易に異常の生じている二次電池を推定することができる。
また、前記各感熱素子は、対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオフする素子であり、前記異常電池特定部は、前記各抵抗の抵抗値として設定された前記各項のうち前記jが大きい順に、各項の値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と比較し、当該抵抗値が当該比較された項の値以上のとき、当該項の値が抵抗値として設定された抵抗と並列接続された感熱素子と対応する二次電池を前記異常の生じている二次電池として特定すると共に前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値から当該項の値を減算した値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値の代わりに比較の対象である抵抗値として新たに設定する処理を繰り返すことによって、前記異常の生じている二次電池を推定することが好ましい。
上記式(A)で表される等比数列の、各項の値を各抵抗の抵抗値として設定すると、ある項に対応する抵抗値は、jの値がその項のjより小さいすべての項に対応する抵抗値を合計したよりも大きな値になる。従って、各感熱素子を、対応する二次電池の温度が閾値温度を超えたとき作動してオフする素子とすると、異常電池特定部は、各抵抗の抵抗値として設定された式(A)の各項のうち前記jが大きい順に、各項の値を抵抗値検出部によって検出された抵抗値と比較し、当該抵抗値が当該比較された項の値以上のとき、当該項の値が抵抗値として設定された抵抗と並列接続された感熱素子と対応する二次電池を前記異常の生じている二次電池として特定すると共に抵抗値検出部によって検出された抵抗値から当該項の値を減算した値を抵抗値検出部によって検出された抵抗値の代わりに比較の対象である抵抗値として新たに設定する処理を繰り返すことによって、異常の生じているすべての二次電池を推定することができる。
この場合、予め上述の抵抗値情報を記憶しておく必要がないので、記憶容量を低減することが容易となる。
また、前記各感熱素子は、対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオンする素子であり、前記異常電池特定部は、前記各抵抗の抵抗値として設定された前記各項のうち前記jが大きい順に、各項の値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と比較し、当該比較された項の値の方が大きいとき、当該項の値が抵抗値として設定された抵抗と並列接続された感熱素子と対応する二次電池を前記異常の生じている二次電池として特定すると共に前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値から当該項の値を減算した値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値の代わりに比較の対象である抵抗値として新たに設定する処理を繰り返すことによって、前記異常の生じている二次電池を推定するようにしてもよい。
各感熱素子を、対応する二次電池の温度が閾値温度を超えたとき作動してオンする素子とした場合は、異常電池特定部は、各抵抗の抵抗値として設定された式(A)の各項のうち前記jが大きい順に、各項の値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と比較し、当該比較された項の値の方が大きいとき、当該項の値が抵抗値として設定された抵抗と並列接続された感熱素子と対応する二次電池を前記異常の生じている二次電池として特定すると共に抵抗値検出部によって検出された抵抗値から当該項の値を減算した値を抵抗値検出部によって検出された抵抗値の代わりに比較の対象である抵抗値として新たに設定する処理を繰り返すことによって、異常の生じているすべての二次電池を推定することができる。
この場合、予め上述の抵抗値情報を記憶しておく必要がないので、記憶容量を低減することが容易となる。
また、前記閾値温度は、前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、前記各感熱素子は、前記開閉状態が変化すると、変化前の状態には戻らない非復帰型の感熱素子であることが好ましい。
閾値温度として、二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されている場合、二次電池の温度が閾値温度を超えて対応する感熱素子が作動しても、その後に永続的な故障が生じて二次電池に電流が流れなくなり、温度が閾値温度に満たなくなる場合がある。このような場合に、もし仮に復帰型の感熱素子が用いられていると、感熱素子が非作動状態に復帰して、永続的な故障が生じた二次電池の存在が前記直列回路の抵抗値に反映されなくなる。そのため、このような二次電池が、異常電池として特定されなくなるおそれがある。
しかしながらこの構成によれば、各感熱素子として非復帰型の感熱素子が用いられているので、二次電池の温度が閾値温度を超えて感熱素子が作動した後、永続的な故障が生じて二次電池に電流が流れなくなり、温度が閾値温度に満たなくなった場合であっても、感熱素子は作動状態のまま維持されるので、永続的な故障が生じた二次電池が異常電池として特定されなくなるおそれが低減される。
また、前記閾値温度として、前記二次電池に永続的な故障が生じない温度が設定されており、前記各感熱素子は、前記開閉状態が変化しても、再び変化前の状態に復帰可能な復帰型の感熱素子であり、前記異常電池特定部は、一度異常が生じている二次電池として特定された二次電池を、その後に前記抵抗値検出部により検出された抵抗値に関わらず、前記異常電池として特定するようにしてもよい。
この構成によれば、復帰型の感熱素子が用いられているので、二次電池の温度が閾値温度を超えて対応する感熱素子が作動した後に永続的な故障が生じて二次電池に電流が流れなくなり、温度が閾値温度に満たなくなると、感熱素子が非作動状態に復帰して、当該二次電池の異常が前記直列回路の抵抗値に反映されなくなるおそれがある。しかしながら、異常電池特定部は、一度異常が生じている二次電池として特定された二次電池を、その後に抵抗値検出部により検出された抵抗値に関わらず、異常電池として特定するので、永続的な故障が生じて温度が低下した二次電池が、異常電池として特定されなくなるおそれが低減される。
また、前記複数の二次電池は並列接続されており、前記電池ブロックに流れる電流の許容値の上限を示す電流制限値を設定する電流制限値設定部をさらに備え、前記電流制限値設定部は、前記異常検出部によって取得された異常電池数が増加するほど前記電流制限値が小さくなるように、当該電流制限値を設定することが好ましい。
この構成によれば、電池ブロックに含まれる異常電池の数が増加するほど、電池ブロックに流れる電流の許容値の上限を示す電流制限値が小さくされる。そうすると、電池ブロックに含まれる異常電池の数が増加するほど、従って電池ブロックに流れる充放電電流を減少させる必要性が高くなるほど、電池ブロックに流れる電流の制限値を小さな値に制限することができるので、電池ブロックにおける異常の発生状態に応じて電流値を制限することが可能となる。
ここで、二次電池は、発熱異常を生じると、断線状態になって電流が流れなくなる場合がある。このような場合、断線状態になった二次電池に流れていた電流は、他の二次電池に分配されるので、他の二次電池に流れる電流が増大することとなる。従って、もし仮に電池ブロックに流れる電流の許容値の上限を示す電流制限値が、一つも異常が生じていないときのままになっていると、この電流制限値に基づいて電池電源装置の充放電を行う場合、電池ブロック単位では電流制限値以下、すなわち許容範囲内の電流値になっていても、断線状態になっていない残りの二次電池に流れる電流は、二次電池単体での許容電流値を超えて、二次電池を劣化させてしまうおそれがある。
このような場合においても、電流制限値設定部が、異常検出部によって取得された異常電池数が増加するほど電流制限値が小さくなるように当該電流制限値を設定する結果、一部の二次電池が発熱異常により断線状態になった場合、この電流制限値に基づき電池ブロックの充放電を行うことで、断線状態になっていない残りの二次電池に流れる電流が減少される結果、残りの二次電池が劣化するおそれを低減することが容易となる。
また、前記電流制限値設定部は、前記電池ブロック一つに含まれる二次電池の数から前記異常検出部によって取得された異常電池数を減算した数を、有効電池数とし、前記複数の二次電池が一つも異常になっていないときにおける電流制限値である標準電流制限値に、前記電池ブロック一つに含まれる二次電池の数に対する前記有効電池数の比率を乗じた値を、前記電流制限値として設定することが好ましい。
