JP2011137225A - プラズマcvd成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜質及びバリア性を改善する。
【解決手段】基材上に連続的に成膜するプラズマCVD成膜装置10において、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bを含む成膜ロール20と、第1成膜ロール及び第2成膜ロール間に位置しており、回転軸20Aaと回転軸20Baとを最短距離で結ぶ線分を2等分し、かつ該線分と直交する第1対称面18A、並びに前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロールの全長を2等分し、かつ第1対称面と直交する第2対称面18Bが設定されており、第1対称面及び該第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されるか、又は第1対称面と第2対称面とが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口14を有し、成膜ロールを格納している真空チャンバ12と、成膜ガス供給部30と、真空チャンバ外に設けられている真空ポンプとを備えるプラズマCVD成膜装置。
【選択図】図1−1

Description

本発明は、プラズマCVD成膜装置及びこの成膜装置を用いる成膜方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などをロールツーロールプロセスで生産する場合には、支持基板(及び/又は封止基板)には柔軟性を有するフレキシブル基板が用いられる。
フレキシブル基板には透明性の他に水蒸気や酸素に対するバリア性(以下、バリア性という場合がある。)が要求される。フレキシブル基板にバリア性を持たせるために、基材上に透明な無機膜を成膜することが一般的に行われている。透明な無機膜の材料としては、例えばシリコン(Si)の酸化物、窒化物、酸窒化物などが挙げられる。
無機膜の成膜法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法(PVD法)や、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、Cat-CVD法、プラズマCVD(Plasma Enhanced-Chemical Vapor Deposition)法などの化学蒸着法(CVD法)がある。
物理蒸着法である真空蒸着法は、成膜速度が高いため生産性の高い成膜方法である。よって主に食品包装用フィルムの成膜方法として広く適用されている。しかしながら真空蒸着法により成膜された膜は、バリア性において水蒸気透過率、酸素透過率のいずれも不十分であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子といった電子デバイス用のフレキシブル基板の製造方法への適用は困難である。
またスパッタ法は、真空蒸着法と比較すると成膜速度が低いため生産性が低い。物理蒸着法(PVD法)で形成された膜は脆いため、膜厚を厚くするとクラックや基材からの剥離が発生しやすくなる。成膜された膜にもフレキシブル性が要求されるロールツーロールプロセスなどの成膜方法では、成膜された膜が基材の変形に追従できずにクラックや剥離が生じるおそれがある。
他方、化学蒸着法であるプラズマCVD法は、成膜速度が高く、生産性の高い成膜方法である。
またプラズマCVD法で成膜された膜は、柔軟性に優れるため数百nm〜数μm程度の任意の膜厚とすることができる。
さらにプラズマCVD法により成膜された膜は、柔軟性に富み、基材の変形に追従できるためクラックや基材からの剥離が発生せず、バリア性が劣化しない。よってプラズマCVD法は、成膜ロール、搬送ロールといった曲率のあるロールに巻き取られ、また巻き出されるプロセスを含むロールツーロールプロセスに適した成膜法であると言える。このため、プラズマCVD法は、新しい成膜法として期待されている。
プラズマCVD法には、基板と対向電極との間で放電させる平行平板型、ロールと対向電極との間で放電させる形式など種々の形式があり、種々の形状の電極(対向電極)が用いられているが、電極への膜材料の堆積が問題となっている。ロール上の基材(フィルム)と対向電極との間に導入された原料ガスは、基材及び対向電極の両方にほぼ等量の薄膜を堆積させるので、長尺の基材上に連続的に膜を成膜させる場合には、対向電極に相当量の堆積物が厚く堆積する。
この堆積物がロールと対向電極との間の放電インピーダンスに影響を及ぼして成膜条件の変動を引き起こしたり、堆積物が剥離してフレーク状のダストとなり、また剥離時にフレーク状のダストよりもさらに細かい破片がパーティクルとなってチャンバ内を浮遊し、浮遊したパーティクルが基材及び成膜される膜上に達して、成膜される膜に欠陥を生成させたりバリア性を損なったりしてしまうおそれがある。
対向電極への膜材料の堆積を抑制して成膜条件の変動を抑える対策としては、例えば対向電極とは別にガス流によって保護された電極を配置する構成が知られている。
また対向電極への膜材料の堆積の問題を解決する別の方法として、フィルムを搬送する2つの対向する成膜ロール間に放電プラズマを発生させ、成膜原料ガスを供給することで成膜ロールに巻き付けられた基材に膜を形成する方法がある(特許文献1及び2参照。)。
この方法では、放電プラズマ発生領域の両側に基材を配置しているので、放電プラズマ発生領域で分解された膜材料が効率的に成膜に利用でき、膜材料の堆積は主として放電プラズマ発生領域両側の基材上でのみ行われ、成膜プロセス中は対向電極に相当する成膜ロールには常に基材が巻き付けられているため、電極に膜材料が堆積することがなく、長時間安定的な成膜が可能となる。
ここで図6を参照して、上記従来技術にかかるプラズマCVD成膜装置の構成例について説明する。図6は従来のプラズマCVD成膜装置を、内部の構成が理解できるように透過的に示す、上からみた概略的な平面図である。
図6に示すように、プラズマCVD成膜装置110は、作動機構集積部111と真空チャンバ112とを備えている。作動機構111は、真空チャンバ112と連接して設けられている。真空チャンバ112は、内部空間を減圧可能とした容器状の構成を有している。真空チャンバ112はこの例では直方体状の形状を有している。
真空チャンバ112内には、第1成膜ロール120Aと、この第1成膜ロール120Aと対向配置される第2成膜ロール120Bと、第1成膜ロール120A及び第2成膜ロール120Bの間隙上部に配置されている成膜ガス供給部130が格納されている。
真空チャンバ112には、真空排気口114が設けられる。真空排気口114は、通常作動機構集積部111と真空チャンバ112とを隔てる壁部に設けられる場合が多いが、この例では作動機構集積部111と真空チャンバ112とを隔てる壁部近傍の底部(底面)に設ける例を示してある。
作動機構集積部111には、第1成膜ロール120Aを作動させる第1成膜ロール作動機構122A、第2成膜ロール120Bを作動させる第2成膜ロール作動機構122B及び真空排気口114と図示しない配管等により接続される真空ポンプ140が設けられている。
主として成膜工程を目視により観測するという観点から、作動機構集積部111には、第1成膜ロール作動機構122A、第2成膜ロール作動機構122B及び真空ポンプ140といった作動機構が集積されていた。よって真空排気口114は、作動機構集積部111と真空チャンバ112とを隔てる壁部、この壁部近傍の底部又は上部のような真空ポンプ140の近傍に設けられていた。
特許第2587507号公報 特許第4268195号公報
しかしながら上記特許文献にかかるロールツーロールプロセスによる成膜方法では、真空チャンバ内に圧力分布が生じやすく、長尺の基材(形成されるフレキシブル基板)の幅方向(TD(traverse direction)方向という場合がある。)でみたときに膜質が不均一となってしまい、結果として水蒸気や酸素に対するバリア性がTD方向でみたときに不均一となってしまい、部分的にバリア性が不十分な領域ができてしまうという問題があることが本願発明者らの知見から明らかとなった。
具体的には、上述したように真空排気口が作動機構集積部と真空チャンバとを隔てる壁部又は壁部近傍のような真空ポンプの近傍に偏在していたため、真空チャンバ内に圧力分布が生じやすくなり、TD方向でみたときに膜質が不均一となってしまっていたことが明らかとなった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、長尺の基材上に成膜される膜の膜質を均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にできるプラズマCVD成膜装置及びこの成膜装置を用いる成膜方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、プラズマCVD法について鋭意研究を進めたところ、プラズマCVD成膜装置の真空チャンバにおいて、真空ポンプが接続される真空排気口の配置を所定の配置とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明によれば、
〔1〕 長尺の基材を連続的に搬送しながら、該基材上に連続的に成膜するプラズマCVD成膜装置において、第1成膜ロール及び該第1成膜ロールに対して平行に対向配置された第2成膜ロールを含み、前記基材を巻き付けて搬送する成膜ロールと、前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロール間に位置しており、前記第1成膜ロールの回転軸と前記第2成膜ロールの回転軸とを最短距離で結ぶ線分を2等分し、かつ該線分と直交する第1対称面、並びに前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロールの全長を2等分し、かつ前記第1対称面と直交する第2対称面が設定されており、該第1対称面及び該第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されているか、又は該第1対称面と該第2対称面とが交差して画成される交差線に対して軸対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口を有し、前記成膜ロールを格納している真空チャンバと、前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロール間に成膜ガスを供給する成膜ガス供給部と、前記真空排気口に接続されており、前記真空チャンバ外に設けられている真空ポンプとを備えるプラズマCVD成膜装置。
