JP2011134079A - 照合検査装置および照合検査方法 - Google Patents

照合検査装置および照合検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】照合作業を容易にすると共に、監査と照合とを同時に実行可能な照合検査装置を提供する。さらに、照合先の物品と照合元の注文票等との直接の照合を実現できる照合検査装置を提供する。
【解決手段】
本発明の照合検査装置は、特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置105と、照合先300を特定するための照合先データを前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、照合元200を特定するための照合元データを前記画像データから取得する照合元データ取得手段と、前記照合先データと前記照合元データとを比較照合し比較照合結果を出力する比較照合手段と、前記照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置102とを備えたものである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、物品の払い出しを検査する装置、例えば病院などにおいて、処方箋により指示された薬剤が正しく払い出されているかどうかを照合する照合検査装置、および照合検査方法に関する。
従来から一般に、注文票などに基づき商品等を取り揃えた後、注文票通りに商品がそろっているかどうかを確認する作業は広く行われている。例えば、倉庫にある商品を注文票通りにパレットにそろえて搬出したり、あるいは工場において完成品の組み立てに必要な部品一式をトレイに払い出したりなどといった場面は数多くある。病院の医師が発行する処方箋や注射箋に基づき、薬剤部が各患者ごとに薬剤や注射薬を払い出す作業もこの種の作業である。
ここで、払い出し作業の代表例として、薬剤部の薬剤払い出し業務の流れを簡単に説明する。薬剤部の薬剤師は、医師から発行された処方箋や注射箋に基づき、薬剤や注射薬等を取り揃え、また必要に応じて薬剤を調合する。そして、処方箋等と実際払い出された薬剤等が一致していることを照合、確認する。また、過去の投薬実績に基づき飲み合わせの悪い薬剤がないか、分量が適当でない薬剤がないかなどの監査も行い、不都合があると思われるときはこの結果を医師に報告する。すなわち、払い出された薬剤と処方箋で指定された薬剤とが一致しているかどうかを照合、確認することで払い出しミスを防止するとともに、薬剤師の専門知識に基づいた監査により、医師の投薬行為の安全性を高め、ひいては患者の生命、身体の安全が図られている。
従来からこれらの検査、特に薬剤監査を自動化する装置が提案されている。例えば、特許文献1、特許文献2においては、調剤済みの薬剤の画像を撮像するカメラと、あらかじめ準備された薬剤の画像が比較され、一致しなければ調剤が誤っている旨が表示装置に表示される医療データ処理装置が提案されている。また、例えば特許文献3の従来の技術として、薬剤の包装紙にバーコードを設けることも提案されている。
つまり、これらの装置では、薬剤払い出しの人為的なミスを取り除くべく、薬剤の照合の自動化に重点が置かれている。そして、薬剤師の監査は別途行われることが前提となっている。
特開2005−122360号公報 WO2004/112685号公報 特開2009−110169号公報
ここで、これら物品の払い出しに関する課題を整理する。
第一に、照合作業には大きな労力がかかるという課題があった。すなわち、正しく商品、部品が払い出されているかどうかを確認する作業は非常に大きな労力を要する。しかも、払い出し作業をした人物と同一人物による確認では、どうしても照合がおろそかになり、払い出しミスを完全になくすことは困難であった。特に病院での薬剤払い出しのように、払い出しミスが直接人の生命、身体に影響を及ぼすような危険性の高い物品の払い出しには、二重三重の照合が必要であった。しかし、二重三重のチェックは、業務の効率化とは相反する作業である。
第二に、監査は照合とは別に行わなければならず、業務効率が低下するという課題があった。従来、照合に関しては、特許文献1,2,3のように照合の自動化については様々な提案がなされてきた。しかし、監査に関しては専門知識を必要とすることから、自動化にはなじまず、従来監査は、時間的に照合の前ないし後に、人の五感ないし知識に基づいて行われてきた。特許文献1、2、3についても、基本的には照合に関するものであり、監査は別途人が行うことが前提となっている。例えば監査については以下の例がある。第1に、注文票自体に誤りがあったときの監査例である。この場合、注文票通りに物品を払い出しても正確な払い出しとは言えず、これを人の目で是正する必要がある。これには払い出された物品に関する専門知識が必要であることから、これは照合ではなく監査に属する行為である。第2に、薬剤払い出しに関する監査例である。処方箋に所定の薬剤の払い出しの指示があったとしても、薬剤師は、過去の投薬実績に基づき飲み合わせの悪い薬剤がないか、分量が適当でない薬剤がないかなどの監査が職務上必要である。しかし、監査と照合とを別に行うことは、迅速な物品の払い出しとは相反するものである。
第三に、物品と注文票との直接の照合が困難であるという課題がある。特許文献1,2,3については、照合元である処方箋と照合先である薬剤とを直接比較するものではなく、処方箋のデータを一旦コンピュータのデータとして入力、保存し、このデータと照合先である薬剤の画像とを比較していた。しかし、この方法によれば、データの入力ミスに起因する照合ミスが生じる可能性があり、その結果誤った薬剤を払い出すことになってしまう。すなわち、照合先である物品と照合元である注文票や処方箋との直接の照合が望まれていた。
そこで、本発明は、照合作業を簡単かつ容易にすると共に、監査と照合とを同時に実行可能な照合検査装置および照合検査方法を提供することを目的とする。さらに、照合先の物品と照合元の注文票や処方箋との直接の照合を実現できる照合検査装置および照合検査方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の照合検査装置は、特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置と、照合先を特定するための照合先データを前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、照合元を特定するための照合元データを前記画像データから取得する照合元データ取得手段と、前記照合先データと前記照合元データとを比較照合し比較照合結果を出力する比較照合手段と、前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置とを備えたものである。
請求項2記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、前記照合先データは、照合先に設けた第1のコード情報であることを特徴とするものである。
請求項3記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、前記照合元データは、照合元に設けた第2のコード情報であることを特徴とするものである。
請求項4記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、前記照合元データを記録する記録手段を有するとともに、前記照合元データ取得手段は、前記画像データから照合元データを取得することに加え、前記記録手段から前記照合元データを読み出すことにより前記照合元データを取得することを特徴とするものである。
請求項5記載の照合検査装置は、特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置と、照合先を特定するための第1のコード情報及び第1の形状情報を前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、照合元を特定するための第2のコード情報を前記画像データから取得する照合元データ取得手段と、前記第1のコード情報と第2のコード情報を比較照合するとともに、前記第1の形状情報の取得結果を用いて比較照合結果を出力する比較照合手段と、前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置とを備えたものである。
請求項6記載の照合検査装置は、特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置と、照合先を特定するための第1のコード情報及び第1の形状情報を前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、複数の第2の形状情報を記録する記録手段と、照合元を特定するための第2のコード情報を前記画像データから取得するするとともに、前記記録手段から特定の前記第2の形状情報を取得する照合元データ取得手段と、前記第1のコード情報と第2のコード情報、および前記第1の形状情報と第2の形状情報を比較照合し、比較照合結果を出力する比較照合手段と、前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置とを備えたものである。
請求項7記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、前記特定の視野は、監査者の視野であることを特徴とするものである。
請求項8記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、前記照合先は、薬剤であり、前記照合元は、処方箋ないし注射箋であることを特徴とするものである。
請求項9記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、前記映像表示装置は、透過型ヘッドマウントディスプレイであることを特徴とするものである。
請求項10記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、照合先に関連する照合先関連情報、または照合元に関連する照合元関連情報を記録する記録手段を備えるとともに、前記映像表示装置は、前記照合先関連情報または照合元関連情報を前記特定の視野に重ねて表示することを特徴とするものである。
請求項11記載の照合検査装置は、請求項1記載の照合検査装置において、監査者に対する指示を表す指示情報を記録する記録手段を備えるとともに、前記映像表示装置は、前記指示情報を前記特定の視野に重ねて表示することを特徴とするものである。
請求項12の照合検査方法は、特定の視野を撮像する撮像装置が出力する画像データから、照合先を特定するための照合先データ、および照合元を特定するための照合元データを取得する段階と、前記照合先データと前記照合元データとを比較照合し比較照合結果を得る段階と、前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する段階とからなるものである。
請求項13記載の照合検査方法は、請求項12記載の照合検査方法において、照合先に関連する照合先関連情報、または照合元に関連する照合元関連情報を前記特定の視野に重ねて表示する段階を有することを特徴とするものである。
