JP2011133457A - 毒性試験法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、数mgの検体量に適用可能であり、簡便かつ迅速な遺伝毒性の試験法を提供することにある。
【解決手段】上記課題は、細胞の培養液に被験物質を加え暴露させた後、被験物質を除去し、新しい培養液をこれに加え培養を続け、細胞の分裂期間を経た後、細胞核を染色して撮影し、画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置により細胞核の直径と細胞数を測定し、細胞核の平均直径とコントロールの細胞核の平均直径を比較し、細胞核のスエリング現象を測定する工程を含む遺伝毒性試験法によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、簡便かつ迅速な毒性試験法に関する。
少量新規化学物質の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」での届出状況は平成19年ではおよそ20000件に及び、研究開発段階の新規化学物質も毎年膨大な数と推察される。しかし、取扱い量が少ないという理由から、毒性のリスクの把握は充分ではない。また、研究初期の新規化学物質は微量にしか得られない場合が多く、既存の試験法が適用出来ないという問題もある。
既存の試験法としては、クリーブ(Clive)らにより開発された(非特許文献1)動物細胞のL5178Y・TK+/−細胞を用いる遺伝毒性の試験法が知られている。
しかし、数十ミリグラム以上の被験物質を必要とする。(OECD Guideline for Testing of Chemicals 476番参照)
Clive,D.et al.(1975)Laboratory procedure for assesing specific locus mutations at the TKlocus in cultured L5178Y mouse lymphoma cells,Mutat.Res.,31,17−29.
本発明の課題は、数mgの検体量に適用可能であり、簡便かつ迅速な化学物質の毒性の試験法を提供することにある。
上記課題は、細胞の培養液に被験物質を加え暴露させた後、被験物質を除去し、新しい培養液をこれに加えて培養を続け、細胞の分裂期間を経た後、細胞核を染色して撮影し、画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置により細胞核の直径と細胞数を測定し、細胞核の平均直径とコントロールの細胞核の平均直径を比較し、細胞核のスエリング現象を測定する工程を含む毒性試験法によって解決される。
また、上記課題は、検体となる細胞を含む培地を被験処理した後、前記細胞を細胞分裂させ、それにより得られた細胞の細胞核を染色して撮影し、画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置により前記細胞核の直径を複数測定し、被験処理していないコントロールの細胞核の直径分布と比較して、前記直径分布を超える前記被験処理した細胞の数が5%以上の場合に毒性ありと判断することを特徴とする毒性試験法によって解決される。
本発明の毒性試験法によれば、数mgの検体量に適用可能であり、簡便かつ迅速に毒性の評価ができる。
各被験物質で処理した細胞の細胞核の平均直径の経時変化を示すグラフである。 DMBAの+S9の細胞核の直径の大きさの分布を示すグラフである。 染色体異常とG2期細胞のスエリングとの相関関係を示すグラフである。
本発明は、化学物質の毒性の試験方法として、培養細胞を用いた毒性試験において、被験物質を暴露後の培養細胞の細胞核を染色して撮影し、これを画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置を用いて、細胞数のカウントならびに細胞核の直径の測定を行い、コントロールの細胞核の直径と比較し、細胞核のスエリング(swelling)現象を測定する事を特徴とする、毒性試験法に関する。
本発明に係る毒性試験法は、細胞を用いて被験物質などにより被験処理された遺伝毒性を含む毒性を試験する方法であれば特に限定されないが、例えば、染色体異常試験、マウスリンフォーマ試験(MLA)等が挙げられる。好ましくは、細胞の培養液に被験物質を加え暴露させた後、被験物質を除去し、新しい培養液をこれに加え培養を続けて、細胞の分裂期間を経た後、その細胞観察により異常を測定する毒性試験方法である。