〔2〕 前記真空チャンバが、前記第1対称面及び前記第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口を有している、〔1〕に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔3〕 前記真空排気口が3個以上であり、該真空排気口が奇数個である場合には、少なくとも1個が第1対称面と第2対称面が直交する直線上に位置し、かつ第1対称面及び第2対称面で分断される真空排気口の平面形状及びその面積が均等になるように設けられている〔1〕又は〔2〕に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔4〕 前記真空排気口と前記真空ポンプとの間に設けられており、前記真空排気口の個数と同数である1個又は2個以上のバルブと、前記第1対称面及び前記第2対称面に対して鏡面対称の位置に、前記真空排気口それぞれと対をなす前記真空排気口の個数と同数のセンサとをさらに備える、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔5〕 前記センサが、対をなす前記真空排気口と対向する位置に設けられている、〔4〕に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔6〕前記センサが、対をなす前記真空排気口の近傍に設けられている、〔4〕に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔7〕 前記センサが、対をなす真空排気口と真空ポンプとの間に設けられている前記バルブと一体的に設けられている、〔4〕に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔8〕 前記センサに接続されており、該センサが測定した測定値又は設定値からの変動幅が入力できるように、かつ前記バルブに接続されており、該バルブの開閉動作を制御できるように設けられている自動制御部をさらに備える、〔4〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔9〕 前記センサが圧力センサである、〔4〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置。
〔10〕 〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程を含む、成膜方法。
〔11〕 〔4〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程を含む、成膜方法において、前記センサが、測定値を取得する工程と、前記センサが取得した前記測定値及び予め設定されていた設定値に基づいて、前記バルブの開閉動作を制御して、前記測定値と前記設置値とが等しくなるように前記バルブを開閉動作させる工程とを含む、〔10〕に記載の成膜方法。
〔12〕 〔8〕に記載のプラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程を含む、成膜方法において、前記センサが、測定値を取得する工程と、
前記センサが、取得された前記測定値を前記自動制御部に入力する工程と、
前記自動制御部が、入力された前記測定値及び予め設定されていた設定値に基づいて、前記バルブの開閉動作を制御して、前記測定値と前記設置値とが等しくなるように前記バルブを開閉動作させる工程とを含む、〔10〕に記載の成膜方法。
〔13〕 前記センサが圧力センサであり、前記測定値及び前記設定値が圧力値である、〔10〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の成膜方法。
〔14〕 〔10〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の成膜方法により、前記基材上に膜を成膜する工程を含む、フレキシブル基板の製造方法。
が提供される。
本発明のプラズマCVD成膜装置及びプラズマCVD成膜方法によれば、TD方向に対する対称性に優れ、かつ安定なプラズマ放電を発生させることができるため、特にTD方向における圧力のような成膜条件を均一にすることができる。よって成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化を抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にできる。
図1−1は、第1の実施形態のプラズマCVD成膜装置を上からみた、概略的な平面図である。 図1−2は、第1の実施形態のプラズマCVD成膜装置を正面からみた、概略的な平面図である。 図1−3は、第1の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、概略的な平面図である。 図2−1は、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置を上からみた、概略的な平面図である。 図2−2は、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置を正面からみた、概略的な平面図である。 図2−3は、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、概略的な平面図である。 図3−1は、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置を上からみた、概略的な平面図である。 図3−2は、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置を正面からみた、概略的な平面図である。 図3−3は、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、概略的な平面図である。 図4−1は、第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、概略的な平面図である。 図4−2は、第4の実施形態の自動制御部の構成を説明する概略的なブロック図である。 図5は、第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置の動作を説明する、概略的なフローチャートである。 図6は、従来のプラズマCVD成膜装置を上からみた、概略的な平面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお以下の説明において図を参照して説明する場合があるが、各図は発明が理解できる程度に構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎず、これにより本発明が特に限定されるものではない。また各図において、同様の構成成分については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する場合がある。
本発明のプラズマCVD成膜装置は、長尺の基材を連続的に搬送しながら、基材上に連続的に成膜するプラズマCVD成膜装置であって、基材を巻きつけて搬送する、第1成膜ロール及び該第1成膜ロールに対して平行に対向配置された第2成膜ロールを含む成膜ロールと、第1成膜ロール及び第2成膜ロール間に位置しており、第1成膜ロールの回転軸と第2成膜ロールの回転軸とを最短距離で結ぶ線分を2等分し、かつ該線分と直交する第1対称面、並びに第1成膜ロール及び第2成膜ロールの全長を2等分し、かつ第1対称面と直交する第2対称面が設定されており、該第1対称面及び該第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されているか、又は該第1対称面と該第2対称面とが交差して画成される交差線に対して軸対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口を有し、成膜ロールを格納している真空チャンバと、真空チャンバ内で真空排気口に対して対向配置されており、第1成膜ロール及び第2成膜ロール間に成膜ガスを供給する成膜ガス供給部と、真空排気口に接続されており、真空チャンバ外に設けられている真空ポンプとを備える。
本発明のプラズマCVD装置は、減圧下において、対向配置された第1成膜ロール及び/又は第2成膜ロールに、交流あるいは極性反転を伴うパルス電圧を印加し、互いに対向している第1成膜ロール及び第2成膜ロールの間隙であって、少なくとも第1成膜ロール及び第2成膜ロールの全長にわたる範囲である放電プラズマ発生領域(成膜ゾーン)にグロー放電を発生させ、成膜ロールに巻き付けられた長尺の基材のうち成膜ゾーンに露出する部分領域に、連続的に成膜を行うものである。
例えば有機エレクトロルミネッセンス素子、有機薄膜太陽電池といった電子デバイスに使用される基板を用途として想定すると、長尺の基材としては、無色透明な樹脂からなるフィルム又はシートなどのロール状に巻き取り可能な絶縁性の材料であれば特に限定されない。このような基材に用いる樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルホン(PES);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル系樹脂;アセタール系樹脂;ポリイミド系樹脂;エポキシ樹脂が挙げられる。
これらの樹脂の中でも、耐熱性が高く、線膨張率が低く、製造コストが低いため、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレンレテフタレート、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。また、これらの樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
基材の厚みは特に限定されないが、成膜時の安定性を考慮して適宜に設定することができる。基材の厚みは、真空中でも基材の搬送を可能とするという観点から、5μm〜500μmの範囲であることが好ましく。さらに、50μm〜200μmの範囲であることがより好ましく、50μm〜100μmの範囲であることが特に好ましい。
(第1の実施形態)
図1−1、図1−2及び図1−3を参照して、本発明の第1の実施形態にかかるプラズマCVD成膜装置及びこのプラズマCVD成膜装置を用いる成膜方法につき説明する。