請求項14記載の照合検査方法は、請求項12記載の照合検査方法において、操作者に対する指示を表す指示情報を前記特定の視野に重ねて表示する段階を有することを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、照合先データと照合元データを比較することにより、物品が正しく払い出されているかを容易に検査できるものである。また、照合結果を撮像装置の視野に重ねて表示することにより、照合結果を監査者の実視野に重ねて表示することが可能となり、照合作業と同時に監査作業を進めることができるので、照合と監査にかかる時間を大幅に短縮することができ、払い出し業務の効率化を図ることができるものである。さらに、照合元データと照合先データは、ともに画像データから取得し、照合元と照合先とを直接比較することができるので、別途コンピュータ等にマスターデータ(照合元データ)を準備する必要がなく、またデータ登録ステップを設けることも不要になり、コンピュータへのデータの入力ミスに起因する払い出しミスを避けることができるものである。
請求項2記載の発明によれば、照合先データがコード情報であるので、画像での認識が容易であるとともに、RFIDのような電子的に情報を保持するデバイスに比べ、低コストで運用することができるものである。
請求項3記載の発明によれば、照合元データがコード情報であるので、画像での認識が容易であるとともに、RFIDのような電子的に情報を保持するデバイスに比べ、低コストで運用することができるものである。また、別途コンピュータ等に照合元データを準備する必要がなく、照合先と照合元との直接の比較が可能である。
請求項4記載の発明によれば、照合元データは画像データおよび記録手段に記録されたデータの双方から取得されるので、照合元データとして二つの別個のデータを用いることにより照合先データとの照合を二重化することができ、より正しい照合結果を出力することができるものである。
請求項5記載の発明によれば、比較照合結果を得るために第1のコード情報と第2のコード情報との比較照合に加えて第1の形状情報の検出結果を用いて比較照合結果を出しているので、コード情報が読み取れない場合にも補完的に形状情報を利用することとなり、監査者に対してより適切な指示をすることができるものである。
請求項6記載の発明によれば、第1のコード情報と第2のコード情報、および第1の形状情報と第2の形状情報をそれぞれ比較照合しているので、照合の二重化を図ることができ、より正しい照合結果を得ることができ、監査者に対して的確な指示をすることができるものである。また、コード情報または形状情報を他方の照合の補完として用いることも可能である。
請求項7記載の発明によれば、照合結果を監査者の実視野に重ねて表示するので、監査者は視野を移動させずに比較照合結果を認識することができるとともに、監査業務を同時にすすめることができ、照合と監査にかかる時間を大幅に短縮することができ、払い出し業務の効率化を図ることができるものである。
請求項8記載の発明によれば、薬剤師の照合業務において、処方箋ないし注射箋に基づく照合元データと払い出された個々の薬剤に基づく照合先データとを比較することにより、薬剤が正しく払い出されているかを容易に検査できるものである。また、照合結果を撮像装置の視野に重ねて表示することにより、薬剤師に必須の監査業務を薬剤の照合作業と同時に進めることができるので、照合と監査にかかる時間を大幅に短縮することができ、薬剤払い出し業務の効率化を図ることができるものである。さらに、照合元データと照合先データは、ともに画像データから取得し、照合元である処方箋と照合先である薬剤とを直接比較することができるので、別途コンピュータに照合元を準備する必要がないとともに、コンピュータへのデータの入力ミスに起因する払い出しミスを避けることができるものである。
請求項9記載の発明によれば、容易に撮像装置の視野と監査者の視野を一致させることができるので、監査者は視野の移動を伴うことなく、照合、監査業務が行えるものである。
請求項10記載の発明によれば、照合先に関連する照合先関連情報、または照合元に関連する照合元関連情報を撮像装置の視野に重ねて表示することができる。すなわち監査業務に必要な情報を通常のディスプレイのような表示装置に表示せず、監査者の視野を移動させずに認識可能な場所に表示できるので、効率的に監査業務を進めることができるものである。
請求項11記載の発明によれば、監査者に対する指示情報を表示することができるので、次に必要な作業を監査者の視野に重ねて表示することにより、効率的に照合、監査業務を行うことができるものである。
請求項12記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様、照合元データと照合先データを比較することにより、物品が正しく払い出されているかを容易に検査できるものである。また、照合結果を撮像装置の視野に重ねて表示することにより、照合結果を監査者の実視野に重ねて表示することができ、照合作業と同時に監査作業を進めることができるので、照合と監査にかかる時間を大幅に短縮することができ、払い出し業務の効率化を図ることができるものである。さらに、照合元データと照合先データは、ともに画像データから取得し、照合元と照合先とを直接比較することができるので、別途コンピュータに照合元データを準備する必要がないとともに、コンピュータへのデータの入力ミスに起因する払い出しミスを避けることができるものである。
請求項13記載の発明によれば、請求項10記載の発明と同様、照合先に関連する照合先関連情報または照合元に関連する照合元関連情報を撮像装置の視野に重ねて表示することができる、すなわち監査業務に必要な情報を通常のディスプレイのような表示装置に表示せず、監査者の視野を移動させずに認識可能な場所に表示できるので、効率的に監査業務を進めることができるものである。
請求項14記載の発明によれば、請求項11記載の発明と同様、監査者に対する指示情報を表示することができるので、次に必要な作業を監査者の視野に重ねて表示することにより、効率的に照合、監査業務を行うことができるものである。
本発明の第1の実施形態における照合検査装置の要部外観図 本発明の第1の実施形態における照合検査装置の構成図 同装置の動作を表す流れ図 同装置の使用方法を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 本発明の第2の実施形態における照合検査装置の動作を表す流れ図 本発明の第3の実施形態における照合検査装置の構成図 同装置の動作を表す流れ図 本発明の第4の実施形態における照合検査装置の構成図 同装置の動作を表す流れ図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図 同装置の動作状態を表す説明図
(実施の形態1)
以下に、本発明の照合検査装置の第1の実施形態について説明する。なお、装着者、監査者の語は特に断りがない限り、同一人を指すものとする。
図1は、本発明の第1の実施形態における照合検査装置101の要部外観図である。照合検査装置101は、頭部装着ユニット102と、情報処理部103とに分かれており、図1は、このうち頭部装着ユニット102を図示したものである。頭部装着ユニット102は、眼鏡型の本体部104にCCDカメラ105、および透過型ディスプレイ106を備えている。また、本体部104には、メモリ、処理部、通信部、音声出力装置を内蔵しているが、これらは図2で説明する。
CCDカメラ105は、撮像装置であり、特定の視野を撮像し、これに対応する画像データを本体部104の処理部ないしメモリに出力するものである。本実施形態ではCCDカメラを用いているが、他のタイプの撮像装置であってもよい。
また、特定の視野とは、CCDカメラ105がカバーする範囲の視野を指す。もちろん、CCDカメラ105をスキャンして広い視野をカバーすることも含まれる。本実施形態ではCCDカメラ105は装着者の前方を撮影するように設置されているので、本実施形態においては特定の視野は装着者の視野と同等の範囲の視野を指すものである。
また、本実施形態では、1台のCCDカメラを用いた例を示しているが、CCDカメラを複数台用いる場合も含まれる。この場合も、複数台のカメラがカバーする範囲を重ね合わせた大きな一つの視野が特定の視野に相当する。このようにカメラを複数台用いる場合で、特にCCDカメラを両目近傍に配置した場合は、視差を考慮に入れた撮影を行うことができ、後述する映像の表示において違和感のない表示を実現することができる。
透過型ディスプレイ106は、映像表示装置であり、本体部104の処理部からの映像信号に基づき、撮像装置の特定の視野に重ねて画像を表示するものである。具体的には比較照合結果やその他関連情報(照合元関連情報、照合先関連情報、指示情報)の映像信号に基づき表示するものである。
撮像装置の特定の視野に重ねて表示することにより、本実施形態のように撮像装置の視野が装着者の視野と同等の範囲となる場合は、装着者から見ると監査対象物品と透過型ディスプレイ106の表示とが重なって観察できるものである。
また、「視野に重ねる」とは、透過型ディスプレイや網膜投影型ヘッドマウントディスプレイのように、装着者の視野に間接的に投影してあたかも観察者の視野に映像を重ねることの他、レーザー等で直接映像を観察物に重ねて表示するものも含む概念である。つまり本実施形態では、透過型ディスプレイを用いているが、装着者の実視野を妨げないものであれば「視野に重ねる」ことになり、例えば、網膜投影型ヘッドマウントディスプレイ、あるいはレーザー等で視界上に直接映像を投影するものでもかまわない。さらに、ディスプレイを用いる場合は透過型に限られるわけではなく、非透過型ディスプレイに撮像装置で撮影した映像を表示するとともに比較照合結果やその他関連情報を重ねて表示するようにしてもよい。このような場合も、撮像装置の特定の「視野に重ねて」表示することに含まれる。この場合、単なる平面的な映像でも通常の装着者の視界と同程度の倍率であれば、装着者は作業を問題なく行うことができる。さらに、上述のようにCCDカメラを2つ用い、視差を利用して立体的な映像を表示すれば、装着者にとって違和感のない表示を行うことができ、透過型ディスプレイを用いた場合と同様の効果を得ることもできる。
本実施形態では、映像表示装置として透過型ヘッドマウントディスプレイを用いているので、装着者はディスプレイを通して視界が確保でき、この視界に重ねて様々な情報を表示させることができる。つまり、装着者の実視物に重ねて画像を表示することができる。これにより、装着者は、視界を移動させることなく、視界内の物品と、物品や照合に関する情報とを同時に確認することができる。具体的な表示内容については後述する。
なお、CCDカメラ105と透過型ディスプレイ106を一体とする照合検査装置101によるならば、頭部を動かしても、装着者の視野移動とCCDカメラ105の視野移動が同期しているので、装着者は、視界内の実際の物品と透過型ディスプレイ106の表示とがずれることなく物品を観察することができる。
図2は、本発明の第1の実施形態における照合検査装置101の構成を示す構成図である。なお、図1と同じ構成については、同一番号を付与している。
頭部装着ユニット102は、上述の通りCCDカメラ105、および透過型ディスプレイ106を備えている。さらに、メモリ107、処理部108、通信部109、音声出力装置110を備えており、これらは各種のバスを通じて接続されている。また、情報処理部103は、通信部111、メモリ112、処理部113、記録装置114からなり、やはりこれらは各種のバスを通じて接続されている。情報処理部103は、通常のコンピュータを用いることができる。頭部装着ユニット102と情報処理部103は、それぞれの通信部109,111を介して有線、ないし無線で接続されている。