本願明細書において、被験処理とは、放射線や紫外線などを照射すること、又は化学物質や食品添加物などの被験物質を加え暴露させることを意味する。被験物質としては、例えば、p-Acetamidophenol、[6-Chloro-9-(3-[2-chloroethylamino]propylamino)-2-methoxyacridine] dihydrochloride、Mitomycine C、1-Methyl-3-nitro-1-nitrosoguanidine、Sodium Azide、2-(2-Furyl)-3-(5-nitro-2-furyl)-acrylamide、Trp-P-2 Acetate、2-Acetamidofluorene、4-Nitroquinoline 1-Oxide、Metyl methane sulfonate、9-Aminoacridine、2-Aminoanthracene、9,10-Dimethyl-1,2-benzanthracene、Benzo[a]pyrene、及びCyclophosphamide Monohydrateが挙げられる。
本発明でいう「細胞」は特に限定されず、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞等が広く使用できるが、マウスのリンパ腫細胞L5178Y、チャイニーズハムスターのCHO、AS52、V79細胞、ヒトのリンパ芽球様細胞TK6、チャイニーズハムスター雌新生仔肺由来の細胞株CHLが好ましく、特に、マウスのリンパ腫細胞L5178Yが好ましい。
化学物質の中にはそれ自体でDNAと反応して変異原性などの毒性を示すものと、生体内で代謝活性化されたのちDNAと反応して変異原性などの毒性を示すものがある。本発明の方法では代謝活性化され毒性を示すものを試験する為、ラット等の肝臓から得られる薬物代謝活性化酵素系(S9Mix)を細胞に加えることが一般的である。
本発明において用いられる培地は細胞を培養するものであれば特に限定されるものではなく、液体のものやゲル状のものである。細胞としてマウスのリンパ腫細胞L5178Yを使用する場合は、RPMI−1640培地が用いられる。
被験処理する際に使用される培地としては、例えば、血清を含まない培地、更に具体的には、血清を含まないRPMI−1640培地が用いられる。
被験処理する時間は、使用する細胞、放射線など、及び被験物質の種類によるものであり、特に限定されないが、好ましくは、1〜24時間、更には、1〜5時間、通常3時間である。
被験物質の暴露後、例えば、遠心分離し、上清を捨てる事により、被験物質は除去される。
得られた被験物質が除去された細胞へは、新たな培地が加えられる。ここで使用される培地としては、血清を含有する培地、具体的には、ウマ血清含有RPMI−1640培地が使用され、好ましくは、10%ウマ血清含有RPMI−1640培地が使用される。
培養は、例えば、24wellプレートなどの培養プレートにて行われ、COインキュベーターが通常使用され培養される。
被験物質除去後の培養は、使用する細胞の分裂期間を超えて行われる。マウスリンパ球由来の細胞株L5178Yの場合は、10〜24時間、好ましくは18時間である。
培養後、細胞懸濁液の一部を取り、細胞の固定化を行う。通常、培地の1/100〜2/100液量のホルマリンを加えて固定化は行われる。
固定化後、細胞の細胞核を染色する。
細胞核の染色においては、アクリジンオレンジ(AO)、Hoechst33258、pyronin−Yなどを使用する方法が挙げられるが、通常、アクリジンオレンジ(AO)染色液が使用される。好ましくは、DAPI(4´,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)を用いて、超音波処理して染色する。
染色液の使用量は、通常、培地の1/100〜2/100液量である。
細胞の撮影は、上述の操作で得られた混合液を血球計算盤に流し込み、蛍光顕微鏡を使用して行われる。
得られた画像を、画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置を用いて、細胞の数のカウント、細胞核の直径の測定を行い統計処理を行う。
画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置としては、特に限定されないが、画像に取り込まれた細胞などの粒子の細胞核の直径と粒子数が測定できるものであれば良く、画像処理ソフトウェア(MediaCubernetics製Image−Pro Plus)が挙げられる。
本発明に係る毒性試験方法においては、コントロール試験(被験処理無し)の細胞核の平均直径を1として、各被験処理した細胞の細胞核の平均の直径を比較し、細胞核のスエリング(swelling)を評価することができる。
毒性判断は、例えば、被験処理した細胞核の平均直径がコントロール試験の細胞核の平均直径に比べ5%以上、より明確には10%のスエリングを示したものに毒性があると判断できる。また、コントロール試験(被験処理無し)の細胞核の平均直径を1とすれば、1.05、より明確には1.10の細胞核のスエリング(swelling)を示すものに毒性があると判断できる。