図1−1は、プラズマCVD成膜装置を上からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。なお以下の説明において、図1−1中の白抜き矢印A方向を正面方向とし、白抜き矢印B方向を側面方向として説明する。図1−2は、プラズマCVD成膜装置を正面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。図1−3は、プラズマCVD成膜装置を側面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。なお図6を参照して説明したような真空チャンバ外に設けられている、成膜ロールと接続されており成膜ロールを作動させる成膜ロール作動機構、ガス供給部に接続される配管といった各種の配管等については本発明の趣旨ではないため、図示及びその説明を省略する。
<プラズマCVD成膜装置>
図1−1、図1−2及び図1−3に示すように、第1の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、上述した基材を巻きつけて搬送できる成膜ロール20を備えている。成膜ロール20は、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとを含んでいる(図1−1参照。)。
第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとは、いずれも円柱状の形状を有しており、全長及び径がいずれも等しくされている。この円柱状の第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの直径の中心を通る芯部は回転軸とされており、第1成膜ロール20Aは回転軸20Aaを有しており、第2成膜ロール20Bは回転軸20Baを有している。第2成膜ロール20Bは第1成膜ロール20Aに対して平行に対向配置されている。なお成膜ロール20の全長とは円柱の芯部の延在方向における一端から他端までの長さである。
具体的には、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bは、回転軸20Aa及び20Baに直交する面に第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの両端部が揃うように平行に対向配置されている。
なおプラズマCVD成膜装置10は、成膜ロール20以外にも巻き出しロール、巻き取りロールといった他のロールを備えるが、こうした成膜ロール20以外の他のロールは本発明の要旨ではないので図示及びその詳細な説明は省略する。
第1成膜ロール20A内及び第2成膜ロール20B内には、図示しない放電プラズマ発生部材が格納されている。放電プラズマ発生部材は、第1成膜ロール20Aと対向する第2成膜ロール20Bとの間隙である成膜ゾーン22に、成膜工程においてグロー放電(放電プラズマ)を発生させることができる部材である。
プラズマCVD成膜装置10は、内部のガスを排気して減圧可能な気密の真空チャンバ12を備えている。上述した成膜ロール20は真空チャンバ12内に格納されている。真空チャンバ12の内部には、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの配置位置を基準として、第1対称面18Aと第2対称面18Bとが設定されている。
第1対称面18Aは、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20B間に設定されており、第1成膜ロール20Aの回転軸20Aaと第2成膜ロール20Bの回転軸20Baとを最短距離で結ぶ線分を2等分し、かつ線分と直交する平面として設定される。
第2対称面18Bは、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの全長を2等分し、かつ第1対称面18Aと直交する平面として設定される。
第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差して画成される直線を交差線19とする。
真空チャンバ12は、第1の実施形態では1個の真空排気口14を備えている。
本発明のプラズマCVD成膜装置10は、真空チャンバ12が備える真空排気口14の配置位置に特徴を有している。具体的には、真空チャンバ12は、1個又は2個以上の真空排気口14を備えており、真空排気口14は、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように配置されているか、又は第1対称面と第2対称面とが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように配置されている。
第1の実施形態の1個の真空排気口14は、第1対称面18Aと第2対称面18Bとが直交して形成される直線上に位置し、かつ第1対称面18A及び第2対称面18Bで分断される第1領域21a、第2領域21b、第3領域21c及び第4領域21dにおいて真空排気口14の平面形状及びその面積が略均等になるように設けられている。
真空排気口14が「鏡面対称となるように配置されているか、又は第1対称面と第2対称面とが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように配置されている」とは、真空チャンバ12が備える真空排気口14が3個以上の奇数個の場合は、少なくとも1個が第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差(直交)して画成される直線である交差線19上に位置し、かつ第1対称面18A及び第2対称面18Bで分断される真空排気口14の平面形状及びその面積が略均等になるように設けられ、残りの偶数個が第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して対称となるように配置されているか、又は第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように配置されていることを意味する。
なお、第1の実施形態及び以下の実施形態において、説明の便宜上、真空排気口14を、真空チャンバ12の底部(底面)に設ける構成例として説明するが、真空排気口14の配置位置はこれに限定されるものでなく、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるか、又は第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように配置されていることを条件として、側壁部(側面)、天井部(上面)などに設けることができる。
また、以下の実施形態においては、真空排気口14(及びセンサ50)の配置を第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称とする例につき説明するが、これに限定されず、真空排気口14(及びセンサ50)の配置を交差線19に対して軸対称となるようにすることもできる。
交差線19に対して軸対称となるように配置されている真空排気口14の具体的な構成例としては、交差線19を挟んで交差線19を通る直線上に配置されており、かつ交差線19からの距離が互いに等しくなるように第1領域21a内及び第4領域21d内にそれぞれ1個ずつ(同数ずつ)配置されている構成、交差線19を挟んで第2領域21b内及び第3領域21c内にそれぞれ1個ずつ(同数ずつ)配置されている構成、第1領域21a内、第2領域21b内、第3領域21c内及び第4領域21d内にそれぞれ1個ずつ(同数ずつ)配置されている構成が挙げられる。
CVD成膜装置10は、成膜ガス供給部30を備えている。成膜ガス供給部30は、この例では成膜ロール20の回転軸20Aa及び20Baの延在方向と同一方向に延在する管状の形状を有している。成膜ガス供給部30は、成膜ゾーン22に対向して設けられている。成膜ガス供給部30は、真空排気口14と対向配置されるのが好ましく、第1の実施形態では真空チャンバ12内で第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20B間である成膜ゾーン22を挟んで真空排気口14に対向配置されている。
成膜ガス供給部30には、成膜ゾーン22を指向する複数のガス噴出ノズルが延在方向に並ぶように設けられている。成膜ガス供給部30は、成膜ゾーン22の特にTD方向において、均一に成膜ガスを供給する機能を有している。
成膜ガス供給部30により供給される成膜ガスとしては、従来公知の任意好適な原料ガス、反応ガス、放電ガスが挙げられるが、反応ガスと放電ガスとを一種類のガスで兼ねる場合もあり得る。
プラズマCVD成膜装置10は、真空ポンプ40を備えている。真空ポンプ40は真空チャンバ12外に設けられており、真空排気口14に配管等を介して接続されている。真空ポンプ40は、真空チャンバ12内のガスを排出して圧力を調整する機能を有する。
成膜ガス供給部30及び真空ポンプ40は、例えば市場にて入手可能な従来公知の任意好適な構成とすることができる。
真空排気口14を上記のように配置することにより、真空チャンバ12内の圧力、供給される成膜ガスの濃度、放電プラズマの発生といった特にTD方向(成膜ロール20の回転軸の延在方向)における成膜条件を均一にすることができる。よって成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化を抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にできる。
<成膜方法>
プラズマCVD成膜方法は、プラズマCVD成膜装置を準備する工程と、プラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程とを含む。
具体的には、図1−1、図1−2及び図1−3を参照して既に説明した構成を備えるプラズマCVD成膜装置10を準備する。
次に、真空チャンバ12に設けられている、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bに、図示しない巻き出しロールから巻き出された上述の長尺の基材を、搬送可能、かつ巻き取りロールに巻き取り可能となるように巻き付ける。