照合元115は、比較の基準となる物品、データ、媒体等であり、一般的には注文票や払い出し請求書がこれにあたる。また、病院の薬剤部においては、医師の発行する処方箋や注射箋がこれにあたる。そして、照合元115は、照合元データであり第2のコード情報でもあるバーコード情報116を有する。バーコード情報116は、多種多様な物品、例えば薬剤部においては多種多様な薬剤を特定するためのものである。また、バーコード情報116は、物品の種類、例えば薬剤の種類に応じて一対一に対応するように振られている。そして、処方箋には、処方する薬剤名に続いて、各薬剤に対応するバーコード情報116が印刷されている。つまり、バーコード情報116は、照合元である処方箋に記載された各種薬剤を特定するものである。
照合先117は、比較の対象となる物品、データ、媒体等であり、一般的には払い出し対象たる物品がこれにあたる。また、病院の薬剤部においては、各種薬剤や注射薬がこれにあたる。そして、照合先117は、照合先データであり第1のコード情報でもあるバーコード情報118を有する。バーコード情報118も、多種多様な物品、例えば薬剤部においては多種多様な薬剤を特定するためのものである。また、バーコード情報118は、物品の種類、例えば薬剤の種類に応じて一対一に対応するように振られている。そして、各薬剤には包装や容器に、対応するバーコード情報118が印刷ないし貼付されている。つまり、バーコード情報118は、照合先である各種薬剤自身を特定するものである。なお、同一薬剤に対応するバーコード情報116、およびバーコード情報118は同一のものを用いることができるのはもちろん、別のものを用いてもよい。この場合は、同一薬剤に対し、複数のバーコードが付与されることになる。
本実施形態では、照合元データはバーコードを用いているが、このほか処方箋に記載された薬剤名や番号などの文字そのものを用いてもよい。また、照合先データもバーコードを用いているが、このほか各薬剤の容器等に印刷ないし貼付された薬剤名や番号などの文字そのものを用いてもよい。すなわち、照合元、照合先を特定するためのデータであれば、その形態にこだわるものではない。
第1のコード情報、第2のコード情報は、本実施形態ではバーコードを用いているが、このほかに、2Dバーコード、カメレオンコードなどを用いることもでき、情報を記号化、図案化したもので画像を通じて認識できるものであればよい。
CCDカメラ105は、その視野中に位置する照合元115および照合先117を撮像し、これを画像データとしてメモリ107に送信する。処理部108はメモリ107から映像信号を読み出し、この中に含まれているバーコード情報116、118を抽出し、取得する。すなわち、処理部108が、照合元データ取得手段、および照合先データ取得手段を構成する。
なお、照合元ないし照合先が文字や番号により特定されている場合は、OCRプログラムを用いて照合元データないし照合先データが抽出される。
さらに、処理部108は、バーコード情報116とバーコード情報118とを比較照合し、同一の情報であれば、照合元115に記載の物品と払い出された照合先117は同じ物品であると判断し、比較照合結果として「照合OKです」等の音声情報を音声出力装置110に出力するとともに、比較照合結果として[照合OKです]等の画像情報を透過型ディスプレイ106に出力、表示させる。比較照合の結果、異なる物品であると判断すれば、「異なる物品です」等の音声情報を音声出力装置110に出力するとともに、「異なる物品です」等の画像情報を透過型ディスプレイ106に出力、表示させる。すなわち、処理部108が、比較照合手段を構成する。
情報処理部103には、記録装置114が設けられており、照合先117に関連する情報が記録されている。照合先関連情報は、照合先と何らかの関係がある情報であれば、その内容はどのようなものでもよい。例えば、照合先117が薬剤の場合、薬剤の処方上の注意事項、組み合わせに注意が必要な薬剤名、適正な処方量、取扱い上の注意事項などが記録されている。また、記録装置114には、照合元115に関連する情報が記録されている。照合元関連情報は、照合元と何らかの関係がある情報であれば、その内容はどのようなものでもよい。例えば、薬剤の処方の場合、薬剤を処方される患者名、病室番号、担当医などがこれにあたる。さらに、記録装置114には、監査者に対する指示に関する指示情報が記録されている。指示情報は、監査者の指示と何らかの関係がある情報であれば、その内容はどのようなものでもよい。例えば、本装置の操作方法を示す情報がこれにあたる。これらの情報は、文字情報としての他、映像情報や音声情報として記録されていてもよい。そして、必要に応じて、これら照合先関連情報、照合元関連情報、指示情報は、頭部装着ユニット102の処理部108からの要求に応じて、情報処理部103の処理部113の命令により記録装置114から読み出され、通信部111を介して頭部装着ユニット102の通信部109に送信され、透過型ディスプレイ106や音声出力装置110に出力される。
なお、本実施形態では情報処理部103を頭部装着ユニット102とは別体としたが、これを一体化してもよい。あるいは、情報処理部103に接続されるキーボードやタッチパネルなどの外部入力装置だけを別体としてもよい。
また、情報処理部103は、装着具などによって体や腰に装着されるものであってもよい。
次にかかる照合検査装置101の動作を図2、図3を用いて説明する。
まず、CCDカメラ105により、CCDカメラの視野を撮像する(S11)。この範囲には、照合先および照合元が含まれている。
次に、CCDカメラ105は、撮影した視野の像を画像データとしてメモリ107に送信し、処理部108はこの画像データをメモリ107から読み出し、照合元115および照合先117に含まれるバーコード情報116,118を抽出する(S12、S13)。
本実施形態では、まず照合元115に含まれるバーコード情報116の抽出を行う(S12)。同一薬品に照合元115と照合先117とで異なるバーコートが付与されている場合は、照合元115に付与されたバーコード情報116を直接抽出できる。これに対し、同一薬品に照合元115と照合先117とで同じバーコートを付与している場合は、バーコードを枠で囲ったりバーコード付近に記号やマークを付与してこれらの枠や記号やマークの有無で照合元115のバーコート情報116であることを認識させてもよい。また、処方箋に印刷されたバーコードは等間隔に並んでいることを利用して、特定のピッチで並べられたバーコード群のそれぞれを照合元115のバーコード情報116としてもよい。さらに、処理部108に処方箋の形状を認識、抽出させ、この内部に含まれるバーコードを照合元115のバーコード情報116としてもよい。この場合、処方箋の形状の情報はあらかじめ記録装置114に記録されており、これと比較することにより処方箋の存在を認識させるなどの方法をとることができる。
次に照合先117に含まれるバーコード情報118の抽出を行う(S13)。同一薬品に照合元115と照合先117とで異なるバーコートが付与されている場合は、照合元115の場合と同様、照合先117に付与されたバーコード情報118を直接抽出できる。また、枠や記号やマークの有無で照合先117のバーコード情報118であることを認識できるのも、照合元115の場合と同様である。このほか、照合先117の各薬剤の第1の形状情報を抽出し、この第1の形状情報の内部にバーコードが認識された場合は照合先117のバーコード情報118であると認識させてもよい。第1の形状情報については、実施の形態3で説明する。なお、照合元115のバーコード抽出ステップ(S12)と照合先117のバーコード抽出ステップ(S13)の順は逆でもよい。
さらに、処理部108は、バーコード情報116,118を比較照合し、比較照合結果を得る(S14).比較照合の結果、バーコード情報116,118が「一致」する場合は、かかる結果を透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力する(S15)。また、照合元115ないし照合先117に関連する情報や指示情報を、透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力する(S16)。比較照合の結果、バーコード情報116,118が「不一致」の場合は、かかる結果を透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力する(S17)。不一致の場合、比較照合結果に基づき、さらに照合先の商品が多いか少ないか、種類を間違えているかどうかを出力するようにしてもよい。この例は実施例で後述する。また、必要に応じて照合元115ないし照合先117に関連する情報や指示情報を、透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力してもよい(S18)。
なお、後日の監査やデータ利用のため、かかる結果を記録装置114に記録し、保存しておいてもよい。また、本実施形態において、入力装置を用いて照合の開始、終了を照合検査装置101に指示してもよいが、かかる指示がなくても画像の読込み、バーコードの抽出と照合、および結果の出力を自動で随時行うことができるので、バーコードが隠れているような場合でも薬剤を動かしてバーコード面を上に向けるだけで自動駅に照合が行われ、余計な手間をかけないで照合、監査を実施することができるものである。
さらに、本実施形態の応用として、入力装置を用いて照合の開始、終了を照合検査装置101に指示する構成、入力装置の入力で割り込みをかける構成でもかまわない。これを利用して、例えば入力装置からの指示で最初に照合元115のバーコード情報116だけを自動で認識させ、その後は撮像装置の視野を通過させた薬剤のバーコード情報118を蓄積し、再度入力装置から照合の指示を与えることにより照合動作に入るようにしてもよい。また、入力装置を用いてサーバ情報にアクセスできるようにし、照合中に薬品情報や投薬履歴、電子カルテなどの情報を確認できるようにしてもかまわない。
以上、発明の効果で言及した効果の他、本実施形態での照合検査装置101を用いた照合作業においては、何らかの情報や命令の入力、あるいは通常のディスプレイに表示される表示結果の確認などの特別な操作を必要とせず、従来行っていた人の監査、照合業務を何ら変更する必要がないので、現在の業務に対して直ちに適用できるという効果も期待できる。
以上の照合検査装置を具体的な照合、監査に用いる場合の動作例を、実施例として説明する。
(実施例1)
まず、病院の薬剤部における薬剤の払い出しの際の、照合検査装置101の使用方法を図4を用いて説明する。
監査者、例えば薬剤師は、図4のように、頭部装着ユニット102を装着して監査を行う。監査者は、トレイに乗せた照合元200および照合先300を正面にして、目視にて監査を行う。頭部装着ユニット102には透過型のディスプレイ106が設けられており、これがちょうどメガネのレンズの位置にきているので、監査者は目視にて通常通りの監査業務を行うことができる。
照合元200は、本実施例では医師の発行した処方箋であり、処方する薬剤名、分量に続き、各薬剤に対応するように、それぞれ固有のバーコード201b、202b、203b、204b、205bが設けられている。