本発明に係る毒性試験方法においては、コントロール試験(被験処理無し)の細胞核の直径分布を算出し、被験処理した細胞の細胞核の直径と前記直径分布とを比較し、前記直径分布を超える細胞の数を求めることにより、細胞核のスエリング(swelling)を評価することができる。ここで、直径分布を超えるとは、分布中に細胞が存在する細胞核の最大直径を基準に、その基準値を超えるということである。基準値は、分布中に基準値を超える細胞が全く存在していないことを要求するものではなく、例えば、細胞数全体の1%が基準値を超えていてもよい。
毒性判断は、例えば、コントロール試験の細胞核の直径分布を超える被験処理した細胞の数が、被験処理された細胞の数の5%以上、より明確には10%以上であれば毒性があると判断できる。
なお、本試験法では、細胞が生存している事を要件とする。細胞の生存は、蛍光染色により確認することができる。細胞を生存させるには、例えば、添加する被験物質の濃度を下げればよい。被験物質の濃度を下げすぎると、スウェリングしたかどうかの判定が困難になるため、被験物質の濃度をできるだけ上げ、かつ細胞が生存している状態で試験を行うのが好ましい。
本願発明に係る毒性試験法においては、特に、細胞分裂させたG2期の細胞核がスエリングしたかどうかを求めることにより、被験物質の毒性の判断ができる。G2期の細胞核のスエリングは、染色体異常の出現率と高い相関があるので、例えば、細胞核の平均直径がコントロール試験の細胞核の平均直径に比べ5%以上スエリングしているものの割合が高ければ、染色体異常があり、毒性があると判断できる。また、コントロール試験の細胞核の直径分布を超える被験処理された細胞の数が多ければ、染色体異常があり、毒性があると判断できる。このような毒性試験法は、染色体が小さく本数が多いヒト細胞など染色体分析が難しい細胞について、手間のかかる染色体標本の作製を行うこと無しに染色体異常の出現頻度を予測することが可能である。
G2期の細胞核がスエリングしたかどうかを求める場合、細胞核のDNAに特異的に結合する蛍光色素(DAPI、AO、Hoechst 33342等)で染色して、細胞核の蛍光像を撮影し、Image−Pro Plusのような画像解析ソフトを用いることによって蛍光強度から細胞周期をほぼ特定し、細胞核のスエリングを測ることができる。または、フローサイトメーターなどの装置を使って測定することもできる。
[実施例1]
1.5mLのエッペンドルフチューブ(商品名)に、国立医薬品食品衛生研究所より供与されたマウスリンパ球由来の細胞株L5178Y tk+/−−3.7.2cの1×10cells/mL 200μL、血清を含まないRPMI−1640培地176μL、濃度0.15mol/Lの塩化カリウム水溶液(代謝活性化させる場合は、濃度0.15mol/Lの塩化カリウムに代えてS9mix(ラットなどの哺乳動物の腹腔内にフェノバルビタールなどの薬物を投与して代謝酵素系を誘導した肝ホモジネートの上清分画S9に補助因子を添加したもの)を使用。濃度2wt%)20μL及び、被験物質のDMSO(ジメチルスルフォキシド)溶液4μLを導入した。
被験物質としては、代謝活性化しない場合の代表的な変異原性物質にMMS:Methylmetanesulfonate(メタンスルホン酸メチル)を使用し、代謝活性化させる場合の代表的な変異原性物質にCP:Cyclophosphamide(シクロフォスファミド)とBP:Benzopyrene(ベンゾピレン)をそれぞれ使用した。MMSは培地中での濃度が20μg/mL、CPは培地中での濃度が62.5μg/mL、BPは培地中での濃度が7.81μg/mLとなるようDMSO溶液を調製して培地に添加した。なお、コントロールには溶媒のDMSOを用いた。
次いで、これら被験物質を加えたチューブを3時間、37℃の条件で、細胞が一箇所にかたよらない程度に振とうした。
振とう後、回転数1000rpmにて5分間遠心分離し、上清を除き、新しい10%ウマ血清含有RPMI−1640培地1000μLを加えて、24穴プレートに移し、37℃、二酸化炭素(CO)5%で培養した。
培養18時間後、ホルマリンを1%加えて固定し、アクリジンオレンジ(AO)染色液を1%加えて、その混合液を7μLを血球計算盤に流し込み、蛍光顕微鏡撮影を行った。
得られた画像を画像解析ソフト(Image−Pro(メディアサイバネティクス(MediaCybernetics)社製)を用いて、細胞核の直径の測定と細胞数のカウントとを行い、経時時間での平均の細胞核の直径を算出した。
コントロール試験(被験処理無し)の細胞核の平均直径を1として、各被験物質で処理した細胞の細胞核の平均の直径を比較した。