この工程は、1つの巻き出しロールから巻き出された長尺の基材を第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの2つの成膜ロールの両方に、成膜ゾーン22を2回通るように巻き付けてもよいし、2つの巻き出しロールを準備し、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとに2つの異なる巻き出しロールから巻き出される、異なる長尺の基材をそれぞれ巻き付けるようにしてもよい。
長尺の基材は、成膜される膜との密着性を高めるという観点から、基材表面を清浄化するための常法に従う表面活性処理を予め実施しておくことが好ましい。このような表面活性処理としては、例えばコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理が挙げられる。
次に、成膜ガス供給部30から成膜ゾーン22に成膜ガスを供給し、真空ポンプ40を動作させる。また真空チャンバ12内の圧力(真空度)を調整して放電プラズマ発生部材を動作させる。さらに巻き出しロールから長尺の基材を巻き出し、巻き取りロールに長尺の基材を巻き取っていく。巻き出しロールから巻き取りロールへの経路の途中に位置する第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bは、長尺の基材を搬送する。こうして第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bによって搬送される長尺の基材のうち成膜ゾーン22内を進行する部分領域に、所望の膜が連続的に成膜される。
第1の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、既に説明したように1個の真空排気口14が、第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差(直交)して画成される直線である交差線19上に位置し、かつ第1対称面18A及び第2対称面18Bで分断される第1領域21a、第2領域21b、第3領域21c及び第4領域21dにおいて真空排気口14の平面形状及びその面積が略均等になるように、すなわち第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるか、又は第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように設けられている。さらにこの真空排気口14は、成膜ガス供給部30と成膜ゾーン22を挟んで対向しているため、成膜ガスを成膜ゾーン22の特にTD方向に均一に供給することができる。よって成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化を抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にできる。
成膜ガス供給部30から供給される成膜ガスの成分である原料ガスは、成膜される膜の材質に応じて適宜選択して使用することができる。原料ガスの成分としては、例えば膜を酸化ケイ素等のケイ素を含有するものとする場合には、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物を用いることができる。
このような有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、取り扱い性及び成膜される膜のガスバリア性等の特性の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成膜ガスは、成膜される膜の材質が酸化物、窒化物、硫化物等の無機化合物である場合には、上記原料ガスに加えて、反応ガスが混合されていてもよい。このような反応ガスとしては、原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。
酸化物の膜を成膜するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。また、窒化物の膜を成膜するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば酸窒化物の膜を成膜する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用すればよい。
成膜ガスは、原料ガスを真空チャンバ内に供給するために、必要に応じてキャリアガスが混合されていてもよい。また成膜ガスは、プラズマ放電を効率的に発生させるために、必要に応じて、さらに放電用ガスが混合されていてもよい。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、任意好適な従来公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガス、水素を用いることができる。
真空チャンバ12内の圧力は、原料ガスの種類等を勘案して任意好適な圧力に調整することができるが、0.1Pa〜10Paの範囲とすることが好ましく、0.1Pa〜5Paの範囲とすることがより好ましく、0.1Pa〜2.5Paの範囲とすることがさらに好ましい。
真空チャンバ12内の圧力が0.1Pa程度未満であると、磁場の存在する領域における放電の発生が困難になり、圧力が10Pa程度を超えると磁場領域(成膜ゾーン)以外でのプラズマ放電の発生が顕著になって、成膜ロールに巻き付けられた基材のみならずそれ以外の部分にも成膜されてしまうおそれがある。圧力を5Pa以下とすれば成膜ゾーン22内での原料ガスの反応によるパーティクルの発生を効果的に抑制でき、パーティクルの堆積による膜のバリア性の低下を効果的に防止することができる。さらに、圧力を2.5Pa以下とすれば、パーティクルの発生をさらに抑制することができる。
放電プラズマ発生部材に供給される電力は、原料ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.1kW〜10kWの範囲とすることが好ましい。
長尺の基材の搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等を勘案して任意好適な速度とすることができる。ライン速度は、0.25m/min〜100m/minの範囲とすることが好ましく、0.5m/min〜20m/minの範囲とすることがより好ましい。
ライン速度が0.25m/min未満であると、長尺の基材に、プラズマ放電に起因する熱により皺が発生しやすくなってしまう傾向がある。他方でライン速度が20m/minを超えると、形成される膜の厚みが薄くなる傾向があり、所望の膜厚を得られないおそれがある。
(第2の実施形態)
図2−1、図2−2及び図2−3を参照して、本発明の第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置及びこのプラズマCVD成膜装置を用いる成膜方法につき説明する。なお真空排気口の配置関係以外については、既に説明した第1の実施の形態と変わるところがないため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
図2−1は、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置を上からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。図2−2は、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置を正面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。図2−3は、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。
第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置は複数の真空排気口を備える点に特徴を有している。真空排気口は第1真空排気口及び第2真空排気口の2つを含んでいる。
<プラズマCVD成膜装置>
図2−1、図2−2及び図2−3に示すように、第2の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、上述した基材を巻きつけて搬送できる成膜ロール20を備えている。成膜ロール20は、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとを含んでいる(図2−1参照。)。
プラズマCVD成膜装置10は、内部のガスを排気して減圧可能な気密の真空チャンバ12を備えている。上述した成膜ロール20は真空チャンバ12内に格納されている。真空チャンバ12の内部には、第1の実施形態と同様に第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの配置位置を基準として、第1対称面18Aと第2対称面18Bとが設定されている。
真空チャンバ12は、第2の実施形態では2個の真空排気口14(第1真空排気口14A及び第2真空排気口14B)を備えている。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bは、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように配置されている。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bは、第1対称面18Aで分断される真空排気口14の平面形状及びその面積が略均等になるように(結果として、第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bの配置は、第1対称面18Aに対しても鏡面対称となる。)、かつ第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように、互いに離間して設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、成膜ガス供給部30を備えている。成膜ガス供給部30は、この例では成膜ロール20の回転軸20Aa及び20Baの延在方向と同一方向に延在する管状の形状を有しており、真空チャンバ12内で第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20B間である成膜ゾーン22を挟んで真空排気口14に対向配置されている。成膜ガス供給部30には、成膜ゾーン22を指向する複数のガス噴出ノズルが延在方向に並ぶように設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、真空ポンプ40を備えている。第2の実施形態の構成例では、第1真空排気口14Aに第1真空ポンプ40Aが配管等を介して接続されており、及び第2真空排気口14Bには、第2真空ポンプ40Bが配管等を介して接続されている。第1真空ポンプ40A及び第2真空ポンプ40Bは、いずれも真空チャンバ12外に設けられている。