この構成によれば、発熱異常を生じた二次電池が断線状態になって電流が流れなくなった場合であっても、電池ブロックに流れる電流値を、電流制限値設定部によって設定された制限電流値を超えないように制限することで、一つも異常が生じていないときに電池ブロックへ標準電流制限値の電流が流れた場合に各二次電池に分配されて流れる電流値、すなわち各二次電池の許容電流値を、超えないように電流を制限することができるので、二次電池が劣化するおそれを低減することが容易となる。
また、前記電池ブロックが複数直列接続されており、前記複数の抵抗が直列に接続された直列回路と前記複数の感熱素子との組が、前記各電池ブロックに対応して複数組設けられ、前記抵抗値検出部は、前記各電池ブロックに対応する各直列回路の抵抗値を、それぞれ検出し、前記異常検出部は、前記抵抗値検出部によって検出された各直列回路の抵抗値に基づいて、前記各電池ブロックにおける異常電池数を、それぞれ検出し、前記電流制限値設定部は、前記異常検出部によって取得された各電池ブロックにおける異常電池数のうちの最大値を前記異常電池数として用いることが好ましい。
この構成によれば、複数の二次電池が並列接続された電池ブロックが、複数直列接続されている場合、各電池ブロックのうち最も異常電池数が多く、従って正常な二次電池一つあたりに分配される電流が最も多くなる電池ブロックにおいても、二次電池一つあたりに流れる電流が当該二次電池の許容電流値を超えないように、電流制限値を設定することができる。
また、前記電池ブロックに流れる電流が、前記電流制限値設定部によって設定された電流制限値を超えないように制御する電流制御部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、電流制御部によって、電池ブロックに流れる電流が、電流制限値設定部によって設定された電流制限値を超えないように制御されるので、一部の二次電池が発熱異常により断線状態となっても、断線していない残りの二次電池に流れる電流が増大するおそれが低減される結果、二次電池が劣化するおそれを低減することができる。
また、前記電流制御部は、前記電池ブロックを充放電する外部装置へ、前記電流制限値設定部で設定された電流制限値を送信することによって、前記電池ブロックに流れる電流が当該電流制限値を超えないように前記外部装置によって制御させることが好ましい。
この構成によれば、電池ブロックの充放電が電池電源装置の外部に設けられた外部装置によって制御されている場合であっても、電流制御部によって、外部装置へ電流制限値が送信されて、電池ブロックに流れる電流が当該電流制限値を超えないように前記外部装置によって制御させることができるので、一部の二次電池が発熱異常により断線状態になった場合であっても、残りの二次電池に流れる電流が増大するおそれが低減される結果、二次電池が劣化するおそれを低減することができる。
また、本発明に係る電池異常検出回路は、複数の二次電池を含む電池ブロックにおける、当該各二次電池と対応して設けられ、対応する二次電池の温度に応じて開閉状態がそれぞれ変化する複数の感熱素子と、前記各感熱素子と並列に接続された複数の抵抗が、直列に接続された直列回路と、前記直列回路の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち異常の生じている二次電池を推定し、当該推定された二次電池を異常電池として特定する異常電池特定部とを備え、前記複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値が設定されている。
この構成によれば、複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値が設定されているので、前記直列回路に含まれるどの抵抗が閉(オン)した感熱素子に短絡されるかによって、短絡されずに残った抵抗の組み合わせに応じて、当該直列回路の抵抗値が異なる。ここで、各抵抗が各感熱素子によって短絡されるか否かは、各感熱素子に対応する二次電池の温度に応じて決まるから、温度が異常になった二次電池がどの二次電池であるかに応じて、直列回路の抵抗値が異なる値となる。従って、異常電池特定部は、抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、異常の生じている二次電池を推定し、当該推定された二次電池を異常電池として特定することができる。
また、本発明に係る電池電源装置は、上述の電池異常検出回路と、前記電池ブロックとを備える。
この構成によれば、上述の電池異常検出回路と、電池ブロックとを備える電池電源装置において、電池ブロックに含まれる一部の二次電池に温度の異常が生じた場合、異常が生じた二次電池の数を検出するか、あるいは異常が生じた二次電池を特定することができる。
また、本発明に係る電池電源システムは、上述の電池異常検出回路と、前記電池ブロックと、前記電池ブロックを充放電する外部装置とを備え、前記外部装置は、前記電池ブロックからの放電電流の供給を受け付ける負荷回路と、前記電池ブロックへ充電電流を供給する電流供給部と、前記電池ブロックに流れる電流が、前記電流制御部から送信された前記電流制限値を超えないように、前記電池ブロックから前記負荷回路へ供給される放電電流、及び前記電流供給部から前記電池ブロックへ供給される充電電流を調節する充放電制御部とを備える。
この構成によれば、上述の電池異常検出回路と、電池ブロックと、電池ブロックを充放電する外部装置とを備えた電池電源システムにおいて、電池ブロックに含まれる一部の二次電池に温度の異常が生じた場合、異常が生じた二次電池の数を検出するか、あるいは異常が生じた二次電池を特定することができる。
本発明の第1施形態に係る電池異常検出回路、電池電源装置、及びこれを備える電池電源システムの一例を示すブロック図である。 図1に示す電池モジュールの詳細の一例を示す回路図である。 図1に示す電池異常検出回路及び電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す電池異常検出回路及び電池電源装置の他の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る電池電源システムの構成の一例を示すブロック図である。 図5に示す電池異常検出回路及び電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図5に示す電池異常検出回路及び電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図5に示す電池異常検出回路及び電池電源装置の動作の他の一例を示すフローチャートである。 抵抗値情報の一例をLUTとして表した説明図である。 抵抗値情報の他の一例をLUTとして表した説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1施形態に係る電池異常検出回路、電池電源装置、及びこれを備える電池電源システムの一例を示すブロック図である。
図1に示す電池電源システム3は、電池電源装置1と、外部装置2とが組み合わされて構成されている。図1に示す電池電源装置1は、m個の電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmと、制御部10と、通信部11と、接続端子15,16,17とを備えている。そして、電池異常検出回路4は、電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmから後述する電池ブロックBB1,BB2,・・・,BBmを除いた部分と、制御部10とを備えている。
m個の電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmは、直列接続されており、電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmの直列回路における正極が、接続端子15に接続されている。また、電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmの直列回路における負極が接続端子16に接続されている。また、接続端子17は、通信部11に接続されている。
なお、電池モジュールの数は、複数に限られず、1個であってもよい。以下、電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmを総称して電池モジュールBMと表記し、電池モジュールの番号をiで表し、番号iの電池モジュールを電池モジュールBMiと表記する。
図1に示す外部装置2は、充放電制御部21、発電装置22(電流供給部)、負荷装置23(負荷回路)、通信部24、及び接続端子25,26,27を備えている。そして、接続端子25,26が、充放電制御部21と接続され、接続端子27が、通信部24を介して充放電制御部21と接続されている。また、発電装置22と負荷装置23とは、充放電制御部21と接続されている。
そして、電池電源装置1と、外部装置2とが組み合わされると、接続端子15,16,17と接続端子25,26,27とがそれぞれ接続されるようになっている。