照合先300は、本実施例では払い出された薬剤301a、302a、303a、304a、305aである。各薬剤には、容器ないし包装にそれぞれ薬剤に対応する固有のバーコード301b、302b、303b、304b、305bが貼り付けられている。
なお、CCDカメラ105の視野は広いので、照合元200、照合先300のバーコードを認識する際、トレイの周辺にある物品以外の物も検出してしまう場合がある。よって、まずトレイの形状を検出するとともに、処方箋の形状情報も検出し、処方箋の内部にあるバーコードのみを照合元データであり第2のコード情報であるバーコード、トレイの内部にありかつ処方箋の外部にあるバーコードのみを照合先データであり第1のコード情報であるバーコードとしてもよい。これにより、第1のコード情報と第2のコード情報との区別を容易に行うことができる、
図5は、監査者の視野を示したものであり、照合検査装置101の動作の結果、照合元と照合先とが一致する実施例を示したものである。透過型ディスプレイ106を用いることにより、図5のように、監査者の視界に文字や図形を重ねて表示することができるものである。
監査者が監査しているのと同時に、あるいは監査者が指示した際に、照合検査装置101は図3のフローに従い照合動作を行う。図5(a)に示す通り、監査者が頭部装着ユニット102を装着して照合元200、および照合先300を眺めると、CCDカメラ105が照合元200および照合先300を撮像し、ここから得られた照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204b、205b、および照合先300のバーコード301b、302b、303b、304b、305bを抽出する。図5(a)には示していないが、かかる抽出動作の際、抽出動作が完了すれば、この段階で、透過型ディスプレイ106に各バーコード201b、202b、203b、204b、205b、301b、302b、303b、304b、305bの輪郭を表示させてもよい。これにより、監査者に対して、あたかも現実の照合先300の各薬剤のバーコードや照合元200の各バーコードに輪郭を描いたように見せることができ、抽出が確実に行われていることをビジュアル的により分かりやすく認識させることができる。なお、輪郭は、特定の色、例えば安全を意味する青色で表示されるようにしてもよい。また、監査者の指示により照合を開始する場合は、頭部装着ユニット102、ないし情報処理部103に接続された外部入力装置(図示しない)により照合動作開始の指示をすることができる。この場合、開始の指示があるまでは、「監査が終了したら、開始ボタンを押してください。照合が開始されます。」などの文字を表示させ、開始の指示を促すこともできる。このような文字は、監査者に対する指示を表す指示情報として、あらかじめ記録装置114に格納され、処理部108を通じて読み出されるものである。
次に、照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204b、205bに対応するバーコード301b、302b、303b、304b、305bが存在するかどうかを比較、照合する。照合の結果、すべてのバーコードが一致すれば、図5(b)のように、処方箋と払い出された薬剤とが一致するとして、照合元200である処方箋の下方部分の視野に重ねるように、「照合OK」の文字を表示する。また、音声出力装置110から「照合OKです」との音声を出力させる。これらの文字、および音声は、あらかじめ記録装置114に格納され、比較、照合結果に基づき読み出されるものである。「照合OK」の文字は、無事結果が出たとして、例えば抽出動作時と同様の安全を意味する青色で表示してもよい。文字の表示は処方箋の下方部分に重ねるようにしたが、別の位置でもよく、監査者の監査を妨げないような位置に表示するようにしてもよい。また図5(b)では、この段階で各バーコードの輪郭を表示させ、照合が終了したことを示している。もちろん、上述のようにバーコードの抽出の段階で各バーコードの輪郭を表示しているなら、照合完了時もこの表示を継続させることになる。
以上の通り、本実施例によれば、監査者は監査業務をしながら同時並行的に、あるいは監査業務と時間的に前後して直ちに照合作業を実行させることができるので、監査時の視野を基準とすれば、監査者はかかる視野を移動させる必要がなく、より効率的な監査、照合を行うことができるものである。
(実施例2)
図6は、照合検査装置101の動作の結果、照合元と照合先とが一致しない実施例を示したものである。
本実施例は、比較、照合の結果、照合元のバーコード204b、205bが、照合先の薬剤304a、305aのバーコード304b、305bとそれぞれ一致しないとの照合結果が得られた場合の例である。この場合、図6(a)のように、照合元200である処方箋の下方部分の視野に重ねるように、「照合のあわないものがあります。確認してください。」の文字を表示する。また、音声出力装置110から「照合のあわないものがあります。確認してください。」との音声を出力させる。これらの文字、および音声は、監査者に対する指示を表す指示情報としてあらかじめ記録装置114に格納され、比較、照合結果に基づき読みだされるものである。本実施例の文字は、注意喚起の必要が高いので、例えば警告を意味する赤色で表示してもよい。また、照合が合わなかった照合元のバーコード204b、205b、および照合先のバーコード304b、305bの輪郭も表示させるが、これを赤色で表示させてもよい。これにより、監査者はどの薬剤が照合の結果処方箋と一致しないかを視線を移動させずに認識させることができる。
なお、図6(a)と異なり、照合の合った照合元のバーコード201b、202b、203b、および照合先のバーコード301b、302b、303bの輪郭は、無事照合が合ったという意味で青色で表示させておいてもよい。
監査者は、かかる結果をふまえ、正しい薬剤と交換すれば、実施例1と同様、図6(b)のように、「照合OK」の文字が青色で表示され、音声出力装置110から「照合OKです」との音声が出力される。また、変更後の薬剤のバーコード304b、305bの輪郭、および照合元のバーコード204b、205bが赤色から青色に変更される。
なお、上述のようにバーコード201b、202b、203b、および照合先のバーコード301b、302b、303bの輪郭を、照合が合った時点で青色で表示させている場合は、かかる表示が継続されることになる。
以上の通り、本実施例によれば、監査者は照合の結果を監査時の視界から移動させずに認識することができ、より効率的な監査、照合を行うことができるものである。
(実施例3)
図7は、照合検査装置101の動作の結果、照合元と照合先の数が一致しない実施例を示したものである。
本実施例においては、照合元には4つのバーコード201b、202b、203b、204bしかないにもかかわらず、照合先には5つのめ薬剤305aが存在し、そのバーコード305bが存在している。このような場合、照合の結果、照合元と照合先が合わず、薬品が多いという結果が得られる。この場合、照合元200である処方箋の下方部分の視野に重ねるように、「薬剤が多い可能性があります。確認してください。」の文字を赤色で表示する。また、音声出力装置110から「薬剤が多い可能性があります。確認してください。」との音声を出力させる。また、図7(a)のように、照合が合わなかった照合先のバーコード305bの輪郭も赤色で表示させてもよい。さらに、バーコード204bの下部に、バーコードの輪郭のみを赤色で表示し、本来不要の薬剤に対応する処方箋のバーコードがないことを強調してもよい。これにより、監査者はどの薬剤が照合の結果処方箋と一致しないかを監査時の視線から移動させずに認識させることができる。
なお、図7(a)と異なり、照合の合った照合元のバーコード201b、202b、203b、204bおよび照合先のバーコード301b、302b、303b、304bの輪郭は、無事照合があったという意味で青色で表示させてもよい。
監査者は、かかる結果をふまえ、不要な薬剤を取り除けば、実施例1と同様、図7(b)のように、「照合OK」の文字が青色で表示され、音声出力装置110から「照合OKです」との音声が出力される。また、薬剤のバーコード305bの輪郭、および照合元の輪郭のみの表示は消去される。
(実施例4)
図8は、実施例3と同様、照合検査装置101の動作の結果、照合元と照合先の数が一致しない実施例を示したものである。
本実施例においては、照合元には5つのバーコード201b、202b、203b、204b、205bが検出されるが、照合先には4つのバーコード301b、302b、303b、304bしか検出されない。このような場合、照合の結果、照合元と照合先が合わず、薬品が少ないという結果が得られる。この場合、図8(a)のように、「薬剤が少ない可能性があります。確認してください。」の文字を赤色で表示する。また、音声出力装置110から「薬剤が少ない可能性があります。確認してください。」との音声を出力させる。また、照合が合わなかった照合元のバーコード205bの輪郭も赤色で表示させてもよい。これにより、どの処方箋に記載された薬剤が照合の結果、検出されていないかを視線を移動させずに認識させることができる。
なお、図8(a)と異なり、照合の合った照合元のバーコード201b、202b、203b、204bおよび照合先のバーコード301b、302b、303b、304bの輪郭は、無事照合があったという意味で青色で表示させてもよい。
監査者は、かかる結果をふまえ、薬剤をトレイに追加すれば、実施例1と同様、図8(b)のように「照合OK」の文字が青色で表示され、音声出力装置110から「照合OKです」との音声が出力される。あるいは、本実施例の場合、バーコードが隠れているために認識できなかっただけであるので、監査者は薬剤305aを回転させてバーコードが見える状態にすることによりバーコード305bが検出され、さらなる照合の結果「照合OK」の文字が青色で表示される。また、回転後のバーコード305bの輪郭は青色で表示され、照合元のバーコード205bが赤色から青色に変更される。
なお、本実施形態では、頭部装着ユニット102を用いているので両手が空いており、薬剤305aを回転させることは極めて容易である。
(実施例5)
図9は、照合元に関連する照合元関連情報を表示する実施例を示したものである。
本実施例においては、第1の実施例と同様、照合元である処方箋に記載された薬品に対応する5つのバーコード201b、202b、203b、204b、205bに加え、バーコード206bが照合元200に記載されている。バーコード206bは、患者に関する情報に対応するバーコードである。本実施例においては、バーコード206bとそれぞれの患者に関する情報が対応しており、バーコード206から、対応する患者に関する情報を呼び出すことができる。患者に関する情報は照合元関連情報として記録装置114に格納されており、例えば、患者名、病室番号、担当医などがある。また、この患者に対する投薬履歴なども照合元関連情報に含まれる。
バーコード206が検出されると、頭部装着ユニット102の処理部108は情報処理部103に対し、通信部109を介して、対応する患者に関する情報を呼び出す。これに対し、処理部113は記録装置114から対応する患者に関する情報を読み出し、通信部111を介してこの情報を頭部装着ユニット102に送信する。この情報を受け取った頭部装着ユニット102は、透過型ディスプレイ106に、患者名、病室番号、担当医などの必要な情報を表示する。本実施例では、照合元200である処方箋の上部にあたる領域に重なるように、患者名を表示している。