この例では第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bそれぞれに異なる真空ポンプを接続する構成について説明したが、例えば2つの第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bそれぞれに接続された2本の配管を1本の配管に集約し、1つの真空ポンプに接続する構成とすることもできる。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bを上記のように配置することにより、真空チャンバ12内の圧力、供給される成膜ガスの濃度、放電プラズマの発生といった特にTD方向(成膜ロール20の回転軸の延在方向)における成膜条件をより均一にすることができる。よって成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化を抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にすることができる。
<成膜方法>
第2の実施形態のプラズマCVD成膜方法を実施するにあたり、図2−1、図2−2及び図2−3を参照して説明した構成を備えるプラズマCVD成膜装置10を準備する。
次に、真空チャンバ12に設けられている、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bに、図示しない巻き出しロールから巻き出された上述の長尺の基材を、搬送可能、かつ巻き取りロールに巻き取り可能となるように巻き付ける。
次に、成膜ガス供給部30から成膜ゾーン22に成膜ガスを供給し、第1真空ポンプ40A及び第2真空ポンプ40Bを動作させる。また真空チャンバ12内の圧力(真空度)を調整して放電プラズマ発生部材を動作させる。さらに巻き出しロールから長尺の基材を巻き出し、巻き取りロールに長尺の基材を巻き取っていく。巻き出しロールから巻き取りロールへの経路の途中に位置する第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bは、長尺の基材を搬送する。こうして第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bによって搬送される長尺の基材のうち成膜ゾーン22内を進行する部分領域に、所望の膜が連続的に成膜される。
第2の実施形態のプラズマCVD成膜方法では、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように、互いに離間して設けられている第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bと成膜ゾーン22を挟んで対向している成膜ガス供給部30とにより、成膜ゾーン22に供給される成膜ガスを成膜ゾーン22の特にTD方向に均一に供給しつつ実施される。
このため、第2の実施形態のプラズマCVD成膜方法によれば、成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化を抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にすることができる。
(第3の実施形態)
図3−1、図3−2及び図3−3を参照して、本発明の第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置及びこのプラズマCVD成膜装置を用いる成膜方法につき説明する。
図3−1は、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置を上からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。図3−2は、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置を正面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。図3−3は、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。
第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置は、真空排気口と真空ポンプとの間に設けられており、真空排気口の個数と同数である1個又は2個以上のバルブと、第1対称面及び第2対称面に対して鏡面対称の位置に、真空排気口それぞれと対をなす真空排気口の個数と同数のセンサとをさらに備えている点に特徴を有している。
なおセンサ及びバルブ以外の構成については、既に説明した第2の実施の形態と変わるところがないため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
<プラズマCVD成膜装置>
図3−1、図3−2及び図3−3に示すように、第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、上述した基材を巻きつけて搬送できる成膜ロール20を備えている。成膜ロール20は、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとを含んでいる(図3−1参照。)。
プラズマCVD成膜装置10は、内部のガスを排気して減圧可能な気密の真空チャンバ12を備えている。上述した成膜ロール20は真空チャンバ12内に格納されている。真空チャンバ12の内部には、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの配置位置を基準として、第1対称面18A及び第2対称面18Bが設定されている。
真空チャンバ12は、第3の実施形態では2個の真空排気口14(第1真空排気口14A及び第2真空排気口14B)を備えている。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bは、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように配置されている。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bは、第1対称面18Aで分断される真空排気口14の平面形状及びその面積が略均等になるように、かつ第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように、互いに離間して設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、成膜ガス供給部30を備えている。成膜ガス供給部30は、この例では成膜ロール20の回転軸20Aa及び20Baの延在方向と同一方向に延在する管状の形状を有しており、真空チャンバ12内で第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20B間である成膜ゾーン22を挟んで真空排気口14に対して対向配置されている。成膜ガス供給部30には、成膜ゾーン22を指向する複数のガス噴出ノズルが延在方向に並ぶように設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、真空ポンプ40を備えている。第3の実施形態の構成例では、第1真空排気口14Aに第1真空ポンプ40Aが配管等を介して接続されており、及び第2真空排気口14Bには、第2真空ポンプ40Bが配管等を介して接続されている。第1真空ポンプ40A及び第2真空ポンプ40Bは、いずれも真空チャンバ12外に設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、真空排気口14と真空ポンプ40との間の例えば配管部に真空排気口14の個数と同数であるバルブ60を備えている。第3の実施形態のCVD成膜装置10は、第1真空排気口14Aと第1真空ポンプ40Aとを接続している配管等に第1バルブ60Aが設けられており、及び第2真空排気口14Bと第2真空ポンプ40Bとが接続されている配管等に第2バルブ60Bが設けられている。
バルブ60は、開閉動作により、真空排気口14から真空ポンプ40に流入して真空チャンバ12外に排出されるガス(気体)の流量を増減させて、真空チャンバ12内の圧力を調整することができる、例えば圧力調整バルブである。バルブ60としては、例えば作動機構にフォースモータを用いる圧力調整バルブを含む圧力調整機構が市場にて入手可能であり、バルブ60としてこうした市販の圧力調整機構を用いることができる。
プラズマCVD成膜装置10は、さらにセンサ50を備えている。第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称の位置に、第1真空排気口14Aと対をなす第1センサ50Aと、第2真空排気口14Bと対をなす第2センサ50Bとが設けられている。ここで「対をなす」とは、真空排気口14に対応するバルブ60の動作とセンサ50の動作とが対応して連係する組を構成していることをいう。
第3の実施形態では真空チャンバ12に設けられた真空排気口14に対向する位置にセンサ50を設置している。具体的には、第1成膜ロール20A、第2成膜ロール20B及び成膜ガス供給部30を挟んで第1真空排気口14Aと対向する位置に第1センサ50Aが設けられており、第1成膜ロール20A、第2成膜ロール20B及び成膜ガス供給部30を挟んで第2真空排気口14Bと対向する位置に第2センサ50Bが設けられている。
第3の実施形態では真空排気口14の個数とセンサ60の個数とは1対1に対応させたため一致しているがこれに限定されず、例えば1つの真空排気口14に対して2つのセンサ50を対応させて設けるといった構成としてもよい。
センサ50は、例えば設置箇所近傍である真空チャンバ12内の圧力を測定するか、又は圧力の設定値からの変動を検知することができる圧力センサが挙げられる。センサ50としては、真空チャンバ12内の圧力(気圧)を測定可能であればよく、例えばピラニゲージ、シュルツゲージ、イオンゲージ、静電容量型絶対圧真空計、B−Aゲージ、ペニング真空計などを用いることができるが、圧力0.1Pa〜50Pa程度の範囲で安定して精度良く測れるセンサが好ましい。このような圧力センサは市場にて入手可能であり、センサ50としてこうした市販の圧力センサを用いることができる。