図2は、図1に示す電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmの詳細の一例を示す回路図である。電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmは、同様に構成されているので、主にi番目の電池モジュールBMiについて、その構成を説明する。
電池モジュールBMiは、二次電池Bi1、Bi2、Bi3、Bi4が並列に接続された電池ブロックBBiと、抵抗RXi,Ri1,Ri2,Ri3,Ri4と、感熱素子Xi1、Xi2、Xi3、Xi4とを備えている。
また、電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmに含まれる電池ブロックBB1,BB2,・・・,BBmが、直列に接続されている。そして、電池ブロックBB1の正極側が接続端子15に接続され、電池ブロックBBmの負極側が接続端子16に接続されている。
以下、二次電池Bi1、Bi2、Bi3、Bi4を総称して二次電池Bと称し、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4を総称して抵抗Rと称し、感熱素子Xi1,Xi2,Xi3,Xi4を総称して感熱素子Xと称する。
二次電池Bは、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等、種々の二次電池を用いることができる。なお、二次電池Bは、単電池であってもよく、単電池が直列、並列、あるいは直列と並列とが組み合わされて構成された組電池であってもよい。また、電池ブロックBBiに含まれる二次電池Bの数は、複数であればよく、4個に限らない。
抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4は、直列に接続されて直列回路を構成している。そして、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の直列回路における一端例えば抵抗Ri1が、グラウンドに接続され、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の直列回路における他端例えば抵抗Ri4が、制御部10に接続されている。そして、抵抗Ri4と制御部10との接続点が、抵抗RXiによって、電源電圧Vpにプルアップされている。
抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4には、感熱素子Xi1,Xi2,Xi3,Xi4が、それぞれ並列に接続されている。また、抵抗Rは、抵抗値が予め設定された設定抵抗値rsに設定されている。
感熱素子Xは、温度に応じて作動し、開閉状態(オフ、オン状態)が変化するスイッチング素子である。感熱素子Xとしては、例えばバイメタルスイッチやキューリー温度利用温度制御素子(例えばNECトーキン(株)製のサーマルリードスイッチ)等の、予め設定された閾値温度Tthを超えると作動し、閾値温度Tthを下回ると非作動状態に復帰する復帰型の感熱素子を用いてもよい。
また、例えば温度ヒューズのように、閾値温度Tthを超えると作動(溶断)し、その後は閾値温度Tthを下回っても元の状態に復帰しない非復帰型の感熱素子を用いてもよい。
なお、感熱素子Xとして、温度に応じて抵抗値が大きく変化することで、擬似的に開閉状態が変化するPTC(Positive Temperature Coefficient)を用いてもよい。しかしながら、PTCはオン状態においても抵抗値の温度依存性が大きく、オフ状態においても漏れ電流が流れる。そのため、異常が生じた電池数の検出精度や異常が生じた二次電池を特定する精度を高める観点からは、PTCよりも、バイメタルスイッチ、温度ヒューズ、あるいはキューリー温度利用温度制御素子等のように、温度に応じて、完全に開閉状態が変化する素子の方が好ましい。
そして、感熱素子Xi1、Xi2、Xi3、Xi4は、二次電池Bi1、Bi2、Bi3、Bi4と近接して、あるいは接触されて配設されている。これにより、二次電池Bの温度が、発熱異常が生じたと考えられる温度に予め設定された閾値温度Tthを超えると、当該二次電池Bに対応する感熱素子Xが作動するようになっている。
従って、感熱素子として、作動時にオンする素子を用いた場合、二次電池Bi1、Bi2、Bi3、Bi4が閾値温度Tthに満たない正常温度範囲では、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の直列回路の抵抗値riは、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の抵抗値の合計値、すなわち設定抵抗値rsの4倍となる。一方、二次電池Bi1、Bi2、Bi3、Bi4のうちいずれかが発熱して閾値温度Tthを超えると、当該二次電池Bに対応する感熱素子Xがオンして当該感熱素子Xと並列接続された抵抗Rが短絡される結果、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の直列回路の抵抗値riが小さくなる方向に変化することになる。
なお、感熱素子Xとして作動時にオフする素子を用いて、対応する二次電池Bの温度が、閾値温度Tthに満たないときにオン、閾値温度Tthを超えるときにオフする構成としてもよい。しかしながら、感熱素子Xを、対応する二次電池Bの温度が閾値温度Tthを超えたときにオフする構成とすると、正常時に感熱素子Xがオンしているために感熱素子Xを流れる電流が増大して消費電流が増大する。従って、感熱素子Xは、対応する二次電池Bの温度が閾値温度Tthを超えたときにオンする構成とした方が、消費電流を低減できる点で好ましい。
ところで、二次電池、例えばリチウムイオン二次電池は、内部で短絡故障が生じて発熱した場合、ある臨界温度を超えると、電池内部の内圧上昇により弁が開き、二次電池が断線状態になり、二次電池に永続的な故障が生じて電流が流れなくなる。閾値温度Tthとしては、例えばこのような臨界温度を用いることができる。
閾値温度Tthとしてこのような臨界温度を用いた場合、二次電池が一旦閾値温度Tthを超えると、その後、断線状態になって電流が流れなくなり、二次電池の温度が低下する。しかしながら、一旦閾値温度Tth(臨界温度)を超えた二次電池は、その後温度が閾値温度Tthより低下しても永続的な故障状態にある。
従って、閾値温度Tthとしてこのような臨界温度を用いた場合には、感熱素子Xとして閾値温度Tthで作動する非復帰型の感熱素子、例えば温度ヒューズを用いることが好ましい。閾値温度Tthが臨界温度である場合に感熱素子Xとして非復帰型の素子を用いると、一旦閾値温度Tthを超えて永続的な断線状態になったために温度が低下した場合であっても、当該二次電池に対応する感熱素子X(温度ヒューズ)は作動(溶断)したまま再び非作動状態に復帰(オン)することはないから、このような温度が低下した状態で断線故障が生じている異常を抵抗値riに反映させることができる。
そして、抵抗RXiと抵抗Ri4との接続点の電圧Vriが、制御部10へ出力される。抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の直列回路の抵抗値をri、抵抗RXiの抵抗値をrx、電源電圧をVpとすると、電圧Vriは、下記の式(1)で表される。
Vri={ri/(ri+rx)}×Vp ・・・(1)
通信部11,24は、通信インターフェイス回路であり、接続端子17,27が接続されることで、通信部11,24間で、データ送受信が可能とされる。制御部10と、充放電制御部21とは、通信部11,24を介することで、互いにデータ送受信可能とされている。
制御部10は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、アナログデジタルコンバータと、その周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部10は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、抵抗値検出部101、異常検出部102、電流制限値設定部103、及び電流制御部104として機能する。
抵抗値検出部101は、電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmから出力された電圧Vr1〜Vrmに基づいて、i番目の電池モジュールBMiにおける出力電圧をVri、抵抗RXiの抵抗値をrx、電源電圧をVpとすると、i番目の電池モジュールBMiにおける抵抗値riを、下記の式(2)を用いて算出する。
ri=rx×{Vri/(Vp−Vri)} ・・・(2)
異常検出部102は、抵抗値検出部101によって算出された抵抗値ri、設定抵抗値rs、及び電池ブロックBBiに含まれる二次電池数n、すなわち電池ブロックBBiに含まれる抵抗Rの数に基づき、i番目の電池ブロックBBiにおいて発熱異常が生じている二次電池Bの数である異常電池数Eiを、下記の式(3)を用いて算出する。