MMSで処理した細胞の細胞核の平均の直径は1.09、BPで1.10、CPで1.08とスエリング(swelling)が認められた。
表1には、コントロールならびに各被験物質で処理した細胞の細胞核の平均直径の経時変化を参考として示す。なお、表1中、被験物質への暴露開始時を0時間としている。前記蛍光顕微鏡撮影を行った時は、表1中の24時間の時である。24時間以降は、蛍光顕微鏡撮影前の培養時間を長くして同様に細胞核の平均直径を求めた結果である。
図1は、表1をグラフ化したものである。
表2は、コントロール試験の画像解析ソフトで求めた細胞核の平均直径(Cell Diameter)を1とした場合の、各被験物質で処理した細胞の細胞核の平均直径の経時変化を示す。
このように毒性の陽性対象である被験物質で処理した細胞核にはスエリングが認められ、スエリングと毒性の陽性物質とに相関が認められる。
[実施例2]
1.5mLのエッペンドルフチューブ(商品名)に、国立医薬品食品衛生研究所より供与されたマウスリンパ球由来の細胞株L5178Y tk+/−−3.7.2cの1×10cells/mL 200μL、血清を含まないRPMI−1640培地176μL、濃度0.15mol/Lの塩化カリウム水溶液、又は代謝活性化させる場合は、濃度0.15mol/Lの塩化カリウムに代えてS9mix(ラットなどの哺乳動物の腹腔内にフェノバルビタールなどの薬物を投与して代謝酵素系を誘導した肝ホモジネートの上清分画S9に補助因子を添加したもの)を使用。濃度2wt%)20μL及び、表3に示した被験物質を4μL導入した。
被験物質としては、表3に示す化合物を使用した。
被験物質はSolvent Controlに示した各溶媒で溶解し、培地中での最終溶媒濃度がいずれも1%になるように調製して培地に添加した。
次いで、これら被験物質を加えたチューブを3時間、37℃の条件で、細胞が一箇所にかたよらない程度に振とうした。
振とう後、回転数1000rpmにて5分間遠心分離し、上清を除き、新しい10%ウマ血清含有RPMI−1640培地1000μLを加えて、24穴プレートに移し、37℃、二酸化炭素(CO)5%で培養した。
培養18時間後、ホルマリンを1%加えて固定し、ホルマリン固定した細胞について、DAPIを染色液として添加した。DAPIは、細胞膜透過性が無いので、超音波洗浄器に10から20秒かけた。次いで細胞浮遊液をディスポーザブルカウンティングチャンバー(マツナミ沈渣用プレート,商品コードMUR-500、又は積水検鏡プレート)に入れ、日本ローパー染色体観察システム(日本ローパー社製)で650×480μmの範囲を走査しながら対物20倍のレンズで、細胞を撮影した(視野8×9=72枚撮影)。その画像についてImage Analysisソフトウエア(Image−Pro Plus)(メディアサイバネティクス(MediaCybernetics)社製)を用いて細胞核の直径と細胞の数を計測して、細胞核の直径を求めた。判定は、コントロールの細胞核の直径分布を基準に基準値を求め、それを超える直径の細胞が何%存在するかで行い、以下の3段階で評価した。なお、基準値を超える細胞の数を細胞全体の1%未満として基準値を求めた。
Negative:Swelling<5%
Weak Positive:5%≦Swelling<10%
Positive:Swelling≧10%
S9mixを用いたものを+S9、用いていないものを−S9として、結果を表4に示した。
DMBAの+S9の細胞核の直径の大きさの分布を図2に示した。細胞核の直径が11.6μm以上のものをスエリングした細胞核とした。その結果、スエリングした細胞核は、10%以上であったため、+(positive)と評価した。
結果を表4に示す。
AAP: p-Acetamidophenol
ICR-191: [6-Chloro-9-(3-[2-chloroethylamino]propylamino)-2-methoxyacridine]
dihydrochloride
MMC: Mitomycine C
MNNG: 1-Methyl-3-nitro-1-nitrosoguanidine
SA: Sodium Azide
AF2: 2-(2-Furyl)-3-(5-nitro-2-furyl)-acrylamide
TP2: Trp-P-2 Acetate
2AAF: 2-Acetamidofluorene
4NQO: 4-Nitroquinoline 1-Oxide
MMS: Metyl methane sulfonate
9AA: 9-Aminoacridine
2AA: 2-Aminoanthracene
DMBA: 9,10-Dimethyl-1,2-benzanthracene
B[a]P: Benzo[a]pyrene
CP: Cyclophosphamide Monohydrate
Naca: Nacalai Tesque, Inc.