第3の実施形態では、センサ50が、対をなす真空排気口14と対向する位置に設けられている構成例を説明したが、センサ50が、例えば対をなす真空排気口14の近傍に設けられている構成としてもよい。この場合には真空排気口14と、対をなすセンサ50とは可能な限り近距離に設けるようにするのがよい。このように構成すればセンサ50による圧力測定とバルブ60による圧力の調節をより精密に実施することができる。
またセンサ50が、対をなす真空排気口14と真空ポンプ40との間に設けられているバルブ60と一体的に設けられている構成としてもよい。
このような構成とすれば、センサ50が検知した例えば圧力の変動に対応した制御をより迅速に、かつより精密にバルブ60の開閉動作により実施することができる。
第3の実施形態では第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bそれぞれに異なる真空ポンプ40を接続する構成について説明したが、第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bそれぞれに接続された2本の配管等それぞれにバルブ60を設け、各バルブ60よりも後段で2本の配管を1本の配管に集約し、1つの真空ポンプ40に接続する構成とすることもできる。
第1真空排気口14A、第2真空排気口14B、センサ50及びバルブ60を上記のように構成することにより、真空チャンバ12内の圧力、供給される成膜ガスの濃度、放電プラズマの発生といった特にTD方向(成膜ロール20の回転軸の延在方向)における成膜条件を、特にセンサ50及びバルブ60を用いて能動的に制御できるので、成膜条件の均一性を精度よく調節することができる。よって成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化を精密に抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向についてより均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をもより均一かつ良好にできる。
<成膜方法>
第3の実施形態のプラズマCVD成膜方法を実施するにあたり、図3−1、図3−2及び図3−3を参照して説明した構成を備えるプラズマCVD成膜装置10を準備する。
次に、真空チャンバ12に設けられている、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bに、図示しない巻き出しロールから巻き出された上述の長尺の基材を、搬送可能、かつ巻き取りロールに巻き取り可能となるように巻き付ける。
次に、成膜ガス供給部30から成膜ゾーン22に成膜ガスを供給し、第1真空ポンプ40A及び第2真空ポンプ40Bを動作させる。また真空チャンバ12内の圧力(真空度)を調整して放電プラズマ発生部材を動作させる。さらに巻き出しロールから長尺の基材を巻き出し、巻き取りロールに長尺の基材を巻き取っていく。巻き出しロールから巻き取りロールへの経路の途中に位置する第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bは、長尺の基材を搬送する。こうして第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bによって搬送される長尺の基材のうち成膜ゾーン22内を進行する部分領域に、所望の膜が連続的に成膜される。
第3の実施形態のプラズマCVD成膜方法は、既に説明した第2の実施形態と同様に構成された真空排気口14と、さらに備えるセンサ50及びバルブ60とにより、予め設定された所定の成膜条件(圧力)となるように調整しつつ実施される。
成膜条件の調整は、例えば圧力センサである第1センサ50A及び第2センサ50Bのいずれか一方又は双方が真空チャンバ12内の圧力の変動を検知した場合に、圧力の変化を検知したセンサ50と対をなす真空排気口14に対応して設けられているバルブ60を開閉動作させることにより実施される。
真空チャンバ12内の圧力の調整は、具体的には低下した圧力を上昇させる方向への調整であればバルブ60を閉じるか又は開閉量を減少させ、上昇した圧力を低下させる方向への調整であればバルブ60の開閉量を増加させることにより所定の圧力になるように調整すればよい。
なお成膜条件として圧力を調整する例を説明したが、センサ50として例えばガスセンサ、流量センサを用い、成膜ガスの成分量の変動、組成の変動、ガス流量の変動を検知して、バルブ60の開閉を制御することにより調整する構成とすることもできる。
上述のように成膜条件を調整すれば、成膜ガス供給部30から供給される成膜ガスを、成膜ゾーン22の特にTD方向により均一に制御しつつ供給することができる。よって成膜条件の不均一性に起因して生じる薄膜欠陥の発生、成膜条件の不均一化をより精密に抑制することができるため、成膜される膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にでき、ひいてはバリア性をも均一かつ良好にできる。
(第4の実施形態)
図4−1、図4−2及び図5を参照して、本発明の第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置及びこのプラズマCVD成膜装置を用いる成膜方法につき説明する。
図4−1は、第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置を側面からみた、内部の構成を透過的に示した概略的な平面図である。図4−2は、第4の実施形態の自動制御部の構成を説明する概略的なブロック図である。図5は、第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置の動作を説明する、概略的なフローチャートである。
第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置は、真空排気口と真空ポンプとの間に設けられており、真空排気口の個数と同数である1個又は2個以上のバルブと、第1対称面及び第2対称面に対して鏡面対称の位置に、真空排気口それぞれと対をなす真空排気口の個数と同数のセンサとをさらに備えている点に特徴を有している。
なお自動制御部70、センサ信号線82及びバルブ信号線84以外の構成については、既に説明した第3の実施の形態と変わるところがないため上面図及び正面図については省略し、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
<プラズマCVD成膜装置>
図4−1に示すように、第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、上述した基材を巻き付けて搬送できる成膜ロール20を備えている。成膜ロール20は、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとを含んでいる。
プラズマCVD成膜装置10は、内部のガスを排気して減圧可能な気密の真空チャンバ12を備えている。上述した成膜ロール20は真空チャンバ12内に格納されている。真空チャンバ12の内部には、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様に第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bの配置位置を基準として、第1対称面18A及び第2対称面18Bが設定されている。
真空チャンバ12は、第4の実施形態では2個の真空排気口14(第1真空排気口14A及び第2真空排気口14B)を備えている。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bは、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように配置されている。
第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bは、第1対称面18Aで分断される真空排気口14の平面形状及びその面積が略均等になるように、かつ第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように、互いに離間して設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、成膜ガス供給部30を備えている。成膜ガス供給部30は、この例では成膜ロール20の回転軸20Aa及び20Baの延在方向と同一方向に延在する管状の形状を有しており、真空チャンバ12内で第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20B間である成膜ゾーン22を挟んで真空排気口14に対して対向配置されている。成膜ガス供給部30には、成膜ゾーン22を指向する複数のガス噴出ノズルが延在方向に並ぶように設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、真空ポンプ40を備えている。第4の実施形態の構成例では、第1真空排気口14Aに第1真空ポンプ40Aが配管等を介して接続されており、及び第2真空排気口14Bには、第2真空ポンプ40Bが配管等を介して接続されている。第1真空ポンプ40A及び第2真空ポンプ40Bは、いずれも真空チャンバ12外に設けられている。
プラズマCVD成膜装置10は、真空排気口14と真空ポンプ40との間の例えば配管部に真空排気口14の個数と同数であるバルブ60を備えている。第3の実施形態のCVD成膜装置10は、第1真空排気口14Aと第1真空ポンプ40Aとを接続している配管等に第1バルブ60Aが設けられており、及び第2真空排気口14Bと第2真空ポンプ40Bとが接続されている配管等に第2バルブ60Bが設けられている。
バルブ60は、開閉動作により、真空排気口14から真空ポンプ40に流入して真空チャンバ12外に排出されるガス(気体)の流量を増減させて、真空チャンバ12内の圧力を調整することができる、例えば圧力調整バルブである。
プラズマCVD成膜装置10は、さらにセンサ50を備えている。第3の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称の位置に、第1真空排気口14Aと対をなす第1センサ50Aと、第2真空排気口14Bと対をなす第2センサ50Bとが設けられている。