Ei=n−(ri/rs) ・・・(3)
式(3)の算出結果が整数にならなかった場合は、例えば四捨五入するなどして異常電池数Eiを求めればよい。図2に示す電池ブロックBBiにおいては、二次電池数nは4である。
電流制限値設定部103は、電池ブロックBBに流れる電流の許容値の上限を示す電流制限値Iuを設定する。具体的には、一つの電池ブロックについて、当該電池ブロックに含まれる二次電池がすべて正常であるときにおいて、当該電池ブロックを充放電可能な上限値が標準電流制限値Isとして予め設定されている。
なお、標準電流制限値Isは、充電時と放電時とで、異なる値を用いるようにしてもよい。あるいは、電池の充電状態(SOC)や温度等に応じて、標準電流制限値Isの値を変化させてもよい。
例えば、高温時においては、放電より充電の方が劣化が進行しやすいため、充電時に用いられる標準電流制限値Is(充)を、放電時に用いられる標準電流制限値Is(放)より小さな値に設定するようにしてもよい。
また、電池のSOCが大きくなり満充電に近づくほど、充電時に用いられる標準電流制限値Is(充)をゼロに近づけるように小さな値に設定し、電池のSOCが小さくなって過放電に近づくほど、放電時に用いられる標準電流制限値Is(放)をゼロに近づけるように小さな値に設定するようにしてもよい。
そして、電流制限値設定部103は、二次電池数nから、電池ブロックBB1〜BBmの異常電池数E1〜Emを、それぞれ減算することにより、電池ブロックBB1〜BBmにおける正常な二次電池の数である有効電池数EN1〜ENmを算出する。そして、有効電池数EN1〜ENmのうちの最小値を、有効電池数ENminとして選択し、下記の式(4)に基づき、電流制限値Iuを算出する。
Iu=Is×ENmin/n ・・・(4)
ここで、有効電池数は、異常電池数が大きくなるほど小さくなる関係があるから、有効電池数EN1〜ENmのうちの最小値を、有効電池数ENminとして選択することは、異常電池数E1〜Emのうちの最大値に基づいて、電流制限値Iuを算出することに相当している。
電流制御部104は、電流制限値設定部103によって設定された電流制限値Iuを、通信部11によって、通信部24を介して充放電制御部21へ送信させることで、充放電制御部21によって、電池ブロックBBに流れる電流値Iが電流制限値Iuを超えないように制御させる。
次に、外部装置2について、説明する。発電装置22は、例えば太陽光発電装置(太陽電池)や、例えば風力や水力といった自然エネルギーやエンジン等の人工的な動力によって駆動される発電機等である。なお、充放電制御部21は、発電装置22の代わりに例えば商用電源に接続されていてもよい。
負荷装置23は、電池電源装置1から供給される電力により駆動される各種の負荷であり、例えばモータやバックアップ対象の負荷機器であってもよい。
充放電制御部21は、発電装置22からの余剰電力や負荷装置23で発生する回生電力を電池電源装置1の電池ブロックBB1〜BBmに充電する。また、充放電制御部21は、負荷装置23の消費電流が急激に増大したり、あるいは発電装置22の発電量が低下して負荷装置23の要求する電力が発電装置22の出力を超えたりすると、電池電源装置1の電池ブロックBB1〜BBmから不足の電力を負荷装置23へ供給する。
さらに、充放電制御部21は、電流制限値設定部103から、通信部11,24を介して電流制限値Iuを受信し、上述のように電池ブロックBB1〜BBmを充放電させる際の電流値Iが、電流制限値Iuを超えないように当該充放電電流値を制御する。
次に、このように構成された電池電源システム3の動作について説明する。まず、感熱素子Xが、復帰型の感熱素子であり、かつ温度が閾値温度Tthを超える作動時にオン、温度が閾値温度Tthに満たない非作動時にオフする場合について、説明する。
図3は、図1に示す電池異常検出回路4及び電池電源装置1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、電池ブロックBB1〜BBmの各二次電池Bに異常がない正常時は、電流制限値設定部103によって、電流制限値Iuの初期値として標準電流制限値Isが設定されており、この電流制限値Iuが、電流制御部104によって、充放電制御部21に通知されている。
これにより、電池ブロックBB1〜BBmに流れる電流値Iの絶対値は、充放電制御部21によって、標準電流制限値Isを超えないように制限されている。
次に、ステップS1において、抵抗値検出部101によって、電池モジュールBMの番号を示す変数iに、1が代入される(ステップS1)。次に、異常電池数E1〜Emの初期値として、0が設定される(ステップS2)。
次に、現時点での異常電池数E1〜Emが、前異常電池数PE1〜PEmとして設定される(ステップS3)。
そして、抵抗値検出部101によって、電池モジュールBMiから出力された電圧Vriが検出され(ステップS4)、当該電圧Vriに基づき、式(2)を用いて電池モジュールBMiにおける直列回路の抵抗値riが算出される(ステップS5)。
次に、異常検出部102によって、抵抗値ri、設定抵抗値rs、及び二次電池数nに基づき、式(3)を用いて、例えば小数点以下が四捨五入されて、i番目の電池ブロックBBiにおいて発熱異常が生じている二次電池Bの数である異常電池数Eiが算出される(ステップS6)。
次に、異常検出部102によって、異常電池数Eiと前異常電池数PEiが比較される(ステップS7)。ここで、ステップS4〜S6が初めて実行された場合には、前異常電池数PEiは、0である。一方、ステップS4〜S6の実行が2回目以降である場合には、ステップS3において、前回検出された異常電池数Eiが、前異常電池数PEiとして設定されている。
ここで、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されているときは、二次電池の温度が閾値温度Tth(臨界温度)を超えるとその後に永続的な断線状態となり温度が低下する。そのため、前回のステップS4〜S6の実行時には、温度が閾値温度Tthを超えて感熱素子Xが作動(オン)し、異常電池数Eiとしてカウントされていた二次電池が、今回は温度が閾値温度Tthに満たなくなって感熱素子Xが非作動状態(オフ)に復帰するためステップS6において異常電池数Eiとしてカウントされず、異常電池数Eiが減少するおそれがある。
しかしながら、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されているときは、一度閾値温度Tth(臨界温度)を超えて異常となった二次電池が正常に戻ることはない。そこで、異常電池数Eiが前異常電池数PEi以上、すなわち異常電池数Eiが前回より減少していないときは(ステップS7でYES)、そのままステップS9へ移行し、異常電池数Eiが前異常電池数PEiに満たず、すなわち異常電池数Eiが前回より減少したときは(ステップS7でNO)、異常電池数Eiを前異常電池数PEiとし、すなわち前回検出された異常電池数Eiをそのまま維持してステップS9へ移行する。
以上、ステップS3、S7、S8の処理により、感熱素子Xが復帰型の素子であり、かつ閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されているときに、永続的な異常状態となった二次電池が異常電池数Eiにカウントされなくなるおそれが低減される。
なお、閾値温度Tthとして、例えば一時的な過電流で生じるような、復帰可能な範囲内の温度を設定しておき、ステップS3,S7,S8を実行せず、ステップS6からステップS9へ移行するようにしてもよい。
この場合、例えば過電流のような一時的な異常原因が解消して二次電池の温度が閾値温度Tthを下回れば、その二次電池に対応する感熱素子Xが非作動状態に復帰するので、ステップS4〜S6において、一時的な異常原因が解消して正常に戻った二次電池が異常電池数Eiとしてカウントされなくなる結果、異常が生じている二次電池の数をリアルタイムに異常電池数Eiに反映することが可能となる。
また、感熱素子Xとして、温度ヒューズのような非復帰型の素子を用いると、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されている場合であっても、永続的な異常状態となった二次電池が異常電池数Eiにカウントされなくなることはないので、ステップS3、S7、S8の処理を削減することができる。
次に、電流制限値設定部103によって、二次電池数nから異常電池数Eiが減算されて、有効電池数ENiが算出される(ステップS9)。
次に、電流制限値設定部103によって、変数iが電池ブロック数mと比較され、変数iが電池ブロック数mに満たなければ(ステップS10でNO)、次の電池ブロックBBについて有効電池数ENiを算出するべく変数iに1が加算されて(ステップS11)、再びステップS4〜S10を繰り返す。