以上の通り、本実施例によれば、監査者は照合元関連情報を視界を移動させずに認識することができ、より効率的な監査、照合を行うことができるものである。
なお、本実施例は監査補助装置としての機能を有することになるが、本実施例も照合検査装置の概念に含まれるものである。
(実施例6)
図10は、照合先に関連する照合先関連情報を表示する実施例を示したものである。
本実施例においては、第1の実施例と同様、照合先である各薬剤には、容器ないし包装にそれぞれ薬剤に対応する固有のバーコード301b、302b、303b、304b、305bが貼り付けられている。
バーコード301b、302b、303b、304b、305bが検出されると、頭部装着ユニット102の処理部108は情報処理部103に対し、通信部109を介して各薬剤に関する情報を呼び出す。本実施例の場合、各薬剤に関する情報は、照合先関連情報にあたる。これに対し、処理部113は記録装置114から対応する薬剤に関する情報を読み出し、通信部111を介してこの情報を頭部装着ユニット102に送信する。この情報を受け取った頭部装着ユニット102は、透過型ディスプレイ106に、必要な情報を表示する。本実施例では、照合元200である処方箋の下部にあたる領域に重なるように表示している。
たとえば、薬剤304aが取り扱いに注意が必要な薬剤である場合、「取り扱いに注意の必要な薬剤を含んでいます。問題がないことを確認してください。」との文字を表示する。また、薬剤305aが通常用いる範囲の量を超えているような場合は、「薬剤の量が通常の範囲を超えています。問題がないことを確認してください。」との文字を表示する。さらに、薬剤304a、305aが副作用が現れる危険な組み合わせの場合、「危険な薬剤の組み合わせがあります。問題がないことを確認してください。」との文字を表示する。本実施例の文字は、注意喚起の必要が高いので、例えば警告を意味する赤色で表示される。また、警告の対象となった薬剤のバーコード304b、305b、および処方箋のバーコード204b、205bの輪郭は、例えば危険可能性ありを意味するオレンジ色で表示させてもよい。
監査者は、かかる結果をふまえ、各注意事項に対して確認を行ない、図示しない外部入力装置から確認完了の指示を行えば、実施例1と同様、「照合OK」の文字が青色で表示され、音声出力装置110から「照合OKです」との音声が出力される。また、確認の完了した薬剤のバーコード304b、305bの輪郭、および照合元のバーコード204b、205bがオレンジ色から青色に変更される。
これにより、薬剤の照合作業と同時に、照合先関連情報、例えば監査者による監査に必要な薬剤情報も表示することにより、照合と監査を同時に進行させることができ、視線を移動させずに監査を継続することができるものである。
なお、本実施例は監査補助装置としての機能を有することになるが、本実施例も照合検査装置の概念に含まれるものである。
なお、図11(a)のように、各薬剤のバーコードにカーソル207を合わせることにより、各薬剤の情報、例えば薬品名、効果、効能、使用上の注意などのウインドウ208をポップアップ表示させるようにしてもよい。
また、処方箋の患者に関する情報に対応するバーコード206bにカーソルを合わせることにより、照合先関連情報として、病名、カルテ、投薬履歴等のメニュー209を表示させてもよい。
また本実施例では、薬剤に関する情報を照合先関連情報とし、実際に払い出されている薬剤に関する監査を補助することを目的としていたが、バーコード201b、202b、203b、204b、205bに関連する情報、すなわち薬剤に関する情報を照合元関連情報として処理するようにしてもよい。この場合は、医師の薬剤処方に対する監査を補助する目的のため、本装置を用いることになる。
カーソルは、マウスや図11(b)のようなペン型入力装置210を用いて移動させるようにしてもよい。このような入力装置によれば、カーソルの動きとマウスないしペンの動作が同期するので、入力装置自体を目視することなく、監査者はカーソル207のみを見ながらカーソル207を移動させることができ、監査者は照合先関連情報、および照合元関連情報を視界を移動させずに認識することができ、より効率的な監査、照合を行うことができるものである。
(実施の形態2)
以下に、本発明の照合検査装置の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における発明の構成は、第1の実施形態と同様である。すなわち、照合検査装置101は図1のとおり、頭部装着ユニット102を有しており、また図2のように、頭部装着ユニット102および情報処理部103を有している。また、頭部装着ユニット102および情報処理部103の内部構成も第1の実施形態である図2と同様の構成を有している。つまり、第2の実施形態では、第1の実施形態で得られる効果はすべて包含するものである。
第1の実施形態と異なるのは、第1の実施形態においては、照合元データはCCDカメラ105で撮像した画像データから検出できるデータのみ、たとえばバーコードを用いていたが、第2の実施形態はこれに加え、記録装置114に設けられた照合元データ、たとえば処方箋情報なども併用している点である。処方箋情報は、処方箋に記載された薬剤名、分量、日付、担当医などからなる。処方箋情報は、処方箋が発行されるたびに処方箋ごとに外部入力装置を用いて情報処理部103に入力することで記録装置114に記録される。つまり、処方箋情報は、照合元である処方箋に記載された各種薬剤を特定するものであるので、照合元データの一形態といえる。この入力は入力担当者が入力してもよいが、医師が電子端末上で電子処方箋を発行するようにすれば、医師の電子処方箋発行行為により直接処方箋情報が情報処理部103に入力されるように構成することができる。
次にかかる照合検査装置101の動作を図12、および図2を用いて説明する。
まず、CCDカメラ105により、CCDカメラの視野を撮像する(S21)。この範囲には、照合先および照合元が含まれている。
次に、CCDカメラ105は、撮影した視野の像を画像データとしてメモリ107に送信する。処理部108はこの画像データをメモリ107から読み出し、照合元115および照合先117に含まれるバーコード情報116,118を抽出する(S22、S23)。バーコード情報116,118の抽出方法は、実施の形態1と同様、様々な方法を用いることができる。加えて、処理部108は、記録装置114から対応する処方箋情報も読みだす(S24)。
そして、処理部108は、まず、バーコード情報116,118を比較照合し、比較照合結果を得る(S25)。比較照合の結果、バーコード情報116,118が「不一致」の場合は、かかる結果を透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力する(S26)。比較照合の結果、バーコード情報116,118が「一致」する場合は、さらに、バーコード情報118と処方箋情報と比較照合し、比較照合結果を得る(S27)。比較照合の結果、薬剤名が「不一致」の場合は、かかる結果を透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力する(S26)。比較照合の結果、薬剤名が「一致」する場合は、かかる結果を透過型ディスプレイ106および音声出力装置110に出力する(S28)。
このように、照合元データを2つ持つことにより、照合先データを2つの照合元データとそれぞれ比較することができ、たとえば病院の薬剤部のような、より慎重に払い出しを要する物品を扱う場合に、払い出しミスをより低減することができるものである。
(実施の形態3)
以下に、本発明の照合検査装置の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における発明の構成は、基本的には第1の実施形態と同様である。すなわち、照合検査装置101は図1のとおり、頭部装着ユニット102を有しており、また図2のように、頭部装着ユニット102および情報処理部103を有している。また、頭部装着ユニット102および情報処理部103の内部構成も第1の実施形態である図2と同様の構成を有している。つまり、第3の実施形態では、第1の実施形態で得られる効果はすべて包含するものである。
第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態においては、CCDカメラ105で撮像した画像データから照合元データである第2のコード情報、および照合先データである第1のコード情報を抽出し、これを比較していたが、第3の実施形態はこれに加え、画像データから第1の形状情報も取得し、比較照合に用いることである。
ここで、形状情報とは、物品の形状を表現し特定する情報であり、例えば物品の形状の特徴を数値化したものや、画像情報など、さまざまなデータ形式をとることができる。第1の形状情報とは、照合先である物品の画像データから抽出される形状情報であり、照合先を特定するための照合先データの一形態である
図13は、本発明の第3の実施形態における照合検査装置101の構成を示す構成図である。なお、図2と同じ構成については、同一番号を付与している。図13では、頭部装着ユニット102、および情報処理部103の構成は、上述の通り、第1の実施形態と同じである。CCDカメラ105が、照合先117の第1の形状情報119も読み取る点が異なるのみである。
次にかかる照合検査装置101の動作を図14、図13を用いて説明する。
まず、CCDカメラ105により、CCDカメラの視野を撮像する(S31)。この範囲には、照合元115および照合先117が含まれており、照合元115には、第2のコード情報であるバーコード情報116が、照合先117には、第1のコード情報であるバーコード情報118が含まれている。さらに、照合先117は、例えばトレイに乗せられた物品、代表的には薬剤であり、それぞれの物品は形状を有することから、照合先には第1の形状情報119が含まれているといえる。
次に、CCDカメラ105は、撮影した視野の像を画像データとしてメモリ107に送信する。処理部108はこの画像データをメモリ107から読み出し、照合元115および照合先117に含まれるバーコード情報116,118、および第1の形状情報119を抽出する(S32、S33,S34)。
本実施形態では、まず照合元115に含まれるバーコード情報116の抽出を行う(S32)。バーコード情報116の抽出方法は、実施の形態1と同様、様々な方法を用いることができる。
次に、照合先117に含まれるバーコード情報118の抽出を行う(S33)。バーコード情報118の抽出方法も、実施の形態1と同様、様々な方法を用いることができる。
さらに、第1の形状情報119を抽出する(S34)。第1の形状情報119は、例えば明暗の差、色の境目や変化などの情報を用いて物品の外形を抽出することにより、あるいはあらかじめ情報処理部103の記録装置114に記録してある外形類型などに一致するものを出力することにより、得ることができる。
なお、第1の形状情報119の抽出を行う際、トレイの周辺にある薬剤以外の物も検出してしまう場合がある。この場合は、まずトレイの形状を検出し、このトレイの内部にある薬剤のみを照合先117として第1の形状情報119を抽出するようにすれば、システムをより簡素化できるとともに、照合動作の効率を高めることができる。さらには、処方箋の外形を抽出し、トレイの内部かつ処方箋の外部にある薬剤を照合先117として第1の形状情報119を抽出するようにすれば、余分な形状を抽出することを防止できるとともに、照合動作の効率を高めることができる。