第4の実施形態では真空チャンバ12に設けられた真空排気口14に対向する位置にセンサ50を設置している。具体的には、第1成膜ロール20A、第2成膜ロール20B及び成膜ガス供給部30を挟んで第1真空排気口14Aと対向する位置に第1センサ50Aが設けられており、第1成膜ロール20A、第2成膜ロール20B及び成膜ガス供給部30を挟んで第2真空排気口14Bと対向する位置に第2センサ50Bが設けられている。
センサ50は、例えば設置箇所近傍である真空チャンバ12内の圧力を測定するか、又は圧力の設定値からの変動を検知することができる圧力センサである。
図4−1に示すように、第4の実施形態のプラズマCVD成膜装置10は、センサ50に接続されており、センサ50が測定した測定値又は設定値からの変動幅が入力できるように、かつバルブ60に接続されており、バルブ60の開閉動作を制御できるように設けられている自動制御部70をさらに備える点に特徴を有している。
自動制御部70は、センサ信号線82によりセンサ50と接続されている。具体的には、自動制御部70は第1センサ信号線82Aにより第1センサ50Aと接続されており、第2センサ信号線82Bにより第2センサ50Bと接続されている。
また自動制御部70は、バルブ信号線84によりバルブ60と接続されている。具体的には、自動制御部70は、第1バルブ信号線84Aにより第1バルブ60Aと接続されており、第2バルブ信号線84Bにより第2バルブ60Bと接続されている。
センサ信号線82は、センサ50が測定した測定値又は設定値からの変動幅(データ信号)を自動制御部70に入力するための信号線である。
バルブ信号線84は、バルブ60の開閉動作を制御するための自動制御部70からの制御信号をバルブ60に入力するための信号線である。
これらセンサ信号線82及びバルブ信号線84は、いわゆる電気通信回線である。電気通信回線とは、電気、光等の媒体による有線又は無線による情報回線を意味する。
図4−2を参照して、自動制御部70の機能的な構成について説明する。図4−2に示すように、自動制御部70は、信号入力部72と、信号入力部72と接続されている演算部74と、演算部74と接続されている信号出力部76とを含んでいる。
信号入力部72は、センサ信号線82によりセンサ50と接続されている。信号出力部76はバルブ信号線84によりバルブ60と接続されている。
自動制御部70は、演算部74に相当する例えばマイクロプロセッサ、信号入力部72及び信号出力部76に相当する例えばシリアル接続、パラレル接続のインターフェースを備えるコンピュータハードウェアにより実現することができる。
自動制御部70は、複数のセンサ50からの入力及び複数のバルブ60の動作をそれぞれ独立に制御できる構成とするのが好ましい。
上述のようにさらに自動制御部70を備えることにより、真空チャンバ12内の圧力、供給される成膜ガスの濃度、放電プラズマの発生といった特にTD方向(成膜ロール20の回転軸の延在方向)における成膜条件を、特にセンサ50及びバルブ60を用いて精密に制御できるので、成膜条件の均一性をより精度よく調整することができる。
<成膜方法>
第4の実施形態のプラズマCVD成膜方法を実施するにあたり、図4−1及び図4−2を参照して説明した構成を備えるプラズマCVD成膜装置10を準備する。
次に、真空チャンバ12に設けられている、第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bに、巻き出しロールから巻き出された上述の長尺の基材を、搬送可能、かつ巻き取りロールに巻き取り可能となるように巻き付ける。
次に、成膜ガス供給部30から成膜ゾーン22に成膜ガスを供給し、第1真空ポンプ40A及び第2真空ポンプ40Bを動作させる。また真空チャンバ12内の圧力(真空度)を調整して放電プラズマ発生部材を動作させる。さらに巻き出しロールから長尺の基材を巻き出し、巻き取りロールに長尺の基材を巻き取っていく。巻き出しロールから巻き取りロールへの経路の途中に位置する第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bは、長尺の基材を搬送する。こうして第1成膜ロール20A及び第2成膜ロール20Bによって搬送される長尺の基材のうち成膜ゾーン22内を進行する部分領域に、所望の膜が連続的に成膜される。
第4の実施形態のプラズマCVD成膜方法は、既に説明した第3の実施形態と同様に構成されたセンサ50及びバルブ60に加え、自動制御部70により、予め設定された所定の成膜条件(圧力)となるように調整しつつ実施される。
成膜条件の調整は、例えば圧力センサである第1センサ50A及び第2センサ50Bのいずれか一方又は双方が真空チャンバ12内の圧力の変動を検知した場合に、圧力の変化を検知したセンサ50と対をなす真空排気口14に対応して設けられているバルブ60を開閉動作させることにより実施される。
ここで図5を参照して、自動制御部70による真空チャンバ12内の圧力制御の一例を説明する。
まず、真空チャンバ12の所定位置に設置されたセンサ50が、圧力を測定し、圧力についての測定値を取得する(S(ステップ)1)。
センサ50が、取得した測定値をデータ信号として、センサ信号線82を介して自動制御部70(信号入力部72)に入力する。
制御部70(演算部74)が、測定値と予め設定されていた設定値とを比較する(S3)。
制御部70が、測定値が設定値と等しいか否か判断する(S4)。等しい(Yes)と判断した場合には、終了(エンド)する(この場合には、バルブ60の制御は行われない。)。
制御部70が、測定値が設定値と一致しない(No)と判断した場合には、制御部70は、測定値が設定値より小さいか否か判断する(S5)。なお、このステップは、逆に測定値が設定値より大きいか否かを判断するステップとすることもできる。
制御部70が、測定値が設定値より小さい(Yes)と判断した場合には、制御部70(信号出力部76)は、バルブ信号線84を介して、バルブ60の開閉動作を制御するための制御信号をバルブ60に入力し、バルブ60の開閉量を減少させて(バルブを閉じて)圧力を上昇させる方向へ調整する(S6)。
制御部70が、測定値が設定値より大きい(No)と判断した場合には、制御部70(信号出力部76)は、バルブ信号線84を介して、バルブ60の開閉動作を制御するための制御信号をバルブ60に入力し、バルブ60の開閉量を増大させて(バルブを開いて)上昇した圧力を低下させる方向へ調整する(S7)。
自動制御部70は、以上のステップを繰り返して測定値が設定値と等しくなるまでバルブ60の開閉動作を制御する。自動制御部70は、センサ50及びバルブ60がそれぞれ複数存在する場合には、複数のバルブ60の動作をそれぞれ独立に制御することができる構成とするのがよい。
上述の自動制御部70による制御は一例であり、自動制御部70による制御は、例えばフィードバック制御の一種であるPID制御といった制御が可能な市場で入手できる種々の圧力制御機器により実現することができる。
上述のように自動制御部により成膜条件を調整する構成とすれば、成膜ガス供給部から供給される成膜ガスを、成膜ゾーンの特にTD方向により精密に制御しつつ供給することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なおプラズマCVD成膜装置の構成要素について符号を付して説明する場合があるが、かかる符号は対応する図面を参照して既に説明したプラズマCVD成膜装置の構成要素に対応している。
(実施例)
平面図である図2−1、正面図である図2−2、及び側面図である図2−3を参照して説明した構成を備える、第2の実施形態にかかるプラズマCVD成膜装置を用いてプラズマCVD成膜を行った。かかるプラズマCVD成膜装置は、第1対称面18Aと第2対称面18Bとが交差して画成される交差線19に対して軸対称となるように設けられており、かつ第1対称面18A及び第2対称面18Bに対して鏡面対称となるように、成膜ロール20の回転軸の延在方向に沿うように互いに離間して設けられている第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bを備えている。
基材としては、厚みが100μmであり、TD方向(幅方向)の長さが700mmである2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)を用いた。
基材を第1成膜ロール20Aの上流側にある巻き出しロールに装着した。巻き出しロールに装着された基材を巻き出して搬送し、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとにより成膜ゾーンを通るように巻き取りロールに巻き取りながら、プラズマCVD法による成膜を行った。
具体的には、真空チャンバ12内を減圧し、第1成膜ロール20Aと第2成膜ロール20Bとの間に磁場を印加し、成膜ガス供給部30から成膜ガスを供給し、第1真空排気口14A及び第2真空排気口14Bから排気し、成膜ロールに電力を供給して成膜ゾーン22にプラズマを発生させて、下記条件にて成膜工程を実施した。成膜ガスとしては、原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と、放電ガスとしても機能し得る反応ガスである酸素ガスとを用いた。
〈成膜条件〉
原料ガスの供給量:100sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute、0℃;1気圧基準)
酸素ガスの供給量:1000sccm
真空チャンバ内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:1.6kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
基材の搬送速度:0.5m/min
上記成膜工程を、同一の基材に対して合計3回繰り返した。基材に形成された膜の合計の膜厚は1100nmであった。成膜工程終了後の基材(成膜フィルムという)を巻き取りロ−ルから取り出した。
直径100mmの円形状のサンプル(7サンプル)を、成膜フィルムのTD方向(全長700mm)に沿って並ぶように切り出して、それぞれのサンプルについて水蒸気透過度の測定を行った。
7つのサンプルは、成膜フィルムが成膜ロール20に巻き付けられた状態において、図2−1中の白抜き矢印Aが指し示す側である成膜ロール20の一端側から他端側に向かう方向に(図2−1の下側から上側に)、すなわちTD方向に沿って順番に配列するように、サンプル1、サンプル2、サンプル3、サンプル4、サンプル5、サンプル6及びサンプル7とした。