そして、変数iが電池ブロック数m以上となれば(ステップS10でYES)、全ての電池ブロックBBについて有効電池数EN1〜ENmを算出し終えたことになるから、ステップS12へ移行する。
ステップS12では、電流制限値設定部103によって、有効電池数EN1〜ENmの最小値が、有効電池数ENminとして設定される(ステップS12)。
次に、電流制限値設定部103によって、上記式(4)を用いて、電流制限値Iuが算出される(ステップS13)。式(4)によれば、異常検出部102によって検出された異常電池数E1〜Emの最大値が大きいほど、従って有効電池数ENminが減少するほど電流制限値Iuが小さくなるように、電流制限値Iuが設定される。
このように、有効電池数ENminに基づき電流制限値Iuを設定することで、発熱異常が生じている二次電池の数が最も多く、充放電電流を減少させる必要性が最も高い電池ブロックに合わせて、電流制限値Iuが設定される。
ここで、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されている場合、閾値温度Tthを超えた二次電池は、断線状態になって電流が流れなくなる。この場合、式(4)に基づき電流制限値Iuを設定することで、発熱異常が生じている二次電池が一つもない正常状態において、標準電流制限値Isの電流が電池ブロックBBiに流れた場合に当該電池ブロックにおける二次電池Bi1〜Binの一つあたりに分配されて流れる電流値を、異常が生じておらず、従って断線状態になっていない二次電池B一つあたりに分配されて流れる電流値が超えないように、電流制限値Iuを設定することができる。
次に、電流制限値Iuが、電流制御部104によって通信部11へ出力され、通信部11によって通信部24を介して充放電制御部21へ送信され(ステップS14)、再びステップS3〜S14の処理が繰り返される。
これにより、充放電制御部21によって、電池電源装置1の電池ブロックBBに流れる電流値が、電流制限値Iuを超えないように制限されるので、発熱異常が生じている二次電池の数が最も多く、充放電電流を減少させる必要性が最も高い電池ブロックに合わせて、電池ブロックBBに流れる電流を制限することができる。
特に、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されている場合には、電池ブロックBBに含まれる一部の二次電池Bが臨界温度を超えて断線状態になることに起因して、残りの二次電池Bに流れる電流が増加して劣化させてしまうおそれが低減される。
図4は、感熱素子Xを、例えば温度ヒューズのように、非作動状態(閾値温度Tthに満たないとき)においてオン、作動状態(閾値温度Tthを超えるとき)においてオフする構成とした場合の電池異常検出回路4の動作の一例を示すフローチャートである。感熱素子Xが、作動状態でオフする構成とした場合は、異常検出部102が、ステップS6aにおいて、式(3)の代わりに下記の式(5)を用いて異常電池数Eiを算出する点が異なる。その他の点では図3に示すフローチャートと同様の動作となるのでその説明を省略する。
Ei=ri/rs ・・・(5)
なお、電池ブロックBBが複数、直列接続されている例を示したが、電池ブロックBBは一つであってもよく、その場合、ステップS10、S11、S12を省略し、有効電池数ENminの代わりにステップS9で得られた有効電池数ENiを用いるようにすればよい。
また、充放電制御部21が外部装置2に設けられ、通信部11によって電流制限値Iuを送信することで、充放電制御部21によって充放電電流値を制限させる例を示したが、例えば、電池電源装置1が、充放電制御部21を備える構成としてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電池異常検出回路4a、電池電源装置1a、及びこれを備える電池電源システム3aについて説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る電池電源システム3aの構成の一例を示すブロック図である。図5に示す電池電源システム3aと図1に示す電池電源システム3とでは、電池電源装置1aにおける電池異常検出回路4aの構成が、下記の点で異なる。
図5に示す電池異常検出回路4aは、ユーザに異常が生じている電池を報知するための報知部である表示部19をさらに備える。また、制御部10aは、異常電池特定部105をさらに備えると共に、異常検出部102aの動作が異常検出部102とは異なる。
表示部19は、液晶表示装置やLED(Light Emitting Diode)等の表示装置である。なお、表示部19は、必ずしも電池異常検出回路4aに設けられている例に限られず、外部装置2に設けられていてもよい。
また、電池モジュールBM1’,BM2’,・・・,BMm’は、電池ブロックBB1’,BB2’,・・・,BBm’に含まれる各抵抗Rに設定されている抵抗値が電池異常検出回路4における電池モジュールBM1,BM2,・・・,BMmと異なる。以下、電池モジュールBM1’,BM2’,・・・,BMm’を総称して電池モジュールBM’と称し、電池ブロックBB1’,BB2’,・・・,BBm’を総称して電池ブロックBB’と称する。
その他の構成は図1に示す電池電源システム3と同様であるのでその説明を省略し、以下、電池異常検出回路4aの特徴的な点について、説明する。
図5に示す電池モジュールBM’は、電池モジュールBMと同様、図2で示される。図2に示す電池モジュールBM’は、電池モジュールBMとは、電池ブロックBBの代わりに電池ブロックBB’を備える点で異なる。
電池モジュールBM1’,BM2’,・・・,BMm’は、同様に構成されているので、i番目の電池モジュールBMi’、及び電池ブロックBBi’について、その構成を説明する。
電池モジュールBMi’の抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4におけるj番目の抵抗を、抵抗Rijと表すと、抵抗Rijの抵抗値rijは、下記の式(6)で表される等比数列の、各項の値となっている。
rij=arj−1 ・・・(6)
但し、aは任意の定数、rは2以上の整数である。
例えば、公比rを2とすれば、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4の抵抗値ri1,ri2,ri3,ri4は、a,2a,4a,8aとなる。抵抗Rの抵抗値を、このように設定すると、抵抗Ri1,Ri2,Ri3,Ri4のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値となる。
なお、抵抗Rの抵抗値は、必ずしも式(6)に従い設定されている必要はなく、各抵抗Riのうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値となるように各抵抗値が設定されていればよい。
異常電池特定部105は、抵抗値ri1,ri2,ri3,ri4として設定された式(6)の各項のうちnが大きい順、すなわちjを二次電池数nとする項から順に、抵抗値rijの値を抵抗値検出部101によって検出された抵抗値riと比較する。そして、感熱素子Xが、非作動状態においてオフ、作動状態においてオンする場合は抵抗値riの方が抵抗値rijより小さいとき、感熱素子Xが、非作動状態においてオン、作動状態においてオフする場合は抵抗値rijの方が抵抗値riより小さいとき、抵抗値rijが設定された抵抗Rijと並列接続された感熱素子Xijと対応する二次電池Bijを異常の生じている二次電池として特定する。
そして、異常電池特定部105は、抵抗値検出部101によって検出された抵抗値riから抵抗値rijを減算した値を前記比較の対象として新たに設定する処理を繰り返すことによって、異常の生じている二次電池を推定及び特定する。
さらに異常電池特定部105は、異常の生じている二次電池として特定された二次電池を示す情報を、表示部19によって表示させる。
次に、図5に示す電池電源システム3aの動作について説明する。まず、感熱素子Xが、温度が閾値温度Tthを超える作動時にオン、温度が閾値温度Tthに満たない非作動時にオフする場合について、説明する。
図6、図7は、図5に示す電池異常検出回路4a及び電池電源装置1aの動作の一例を示すフローチャートである。まず、電池ブロックBB1’〜BBm’の各二次電池Bに異常がない正常時は、電流制限値設定部103によって、電流制限値Iuの初期値として標準電流制限値Isが設定されており、この電流制限値Iuが、電流制御部104によって、充放電制御部21に通知されている。
これにより、電池ブロックBB1’〜BBm’に流れる電流値Iの絶対値は、充放電制御部21によって、標準電流制限値Isを超えないように制限されている。
次に、ステップS21において、抵抗値検出部101によって、電池モジュールBM’の番号を示す変数iに1が代入され、電池ブロックBBi’における二次電池Bの電池番号を示す変数jに、二次電池数nが代入される(ステップS21)。