また、S32、S33,S34の順は任意である。
そして、処理部108は、まず、バーコード情報116,118を比較照合し、照合元と照合先が一致するかどうかの比較照合結果を得る(S35)。比較照合の結果、バーコード情報116,118が「一致」する場合は、第1の形状情報の数と照合先のバーコード情報118の数が一致しているかどうかを判断する(S36)。一致しない場合は、薬剤のバーコード面が裏側を向いている商品がまだあり、余分な薬剤が払い出されている可能性が高い。したがってこの場合、注意喚起の出力を行う(S37)。例えば透過型ディスプレイ106に「バーコードが読めない薬剤があります。」などの注意を喚起する表示を行う。この場合、監査者がこのような薬剤がないかどうかを確認し、バーコード面を表にするなどしたのちに再照合指示を与えれば、最初のステップ(S31)から再度本処理が実行される。第1の形状情報と照合先のバーコード情報118の数が一致する場合は、「一致」の結果を出力する(S38)。例えば、透過型ディスプレイ106に「照合OK」等の表示、出力を行う。
S35での比較照合の結果、バーコード情報116,118が「不一致」の場合は、第1の形状情報の数と照合先のバーコード情報118の数が一致しているかどうかを判断する(S39)。一致しない場合は、上述のとおり薬剤のバーコード面が裏側を向いている商品がまだあり、余分な薬剤が払い出されている可能性が高い。したがってこの場合も、注意喚起の出力を行う(S37)。第1の形状情報と照合先のバーコード情報118の数が一致する場合は、「不一致」の結果を出力する(S40)。この場合、照合元のバーコード情報116の数と照合先のバーコード情報118の数の大小、照合元と照合先の個々のバーコード同士の一致、不一致、第1の形状情報の抽出数に基づき判断し、「薬剤が多い可能性があります。」、「薬剤が少ない可能性があります。」、「照合の合わないものがあります。」等の表示、出力を、単独ないし組み合わせて行ってもよい。
これにより、照合先データである第1のコード情報(バーコード情報118)や、照合元データである第2のコード情報(バーコード情報116)が読み取れなかった時にでも、第1の形状情報119の検出結果を補完的に用いることにより正しい結果を提供できるものである。たとえばバーコード情報118とバーコード情報116の比較だけでは、照合先の薬剤が不足しているのか、単にバーコード情報118が読めなかっただけなのかが不明であるが、第1の形状情報119の検出結果で補完することによりこれらの違いを区別することができるものである。また、読み取りステップは、1回の読み取りで第1の形状情報119とバーコード情報118,116を一度に読み取ることができるので、特別な装置を付加することなく、バーコードと形状による二重のチェックを行うことができる。さらに、第1の形状情報119とその中に表示されるバーコード情報118とを関連付けるようにすれば、一度照合動作で照合が一致するとの結果が得られた薬剤が動いてバーコードが隠れても、第1の形状情報119は抽出することが可能であるので、照合開始、終了の動作を自動化しても照合が一致するという結果を保持させることができる。
(実施の形態4)
以下に、本発明の照合検査装置の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態における発明の構成は、基本的には第1の実施形態および第3の実施形態と同様である。つまり、第4の実施形態においても、第1の実施形態および第3の実施形態で得られる効果はすべて包含するものである。
そして、第4の実施形態は、第3の実施形態と同様、照合に形状情報を用いるものである点で同様である。異なる点は、第3の実施形態においては、CCDカメラ105で撮像した画像データから照合先の形状情報である第1の形状情報を取得し、これを照合に利用していたが、第4の実施形態においては第1の形状情報を取得することに加え、あらかじめ記録装置114に記録されている各薬剤の第2の形状情報を取得し、第1の形状情報と第2の形状情報との比較を行う点である。
ここで、形状情報とは、物品の形状を表現し特定する情報であり、例えば物品の形状の特徴を数値化したものや、画像情報など、さまざまなデータ形式をとることができる。第1の形状情報とは、照合先である物品の画像データから抽出される形状情報であり、照合先を特定するための照合先データの一形態である。第2の形状情報とは、あらかじめ物品について抽出され何らかの形で保持、記録されている形状情報であり、照合元を特定するための照合元データの一形態である。
すなわち、図15において、照合元115には照合元データであり第2のコード情報であるバーコード情報116が設けられており、各照合先117には照合先データであり第1のコード情報であるバーコード情報118が設けられている。これに加え、照合元115には、照合元データであり第2の形状情報である第2の形状情報120が、照合先117には照合先データであり第1の形状情報である第1の形状情報119が含まれている。第1の形状情報は、具体的には例えば払い出された物品たる薬剤の個々の形状から画像データを抽出することにより得られる。また、第2の形状情報は、具体的には記録装置114に記録されているが、照合元115を特定する機能を有するものなので、図15では照合元115の中に記載している。
第2の形状情報は、照合先となる可能性のある物品の形状情報であり、あらかじめ記録装置に記録しておく。かかる記録は、本装置を最初に用いる前の準備として、行うものである。例えば、薬剤の場合、払い出される可能性のある薬剤の形状情報をあらかじめ記録装置114に記録しておく。これが、実際本装置を稼働させたときに、第1の形状情報119との比較の基礎になる情報、すなわち照合元データとして機能するものである。もちろん、記録装置114にない新規の薬剤が払い出されるときには、後述の実施例8のように、後から登録も可能である。
次にかかる照合検査装置101の動作を図15、図16を用いて説明する。
まず、CCDカメラ105により、CCDカメラの視野を撮像する(S41)。この範囲には、照合元115および照合先117が含まれており、照合元115には、第2のコード情報であるバーコード情報116が、照合先117には、第1のコード情報であるバーコード情報118が含まれている。さらに照合先117には第1の形状情報119が含まれているといえる。
次に、CCDカメラ105は、撮影した視野の像を画像データとしてメモリ107に送信する。処理部108はこの画像データをメモリ107から読み出し、照合元115および照合先117に含まれるバーコード情報116,118、および第1の形状情報119を抽出する(S42、S43,S44)。ここまでは、第3の実施の形態のステップと同じである。
さらに、処理部108は、記録装置114に記録されている複数の第2の形状情報を読み出す(S45)。第2の形状情報の読み出しは、照合元115に含まれる薬剤の形状のみを読み込んでもよいし、記録装置114に記録されているすべての第2の形状情報を読み取り可能な状態に置いておく場合も含まれる。前者の場合は、照合元115と形状情報が関連付けられて記録装置114に記録されている。これ以降、処理部108は照合動作に入る。
まず処理部108は、バーコード情報116,118を比較照合し、照合元と照合先が一致するかどうかの比較照合結果を得る(S46)。比較照合の結果、バーコード情報116,118が「一致」する場合は、次に第1の形状情報119と第2の形状情報120を比較照合する(S47)。この照合を設けた理由は、バーコード情報116,118の照合のみでは、例えばバーコードを貼りつけた面が裏になっているような場合を検出できないことがあるからである。また、コード情報と形状情報による二重チェックにより、正しい結果を出力できるからである。(S47)で第1の形状情報119と第2の形状情報120が一致したときは、照合元115と照合先117が一致したとして、「一致」の結果を出力する(S48)。例えば、透過型ディスプレイ106に「照合OK」等の表示、出力を行う。(S47)で第1の形状情報119と第2の形状情報120とが一致しない場合は、一致しない詳細な原因をつかむため、さらに照合元115のバーコード情報116の数と、第1の形状情報119の数とを比較する(S49)。これが一致すれば、何らかの原因で形状が正しく認識していないと考えられるので注意喚起の出力を行う(S50)。例えば、「形状が正しく認識できていないか、新しい形状を認識した可能性があります。」等のメッセージを表示する。(S49)で一致しない場合、特に第1の形状情報119の数がバーコード情報116の数よりも多い場合は、バーコード情報116が物品の裏面にきているなどしてバーコード情報116が認識されず、照合元115の指示よりも多く薬剤が払い出されている可能性があるので、かかる注意喚起の出力を行う(S51)例えば、「薬剤が多い可能性があります。」との表示を行う。逆に第1の形状情報119の数がバーコード情報116の数よりも少なければ、照合先117の形状が認識できていない可能性があるので、かかる注意喚起の出力を行う(S51)例えば、「形状が認識できていない可能性があります。」との表示を行う。
これに対し、(S46)で不一致の結果が得られた場合も、第1の形状情報119と第2の形状情報120を比較照合する(S52)。この照合を設けた理由も、(S47)と同様である。(S52)で第1の形状情報119と第2の形状情報120が一致したときは、バーコード情報118が裏面を向いているなどの原因で読めていない可能性が高いので、注意喚起の出力を行う(S53)。例えば、「バーコードが読めていない可能性があります。」等のメッセージを表示する。(S52)で第1の形状情報119と第2の形状情報120とが一致しない場合は、一致しない詳細な原因をつかむため、さらに照合元115のバーコード情報116の数と、第1の形状情報119の数とを比較する(S54)。これが一致すれば、照合元115で指定された物品と異なる薬剤が払い出されている可能性が高いので、「不一致」の出力を行う(S55)。例えば、「薬剤が違う可能性があります。」との表示を行う。(S54)で一致しなければ、様々な原因が考えられるので、「不一致」の出力を行う(S56)。この場合、照合元のバーコード情報116の数と照合先のバーコード情報118の数の大小、照合元と照合先の個々のバーコード同士の一致、不一致、第1の形状情報の抽出数に基づき判断し、「薬剤が多い可能性があります。」、「薬剤が少ない可能性があります。」、「照合の合わないものがあります。」等の表示を、単独ないし組み合わせて行ってもよい。
なお、照合結果が一致する場合、一致しない場合を含めて様々な原因が考えられるので、この例のフローやメッセージに限定されることはない、照合先117の第1のコード情報と照合元115の第2のコード情報の比較照合、照合先117の第1の形状情報と照合元115の第2の形状情報の比較照合が行われることが本実施形態の技術的思想をなす。
このように、第1のコード情報と第2のコード情報の比較照合、および第1の形状情報と第2の形状情報の比較照合を併用することにより様々な原因に対して照合結果を正しく出力することができる。
以上の第4の実施形態の照合検査装置を具体的な照合、監査に用いる場合の動作例を、実施例として説明する。なお、第1の実施形態における実施例の番号に対応して、第4の実施形態における実施例の番号を付与している。したがって、同じ実施例番号は同じ薬剤の払い出し状況について説明するものである。また、特に実施形態1で用いた照合動作や表示方法は、支障のない限り実施形態4でも使用できる。