水蒸気透過度の測定は、温度を40℃とし、低湿度側の湿度を0%RHとし、高湿度側の湿度を90%RHとする条件において、水蒸気透過度測定機(GTRテック社製、機種名「GTRテック−3000」)を用いて行った。
各サンプルの水蒸気透過度は下記のとおりであった。
水蒸気透過度(単位:g/(m・day))
サンプル1:<1.0×10−4
サンプル2: 1.1×10−4
サンプル3:<1.0×10−4
サンプル4:<1.0×10−4
サンプル5: 1.2×10−4
サンプル6: 1.1×10−4
サンプル7:<1.0×10−4
但し、本測定による水蒸気透過度の検出下限は、1.0×10−4g/(m・day)である。
真空ポンプが接続される真空排気口を上記のとおりとすることで、成膜フィルムの幅方向のバリア性(水蒸気透過度)を、極めて均一にすることができた。すなわち、成膜された膜の膜質を特にTD方向について均一かつ良好にすることができた。
(比較例)
図6を参照して説明した構成を備える、従来のプラズマCVD成膜装置を用いてプラズマCVD成膜を行った。かかるプラズマCVD成膜装置は、作動機構集積部111に真空ポンプ140を備えており、作動機構集積部111と真空チャンバ112とを隔てる壁部にのみ設けられている真空排気口114を備えている。
基材としては、厚みが100μmであり、TD方向の長さが350mmである2軸延伸PENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)を用いた。
基材を第1成膜ロール120Aの上流側にある巻き出しロ−ルに装着した。巻き出しロールに装着された基材を巻き出して搬送し、第1成膜ロール120Aと第2成膜ロール120Bとにより成膜ゾーンを通るように巻き取りロールに巻き取りながら、プラズマCVD法による成膜を行った。
具体的には、真空チャンバ12内を減圧し、第1成膜ロール120Aと第2成膜ロール120Bとの間に磁場を印加し、成膜ガス供給部130から成膜ガスを供給し、真空排気口114から排気し、成膜ロールに電力を供給して成膜ゾーンにプラズマを発生させて、下記条件にて成膜工程を実施した。成膜ガスとしては、原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と、放電ガスとしても機能し得る反応ガスである酸素ガスとを用いた。
但し、基材のTD方向の長さが上記実施例にかかる基材のTD方向の長さの1/2に相当する350mmであるため、上記実施例にかかる成膜条件のうち、原料ガスの供給量、酸素ガスの供給量、プラズマ発生用電源からの印加電力をそれぞれ1/2とする以外は上記実施例にかかる成膜条件と同様に設定して成膜工程を行った。
〈成膜条件〉
原料ガスの供給量:50sccm(0℃;1気圧基準)
酸素ガスの供給量:500sccm
真空チャンバ内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
基材の搬送速度:0.5m/min
上記成膜工程を、同一の基材に対して合計3回繰り返した。基材に形成された膜の合計の膜厚は1000nmであった。成膜工程終了後の成膜フィルムを巻き取りロ−ルから取り出した。
直径60mmの円形状のサンプル(5サンプル)を、成膜フィルムのTD方向(全長350mm)に沿って並ぶように切り出して、それぞれのサンプルについて水蒸気透過度の測定を行った。
5つのサンプルは、図6中、成膜フィルムが成膜ロール(120A及び120B)に巻き付けられた状態において、作動機構集積部111が設けられた側とは反対側(図6の下側)である成膜ロール120A及び120Bの一端側から他端側に向かう方向に、すなわちTD方向に沿って順番に配列するように、サンプル8、サンプル9、サンプル10、サンプル11、サンプル12とした。
水蒸気透過度の測定は、温度を40℃とし、低湿度側の湿度を0%RHとし、高湿度側の湿度90%RHとする条件において、水蒸気透過度測定機(機種名「GTRテック−30XASC」)を用いて行った。
各サンプルの水蒸気透過度は下記のとおりであった。
水蒸気透過度(単位:g/(m・day))
サンプル8:1.1×10−2
サンプル9:3.0×10−3
サンプル10:6.0×10−3
サンプル11:5.0×10−3
サンプル12:5.0×10−3
但し、本測定による水蒸気透過度の検出下限は、1.0×10−3g/(m・day)である。
真空ポンプが接続される真空排気口の配置が上記のとおりであるため、成膜フィルムの幅方向のバリア性(水蒸気透過度)は、不均一であった。すなわち、成膜フィルムをTD方向でみたときに膜質が不均一となってしまい、部分的にバリア性が不十分な領域が生じていた。
10、110 CVD成膜装置
12、112 真空チャンバ
14、114 真空排気口
18 対称面
18A 第1対称面
18B 第2対称面
19 交差線
20 成膜ロール
20A、120A 第1成膜ロール
20B、120B 第2成膜ロール
20Aa、20Ba 回転軸
21a 第1領域
21b 第2領域
21c 第3領域
21d 第4領域
22 成膜ゾーン
30 成膜ガス供給部
40、140 真空ポンプ
40A 第1真空ポンプ
40B 第2真空ポンプ
50 センサ
50A 第1センサ
50B 第2センサ
60 バルブ
60A 第1バルブ
60B 第2バルブ
70 自動制御部
72 信号入力部
74 演算部
76 信号出力部
82 センサ信号線
82A 第1センサ信号線
82B 第2センサ信号線
84 バルブ信号線
84A 第1バルブ信号線
84B 第2バルブ信号線
111 作動機構集積部
122A 第1成膜ロール作動機構
122B 第2成膜ロール作動機構

Claims (14)

  1. 長尺の基材を連続的に搬送しながら、該基材上に連続的に成膜するプラズマCVD成膜装置において、
    第1成膜ロール及び該第1成膜ロールに対して平行に対向配置された第2成膜ロールを含み、前記基材を巻き付けて搬送する成膜ロールと、
    前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロール間に位置しており、前記第1成膜ロールの回転軸と前記第2成膜ロールの回転軸とを最短距離で結ぶ線分を2等分し、かつ該線分と直交する第1対称面、並びに前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロールの全長を2等分し、かつ前記第1対称面と直交する第2対称面が設定されており、該第1対称面及び該第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されているか、又は該第1対称面と該第2対称面とが交差して画成される交差線に対して軸対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口を有し、前記成膜ロールを格納している真空チャンバと、
    前記第1成膜ロール及び前記第2成膜ロール間に成膜ガスを供給する成膜ガス供給部と、
    前記真空排気口に接続されており、前記真空チャンバ外に設けられている真空ポンプと
    を備えるプラズマCVD成膜装置。
  2. 前記真空チャンバが、前記第1対称面及び前記第2対称面に対して鏡面対称となるように配置されている1個又は2個以上の真空排気口を有している、請求項1に記載のプラズマCVD成膜装置。
  3. 前記真空排気口が3個以上であり、該真空排気口が奇数個である場合には、少なくとも1個が第1対称面と第2対称面が直交する直線上に位置し、かつ第1対称面及び第2対称面で分断される真空排気口の平面形状及びその面積が均等になるように設けられている請求項1又は2に記載のプラズマCVD成膜装置。
  4. 前記真空排気口と前記真空ポンプとの間に設けられており、前記真空排気口の個数と同数である1個又は2個以上のバルブと、
    前記第1対称面及び前記第2対称面に対して鏡面対称の位置に、前記真空排気口それぞれと対をなす前記真空排気口の個数と同数のセンサとをさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置。
  5. 前記センサが、対をなす前記真空排気口と対向する位置に設けられている、請求項4に記載のプラズマCVD成膜装置。
  6. 前記センサが、対をなす前記真空排気口の近傍に設けられている、請求項4に記載のプラズマCVD成膜装置。
  7. 前記センサが、対をなす真空排気口と真空ポンプとの間に設けられている前記バルブと一体的に設けられている、請求項4に記載のプラズマCVD成膜装置。
  8. 前記センサに接続されており、該センサが測定した測定値又は設定値からの変動幅が入力できるように、かつ前記バルブに接続されており、該バルブの開閉動作を制御できるように設けられている自動制御部をさらに備える、請求項4〜7のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置。
  9. 前記センサが圧力センサである、請求項4〜8のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程を含む、成膜方法。
  11. 請求項4〜7のいずれか一項に記載のプラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程を含む、成膜方法において、
    前記センサが、測定値を取得する工程と、
    前記センサが取得した前記測定値及び予め設定されていた設定値に基づいて、前記バルブの開閉動作を制御して、前記測定値と前記設置値とが等しくなるように前記バルブを開閉動作させる工程と
    を含む、請求項10に記載の成膜方法。
  12. 請求項8に記載のプラズマCVD成膜装置を用いて基材上に膜を形成する工程を含む、成膜方法において、
    前記センサが、測定値を取得する工程と、
    前記センサが、取得された前記測定値を前記自動制御部に入力する工程と、
    前記自動制御部が、入力された前記測定値及び予め設定されていた設定値に基づいて、前記バルブの開閉動作を制御して、前記測定値と前記設置値とが等しくなるように前記バルブを開閉動作させる工程と
    を含む、請求項10に記載の成膜方法。
  13. 前記センサが圧力センサであり、前記測定値及び前記設定値が圧力値である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の成膜方法。
  14. 請求項10〜13のいずれか一項に記載の成膜方法により、前記基材上に膜を成膜する工程を含む、フレキシブル基板の製造方法。
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