Wako: Wako Pure Chemical Industries Ltd.

a) -: Negative(Swelling<5%)
±: Weak Positive(5%≦Swelling<10%),
+: Positive(Swelling≧10%)
b) Max swelling (%)
c) Minimum positive conc. (Swellig≧5.0%)
表4中、Neagive(スウェリング5%未満)と評価されたものは、被験物質の濃度を500μg/mLとしてもスウェリングしたものが5%未満であったか、又は細胞が死んでしまい、細胞核の直径が測定できなかったものである。
実施例2の結果は、既知の変異原性試験の判定(染色体異常試験データ集:祖父尼俊雄監修、1998年版LIC出版)と良く一致していた。このことから、スエリングをエンドポイントにした方法は、従来の染色体異常や小核などをエンドポイントしたものと同様に、新たなエンドポイントとして有効であることがわかる。本発明に係る毒性試験法は、特に標本作製の手間が要らず機器測定が容易なため、1mg程度の少量検体に対応可能、かつ試験期間短縮にきわめて有効である。
[実施例3]
ヒューマンサイエンス研究資源バンクから購入したチャイニーズ・ハムスター由来の繊維芽細胞株CHL/IUを2×10cellsシャーレに播種し、培養3日目に、被験物質(MMCとB(a)P)と、必要な場合は代謝活性化酵素S9 mixも加えて6時間被験処理した後、被験物質を除去して新しい培養液を加えて18時間培養した。トリプシン処理して細胞を回収し染色体標本を作製し、一部(少量の細胞懸濁液)をホルマリン固定した。染色体標本は定法に従って、回収2時間前にコルセミドを添加して分裂中期の細胞を蓄積し、塩化カリウム水溶液で低張処理した後、カルノアで固定・置換してからスライドガラスに滴下、風乾して作製した。ギムザ染色した後、用量当たり100個の分裂中期像を観察して染色体異常の割合((染色体異常の個数/100個)×100))及び種類を記録した。ホルマリン固定した細胞は蛍光色素Hoechst 33342で細胞核を染色して顕微鏡撮影し、Image−Pro Plusを用いて画像処理を行い、その積分光学濃度からG2期にある細胞を選択して、その細胞核がスエリングを生じている細胞の割合(%)を測定した。なお、コントロールの細胞核の直径分布を超える直径13.2μm(基準値)以上のものをスエリングが生じていると判断した。基準値を超える細胞の数を細胞全体の1%未満として基準値を求めた。染色体異常の割合と、G2期細胞のスエリングの割合とを表5、及び表6に、その相関関係を図3に示した。
実施例3の結果より、染色体異常の割合と、G2期細胞のスエリングの割合との関係は比例関係にあり、スエリングを調べることにより毒性の評価ができることが分かる。

Claims (3)

  1. 検体となる細胞を含む培地を被験処理した後、前記細胞を細胞分裂させ、それにより得られた細胞の細胞核を染色して撮影し、画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置により前記細胞核の直径を複数測定し、前記被験処理した細胞核の平均直径を求め、前記平均直径と被験処理していないコントロールの細胞核の平均直径とを比較して、前記被験処理した細胞核の平均直径の方が大きい場合に毒性ありと判断することを特徴とする毒性試験法。
  2. 検体となる細胞を含む培地を被験処理した後、前記細胞を細胞分裂させ、それにより得られた細胞の細胞核を染色して撮影し、画像解析演算ソフトウェア機能を有する画像解析装置により前記細胞核の直径を複数測定し、被験処理していないコントロールの細胞核の直径分布とを比較して、前記直径分布を超える前記被験処理した細胞の数が5%以上の場合に毒性ありと判断することを特徴とする毒性試験法。
  3. 検体となる細胞を含む培地に被験処理として被験物質を加え暴露させた後、被験物質を除去し、新しい培地をこれに加え培養を続け、前記細胞を細胞分裂させることを特徴とする請求項1又は2記載の毒性試験法。
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