(実施例1)
第4の実施形態における照合検査装置101の使用方法は、図4で示された第1の実施形態の場合と同じである。また、監査者の視野も、図5で示された第1の実施形態の場合と同じである。
図17で示される実施例1は、照合検査装置101の動作の結果、照合元と照合先とが一致する例である。
本実施形態の場合、CCDカメラ105および処理部108により、照合元200および照合先300の各バーコード201b、202b、203b、204b、205b、および301b、302b、303b、304b、305bに加えて、第1の形状情報119として照合先300の各薬剤301a、302a、303a、304a、305aの輪郭も抽出することが可能である。したがって、表示上第1の実施形態の実施例1と異なるのは、図17(b)のように、透過型ディスプレイ106に照合元200である処方箋の輪郭、および各薬剤の輪郭を表示させることができる点である。例えば図17(b)のように、照合が終わった各薬剤の輪郭は、特定の色、例えば安全を意味する青色で表示される。この表示は、輪郭が抽出された段階(図17(a))で表示させてもよい。これに加えて、第1の実施形態と同様、バーコード部分にも輪郭を付してもよい。
基本的な抽出動作、照合動作は、基本的には実施形態1の実施例1と同様であり、図16の(S48)に至るフローで実行される。すなわち、図5(a)に示す通り、監査者が頭部装着ユニット102を装着して照合元200、および照合先300を眺めると、CCDカメラ105が照合元200および照合先300を撮像し、ここから得られた照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204b、205b、および照合先300のバーコード301b、302b、303b、304b、305bを抽出する。また、各照合先である薬剤301a、302a、303a、304a、305aの輪郭を第1の形状情報として抽出する。さらに、記録装置114に記録された第2の形状情報を読み出す。なお、図17(a)には示していないが、抽出動作の際、抽出動作が完了すれば、この段階で、透過型ディスプレイ106に各バーコード201b、202b、203b、204b、205b、301b、302b、303b、304b、305bの輪郭を表示させてもよい。また、輪郭は、特定の色、例えば安全を意味する青色で表示されるようにしてもよい。
これらの抽出、読み出しが終わると、次に比較照合動作に入る。まず、バーコード201b、202b、203b、204b、205b、とバーコード301b、302b、303b、304b、305bとを比較照合する。この結果、両者がそれぞれ完全に一致するとの結果が得られる。さらにそれぞれの照合先の第1の形状情報と、第2の形状情報とを比較照合する。この結果、形状情報も両者が完全に一致する。この結果を受けて、照合検査装置101は、透過型ディスプレイ106に「照合OK」との表示を行う。
以上の通り、第4の実施形態において本実施例の動作をさせる時には、バーコード情報と形状情報の二種類を用いて照合を行うので、より正確な照合を行うことが可能である。また、第1の形状情報119の抽出を行うので、各薬剤の周囲に輪郭をつけるように表示することができ、抽出完了や照合完了作業を監査者にわかりやすくビジュアル的に伝えることができるものである。
(実施例2)
図18で示される実施例2は、照合元と照合先とが一致しない例である。本実施例の場合は、照合元と照合先のバーコードの数が等しく、かつバーコードが一致しない薬剤が払い出されていることが確実であるので、照合に形状情報を必ずしも用いる必要はない。本実施例の場合、第1の実施形態の実施例2と同様の処理を行うことができる。つまり、バーコードの照合のみで「照合の合わないものがあります」と表示させてよい。
しかし、形状情報も用いて照合を行うことにより、より正確な照合を行うことが可能である。以下、その動作を説明する。
基本的な抽出動作、照合動作は、図16の(S55)に至るフローで実行される。
照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204b、205b、および照合先300のバーコード301b、302b、303b、304b、305bの抽出、各照合先である薬剤301a、302a、303a、304a、305aの輪郭の抽出、さらに、記録装置114に記録された第2の形状情報の読み出しは実施例1と同様である。
これらの抽出、読み出しが終わると、次に比較照合動作に入る。まず、バーコード201b、202b、203b、204b、205b、とバーコード301b、302b、303b、304b、305bとを比較照合する。これに対し、バーコード204b、205b、とバーコード304b、305bがそれぞれ一致しないとの結果が得られる。さらに、それぞれの照合先の第1の形状情報と、第2の形状情報とを比較照合する。すべての薬剤に対して照合を行うことが正確な結果を得るには最適であるが、処理能力に伴うレスポンスとの関係から、バーコードの照合が合わなかった薬剤304a、305aのみを第2の形状情報と照合するような構成としてもよい。この結果、薬剤304a、305aの輪郭と記録装置114に記録された第2の形状情報とが一致しないとの結果が得られる。さらに、照合元200のバーコード数と照合先300の第1の形状情報数を比較する。本実施例の場合、両者とも5つづつ抽出されているので、両者の数は等しいと判断される。
この結果を受けて、照合検査装置101は、照合元200で指定された薬剤が払い出されず、誤った薬剤が払い出されていると判断し、透過型ディスプレイ106に「薬剤が違う可能性があります。」との表示を行う。また、照合が合わなかった照合元のバーコード204b、205b、および照合先の薬剤304a、305aの輪郭も表示、望ましくは赤字で表示させてもよい。
監査者は、かかる結果をふまえ、正しい薬剤と交換すれば、図18(b)のように、「照合OK」の文字が表示される。また、変更後の薬剤304a、305aの輪郭、および照合元のバーコード204b、205bの輪郭の表示を変更、望ましくは赤色から青色に変更してもよい。
(実施例3)
図19で示される実施例3は、照合元と照合先の数が一致しない例であるが、本実施例の場合は、実施例2と異なり照合元と照合先のバーコードの数が異なるものである。しかし、照合先のバーコードの数のほうが、照合元のバーコードの数よりも多く、照合元である処方箋に指示のない薬剤が払い出されていることは明確であるので、第1の形状情報を必ずしも用いる必要はない。本実施例の場合、第1の実施形態の実施例3と同様の処理を行うことができる。つまり、「商品が多い可能性があります。」と表示させてよい。
しかし、本実施形態の実施例2と同様、CCDカメラ105で抽出した第1の形状情報119も用いて照合を行うことにより、より正確な照合を行うことが可能である。以下、その動作を説明する。
基本的な抽出動作、照合動作は、図16の(S56)に至るフローで実行される。
照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204b、および照合先300のバーコード301b、302b、303b、304b、305bの抽出、各照合先である薬剤301a、302a、303a、304a、305aの輪郭の抽出、さらに、記録装置114に記録された第2の形状情報の読み出しは実施例2と同様である。また、バーコード情報および形状情報を用いての比較照合も実施例2と同様である。しかし、(S52)で不一致であるので、次のステップ(S54)として、照合元200のバーコード数と照合先300の第1の形状情報数を比較するが、本実施例の場合、照合先300の第1の形状情報は5つ検出されるのに対し、照合元200のバーコード数は4つしか検出されない。したがって、薬剤の数が処方箋で指示された薬剤よりも多いと判断できる。
この結果を受けて、照合検査装置101は、照合のあわない薬剤が払い出されていると判断し、「照合のあわないものがあります。」と表示する。さらに、「薬剤が多い可能性があります。」との表示を行うこともできる。
監査者は、かかる結果をふまえ、多く払い出された薬剤をトレイから取り除けば、実施例2と同様、図19(b)のように、「照合OK」の文字が表示される。
この他、例えば、バーコードは検出されていないが、第1の形状情報119のみを検出した薬剤がさらに1個あれば、薬剤の数が処方箋で指示された薬剤よりも2個多くなることが明確になるので、「薬剤が2個多い可能性があります」との表示を行うこともできる。
(実施例4)
図20で示される実施例4は、照合元と照合先の数が一致しない例であるが、本実施例の場合は、実施例3と異なり、照合元のバーコードの数のほうが、照合先のバーコードの数よりも多いものである。この場合、第1の実施形態のようにバーコードだけを照合するだけでは、検出されたバーコードの数が異なる原因が、何らかの影響でバーコードが読めないだけなのか、それとも処方箋で指定された薬剤そのものが払い出されていないのか区別がつかない。したがって、このような場合は、本実施形態のように、形状情報も用いることにより、照合監査装置101側で照合が合わない原因が何かを知ることができ、より適切な指示を監査者に対して与えることができる。以下、その動作を説明する。
基本的な抽出動作、照合動作は、図16の(S53)に至るフローで実行される。
照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204b、205bおよび照合先300のバーコード301b、302b、303b、304bの抽出、各照合先である薬剤301a、302a、303a、304a、305aの輪郭の抽出、さらに、記録装置114に記録された第2の形状情報の読み出しは実施例3と同様である。
これらの抽出、読み出しが終わると、次に比較照合動作に入る。まず、バーコード201b、202b、203b、204b、205b、とバーコード301b、302b、303b、304bとを比較照合する。これに対し、バーコード205bに対応するバーコードが存在しないとの結果が得られる。さらに、それぞれの照合先の第1の形状情報と、第2の形状情報とを比較照合する。この結果、第1の形状情報と第2の形状情報とが一致する、すなわち薬剤305aの輪郭も記録装置114に記録された第2の形状情報と一致するとの結果が得られる。
この結果を受けて、照合検査装置101は、薬剤は正確に払い出されているが、バーコード面が裏返っているなどして薬剤305aのバーコードが読めなかっただけだと判断し、「バーコードが読めていない可能性があります。」や、「バーコード面が上を向いているか確認してください。」と表示する。なお、照合が合わなかった照合元のバーコード205bの輪郭も表示してもよい。さらに、照合が合わなかった照合先の薬剤305aの輪郭を表示してもよい。これにより、処方箋に記載されたどの薬剤が照合の結果、検出されていないかを視線を移動させずに認識させることができる。
監査者は、かかる結果をふまえ、薬剤305aの向きを変え、バーコード面を上にすれば、図20(b)のように、「照合OK」の文字が表示される。
この他、例えば仮に薬剤305aの第1の形状情報119が検出されなければ、処方箋で指示された薬剤数よりも払い出されている薬剤の数が少ないことが明確になるので、(S56)に至るフローに従い、「照合のあわないものがあります。」と表示し、さらに照合元200のバーコード数が第1の形状情報の検出数よりも多いので、「薬剤が少ない可能性があります。」との表示をさせてもよい。