次に、抵抗値検出部101によって、異常が生じている二次電池を示す異常電池フラグF11〜Fmnに、0が代入される(ステップS22)。異常電池フラグF11〜Fmnは、二次電池B11〜Bmnと対応して設けられている。例えば、異常電池フラグFijが0のとき、二次電池Bijが正常であることを示し、異常電池フラグFijが1のとき、二次電池Bijが異常であることを示す。
そして、抵抗値検出部101によって、電池モジュールBMiから出力された電圧Vriが検出され(ステップS24)、当該電圧Vriに基づき、式(2)を用いて電池モジュールBMiにおける直列回路の抵抗値riが算出される(ステップS25)。
次に、異常電池特定部105によって、抵抗Rijの抵抗値rijが、arj−1として算出される(ステップS26)。ここで、最初は変数jには二次電池数nが代入されているので、番号jが最も大きく、従って抵抗値が最も大きい抵抗Rinから順に、抵抗値の算出及び異常の検出が実行されることになる。
次に、異常電池特定部105によって、抵抗値riと抵抗値rijとが比較される(ステップS27)。ここで、抵抗値riが抵抗値rij以上であれば(ステップS27でYES)、感熱素子Xijがオフしていることになるから、感熱素子Xijと対応する二次電池Bijは発熱異常を生じておらず、正常と推定されるので、異常電池フラグFijを「1」に変更することなくステップS29へ移行する。
そして、異常電池特定部105によって、抵抗値riから抵抗値rijが減算されて、新たな抵抗値riとされ(ステップS29)、ステップS30へ移行する。
一方、抵抗値riが抵抗値rijに満たなければ(ステップS27でNO)、感熱素子Xijがオンしていることになるから、異常電池特定部105によって、感熱素子Xijと対応する二次電池Bijは発熱異常を生じていると判断されて、異常電池フラグFijが「1」に変更され(ステップS28)、ステップS30へ移行する。
次に、ステップS30において、異常電池特定部105によって、変数jが1になったか否かが判断され(ステップS30)、変数jが1であれば(ステップS30でYES)、電池ブロックBBi’に含まれるすべての二次電池Bについて異常の有無が確認されたことになるからステップS32へ移行し、変数jが1でなければ(ステップS30でNO)、電池ブロックBBi’にはまだ異常の有無が確認されていない二次電池Bが残っているから異常確認を継続するべくステップS31へ移行する。
そして、ステップS31において、変数jから1が減算されて、再びステップS26〜S30が繰り返される(ステップS31)。
以上、ステップS21〜S31の処理により、発熱異常が生じている二次電池Bijに対応する異常電池フラグFijが、1にセットされるので、異常が生じた二次電池を特定することができる。
次に、ステップS32において、異常検出部102aによって、異常電池フラグFi1〜Finのうち、1がセットされているフラグの数が、電池ブロックBBi’における異常電池数Eiとして計数される(ステップS32)。
これにより、電池ブロックBB’毎に、発熱異常が生じた二次電池Bの数を検出することができる。
次に、電流制限値設定部103によって、二次電池数nから異常電池数Eiが減算されて、有効電池数ENiが算出される(ステップS33)。
次に、異常電池特定部105によって、変数iが電池ブロック数mと比較され、変数iが電池ブロック数mに満たなければ(ステップS34でNO)、次の電池ブロックBBについて有効電池数ENiを算出するべく変数iに1が加算されて(ステップS35)、再びステップS24〜S34を繰り返す。
そして、変数iが電池ブロック数m以上となれば(ステップS34でYES)、全ての電池ブロックBBについて有効電池数EN1〜ENmを算出し終えたことになるから、ステップS36へ移行する。
ステップS36では、電流制限値設定部103によって、有効電池数EN1〜ENmの最小値が、有効電池数ENminとして設定される(ステップS36)。
次に、電流制限値設定部103によって、上記式(4)を用いて、電流制限値Iuが算出される(ステップS37)。式(4)によれば、異常検出部102によって検出された異常電池数E1〜Emの最大値が大きいほど、従って有効電池数ENminが減少するほど電流制限値Iuが小さくなるように、電流制限値Iuが設定される。
このように、有効電池数ENminに基づき電流制限値Iuを設定することで、発熱異常が生じている二次電池の数が最も多く、充放電電流を減少させる必要性が最も高い電池ブロックに合わせて、電流制限値Iuが設定される。
ここで、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されている場合、閾値温度Tthを超えた二次電池は、断線状態になって電流が流れなくなる。この場合、式(4)に基づき電流制限値Iuを設定することで、発熱異常が生じている二次電池が一つもない正常状態において、標準電流制限値Isの電流が電池ブロックBBiに流れた場合に当該電池ブロックにおける二次電池Bi1〜Binの一つあたりに分配されて流れる電流値を、異常が生じておらず、従って断線状態になっていない二次電池B一つあたりに分配されて流れる電流値が超えないように、電流制限値Iuを設定することができる。
次に、電流制限値Iuが、電流制御部104によって通信部11へ出力され、通信部11によって通信部24を介して充放電制御部21へ送信される(ステップS38)。
これにより、充放電制御部21によって、電池電源装置1の電池ブロックBBに流れる電流値が、電流制限値Iuを超えないように制限されるので、発熱異常が生じている二次電池の数が最も多く、充放電電流を減少させる必要性が最も高い電池ブロックに合わせて、電池ブロックBBに流れる電流を制限することができる。
特に、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されている場合には、電池ブロックBBに含まれる一部の二次電池Bが臨界温度を超えて断線状態になったために、残りの二次電池Bに流れる電流が増加して劣化させてしまうおそれが低減される。
次に、異常電池特定部105は、異常電池フラグF11〜Fmnのうち、「1」になっているフラグに対応する二次電池が異常となっている旨の情報を、表示部19によって表示させる。これにより、ユーザは、発熱異常が生じた二次電池を知ることができるので、異常が生じた二次電池を交換するなどして電池ブロックBB’を修理することが容易となる。
そして、再びステップS24〜S39の処理が繰り返される。
ここで、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されているときは、二次電池の温度が閾値温度Tth(臨界温度)を超えるとその後に永続的な断線状態となり温度が低下する。そのため、前回のステップS24〜S30の実行時には、温度が閾値温度Tthを超えて感熱素子Xが作動(オン)し、対応する異常電池フラグFが1にセットされて異常電池とされていた二次電池が、今回は温度が閾値温度Tthに満たなくなって感熱素子Xが非作動状態(オフ)に復帰し、ステップS27において正常と推定(ステップS27でYES)される場合がある。
しかしながら、ステップS27〜S30の処理によれば、一度「1」がセットされた異常電池フラグFは、その後に正常(ステップS27でYES)と判断されても「0」に変更されることがなく、「1」(異常)のまま維持されるので、断線状態になった二次電池を誤って正常と判断してしまうおそれが低減される。
なお、閾値温度Tthとして、例えば一時的な過電流で生じるような、復帰可能な範囲内の温度を設定しておき、感熱素子Xとして復帰型の素子を用いた上で、ステップS27において、抵抗値riが抵抗値rij以上であれば(ステップS27でYES)、感熱素子Xijと対応する二次電池Bijを正常と推定し、対応する異常電池フラグFijを「0」にする構成としてもよい。
この場合、例えば過電流のような一時的な異常原因が解消して二次電池の温度が閾値温度Tthを下回れば、その二次電池に対応する感熱素子Xが非作動状態に復帰するので、ステップS24〜S31において、一時的な異常原因が解消して正常に戻った二次電池が異常電池として特定されなくなる結果、各二次電池の異常の有無をリアルタイムに異常電池フラグF11〜Fmnに反映することが可能となる。
図8、図7は、感熱素子Xを、例えば温度ヒューズのように、非作動状態(閾値温度Tthに満たないとき)においてオン、作動状態(閾値温度Tthを超えるとき)においてオフする構成とした場合の電池異常検出回路4aの動作の一例を示すフローチャートである。感熱素子Xが、作動状態でオフする構成とした場合は、ステップS27a〜S29の動作が、図6で示す動作と異なる。
ステップS27aにおいては、異常電池特定部105によって、抵抗値riと抵抗値rijとが比較される(ステップS27a)。ここで、抵抗値riが抵抗値rijに満たなければ(ステップS27aでNO)、感熱素子Xijがオンしていることになるから、感熱素子Xijと対応する二次電池Bijは発熱異常を生じておらず、正常と推定されるので、異常電池フラグFijを「1」に変更することなくステップS30へ移行する。