さらに、例えば仮に薬剤305aの第1の形状情報119の加え、さらに別の薬剤の第1の形状情報119が検出されれば、処方箋で指示された薬剤数よりも払い出されている薬剤の数が多いことが明確になるので、(S56)に至るフローに従い、「照合のあわないものがあります。」と表示し、さらに照合元200のバーコード数が第1の形状情報の検出数よりも少ないので、「薬剤が多い可能性があります。」との表示をさせてもよい。さらに、「バーコード面が上を向いているか、確認してください。」との表示をしてもよい。
(実施例5)
図9で示される第1の実施形態の実施例5は、照合元に関する情報を表示する例であるが、本実施の形態においても当てはまることは言うまでもない。
(実施例6)
図10で示される第1の実施形態の実施例6は、照合先に関する情報を表示する例であるが、本実施の形態においても当てはまることは言うまでもない。
なお、第1の実施の形態では、警告の対象となった薬剤のバーコード304b、305b、および処方箋のバーコード204b、205bの輪郭を表示したが、薬剤のバーコードの輪郭に代えて、薬剤304a、305aの輪郭を表示してももい。
(実施例7)
図21に示す通り、実施例7は実施例1と同様、バーコード情報116が認識された照合元の数と、バーコード情報118が認識された照合先の数が一致する場合である。しかし、実施例1と異なり、バーコード面が上を向いておらず、バーコードが認識されていない照合先305aが存在するので、処方箋で指示されていない薬剤を誤って払い出しているものである。このような場合、第1の実施形態では、この誤りを正しく検出することができない。
しかしながら、本実施形態では、照合先の薬剤305aの形状を抽出、認識することができるので、照合監査装置101は正しい指示を与えることができるものである。以下、その動作を説明する。
基本的な抽出動作、照合動作は、図16の(S51)に至るフローで実行される。
照合元200の各バーコード201b、202b、203b、204bおよび照合先300のバーコード301b、302b、303b、304bの抽出、各照合先である薬剤301a、302a、303a、304a、305aの輪郭の抽出、さらに、記録装置114に記録された第2の形状情報の読み出しは実施例1と同様である。
これらの抽出、読み出しが終わると、次に比較照合動作に入る。まず、バーコード201b、202b、203b、204bとバーコード301b、302b、303b、304bとを比較照合する。この結果、両者がそれぞれ完全に一致するとの結果が得られる。さらにそれぞれの照合先の第1の形状情報と、第2の形状情報とを比較照合する。この結果、薬剤305aの輪郭と記録装置114に記録された第2の形状情報とが一致しないとの結果が得られる。次のステップとして、照合元200のバーコード数と照合先300の第1の形状情報数を比較するが、本実施例の場合、照合先300の第1の形状情報は5つ検出されるのに対し、照合元200のバーコード数は4つしか検出されない。したがって、薬剤の数が処方箋で指示された薬剤よりも多いと判断できる。
この結果を受けて、照合検査装置101は、照合のあわない薬剤が払い出されていると判断し、「照合のあわないものがあります。」と表示する。さらに、「薬剤が多い可能性があります。」との表示を行うこともできる。
監査者は、かかる結果をふまえ、薬剤305aを取り除けば、「照合OK」の文字が表示される。
(実施例8)
図22に示される実施例8は、照合先の商品の第2の形状情報120が記録装置114に記録されていない場合の処理についての例である。基本的な抽出動作、照合動作は、図16の(S50)に至るフローで実行される。
図22において、照合元のバーコード205bと照合先のバーコード305bが一致する場合を考える。しかし、薬剤305aの形状が未登録であった場合は、第1の形状情報と第2の形状情報の比較の結果、薬剤305aの形状が一致しないとの結果が得られる。さらに、照合元200のバーコード数と照合先300の第1の形状情報数を比較するが、本実施例の場合、照合先300の第1の形状情報および照合元200のバーコード数はともに5つであり、数が等しい。したがって、薬剤305aに対応する第2の形状情報が記録装置114に記録されていないと判断できる。
そこで、図22(a)のように、「新しい形状を認識しました。登録を行いますか?」との表示を行う。これに対して、監査者が外部入力装置等で登録指示を出せば、処理部108は、抽出した薬剤305aの第1の形状情報119を薬剤305aと関連付けて、通信部109を介して情報処理部103の記録装置114に対し記録指示を行う。記録が完了すれば、図22(b)のように、「新しい照合先形状を登録しました。」との表示を行う。これ以降の照合においては、照合先300や照合元200に薬剤305aのバーコード205b、305bが検出された場合、この登録済みの形状情報を第2の形状情報120として用いる。
以上の通り、本実施例によれば、記録装置114に不足する第2の形状情報120を、各照合動作時に追加することができ、第2の形状情報120のデータベース構築を容易に行うことができるものである。
(実施例9)
今まで説明した実施例は、トレイの空間を仕切らずに用いていた。しかし、病院での処方箋、特に入院患者用の処方箋と、これに基づく薬剤の払い出しにおいては、朝昼夜の投薬予定分を一度に払い出すことが多い。
そこで、本実施例は、図23に示す通り、トレイを3つの領域400x、400y、400zに分割するとともに、照合先200の処方箋も3つの領域200x、200y、200zに分割している。そして、それぞれの領域に払い出された照合先としての薬剤と、これに対応する照合元の処方箋領域との照合を行うものである。それぞれの領域での基本的な動作は、第3の実施の形態での動作、および実施例1から8の動作と同じである。
これによれば、一日分の薬剤払い出しを一度に監査、照合できるので、効率的な監査、照合業務を遂行することができるものである。
本発明は、冒頭で説明した通り、病院の薬剤部における薬剤払い出しの場合の他、注文票に応じて物品を払い出すあらゆる場合に用いることができるものである。特に、正確に払い出したかどうかの監査を必要とするような場合に、より効果を発揮するものである。
101 照合監査装置
102 頭部装着ユニット
103 情報処理部
104 本体部
105 CCDカメラ
106 透過型ディスプレイ
107 メモリ
108 処理部
109 通信部
110 音声出力装置
111 通信部
112 メモリ
113 処理部
114 記録装置
115 照合元
116 バーコード情報
117 照合先
118 バーコード情報
119 第1の形状情報
120 第2の形状情報
200 照合元
201b、202b、203b、204b、205b バーコード
300 照合先
301a、302a、303a、304a,305a 薬剤
301b、302b、303b、304b、305b バーコード

Claims (14)

  1. 特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置と、
    照合先を特定するための照合先データを前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、
    照合元を特定するための照合元データを前記画像データから取得する照合元データ取得手段と、
    前記照合先データと前記照合元データとを比較照合し比較照合結果を出力する比較照合手段と、
    前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置、
    とを備えた照合検査装置。
  2. 前記照合先データは、照合先に設けた第1のコード情報である請求項1記載の照合検査装置。
  3. 前記照合元データは、照合元に設けた第2のコード情報である請求項1記載の照合検査装置。
  4. 前記照合元データを記録する記録手段を有するとともに、
    前記照合元データ取得手段は、前記画像データから照合元データを取得することに加え、前記記録手段から前記照合元データを読み出すことにより前記照合元データを取得する請求項1記載の照合検査装置。
  5. 特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置と、
    照合先を特定するための第1のコード情報及び第1の形状情報を前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、
    照合元を特定するための第2のコード情報を前記画像データから取得する照合元データ取得手段と、
    前記第1のコード情報と第2のコード情報を比較照合するとともに、前記第1の形状情報の取得結果を用いて比較照合結果を出力する比較照合手段と、
    前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置、
    とを備えた照合検査装置。
  6. 特定の視野を撮像し画像データを出力する撮像装置と、
    照合先を特定するための第1のコード情報及び第1の形状情報を前記画像データから取得する照合先データ取得手段と、
    複数の第2の形状情報を記録する記録手段と、
    照合元を特定するための第2のコード情報を前記画像データから取得するするとともに、前記記録手段から特定の前記第2の形状情報を取得する照合元データ取得手段と、
    前記第1のコード情報と第2のコード情報、および前記第1の形状情報と第2の形状情報を比較照合し、比較照合結果を出力する比較照合手段と、
    前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する映像表示装置、
    とを備えた照合検査装置。
  7. 前記特定の視野は、監査者の視野であることを特徴とする請求項1記載の照合検査装置。
  8. 前記照合先は、薬剤であり、前記照合元は、処方箋ないし注射箋である請求項1記載の照合検査装置。
  9. 前記映像表示装置は、透過型ヘッドマウントディスプレイであることを特徴とする請求項1記載の照合検査装置。
  10. 照合先に関連する照合先関連情報、または照合元に関連する照合元関連情報を記録する記録手段を備えるとともに、
    前記映像表示装置は、前記照合先関連情報または照合元関連情報を前記特定の視野に重ねて表示する請求項1記載の照合検査装置。
  11. 監査者に対する指示を表す指示情報を記録する記録手段を備えるとともに、
    前記映像表示装置は、前記指示情報を前記特定の視野に重ねて表示する請求項1記載の照合検査装置。
  12. 特定の視野を撮像する撮像装置が出力する画像データから、照合先を特定するための照合先データ、および照合元を特定するための照合元データを取得する段階と、
    前記照合先データと前記照合元データとを比較照合し比較照合結果を得る段階と、
    前記比較照合結果を前記特定の視野に重ねて表示する段階、
    とからなる照合検査方法。
  13. 照合先に関連する照合先関連情報、または照合元に関連する照合元関連情報を前記特定の視野に重ねて表示する段階を有する請求項12記載の照合検査方法。
  14. 操作者に対する指示を表す指示情報を前記特定の視野に重ねて表示する段階を有する請求項12記載の照合検査方法。
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