一方、抵抗値riが抵抗値rij以上であれば(ステップS27aでYES)、感熱素子Xijがオフしていることになるから、異常電池特定部105によって、感熱素子Xijと対応する二次電池Bijは発熱異常を生じていると判断されて、異常電池フラグFijが「1」に変更される(ステップS28)。
そして、異常電池特定部105によって、抵抗値riから抵抗値rijが減算されて、新たな抵抗値riとされ(ステップS29)、ステップS30へ移行する。
その他の点では図6に示すフローチャートと同様の動作となるのでその説明を省略する。以上、図8、図7におけるステップS21〜S39の処理により、図6、図7におけるステップS21〜S39と同様、異常が生じている二次電池を特定でき、さらに異常電池の数に応じて電池ブロックBBに流れる電流値を制限することで、異常が生じていない二次電池を劣化させてしまうおそれを低減できる。
なお、例えば各電池ブロックBB’における、抵抗直列回路の抵抗値riと、異常の生じている二次電池を特定する情報の一例である異常電池フラグF11〜Fmnとを対応付ける抵抗値情報を、例えば制御部10aのROM(記憶部)に予め記憶しておき、異常電池特定部105は、ステップS26〜S31を実行する代わりに、抵抗値情報によって、抵抗値検出部101によって検出された抵抗値riと対応付けられた異常電池フラグF11〜Fmnを取得することにより、異常の生じている二次電池を推定するようにしてもよい。
図9は、感熱素子Xが、温度が閾値温度Tthを超える作動時(異常時)にオン、温度が閾値温度Tthに満たない非作動時(正常時)にオフする場合に用いられる抵抗値情報の一例を、LUT(Look Up Table)として表した説明図である。また、図10は、感熱素子Xが、温度が閾値温度Tthを超える作動時(異常時)にオフ、温度が閾値温度Tthに満たない非作動時(正常時)にオンする場合に用いられる抵抗値情報の一例を、LUTとして表した説明図である。図9、図10では、説明を簡単にするため、二次電池数nが3の場合を例示している。
例えば、異常電池特定部105は、ステップS26〜S31を実行する代わりに、図6に示すフローチャートでは図9に示す抵抗値情報を参照し、図8に示すフローチャートでは図10に示す抵抗値情報を参照することで、異常電池フラグFi1〜Finを設定するようにしてもよい。
ここで、閾値温度Tthとして上述のような臨界温度が設定されているときは、異常電池特定部105は、図9、図10に示される異常電池フラグFi1〜Finが、1になっている場合のみ、当該異常電池フラグを1に変更するようにすれば、永続的な断線状態になっている二次電池を誤って正常と判断してしまうおそれが低減される。
また、閾値温度Tthとして、例えば一時的な過電流で生じるような、復帰可能な範囲内の温度を設定しておき、感熱素子Xとして復帰型の素子を用いた場合は、異常電池特定部105は、図9、図10に示される異常電池フラグFi1〜Finをそのまま異常電池フラグFi1〜Finとして設定するようにすれば、各二次電池の異常の有無をリアルタイムに異常電池フラグF11〜Fmnに反映することが可能となる。
また、例えば図9、図10に示す抵抗値情報において、さらに、各抵抗値riに対応する異常電池数Eiを、各抵抗値riと対応付けてROMに予め記憶しておき、異常検出部102aは、抵抗値情報によって、ステップS29によって得られた抵抗値riと対応付けられている異常電池数Eiを、異常電池として特定される二次電池の数として取得することで、異常電池数Eiを取得するようにしてもよい。
なお、電池ブロックBBが複数、直列接続されている例を示したが、電池ブロックBBは一つであってもよく、その場合、ステップS34、S35、S36を省略し、有効電池数ENminの代わりにステップS33で得られた有効電池数ENiを用いるようにすればよい。
また、図1、図5に示す制御部10,10aは、電流制限値設定部103、及び電流制御部104を備えず、ステップS9、S12〜S14、ステップS33、S36〜S38を実行しない構成としてもよい。
また、図5に示す制御部10aは、異常検出部102a、電流制限値設定部103、及び電流制御部104を備えず、ステップS32、S33、S36〜S38を実行しない構成としてもよい。
本発明に係る電池電源装置、及びこれを用いた電池電源システムは、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、ハイブリッドエレベータ、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム、無停電源装置等の電池搭載装置、システムにおいて、好適に利用することができる。
1,1a 電池電源装置
2 外部装置
3,3a 電池電源システム
4,4a 電池異常検出回路
10,10a 制御部
11,24 通信部
15,16,17,25,26,27 接続端子
19 表示部
21 充放電制御部
22 発電装置
23 負荷装置
101 抵抗値検出部
102,102a 異常検出部
103 電流制限値設定部
104 電流制御部
105 異常電池特定部
B,B11〜Bmn,B’,B11’〜Bmn’ 二次電池
BB,BB11〜BBmn,BB’,BB11’〜BBmn’ 電池ブロック
BM,BM1〜BMm,BM’,BM1’〜BMm’ 電池モジュール
F11〜Fmn 異常電池フラグ
I 電流値
Is 標準電流制限値
Iu 電流制限値
R11〜Rmn,RX1〜RXm 抵抗
Tth 閾値温度
Vp 電源電圧
X,X11〜Xmn 感熱素子
m 電池ブロック数
n 二次電池数
r 公比
ri 抵抗値
rs 設定抵抗値

Claims (20)

  1. 複数の二次電池を含む電池ブロックにおける、当該各二次電池と対応して設けられ、対応する二次電池の温度に応じて開閉状態がそれぞれ変化する複数の感熱素子と、
    前記各感熱素子と並列に接続された複数の抵抗が、直列に接続された直列回路と、
    前記直列回路の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、
    前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち異常の生じている二次電池の数を推定し、異常電池数として取得する異常検出部と
    を備えることを特徴とする電池異常検出回路。
  2. 前記各感熱素子は、
    対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオフする素子であり、
    前記複数の抵抗は、
    抵抗値が予め設定された設定抵抗値に設定されており、
    前記異常検出部は、
    前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値を前記設定抵抗値で除算して得られた商を、前記異常の生じている二次電池の数として推定すること
    を特徴とする請求項1記載の電池異常検出回路。
  3. 前記各感熱素子は、
    対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオンする素子であり、
    前記複数の抵抗は、
    抵抗値が予め設定された設定抵抗値に設定されており、
    前記異常検出部は、
    前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値を前記設定抵抗値で除算して得られた商を、前記複数の二次電池の個数から減算して得られた差を、前記異常の生じている二次電池の数として推定すること
    を特徴とする請求項1記載の電池異常検出回路。
  4. 前記閾値温度として、
    前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、
    前記各感熱素子は、
    前記開閉状態が変化すると、変化前の状態には戻らない非復帰型の感熱素子であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池異常検出回路。
  5. 前記閾値温度として、
    前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、
    前記各感熱素子は、
    一度前記開閉状態が変化しても、再び変化前の状態に復帰可能な復帰型の感熱素子であり、
    前記異常検出部は、
    前記推定された異常の生じている二次電池の数が減少した場合、減少前の異常電池数を維持すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池異常検出回路。
  6. 前記複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値が設定されており、
    前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち異常の生じている二次電池を推定し、当該推定された二次電池を異常電池として特定する異常電池特定部をさらに備え、
    前記異常検出部は、
    前記異常電池特定部によって異常電池として特定される二次電池の数を、前記異常電池数として取得すること
    を特徴とする請求項1記載の電池異常検出回路。
  7. aを任意の定数、公比rを2以上の整数、jを正の整数とした場合に、j番目の項が下記の式(A)で表される等比数列の、各項の値が前記各抵抗の抵抗値として設定されていること
    arj−1 ・・・ (A)
    を特徴とする請求項6記載の電池異常検出回路。
  8. 前記直列回路の抵抗値と異常の生じている二次電池を特定する情報とを対応付ける抵抗値情報を予め記憶する記憶部をさらに備え、
    前記異常電池特定部は、
    前記記憶部に記憶されている抵抗値情報によって、前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と対応付けられた二次電池を、前記異常の生じている二次電池として推定すること
    を特徴とする請求項6又は7記載の電池異常検出回路。
  9. 前記各感熱素子は、
    対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオフする素子であり、
    前記異常電池特定部は、
    前記各抵抗の抵抗値として設定された前記各項のうち前記jが大きい順に、各項の値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と比較し、当該抵抗値が当該比較された項の値以上のとき、当該項の値が抵抗値として設定された抵抗と並列接続された感熱素子と対応する二次電池を前記異常の生じている二次電池として特定すると共に前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値から当該項の値を減算した値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値の代わりに比較の対象である抵抗値として新たに設定する処理を繰り返すことによって、前記異常の生じている二次電池を推定すること
    を特徴とする請求項7記載の電池異常検出回路。
  10. 前記各感熱素子は、
    対応する二次電池の温度が予め設定された閾値温度を超えたとき、作動してオンする素子であり、
    前記異常電池特定部は、
    前記各抵抗の抵抗値として設定された前記各項のうち前記jが大きい順に、各項の値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値と比較し、当該比較された項の値の方が大きいとき、当該項の値が抵抗値として設定された抵抗と並列接続された感熱素子と対応する二次電池を前記異常の生じている二次電池として特定すると共に前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値から当該項の値を減算した値を前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値の代わりに比較の対象である抵抗値として新たに設定する処理を繰り返すことによって、前記異常の生じている二次電池を推定すること
    を特徴とする請求項7記載の電池異常検出回路。
  11. 前記閾値温度として、
    前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、
    前記各感熱素子は、
    前記開閉状態が変化すると、変化前の状態には戻らない非復帰型の感熱素子であること
    を特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の電池異常検出回路。
  12. 前記閾値温度として、
    前記二次電池に永続的な故障が生じる臨界温度が設定されており、
    前記各感熱素子は、
    前記開閉状態が変化しても、再び変化前の状態に復帰可能な復帰型の感熱素子であり、
    前記異常電池特定部は、
    一度異常が生じている二次電池として特定された二次電池を、その後に前記抵抗値検出部により検出された抵抗値に関わらず、前記異常電池として特定すること
    を特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の電池異常検出回路。
  13. 前記複数の二次電池は並列接続されており、
    前記電池ブロックに流れる電流の許容値の上限を示す電流制限値を設定する電流制限値設定部をさらに備え、
    前記電流制限値設定部は、
    前記異常検出部によって取得された異常電池数が増加するほど前記電流制限値が小さくなるように、当該電流制限値を設定すること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電池異常検出回路。
  14. 前記電流制限値設定部は、
    前記電池ブロック一つに含まれる二次電池の数から前記異常検出部によって取得された異常電池数を減算した数を、有効電池数とし、前記複数の二次電池が一つも異常になっていないときにおける電流制限値である標準電流制限値に、前記電池ブロック一つに含まれる二次電池の数に対する前記有効電池数の比率を乗じた値を、前記電流制限値として設定すること
    を特徴とする請求項13記載の電池異常検出回路。
  15. 前記電池ブロックが複数直列接続されており、
    前記複数の抵抗が直列に接続された直列回路と前記複数の感熱素子との組が、前記各電池ブロックに対応して複数組設けられ、
    前記抵抗値検出部は、
    前記各電池ブロックに対応する各直列回路の抵抗値を、それぞれ検出し、
    前記異常検出部は、
    前記抵抗値検出部によって検出された各直列回路の抵抗値に基づいて、前記各電池ブロックにおける異常電池数を、それぞれ検出し、
    前記電流制限値設定部は、
    前記異常検出部によって取得された各電池ブロックにおける異常電池数のうちの最大値を前記異常電池数として用いること
    を特徴とする請求項13又は14に記載の電池異常検出回路。
  16. 前記電池ブロックに流れる電流が、前記電流制限値設定部によって設定された電流制限値を超えないように制御する電流制御部をさらに備えること
    を特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の電池異常検出回路。
  17. 前記電流制御部は、
    前記電池ブロックを充放電する外部装置へ、前記電流制限値設定部で設定された電流制限値を送信することによって、前記電池ブロックに流れる電流が当該電流制限値を超えないように前記外部装置によって制御させること
    を特徴とする請求項16に記載の電池異常検出回路。
  18. 複数の二次電池を含む電池ブロックにおける、当該各二次電池と対応して設けられ、対応する二次電池の温度に応じて開閉状態がそれぞれ変化する複数の感熱素子と、
    前記各感熱素子と並列に接続された複数の抵抗が、直列に接続された直列回路と、
    前記直列回路の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、
    前記抵抗値検出部によって検出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち異常の生じている二次電池を推定し、当該推定された二次電池を異常電池として特定する異常電池特定部とを備え、
    前記複数の抵抗のうち1又は複数の抵抗を選択して組み合わせた場合に、当該抵抗の組み合わせが異なれば、当該組み合わされた抵抗の抵抗値の合計が異なる値になるように、前記各抵抗の抵抗値が設定されていること
    を特徴とする電池異常検出回路。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の電池異常検出回路と、
    前記電池ブロックと
    を備えることを特徴とする電池電源装置。
  20. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の電池異常検出回路と、
    前記電池ブロックと、
    前記電池ブロックを充放電する外部装置とを備え、
    前記外部装置は、
    前記電池ブロックからの放電電流の供給を受け付ける負荷回路と、
    前記電池ブロックへ充電電流を供給する電流供給部と、
    前記電池ブロックに流れる電流が、前記電流制御部から送信された前記電流制限値を超えないように、前記電池ブロックから前記負荷回路へ供給される放電電流、及び前記電流供給部から前記電池ブロックへ供給される充電電流を調節する充放電制御部と
    を備えることを特徴とする電池電源システム。
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